上記のように、最近では、表示パネル用のカラーフィルター形成基板は、より大型化の製造が求められており、表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板の輸送、保管に対して、更に一層の、輸送効率向上による輸送コスト節減や保管場所の省スペース化が求められているが、先に述べたように、特開2004−59116号公報に記載の、トレイによる輸送、保管方法においては、輸送時の振動により板状物が跳ねやすく、割れや傷が発生しやすい為、薄型化が非常に困難である。
また、板状物の跳ねをなくす為に板状物の周辺部を上から押さえてしまうと、板状物の端面付近にダスト付着や傷が発生してしまい、機能部の品質的悪化が発生するという問題があり、これらの対応が求められていた。
更に、輸送、保管を効率的にできることが求められていた。
本発明はこれらに対応するもので、板状物を撓んだ状態で保持するトレイであって、板状物の機能を有する部分を、他と接触させずに、板状物同士、所定の間隔を保持した状態で、重ねて、搬送、保管が簡単に、効率的にでき、振動よる板状物の品質面の問題を解消できるトレイを提供しようとするものである。
更に具体的には、その一面に機能部を有する表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板を板状物とした場合、その輸送、保管に対して、輸送効率向上ができ、保管場所の省スペース化ができ、且つ、輸送時の振動により、板状物が跳ねたりせず、割れや傷が発生せず、品質的にも問題がない、板状物用トレイを提供しようとするものである。
同時に、搬送およびまたは保管において、振動よる板状物の品質面の問題を解消できる、板状物の積層方法を提供しようとするものである。
本発明の板状物用トレイは、四角形状で剛性のある板状物の面方向を水平方向として、該板状物を、その上側に載せて保持するトレイで、且つ、該板状物を載せた状態で複数重ねて搬送あるいは保管に用いられる、搬送用あるいは保管用のトレイであって、全体を支持する基材で、枠内側領域が前記板状物より大きい枠部と、該枠部に支持され、該枠部の枠内側領域において、前記板状物を鉛直方向下側に撓ませた状態でその下側から保持する板状物保持部とを備え、枠部は、トレイを複数重ねる際の重なり部であり、トレイを複数重ねる際にその表裏が互いに面接触するように形成されているもので、前記板状物支持部の板状物を載せない側の面である裏面の少なくとも一部に、板状物を載せた該トレイを複数重ねた状態において、板状物と接触して振動を抑制する、振動抑制部材が取り付けられていることを特徴とするものである。
そして、上記の板状物用トレイであって、少なくとも一対の対向する2辺に沿う板状物支持部の裏面に、前記振動抑制部材が、取り付けられていることを特徴とするものである。
そしてまた、上記いずれか1項に記載の板状物用トレイであって、前記振動抑制部材は、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、その一方の面を前記板状物支持部の裏面に沿わせ、トレイ中心側に向かい厚みが薄くなっており、板状物を載せた該トレイを複数重ねた状態において、板状物の端部のみに接触するものであり、前記振動抑制部材は、板状物の端面のみと接触して振動を抑えるものであることを特徴とするものである。
また、請求項3ないし4のいずれか1項に記載の板状物用トレイであって、前記振動抑制部材は、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、前記一方の面とは反対側の他方の面は、テーパー形状と直線形状の1以上で形成されていることを特徴とするものである。
あるいはまた、請求項1ないし2のいずれか1項に記載の板状物用トレイであって、前記振動抑制部材は、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、その一方の面が前記前記板状物支持部の裏面に沿い、その厚みが該断面全体において均一であり、板状物を載せた該トレイを複数重ねた状態において、板状物とそれが取りつけられた領域全体で接触することを特徴とするものである。
また、上記いずれかの板状物用トレイであって、前記振動抑制部材は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
また、上記いずれか1項に記載の板状物用トレイであって、前記板状物保持部は、枠部の4辺の、一方の対向する2辺に沿うように前記板状物の両端を支持し、枠部の4辺の、他方の対向する2辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、前記板状物を支持するものであることを特徴とするものであり、前記枠部の4辺は、いずれも、その表裏面をフラットとし、各辺の表面同士、裏面同士は、それぞれ、一平面上に位置していることを特徴とするものである。
ここで、前記板状物保持部は、保持される板状物の周縁部分のみに配されて、板状物の周縁部分を支持するものであり、保持される板状物の内部領域に対応する領域は開口となっていることを特徴とするものである。
