以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る医療用デバイスは、主として血管内に挿入されて血管内を画像によって診断する超音波カテーテル1であり、図1に示すように、内部に超音波診断のためのイメージングコア40が収容されている。超音波カテーテル1は、図2に示すように、当該超音波カテーテル1を保持してイメージングコア40を駆動させる外部駆動装置60に接続されて使用される。なお、本明細書では、管腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。
超音波カテーテル1は、図1〜3に示すように、管腔内に挿入されるシース20と、管腔内組織に向けて超音波を送受信するイメージングコア40と、イメージングコア40が貫通しかつシース20より基端側に位置する操作部30とを備えている。
シース20は、シース先端部21と、シースチューブ22と、充填液入出路部材23とを有する。
シース先端部21には、ガイドワイヤルーメン211が形成される筒状のシース先端部材27と、先端部より若干基端側となる部分に設けられたX線造影マーカ24とが設けられている。予め管腔内に挿入されるガイドワイヤ25をガイドワイヤルーメン211に通しながら、超音波カテーテル1をガイドワイヤ25に沿って患部まで導くことができる。X線造影マーカ24は、管腔内挿入時にX線透視下で超音波カテーテル1の先端位置を確認できるように設けられている。超音波カテーテル1は、先端部にのみガイドワイヤルーメン211が設けられる“ラピッドエクスチェンジ構造”であり、撮像がガイドワイヤルーメン211によって阻害されないように、イメージングコア40による撮像範囲内にガイドワイヤルーメン211が存在しない構造となっている。
充填液入出路部材23には、シースチューブ22内のルーメン26と連通して、シースチューブ22内の空気を生理食塩液に置換する際の、空気及び生理食塩液の流路であるプライミングルーメン231が形成されている。
シース20内には、イメージングコア40がシース20の軸方向にスライド可能に内蔵されている。このイメージングコア40は、管腔内組織に向けて超音波を送受信するための振動子ユニット41と、この振動子ユニット41が先端に取り付けられて当該振動子ユニット41を回転させる駆動シャフト42とを備える。振動子ユニット41は、超音波を送受信する超音波振動子411(画像情報取得部)と、超音波振動子411を収納するハウジング412とで構成されている。
シースチューブ22は、超音波の透過性の高い材料により形成されている。シース20の超音波振動子411が移動する範囲内の部位が、超音波の透過する音響窓部を構成する。シースチューブ22の表面には、シース20を管腔内に押し込んだ長さを術者が視認できるように、マーキング部Mが設けられている。シースチューブ22は、本実施形態では1層構造となっているが、多層構造であってもよい。
駆動シャフト42は、柔軟で、しかも外部駆動装置60(図2参照)から操作部30に作用する回転の動力を振動子ユニット41に伝達可能な特性を持ち、たとえば、右左右と巻き方向を交互にしている3層コイルなどの多層コイル状の管体で構成されている。駆動シャフト42が回転の動力を伝達することによって、振動子ユニット41が回転し、血管や脈管などの管腔内の患部を360度観察することができる。また、駆動シャフト42は、振動子ユニット41で検出された信号を操作部30に伝送するための信号線54が内部に通されている。
操作部30は、エア抜きのための生理食塩液を注入するポート311を有するハブ31と、シース20の基端側に設けられ、固定される外管70と、外管70とシース20との間を接続する中継コネクタ80(シース接続部)と、外管70の基端側に接続および切り離しが可能なユニットコネクタ基端部90(第2のコネクタ)と、ハブ31の先端側に固定されてハブ31の移動に伴って外管70内で外管70に対して相対的に移動する内管34と、外管70の基端部に回転可能に設けられる回転部材100とを有している。
