JP2012059472A - 二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 湾曲の発生を抑制しつつ集電箔の一面に配置された合材層を緻密化させることができる二次電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】 二次電池用電極(10,30)の製造方法は、集電箔(11,31)の一面に正極用または負極用の合材層(12,32)が配置されかつ他面に補助層(40)が配置された積層体に対して、積層方向に圧縮する工程を含み、補助層は、厚み方向に圧縮されたときの面に平行な方向の伸び率が集電箔よりも大きいことを特徴とするものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、二次電池用電極の製造方法に関する。
通信機器等の急速な普及に伴い、電源として二次電池の開発が進められている。また、通信機器以外にも、低公害車としての電気自動車、ハイブリッド自動車等の電源として二次電池の開発が進められている。
二次電池の電極は、集電箔と集電箔の一面に配置された合材層とを備えている。この合材層は、電極の性能向上の観点から緻密であることが好ましい。特許文献1には、集電箔の両面に合材層を配置後に、ロールプレスによる圧縮加工を施して集電箔の両面の合材層を緻密化させる方法が開示されている。
特開2009−146657号公報
合材層が集電箔の一面に配置された電極を製造するために、集電箔の一面に合材層を配置し、集電箔の他面には合材層を配置せずにロールプレス等の圧縮加工を施した場合、電極の合材層側の表面が凸状に湾曲することがあった。
本発明は、湾曲の発生を抑制しつつ集電箔の一面に配置された合材層を緻密化させることができる二次電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る二次電池用電極の製造方法は、集電箔の一面に正極用または負極用の合材層が配置されかつ他面に補助層が配置された積層体に対して、積層方向に圧縮する工程を含み、補助層は、厚み方向に圧縮されたときの面に平行な方向の伸び率が集電箔よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明に係る二次電池用電極の製造方法によれば、補助層は、厚み方向に圧縮されたときに集電箔よりも大きく面に平行な方向に伸びる。それにより、集電箔の他面は補助層からの面に平行な方向への引っ張り応力を受ける。この引っ張り応力によって、圧縮時に合材層から受ける引っ張り応力に起因して生じる集電箔の他面における面に平行な方向の圧縮内部応力を緩和することができる。それにより、湾曲の発生を抑制しつつ合材層を緻密化することができる。
上記方法において、補助層は、少なくとも集電箔と接する面に粘着材を備えていてもよい。この方法によれば、粘着材が集電箔に粘着することによって、圧縮時における補助層からの引っ張り応力を集電箔に効率的に伝えることができる。その結果、電極の湾曲を効率的に抑制することができる。
上記方法において、補助層は、基膜の両面に粘着材を備える構成を有していてもよい。この方法によれば、集電箔を、例えば集電箔上に合材層を形成する際に用いられる装置のベースに粘着させることができる。それにより、集電箔のベースからの位置ずれを抑制することができる。
上記方法において、補助層の集電箔と反対側の粘着材の粘着力は、集電箔側の粘着材の粘着力よりも小さくてもよい。この方法によれば、補助層をベースから容易に剥がすことができる。
上記方法において、基膜は、ポリエステルを含んでいてもよい。上記方法は、圧縮加工を施す工程の前に、集電箔の一面に合材層を塗工する工程をさらに含んでいてもよい。
上記構成において、合材層は、固体電解質と、正極活物質または負極活物質と、を含んでいてもよい。上記方法において、二次電池は、リチウムイオン二次電池であってもよい。
本発明によれば、湾曲の発生を抑制しつつ集電箔の一面に配置された合材層を緻密化させることができる二次電池用電極の製造方法を提供することができる。
実施例1に係る二次電池の構成を説明するための模式的断面図である。 実施例1に係る電極の製造方法を説明するための模式的断面図である。 実施例1に係る電極の製造方法を説明するための模式的断面図である。 実施例1に係る二次電池の製造方法を説明するための模式的断面図である。 実施例1に係る補助層付きの二次電池の一例を示す模式的断面図である。 図6(a)は、比較例に係る圧縮工程を示す模式的断面図である。図6(b)は、比較例に係る圧縮工程の結果得られた正極電極を示す模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
実施例1に係る二次電池用の電極の製造方法について説明する。まず電極が用いられる二次電池の全体構成について説明し、次いで電極の製造方法について説明する。図1は、本実施例に係る二次電池100の構成を説明するための模式的断面図である。本実施例の二次電池100は、固体リチウム二次電池である。