あるいは、前記板状物保持部は、保持される板状物の内部領域に跨るように配されて、板状物をその内部領域においても支持するものであることを特徴とするものである。
また、上記いずれか1項に記載の板状物用トレイであって、前記板状物が、表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板であることを特徴とするものである。
本発明の積層方法は、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の板状物用トレイを、搬送およびまたは保管のために、積層することを特徴とするものである。
そして、上記の板状物の積層方法であって、前記板状物が表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板であることを特徴とするものである。
(作用)
本発明の板状物用トレイは、このような構成にすることにより、板状物を撓んだ状態で保持するトレイで、板状物の機能を有する部分を、他と接触させずに、板状物同士、所定の間隔を保持した状態で、重ねて、搬送、保管が簡単に、効率的にでき、且つ、振動よる板状物の品質面の問題を解消できるトレイの提供を可能としている。
詳しくは、全体を支持する基材で、枠内側領域が前記板状物より大きい枠部と、該枠部に支持され、該枠部の枠内側領域において、前記板状物を鉛直方向下側に撓ませた状態でその下側から保持する板状物保持部とを備え、枠部は、トレイを複数重ねる際の重なり部であり、トレイを複数重ねる際にその表裏が互いに面接触するように形成されているもので、前記板状物支持部の板状物を載せない側の面である裏面の少なくとも一部に、板状物を載せた該トレイを複数重ねた状態において、板状物と接触して振動を抑制する、振動抑制部材が取り付けられていることにより、これを達成している。
即ち、板状物を撓ませた状態で保持する板状物保持部とを備えていることにより、搬送等における振動による板状物の浮き上がりを低減することができるものとし、更に、板状物と接触して振動を抑制する、振動抑制部材が取り付けられていることにより、振動による板状物の品質面の問題を解消できるものとしている。
また、枠部は、トレイを複数重ねる際の重なり部であり、トレイを複数重ねる際にその表裏が互いに面接触するように形成されていることにより、即ち、枠部を面接触して重ねることによりトレイを重ねる構造としているため、板状物の収納間隔を狭くすることができ、同一体積における輸送効率を向上できる。
収納間隔を狭くすることができ、これにより、同一体積における保管能力も向上でき、結果、従来の収納容器に比べ、収納容器の床面積を削減できる。
板状物の浮き上がり起因の接触による板割れや傷の少ない搬送を実現できる。
具体的には、少なくとも一対の対向する2辺に沿う板状物支持部の裏面に、前記振動抑制部材が、取り付けられている、請求項2の発明の形態が挙げられる。
請求項2の発明の形態であって、前記振動抑制部材は、板状物を載せた該トレイを複数重ねた状態において、板状物の端部のみに接触するもので、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、その一方の面を前記前記板状物支持部の裏面に沿わせ、トレイ中心側に向かい厚みが薄くなっている、請求項3の発明の形態とすることにより、振動抑制部材が確実に板状物の端部のみに接触し、他では接触しないものとしている。
更に、板状物の端面のみと接触して振動を抑えるものである、請求項4の発明の形態とすることにより、振動抑制部材と板状物の機能面との接触面積を小さくすることを可能としている。
これにより、接触による品質的な悪影響が発生しづらいものとしている。
このような振動抑制部材としては、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、前記一方の面とは反対側の他方の面は、テーパー形状と直線形状の1以上で形成されている、形態が挙げられる。
あるいはまた、第2の発明の形態において、前記振動抑制部材としては、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、その一方の面が前記前記板状物支持部の裏面に沿い、その厚みが該断面全体において均一であり、板状物とそれが取りつけられた領域全体で接触する形態も挙げられる。
この形態の場合には、板状物の表面の所望の部分を押さえることを可能としている。
また、前記振動抑制部材の材質としては、熱可塑性樹脂からなるものが挙げられる。
振動抑制部材は、特殊な形状の部材であり、また板状物と接する部材である。
そのため削り出し等で形状を加工する熱硬化性樹脂などは発塵が問題となり、またコストも時間もかかる。
それに対して熱可塑性樹脂では熱加工により形状を加工するため、発塵が問題とならず、コストも時間も低減できるからである。
前記板状物保持部としては、枠部の4辺の、一方の対向する2辺に沿うように前記板状物の両端を支持し、枠部の4辺の、他方の対向する2辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、前記板状物を支持するものである、請求項8の発明の形態が挙げられる。
請求項8の形態において、前記枠部の4辺は、いずれも、その表裏面をフラットとし、各辺の表面同士、裏面同士は、それぞれ、一平面上に位置している、請求項9の形態が挙げられる。
