JP2012050706A - 保護カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】チューブ体が連結される外部装置を覆う保護カバーのチューブ体が挿通される部位近傍における強度を確保して破れを抑制できる保護カバーを提供する。
【解決手段】生体に挿入されるチューブ体1の基端側が連結される外部装置7を覆う保護カバー8であって、当該保護カバー8は、チューブ体1の基端部を挿通するための開口である挿通部83を備える本体シート84と、少なくとも前記挿通部83の周囲で前記本体シート84の少なくとも一方面に付着される補強シート85と、を有する。
【選択図】図7
【解決手段】生体に挿入されるチューブ体1の基端側が連結される外部装置7を覆う保護カバー8であって、当該保護カバー8は、チューブ体1の基端部を挿通するための開口である挿通部83を備える本体シート84と、少なくとも前記挿通部83の周囲で前記本体シート84の少なくとも一方面に付着される補強シート85と、を有する。
【選択図】図7
Description
本発明は、体腔内の画像を取得して治療や診断する体腔内診断システムで使用される保護カバーに関する。
体腔内診断システムは、心臓の冠動脈、胆管、尿道管、消化管等の体腔にカテーテルを挿入し、このカテーテル内に設けられた信号送受信部材を、治療や診断を行うターゲット部位に対応する位置にセットした後、移動しつつ軸中心に回転させて体腔内を走査し、体腔の内面若しくは断面の画像を観察したり、血流測定等を行い、治療や診断に供するものである。この場合、信号送受信部材を、一旦前記ターゲット部位を越えて移動させた後に後退(プルバック)させて走査することからプルバックシステムとも称されている。
このシステムでは、信号送受信部材と駆動シャフトとを含むカテーテル部分と、信号送受信部材を駆動シャフトを介して回転駆動させる駆動部及び駆動シャフトを軸方向に移動させる移動手段などの機器部分とを有し、移動手段により駆動部を基台上において前進−後退動作させて駆動シャフトを軸方向に移動させたり、駆動シャフトを駆動部により軸中心に回転させている。そして、その使用の実際は、カテーテル部分は、いわゆるシングルユースされ、駆動部などの機器はリユースされることが多い。この場合、滅菌された新規なカテーテル部分は、非滅菌部分でリユースされる機器部分と脱着されるので、機器部分と接触すればカテーテル部分の基部が汚染されることになり、カテーテル部分の基部を術者が把持すると、術者の手なども汚染されるおそれがある。したがって、使用に当っては、リユースされる機器部分などを袋状の保護カバーで包み、カテーテル部分の汚染を防止している。
例えば、下記特許文献1では、基台上に駆動部を移動可能に設けると共に、基台の先端にカテーテルの基部を保持する保持部を設け、保護カバーにより駆動部と保持部を覆い、保護カバーに開設された挿通部からカテーテルの基部を保護カバー内に挿入するようにした体腔内診断システムが開示されている。この体腔内診断システムでは、保護カバーの挿通部にアダプタとしてのリングが取り付けられている。
上述のような体腔内診断システムにおいては、保護カバーにより保持部や駆動部を覆い、保護カバーの一部を駆動部と保持部で保持しているが、駆動部をプルバック動作させると、駆動部が保護カバー内で後退移動し、保護カバーが引っ張られることになる。これに対応させるため、駆動部と保持部と間の保護カバーを、シートを折り返して形成した蛇腹構造としている。
そして、特許文献1に記載の体腔内診断システムにおいて、プルバック動作や、プルバック動作を終えて再度プルバックを行うために、駆動部を所定位置に戻す際には、蛇腹構造が伸縮することになるが、保護カバーが厚いと、蛇腹構造の伸縮がスムーズでなくなるため、シートを薄肉化することで、操作性を向上させることが考えられる。
しかしながら、保護カバーを薄肉化すると、例えば保護カバーのリング固定位置等で応力が集中して破れやすくなり、保護カバーとリングの固定強度が低下する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、保護カバーを薄肉化しても、少なくとも保護カバーのカテーテル(チューブ体)が挿通される部位近傍における強度を確保して破れを抑制できる保護カバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の保護カバーは、生体に挿入されるチューブ体の基端側が連結される外部装置を覆う保護カバーであって、当該保護カバーは、前記チューブ体の基端部を挿通するための開口である挿通部を備える本体シートと、少なくとも前記挿通部の周囲で前記本体シートの少なくとも一方面に付着される補強シートと、を有している。