ハブ31は、駆動シャフト42および内管34を保持する。内管34がユニットコネクタ先端部72および外管本体71からなる外管70に押し込まれ、または引き出されることによって、駆動シャフト42が連動して操作部30およびシース20内で軸方向にスライドする。
内管34を最も押し込んだときには、図1に示すように、内管34は、先端側の端部が外管70の先端側端部付近、すなわち、中継コネクタ80付近まで到達する。そして、この状態では、振動子ユニット41は、シース20のシースチューブ22の先端付近に位置する。
また、内管34を最も引き出したときには、図4に示すように、内管34は、先端に形成された外径の拡大したストッパー341(係止部)がユニットコネクタ基端部90の内壁に引っ掛かり、引っ掛かった先端付近以外が露出する。そして、この状態では、振動子ユニット41は、シース20を残したままその内部を引き戻されている。振動子ユニット41が回転しながら移動することによって、血管または脈管などの断層画像を作成することができる。
内管34の先端部の駆動シャフト42が通り抜ける内周面には、図5に示すように、保護管33が固定されている。この保護管33は、内部に駆動シャフト42を収容するとともに、内管34よりも先端側へ向かって延び、外管70内およびシースチューブ22内で軸方向へ摺動可能となっている。したがって、外管70に内管34が押し込まれるときには、その押し込みの向きに保護管33が押し込まれていくことになる。そして、内管34よりも先端側で外管70内に位置する駆動シャフト42は、外管70内で保護管33に覆われる。すなわち、内管34を内部に収容するために内径が内管34よりも必然的に大きくなる外管70内において、駆動シャフト42は、外管70よりも内径の小さい保護管33内に収容された状態となる。このため、外管70に内管34が押し込まれたり引き出されたりする際に、駆動シャフト42が保護管33によって保持されて、保護管33によって駆動シャフト42の折れ曲がりなどを防止することができる。
保護管33は、コイルなどのように水を透過させるものではなく、隙間のない壁面で形成される液体非透過性の管体であってもよい。この場合、保護管33は、ハブ31のポート311から供給される生理食塩液を外管70内へ流入させずに、シースチューブ22内まで導くことができる。保護管33の材料は、例えばポリイミド、ブレード入りポリイミド、PTFE、ポリエチレン、ポリアミドなどを適用できるが、これらに限定されない。
外管70は、中継コネクタ80に固定される先端側の外管本体71と、外管本体71の基端側に固定されて、ユニットコネクタ基端部90(第2のコネクタ)に対して接続および切り離し可能なユニットコネクタ先端部72(第1のコネクタ)とを備えている。外管本体71は、内径および外径が軸線方向に沿って一定の管体で形成され、基端部がユニットコネクタ先端部72に接着固定されている。
ユニットコネクタ先端部72は、外管本体71が固定される外管固定部73と、ユニットコネクタ基端部90が接続される接続部74とを備えている。接続部74は、外周面に形成される雄ねじ部75と、テーパ形状の雄コネクタ76とを備えている。雄コネクタ76は、雄ねじ部75よりも基端側に形成されている。雄ねじ部75は、ねじ山の頂部が平滑に切られて断面が台形となる台形ねじの形態で形成されている。雄ねじ部75のねじ山のピッチは2mmであるが、これに限定されない。雄ねじ部75は、1条のねじ山で形成されるが、2条以上のねじ山で形成されてもよい。
外管固定部73の内周面には、外管本体71が嵌合して固定される外管収容部73Aが形成され、外管収容部73Aの基端側に、外管本体71の内径よりも大きく外径よりも小さい内径を有する第1内径部73Bが形成されている。第1内径部73Bおよび外管本体71の内部には、内管34がストッパー341とともに移動可能となっている。
