JP6848738B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、用紙にトナー像を定着させる定着装置及びこの定着装置を備えた画像形成装置に関する。
画像形成装置は、用紙上に形成されたトナー像を加熱定着させる定着装置を備える。定着装置は、トナー像を加熱する定着部材と、用紙に対してトナー像を加圧する加圧部材とを備える。定着部材は、定着ローラーや定着ベルトで構成され、ヒーター等の熱源によって加熱される。
例えば、特許文献1の画像形成装置は、互いに圧接するように配設された定着ローラー及び加圧ローラーと、定着ローラーの内部に配設された加熱手段と、加熱手段への通電を制御することにより定着ローラーの温度を所望の温度に維持する温度制御手段とを備える。温度制御手段は、定着ローラーの温度を、定着動作中の定着温度と、定着温度よりも高い待機中の待機温度とに切り替えるもので、連続的な定着動作の終了後に定着ローラーの温度を待機温度に上昇させる場合には、段階的に温度を上昇させる。
また、特許文献2の温度制御装置は、発熱体によって加熱される加熱対象物の温度を、温度検出手段による検出温度に基づいて、動作時には所定の第1の制御目標温度に、待機時には第1の制御目標温度より低い第2の制御目標温度にそれぞれ制御する。
特開平08−036324号公報 特開平04−073675号公報
定着装置では、定着部材を加熱することで、定着部材を構成するシリコンゴム等の樹脂材料から超微粒子(UFP)が発生することがある。環境保全を考慮して、このようなUFPの排出個数を減少する必要がある。しかしながら、上記した従来の画像形成装置や定着装置では、UFPの排出を全く考慮していないため、UFPの排出個数を減少することが困難である。
そこで、本発明は上記事情を考慮し、定着部材の加熱に起因する超微粒子の排出個数を減少することを目的とする。
本発明の定着装置は、用紙に形成されたトナー像を、熱源を用いて加熱する定着部材と、前記定着部材に接触して配置され、前記定着部材との間を通過する前記用紙を加圧する加圧部材と、を備え、前記定着部材及び前記加圧部材による定着処理を行う前に、前記定着部材を所定の定着目標温度まで加熱する間に、前記定着部材を前記定着目標温度より低い2段階以上の予備運転温度でそれぞれ所定の予備運転時間を経過するまで前記定着目標温度への加熱を抑制しながら昇温させる予備運転を行うことを特徴とする。
前記予備運転時間は、前記予備運転温度が高い程、長く設定されるとよい。前記予備運転時間は、前記予備運転温度が1段階高くなると、2倍以上長く設定されることが望ましい。
前記予備運転は、前記定着部材の周辺温度及び周辺湿度が、超微粒子を凝集し難い温湿度条件を満たす場合に行われるとよい。前記温湿度条件は、前記定着部材の周辺温度が23℃以下及び周辺湿度が50%以下であることが望ましい。
前記定着部材の周辺の空気を排気する排気機構を更に備え、前記予備運転において前記定着部材を加熱している間は、前記排気機構による空気の排気を停止するとよい。
本発明の画像形成装置は、上記した定着装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、定着部材の加熱に起因する超微粒子の排出個数を減少することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るプリンターを概略的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの定着装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの定着装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの定着装置の予備運転動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るプリンターの定着装置において、予備運転動作における定着部材の温度変化を示すグラフである。 定着装置における水蒸気量と平均粒径との関係を示すグラフである。 定着装置における定着部材の温度変化パターンと、超微粒子の個数及び濃度、並びにウォームアップ時間との関係を示す表である。
