JP6848899B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体にトナー像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置は、用紙等の記録媒体にトナー像を定着させる定着装置を備えている。定着装置には、記録媒体上のトナーを加熱するのに用いられる加熱ベルト等の定着部材と、記録媒体を加圧するのに用いられる加圧ローラー等の加圧部材と、が設けられている。定着部材や加圧部材は、シリコーン系材料により構成される弾性層を備えることが一般的である。
近年、環境問題に関する規制の厳格化が世界的に進んでおり、例えば、健康に影響を与える可能性のある化学汚染物質の排出抑制が希求されている。排出を抑制すべき化学汚染物質として、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds,VOC)や超微粒子(Ultra-Fine Particles,UFP)が注目されている。UFPの発生要因の一つとして、シリコーン系材料から発生する揮発性物質であるシロキサン類が例示される。定着温度が高温になるほど、シロキサン類等を含むVOCの発生量が増大する。VOCが凝集することによってUFPが生成される。
特許文献1において、VOCやUFPを効果的に除去可能な画像形成装置が提案されている。特許文献1の画像形成装置は、定着部を冷却するための冷却風を定着部から排気するためのファンと、定着部から排気された冷却風を装置本体外に排気するための排気ダクトと、排気ダクト内に配置されたフィルターユニットとを備える。フィルターユニットがシリコーンオイルを含浸させたフィルターを有しており、このフィルターがシロキサン類等のVOCおよびUFPを吸着する。
特開2012− 32663号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、化学汚染物質を除去するために画像形成装置内にフィルターを設けているので、吸着汚れや経年劣化に起因してフィルターの寿命が到来した場合には、フィルターを交換する必要がある。
また、定着装置において、定着部材や加圧部材の通紙領域外である端部では通紙による奪熱量が少ないので、中央部と比較して過昇温状態(オーバーヒート)となる可能性が高い。過昇温状態となった端部では、シロキサン類等のVOCの発生量が増大し、ひいては、UFPの生成量が増大する可能性がある。
以上の事情を考慮して、本発明は、VOCの凝集によるUFPの生成を抑制することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、シリコーン系材料を含む弾性層を備え、未定着のトナー像が表面に形成されている媒体を回転しながら加熱する定着部材と、シリコーン系材料を含む弾性層を備え、回転しながら前記定着部材と共に加圧領域を形成し、前記加圧領域を通過する前記媒体を加圧する加圧部材と、を有する定着加圧部と、前記定着加圧部の少なくとも1つの端部を含む空間の空気の温度および水蒸気量を検知する温湿度検知部と、前記媒体を加熱および加圧する際の前記定着加圧部の表面温度を第1閾値以上に維持する加熱部と、前記空気の水蒸気量が第2閾値以下となるように前記空気を除湿する除湿部と、を備える。
好適には、前記除湿部は、前記加熱部が、前記トナー像を前記媒体に定着可能となる定着温度に到達するように前記定着部材を加熱している時に、前記空気を除湿する。
好適には、前記除湿部は、前記定着加圧部が、前記加圧領域を通過する前記媒体を加熱および加圧している時に、前記空気を除湿する。
好適には、前記除湿部は、前記定着加圧部の両端部にそれぞれ対向する2つの除湿装置を含む。
好適には、前記第2閾値が示す水蒸気量は0.82g/mである。
好適には、前記第1閾値が示す表面温度は150℃である。
本発明によれば、定着装置内の水蒸気量が低減されることによって揮発性有機化合物(VOC)の凝集が抑制され、結果として、定着装置における超微粒子(UFP)の生成が抑制される。
本発明の一実施形態に係るカラープリンターの内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の定着加圧部と除湿ユニットの模式図である。 本発明の一実施形態に係る除湿ユニットの構成図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置の構成図である。 本発明の一実施形態に係るUFP生成条件の実験結果を示す表である。 本発明の一実施形態に係るUFP生成条件の実験結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る除湿ユニットの制御処理を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図1等の紙面手前が正面であり、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。
