JP2012058658A - 画像形成装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製品としての使用時における定着装置からの超微粒子(UFP)の発生の抑制を図った画像形成装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 画像形成装置1の制御部200は,通常の定着温度制御モードと,超微粒子発生温度制御モードとを有する。超微粒子発生温度制御モードは,定着ローラ20の表面温度を定着上限温度よりも10℃以上高い超微粒子制御上限温度に保持する加熱状態と,定着ローラ20の加熱を停止する加熱停止状態とを有する。そして,加熱状態と加熱停止状態とを交互に繰り返す。
【選択図】図3
【解決手段】 画像形成装置1の制御部200は,通常の定着温度制御モードと,超微粒子発生温度制御モードとを有する。超微粒子発生温度制御モードは,定着ローラ20の表面温度を定着上限温度よりも10℃以上高い超微粒子制御上限温度に保持する加熱状態と,定着ローラ20の加熱を停止する加熱停止状態とを有する。そして,加熱状態と加熱停止状態とを交互に繰り返す。
【選択図】図3
Description
本発明は,画像形成装置とその製造方法に関する。さらに詳細には,装置内部で超微粒子の発生しにくい画像形成装置とその製造方法に関するものである。
電子写真方式を用いた画像形成装置では,感光体ドラムに形成した静電潜像にトナーを付与してトナー像とし,そのトナー像を用紙に転写し,定着装置によりそのトナー像を用紙に定着する方式がある。
トナー像を加熱することでトナー像を用紙に定着させる加熱型定着装置では,その加熱に起因して発生する物質が,画像形成装置の内部に飛散することがある。このような物質については除去することが好ましい。
例えば特許文献1には,揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)を除去するための揮発性有機化合物除去手段が設けられた画像形成装置が開示されている。この揮発性有機化合物(VOC)は,主に用紙やトナーから発生する(特許文献1の段落[0003]等参照)。特許文献1によれば,まず吹付けファンにより,用紙の表面にエアをあてて揮発性有機化合物(VOC)を吹き飛ばす。次に,吹き飛ばされたエアを吸引ファンにより吸引するとともに,光触媒フィルタにより揮発性有機化合物(VOC)を除去することとしている(特許文献1の段落[0066],[0067]および図2,図3等参照)。
ところで,近年,環境問題に対する意識の高まりから,さらに超微粒子(UFP:Ultra Fine Particle)の発生をも抑制することが望まれてきている。超微粒子(UFP)とは,浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)のうち,直径が100nm以下の粒子のことをいう。この超微粒子(UFP)は,定着装置の弾性部材として用いられるシリコーンゴムから主に発生することがわかってきている。シリコーンゴムが加熱されると,低分子シロキサンが発生する。この低分子シロキサンが超微粒子(UFP)の発生する大きな原因であることがわかってきている。
しかし,揮発性有機化合物(VOC)を除去する揮発性有機化合物除去装置では,超微粒子(UFP)の回収はやや困難である。超微粒子(UFP)の発生原因と揮発性有機化合物(VOC)の発生原因とは異なっており,それらの発生箇所も当然異なっているからである。特許文献1に記載の揮発性有機化合物除去装置では,定着装置近傍全体からエアの吸引を行っており,質量の軽い超微粒子(UFP)を除去するには効率が悪い(特許文献1の図3等参照)。また,特許文献1に記載の超微粒子(UFP)の除去装置を設けるよりも,超微粒子(UFP)の発生そのものを抑制することが好ましい。
本発明は,前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,製品としての使用時における定着装置からの超微粒子(UFP)の発生の抑制を図った画像形成装置およびその製造方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の一態様における画像形成装置は,像担持体にトナー像を形成する画像形成部と,トナー像を像担持体からシートに転写する転写部と,トナー像をそのシートに定着させる定着装置と,各部を制御する制御部とを有するものである。また,定着装置は,トナー像を転写されたシートに接触した状態でそのシートを加熱する加熱部材と,加熱部材を支持する加熱部材側弾性層とを備える定着回転体と,加熱部材とともにニップを形成する加圧部材と,加圧部材を支持する加圧部材側弾性層とを備える加圧回転体と,加熱部材を加熱する熱源と,加熱部材の温度を測定する温度センサとを有するものである。そして,制御部は,加熱部材の温度を予め定めた定着上限温度と定着下限温度との範囲内に保持する通常の定着温度制御モードと,加熱部材の温度を定着上限温度より10℃以上高い超微粒子制御上限温度に保持する加熱状態と,加熱部材の加熱を停止する加熱停止状態とを有する超微粒子発生温度制御モードとを有する。かかる画像形成装置は,超微粒子発生温度制御を行うことで定着装置から超微粒子を強制的に発生させることができる。この超微粒子発生温度制御で定着装置から予め超微粒子を発生させることにより,使用時において超微粒子の発生しにくい画像形成装置が実現されている。
上記に記載の画像形成装置において,制御部は,超微粒子発生温度制御モードでは加熱状態と加熱停止状態とを交互に繰り返すものであるとよい。定着装置が繰り返し加熱状態下におかれるからである。そのため,より多くの超微粒子を発生させることができるからである。
上記に記載の画像形成装置において,制御部は,超微粒子発生温度制御モードでは加熱状態および加熱停止状態をそれぞれ3〜5分間継続するものであるとなおよい。さらに多くの超微粒子を発生させることができるからである。
上記に記載の画像形成装置において,定着装置の周りを覆うダクトと,ダクトと連通している排気口と,ダクトから排気口までの間に配置されているとともに超微粒子を吸着する静電フィルタとを有するものであるとさらによい。発生させた超微粒子を好適に回収することができるからである。
上記に記載の画像形成装置において,定着装置の交換がなされたか否かを判断する定着装置交換判断部を有し,制御部は,定着装置交換判断部が定着装置の交換がなされたと判断した場合に,超微粒子発生温度制御モードを行うとともに,定着装置交換判断部が定着装置の交換がなされていないと判断した場合に,超微粒子発生温度制御モードを行わないものであるとさらによい。定着装置の交換が行われた場合に,新品の定着装置から超微粒子を発生させきることができるからである。