先ず、本発明の実施形態に係るプリンター1(画像形成装置)の全体の構成について図1を参照しながら説明する。説明の便宜上、図1における紙面手前側をプリンター1の前側とする。各図に適宜付される矢印L、R、U、Loは、それぞれプリンター1の左側、右側、上側、下側を示している。
プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備える。プリンター本体2の下部には、用紙を収納する給紙カセットが収容され、プリンター本体2の上面には、排紙トレイが設けられる。
プリンター本体2の上部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器が排紙トレイの下方に配置され、露光器の下方には、画像形成部3が設けられる。画像形成部3には、像担持体である感光体ドラム5が回転可能に設けられる。感光体ドラム5の周囲には、帯電器と、トナーコンテナに接続された現像装置と、転写ローラーと、クリーニング装置とが、感光体ドラム5の回転方向に沿って配置される。
プリンター本体2の内部には、用紙の搬送経路10が設けられる。搬送経路10の上流端には給紙部11が給紙カセットの近傍に設けられ、搬送経路10の中流部には、感光体ドラム5と転写ローラーとによって構成される転写部12が設けられる。搬送経路10の下流部には定着装置13が設けられ、搬送経路10の下流端には排紙部14が排紙トレイの近傍に設けられる。また、プリンター本体2の内部には、定着装置13を制御する制御装置15が備えられる。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。プリンター1は、外部のコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、画像形成動作を開始する。画像形成動作では、先ず、画像形成部3において、感光体ドラム5の表面が、帯電器によって帯電された後、露光器によって画像データに基づいて露光され、感光体ドラム5の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置によってトナーによりトナー像に現像される。
一方、給紙カセットに収納された用紙は、給紙部11によって取り出されて搬送経路10上を搬送される。搬送経路10上の用紙は、所定のタイミングで転写部12へと搬送され、転写部12によって感光体ドラム5上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、定着装置13へと搬送され、定着装置13によって用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙部14から排紙トレイに排出される。なお、画像形成部3において、感光体ドラム5上に残留したトナーは、クリーニング装置によって回収される。
次に、定着装置13の構成について、図2を参照しながら説明する。図2に示すように、定着装置13は、定着部材20と加圧部材21とを備える。また、定着装置13は、駆動源22(図3参照)、加熱温度センサー23、環境温度センサー24、環境湿度センサー25及び排気機構26を備える。定着部材20及び加圧部材21は、搬送経路10を挟んで対向すると共に互いに接触して配置され、定着部材20及び加圧部材21の間に定着ニップNが形成される。
定着部材20は、用紙の搬送方向(左右方向)と直交(交差)する用紙の幅方向(前後方向)に長い円柱状の低熱容量の定着ローラーで構成される。例えば、定着部材20は、低熱容量の金属製の非加熱体を有して構成され、非加熱体は、0.5mm未満の厚さを有して定着部材20の周方向及び回転軸方向に亘って設けられる。定着部材20は、定着装置13のフレーム(図示せず)内の上部に配置される。また、定着部材20は、前後方向を回転軸方向として、フレームに対して回転可能に取り付けられ、加圧部材21の回転に従動して回転する。定着部材20は、例えば、円筒状の金属製の芯材と、芯材に周設されたシリコンゴム等の樹脂製の弾性層から構成され、弾性層はPFA等のフッ素系樹脂で離型層によって被覆される。
定着部材20の内部には、用紙の幅方向に亘って定着部材20を加熱する熱源27が備えられる。熱源27は、例えば、ハロゲンヒーターやセラミックヒーター等によって構成される。熱源27は、制御装置15によってオン及びオフが切り換えられ、オンのときに電源(図示せず)から電力を供給されることで発熱して定着部材20を加熱し、オフのときに電源からの電力供給が遮断されて定着部材20の加熱を停止する。