更に、これらの形態において、板状物保持部は、保持される板状物の周縁部分のみに配されて、板状物の周縁部分を支持するものであり、保持される板状物の内部領域に対応する領域は開口となっている形態や、保持される板状物の内部領域に跨るように配されて、板状物をその内部領域においても支持するものである形態が挙げられる。
尚、請求項8の発明の形態においては、四角状の板状物をその対向する2辺部のみで支持して水平に保持した場合における、板状物の自重のみにより撓む、鉛直方向の撓みの形状に沿った状態として、あるいは、これよりも鉛直方向に浅い撓み状態として保持する。
尚、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の板状物用トレイであって、板状物保持部は、枠部の4辺の各辺に沿ったその上面を、いずれも、下側に湾曲させており、枠部の4辺に沿うように、板状物の4辺部に沿ってその端部を支持し、且つ、枠部の4辺の各辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、板状物を撓ませた状態で支持するものである形態の板状物用トレイも挙げられる。
この形態においては、例えば、四角状の板状物を四角状の板状物の対角に配する2つのコーナー部のみを支持して水平に保持した場合における、板状物の自重のみにより撓む、鉛直方向の撓みの形状に沿った状態として、あるいは、これよりも鉛直方向に浅い撓み状態として保持する。
また、板状物保持部の枠部の各辺にそった湾曲形状は、円弧もしくは楕円の外周形状の一部に形成されている形態、あるいは、円弧、多角形の外周形状の一部、もしくは、円弧や楕円の外周形状の一部と、直線とを、組み合わせた形状のいずれかである形態にすることにより、撓み状態で安定的に保持することを可能としている。
上記形態における板状物保持部は、枠部の4辺の各辺に沿ったその上面を、いずれも、下側に湾曲させており、枠部の4辺に沿うように、前記板状物の4辺部に沿ってその端部を支持し、且つ、枠部の4辺の各辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、前記板状物を撓ませた状態で支持するものであり、このような形態とすることにより、例えば、表示パネル用のカラーフィルター形成用の基板で、1.5m×1.8mサイズの第6世代と言われる大きさのガラス基板を板状物とした場合には、特に、板状物の振動を有効に抑えることができるものとしている。
また、上記形態においては、前記枠部の4辺の各辺は、いずれも、その各辺に沿う前記板状物保持部の湾曲にそった形状である形態とすることにより、各辺にて、各辺に沿う板状物保持部の端を撓み形状で支持でき、確実に所望の撓み状態とすることができる。
前記板状物としては、表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板が挙げられる。
更に説明しておくが、単位の板状物をトレイで保持した場合、枠部に対して、板状物と板状物保持部は、板状物が撓んだ状態で、所定の位置関係の形状となるため、このような単位の板状物を保持したトレイを、枠部にて、面接触して重ねても、板状物同士は、枠の厚み分だけ、間隔を維持できるものとなる。
例えば、図10(a)に概略断面図を示すように、板状物50が撓んだ状態でトレイを3つ重ねた場合、太点線で示すように各トレイの板状物50は同じように撓み、そのピッチ間隔は枠部20の厚さを保つ。
尚、図10(a)は、後述する実施の形態例のトレイ10に板状物50を載置した状態を示した図9(c)のB1−B2における断面部におけるトレイの積層を示したものである。
ここでは明示していないが、板状物保持部は、板状物50に沿う形状で、板状物保持部の厚さは、枠部20の厚さより薄いことが必要で、多少の撓みのバラツキや振動を考慮して、枠部20の厚さより十分に薄いことが好ましい。
このようにしてトレイを重ねた状態で搬送、保管する場合には、枠体の形状に合わせた、例えば、図10(b)に示すような、形状の専用の台座60、あるいは,図10(c)にしめすような、枠形状の台座20aを用いる。
本発明の板状物の積層方法は、搬送およびまたは保管において、振動よる板状物の品質面の問題を解消できる、板状物の積層方法の提供を可能としている。
本発明は、上記のように、板状物を撓んだ状態で保持するトレイであって、板状物の機能を有する部分を、他と接触させずに、板状物同士、所定の間隔を保持した状態で、重ねて、搬送、保管を簡単に、効率的にでき、且つ、振動よる板状物の品質面の問題を解消できるトレイの提供を可能としている。
特に、機能部をその一面側に有する表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板を板状物とした場合、その輸送、保管に対して、機能部を有する部分を、他と接触させずに、輸送効率向上ができ、保管場所の省スペース化ができ、且つ、輸送時の振動により、板状物が跳ねたりせず、割れや傷が発生せず、品質的にも問題がない、板状物用トレイの提供を可能とした。
同時に、搬送およびまたは保管において、振動よる板状物の品質面の問題を解消できる、板状物の積層方法の提供を可能とした。