上記に記載の画像形成装置において,定着装置を冷却するための定着装置冷却部を有し,定着装置冷却部は,加熱停止状態のときに定着装置を冷却するものであるとさらによい。加熱停止状態のときに定着装置を積極的に冷却することができるからである。
また,本発明の別の態様に係る画像形成装置の製造方法は,像担持体にトナー像を形成する画像形成部と,トナー像を像担持体からシートに転写する転写部と,トナー像をそのシートに定着させる定着装置と,各部を制御する制御部とを有する画像形成装置についての製造方法である。そしてその製造工程は,定着装置の加熱部材の温度を定着上限温度より10℃以上高い超微粒子制御上限温度に保持する加熱状態と,加熱部材の加熱を停止する加熱停止状態とを有する超微粒子発生温度制御工程を有する。かかる画像形成装置の製造方法では,画像形成装置を製品として出荷する前に予め定着装置から超微粒子を発生させきることができる。そのため,この製造方法により製造された画像形成装置では,使用時において定着装置から超微粒子が発生しにくい。
上記に記載の画像形成装置の製造方法において,定着装置を画像形成装置の本体に組み付ける定着装置組み付け工程を有し,超微粒子発生温度制御工程を,定着装置組み付け工程の後に行うとよい。定着装置の熱源を利用して,超微粒子を予め発生させきることができるからである。
上記に記載の画像形成装置の製造方法において,定着装置を画像形成装置の本体に組み付ける定着装置組み付け工程を有し,超微粒子発生温度制御工程を,定着装置組み付け工程の前に行ってもよい。定着装置を画像形成装置の本体に組み付ける前に予め超微粒子を発生させきることができるからである。そのため,超微粒子除去装置を有していない画像形成装置からも,超微粒子を発生させきることができる。
本発明によれば,製品としての使用時における定着装置からの超微粒子(UFP)の発生の抑制を図った画像形成装置およびその製造方法が提供されている。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,画像形成装置とその製造方法について,本発明を具体化したものである。
1.画像形成装置
本形態の画像形成装置1は,図1に概略構成を示すように,中間転写ベルト101を有する,いわゆるタンデム方式のカラープリンタである。中間転写ベルト101は,無端状ベルト部材であり,その図中両端部がローラ102,103によって支持され,図中矢印Aの向きに回転するようになっている。中間転写ベルト101の図中下部に沿って,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部104Y,104M,104C,104Kが配置されている。
本形態の画像形成装置1は,図1に概略構成を示すように,中間転写ベルト101を有する,いわゆるタンデム方式のカラープリンタである。中間転写ベルト101は,無端状ベルト部材であり,その図中両端部がローラ102,103によって支持され,図中矢印Aの向きに回転するようになっている。中間転写ベルト101の図中下部に沿って,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部104Y,104M,104C,104Kが配置されている。
各色の画像形成部104Y,104M,104C,104Kはいずれも同様の構成である。それぞれ,像担持体である感光体ドラム106とその周囲に配置された帯電装置107,露光装置108,現像装置109,クリーナ装置110を有している。また,中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム106に対向する位置に,1次転写ローラ111が配置されている。図1中では画像形成部104Yによって代表して示している。
図1中で下方に示すのは,用紙Pを収容する給紙カセット112である。給紙カセット112の上部には,用紙Pを送り出す給紙ローラ113が設けられている。用紙Pは,給紙カセット112から搬送経路114に沿って上方へ送られる。搬送経路114を挟んで,ローラ103と対面する位置に,2次転写ローラ115が配置されている。これら,中間転写ベルト101,1次転写ローラ111,2次転写ローラ115は,用紙Pにトナー像を転写するための転写部である。さらにその下流側(図中上方)には,定着装置10が配置されている。定着装置10は,定着ローラ20,加圧ローラ30のローラ対を有している。定着装置10より搬送経路114のさらに下流側には,用紙搬送切り替えガイド120が配置されている。
用紙搬送切り替えガイド120より搬送経路114のさらに下流側には,ローラ対116およびローラ対118が配置されている。用紙搬送切り替えガイド120は,用紙Pをローラ対116もしくはローラ対118のいずれに搬送するかを切り替えるためのものである。ローラ対116より搬送経路114のさらに下流には,排紙トレイ117が設けられている。ローラ対116は,用紙Pを排紙トレイ117に排紙するためのものである。
ローラ対118は,搬送経路114を搬送されてきた用紙Pの搬送方向を反転するとともに,用紙Pを搬送経路119に搬送するためのものである。搬送経路119は,片側の面に画像形成された用紙Pを再び2次転写ローラ115の箇所に搬送するための経路である。つまり,用紙Pの画像形成された反対側の面に画像を形成するのに用いられる経路である。このように,本形態の画像形成装置1は,両面印刷可能なものである。
また,画像形成装置1は,制御部200を有している。制御部200は,定着装置10における定着ローラ20の温度を制御するためのものである。また,制御部200は,画像形成装置1に関するその他の制御を行うものでもある。
次に,本形態の画像形成装置1の基本的な動作を簡単に説明する。この画像形成装置1は,画像形成の指示を受けると,その画像信号から各色の画像データを生成する。生成された各色の画像データは,対応する画像形成部104Y,104M,104C,104Kにそれぞれ送出される。各色の画像形成部104Y,104M,104C,104Kは,画像データに基づいて,それぞれの感光体ドラム106を帯電・露光して静電潜像を形成する。さらに,形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
形成されたトナー像は,順次,1次転写ローラ111によって中間転写ベルト101に転写され,重ね合わせられる。中間転写ベルト101に重ね合わせられたトナー像は,2次転写ローラ115によって用紙Pに転写される。トナー像を担持した用紙Pは,さらに搬送されて定着装置10に至り,定着装置10によって加熱されるとともに加圧される。これによりトナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着された用紙Pは,ローラ対116によって排紙トレイ117に排出される。