加圧部材21は、用紙の幅方向に長い円柱状の加圧ローラーで構成される。加圧部材21は、定着装置13のフレーム(図示せず)内の下部において、例えば、定着部材20の下方で、定着部材20と互いの外周面が対向するように配置される。加圧部材21は、前後方向を回転軸方向として、フレームに対して回転可能に取り付けられる。加圧部材21の回転軸がモーター等の駆動源22(図3参照)に接続されていて、加圧部材21は、駆動源22から伝達される回転駆動力によって回転する。加圧部材21は、例えば、円柱状の金属製の芯材と、芯材に周設されたシリコンゴム等の樹脂製の弾性層から構成され、弾性層はPFA等のフッ素系樹脂で離型層によって被覆される。
加熱温度センサー23は、定着部材20の外周面近傍に設けられ、定着部材20の表面温度を検知する。環境温度センサー24及び環境湿度センサー25は、定着装置13又は定着部材20の周辺温度及び周辺湿度を検知するセンサーであり、プリンター本体2の周辺温度及び周辺湿度を検知するためにプリンター1が備えるセンサーを利用してもよい。排気機構26は、定着部材20の周辺の空気、例えば、定着装置13のフレーム(図示せず)内の空気を外部に排出するファンやダクトを備えた機構であり、プリンター本体2の内部の空気を排出するためにプリンター1が備える機構を利用してもよい。
次に、定着装置13を制御する制御装置15の電気的な構成について図3を参照しながら説明する。制御装置15は、CPU等で構成され、ROMやRAM等の記憶装置16に接続されている。なお、制御装置15及び記憶装置16として、プリンター1の各部を統括制御するメイン制御装置及びメイン記憶装置が適用されてもよい。
制御装置15は、記憶装置16に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、制御装置15に接続された各部を制御する。例えば、制御装置15は、駆動源22、加熱温度センサー23、環境温度センサー24、環境湿度センサー25、排気機構26及び熱源27に接続されている。制御装置15は、定着装置13による定着処理や定着処理前の予備運転等の各種機能を制御する。
次に、定着装置13による定着処理について説明する。定着処理を行う場合、制御装置15は、熱源27を制御して定着部材20を加熱する。このとき、制御装置15は、定着部材20の温度を加熱温度センサー23によって監視していて、定着部材20の温度が立ち上げ開始温度T0から所定の定着目標温度T3(例えば、180℃、図5参照)に到達するまで、熱源27による定着部材20の加熱を継続する。なお、定着目標温度T3は、超微粒子の発生温度未満に設定される。
定着部材20の温度が定着目標温度T3に到達すると、制御装置15は、熱源27の加熱と停止とを切り換えることによって、定着部材20の温度を定着目標温度T3に維持する。なお、定着装置13の定着処理中では、制御装置15は、排気機構26を稼働して、定着部材20の周辺の空気を外部へと排出することで、定着部材20の周辺の異物(例えば、超微粒子(UFP))や水蒸気を除去し、定着処理での画像不良を抑制することができる。
次に、定着装置13による予備運転について図4及び図5を参照しながら説明する。定着装置13は、プリンター1の起動後、所定の温湿度条件を満たす場合には(ステップS1:YES)、定着処理を行う前に、予備運転を行う。温湿度条件として、例えば、定着装置13又は定着部材20の周辺温度が23℃以下で、且つ定着装置13又は定着部材20の周辺湿度が50%以下である超微粒子を凝集し難い場合が設定される。制御装置15は、温湿度条件を判定するために、定着装置13又は定着部材20の周辺温度及び周辺湿度を環境温度センサー24及び環境湿度センサー25によって監視している。
予備運転では、先ず、制御装置15は、熱源27を制御して定着部材20を加熱する(ステップS2)。このとき、制御装置15は、定着部材20の温度を加熱温度センサー23によって監視していて、図5に示すように、定着部材20の温度が立ち上げ開始温度T0から、定着目標温度T3より低い所定の第1予備運転温度T1(例えば、75℃)に到達するまで、熱源27による定着部材20の加熱を継続する。なお、定着装置13の予備運転中では、制御装置15は、排気機構26の稼働を停止して、定着装置13の周辺の空気の外部への排出を停止する(ステップS3)。
