JP6565840B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
以下、本実施形態の画像形成装置10(図1参照)の全体構成及び画像形成装置10による画像形成動作、本実施形態の要部である定着装置60(図2参照)の構成及び定着装置60による動作並びに本実施形態の効果について、図面を参照しつつこれらの記載順で説明する。
画像形成装置10は、図1に示されるように、給紙カセット20と、トナー像形成部30と、転写装置40と、搬送装置50と、定着装置60と、制御部CUと、を含んで構成される電子写真方式の装置とされている。
次に、本実施形態の画像形成装置10による画像形成動作について図1を参照しながら説明する。
次に、本実施形態の要部である定着装置60の構成について図1及び図2(主に図2)を参照しながら詳しく説明する。
ハウジングHGは、定着装置60を構成するハウジングHG及び排出部90以外の構成要素を、その内部に収容する機能を有する。ハウジングHGは、画像形成装置10を正面側から見ると、一例として矩形状とされている。そして、ハウジングHGの下側には、搬送装置50により搬送経路Pを搬送される媒体Sが入る入口HG1が形成されている。また、ハウジングHGの上側には、搬送装置50により搬送経路Pを搬送される媒体Sが定着装置60から出る出口HG2が形成されている。
加熱ベルト61は、トナー像形成部30により媒体Sに形成されたトナー像(を構成するトナー)及び媒体Sを加熱する機能を有する。加熱ベルト61は、一例として金属製の無端ベルトとされている。加熱ベルト61は、後述する熱源63により一例として120℃以上に加熱されながら、後述する加圧ローラー62に従動して回転されるようになっている。ここで、図2における符号Oは加熱ベルト61の軸(回転中心)を示しており、矢印Cは加熱ベルト61の回転方向(周回方向)を示している。そして、加熱ベルト61は、搬送装置50により搬送されるトナー像が形成された媒体Sを、後述するニップNにおいて加圧ローラー62とで加圧するようになっている。その結果、加熱ベルト61は、軸周りに回転しながらトナー像が形成された媒体Sに接触して媒体Sを加熱し、加圧ローラー62とでニップNを通過する媒体Sにトナー像を定着させるようになっている。
加圧ローラー62は、トナー像形成部30により媒体Sに形成されたトナー像(を構成するトナー)及び媒体Sを、加熱ベルト61とともに加圧する機能を有する。加圧ローラー62は、長尺のシャフトと、当該シャフトの外周を覆う被覆層(一例としてゴム層)とを含んで構成されたローラーとされている。加圧ローラー62は、画像形成装置10の正面側から見て、加熱ベルト61の右側に配置されている。また、加圧ローラー62の左側の部分には、加圧ローラー62の外周に沿って凹んだ状態の加熱ベルト61の右側の部分が接触している。そして、前述のニップNとは、加圧ローラー62と加熱ベルト61とにより形成される、加圧ローラー62と加熱ベルト61との接触部分を意味する。
熱源63は、加熱ベルト61が媒体Sを加熱するためたの熱を付与する機能を有する。熱源63は、一例として、誘導コイル63Aと、交流電源63Bとを含んで構成されている。誘導コイル63Aは、加熱ベルト61の上側で加熱ベルト61の外周に対向して配置され、画像形成装置10を正面側から見て、円弧状とされている。そして、誘導コイル63Aは、交流電源63Bから交流電圧が印加されると、加熱ベルト61を電磁誘導により加熱するようになっている。なお、誘導コイル63Aは、画像形成装置10を正面側から見ると、加熱ベルト61の左側に配置されている。
押付部64は、加熱ベルト61におけるニップNを形成する部分を加圧ローラー62に押付ける機能を有する。押付部64は、画像形成装置10の正面側から見ると、加熱ベルト61の内側であって、軸Oよりも右側に配置されている。押付部64は、押付部材64Aと、シート部材64Bとを含んで構成されている。押付部材64Aは、画像形成装置10を正面側から見ると、右側が湾曲状に凹んでいている。また、押付部材64Aにおける湾曲状に凹んでいる部分は、シート部材64Bに覆われている。なお、シート部材64Bは、シート部材64Bが押付部材64Aと加熱ベルト61に挟まれて配置されることで、押付部材64Aを加熱ベルト61に接触させる場合に比べて、押付けによる負荷を低減させるようになっている。すなわち、シート部材64Bは、押付部材64Aよりも摩擦係数が小さい。
支持部材65は、押付部材64Aを支持する機能を有する。支持部材65は、長尺とされている。支持部材65は、一対の長尺のL字状の板金を互い違いに対向させて、横断面が矩形状となるように構成されている。支持部材65は、画像形成装置10を正面側から見ると、押付部材64A(押付部64)の左側に配置されている。なお、支持部材65は、押付部材64Aを一例としてねじ止めしている。