外管固定部73の外周面には、回転部材100から回転力を受けることができる受力部77と、回転部材100の軸方向への移動を抑制する第1抑制部78(抑制部)および第2抑制部79が形成されている。受力部77は、径方向外側へ突出するように少なくとも1つ(本実施形態では2つ)形成され、各々が軸方向へリブ状に延びて形成されている。受力部77は、回転部材100が外管固定部73に連結する前の初期の第1状態(図5を参照)においては、回転部材100から回転力を受けず、回転部材100が連結した後の第2状態(図9を参照)において、回転部材100から回転力を受けることができる。第2抑制部79は、径方向外側へ突出する環状の凸部であり、第1状態(図5を参照)において、回転部材100の先端側の端面と接触し、回転部材100の外管固定部73から先端方向への脱落を抑制する。第1抑制部78は、径方向外側へ突出する環状の凸部であり、第1状態において、回転部材100の基端部に形成される回転部材凸部101と接触し、回転部材100の外管固定部73から基端方向への移動を抑制する。第1抑制部78は、第1状態において術者が回転部材100を基端方向へ移動させるように力を作用させることで変形して、回転部材凸部101が乗り越えることを許容し、回転部材100を第2状態(図9を参照)の位置へ移行させることができる。なお、第1抑制部78は、回転部材凸部101が乗り越えられるように、先端側に向かって縮径するようにテーパ状に形成されるが、回転部材凸部101が乗り越え可能であれば、テーパ状に形成されなくてもよい。また、第1抑制部78および第2抑制部79は、環状に形成されるが、回転部材100の移動を抑制できるのであれば環状に形成されなくてもよく、例えば、周方向に全周的ではなく部分的に形成される凸部であってもよい。
第1状態における回転部材100は、ユニットコネクタ先端部72に対するガタ(移動可能な長さ)が大きいと、例えば振動子ユニット41を回転させて画像を取得する際に振動して異音を発生させる可能性があるため、振動を抑制できるように形状や寸法が適切に設定されることが好ましい。例えば、第1状態における回転部材100を、ユニットコネクタ先端部72に対して回転可能としつつ、ユニットコネクタ先端部72に対して大きくガタつかない形状としたり、ユニットコネクタ先端部72に対してある程度固定される形状とすることができる。例えば、回転部材100は、ユニットコネクタ先端部72に対して軸方向や径方向に0.01mm程度の範囲内でのみ移動可能であってもよい。
ユニットコネクタ基端部90(第2のコネクタ)は、略管状に形成されている。ユニットコネクタ基端部90の先端側の内周面には、雌ねじ部91と、ユニットコネクタ先端部72の雄コネクタ76に接続し、かつ雄コネクタ76に対して切り離し可能なテーパ形状の雌コネクタ92と、雌コネクタ92よりも内径が小さく、かつストッパー341の外径よりも内径が大きい第2内径部93と、ストッパー341の外径よりも内径が小さい通過口94とが形成されている。雌コネクタ92は、雌ねじ部91よりも基端側に形成されている。第2内径部93は、雌コネクタ92よりも基端側に形成され、通過口94は、第2内径部93よりも基端側に形成されている。第2内径部93および通過口94の間には、内径が変化する段差部95が形成されている。
通過口94は、ストッパー341の外径よりも内径が小さいため、ストッパー341が通過できない。第2内径部93の先端側には、内径が先端側に向かってテーパ状に広がる誘導部96が形成されている。誘導部96は、ストッパー341がユニットコネクタ基端部90の内部を基端方向へ移動する際に、ストッパー341が引っ掛かることを抑制し滑らかな移動を可能とする。
ユニットコネクタ基端部90の基端側の外周面には、外部駆動装置60の保持部63(図2を参照)により保持(クランプ)されるクランプ部97が形成されている。
雌コネクタ92および雄コネクタ76は、高い嵌合力を発揮するために所定の勾配が形成されたルアーテーパ(luer taper)構造を備えている。ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90は、ユニットコネクタ先端部72の雄ねじ部75をユニットコネクタ基端部90の雌ねじ部91に捩じ込むことで摩擦力により互いに固定され、雄コネクタ76を雌コネクタ92に接続した状態を強固に維持することができる。なお、雌コネクタ92および雄コネクタ76の勾配は、楔効果を利用した強い嵌合力(摩擦力)を期待して、ISO規格により規定される6/100とすることができるが、楔効果を利用できるのであれば、これに限定されない。