1.カラープリンターの全体構成
図1を参照して、画像形成装置の一例としてのカラープリンター1の全体構成について説明する。図1はカラープリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。
カラープリンター1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下部には、紙製のシートSを収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられている。装置本体2の上面には、排紙トレイ4が設けられている。なお、媒体の一例としてのシートSは、紙製に限定されず、例えば、樹脂製のシート等であってもよい。
また、カラープリンター1は、給紙装置5と、作像装置6と、定着装置7と、を装置本体2の内部に備えている。給紙装置5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びる搬送路8の上流端部に設けられている。定着装置7は搬送路8の下流側に設けられ、作像装置6は搬送路8において給紙装置5と定着装置7との間に設けられている。
作像装置6は、4つのトナーコンテナ10と、中間転写ベルト11と、4つのドラムユニット12と、光走査装置13と、を含んでいる。4つのトナーコンテナ10は、4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)のトナー(現像剤)を収容する。中間転写ベルト11は、図1における左回りに回転する。各ドラムユニット12は、感光体ドラム14と、帯電装置15と、現像装置16と、一次転写ローラー17と、クリーニング装置18と、を含んでいる。各一次転写ローラー17は、感光体ドラム14との間に中間転写ベルト11を挟むように設けられている。中間転写ベルト11の右側には、二次転写ローラー19が接触して転写ニップN1を形成している。
カラープリンター1は、さらに、カラープリンター1の各部を制御する制御装置40を備える。制御装置40は、パーソナルコンピューター等の外部装置から送信された印刷データ等に基づいて、シートSに対する画像形成が実行されるようにカラープリンター1の各部を制御する。制御装置40の詳細については後述される。
2.画像形成処理の概要
カラープリンター1は以下の手順でシートSに画像形成を行う。各帯電装置15は、感光体ドラム14の表面を帯電させる。各感光体ドラム14は、光走査装置13から出射された走査光を受け、静電潜像を担持する。各現像装置16は、トナーコンテナ10から供給されたトナーを用いて感光体ドラム14上の静電潜像をトナー像に現像する。各一次転写ローラー17は、感光体ドラム14上のトナー像を回転する中間転写ベルト11に一次転写する。中間転写ベルト11は、回転しながら4色のトナー像を重ねたフルカラーのトナー像を担持する。
シートSは、給紙装置5によって給紙カセット3から搬送路8に送り出される。二次転写ローラー19は、転写ニップN1を通過するシートSに中間転写ベルト11上のトナー像を二次転写する。定着装置7はトナー像をシートSに熱定着させる。その後、シートSは排紙トレイ4に排出される。各クリーニング装置18は感光体ドラム14上に残ったトナーを除去する。
3.定着装置
図2ないし図4を参照して、定着装置7の構成について説明する。図2は定着装置7を模式的に示す断面図である。図3は定着装置7を排紙側(上側)から見た図である。図4は定着装置7が備える除湿ユニット35を示す図である。
図2に示すように、定着装置7は、定着ベルト30(定着部材)と、押圧部材31と、加圧ローラー32(加圧部材)と、温湿度センサー33(温湿度検知部)と、加熱ユニット34(加熱部)と、除湿ユニット35(除湿部)と、を備えている。本明細書において、定着ベルト30と加圧ローラー32とを併せて定着加圧部と総称する。
定着ベルト30および加圧ローラー32は、前後方向(軸方向)に長い略円筒状の部材である。押圧部材31は、定着ベルト30の内側に設けられ、定着ベルト30を加圧ローラー32に押し付ける部材である。温湿度センサー33は、定着装置7内の空気の温度および湿度(水蒸気量)の検知に用いられる装置である。加熱ユニット34は、定着ベルト30の加熱に用いられる装置である。除湿ユニット35は、定着装置7内の空気の除湿に用いられる装置である。