一方,両面印刷の場合には,トナー像が定着された用紙Pは,ローラ対118により搬送経路119に搬送される。そして再び,2次転写ローラ115の箇所に搬送される。このとき,既にトナー像が定着された面と反対側の面にトナー像が転写される。その後,トナー像が定着されて排紙トレイ117に排出される。以上が,画像形成装置1の基本的な動作である。
2.定着装置
本形態の定着装置10の構造について説明する。定着装置10は,図2に示すように,定着ローラ20と,加圧ローラ30と,温度センサ40とを有している。温度センサ40は,定着ローラ20の表面の温度を測定するための非接触式の温度計である。
本形態の定着装置10の構造について説明する。定着装置10は,図2に示すように,定着ローラ20と,加圧ローラ30と,温度センサ40とを有している。温度センサ40は,定着ローラ20の表面の温度を測定するための非接触式の温度計である。
定着ローラ20は,芯金21と,弾性層22と,離型層23と,ヒータ24とを有する定着回転体である。その直径は40mm程度である。芯金21は,定着ローラ20の恒常的な変形を抑制して定着ローラ20の耐久性を維持するための部材である。その材質として,アルミニウムやSUSが挙げられる。もちろん,その他の鋼材を用いてもよい。弾性層22は,加圧ローラ30に加圧されることにより,わずかに変形してニップ部を形成するための加熱部材側弾性層である。また,弾性層22は,離型層23を支持する役割も担うものである。その材質として,例えばシリコーンゴムやシリコーンスポンジ等が挙げられる。離型層23は,定着後の用紙Pが定着ローラ20の表面に張り付いたままにならないようにするための層である。また,トナー像を転写された用紙に接触して実際に用紙を加熱するための加熱部材でもある。ヒータ24は,定着ローラ20を加熱するための熱源である。
加圧ローラ30は,芯金31と,弾性層32と,離型層33とを有する加圧回転体である。その直径は,35mm程度であり,定着ローラ30の直径と大きく変わらない。芯金31は,加圧ローラ30の恒常的な変形を抑制して加圧ローラ30の耐久性を維持するための部材である。その材質として,アルミニウムやSUSが挙げられる。もちろん,その他の鋼材を用いてもよい。弾性層32は,定着ローラ20に押圧されて,わずかに変形してニップ部を形成するための加圧部材側弾性層である。弾性層32は,離型層33を支持する役割も担うものである。その材質として,例えばシリコーンゴムやシリコーンスポンジ等が挙げられる。離型層33は,定着後の用紙Pが加圧ローラ30の表面に張り付いたままにならないようにするための層である。また,定着ローラ20を加圧するための加圧部材でもある。
3.定着装置の温度制御方法
制御部200は,定着装置10における定着ローラ20の温度制御を行う定着装置温度制御部250を有している(図1参照)。定着装置温度制御部250は,温度センサ40から入力される定着ローラ20の表面温度の値に応じてヒータ24のONとOFFとを繰り返す制御を行う。これにより,定着ローラ20の表面温度を予め定めた温度領域にあるように制御することができる。
制御部200は,定着装置10における定着ローラ20の温度制御を行う定着装置温度制御部250を有している(図1参照)。定着装置温度制御部250は,温度センサ40から入力される定着ローラ20の表面温度の値に応じてヒータ24のONとOFFとを繰り返す制御を行う。これにより,定着ローラ20の表面温度を予め定めた温度領域にあるように制御することができる。
定着装置温度制御部250は,定着装置を定着温度に保持する定着温度制御モードと,定着装置から超微粒子を強制的に発生させる超微粒子発生温度制御モードの2種類の温度制御を行う。これらの2種類の温度制御モードについて以下に説明する。
3−1.定着温度制御
ここで,トナー像を用紙Pに定着させる定着時における定着温度制御について説明する。定着温度制御では,定着ローラ20の表目温度が定着下限温度と定着上限温度との間の温度となるように制御する。その具体例を図3に示す。図3は,定着ローラ20の表面温度の時間変化を示すグラフである。図3中の破線Yは,定着時の定着ローラ20の表面温度を示している。L1は,定着下限温度を示している。L2は,定着上限温度を示している。ここで,定着下限温度は,例えば180℃である。定着上限温度は,例えば190℃である。これらの温度は例示であり,これらと異なる値を用いることもできる。
ここで,トナー像を用紙Pに定着させる定着時における定着温度制御について説明する。定着温度制御では,定着ローラ20の表目温度が定着下限温度と定着上限温度との間の温度となるように制御する。その具体例を図3に示す。図3は,定着ローラ20の表面温度の時間変化を示すグラフである。図3中の破線Yは,定着時の定着ローラ20の表面温度を示している。L1は,定着下限温度を示している。L2は,定着上限温度を示している。ここで,定着下限温度は,例えば180℃である。定着上限温度は,例えば190℃である。これらの温度は例示であり,これらと異なる値を用いることもできる。
図3に示すように,定着ローラ20の表面温度を定着下限温度と定着上限温度との間の温度となるようにするためには,次のような温度制御を行う。つまり,ヒータ24を一旦ONにしてから定着ローラ20の表面温度が定着上限温度(L2)以上となるまでは,ヒータ24をONのままとする。定着ローラ20の表面温度が定着上限温度(L2)以上となったときに,ヒータ24をOFFにする。そして,定着ローラ20の表面温度が定着下限温度(L1)以下となるまでは,ヒータ24をOFFのままとする。定着ローラ20の表面温度が定着下限温度(L1)以下となったときに,ヒータ24を再びONとする。上記の処理をこれ以降も繰り返すことにより,定着ローラ20の表面温度は定着可能温度(定着下限温度以上であって定着上限温度以下の温度)に保たれる。
図2に示したようにヒータ24は,定着ローラ20の中心付近に位置している。したがって,ヒータ24におけるONとOFFとの切り替えを行った時刻から定着ローラ20の表面温度がその切り替えを反映する時刻までに差がある場合,すなわちタイムラグがある場合がある。その場合には,早い時刻でヒータ24のONとOFFとの切り替えが行われるように,予め設定する定着下限温度と定着上限温度とを調整しておけばよい。
3−2.超微粒子発生温度制御