そして、制御装置15は、定着部材20の温度が第1予備運転温度T1に到達すると(ステップS4:YES)、熱源27の加熱と停止とを切り換えることによって、図5に示すように、所定の第1予備運転時間t1(例えば、5秒)の間、定着部材20の温度を第1予備運転温度T1に維持するように定着目標温度T3への通常加熱を抑制する(ステップS5)。このとき、定着部材20の周辺温度が上昇することにより、定着部材20の周辺の水蒸気量が上昇する。なお、排気機構26の稼働停止により、水蒸気量はより効率良く上昇する。この水蒸気量の上昇により、定着部材20の周辺の超微粒子が凝集し易くなる。そして、超微粒子が凝集することで、超微粒子の個数が減少する。なお、この第1段階では、第1予備運転時間t1の間、水蒸気量を上昇させるために、定着目標温度T3への定着部材20の通常加熱を抑制していれば、定着部材20を第1予備運転温度T1に維持するだけでなく、定着部材20を通常加熱よりも緩やかな傾きで昇温させてもよい。例えば、この傾きは10℃/分以下に設定される。
また、制御装置15は、定着部材20を第1予備運転温度T1で維持した状態で第1予備運転時間t1を経過した後(ステップS6:YES)、熱源27による定着部材20の加熱を再開する(ステップS7)。そして、図5に示すように、定着部材20の温度が定着目標温度T3より低く第1予備運転温度T1より高い第2予備運転温度T2(例えば、150℃)に到達するまで、熱源27による定着部材20の加熱を継続する。
そして、制御装置15は、定着部材20の温度が第2予備運転温度T2に到達すると(ステップS8:YES)、熱源27の加熱と停止とを切り換えることによって、図5に示すように、所定の第2予備運転時間t2(例えば、10秒)の間、定着部材20の温度を第2予備運転温度T2に維持するように定着目標温度T3への通常加熱を抑制する(ステップS9)。このとき、定着部材20の周辺温度が更に上昇することにより、定着部材20の周辺の水蒸気量が更に上昇する。なお、排気機構26の稼働停止により、水蒸気量はより効率良く上昇する。この水蒸気量の更なる上昇により、定着部材20の周辺の超微粒子が更に凝集し易くなる。そして、超微粒子が凝集することで、超微粒子の個数が更に減少する。なお、この第2段階でも、第2予備運転時間t2の間、水蒸気量を更に上昇させるために、定着目標温度T3への定着部材20の通常加熱を抑制していれば、定着部材20を第2予備運転温度T2に維持するだけでなく、定着部材20を通常加熱よりも緩やかな傾きで昇温させてもよい。例えば、この傾きは10℃/分以下に設定される。
なお、予備運転温度が高い程、飽和水蒸気量が多くなるので、加熱開始から飽和水蒸気量に到達するまでの時間が長くなる。そのため、予備運転温度が高い程、予備運転時間を長く設定して、より多くの水蒸気を発生させることができる。温度に対して、飽和水蒸気量は指数関数的に上昇し、予備運転時間は、予備運転温度に対応する飽和水蒸気量に合わせて設定される。例えば、第1予備運転温度T1が75℃、第2予備運転温度T2が150℃の場合、第2予備運転時間t2は、第1予備運転時間t1の2倍以上の長さに設定されるとよい。
また、制御装置15は、定着部材20を第2予備運転温度T2で維持した状態で第2予備運転時間t2を経過した後(ステップS10:YES)、熱源27による定着部材20の加熱を再開する(ステップS11)。そして、図5に示すように、定着部材20の温度が定着目標温度T3になるまで、熱源27による定着部材20の加熱を継続する。そして、定着部材20の温度が定着目標温度T3になると(ステップS12:YES)、定着装置13は、定着処理を実行可能な状態となる。
これにより、プリンター1が印刷開始の指示を入力していれば(ステップS13:YES)、定着装置13は、即座に定着部材20の温度を定着目標温度T3に維持することができる(ステップS14)。なお、制御装置15は、排気機構26の稼働を開始する(ステップS15)。このようにして、定着装置13は、定着処理を実行可能となる(ステップS16)。
次に、所望の温度及び湿度を維持可能な実験室にプリンター1を設置して、様々な温度及び湿度を設定した場合に、定着装置13及び定着部材20の周辺環境の変化を測定した実験結果について、図6及び図7を参照しながら説明する。