定着ベルト30は、シートSが通紙される通紙領域A(図3参照)よりも長い幅を有する無端状かつ可撓性のあるベルトである。定着ベルト30は、基材層と、基材層の周囲に設けられる弾性層と、弾性層を被覆する離型層とによって構成されている。基材層は、例えば、ニッケル等の磁性金属にメッキ処理または圧延処理を施すことによって形成される。離型層は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)等のフッ素系樹脂によって形成される。定着ベルト30の内周面には、後述する押圧パッド31bに含浸されたシリコーンオイルが移着している。
定着ベルト30の弾性層は、シリコーンゴム等のシリコーン系材料によって形成されている。シリコーン系材料は、シロキサン結合(Si−O−Si結合)によって構成される主骨格を備えた高分子化合物である。シリコーン系材料が熱せられることによって、シロキサン類(低分子シロキサン)が揮発する。また、定着ベルト30に移着したシリコーンオイルの加熱によっても、シロキサン類が揮発する。シロキサン類はVOCの一種であり、凝集してUFPを形成する。
押圧部材31は、支持部材31aと押圧パッド31bとベルトガイド31cとを備える。支持部材31aは、押圧パッド31bとベルトガイド31cとを支持する。押圧パッド31bは、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂によって構成され、前述の通りシリコーンオイルが含浸されている。押圧パッド31bは、定着ベルト30を加圧ローラー32に対して押し付ける。ベルトガイド31cは、定着ベルト30の上側内面に沿って円弧状に形成される。ベルトガイド31cの外周面は、定着ベルト30の内周面に接触している。
加圧ローラー32は、加圧芯金32aと加圧弾性層32bと加圧離型層32cとを備える。加圧芯金32aは、例えば、金属材料で略円筒状に形成されている。加圧芯金32aの前後両端部は、一対の可動板金(図示せず)に回転可能に支持されている。加圧弾性層32bは、例えば、シリコーンゴム等で構成され、加圧芯金32aの外周面に積層されている。加圧離型層32cは、例えば、PFAチューブ等で構成され、加圧弾性層32bを覆うように設けられている。
加圧ローラー32は、ギア列等を介してモーター等(図示せず)に接続され、モーターの駆動力を受けて回転する。加圧ローラー32は、各可動板金を介してバネ(図示せず)に付勢されて定着ベルト30に押し付けられている。定着ベルト30は、加圧ローラー32に従動して軸周りに回転する。加圧ローラー32は、回転しながら定着ベルト30とで定着ニップN2(加圧領域)を形成する。
定着ニップN2よりも搬送路8の上流側には、シートSを定着ニップN2に導くための進入ガイド36が設けられる。定着ニップN2よりも搬送路8の下流側には、定着ニップN2を通過したシートSを定着ベルト30から剥がすための分離板37が設けられている。なお、本実施形態では、加圧ローラー32が回転駆動されるが、定着ベルト30が回転駆動され、加圧ローラー32が従動回転される構成も採用可能である。
一対の温湿度センサー33は、定着加圧部(定着ベルト30および加圧ローラー32)の両端部を含む空間の空気の温度および水蒸気量を検知する。各温湿度センサー33は、例えば、温度変化に応じて電気抵抗値が変化するサーミスターによって構成される温度センサーと、湿度に応じて電気容量が変化する感湿材によって構成される湿度センサーとを含んで構成される。一対の温湿度センサー33は、図2に示すように、加圧ローラー32に対向して設けられてもよいし、定着ベルト30に対向して設けられてもよい。
なお、一対の温湿度センサー33に加えて、定着加圧部の前後方向(軸方向)中央部に温湿度センサー33が設けられてもよく、また、1つの温湿度センサー33のみが定着加圧部のいずれかの端部に設けられてもよい。すなわち、カラープリンター1において、1個以上の温湿度センサー33が、定着加圧部の少なくとも1つの端部を含む空間の空気の温度および水蒸気量を検知可能な位置に設けられる任意の構成が採用可能である。
また、温湿度センサー33は、温度センサーと湿度センサーとが一体となって構成されてもよいし、温度センサーと湿度センサーとが別個に設けられて構成されてもよい。
加熱ユニット34は、定着ベルト30を挟んで定着ニップN2の反対側に設けられる。加熱ユニット34は、ホルダー34aと複数のIHコイル34bとアーチコア34cとを備える。ホルダー34aは、略半円筒状に形成され、定着ベルト30を覆うように設けられる。複数のIHコイル34bは、ホルダー34aに支持される。アーチコア34cは、フェライト等の強磁性体で形成され、複数のIHコイル34bを覆うように設けられる。
除湿ユニット35は、シートSが定着ニップN2に進入する手前の位置に、加圧ローラー32に対向して設けられる。除湿ユニット35は、除湿装置35aと除湿タンク35bとを備える。図3に示すように、一対の除湿装置35aが、定着加圧部の両端部にそれぞれ対向して設けられる。なお、1個の除湿装置35aのみが、定着加圧部のいずれかの端部に対向して設けられてもよい。各除湿装置35aは、定着加圧部の端部の空気を吸気し(矢印35i)、吸気した空気を除湿して排気する(矢印35e)。