そして、雄ねじ部75が台形ねじであることで、テーパ状の雄コネクタ76および雌コネクタ92を楔として嵌合させる際に、十分な強度を期待できる。また、雄ねじ部75が台形ねじであることで、雄ねじ部75の外径を小さくすることができるとともに、雌ねじ部91が形成されるユニットコネクタ基端部90の外径を小さくすることができる。このため、ユニットコネクタ先端部72またはユニットコネクタ基端部90の外周面に力が作用して、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90が緩む方向へ力が作用する場合に、同じ作用力に対して発生するトルクを小さく抑えて、誤って外れることを抑制できる。また、雄ねじ部75が台形ねじであることで、ねじ山のピッチが長くなり、少ない回転数で雌ねじ部91から雄ねじ部75を切り離すことができ、作業性を向上させるとともに、後述する“トラッピング”が発生した場合などの緊急時に迅速な対応が可能となる。
また、本実施形態では、雄ねじ部75は1条のねじ山により形成されるが、2条以上のねじ山により形成されることで、少ない回転数で雌ねじ部91から雄ねじ部75を切り離すことができ、作業性を向上させることが可能である。
また、雄ねじ部75が台形ねじであることで、リード角が接触角未満となって高い固定力を発揮するセルフロック機能を利用して、高い緩み止め効果を期待できる。
また、ハブ31から伸びる内管34は、先端にストッパー341(係止部)が形成されているので、ハブ31を最も引っ張ったとき、すなわち、内管34を外管70から最も引き出したときでも、ストッパー341がユニットコネクタ基端部90の段差部95に引っ掛かり、ユニットコネクタ基端部90から内管34が抜けてしまうことを抑制できる。
回転部材100は、図5,6に示すように、管状の部材であり、初期の第1状態において、外管固定部73の外周面上の第1抑制部78および第2抑制部79の間に位置し、外管固定部73の少なくとも一部を囲んでいる(図5を参照)。回転部材100は、基端部の内周面に、第1状態において外管固定部73の第1抑制部78の先端部と接触する回転部材凸部101と、回転部材凸部101から先端方向へ延びる溝状の作用部102とが形成されている。また、回転部材100の外周面には、術者が回転力を作用させやすいように、2つの羽部105が形成されている。
回転部材凸部101は、第1状態において術者が回転部材100を基端方向へ移動させるように力を作用させることで、変形して外管固定部73の第1抑制部78を乗り越えることが可能であり、回転部材100を第2状態(図9を参照)の位置へ移行させることができる。回転部材凸部101は、第1抑制部78を乗り越えられるように、基端側に向かって内径が大きくなるようにテーパ状に形成される。なお、回転部材凸部101は、第1抑制部78を乗り越え可能であれば、テーパ状に形成されなくてもよい。また、本実施形態では、第1抑制部78と接触する部位として回転部材凸部101が形成されているが、第1抑制部78と接触することで回転部材100の移動を抑制できるのであれば、第1抑制部78と接触する部位は凸部でなくてもよい。
作用部102は、受力部77の数に対応して2つ形成され、回転部材100がユニットコネクタ先端部72に対して移動して第1状態から第2状態へ移行する際に、受力部77が嵌合する部位である。第1状態(図5を参照)において、回転部材100は、コネクタ先端部72の外周面上の第2抑制部79および第1抑制部78の間に位置しつつ、コネクタ先端部72から独立して回転可能となっている。このため、第1状態においては、回転部材100に外部から力が作用しても、回転部材100が回転するのみでユニットコネクタ先端部72に回転力は伝わらず、ユニットコネクタ先端部72はユニットコネクタ基端部90に対して回転しない。第1状態から第2状態(図9を参照)となって作用部102が受力部77に嵌合すると、ユニットコネクタ先端部72が回転部材100とともに一体的に回転可能となり、術者が回転部材100を回転させることで、ユニットコネクタ先端部72をユニットコネクタ基端部90に対して回転させることが可能となる。