先ず、図6を参照して、実験室内の湿度、即ち水蒸気量を変化させた場合に、定着部材20の周辺の超微粒子の平均粒径を測定した実験例について説明する。なお、この実施例では、定着部材20の周辺に実験用のパーティクルカウンタを配置し、10分間印字(定着処理)を行う間に、パーティクルカウンタによって超微粒子として粒子径5.6〜560nmの粒子を測定し、その測定結果に基づいて超微粒子の平均粒径を測定した。この実験例では、定着部材20の温度上昇に伴って、定着部材20の周辺の水蒸気量が増加することを想定している。この実験例によれば、図6に示すように、実験室内の水蒸気量、即ち、定着部材20の周辺の水蒸気量が増加する程、定着部材20の周辺の超微粒子の平均粒径が大きくなることが分かる。
次に、図7を参照して、定着部材20の温度を変化させた後に10分間印字(定着処理)を行った場合に、定着部材20の周辺の超微粒子の個数及び濃度、並びにウォームアップ時間(WUT)を測定した実験例について、定着部材20の温度の様々な変化パターン毎に説明する。なお、この実施例では、定着部材20の周辺に実験用のパーティクルカウンタを配置し、10分間印字(定着処理)を行う間に、パーティクルカウンタによって超微粒子(粒子径5.6〜560nmの粒子)超微粒子の個数及び濃度を測定した。ウォームアップ時間は、プリンター1の起動及び定着部材20の加熱開始後、定着部材20が定着目標温度T3になるまでの時間である。
この実施例では、定着部材20の温度の変化パターンとして、第1パターンでは、予備運転温度及び予備運転時間を設けずに定着部材20の温度を25℃から180℃の定着目標温度T3まで上昇させた後、印字を行った。第2パターンでは、定着部材20の温度を25℃から100℃の第1予備運転温度T1まで上昇させて5秒の第1予備運転時間t1を維持してから、180℃の定着目標温度T3まで上昇させた後、印字を行った。第3パターンでは、定着部材20の温度を25℃から100℃の第1予備運転温度T1まで上昇させて10秒の第1予備運転時間t1を維持してから、180℃の定着目標温度T3まで上昇させた後、印字を行った。第4パターンでは、定着部材20の温度を25℃から100℃の第1予備運転温度T1まで上昇させて15秒の第1予備運転時間t1を維持してから、180℃の定着目標温度T3まで上昇させた後、印字を行った。即ち、第2パターン〜第4パターンでは、第1予備運転温度T1の1段階のみを設定し、第1予備運転時間t1又は第1予備運転温度T1を代えている。
また、定着部材20の温度の変化パターンとして、第5パターンでは、定着部材20の温度を25℃から75℃の第1予備運転温度T1まで上昇させて5秒の第1予備運転時間t1を維持し、更に、150℃の第2予備運転温度T2まで上昇させて10秒の第2予備運転時間t2を維持してから、180℃の定着目標温度T3まで上昇させた後、印字を行った。第6パターンでは、定着部材20の温度を25℃から100℃の第1予備運転温度T1まで上昇させて5秒の第1予備運転時間t1を維持し、更に、150℃の第2予備運転温度T2まで上昇させて10秒の第2予備運転時間t2を維持してから、180℃の定着目標温度T3まで上昇させた後、印字を行った。即ち、第5パターン及び第6パターンでは、第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2の多段階を設定し、第1予備運転温度T1を代えている。
図7に示すように、第1パターン〜第6パターンを通して、超微粒子の濃度の差異は少ない。しかしながら、多段階の予備運転温度(第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2)を設定する第5パターン及び第6パターンでは、予備運転温度を設定しない第1パターンや、第1予備運転温度T1のみを設定する(多段階の予備運転温度を設定しない)第2パターン〜第4パターンに比べて、ウォームアップ時間は長くなるが、超微粒子の個数は少なくなる。また、第5パターンよりも第2予備運転温度T2の高い第6パターンの方が、超微粒子の個数は少なくなる。そこで、本実施形態の定着装置13では、予備運転において、多段階の予備運転温度(第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2)を設定している。