図4を参照して、除湿ユニット35の構成について説明する。前述の通り、除湿ユニット35は除湿装置35aと除湿タンク35bとを備える。除湿装置35aは、装置外の空気を取り入れる吸気口35cと、空気を冷却するアルミ板等の冷却板35dと、空気を循環させるファン35fと、空気を装置外に出す排気口35gとを備える。除湿タンク35bは、凝縮により生じた水を貯める機能を有し、除湿装置35aの下部に着脱可能に設けられる。
除湿動作は、以下のように実行される。矢印35iによって示すように、ファン35fが稼働することによって、定着加圧部の端部にある水蒸気を含んだ空気が、吸気口35cを通って除湿装置35aに流入する。除湿装置35aに流入した空気は、冷却板35dによって冷却される。冷却され飽和水蒸気量が減少する結果、空気中の水蒸気が凝縮して液体の水が生じる。凝縮により生じた水は除湿タンク35bに貯蔵される。水蒸気の凝縮により除湿された空気は、矢印35eによって示すように、ファン35fの稼働によって冷風として排気口35gを通って排出される。以上の除湿動作の結果として、定着装置7内の空気(特に、定着加圧部の両端部を含む空間の空気)が除湿される。
4.制御装置
図5を参照して、制御装置40について説明する。制御装置40はマイクロコンピューターによって構成される装置であって、演算処理部41と記憶部42とを有する。演算処理部41はCPU(Central Processing Unit)としてのマイクロプロセッサーを備え、記憶部42はROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。ROMは読取り可能な記憶媒体であり、画像形成装置1のブート処理や制御に用いられるプログラムを格納する。RAMは読み書き可能な記憶媒体であり、主記憶装置として機能し、書き込んだ情報を記憶する。なお、記憶部42はフラッシュメモリー等の補助記憶装置をさらに備えてもよい。
演算処理部41は、ROMに格納されたプログラムに従い、RAMに記憶された情報を参照して所定の処理を実行する。演算処理部41は、プログラムに従った処理によって実現される種々の機能ブロックを論理的に構成する。また、演算処理部41は、処理等によって得られた種々の情報を記憶部42に対して書き込む。
制御装置40は、給紙装置5および作像装置6、並びに定着装置7に含まれる定着ベルト30、押圧部材31、加圧ローラー32、温湿度センサー33、加熱ユニット34、および除湿ユニット35等の、カラープリンター1の各部に電気的に接続されている。
制御装置40による制御の下、定着ベルト30と加圧ローラー32とが各々軸回りに回転する。各IHコイル34bは、制御装置40の制御によって不図示の電源から電力の供給を受けて高周波磁界を発生させ、回転している定着ベルト30を加熱する。画像形成処理において、定着ベルト30は、未定着のトナー像が表面に形成されているシートSを軸回りに回転しながら加熱する。加圧ローラー32は、軸回りに回転しながら、定着ニップN2を通過するシートSを加圧する。以上の加熱および加熱の結果、トナー像がシートSに定着する。
5.UFPの生成とその抑制
前述した通り、シロキサン類等を含むVOCが凝集することによってUFPが生成される。VOCのうち水分子と相互に作用する構造(極性構造等)を有する分子は、水分子を媒介として凝集する。また、VOCのうち水分子に反発する分子は、その分子同士で凝集する。
したがって、空気中の水分量が少ない環境、すなわち低湿度の環境においては、VOCの凝集が抑制されると考えられる。結果として、VOC凝集体が、UFPとして検出されるサイズ範囲(例えば、ドイツ・ブルーエンジェル規格におけるUFP定義:粒径7nm〜300nm)に到達するほどに成長することが抑制され、ひいては、UFPの発生個数が減少する。すなわち、VOCの発生環境における空気中の水蒸気量を低減させることよって、UFPの発生を抑制することができると考えられる。以下、本件特許出願の発明者によるUFP生成条件に関する実験結果を示す。
発明者は、水蒸気量を変化させつつ凝集体の平均粒径およびUFPの個数濃度を測定することによって、UFPが生成され易い水蒸気量の条件について検証した。本実験においては、VOCが発生し易いと考えられるカラープリンター1の定着加圧部の端部周辺の水蒸気量を相異ならせた複数の条件下で、出願人によって製造されたMFPを用いて10分間の連続印字を行った後のUFP個数濃度と凝集体平均粒径とをそれぞれ測定した。