本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1(a)は本発明の板状物用トレイの実施の形態の1例の概略図で、図1(b)、図1(c)は、それぞれ、図1(a)のA1−A2方向、A3−A4方向における断面を示した図で、図1(d)は図1(a)のA5側から見た図で、図2(a)は図1(a)に示す板状物用トレイに板状物を載置した図で、図2(b)は板状物を載置した図1(a)に示す板状物用トレイを2つ積層した図で、図2(c)は図2(b)のA1−A2方向における断面図で、図2(d)は図2(b)のA3−A4方向における断面図で、図3は板状物を載置したトレイを重ねた状態において、振動抑制部材が端面にて接触する例を示した断面図で、図4〜図5は板状物を載置したトレイを重ねた状態において、振動抑制部材が端部で接触する他の例を示した図で、図6は板状物を載置したトレイを重ねた状態において、振動抑制部材が全面にて接触する形態を分かるように示した断面図で、図7(a)〜図7(b)は各種の板状物用トレイの表側の形態を示した図で、図7(a1)〜図7(b1)はそれぞれ図7(a)〜図7(b)の裏側の枠部と板状物支持部の外形形状を示した図で、図8(a)〜図8(d)は各種の板状物用トレイの表側の形態を示した図で、図8(a1)〜図8(d1)はそれぞれ図8(a)〜図8(d)の裏側の枠部と板状物支持部の外形形状を示した図で、図9(a)〜図9(f)は図1(a)に示す板状物用トレイを用いた場合の板状物の搭載と板状物を搭載したトレイの積層を説明するための手順の1例を順に示した概略図で、図10(a)は板状物を搭載したトレイを積層した状態を示した概略断面図で、図10(b)、図10(c)は図10(a)に示す積層状態の保持の1例を示した概略断面図で、図11(a)〜図11(d)は図11(a)に示す板状物用トレイを用いた場合の板状物の搭載と板状物を搭載したトレイの積層を説明するための手順の1例を順に示した概略図で、図12(a)、図12(b)は他の形態のトレイを示した図で、図13は板状物の支持と撓み形状を説明するための図で、図14は台部の斜視図で、図15は板状物を載せたトレイの台部への搭載状態を説明するための図で、図16(a)は従来の板状物用トレイの形態の1例の概略構成図で、図16(a)〜図16(e)は図16(a)に示す板状物用トレイを用いた場合の板状物の搭載と板状物を搭載したトレイの積層を説明するため手順を順に示した概略図である。
尚、図3〜図6は、図2(a)において振動抑制部材のみを別の振動抑制部材に代えた場合の図で、図3(a)〜図6(a)はA1−A2方向における断面図で、図3(b)〜図6(b)はA3−A4方向における断面図である。
また、図9(e)、図9(f)、図16(d)、図16(e)は、分かり易くするため、各トレイの枠部を離れた状態で示しているが、トレイを重ねた際には、枠部同士が面接触する。
図1〜図16中、10、10a〜10f、11、11aはトレイ、20は枠部、20aは台座、20S1は表側面、20S2は裏側面、30、30Aは板状物保持部、30a〜30d、30e〜30iは支持部(保持部とも言う)、31〜36は板状物保持部(支持部とも言う)、40は、40a〜40dは振動抑制部材、50は板状物、50a、50bは辺、50A、50Bはコーナー部、51、52は端面、60は台部、61〜64は辺、61s〜64sは上面、70、75は搬送部、110はトレイ、120が枠部、130は底部(支持部)、140は板状物である。
本発明の板状物用トレイの実施の形態の1例を、図1に基づいて説明する。
本例の板状物用トレイ10は、四角形状で剛性のある板状物の面方向を水平方向として、該板状物を、その上側に載せて保持するトレイで、且つ、該板状物を載せた状態で複数重ねて搬送あるいは保管に用いられる、搬送用あるいは保管用のトレイで、全体を支持する基材で、枠内側領域が前記板状物より大きい枠部20と、枠部20の4辺に沿って、枠部20に支持され、枠部20の枠内側領域において、前記板状物を鉛直方向下側に撓ませた状態でその下側から保持する板状物保持部30とを備えている。
そして、枠部20は、トレイを複数重ねる際の重なり部であり、トレイを複数重ねる際にその表側面20S1と裏側面20S2が互いに面接触するように形成されているものであり、特に、板状物支持部30の板状物を載せない側の面である裏面に、板状物を載せた該トレイを複数重ねた状態において、板状物と接触して振動を抑制する、振動抑制部材40が取り付けられている。
本例では、枠部20の4辺に沿った板状物支持部30a〜30dの全ての裏面に、各振動抑制部材40a〜40dが、取り付けられている。
板状物保持部30は、板状物50に接して支持する支持部30a、〜30dよりなり、支持部30b、30dにより、枠部20の4辺の、一方の対向する2辺に沿うように、板状物50の両端を支持し、支持部30a、30cにより、枠部の4辺の、他方の対向する2辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、板状物50を支持するものである。