二次電池100は、正極電極10、固体電解質層20および負極電極30がこの順に積層された積層体を備えている。正極電極10は、正極集電箔11と、正極集電箔11の固体電解質層20側の面に配置された正極合材層12と、を備えている。負極電極30は、負極集電箔31と、負極集電箔31の固体電解質層20側の面に配置された負極合材層32と、を備えている。なお、以下の説明において、正極集電箔11および負極集電箔31を集電箔と総称し、正極合材層12および負極合材層32を合材層と総称し、正極電極10および負極電極30を電極と総称する場合がある。
正極集電箔11は、特に限定されないが、アルミニウム等の金属箔からなる。正極合材層12は、主として正極活物質、リチウムイオン伝導性固体電解質等を含んでいる。固体電解質層20は、主としてリチウムイオン伝導性固体電解質を含んでいる。負極合材層32は、主として負極活物質、リチウムイオン伝導性固体電解質等を含んでいる。負極集電箔31は、特に限定されないが、銅、ステンレス等の金属箔からなる。
正極合材層12に用いる正極活物質は、正極活物質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。正極活物質として、一般的な固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMn2−xNi、LiMn2−xCo、LiMn2−x−yNiCo、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiM1−x−y等を用いることができる。ここで、一般式LiM1−x−y中の「M」は、Co,Ni,Mn等からなる群から選ばれる少なくとも1種である。「B」は、「M」もしくは「A」である。上記の中で、LiCoOおよびLiNiOが好ましく、LiCoOが特に好ましい。一般的に、LiCoOは正極用の活物質として良好な特性を有し、汎用されているからである。
負極合材層32に用いる負極活物質は、負極活物質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。負極活物質として、一般的な固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、金属In、金属Li、Si−Li合金、Sn−Li合金、SnO−Li系材料、黒鉛等を用いることができる。
固体電解質層20に用いる固体電解質は、固体電解質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。固体電解質として、一般的な固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、硫化物系固体電解質、チオリシコン、酸化物系固体電解質等を用いることができる。上記の中で、硫化物系固体電解質およびチオリシコンを用いることが好ましく、硫化物系固体電解質材料を用いることが好ましい。硫化物系固体電解質は、高いイオン伝導性を有するため、二次電池100を高出力化することができるからである。正極合材層12および負極合材層32にも、同様の固体電解質が含まれる。なお、集電箔の厚みは特に限定されないが、例えば15μm程度を用いることができる。合材層の厚みは特に限定されないが、例えば100μm程度を用いることができる。
続いて、本実施例に係る電極の製造方法について説明する。図2および図3は、電極の製造方法を説明するための模式的断面図である。なお、正極電極10の製造方法と負極電極30の製造方法とは同じ方法を用いることができるため、正極電極10の製造方法について説明し、負極電極30の製造方法の説明は省略する。まず、図2(a)に示すように、塗工装置のベース200上に補助層40を配置し、補助層40上に正極集電箔11を配置する。
本実施例において補助層40は、基膜41の両面に粘着材を備える構成を有している。粘着材のうち集電箔側の粘着材を粘着材42aと称し、集電箔とは反対側の粘着材を粘着材42bと称する。この場合、補助層40は粘着材42bを介してベース200に粘着し、正極集電箔11は粘着材42aを介して補助層40に粘着する。
基膜41の材質は特に限定されないが、例えばセロファン、ポリエステル等を含むものを用いることができる。本実施例では、基膜41はポリエステルを含んでいる。基膜41の厚みは特に限定されないが、例えば3μm程度〜50μm程度を用いることができる。
粘着材42a,42bの材質は特に限定されない。粘着材42a,42bとして、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着材を用いることができる。また、粘着材42aの粘着力と粘着材42bの粘着力とは同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施例において、粘着材42bの粘着力は粘着材42aの粘着力よりも小さい。粘着材42aの厚みは特に限定されないが、例えば25μm程度を用いることができる。粘着材42bの厚みは特に限定されないが、例えば粘着材42aと同程度の厚みを用いることができる。