作用部102は、溝の幅が一定の作用先端部103と、作用先端部103の基端側に作用先端部103と連続して形成され、基端側ほど周方向の幅が広く形成される作用基端部104を備えている。作用基端部104は、第1状態から第2状態へ移行する際に、コネクタ先端部72の受力部77を作用先端部103へ円滑に誘導する役割を果たす。
なお、作用先端部103および受力部77の間のクリアランスは、作用先端部103からの回転力を受力部77へ伝達可能であれば、特に限定されない。また、作用部102の数は、受力部77の数よりも多くてもよい。例えば、作用部は、周方向に複数並ぶ歯溝状に形成されてもよい。
中継コネクタ80は、図5に示すように、外管70を保持する略管状の外管保持部81と、外管保持部81の内部に配置されるスペーサ82と、シール部材83とを有する。外管保持部81の内部には、外管70から駆動シャフト42および保護管33をシースチューブ22内に導く通路84が形成されている。通路84は、シースチューブ22が固定されるシース収容部84Aと、シール部材83を収容するシール部材収容部84Bと、スペーサ82を収容するスペーサ収容部84Cとにより構成されており、シース収容部84A、シール部材収容部84Bおよびスペーサ収容部84Cが先端側から基端方向へ並んで配置されている。シール部材収容部84Bは、シース収容部84Aよりも内径が大きく、スペーサ収容部84Cは、シール部材収容部84Bよりも内径が大きい。
スペーサ82は、外管保持部81および外管本体71の間に配置される部材であり、外管保持部81に固定される管状のスペーサ先端部85と、スペーサ先端部85の基端側に配置されて外周面に外管本体71が被さるスペーサ基端部86とを備えている。スペーサ基端部86は、外周面に外管本体71が被さって外管本体71に連結されており、内周面に、スペーサ先端部85の内周面と連続しつつ基端方向へ向かって内径がテーパ状に広がる傾斜部86Aが形成されている。スペーサ先端部85の内周面は、保護管33を中継コネクタ80の中心に位置決め(軸出し)する役割を果たし、スペーサ基端部86の外周面は、外管本体71を中継コネクタ80の中心に位置決め(軸出し)する役割を果たす。スペーサ82に被さる外管本体71の外側には、スペーサ収容部84Cとの間に隙間が形成されて、接着剤87が均一に充填されている。
スペーサ基端部86の傾斜部86Aは、外管70から差し込まれるガイドワイヤなどを、シースチューブ22内へ円滑に導く役割を果たす。また、傾斜部86Aは、製品の組み立ての際などに、外管70から差し込まれる駆動シャフト42および保護管33を、シースチューブ22内へ円滑に導く役割をも果たす。さらに、スペーサ82は、先端側の端面が外管本体71の先端側端面と比較して広く形成されているため、シール部材83を保持する役割を果たし、シール部材83が基端方向へ飛び出すことを抑制して、シール部材83のシール性を良好に維持する役割を果たす。特に、スペーサ82を設けない場合、外管本体71がシール部材83に接する可能性があり、肉厚が薄い外管本体71がシール部材83に接することで、シール部材83が変形しやすくなるが、スペーサ82を設けることで、シール部材83の変形を抑制し、シール性を良好に維持することができる。
シール部材83は、例えばOリング、Xリング等のリングシール構造を備え、外管保持部81のシール部材収容部84Bに密着して配置されるとともに、中央部に貫通孔83Aを備えている。シール部材83は、柔軟に変形可能である。貫通孔83Aは、保護管33により押圧されて広がり、駆動シャフト42および保護管33を受け入れることができる。シール部材83の材料は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどを適用できるが、これらに限定されない。
操作部30のハブ31は、図7に示すように、ジョイント50と、駆動用雄コネクタ51と、ロータ52と、接続パイプ53と、信号線54と、ハブ本体55と、封止部56と、耐キンクプロテクタ57とを有する。