上記のように構成した本発明の保護カバーは、少なくとも挿通部の周囲で本体シートの少なくとも一方面に付着される補強シートを有するため、挿通部の周囲の応力が集中して破れやすい部位が補強され、剛性が向上して破れを抑制できる。また、従来の保護カバーに補強シートを貼り付けるのみで、破れ難い保護カバーを得ることができるため、設備コストや製品コストの増加を極力抑制できる。
前記保護カバーが、前記外部装置に設けられて前記チューブ体の一部を位置固定的に保持する保持部により保持される被保持部を有し、前記挿通部と前記被保持部との間の少なくとも一部に前記補強シートが付着されれば、保護カバーの剛性が向上し、例えば外部装置がプルバック機構を備えていても、プルバック動作の前後で保護カバーが外部装置に巻き込まれ難くなり、仮に巻き込まれても破れ難くなる。
前記補強シートが、粘着層により前記本体シートに付着されれば、本体シートに補強シートを貼り付けるだけで容易に補強できる。
前記補強シートおよび前記本体シートが重なる部位に、前記外部装置および前記チューブ体の少なくとも一方と連結するアダプタが固定されれば、アダプタが取り付けられる部位における保護カバーの破れを抑制することができる。
前記補強シートが、当該補強シートを複数に分割する分割部または当該補強シートの他の部位よりも剛性が低い脆弱部を有するようにすれば、当該分割部や脆弱部に沿って、保護カバーを折り曲げることができ、保護カバーを省スペースに収容できる。
前記外部装置が、前記チューブ体の一部を位置固定的に保持する保持部と、前記チューブ体内に挿入され、先端に信号送受信部材が設けられた駆動シャフトを回転駆動する駆動部と、前記駆動部を前記保持部に対し近接離間させて前記駆動シャフトを軸方向に移動させる移動手段と、を有し、前記駆動シャフトを前記駆動部及び移動手段により回転しつつ軸方向に移動させ前記信号送受信部材との間で信号を送受信し体腔内の情報を取得する外部駆動装置であれば、保護カバーにより外部駆動装置を保護しつつチューブ体を外部駆動装置から隔離して滅菌状態を確保でき、かつ駆動シャフトを軸方向に移動させる際などに生じやすい保護カバーの損傷を抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係る体腔内診断システムは、図1,2に示すように、内部に超音波診断のためのイメージングコア4を収容して体腔内に挿入されるカテーテル1(チューブ体)と、カテーテル1を保持してイメージングコア4を駆動させる外部駆動装置7(外部装置)と、外部駆動装置7を覆ってカテーテル1の滅菌状態を保つための袋状の保護カバー8と、を有している。本実施形態に係る体腔内診断システムは、主として血管内を診断する血管内診断システムとして使用される。
なお、本明細書では、体腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。
カテーテル1は、図2に示すように、体腔内に挿入されるシース2と、体腔内組織に向けて超音波を送受信するイメージングコア4と、イメージングコア4が貫通しかつシース2より基端側に位置する操作部3とを備えている。
シース2は、図3に示すように、シース先端部21と、シースチューブ22と、充填液入出路部材23とを有する。
シース先端部21には、ガイドワイヤルーメン211が形成される筒状のシース先端部材27と、先端部より若干基端側となる部分に設けられたX線造影マーカ24とが設けられている。ガイドワイヤ25は、予め体腔内に挿入され、このガイドワイヤ25をガイドワイヤルーメン211に通しながら、カテーテル1が患部まで導かれる。X線造影マーカ24は、体腔内挿入時にX線透視下でカテーテル1の先端位置を確認できるように設けられている。
充填液入出路部材23には、シースチューブ22内のルーメン26と連通して、シースチューブ22内に充填される生理的食塩液を外部に流すための孔であるプライミングルーメン231が形成されている。
シース2内には、イメージングコア4がシース2の軸方向にスライド可能に内蔵されている。このイメージングコア4は、体腔内組織に向けて超音波を送受信するための振動子ユニット41と、この振動子ユニット41を先端に取り付けるとともに回転させる駆動シャフト42とを備える。振動子ユニット41は、超音波を送受信する超音波振動子411(信号送受信部材)と、超音波振動子411を収納するハウジング412とで構成されて
いる。
いる。
シースチューブ22は、超音波の透過性の高い材料により形成されている。シース2の超音波振動子411が移動する範囲内の部位が、超音波の透過する音響窓部を構成する。