図6は、以上の実験により得られた空気中の水蒸気量(容積絶対湿度)[g/m]、UFP個数濃度[個/cm]、および凝集体平均粒径[nm]の関係を示す表であり、図7は以上の表をグラフ化したものである。図6および図7に示す通り、空気中の水蒸気量が少ない(湿度が低い)ほど、VOC凝集体の平均粒径が小さくなった。また、概略的には、空気中の水蒸気量が少ないほどUFP個数濃度が高い傾向にあったが、水蒸気量が0.8g/mまで低下するとVOC凝集体の平均粒径がUFPと判断される基準(UFP検出限界)を下回るので、UFP個数濃度は0個/cmとなった。なお、UFPと判断される粒径の下限値7nm(すなわち、UFP検出限界)に対応する水蒸気量は、0.821g/mであった。
以上の実験結果から、VOCの発生環境における空気中の水蒸気量を低減させることよって、UFPの発生が抑制されることが明らかとなった。
6.水蒸気量に基づく制御
本実施形態では、上記した知見に基づいて、VOCが発生し易い定着加圧部の端部を含む空間の空気に含まれる水蒸気量を低減するように制御する。具体的には以下の通りである。
図8は、本実施形態に係る除湿ユニット35の制御処理を示すフローチャートである。制御装置40は、ウォームアップ動作の開始(ステップS101)または印字動作の開始
(ステップS102)を検出すると、除湿ユニット35の制御を開始する。
以上のウォームアップ動作は、定着装置7を印字処理可能な状態にする動作、すなわち、加熱ユニット34が、制御装置40による制御に基づいて、トナー像をシートSに定着可能となる定着温度に到達するように定着ベルト30を加熱する動作である。ウォームアップ動作は、例えば、カラープリンター1の電源投入時やスリープ状態からの復帰時等に実行される。
また、以上の印字動作は、定着加圧部(定着ベルト30および加圧ローラー32)が、定着ニップN2を通過するシートSを加熱および加圧する動作である。加熱ユニット34は、制御装置40による制御に基づいて、印字動作が実行される際の定着加圧部(定着ベルト30および加圧ローラー32)の表面温度を、所定の閾値(第1閾値)以上に維持するように動作する。以上の所定の閾値は、例えば150℃に設定されると好適である。
除湿ユニット35の制御が開始すると、制御装置40は、温湿度センサー33から出力される信号を読み取って、定着加圧部の端部を含む空間の空気に含まれる水蒸気量を取得する(ステップS103)。
次いで、制御装置40は、取得した水蒸気量が所定の閾値(第2閾値)以下であるか否かを判定する(ステップS104)。水蒸気量が所定の閾値を上回る場合(S104:NO)、制御装置40は、除湿ユニット35に除湿動作を開始させる(もし、除湿ユニット35が除湿動作を実行している場合には、何もしない)。除湿ユニット35は、制御装置40からの指示に基づいて除湿動作を実行する(ステップS105)。なお、除湿動作の詳細は、図4を参照しながら前述した通りである。
上記した水蒸気量の閾値(第2閾値)は、「5.UFPの生成とその抑制」において前述した通り、VOC凝集体の粒径がUFP検出限界を下回るように設定されると好適である。したがって、具体的には、第2閾値が示す水蒸気量が0.821g/mであると好適である。また、温湿度センサー33および/または制御装置40の構成を簡易にするために、上記値を丸めた値を閾値として採用することも好適である。例えば、第2閾値が示す水蒸気量が0.82g/mまたは0.8g/mと好適である。
他方、水蒸気量が所定の閾値以下である場合(S104:YES)、制御装置40は、除湿ユニット35の除湿動作を停止させる(もし、除湿ユニット35が除湿動作を実行していない場合には、何もしない)。除湿ユニット35は、制御装置40からの指示に基づいて除湿動作を停止する(ステップS106)。
次いで、制御装置40は、ウォームアップ動作または印字動作が完了したか否かを判定する(ステップS107)。ウォームアップ動作または印字動作が継続している場合(S107:NO)、制御装置40は、処理をステップS103に戻して、除湿ユニット35のフィードバック制御を継続する。他方、ウォームアップ動作または印字動作が完了した場合(S107:YES)、制御装置40は、除湿ユニット35の制御処理を終了する。
以上のように除湿動作が実行されることによって、定着加圧部の端部を含む空間の水蒸気量が所定の閾値以下に維持される。
7.本実施形態の構成により生じる効果
上記した本実施形態によれば、カラープリンター1が、シリコーン系材料を含む弾性層を備え、未定着のトナー像が表面に形成されているシートSを回転しながら加熱する定着ベルト30と、シリコーン系材料を含む弾性層を備え、回転しながら定着ベルト30と共に定着ニップN2を形成し、定着ニップN2を通過するシートSを加圧する加圧ローラー32と、を有する定着加圧部と、定着加圧部の少なくとも1つの端部を含む空間の空気の温度および水蒸気量を検知する温湿度センサー33と、シートSを加熱および加圧する際の定着加圧部の表面温度を第1閾値以上に維持する加熱ユニット34と、端部を含む空間の空気の水蒸気量が第2閾値以下となるように空気を除湿する除湿ユニット35と、を備える。以上の構成によれば、VOCが発生し易い定着加圧部の端部の空気が除湿されて水蒸気量が低減するので、VOCの凝集が抑制され、ひいてはUFPの生成が抑制される。