続いて,本形態の画像形成装置1において定着装置10から超微粒子(UFP)を強制的に発生させる超微粒子発生温度制御について説明する。本形態では,定着ローラ20の温度を通常の定着可能温度よりも高い温度とする温度制御を行うことで超微粒子(UFP)を強制的に発生させる。なお,この超微粒子発生温度制御は,画像形成装置1の製品出荷前に行うものである。
続いて,本形態の画像形成装置1において定着装置10から超微粒子(UFP)を強制的に発生させる超微粒子発生温度制御について説明する。本形態では,定着ローラ20の温度を通常の定着可能温度よりも高い温度とする温度制御を行うことで超微粒子(UFP)を強制的に発生させる。なお,この超微粒子発生温度制御は,画像形成装置1の製品出荷前に行うものである。
超微粒子(UFP)は,加熱されたシリコーンゴムから発生すると考えられる。そして,定着ローラ20のシリコーンゴム等から発生しうる超微粒子(UFP)の総量には限りがある。したがって,画像形成装置を製品として出荷する前に超微粒子(UFP)を発生させきっておけば,画像形成装置としての使用時には超微粒子(UFP)はあまり発生しない。すなわち,本形態の画像形成装置は,工場出荷前に定着装置10を加熱して超微粒子(UFP)を予め発生させることで,市場投入後の製品である画像形成装置からの超微粒子(UFP)の発生を抑制するものである。
超微粒子発生温度制御における定着ローラ20の温度制御方法を説明する前に,超微粒子(UFP)の発生しやすい状況について説明する。超微粒子(UFP)の発生量は,後述する実験結果のところで説明するように,1)高温である場合,2)加熱による温度上昇の上昇幅が大きい場合に,多いと考えられる。つまり,単に高温状態を維持するよりも,繰り返し加熱するほうがよい。繰り返し加熱することで,より多くの超微粒子(UFP)が発生するからである。
そのため,超微粒子発生温度制御では,定着ローラ20の加熱を繰り返し行うのである。つまり,加熱状態と加熱停止状態とを繰り返すのである。定着ローラ20の温度が高いと超微粒子(UFP)の発生量は多い。しかし,定着ローラ20の温度が高くなりすぎると,定着装置10やその周辺に配置されている装置が熱によるダメージを受けるおそれがある。したがって,加熱状態においては,定着ローラ20を高温状態下に一定時間保持するとよい。
この超微粒子発生温度制御では,通常の定着温度制御と同じように,ヒータ24のONとOFFとを切り替えることにより行う。ただし,制御するために設定する上限温度や下限温度の値は異なっている。その詳細については後述する。
例えば,超微粒子発生温度制御では,定着ローラ20の表面温度が超微粒子制御下限温度と超微粒子制御上限温度との間の温度となるような温度制御を行うとよい。図3の実線Xは,超微粒子発生温度制御における定着ローラ20の表面温度を示している。M1は,超微粒子制御下限温度を示している。M2は,超微粒子制御上限温度を示している。
この場合,超微粒子制御上限温度は,定着上限温度より10℃以上高い温度である。具体的には,210〜230℃程度が好ましい。この温度は,定着温度より十分に高いものであるとともに,定着装置10やその他の周辺装置にダメージを与えない程度の温度である。一方,超微粒子制御下限温度は,定着下限温度より10℃以上低い温度である。超微粒子制御下限温度が低いほど,超微粒子制御上限温度との差が大きい。この温度差が大きいほど超微粒子(UFP)は発生しやすい。
また,超微粒子制御下限温度と超微粒子制御上限温度とを設定することにより温度制御する他にも,次のような温度制御を行ってもよい。ヒータ24をONにする加熱時間の長さと,ヒータ24をOFFにする加熱停止時間の長さとを予め設定することにより,定着ローラ20の表面温度を制御する。
加熱時間では,ヒータ24をONにする。ただし,定着ローラ20の表面温度が超微粒子制御上限温度以上となった場合には,ヒータ24のONとOFFとを小刻みに繰り返す。定着ローラ20の表面温度を超微粒子制御上限温度付近に保持するためである。
そのため,加熱時間において,定着ローラ20の表面温度が超微粒子制御上限温度に達するまでは定着ローラ20の表面温度は上昇し続ける。定着ローラ20の表面温度が超微粒子制御上限温度に達した後には定着ローラ20の表面温度は超微粒子制御上限温度付近の温度に保持される。一方,加熱停止時間では,ヒータ24をOFFにし続ける。そのため,加熱停止時間では定着ローラ20の表面温度は室温に向かって徐々に下降する。
4.超微粒子発生温度制御の温度制御フロー
続いて,超微粒子発生温度制御の温度制御フローについて図4のフローチャートにより説明する。
続いて,超微粒子発生温度制御の温度制御フローについて図4のフローチャートにより説明する。
S101:条件設定
まず,条件設定を行う(S101)。方法1の場合には,超微粒子制御下限温度と超微粒子制御上限温度とを設定する。方法2の場合には,超微粒子制御上限温度の他に加熱時間および加熱停止時間を設定する。もしくは,加熱時間および加熱停止時間の代わりに,加熱状態と加熱停止状態とを繰り返す繰り返し回数を設定してもよい。または,超微粒子制御上限温度とその保持時間と,繰り返し回数を設定することもできる。
まず,条件設定を行う(S101)。方法1の場合には,超微粒子制御下限温度と超微粒子制御上限温度とを設定する。方法2の場合には,超微粒子制御上限温度の他に加熱時間および加熱停止時間を設定する。もしくは,加熱時間および加熱停止時間の代わりに,加熱状態と加熱停止状態とを繰り返す繰り返し回数を設定してもよい。または,超微粒子制御上限温度とその保持時間と,繰り返し回数を設定することもできる。
また,S101では,S106で用いる終了条件の設定をも行う。この終了条件として,例えば,超微粒子発生温度制御を行う時間が挙げられる。つまり,超微粒子発生温度制御を開始してから一定時間経過後に超微粒子発生温度制御を終了させるのである。その他に,定着ローラ20の加熱状態と加熱停止状態とを繰り返す繰り返し回数を設定することとしてもよい。この場合,定着ローラ20の加熱状態と加熱停止状態とを所定の回数だけ繰り返した後に超微粒子発生温度制御を終了させることとなる。また,定着ローラ20の加熱状態と加熱停止状態とを繰り返した場合の超微粒子(UFP)の発生量が予め定めた閾値よりも小さいものとなった場合に超微粒子発生温度制御を終了させることとしてもよい。
S102:ヒータON
次に,ヒータ24をONにする(S102)。これにより,ヒータ24の温度は上昇する。そして,ヒータ24は,芯金21,弾性層22,離型層23を温める。温度センサ40は,離型層23の表面の温度を計測している。
次に,ヒータ24をONにする(S102)。これにより,ヒータ24の温度は上昇する。そして,ヒータ24は,芯金21,弾性層22,離型層23を温める。温度センサ40は,離型層23の表面の温度を計測している。