粘着材42aの材質は集電箔の材質よりも軟らかいことから、厚み方向に圧縮されたときの粘着材42aの面に平行な方向の伸び率は集電箔の面に平行な方向の伸び率よりも大きい。すなわち、本実施例において補助層40は、厚み方向に圧縮されたときの面に平行な方向の伸び率が集電箔の伸び率よりも大きい層としての機能を有している。
次いで、正極集電箔11の一面に正極合材層12を形成する合材層形成工程が行われる。合材層形成工程は、正極集電箔11の一面に正極合材層12を形成できる工程であれば特に限定されない。本実施例においては、合材層形成工程の一例として、正極集電箔11の一面に正極合材層12を塗工によって形成する工程を用いる。塗工手法として、例えばドクターブレード法、静電塗装等を用いることができる。本実施例においては、塗工手法の一例としてドクターブレード法を用いる。
ドクターブレード法を用いた合材層形成工程は、以下のように行われる。まず、図2(b)に示すように、塗工用のブレード201を用いて正極合材層12の原料を含んだスラリー12aを正極集電箔11の一面に塗工する。具体的には、所望の量のスラリー12aを正極集電箔11の一面に配置し、ブレード201を正極集電箔11の面方向に移動させながらスラリー12aを正極集電箔11の一面に押し広げる。その後、スラリー12aを乾燥させる。その結果、図2(c)に示すように、正極集電箔11の一面に正極合材層12が形成される。以上のように合材層形成工程は行われる。
次いで、図3(a)に示すように、補助層40をベース200から剥離して、粘着材42bに剥離紙300を粘着させる。
次いで、正極合材層12を圧縮する圧縮工程が行われる。本実施例においては、圧縮工程の一例として、ロールプレスが行われる。ロールプレスは、ローラをワークの面方向に相対移動させながらワークに圧縮応力を加える加工である。
具体的には、図3(b)に示すように、補助層40、正極集電箔11および正極合材層12を、これらの合計厚みよりも狭い間隔に調整された一対のローラ400の間に通す。それにより、ローラ400から補助層40、正極集電箔11および正極合材層12に積層方向の圧縮応力が加わる。圧縮工程によって、正極合材層12は緻密化する。また、粘着材42a,42b、正極集電箔11および正極合材層12は面に平行な方向に伸びる。なお、剥離紙300によって、ローラ400と粘着材42bとの粘着は抑制されている。以上のように圧縮工程は行われる。圧縮工程の結果、正極電極10が完成する。
なお、二次電池100は、電極製造工程の後にさらに以下の工程を行うことによって製造される。図4は二次電池100の製造方法を説明するための模式的断面図である。まず、図4(a)に示すように、正極合材層12の正極集電箔11とは反対側の面に固体電解質層20を配置する。なお、剥離紙300は補助層40から剥がしてもよく、補助層40に付着したままでもよい。
次いで、図4(b)に示すように、固体電解質層20の正極電極10とは反対側の面に負極電極30の負極合材層32を配置する。以上の工程によって、二次電池100の上面および下面に補助層40が配置された構成を有する二次電池が完成する。次いで、この二次電池から上下面の補助層40を除去することによって、図1に示す二次電池100が完成する。
なお、二次電池100は補助層40を備えていてもよい。図5は、補助層40付きの二次電池100の一例を示す模式的断面図である。補助層40付きの二次電池100は、例えば図5に示すように、ラミネートフィルム、缶等の包装部材50内に収容されて用いられることがある。この場合、補助層40の粘着材42bを包装部材50に粘着させることによって、二次電池100を包装部材50に位置決めすることができる。この場合、包装作業の作業性を向上させることができる。
続いて本実施例に係る電極の製造方法の作用効果を、比較例に係る電極の製造方法と比較しつつ説明する。比較例に係る電極の製造方法は、補助層40が用いられることなく電極が製造される点において、本実施例に係る電極の製造方法と異なっている。図6(a)は、比較例に係る圧縮工程を示す模式的断面図である。図6(b)は、比較例に係る圧縮工程の結果得られた正極電極10Aを示す模式的断面図である。
比較例に係る圧縮工程は、図6(a)に示すように、正極集電箔11の一面に正極合材層12が配置され正極集電箔11の他面には部材が配置されていない状態の電極をローラ400で圧縮することによって行われる。その結果、正極合材層12が緻密化されて図6(b)に示す正極電極10Aが得られる。正極電極10Aは、正極合材層12側の面が凸状に湾曲している。
この正極電極10Aの湾曲は、以下のメカニズムによって発生したものと考えられる。すなわち、固体電解質等からなる正極合材層12は金属からなる正極集電箔11よりも軟らかい。その結果、圧縮時における正極合材層12の面に平行な方向の伸び率は、正極集電箔11の面に平行な方向の伸び率よりも大きくなる。それにより、正極集電箔11の正極合材層12側の面は、正極合材層12から面に平行な方向への引っ張り応力を受ける。また、正極集電箔11の正極合材層12とは反対側の面には、面に平行な方向の圧縮内部応力が働く。この引っ張り応力と圧縮内部応力によって、正極電極10Aは湾曲したものと考えられる。