駆動シャフト42は、柔軟で、しかも操作部3(図2参照)において生成された回転の動力を振動子ユニット41に伝達可能な特性をもち、たとえば、右左右と巻き方向を交互にしている3層コイルなどの多層コイル状の管体で構成されている。駆動シャフト42が回転の動力を伝達することによって、振動子ユニット41が回転し、血管および脈管などの体腔内の患部を360度観察することができる。また、駆動シャフト42は、振動子ユニット41で検出された信号を操作部3に伝送するための信号線54が内部に通されている。
操作部3は、図2に示すように、エア抜きのための生理的食塩液を注入するポート311を有するハブ31と、内管312を介してハブ31と接続されるユニットコネクタ32と、外管331を介してユニットコネクタ32に接続されるとともにシース2と操作部3とを接続する中継コネクタ33とを有する。
ハブ31は、駆動シャフト42および内管312を保持する。内管312がユニットコネクタ32および外管331に押し込まれ、または引き出されることによって、駆動シャフト42が連動してシース2内を軸方向にスライドする。
内管312を最も押し込んだときには、図2に示すように、内管312は、シース側の端部が外管331のシース側端部付近、すなわち、中継コネクタ33付近まで到達する。そして、この状態では、振動子ユニット41は、シース2のシースチューブ22の先端付近に位置する。
また、内管312を最も引き出したときには、図4に示すように、内管312は、先端に形成されたストッパー313がユニットコネクタ32の内壁に引っかかり、引っかかった先端付近以外が露出する。そして、この状態では、振動子ユニット41は、シース2を残したままその内部を引き戻されている。振動子ユニット41が回転しながら移動することによって、血管および脈管などの断層画像を作成することができる。
操作部3のハブ31は、図5に示すように、ジョイント50と、雄コネクタ51と、ロータ52と、接続パイプ53と、信号線54と、ハブ本体55と、シール部材56と、耐キンクプロテクタ57とを有する。
ジョイント50は、カテーテル1の使用者手元側に開口部501を有し、雄コネクタ51およびロータ52を内部に配置する。雄コネクタ51は、ジョイント50の開口部501側から外部駆動装置7(図11参照)が有する雌コネクタ711に連結可能であり、これにより、外部駆動装置7と雄コネクタ51とが機械的および電気的に連結される。
ロータ52は、接続パイプ53を回転不能に保持しており、雄コネクタ51と一体的に回転する。接続パイプ53は、ロータ52の回転を駆動シャフト42に伝達するために、ロータ52側と反対の端部で駆動シャフト42を保持する。接続パイプ53の内部には信号線54が通されており、この信号線54は、一端を雄コネクタ51に、他端を駆動シャフト42内を通り抜けて振動子ユニット41に接続されている。振動子ユニット41における観察結果は、雄コネクタ51を介して外部駆動装置7に送信され、適当な処理を施されて画像として表示される。
ハブ本体55は、ポート311から生理的食塩液を注入され、この生理的食塩液を外部に漏らすことなく、内管312内に導入する。なお、ハブ本体55とジョイント50との間には、Oリング58を含むシール部材56が設置されるので、生理的食塩液がジョイント50の開口部501側に漏れ出すことがない。
ハブ本体55には、内管312の一部が嵌挿され、内管312およびハブ本体55の周囲に耐キンクプロテクタ57が配置される。
ユニットコネクタ32は、図6に示すように、ユニットコネクタ本体61と、封止部材62と、カバー部材63と、パッキン64とを有する。
ユニットコネクタ本体61は、中継コネクタ33に取り付けられた外管331が挿入され、この外管331の内部にハブ31から伸びた内管312が挿入される。封止部材62は、ユニットコネクタ本体61と組み合わさってパッキン64を保持し、カバー部材63は、ユニットコネクタ本体61と組み合わさって外管331を保持する。ユニットコネクタ本体61および封止部材62間には、パッキン64が封止されているので、ハブ31のポート311に供給される生理的食塩液が内管312を通って外管331内に流入しても、ユニットコネクタ32の外部に漏れない。
また、ハブ31から伸びる内管312は、先端にストッパー313が形成されているので、ハブ31を最も引っ張ったとき、すなわち、内管312を外管331から最も引き出したときでも、ストッパー313がユニットコネクタ本体61の内壁に引っ掛かってユニットコネクタ32から内管312が抜けてしまうようなことがない。