S103:加熱終了条件
続いて,加熱終了条件を満たしているか否かを判断する(S103)。加熱終了条件として,例えば,予め定めた加熱時間の経過が挙げられる。または,温度センサ40により測定された離型層23の表面温度が超微粒子制御上限温度を超えていることを,加熱終了条件として設定してもよい。さらには,離型層23の表面温度が超微粒子制御上限温度の付近の温度で保持する保持時間の経過を,加熱終了条件として用いてもよい。そして,加熱終了条件を満たしている場合には(S103:Yes),S104に進む。加熱終了条件を満たしていない場合には(S103:No),S102に進む。
続いて,加熱終了条件を満たしているか否かを判断する(S103)。加熱終了条件として,例えば,予め定めた加熱時間の経過が挙げられる。または,温度センサ40により測定された離型層23の表面温度が超微粒子制御上限温度を超えていることを,加熱終了条件として設定してもよい。さらには,離型層23の表面温度が超微粒子制御上限温度の付近の温度で保持する保持時間の経過を,加熱終了条件として用いてもよい。そして,加熱終了条件を満たしている場合には(S103:Yes),S104に進む。加熱終了条件を満たしていない場合には(S103:No),S102に進む。
S104:ヒータOFF
次に,ヒータ24をOFFにする(S104)。このとき,定着ローラ20の離型層23の温度は,設定されている超微粒子制御上限温度よりわずかに高い程度である。これにより,ヒータ24の温度は下がり始める。そしてS105に進む。
次に,ヒータ24をOFFにする(S104)。このとき,定着ローラ20の離型層23の温度は,設定されている超微粒子制御上限温度よりわずかに高い程度である。これにより,ヒータ24の温度は下がり始める。そしてS105に進む。
S105:加熱停止終了条件
続いて,加熱停止終了条件を満たしているか否かを判断する(S105)。加熱停止終了条件として,例えば,予め定めた加熱停止時間の経過が挙げられる。または,温度センサ40により測定された離型層23の表面温度が超微粒子制御下限温度より低いことを,加熱停止終了条件として設定してもよい。そして,加熱停止終了条件を満たしている場合には(S105:Yes),S106に進む。加熱停止終了条件を満たしていない場合には(S105:No),S104に進む。
続いて,加熱停止終了条件を満たしているか否かを判断する(S105)。加熱停止終了条件として,例えば,予め定めた加熱停止時間の経過が挙げられる。または,温度センサ40により測定された離型層23の表面温度が超微粒子制御下限温度より低いことを,加熱停止終了条件として設定してもよい。そして,加熱停止終了条件を満たしている場合には(S105:Yes),S106に進む。加熱停止終了条件を満たしていない場合には(S105:No),S104に進む。
S106:終了条件
次に,超微粒子発生温度制御の終了条件を満たしているか否かを判断する(S106)。ここで,超微粒子発生温度制御の終了条件を満たしていれば(S106:Yes),超微粒子発生温度制御を終了する。超微粒子発生温度制御の終了条件を満たしていなければ(S106:No),S102に進む。すなわち,超微粒子発生温度制御を続ける。
次に,超微粒子発生温度制御の終了条件を満たしているか否かを判断する(S106)。ここで,超微粒子発生温度制御の終了条件を満たしていれば(S106:Yes),超微粒子発生温度制御を終了する。超微粒子発生温度制御の終了条件を満たしていなければ(S106:No),S102に進む。すなわち,超微粒子発生温度制御を続ける。
5.実験結果
ここで,本形態の画像形成装置1において,図4のフローチャートに沿って温度制御を行った場合の超微粒子(UFP)の発生量を調べた実験について説明する。ここで,上記のS101で設定する設定内容は以下のとおりである。本実験では,加熱時間の長さと加熱停止時間の長さと超微粒子制御上限温度とを設定することとした。そこで,加熱時間の長さと加熱停止時間の長さについて,異なる条件を課して超微粒子(UFP)の発生量の比較を行った。各条件について,超微粒子制御上限温度として,同じ設定値を用いた。また,超微粒子発生温度制御を行う時間として,各条件で共通の30分間の長さを設定した。
ここで,本形態の画像形成装置1において,図4のフローチャートに沿って温度制御を行った場合の超微粒子(UFP)の発生量を調べた実験について説明する。ここで,上記のS101で設定する設定内容は以下のとおりである。本実験では,加熱時間の長さと加熱停止時間の長さと超微粒子制御上限温度とを設定することとした。そこで,加熱時間の長さと加熱停止時間の長さについて,異なる条件を課して超微粒子(UFP)の発生量の比較を行った。各条件について,超微粒子制御上限温度として,同じ設定値を用いた。また,超微粒子発生温度制御を行う時間として,各条件で共通の30分間の長さを設定した。
1分ON;1分OFF:
図5は,ヒータ24のON時間を1分,OFF時間を1分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。つまり,加熱時間を1分,加熱停止時間を1分として,加熱状態と加熱停止状態とを繰り返すのである。横軸は時間(分)である。縦軸は温度(℃)である。したがって,図5には定着ローラ20の温度の時間変化が実線で示されている。また,図5にはその時刻における超微粒子(UFP)の発生量についても破線でプロットされている。
図5は,ヒータ24のON時間を1分,OFF時間を1分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。つまり,加熱時間を1分,加熱停止時間を1分として,加熱状態と加熱停止状態とを繰り返すのである。横軸は時間(分)である。縦軸は温度(℃)である。したがって,図5には定着ローラ20の温度の時間変化が実線で示されている。また,図5にはその時刻における超微粒子(UFP)の発生量についても破線でプロットされている。
この温度制御における定着ローラ20の超微粒子制御上限温度は220℃程度である。超微粒子制御下限温度は140℃程度である。なお,定着ローラ20の温度が超微粒子制御上限温度近傍であるときには,ヒータ24のONとOFFとを小刻みに繰り返している。定着ローラ20の温度が超微粒子制御上限温度を超えないようにするためである。図5に示すように,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,その発生量は時間とともに減少している。