板状物保持部30を、保持される板状物50の撓みに沿うように湾曲させているが、本例では、その湾曲形状を、板状物の自重による該湾曲方向のたわみ形状に近い形状とし、各支持部30a〜30dが板状物50に沿うようにしている。
尚、ここで、「板状物の自重による該湾曲方向のたわみ形状」とは、四角状の板状物の対向する2辺部のみを支持して水平に保持した場合における、板状物の自重のみにより撓む、鉛直方向の撓みの形状を意味する。
枠部20は、トレイ10を複数重ねる際の重なり部であり、トレイ10を複数重ねる際にその表裏が互いに面接触するように形成されているが、特に、本例では、枠部20の4辺は、いずれも、その表裏面をフラットとし、各辺の表面同士、裏面同士は、それぞれ、一平面上に位置しているが、この形状に限定されない。
また、本例においては、板状物保持部30は、保持される板状物50の周縁部分のみに配されて、板状物50の周縁部分を支持するものであり、保持される板状物50の内部領域に対応する領域は開口となっている。
板状物50としては、表示パネル用のカラーフィルター形成基板、あるいは、該カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板が挙げられるが、これらには限定はされない。
このような構成にすることにより、板状物を撓んだ状態で保持するトレイで、板状物の機能を有する部分を、他と接触させずに、板状物同士、所定の間隔を保持した状態で、重ねて、搬送、保管が簡単に、効率的にでき、且つ、振動よる板状物の品質面の問題を解消できるトレイの提供を可能としている。
尚、枠部20としては、強度が大きく、軽量な材料が好ましく、例えば、アルミニウム等が挙げられる。
また、板状物保持部30の各支持部30a〜30dも、強度が大きく、軽量な材料であることが好ましく、例えば、アルミニウムを基材として、板状物50と接触する部分にクッション材を設けておく形態が好ましい。
また、振動抑制部材40としては、熱可塑性樹脂からなるものが、振動抑制の面から好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂の中でも、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)ナイロン66やナイロン610といったポリアミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミドが望ましい。
尚、同様の機能を有すれば、振動抑制部材40材質はこれらに限定はされない。
クッション性を有する材質を一部または全体に配して振動抑制部材40とする形態も挙げられる。
本例では、図1(d)に示すように、板状物保持部30の各支持部30a〜30dに、それぞれ、ほぼ全面にわたり、振動抑制部材40a〜40dを配している。
そして、図1(b)、図1(c)に示すように、前記振動抑制部材40a〜40dは、それぞれ、それが沿う枠部の辺部に直交する厚み方向の断面において、枠部20の中心側に向かい直線的に先細となっている。
振動抑制部材40a〜40dの形状は、これに限定されるものでない。
本例のトレイ10に板状物50を載置した場合、図2(a)に示すように、板状物50は下側に撓んだ状態となる。
板状物50を載置した本例のトレイ10を2つ積層した場合は、図2(b)のように、枠部20の表裏の面同士が重なり、先にも述べたが、板状物同士の鉛直方向のピッチは枠部20の厚さとなる。
同様に、3つ以上を重ねることもできる。
本例では、図1(a)のA1−A2方向、A3−A4方向に対応する断面の、重なった2つのトレイ間の状態は、それぞれ、図2(c),図2(d)のようになり、振動抑制部材40a〜40dは、板状物50の端部のみで接触して、振動を抑制する。
振動抑制部材40a〜40dは、上記の断面の形状に限定されるものでない。
振動抑制部材40a〜40dの上記A1−A2方向、A3−A4方向の断面形状を変えることにより、例えば、図3(a)、図3(b)は、それぞれ、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、図2(b)のA1−A2方向、A3−A4方向に相当する方向の断面図であるが、端面近傍で振動抑制部材41aの厚みが枠部の中心側が小で、大きく変化させており、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、振動抑制部材41a、41dを板状物50の端面51、52でのみ接触させる。
また、図4(a)、図4(b)もまた、それぞれ、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、図2(b)のA1−A2方向、A3−A4方向に相当する方向の断面図であるが、端部の所定幅で振動抑制部材42aの厚みを一定とし、それより枠部の中心側は、中心側が漸次小となるよう、直線的に厚みを変化させており、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、振動抑制部材42a、42dを板状物50の端部でのみ所望の幅で接触させる。