中継コネクタ33は、外管保持部65と、耐キンクプロテクタ66とを有する。外管保持部65は、外管331を保持している。また、外管保持部65の内面には、シースチューブ22の基端側端部が連結されており、外管331から通り抜けた駆動シャフト42および生理的食塩液をシース2に導入する経路が形成されている。シースチューブ22は、図6では1層構造となっているが、多層構造であってもよい。
外管保持部65の駆動シャフト42が通り抜ける出口部材332の内壁には、保護管67が固定されている。この保護管67は、ハブ31から伸びる内管312内に向かって伸び、駆動シャフト42と内管312との間に配置される。したがって、外管331に内管312が押し込まれるときには、その押し込みの向きと反対向きに内管312に保護管67が押し込まれていくことになる。外管331に内管312が押し込まれたり引き出されたりする際に、反対方向から保護管67も内管312に相対的に押し込まれたり引き出されたりするので、内管312に接触して摩擦が起こり駆動シャフト42に撓む力が発生しても、保護管67によって撓む力を抑制し、折れ曲がりなどを防止することができる。なお、保護管67は、金属の疎巻きコイル状の管体で形成されており、このため、生理的食塩液がコイルの隙間から流れ込めるので、外管331内に空気が残留するようなことがない。
上述したカテーテル1は、図7に示す外部駆動装置7に接続されて駆動される。
外部駆動装置7は、基台75上に、モータ等の外部駆動源を内蔵して駆動シャフトを回転駆動する駆動部71と、駆動部71を把持しモータ等により軸方向へ移動させる移動手段72と、カテーテルの一部を位置固定的に保持する保持部73とを備えている。外部駆動装置7は、駆動部71および移動手段72を制御する制御部79に接続されており、振動子ユニット41によって得られた画像は、図1に示すように、制御部79に接続された表示部78に表示される。
移動手段72は、駆動部71を把持固定することが可能であり、把持固定した駆動部71を、基台75上の溝レール76に沿って前後進させる送り機構である。
駆動部71は、図11に示すように、カテーテル1の雄コネクタ51が接続可能な雌コネクタ711と、カテーテル1のジョイント50に後述するアダプタ9を介して接続可能なジョイント接続部712と、を有し、当該接続によって、振動子ユニット41との間で信号の送受信が可能となると同時に、駆動シャフト42を回転させることが可能となる。
カテーテル1における超音波走査(スキャン)は、駆動部71内のモータの回転運動を駆動シャフト42に伝達し、駆動シャフト42の先端に固定されたハウジング412を回転させることによって、ハウジング412に設けられた超音波振動子411で送受信される超音波を略径方向に走査することで行われる。また、カテーテル1全体を手元側へ引っ張り、超音波振動子411を長手方向に移動させることによって、血管内の軸方向にわたる包囲組織体における360°の断面画像を任意の位置まで走査的に得ることができる。
保持部73は、プルバックの際にシース2がずれないように支える一対の支持部材731を有しているが、支持部材731は、基台75の先端側に直接立設してもよく、または基台75に取付けた支持台732上で二股状に分岐してもよい。また、基台75自体をフラットなものではなく、基端側を迫り上げるように変形し、基台75自体に支持部材731を形成してもよい。いずれにしてもユニットコネクタ本体61およびハブ31が同一軸線上に配置されるようにすることが好ましい。
一対の支持部材731間には、ユニットコネクタ本体61と共に、保護カバー8の一部(被保持部81)が保持されている。外部駆動装置7は、汚染可能性が高く、術者などが直接触れやすい部分であるため、これらを保護カバーである保護カバー8により覆われる。
本実施形態に係る保護カバー8は、図8に示すように、外部駆動装置7を挿入するための挿入口82を有する袋状の部材であり、カテーテル1の基端部が挿通される開口である挿通部83が形成された袋状の本体シート84と、本体シート84に貼り付けられる補強シート85と、を有している。また、本体シート84には、支持部材731に保持される位置に、被保持部81が形成される。保護カバー8の挿入口82には、密封シール可能なチャックなどを設け、挿入時にはこれを開き、挿入後には閉じるようにしてもよい。
なお、保護カバー8の形態は、外部駆動装置7を覆うことができれば袋状に限定されず、例えば一枚のシート状であってもよい。
補強シート85は、図9,10に示すように、挿通部83と同形状の開口部851が形成され、一方面に粘着層852が形成されており、挿通部83の周囲を囲むように本体シート84に貼り付けられる。補強シート85は、本実施形態では袋状の本体シート84の内面側に張り付けられるが、外面側に貼り付けられてもよく、または両面に貼り付けられてもよい。両面に貼り付けられる際には、内側と外側の補強シート85は、かならずしも同一形状でなくてもよい。