図6は,図5に示した超微粒子(UFP)の発生量を累積値で示したグラフである。なお,定着ローラ20の表面温度については,図5と同様である。図6から分かるように,30分程度で超微粒子(UFP)の発生量がある程度飽和している。つまり,本形態の超微粒子発生温度制御により超微粒子(UFP)が発生することで,その後に定着装置10から発生しうる超微粒子(UFP)の総量が減っていることを表している。
3分ON;3分OFF:
図7は,ヒータ24のON時間を3分,OFF時間を3分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。この場合の超微粒子制御上限温度は220℃程度である。超微粒子制御下限温度は75℃程度である。図5と同様に,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,時間の経過とともに,超微粒子(UFP)の発生量は少ないものとなっている。図8は,図7に示した超微粒子(UFP)の発生量を累積値で示したグラフである。図8においても,図6と同様に,超微粒子(UFP)の発生量はある程度飽和している。ただし,その超微粒子(UFP)の発生量は,図6の場合よりも多い。
図7は,ヒータ24のON時間を3分,OFF時間を3分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。この場合の超微粒子制御上限温度は220℃程度である。超微粒子制御下限温度は75℃程度である。図5と同様に,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,時間の経過とともに,超微粒子(UFP)の発生量は少ないものとなっている。図8は,図7に示した超微粒子(UFP)の発生量を累積値で示したグラフである。図8においても,図6と同様に,超微粒子(UFP)の発生量はある程度飽和している。ただし,その超微粒子(UFP)の発生量は,図6の場合よりも多い。
5分ON;5分OFF:
図9は,ヒータ24のON時間を5分,OFF時間を5分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。この場合の超微粒子制御上限温度は220℃程度である。超微粒子制御下限温度は55℃程度である。図5と同様に,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,時間の経過とともに,超微粒子(UFP)の発生量は少ないものとなっている。図10は,図9に示した超微粒子(UFP)の発生量を累積値で示したグラフである。図10においても,図6と同様に,超微粒子(UFP)の発生量はある程度飽和している。ただし,その超微粒子(UFP)の発生量は,図6の場合よりも多い。
図9は,ヒータ24のON時間を5分,OFF時間を5分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。この場合の超微粒子制御上限温度は220℃程度である。超微粒子制御下限温度は55℃程度である。図5と同様に,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,時間の経過とともに,超微粒子(UFP)の発生量は少ないものとなっている。図10は,図9に示した超微粒子(UFP)の発生量を累積値で示したグラフである。図10においても,図6と同様に,超微粒子(UFP)の発生量はある程度飽和している。ただし,その超微粒子(UFP)の発生量は,図6の場合よりも多い。
15分ON;15分OFF:
図11は,ヒータ24のON時間を15分,OFF時間を15分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。図5と同様に,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,時間の経過とともに,超微粒子(UFP)の発生量は少ないものとなっている。ただし,定着ローラ20の温度が高いときであっても,超微粒子(UFP)の発生量は徐々に減少している。
図11は,ヒータ24のON時間を15分,OFF時間を15分と設定した場合の実験結果を示すグラフである。図5と同様に,定着ローラ20の温度が高いときに超微粒子(UFP)が発生している。そして,時間の経過とともに,超微粒子(UFP)の発生量は少ないものとなっている。ただし,定着ローラ20の温度が高いときであっても,超微粒子(UFP)の発生量は徐々に減少している。
図12は,図11に示した超微粒子(UFP)の発生量を累積値で示したグラフである。図12において,10分経過後に超微粒子(UFP)の発生量はある程度飽和している。つまり,その超微粒子(UFP)の発生量の飽和は,早い時刻で生じている。そして,その超微粒子(UFP)の発生量は,図6の場合と同程度である。このように,高い温度を維持し続けたとしても,超微粒子(UFP)が出尽くすわけではない。
温度制御の設定の比較:
図13は,各温度制御の設定の違いによる,30分間における超微粒子(UFP)の累積発生量を比較するためのグラフである。左から,1分ON;1分OFF,3分ON;3分OFF,5分ON;5分OFF,15分ON;15分OFF,の順に表示している。縦軸は,超微粒子(UFP)の累積発生個数である。
図13は,各温度制御の設定の違いによる,30分間における超微粒子(UFP)の累積発生量を比較するためのグラフである。左から,1分ON;1分OFF,3分ON;3分OFF,5分ON;5分OFF,15分ON;15分OFF,の順に表示している。縦軸は,超微粒子(UFP)の累積発生個数である。
図13から明らかなように,最も超微粒子(UFP)の発生量が多いのは,3分ON;3分OFFを繰り返した場合である。そして,1分ON;1分OFFや15分ON;15分OFFでは,超微粒子(UFP)の発生量が3分ON;3分OFFや5分ON;5分OFFの場合に比べて少ない。このことから,ON;OFFの切り替えは頻繁に行いすぎてもよくないし,切り替えを行わなくてもよくないことが分かる。つまり,加熱時間の長さおよび加熱停止時間の長さは,3分〜5分程度が好ましい。
6.画像形成装置の製造方法
以上,詳細に説明したように,画像形成装置1の超微粒子発生温度制御を製品出荷前に行うことにより,定着時に超微粒子(UFP)のほとんど発生しない画像形成装置1が製造される。超微粒子発生温度制御は,定着装置10を画像形成装置1の本体に組み込んだ状態で行えばよい。つまり,定着装置10を画像形成装置1の本体に組み付ける定着装置組み付け工程の後に超微粒子発生温度制御工程を行うこととなる。その他の画像形成装置の製造工程は,従来の画像形成装置の製造工程と同様である。