また、図5(a)、図5(b)もまた、それぞれ、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、図2(b)のA1−A2方向、A3−A4方向に相当する方向の断面図であるが、端部の所定幅で振動抑制部材42aの厚みを一定とし、それより枠部の中心側は、中心側が漸次小となるよう、曲線的に厚みを変化させており、この場合も、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、振動抑制部材43a、43dを板状物50の端部でのみ所望の幅で接触させる。
また、図6(a)、図6(b)もまた、それぞれ、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、図2(b)のA1−A2方向、A3−A4方向に相当する方向の断面図であるが、板状物支持部30aの全領域にわたる幅で振動抑制部材42aの厚みを一定としており、板状物50を載置したトレイ10を重ねた状態において、振動抑制部材44a、44dを板状物50の板状物支持部30aの全領域にわたる幅で接触させる。
本例のトレイ10は、図1(a)に示すように、枠部20の各辺は1平面上にあり、枠部20の4辺の、一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持し、枠部20の4辺の、他方の対向する2辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、前記板状物を支持するもので、板状物保持部31a〜31dは、保持される板状物の周縁部分のみに配されて、板状物の周縁部分を支持する。
そして、保持される板状物の内部領域に対応する領域は開口となっている。
本例の板状物用トレイ10においては、板状物保持部30の形状は、板状物の対向する2辺のみを支持したときの、板状物の自重による鉛直方向の撓み形状に沿うように湾曲させた形状となっているが、通常は、板状物の自重による該鉛直方向の撓み形状よりも浅い撓み形状の相似形に沿って形成している。
尚、先にも述べたが、ここで、「板状物の自重による鉛直方向のたわみ形状」とは、四角状の板状物を支持した場合に四角状の板状物の対向する2辺のみを支持して水平に保持した場合における、板状物の自重のみにより撓む、鉛直方向の撓みの形状を意味する。
板状物50は全体を水平に、例えば、強固な平板上に、保持された場合は、図13(a)に示すように、撓まないで水平状態を保つことができるが、対向する2辺の50a、50bのみを支持して保持した場合には、図13(b)に示すように自重により撓む。
このような撓み形状を言っている。
このように板状物を撓ませた状態で保持することにより、水平状態で保持する場合に比べて、外から伝わる上下振動に対して、板状物の振動する量を抑える効果が得られる。
これは、本来まっすぐである板状物を撓ませることで、元に戻ろうとする力(復元力)が働くため、この復元力が外からの振動の力を打ち消す力となり、振動量が抑えられるためと考えられる。
ここで、図1(a)に示す本例の板状物用トレイ10(図9(a)の10に相当)を用いた場合の板状物50の搭載と板状物50を搭載したトレイの積層を、図9(a)〜図9(d)に基づいて簡単に説明する。
先ず、上記本例の板状物用トレイ10を用意し(図9(a))、板状物50を、その周縁部分が各支持部30a〜30dに載るようにして、板状物保持部30の上に載せると、板状物50は、支持部30b、30dにより、枠部20の4辺の、一方の対向する2辺に沿うように、その両端を支持され、また、支持部30a、30cにより、これに沿った状態で、枠部の4辺の、他方の対向する2辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて支持される。(図9(b)〜図9(c))
このようにして、トレイ10に板状物50が撓んだ状態で搭載される。
次いで、このように、図9(c)に示す板状物50が搭載されたトレイ同士を、2つ重ね(図9(e))、更にそれに図9(c)に示す板状物50が搭載されたトレイを重ねて(図9f))、3つが重なった状態とする。
枠同士が面接触して積層され、図9(c)のB1−B2に相当する箇所における重なりの断面は、図10(a)のようになる。
このようにして、順次積層する。
あるいは、図9(c)に示す板状物50が搭載されたトレイの上側に、板状物50が搭載されていない同じトレイを載せ、更にその上に、同様に、板状物50を、その周縁部分が各支持部30a〜30dに載るようにして、板状物保持部30の上に載せて、板状物50が搭載されたトレイ同士を2つ重ねたものを得る。(図9(e))
更に、この上に、板状物50が搭載されていない同じトレイを載せ、更にその上に、同様に、板状物50を、その周縁部分が各支持部30a〜30dに載るようにして、板状物保持部30の上に載せて、板状物50が搭載されたトレイ同士を3つ重ねたものを得る。(図9(f))
このようにして、順次積層する。
尚、これら積層したもの全体を支持するには、通常、図10(b)に示すような台部60を用いるか、図10(c)に示すように、トレイの枠部に相当する形状の枠部20aを用いる。
このように、本例の板状物用トレイ10は、一枚の板状物50のみを収納した状態で、順次積層されており、また板状物50を撓ませた状態で収納することにより、板状物50の振動を低減できるため、収納間隔を大幅に狭くすることができる。