例えば、多段階の予備運転温度(第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2)は、高く設定する程、飽和水蒸気量がより多くなるので、比較的低い温度を段階的に設定するよりも、可能な限り高い温度を設定する方が、水蒸気の発生効率を高めることができる。ところで、定着部材20の熱容量が低い場合や、加熱温度センサー23の精度が低い場合には、過昇温に起因する定着部材20からの超微粒子の発生が懸念されるため、本実施形態では、多段階の予備運転温度を設定している。そのため、定着部材20の熱容量や加熱温度センサー23の精度を予め把握しておくことで、多段階の予備運転温度を最適に設定することができる。なお、定着部材20の熱容量や加熱温度センサー23の精度に拘らず、定着部材20の過昇温を抑制しつつ、より多くの水蒸気を発生させるためには、例えば、予備運転温度は、定着目標温度T3の1/2〜3/4の間(定着目標温度T3が200℃であれば100〜150℃の間)で多段階に設定するとよい。また、予備運転時間は、設定した予備運転温度に対して1/10の値の秒数(予備運転温度が100℃であれば10秒、150℃であれば15秒)に設定するとよい。あるいは、制御装置15が、定着部材20の昇温速度や温度リップルに基づいて予備運転温度や予備運転時間を予測して設定してもよい。
なお、定着装置13では、予備運転を行ってから定着処理を行う予備運転モードと、予備運転を行わずに定着処理を行う予備運転モードとをユーザーに設定可能にしてよい。ユーザーは、超微粒子に対する環境保全を重要視する場合には、予備運転モードを設定し、ウォームアップ時間の短縮を重要視する場合には、通常モードを設定すればよい。予備運転モード及び通常モードの設定は、プリンター1のタッチパネル等の操作表示部(図示せず)の操作によって行われてもよく、あるいは、外部コンピューターから入力される印刷開始の指示(印刷ジョブやコピージョブ)に含まれてもよい。
なお、予備運転における多段階の第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2は、予め設定されて記憶装置16に記憶される。また、予備運転における第1予備運転時間t1及び第2予備運転時間t2は、予め設定されて記憶装置16に記憶されてもよく、ユーザーによって設定可能にしてもよい。
本実施形態によれば、上述のように、プリンター1(画像形成装置)の定着装置13は、用紙に形成されたトナー像を、熱源27を用いて加熱する定着部材20と、定着部材20に接触して配置され、定着部材20との間を通過する用紙を加圧する加圧部材21とを備える。そして、定着装置13は、定着部材20及び加圧部材21による定着処理を行う前に、定着部材20を所定の定着目標温度T3まで加熱する間に、定着部材20を定着目標温度T3より低い2段階以上の予備運転温度(第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2)でそれぞれ所定の予備運転時間(第1予備運転時間t1及び第2予備運転時間t2)を経過するまで定着目標温度T3への加熱を抑制しながら昇温させる予備運転を行う。
これにより、定着装置13では、予備運転によって、機内の温度を段階的に上昇させて水蒸気量を段階的に増加することにより、超微粒子を効率良く凝集(大粒径化)させることができる。なお、定着部材20の温度を段階的に昇温させるので、低熱容量の定着部材20を適用する定着装置13において、過昇温が生じることなく予備運転を行うことが可能である。また、定着部材20は、超微粒子の発生温度を超えて加熱されることがないので、定着部材20の加熱に起因した超微粒子の発生を抑制することができる。即ち、超微粒子の発生を抑制可能な状態で、水蒸気量をできるだけ増加させることができる。そして、超微粒子の凝集によって超微粒子の個数を減少することができ、定着部材20の加熱に起因する超微粒子の排出個数を減少することが可能となる。
また、本実施形態によれば、定着装置13では、予備運転時間は、予備運転温度が高い程、長く設定される。例えば、予備運転時間は、予備運転温度が1段階高くなると、2倍以上長く設定される。そして、より多くの超微粒子を凝集させて超微粒子の個数をより減少することができる。