ジョイント50は、超音波カテーテル1の術者手元側に開口部501を有し、駆動用雄コネクタ51およびロータ52を内部に配置する。駆動用雄コネクタ51は、ジョイント50の開口部501側から外部駆動装置60(図2を参照)が有する駆動用雌コネクタ611に連結可能であり、これにより、外部駆動装置60と駆動用雄コネクタ51とが機械的および電気的に連結される。
ロータ52は、接続パイプ53を回転不能に保持しており、駆動用雄コネクタ51と一体的に回転する。接続パイプ53は、ロータ52の回転を駆動シャフト42に伝達するために、ロータ52側と反対の端部で駆動シャフト42を保持する。また、ロータ52はジョイント50とハブ本体55に挟まれ、軸方向の動きが制限されている。接続パイプ53の内部には信号線54が通されており、この信号線54は、一端が駆動用雄コネクタ51に、他端が駆動シャフト42内を通り抜けて振動子ユニット41に接続されている。振動子ユニット41における観察結果は、駆動用雄コネクタ51を介して外部駆動装置60に送信され、適当な処理を施されて画像として表示される。
ハブ本体55は、内管34が接着固定されており、ポート311から生理食塩液を注入され、この生理食塩液を外部に漏らすことなく、内管34内に導入する。なお、ハブ本体55と封止部56は接着固定されており、さらに、ハブ本体55とジョイント50との間には、Oリング58を含む封止部56が設置されるので、生理食塩液がジョイント50の開口部501側に漏れ出すことがない。ハブ本体55には、内管34の一部が嵌挿され、内管34およびハブ本体55の周囲に耐キンクプロテクタ57が配置される。
上述した超音波カテーテル1は、図2に示すように、外部駆動装置60に接続されて駆動される。外部駆動装置60は、基台65上に、モータなどの外部駆動源を内蔵して駆動シャフトを回転駆動する駆動部61と、駆動部61を把持しモータなどにより軸方向へ移動させる移動手段62と、超音波カテーテル1の一部を位置固定的に保持する保持部63とを備えている。外部駆動装置60は、駆動部61および移動手段62を制御する制御部69に接続されており、振動子ユニット41によって得られた画像は、制御部69に接続された表示部68に表示される。
移動手段62は、駆動部61を把持固定することが可能であり、把持固定した駆動部61を、基台65上の溝レール66に沿って前後進させる送り機構である。
駆動部61は、超音波カテーテル1の駆動用雄コネクタ51が接続可能な駆動用雌コネクタ611と、超音波カテーテル1のジョイント50に接続可能なジョイント接続部612と、を有し、当該接続によって、振動子ユニット41との間で信号の送受信が可能となると同時に、駆動シャフト42を回転させることが可能となる。
超音波カテーテル1における超音波走査(スキャン)は、駆動部61内のモータの回転運動を駆動シャフト42に伝達し、駆動シャフト42の先端に固定されたハウジング412を回転させることによって、ハウジング412に設けられた超音波振動子411で送受信される超音波を略径方向に走査することで行われる。また、超音波カテーテル1全体を基端側へ引っ張り、超音波振動子411を長手方向に移動させることによって、血管内の軸方向にわたる包囲組織体における360°の断面画像を任意の位置まで走査的に得ることができる。
次に、第1実施形態に係る超音波カテーテル1を用いて管腔内を観察するときの動作について説明する。