例えば、板状物を垂直状態で複数収納する従来の収納ボックス(図示しない)では、大型で薄いために撓みやすい板状物が、隣接する板状物と接触するのを防止するために水平方向に適当な間隔をあけて配置する必要があった。
具体的には、G4と呼ばれる730mm×920mmサイズのカラーフィルター形成用基板で15mmピッチ、G5と呼ばれる1100mm×1300mm、1100mm×1250mm、1200mm×1300mmサイズで20mmピッチを要していたのに対して、本例の板状物用トレイでは、G6と呼ばれる1500mm×1850mmサイズで約10mmピッチとすることができた。
なお、このときの枠の厚みは約10mmであった。
本発明の板状物用トレイは上記に限定されない。
本例のトレイ10と同様、一平面上にある一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持し、枠部20の4辺の、他方の対向する2辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、前記板状物を支持するものとしては、例えば、図7(a)、図7(b)、図8(a)〜図8(d)に、それぞれ、トレイの表面を示すトレイが挙げられる。
これらの対応する裏面の枠部と板状物支持部の外形形状は、図7(a1)、図7(b1)、図8(a1)〜図8(d1)に示される形状であるが、これらの板状物支持部31〜36の領域内に、上記、図3〜図6に示す各断面形状と同様な振動抑制部材を、載置する板状物の辺部領域に沿って配したものも、本発明の板状物用トレイの実施形態として挙げられる。
図7(a)、図7(a1)に示すトレイ10aは、枠部20の前記他方の2辺を、それぞれ、各辺に沿う板状物支持部と固定して沿わせている。
図7(b)、図7(b1)に示すトレイ10bは、本例のトレイと同様、枠部20の4辺を一平面上とし、一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持しているが、板状物保持部32は保持される板状物の内部領域全域に跨るように配されて、板状物をその内部領域においても支持するものである。
図8(a)、図8(a1)に示すトレイ10cは、枠部20の4辺を一平面上とし、一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持しているが、前記他方の2辺に沿う板状物支持部33を波状としている。
図8(b)、図8(b1)に示すトレイ10dも、枠部20の4辺を一平面上とし、一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持しているが、前記他方の2辺に沿う板状物支持部33を直線の組み合わせ形状で下側に凹ませている。
図8(c)、図8(c1)に示すトレイ10eも、枠部20の4辺を一平面上とし、一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持しているが、板状物保持部35は保持される板状物の内部領域全域に跨るように、帯状に複数配されて、板状物をその内部領域においても支持するもので、前記他方の2辺に沿う方向において板状物支持部35を下側に湾曲させている。
図8(d)、図8(d1)に示すトレイ10fも、枠部20の4辺を一平面上とし、一方の対向する2辺に沿うように板状物50の両端を支持しているが、板状物保持部35は保持される板状物の内部領域全域に跨るように、帯状に複数配されて、板状物をその内部領域においても支持するもので、前記他方の2辺に沿う方向において板状物支持部36を波状としている。
また、本例のトレイ10とは異なり、全体を支持する基材で、枠内側領域が前記板状物より大きい枠部と、該枠部の4辺に支持され、該枠部の枠内側領域において、前記板状物を鉛直方向下側に撓ませた状態でその下側から保持する板状物保持部とを、備えたもので、板状物保持部は、枠部の4辺の各辺に沿ったその上面を、いずれも、下側に湾曲させており、枠部の4辺に沿うように、前記板状物の4辺部に沿ってその端部を支持し、且つ、枠部の4辺の各辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませて、前記板状物を撓ませた状態で支持するもので、枠部は、トレイを複数重ねる際の重なり部であり、トレイを複数重ねる際にその表裏が互いに面接触するように形成されている、図11(a)、図12(a)、図12(b)に、それぞれ、概略形状示すトレイで、板状物支持部の裏面側の領域内に、上記、図3〜図6に示す各断面形状と同様な振動抑制部材を、載置する板状物の辺部領域に沿い、配したものも、本発明の板状物用トレイの実施形態として挙げられる。
これらのトレイにおいては、枠部の4辺の各辺は、いずれも、その各辺に沿う前記板状物保持部の湾曲にそった形状である。
これらのトレイにおいても、板状物をトレイで保持した場合、枠部に対して、板状物と板状物保持部は、板状物が撓んだ状態で、所定の位置関係の形状となるため、板状物の振動を低減できる。
また、このような板状物を保持したトレイを、枠部にて、面接触して重ねても、板状物同士は、枠の厚み分だけ、間隔を維持できるものとなる。
したがって、収納間隔を大幅に狭くすることができる。