温度センサー66は、加熱ベルト61の温度を検知する機能を有する。温度センサー66は、加熱ベルト61の内側であって、画像形成装置10を正面側から見て、支持部材65の下側に配置されている。また、温度センサー66は、加熱ベルト61の内周に接触している。なお、温度センサー66に検知された温度(温度に関するデータ)は、定められた周期で制御部CUに送信されるようになっている。
放電部70は、イオン(オゾンイオンを含む)を放電して加熱ベルト61を除電する機能を有する。放電部70は、一例として、装置奥行き方向に沿って並ぶ針電極の集合体とされている。放電部70の各先端70A(放電部70における加熱ベルト61に対向する部分の一例)は、加熱ベルト61の外周に対向している。放電部70は、画像形成装置10を正面側から見て加熱ベルト61の左側に(加熱ベルト61における、ニップNよりも加熱ベルト61の回転方向の上流側かつ熱源63が対向する位置よりも加熱ベルト61の回転方向の下流側の部分に対向して)配置されている。
吸着部80は、放電部70により発生したオゾン(オゾンイオン)に反応して生成されるオゾン生成物を吸着する機能を有する。また、吸着部80は、放電部70により発生したオゾンのうち加熱ベルト61の除電に寄与せずに残留するオゾン(例えば、加熱ベルト61の周辺に滞留するオゾン)を吸収する機能を有する。ここで、オゾン生成物とは、一例として、VOC(Volatile Organic Compounds、すなわち、揮発性有機化合物)、UFP(Ultrafine Particle、すなわち、超微粒子)等のオゾンに反応して生成された生成物を意味する。また、本明細書における加熱ベルト61の周辺とは、一例として、加熱ベルト61の外周から、加熱ベルト61と誘導コイル63Aとの対向間隔分離れた部分を意味する。
排出部90については、主に図1を参照しつつ説明する。排出部90は、ハウジングHG内の空気を外部に排出しつつ、空気とともに排出されるオゾン生成物を捕集する機能を有する。排出部90は、円筒92と、ファン94と、フィルター96と、駆動源(図示省略)とを有している。ファン94は、円筒92の軸に沿った状態で円筒92内に配置されている。フィルター96は、円筒92の一方の開口全域を覆っている。そして、ファン94は駆動源により駆動されると、ファン94が軸周りに回転し、円筒92の一方側から他方側に空気流を発生させるようになっている。なお、フィルター96は、一例として、活性炭を含む繊維状のシートとされている。すなわち、フィルター96は、オゾン及びオゾン生成物を捕集することが可能とされている。また、フィルター96の目付量は、一例として、吸着部80の目付量よりも大きい。
また、以上の定着装置60の構成の説明によれば、本実施形態では、離間距離D1は10mmとされ、位置D2は吸着部80の温度が通過期間において120℃以下になる位置とされている。以下、これらの理由について、本発明者が行った評価実験の結果をもとに説明する。
図4のグラフは、離間距離D1と、定着装置60の出口HG2からの単位時間当たりのUFPの排出量との関係を示している。具体的には、図4のグラフは、定着装置60を改造して、離間距離D1が10、50、70、75及び90mmとなる任意の位置に吸着部80を配置した状態で、定着装置60に定着動作を実行させ、出口HG2から排出される単位時間(1秒)当たりのUPFの排出量を測定した結果である。なお、離間距離D1が10mmの結果は、本実施形態の定着装置60の構成に相当する。本評価の結果によれば、離間距離D1が小さいほどUFPの排出量が少ない。すなわち、離間距離D1が小さいほど、吸着部80はオゾン生成物を吸着し易いといえる。以上により、本実施形態では、離間距離D1を10mm(10mm以下)とした。
図5のグラフは、吸着部80の温度と、吸着部80の単位時間(1秒)当たりのUFPの脱離量との関係を示している。図5のグラフは、吸着部80にUFPを同じ量吸着させた状態で、吸着部80を異なる温度の容器内に入れて吸着部80から脱離するUFPの量(脱離量)を測定した結果である。本評価の結果によれば、吸着部80の温度が低いほどUFPの脱離量が少ない。すなわち、吸着部80の温度が低いほど、吸着したオゾン生成物を脱離し難い(保持した状態を維持し易い)といえる。以上により、本実施形態では、位置D2を吸着部80の温度が通過期間において120℃以下になる位置とした。
次に、定着装置60の動作(定着動作)について図3及び図7(主に図7)を参照しながら説明する。なお、定着装置60の動作は、前述の画像形成装置10による画像形成動作の中で行われる。
次に、本実施形態の効果について図面を参照しながら説明する。