補強シート85の挿通部83には、カテーテル1の基端部が挿通されるアダプタ9が取り付けられる。アダプタ9は、保護カバー8の外面側に配置されるアダプタキャップ91と、保護カバー8の内面側に配置されるアダプタ本体92とを有している。アダプタキャップ91は、中央開口部911を有し、一方面に凹部912が形成されており、中央開口部911を挟んで両側にピン孔913が形成されている。アダプタ本体92は、中央開口
部921を有し、中央開口部921を挟んで両側にピン孔923が形成されている。
部921を有し、中央開口部921を挟んで両側にピン孔923が形成されている。
アダプタ9を保護カバー8に固定するには、まず、アダプタキャップ91を、中央開口部911が保護カバー8の挿通部83に一致するように保護カバー8の外側に配置し、更に、アダプタ本体92を、中央開口部921が保護カバー8の挿通部83に一致するように保護カバー8の内側に配置する。次に、アダプタ本体92を、保護カバー8とともにアダプタキャップ91の凹部912に嵌合させ、アダプタピン93を、一方面側からピン孔913,923に差し込んで、保護カバー8を突き破りつつ、又は延伸させつつアダプタ9に貫通させる。アダプタピン93は、基端側に頭部931が形成され、先端側に差し込み後の戻りを防止するためのフック932が形成されており、アダプタキャップ91およびアダプタ本体92の間に保護カバー8が挟まれて固定される。このとき、補強シート85は、アダプタキャップ91およびアダプタ本体92に接する部位よりも広い範囲に設けられることが好ましく、少なくとも、アダプタピン93が貫通する部位を覆うことが好ましい。すなわち、補強シート85のアダプタキャップ91およびアダプタ本体92に挟まれる部位や、アダプタキャップ91が貫通する部位は、応力が集中して破れやすく、特に、薄肉化を図るとより破れやすくなる。したがって、このような破れやすい部位に補強シート85を貼り付けることで、保護カバー8の剛性が向上して破れを抑制できる。また、従来の保護カバーに補強シート85を貼り付けるのみで、破れ難い保護カバー8を得ることができるため、設備コストや製品コストの増加を極力抑制できる。
なお、本体シート84や補強シート85にあらかじめアダプタピン93が貫通する穴が形成されていてもよい。また、アダプタピン93を用いず、本体シート84や補強シート85がアダプタ9に直接融着されたり融着されていてもよい。
本体シート84や補強シート85は、カテーテル室のような生理食塩水等を多用する環境において、外部駆動装置7の錆発生防止の役割をも果たす。保護カバー8の挿通部83やアダプタピン93により貫通する部分には、図示しないパッキンが設置されていてもよく、また封止剤などが充填されていてもよい。
本体シート84の構成材料としては、薄肉で引張り強度を有するものであれば、どのようなものであってもよいが、例えば、ポリエチレンなどを使用することができる。また、より好ましくは、外部から内部が目視できる光透過性材料であることが好ましい。このようにすれば、外部から駆動部71の位置やシース2の位置が目視でき、操作性の点で一層有利となる。
補強シート85の構成材料も、本体シート84と同様に、薄肉で引張り強度を有するものであれば、どのようなものであってもよいが、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを使用することができる。
補強シート85に設けられる粘着層852の構成材料は、本体シート84と補強シート85の接着状態を維持できれば、どのようなものであってもよいが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を使用することができる。
次に、本実施形態に係る体腔内診断システムの使用方法について説明する。
まず、外部駆動装置7を、アダプタ9が取り付けられている保護カバー8内に設置する。当初、駆動部71は、基台75上において基端側に後退させておき、この状態で、保護カバー8に取り付けられたアダプタ9を駆動部71に差し込み、アダプタ9を外部駆動装置7に連結する。
そして、カテーテル1のシース2を体腔内に挿入する前に、当該カテーテル1内を生理的食塩液で満たすプライミング操作を行う。プライミング操作を行うことによって、カテーテル1内の空気を除去し、血管などの体腔内に空気が入り込むことを防止する。