以上,詳細に説明したように,画像形成装置1の超微粒子発生温度制御を製品出荷前に行うことにより,定着時に超微粒子(UFP)のほとんど発生しない画像形成装置1が製造される。超微粒子発生温度制御は,定着装置10を画像形成装置1の本体に組み込んだ状態で行えばよい。つまり,定着装置10を画像形成装置1の本体に組み付ける定着装置組み付け工程の後に超微粒子発生温度制御工程を行うこととなる。その他の画像形成装置の製造工程は,従来の画像形成装置の製造工程と同様である。
7.変形例
7−1.定着装置の交換
ここで,本形態の変形例について説明する。本形態では,画像形成装置1としての出荷前に超微粒子発生温度制御を行うことで,定着装置10から超微粒子(UFP)を強制的に発生させることとした。しかし,定着装置を交換した場合には,その交換後の新たな定着装置から超微粒子(UFP)が生じうる。そのため,定着装置の交換後に超微粒子発生温度制御を行うこととするとよい。なお,定着装置の交換がなされたか否かの判断は,定着装置交換センサにより行えばよい。この定着装置交換センサは,定着装置交換判断部である。定着装置交換センサが定着装置の交換がなされたと判断した場合には,超微粒子発生温度制御を行う。一方,定着装置交換センサが定着装置の交換がなされていないと判断した場合には,超微粒子発生温度制御を行わない。なお,超微粒子発生温度制御を行うに際して,超微粒子(UFP)を外部に飛散させないようにする必要がある。そのために,後述する超微粒子除去装置300を有しているとよい。
7−1.定着装置の交換
ここで,本形態の変形例について説明する。本形態では,画像形成装置1としての出荷前に超微粒子発生温度制御を行うことで,定着装置10から超微粒子(UFP)を強制的に発生させることとした。しかし,定着装置を交換した場合には,その交換後の新たな定着装置から超微粒子(UFP)が生じうる。そのため,定着装置の交換後に超微粒子発生温度制御を行うこととするとよい。なお,定着装置の交換がなされたか否かの判断は,定着装置交換センサにより行えばよい。この定着装置交換センサは,定着装置交換判断部である。定着装置交換センサが定着装置の交換がなされたと判断した場合には,超微粒子発生温度制御を行う。一方,定着装置交換センサが定着装置の交換がなされていないと判断した場合には,超微粒子発生温度制御を行わない。なお,超微粒子発生温度制御を行うに際して,超微粒子(UFP)を外部に飛散させないようにする必要がある。そのために,後述する超微粒子除去装置300を有しているとよい。
7−2.画像形成装置の製造方法
ここで,本形態の別の変形例について説明する。本形態では,定着装置10を画像形成装置1への取付後に超微粒子発生温度制御を行うこととした。しかし,定着装置10を画像形成装置1の本体に装着する前に超微粒子発生温度制御を行うこととしてもよい。つまり,この画像形成装置の製造方法では,超微粒子発生温度制御工程を有しているのである。この場合,定着装置10を画像形成装置1の本体に組み付ける定着装置組み付け工程の前に超微粒子発生温度制御工程を行うこととなる。製品出荷後の画像形成装置1からの超微粒子(UFP)の発生を抑制することができることに変わりない。また,画像形成装置1の本体に,画像形成装置1の使用時に発生する超微粒子(UFP)を回収する機構が設けられていない場合には,画像形成装置1の本体取付前に行ったほうが,発生させた超微粒子(UFP)の回収が容易である。
ここで,本形態の別の変形例について説明する。本形態では,定着装置10を画像形成装置1への取付後に超微粒子発生温度制御を行うこととした。しかし,定着装置10を画像形成装置1の本体に装着する前に超微粒子発生温度制御を行うこととしてもよい。つまり,この画像形成装置の製造方法では,超微粒子発生温度制御工程を有しているのである。この場合,定着装置10を画像形成装置1の本体に組み付ける定着装置組み付け工程の前に超微粒子発生温度制御工程を行うこととなる。製品出荷後の画像形成装置1からの超微粒子(UFP)の発生を抑制することができることに変わりない。また,画像形成装置1の本体に,画像形成装置1の使用時に発生する超微粒子(UFP)を回収する機構が設けられていない場合には,画像形成装置1の本体取付前に行ったほうが,発生させた超微粒子(UFP)の回収が容易である。
7−3.超微粒子除去装置
また,図14に示すような超微粒子除去装置300を画像形成装置の内部に設けることとしてもよい。超微粒子除去装置300は,定着装置10の周囲を覆っている。そして,超微粒子除去装置300は,ダクト310と,静電フィルタ320とを有している。超微粒子除去装置300は,ダクト310と,静電フィルタ320と,排気口330とを有している。ダクト310と排気口330とは連通している。静電フィルタ320は,ダクト310から排気口330までの間に配置されている。超微粒子(UFP)は,静電フィルタ320に吸着されることにより除去される。そのため,超微粒子(UFP)が画像形成装置の外部に漏れ出るおそれはほとんどない。また,超微粒子除去装置300があることにより,超微粒子発生温度制御の際にも,通常の使用時においても,画像形成装置から超微粒子(UFP)が外部に漏れ出るおそれはほとんどない。
また,図14に示すような超微粒子除去装置300を画像形成装置の内部に設けることとしてもよい。超微粒子除去装置300は,定着装置10の周囲を覆っている。そして,超微粒子除去装置300は,ダクト310と,静電フィルタ320とを有している。超微粒子除去装置300は,ダクト310と,静電フィルタ320と,排気口330とを有している。ダクト310と排気口330とは連通している。静電フィルタ320は,ダクト310から排気口330までの間に配置されている。超微粒子(UFP)は,静電フィルタ320に吸着されることにより除去される。そのため,超微粒子(UFP)が画像形成装置の外部に漏れ出るおそれはほとんどない。また,超微粒子除去装置300があることにより,超微粒子発生温度制御の際にも,通常の使用時においても,画像形成装置から超微粒子(UFP)が外部に漏れ出るおそれはほとんどない。
7−4.冷却ファン
画像形成装置1に,定着ローラ20を冷却するための冷却ファンを設けてもよい。これにより,定着ローラ20の加熱停止時間を短縮させることができるからである。この冷却ファンは,超微粒子発生温度制御における加熱停止状態のときに定着ローラ20を冷却するための定着装置冷却部である。
画像形成装置1に,定着ローラ20を冷却するための冷却ファンを設けてもよい。これにより,定着ローラ20の加熱停止時間を短縮させることができるからである。この冷却ファンは,超微粒子発生温度制御における加熱停止状態のときに定着ローラ20を冷却するための定着装置冷却部である。
8.まとめ