また、本実施形態によれば、定着装置13では、予備運転は、定着部材20の周辺温度及び周辺湿度が、超微粒子を凝集し難い温湿度条件を満たす場合に行われる。例えば、温湿度条件は、定着部材20の周辺温度が23℃以下及び周辺湿度が50%以下の場合に設定される。これにより、定着装置13では、超微粒子の凝集し易さに応じて予備運転を切り換えることができる。そして、超微粒子を凝集し易い場合には、超微粒子の個数の減少を見込んで予備運転を行わずにウォームアップ時間を短縮することができる。一方、超微粒子を凝集し難い場合には、超微粒子の個数の増加を懸念して予備運転を行うことで超微粒子の個数を減少することができる。
また、本実施形態によれば、定着装置13は、定着部材20の周辺の空気を排気する排気機構26を更に備える。そして、定着装置13は、予備運転において定着部材20を加熱している間は、排気機構26による空気の排気を停止する。これにより、定着装置13では、定着処理に起因する機内の空気の汚染を抑制する一方、予備運転において排気機構26を停止することによって機内の水蒸気の上昇効率を高めることができる。
本実施形態では、定着装置13は、予備運転における定着部材20の温度を2段階の第1予備運転温度T1及び第2予備運転温度T2に昇温させる例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の実施形態では、定着装置13は、予備運転における定着部材20の温度を3段階以上に分けて昇温してもよい。低熱容量の定着部材20は過昇温し易いため、予備運転における定着部材20の温度をより多くの段階に分けて昇温することで、過昇温を抑制することが可能となる。なお、加熱温度センサー23の精度がより高い場合には、定着部材20の温度を精密に制御することができて過昇温を抑制可能であるため、定着部材20の温度を分ける段階を少なくしてもよい。
また、定着装置13は、定着部材20の熱容量や、温湿度条件またはその他の条件に応じて、定着部材20の温度を分ける段階を代えるように制御してもよい。
本実施形態では、定着部材20は、定着ローラーで構成される例を説明したが、定着部材20はこれに限定されず、例えば、定着ベルトで構成されてもよい。また、本実施形態では、熱源27は、定着部材20の内部に備わるヒーターで構成される例を説明したが、熱源27はこれに限定されず、例えば、定着部材20の外部に備わるヒーターやIHユニットで構成されてもよい。
本実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
1 プリンター(画像形成装置)
2 プリンター本体
3 画像形成部
10 搬送経路
13 定着装置
15 制御装置
20 定着部材
21 加圧部材
22 駆動源
23 加熱温度センサー
24 環境温度センサー
25 環境湿度センサー
26 排気機構
27 熱源

Claims (5)

  1. 用紙に形成されたトナー像を、熱源を用いて加熱する定着部材と、
    前記定着部材に接触して配置され、前記定着部材との間を通過する前記用紙を加圧する加圧部材と、を備え、
    前記定着部材及び前記加圧部材による定着処理を行う前に、前記定着部材を所定の定着目標温度まで加熱する間に、前記定着部材を前記定着目標温度より低い2段階以上の予備運転温度でそれぞれ所定の予備運転時間を経過するまで前記定着目標温度への加熱を抑制しながら昇温させる予備運転を行い、
    前記予備運転時間は、前記予備運転温度が高い程、長く設定されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記予備運転時間は、前記予備運転温度が1段階高くなると、2倍以上長く設定されることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 前記予備運転は、前記定着部材の加熱に起因する超微粒子を凝集し難い温湿度条件として、前記定着部材の周辺温度が23℃以下且つ前記定着部材の周辺湿度が50%以下を満たす場合に行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記定着部材の周辺の空気を排気する排気機構を更に備え、
    前記予備運転において前記定着部材を加熱している間は、前記排気機構による空気の排気を停止することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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