まず、超音波カテーテル1を準備する。超音波カテーテル1は、図5に示すように、ユニットコネクタ先端部72の雄ねじ部75をユニットコネクタ基端部90の雌ねじ部91に捩じ込んだ状態で、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90が連結されている。そして、回転部材100は、外管固定部73の外周面上の第2抑制部79および第1抑制部78の間に位置しつつ、外管固定部73から独立して回転可能となっている(第1状態)。このため、第1状態においては、回転部材100に外部から衝撃力などの予期しない力が作用しても、回転部材100が回転するのみで外管固定部73に回転力は伝わらない。また、外管固定部73が、回転部材100により囲まれているため、ユニットコネクタ先端部72に外部から力が作用し難い。このため、外部から予期しない力が作用しても、ユニットコネクタ先端部72がユニットコネクタ基端部90に対して回転し難い。したがって、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90が緩む方向へ力が作用し難くなり、誤って外れることを抑制して、安全性を高めることができる。
次に、超音波カテーテル1のシース20を管腔内に挿入する前に、超音波カテーテル1内を生理食塩液で満たすプライミング操作を行う。プライミング操作を行うことによって、超音波カテーテル1内の空気を生理食塩液に置換すると、超音波がデバイス外まで伝わり易くなる。
プライミングを行うには、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90が連結され、回転部材100がユニットコネクタ先端部72の外周面上の第2抑制部79および第1抑制部78の間に位置した第1状態で、ハブ31を術者の手元側に最も引っ張った状態、すなわち、外管70から内管34が最も引き出された状態(図4を参照)とし、ハブ31のポート311に接続した図示しないチューブと三方活栓などからなる器具を介し、例えば注射筒などを用いて、生理食塩液を注入する。注入された生理食塩液は、ハブ31、内管34、および保護管33を順に通ってシース20内まで充填されていく。なお、中継コネクタ80と保護管33との間はシール部材83によって密封されているため、生理食塩液は、中継コネクタ80と保護管33との間から外管70内に漏れない。
超音波カテーテル1内が完全に生理食塩液で満たされると、シース20の充填液入出路部材23(図3参照)に形成されたプライミングルーメン231から生理食塩液が抜ける。これにより、生理食塩液の充填が確認される。このプライミング操作を行うことによって、超音波カテーテル1内の空気を生理食塩液に置換すると、超音波がデバイス外まで伝わり易くなる。
次に、図2に示すように、超音波カテーテル1を図示しない滅菌されたポリエチレン製の袋などで覆った外部駆動装置60に連結する。すなわち、超音波カテーテル1のハブ31のジョイント50(図7を参照)を、駆動部61のジョイント接続部612に接続する。これにより、振動子ユニット41と外部駆動装置60との間で信号の送受信が可能となると同時に、駆動シャフト42を回転させることが可能となる。そして、ユニットコネクタ基端部90のクランプ部97を保持部63に嵌合させると、連結は完了する。本実施形態において、保持部63に嵌合させるクランプ部97は、ユニットコネクタ先端部72ではなく、ユニットコネクタ基端部90に設けられている。ユニットコネクタ先端部72にクランプ部97が設けられると、外部駆動装置60の保持部63とジョイント接続部612の間にユニットコネクタ基端部90が配置されることになるため、内管34の外管70に対する移動可能な距離を長く保持するために、ハブ本体55に取り付けられる耐キンクプロテクタ57を短くする必要が生じる場合があるが、ユニットコネクタ基端部90にクランプ部97が設けられることで、耐キンクプロテクタ57の長さを短くする必要性が生じ難くなり、耐キンクプロテクタ57の効果を有効に発揮させることができる。
次に、駆動部61を基台65上の溝レール66に沿って先端側に動かすことで、ハブ31を先端側へ押し込み、外管70に内管34が最も押し込まれた状態とする(図1参照)。この状態で、シース20を体内に挿入していき、シース20の先端が患部を越えてから挿入を止める。
一例として、心臓の冠動脈血管に超音波カテーテル1が挿入される場合、図8に示すように、超音波カテーテル1の挿入前に、セルジンガー法などによって大腿動脈などにイントロデューサシース110が留置される。そして、イントロデューサシース110を介してガイディングカテーテル111が体内に挿入されるとともに、冠動脈血管の入口にガイディングカテーテル111が留置される。