これに対して本実施例に係る圧縮工程によれば、図3(b)において前述したように、補助層40が集電箔の合材層とは反対側の面に配置された状態で圧縮工程が行われている。ここで、圧縮時における粘着材42aの面に平行な方向の伸び率は集電箔の伸び率よりも大きいことから、集電箔の合材層とは反対側の面は、圧縮時に粘着材42aからの面に平行な方向への引っ張り応力を受ける。この粘着材42aからの引っ張り応力によって、集電箔の合材層とは反対側の面に生じる面に平行な方向の圧縮内部応力を緩和することができる。それにより、集電箔の合材層側の面が凸状に湾曲することを抑制することができる。このように本実施例に係る電極の製造方法によれば、湾曲の発生を抑制しつつ集電箔の一面に配置された合材層を緻密化することができる。
また、本実施例に係る電極の製造方法によれば、圧縮工程時に粘着材42aが集電箔に粘着していることから、粘着材42aからの引っ張り応力を集電箔に効率的に伝えることができる。その結果、電極の湾曲を効率的に抑制することができる。
また、本実施例に係る電極の製造方法によれば、補助層40を介して集電箔をベース200に粘着させた状態で合材層形成工程(図2(b))が行われている。それにより、合材層形成時の集電箔のベース200からの位置ずれが抑制されている。その結果、集電箔のベース200からの位置ずれを抑制するために例えば固定手段で集電箔をベース200に固定する作業が不要となる。それにより、塗工作業の作業性が向上している。また、本実施例において、粘着材42bの粘着力は粘着材42aの粘着力よりも小さいことから、合材層形成工程後に補助層40をベース200から容易に剥がすことができる。
なお、補助層40は、厚み方向に圧縮されたときの面に平行な方向の伸び率が集電箔の伸び率よりも大きい層であれば、基膜41の両面に粘着材を備える構成でなくてもよい。例えば補助層40は、粘着材42bを有していなくてもよく、基膜41を有していなくてもよい。補助層40が粘着材42bを有しない場合、補助層40は集電箔と接する面に粘着材42aを備える層となる。補助層40が基膜41を有しない場合、補助層40全体が粘着材によって構成された層となる。
また、圧縮工程はロールプレスに限られない。例えば、ロールプレスに代えて、プレス板でワークを厚み方向から挟むことによって圧縮加工を施す平板プレス等を用いてもよい。
また、本実施例に係る電極の製造方法が適用される二次電池は、固体リチウム二次電池に限られない。本実施例に係る電極の製造方法は、固体電解質層20に代えてセパレータを備える液系のリチウム二次電池、キャパシタ等の電極にも適用することができる。
10 正極電極
11 正極集電箔
12 正極合材層
12a スラリー
20 固体電解質層
30 負極電極
31 負極集電箔
32 負極合材層
40 補助層
41 基膜
42a,42b 粘着材
50 包装部材
100 二次電池
200 ベース
201 ブレード
300 剥離紙
400 ローラ

Claims (8)

  1. 集電箔の一面に正極用または負極用の合材層が配置されかつ他面に補助層が配置された積層体に対して、積層方向に圧縮する工程を含み、
    前記補助層は、厚み方向に圧縮されたときの面に平行な方向の伸び率が前記集電箔よりも大きいことを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記補助層は、少なくとも前記集電箔と接する面に粘着材を備えることを特徴とする請求項1記載の二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記補助層は、基膜の両面に前記粘着材を備える構成を有することを特徴とする請求項2記載の二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記補助層の前記集電箔と反対側の前記粘着材の粘着力は、前記集電箔側の前記粘着材の粘着力よりも小さいことを特徴とする請求項3記載の二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記基膜は、ポリエステルを含むことを特徴とする請求項3または4記載の二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記圧縮加工を施す工程の前に、前記集電箔の前記一面に前記合材層を塗工する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
  7. 前記合材層は、固体電解質と、正極活物質または負極活物質と、を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
  8. 前記二次電池は、リチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
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