板状物用トレイ11を用いた場合の板状物50の搭載と板状物50を搭載したトレイの積層を、図11(a)〜図11(d)に基づいて簡単に説明する。
先ず、板状物用トレイ11を用意し(図11(a))、板状物50を、その周縁部分が各支持部30e〜30hに載るようにして、板状物保持部30Aの上に載せると、板状物50は、4つの支持部30e〜30hにより、枠部20の4辺の4辺に沿うように、その各辺の端が支持され、且つ、枠部20の4辺の各辺に沿う方向に、鉛直方向下側に撓ませた状態で支持される。(図11(b)〜図11(c))
このようにして、トレイ11に板状物50が撓んだ状態で搭載される。
次いで、このように、図11(c)に示す板状物50が搭載されたトレイ同士を、その枠部20を互いに面接触させて、順次、重ねる。(図11(d))
このように、枠部同士を面接触して板状物を載置したトレイの積層が行われる。
実際には、図14(b)に示すような、台部60Aの上に重ねていき、搬送等が行われる。
図15に示すように、台座60A(図15(a)、図14の60Aに相当)上に板状物50を保持したトレイ11(図15(b)、図11(a)の11に相当)を、湾曲状態が合うようして載せ(図15(c))、更に、板状物50を保持したトレイ11を載せていく。
トレイ11を積層する台部60Aも、図14に示すように、その4辺61〜64の上面61s〜64sは、枠体の形状に合わせた形状となっている。
尚、積み重ね方法はこれに限定はされない。
トレイ11a、11bを用いた場合の板状物のトレイへの搭載、トレイの積み重ねも、基本的に、上記と同様に行われる。
図11(a)に示すトレイ11は、板状物保持部31e〜31hを、それぞれ、枠部20の各辺に沿い固定し、保持される板状物の周縁部分のみを支持するように帯状に配し、板状物の周縁部分を支持するものであり、保持される板状物の内部領域に対応する領域は開口となっている。
図12(a)に示すトレイ11aは、枠部20の4辺に沿い固定して枠部20の内側領域全体に跨る板状物保持部30Bを配している。
図12(b)に示すトレイ11bは、図11(a)に示すトレイ11に対して、さらに、 板状物保持部30iを配した構造のもので、保持される板状物の内部領域において、板状物保持部30iで支持することができる。
上記の板状物用トレイにおいては、板状物保持部の形状は、板状物の対角に配する2つのコーナー部のみを支持したときの、板状物の自重による鉛直方向の撓み形状に沿うように湾曲させた形状、あるいは、板状物の自重による該鉛直方向の撓み形状よりも浅い撓み形状の相似形に沿って形成されている。
尚、先にも述べたが、ここで、「板状物の自重による鉛直方向のたわみ形状」とは、四角状の板状物を支持した場合に四角状の板状物の対角に配する2つのコーナー部のみを支持して水平に保持した場合における、板状物の自重のみにより撓む、鉛直方向の撓みの形状を意味する。
板状物50は全体を水平に、例えば、強固な平板上に、保持された場合は、図13(a)に示すように、撓まないで水平状態を保つことができるが、対角に配する2つのコーナー部50A、50Bのみを支持して保持した場合には、図13(c)に示すように自重により撓む。
このような撓み形状を言っている。
ここで、従来のトレイの1例による板状物の搭載と積層とを、図16に基づいて簡単に説明しておく。
図16(a)に示トレイ110は、重なり部となる枠部120と、板状物を搭載する底部(支持部)130とからなり、底部(支持部)130は枠部に固定され、枠部120の枠内側領域全体を覆う強固な板状のものであり、その上に板状物を水平にして搭載しても板状物の自重により撓むことがないものである。
この従来のトレイ110の場合、例えば、水平にした状態で底部130に板状物を搭載してたものを、順次、枠部で重ねて(図16(a)〜図16(c))、板状物を搭載したトレイを2つ重ね(図16(d))、3つ重ね(図16(e))としていく。
このようにして、所望の重ね数を得るが、この従来のトレイ110においては、板状物は、ただ底部に搭載されただけの状態で、運搬等の振動でズレて、機能面が接触したり、端部がコスレて破損したり、ゴミが発生することがあり、品質的に問題が発生することがあった。
これに対し、上記、本発明のトレイにおいては、いずれも、鉛直方向下側に撓ん状態で搭載するため、搬送等における振動による板状物の浮き上がりを低減することができ、そのような品質的問題を無くすことができる。
そして、特に、板状物の振動を低下させることができる。
本発明は、上記に限定されるものではない。
上記では、対向する4辺に振動抑制部材をそれぞれ設けたものが挙げられているが、これに限定されない。
対向する1方の組みの2辺のみに振動抑制部材をそれぞれ設けた形態や、あるいは他方の1組の2辺のみに振動抑制部材をそれぞれ設けた形態が挙げられる。
また、例えば、板状物保持部の湾曲形状を、円弧や、多角形や楕円の一部外形形状としたり、また、円弧や楕円の外周形状の一部と、直線とを、組み合わせた形状とした形態も挙げられる。
また、上記のトレイにおいては、トレイを重ねる際の位置決めとなる位置決機構を明示していないが、例えば、互いに嵌合する凹凸形状の位置決め部を枠部の表裏に設けておく。
あるいは、枠部に位置をロックする機構を設けておく。