また、トナー像をシートSに定着可能となる定着温度に到達するように加熱ユニット34が定着ベルト30を加熱している間に、除湿ユニット35が定着加圧部の端部を含む空間の空気を除湿する構成によれば、VOCが発生し易い定着ベルト30の加熱中において除湿が実行されるので、VOC凝集およびUFP生成がより効果的に抑制される。
また、定着加圧部が定着ニップN2を通過するシートSを加熱および加圧している時に、除湿ユニット35が定着加圧部の端部を含む空間の空気を除湿する構成によれば、VOCが発生し易い定着ベルト30の加熱中において除湿が実行されるので、VOC凝集およびUFP生成がより効果的に抑制される。
また、除湿ユニット35が、定着加圧部の両端部にそれぞれ対向する2つの除湿装置35aを備える構成によれば、非通紙部であるためにVOCが発生し易い定着加圧部の両端部に、それぞれ除湿装置35aが設けられるので、VOC凝集およびUFP生成がより効果的に抑制される。
また、第2閾値が示す水蒸気量が0.82g/mである構成によれば、発明者による実験結果から、VOC凝集体の粒径がUFP検出限界未満に抑えられるので、UFPの生成を抑制することが可能である。
また、第1閾値が示す表面温度は150℃である構成によれば、シートSの未定着のトナー像のトナーが十分に融解される。
8.変形例
本実施形態では、定着部材として定着ベルト30が例示されているが、定着ローラーが定着部材として採用されてもよい。
本実施形態では、除湿装置35aが実行する除湿動作によって生成された液体の水が除湿タンク35bに貯められるが、除湿された水が除湿ホースを通じてカラープリンター1の機外に排出される構成も採用可能である。
本実施形態では、加熱部としてIHコイルを用いた加熱ユニット34が例示されているが、任意の加熱手法(例えば、ハロゲンヒーター)を用いる構成も採用可能である。
本実施形態の説明では、一例として、本発明をカラープリンター1に適用した場合を示しているが、これに限らず、例えば、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
1 カラープリンター(画像形成装置)
30 定着ベルト(定着部材)
32 加圧ローラー(加圧部材)
33 温湿度センサー(温湿度検知部)
34 加熱ユニット(加熱部)
35 除湿ユニット(除湿部)
N2 定着ニップ(加圧領域)
S シート(媒体)

Claims (5)

  1. シリコーン系材料を含む弾性層を備え、未定着のトナー像が表面に形成されている媒体を回転しながら加熱する定着部材と、
    シリコーン系材料を含む弾性層を備え、回転しながら前記定着部材と共に加圧領域を形成し、前記加圧領域を通過する前記媒体を加圧する加圧部材と、を有する定着加圧部と、
    前記定着加圧部の少なくとも1つの端部を含む空間の空気の温度および水蒸気量を検知する温湿度検知部と、
    前記媒体を加熱および加圧する際の前記定着加圧部の表面温度を第1閾値以上に維持する加熱部と、
    前記空気の水蒸気量が第2閾値以下となるように前記空気を除湿する除湿部と、を備え
    前記除湿部は、前記定着加圧部の両端部のそれぞれに設けられる、除湿装置と除湿タンクとを含む2つの除湿ユニットを備え、
    前記除湿装置は、
    前記空間から空気が取り入れられる吸気口と、取り入れられた空気を冷却する冷却板と、空気を循環させるファンと、前記端部へ向けて冷却された空気が排出される排気口と、を有し、
    前記除湿タンクには、前記除湿装置において凝縮された水が貯蔵されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記除湿部は、
    前記加熱部が、前記トナー像を前記媒体に定着可能となる定着温度に到達するように前記定着部材を加熱している時に、前記空気を除湿する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記除湿部は、
    前記定着加圧部が、前記加圧領域を通過する前記媒体を加熱および加圧している時に、前記空気を除湿する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2閾値が示す水蒸気量は0.82g/mである、ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記第1閾値が示す表面温度は150℃である、ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の画像形成装置。
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