プライミングを行うには、まず、ハブ31を使用者の手元側に最も引っ張った状態、すなわち、外管331から内管312が最も引き出された状態(図4参照)で、ハブ31のポート311へ生理的食塩液を注入する。注入された生理的食塩液は、ハブ31から順にシース2内まで充填されていく。カテーテル1内が完全に生理的食塩液で満たされると、シース2の充填液入出路部材23(図3参照)に形成されたプライミングルーメン231から生理的食塩液が抜ける。これにより、生理的食塩液の充填が確認される。
次に、図11に示すように、カテーテル1のハブ31のジョイント50を、アダプタ9を介して駆動部71のジョイント接続部712に接続する。これにより、振動子ユニット41との間で信号の送受信が可能となると同時に、駆動シャフト42を回転させることが可能となる。
次に、ユニットコネクタ本体61を保護カバー8と共に保持部73の支持部材731間に嵌合すると、連結は完了する。この結果、汚染されている可能性のある外部駆動装置7が、保護カバー8およびアダプタ9よりも内側に配置されて、カテーテル1が、汚染された領域から隔絶される。
次に、ハブ31を押し込み、外管331に内管312が最も押し込まれた状態とする(図2参照)。この状態で、予め体腔内に挿入されたガイドワイヤ25をガイドワイヤルーメン211に通しながら、シース2を体内に挿入していき、シース2の先端が患部を越えてから挿入を止める。
次に、移動手段72を作動させて、ハブ31を手元側に引きながら超音波振動子411を軸方向に移動させ、超音波振動子411により、シースチューブ22を介して患部の前後に渡る範囲を観察する。計測が完了すると、移動手段72および駆動部71を停止させる。
本実施形態の保護カバー8によれば、少なくとも挿通部83の周囲で本体シート84の少なくとも一方面に付着される補強シート85を有するため、挿通部83の周囲の応力が集中して破れやすい部位が補強され、剛性が向上して破れを抑制できる。また、従来の保護カバーに補強シート85を貼り付けるのみで、破れ難い保護カバー8を得ることができるため、設備コストや製品コストの増加を極力抑制できる。
また、補強シート85が、粘着層852により本体シート84に付着されるため、本体シート84に貼り付けるだけで容易に補強することができる。
また、補強シート85および本体シート84が重なる部位に、駆動部71およびカテーテルの少なくとも一方と連結するアダプタ9が固定されるため、アダプタ9が取り付けられる部位における保護カバー8の破れを抑制することができる。
また、図14に示す比較例のように、符号86で示す保護カバー8’の一部が駆動部71とアダプタ本体9’の間に入り込んだ場合、雄コネクタ51と雌コネクタ711が接続不良を起こす虞がある。しかしながら、図8に示す本実施形態の補強シート85によって、雄コネクタ51と雌コネクタ711が接続不良を防止することができる。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内に
おいて当業者により種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明をカテーテルに適用する場合について説明したが、光干渉断層診断装置や光学周波数領域画像化診断装置などの光を利用した診断装置用光プローブ(カテーテル)や、内視鏡システム等に適用することも可能であり、管体を有するものであれば、あらゆるカテーテルに適用できる。
おいて当業者により種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明をカテーテルに適用する場合について説明したが、光干渉断層診断装置や光学周波数領域画像化診断装置などの光を利用した診断装置用光プローブ(カテーテル)や、内視鏡システム等に適用することも可能であり、管体を有するものであれば、あらゆるカテーテルに適用できる。
また、補強シート85の貼り付け位置は、挿通部83の周囲のみに限定されず、例えば被保持部81に貼り付けたり、被保持部81と挿通部83の間の少なくとも一部に貼り付けてもよい。補強シート85の形状は、貼り付ける部位に応じて適宜変更可能であり、かならずしも開口部851が形成されなくてもよい。図12は、被保持部88から挿通部83にわたって補強シート89が設けられる本実施形態の変形例を示す。被保持部81に補強シート89を貼り付ければ、支持部材731に挟まれる際の保護カバー8の破れを抑制できる。また、被保持部81と挿通部83の間の少なくとも一部に補強シート89を貼り付ければ保護カバー8の剛性が向上し、プルバック動作の前後で駆動部71と基台75の間に保護カバー8が入り込んで巻き込まれ難くなり、仮に巻き込まれても破れ難くなる。