本実施形態(図2参照)の場合、離間距離D1が10mm、すなわち10mm以下とされている。そのため、本実施形態の定着装置60は、離間距離D1が10mmよりも大きい場合に比べて、単位時間当たりのUFPの排出量が少ない(図4のグラフ参照)。すなわち、本実施形態の定着装置60は、離間距離D1が10mmよりも大きい場合に比べて、放電部70の放電により発生するオゾンに反応して生成されるオゾン生成物を、ハウジングHG内で吸着し易い(外に排出し難い)。これに伴い、本実施形態の画像形成装置10は、オゾン生成物を画像形成装置10の外に排出し難い。
本実施形態(図2参照)の場合、吸着部80の位置が位置D2とされている。そのため、本実施形態の定着装置60は、吸着部80が位置D2よりも加熱ベルト61に近い場合に比べて、吸着したオゾン生成物を脱離し難い(保持した状態を維持し易い)(図5のグラフ参照)。すなわち、本実施形態の定着装置60は、吸着部80が位置D2よりも加熱ベルト61に近い場合に比べて、放電部70の放電により発生するオゾンに反応して生成されるオゾン生成物を、ハウジングHG内で吸着し易い(外に排出し難い)。これに伴い、本実施形態の画像形成装置10は、オゾン生成物を画像形成装置10の外に排出し難い。
本実施形態(図7参照)の場合、通過期間以外の期間、クリーニングモードを実行する。ここで、図8のグラグは、本実施形態の定着装置60と同じ構成の定着装置を用いて、クリーニングモードを実行しない場合(熱源63の交流電源63Bの出力をV1のままとする)における、媒体Sへの印字枚数(累積印字枚数)と、単位時間当たりのUFPの排出量との関係を示す実験結果である。図8のグラフによれば、印字枚数の増加に伴い、単位時間当たりのUFPの排出量が増える傾向にある。これに対して、図9のグラフは、本実施形態の定着装置60を用いた場合、すなわち、クリーニングモードを実行した場合における、媒体Sへの印字枚数(累積印字枚数)と、単位時間当たりのUFPの排出量との関係を示す実験結果である。図9のグラフによれば、図8のグラフに比べて、印字枚数の増加に伴う単位時間当たりのUFPの排出量が少ない(又は増え難い)。したがって、本実施形態の定着装置60は、クリーニングモードを実行しない場合に比べて、印字枚数の増加に伴う単位時間当たりのUFPの排出量が少ない。別言すれば、本実施形態の定着装置60は、クリーニングモードを実行しない場合に比べて、印字枚数が増えてもオゾン生成物を排出し難い。
また、本実施形態では、フィルター96の目付量が吸着部80の目付量よりも大きい。そのため、本実施形態の定着装置60(画像形成装置10)は、フィルター96の目付量が吸着部80の目付量よりも小さい場合に比べて、オゾン生成物(吸着部80から脱離したオゾン生成物及び当該オゾン生成物以外のオゾン生成物)を捕集し易い。
30A 組み合わせ(形成部の一例)
60 定着装置
61 加熱ベルト(加熱体の一例)
62 加圧ローラー(加圧体の一例)
63 熱源
70 放電部
70A 先端(放電部における加熱体に対向する部分の一例)
80 吸着部
90 排出部
94 ファン
96 フィルター
HG ハウジング(収容体の一例)
HG1 入口
HG2 出口
N ニップ
S 媒体
Claims (3)
- 軸周りに回転しながら、トナー像が形成された媒体に接触して、前記媒体を加熱する加熱体と、
前記加熱体が前記媒体を加熱するための熱を前記加熱体に付与する熱源と、
前記加熱体とでニップを形成し、軸周りに回転して、前記加熱体とで前記ニップを通過する前記媒体を加圧する加圧体と、
前記加熱体の外周に対向して配置され、オゾンを放電して前記加熱体を除電する放電部と、
前記放電部における前記加熱体に対向する部分からの離間距離が10mm以下とされる位置に配置され、オゾン生成物を吸着する吸着部と、
前記加熱体、前記熱源、前記加圧体、前記放電部及び前記吸着部を収容し、搬送される前記媒体が入る入口と、前記媒体が出る出口とが形成されている収容体と、
前記収容体に対して前記媒体の搬送方向の前記出口側に配置され、ファンと、オゾン生成物を吸着するフィルターとを有し、前記ファンにより前記収容体内の空気を外部に排出しつつ、前記フィルターにより空気とともに排出されるオゾン生成物を捕集する排出部と、
を備え、
前記媒体が前記ニップを通過している通過期間以外の期間に、前記熱源を発熱させて前記吸着部に吸着した前記オゾン生成物を前記吸着部から脱離させるモードを実行し、
前記熱源は、前記モードを実行している期間における前記加熱体の温度を、前記通過期間における前記加熱体の温度よりも高くし、
前記モードを実行している期間、前記排出部を動作させる、
定着装置。 - 前記吸着部及び前記フィルターは、繊維状の部分を含んで構成されており、
前記フィルターの目付量は、前記吸着部の目付量よりも大きい、
請求項1に記載の定着装置。 - 媒体にトナー像を形成する形成部と、
請求項1又は2に記載の定着装置と、
を備えた画像形成装置。
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