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る画像形成装置1は,製品出荷前に定着装置10の超微粒子発生温度制御を行うことで,定着装置10から超微粒子(UFP)を強制的に発生させることとした。これにより,製品としての使用時に超微粒子(UFP)の発生の抑制を図った画像形成装置1が実現されている。
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る画像形成装置1は,製品出荷前に定着装置10の超微粒子発生温度制御を行うことで,定着装置10から超微粒子(UFP)を強制的に発生させることとした。これにより,製品としての使用時に超微粒子(UFP)の発生の抑制を図った画像形成装置1が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置は,カラープリンタに限らない。すなわち,カラーに限らない。またプリンタに限らない。コピー機にも適用できる。また,公衆回線から印刷ジョブを受信して画像形成する機能を備えた画像形成装置やその他の画像を形成する装置に適用することができる。また,トナーの種類によらず適用できる。また,必ずしも両面印刷用の画像形成装置でなくとも適用することができる。もちろん,転写方式にもよらず適用することができる。
本形態は,少なくとも用紙Pを加熱することでトナー像を用紙Pに定着させる方式の定着装置であれば適用することができる。つまり,ベルト方式の定着装置や外部加熱ローラを有する定着装置,さらには誘導加熱により加熱部材を加熱する定着装置であっても同様に適用することができる。
1…画像形成装置
10…定着装置
20…定着ローラ
21…芯金
22…弾性層
23…離型層
24…ヒータ
30…加圧ローラ
31…芯金
32…弾性層
33…離型層
40…温度センサ
200…制御部
250…定着装置温度制御部
10…定着装置
20…定着ローラ
21…芯金
22…弾性層
23…離型層
24…ヒータ
30…加圧ローラ
31…芯金
32…弾性層
33…離型層
40…温度センサ
200…制御部
250…定着装置温度制御部
Claims (9)
- 像担持体にトナー像を形成する画像形成部と,
トナー像を前記像担持体からシートに転写する転写部と,
トナー像をそのシートに定着させる定着装置と,
各部を制御する制御部とを有する画像形成装置であって,
前記定着装置は,
トナー像を転写されたシートに接触した状態でそのシートを加熱する加熱部材と,前記加熱部材を支持する加熱部材側弾性層とを備える定着回転体と,
前記加熱部材とともにニップを形成する加圧部材と,前記加圧部材を支持する加圧部材側弾性層とを備える加圧回転体と,
前記加熱部材を加熱する熱源と,
前記加熱部材の温度を測定する温度センサとを有するものであり,
前記制御部は,
前記加熱部材の温度を予め定めた定着上限温度と定着下限温度との範囲内に保持する通常の定着温度制御モードと,
前記加熱部材の温度を前記定着上限温度より10℃以上高い超微粒子制御上限温度に保持する加熱状態と,前記加熱部材の加熱を停止する加熱停止状態とを有する超微粒子発生温度制御モードとを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置であって,
前記制御部は,
前記超微粒子発生温度制御モードでは前記加熱状態と前記加熱停止状態とを交互に繰り返すものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置であって,
前記制御部は,
前記超微粒子発生温度制御モードでは前記加熱状態および前記加熱停止状態をそれぞれ3〜5分間継続するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成装置であって,
前記定着装置の周りを覆うダクトと,
前記ダクトと連通している排気口と,
前記ダクトから前記排気口までの間に配置されているとともに超微粒子を吸着する静電フィルタとを有するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像形成装置であって,
前記定着装置の交換がなされたか否かを判断する定着装置交換判断部を有し,
前記制御部は,
前記定着装置交換判断部が前記定着装置の交換がなされたと判断した場合に,
前記超微粒子発生温度制御モードを行うとともに,
前記定着装置交換判断部が前記定着装置の交換がなされていないと判断した場合に,
前記超微粒子発生温度制御モードを行わないものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の画像形成装置であって,
前記定着装置を冷却するための定着装置冷却部を有し,
前記定着装置冷却部は,
前記加熱停止状態のときに前記定着装置を冷却するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体にトナー像を形成する画像形成部と,トナー像を前記像担持体からシートに転写する転写部と,トナー像をそのシートに定着させる定着装置と,各部を制御する制御部とを有する画像形成装置の製造方法であって,
前記定着装置の加熱部材の温度を前記定着上限温度より10℃以上高い超微粒子制御上限温度に保持する加熱状態と,前記加熱部材の加熱を停止する加熱停止状態とを有する超微粒子発生温度制御工程を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。 - 請求項7に記載の画像形成装置の製造方法であって,
定着装置を画像形成装置の本体に組み付ける定着装置組み付け工程を有し,
前記超微粒子発生温度制御工程を,
前記定着装置組み付け工程の後に行うものであることを特徴とする画像形成装置の製造方法。 - 請求項7に記載の画像形成装置の製造方法であって,
定着装置を画像形成装置の本体に組み付ける定着装置組み付け工程を有し,
前記超微粒子発生温度制御工程を,
前記定着装置組み付け工程の前に行うものであることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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JP2017134320A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | コニカミノルタ株式会社 | シリコーンゴム成形体の製造方法および画像形成装置 |
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-
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