また、プルバック動作における駆動部71と基台75の間への保護カバー8の巻き込み防止のために、保護カバーの挿通部83と被保持部81との間が蛇腹状であってもよく、または、伸縮性材料で形成されてもよい。伸縮性材料Sとしては、例えば、熱可塑性エラストマー(オレフィン系、塩化ビニル系、スチレン系)及び熱硬化性エラストマー(ウレタン系、シリコーン系、ニトリル系)などを挙げることができ、より具体的には、ラテックス、ニトリルゴム、高分子エラストマー及びポリ塩化ビニルなどが好ましい。
また、図13に示す他の変形例のように、補強シート110を硬質樹脂により形成し、保護カバー100にアダプタ120を取り付けた後にアダプタ120を保護カバー100に沿って寝かせて収容できるように、補強シート110を複数に分割して剛性の低い分割部111を設けることで折り曲がる部位を確保したり、または補強シートを分割することなく、図13の分割部111の位置に対応して補強シートの厚さを薄くする等して剛性の低い脆弱部を設けてもよい。これにより、補強シート110が硬質樹脂により形成されても、保護カバー100を補強シート110が付着される部位において折り畳むことが可能となり、省スペースに収容可能となる。硬質樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン等が挙げられる。なお、硬質樹脂からなる補強シート110は、図9に示すようにアダプタキャップ91およびアダプタ本体92の間に屈曲させて挟むことが困難であることから、補強シート110を屈曲させることなく保護カバー100にアダプタ120を連結できることが好ましく、例えば、補強シート110をアダプタ120の外周にのみ配置したり、補強シート110を屈曲させずに挟むことが可能な構造のアダプタ120を適用したり、または補強シート110をアダプタ120に直接接着または融着することで連結することが好ましい。
1 カテーテル(チューブ体)、
4 イメージングコア、
7 外部駆動装置(外部装置)、
8,100 保護カバー、
9,120 アダプタ、
42 駆動シャフト、
71 駆動部、
72 移動手段、
73 保持部、
75 基台、
81 被保持部、
83 挿通部、
84 本体シート、
85,89,110 補強シート、
111 分割部、
411 超音波振動子(信号送受信部材)。
4 イメージングコア、
7 外部駆動装置(外部装置)、
8,100 保護カバー、
9,120 アダプタ、
42 駆動シャフト、
71 駆動部、
72 移動手段、
73 保持部、
75 基台、
81 被保持部、
83 挿通部、
84 本体シート、
85,89,110 補強シート、
111 分割部、
411 超音波振動子(信号送受信部材)。
Claims (6)
- 生体に挿入されるチューブ体の基端側が連結される外部装置を覆う保護カバーであって、
当該保護カバーは、前記チューブ体の基端部を挿通するための開口である挿通部を備える本体シートと、少なくとも前記挿通部の周囲で前記本体シートの少なくとも一方面に付着される補強シートと、を有する保護カバー。 - 前記保護カバーは、前記外部装置に設けられて前記チューブ体の一部を位置固定的に保持する保持部により保持される被保持部を有し、前記挿通部と前記被保持部との間の少なくとも一部に前記補強シートが付着された、請求項1に記載の保護カバー。
- 前記補強シートは、粘着層により前記本体シートに付着された、請求項1または2に記載の保護カバー。
- 前記補強シートおよび前記本体シートが重なる部位に、前記外部装置および前記チューブ体の少なくとも一方と連結するアダプタが固定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護カバー。
- 前記補強シートは、当該補強シートを複数に分割する分割部または当該補強シートの他の部位よりも剛性が低い脆弱部を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護カバー。
- 前記外部装置は、前記チューブ体の一部を位置固定的に保持する保持部と、前記チューブ体内に挿入され、先端に信号送受信部材が設けられた駆動シャフトを回転駆動する駆動部と、前記駆動部を前記保持部に対し近接離間させて前記駆動シャフトを軸方向に移動させる移動手段と、を有し、前記駆動シャフトを前記駆動部及び移動手段により回転しつつ軸方向に移動させ前記信号送受信部材との間で信号を送受信し体腔内の情報を取得する外部駆動装置である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護カバー。
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