この後、ガイドワイヤ25がガイディングカテーテル111を通じて冠動脈血管の目的の箇所まで挿入される。そして、血管内に挿入されたガイドワイヤ25を超音波カテーテル1のガイドワイヤルーメン211に通しながら、超音波カテーテル1のシース20を、ガイディングカテーテル111を通じて体内に挿入する。
ガイディングカテーテル111の基端には、ガイディングカテーテル111に同軸的に連通する本体部121とこの本体部121から分岐したサイドポート122とを有するY字状のYコネクタ120が連結されており、Yコネクタ120によって、超音波カテーテル1とガイディングカテーテル111との間のクリアランス部のシール性が確保される。
超音波カテーテル1は、ガイディングカテーテル111の基端側に接続されたYコネクタ120の弁体123を通って管腔に挿入され、弁体123付近にマーキング部Mが接近したタイミングで挿入する管腔への挿入速度を遅くし、観察したい患部までガイドワイヤ25に沿って挿入していく。
次に、超音波カテーテル1を管腔内の目的部位に到達させた後、シース20の位置を固定する。この状態で、駆動シャフト42を駆動部61により回転させながら基端方向へ移動させるプルバック操作を行うことで、管腔の軸方向の画像取得を行うことが可能となる。
プルバック操作は、超音波カテーテル1の後端部に接続される移動手段62を制御部69により制御することによって行うことができる。取得されたデータは、制御部69でデジタル処理をされた後、イメージデータとして表示部68に表示される。
そして、プルバック操作を行う際に、図5に示すように、ユニットコネクタ先端部72の第1内径部73Bの内径が、外管本体71の内径よりも小さくなっているため、内管34に形成されるストッパー341が外管本体71から第1内径部73Bの内部へ引っ掛かることなく移動できる。このため、超音波振動子411の移動が円滑となり、画像にジャンピングなどの乱れが生じず、良好な画像を取得することができる。さらに、ユニットコネクタ基端部90の誘導部96の内径が先端側に向かってテーパ状に広がっているため、内管34に形成されるストッパー341が誘導部96を通って第2内径部93へ引っ掛かることなく移動できる。このため、超音波振動子411の移動が円滑となり、画像にジャンピングなどの乱れが生じず、良好な画像を取得することができる。
そして、プルバック操作後に、ハブ31を再び先端側へ押し込み、イメージングコア40を前進させる。この際に、内管のストッパー341の外周面の外径が、先端方向へ小さくなっているため、ストッパー341が、ユニットコネクタ内で引っ掛からず、円滑に移動させることができる。
この後、超音波カテーテル1を管腔内から引き抜く操作を行うが、例えば湾曲した管腔内に挿入されている場合、超音波カテーテル1がラピッドエクスチェンジ構造であるため、超音波カテーテル1を基端側へ牽くことでガイドワイヤ25が撓んで超音波カテーテル1から離れてしまう現象、いわゆる”ワイヤーセパレーション”が生じる可能性がある。このような現象が生じ、例えばガイドワイヤ25が折り返されるように折れ曲がると、超音波カテーテル1をガイドワイヤ25に沿って移動させることが困難となる虞がある。または、例えば管腔内に留置したステントを確認するために超音波カテーテル1を使用した場合などには、超音波カテーテル1やガイドワイヤ25が、ステントのストラットに引っ掛かり、いわゆる”トラッピング”などが生じて、超音波カテーテル1を引き抜くことが困難となる虞がある。
このような場合に、術者は、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90が緩まないようにユニットコネクタ先端部72を覆いつつ、ユニットコネクタ先端部72に対して独立して回転可能になっている回転部材100を、基端方向へ移動させるように力を作用させることができる。これにより、回転部材凸部101および第1抑制部78の少なくとも一方が変形し、若しくは破壊されて、図9に示すように、回転部材凸部101が第1抑制部78を乗り越える。この後、受力部77が作用部102の作用基端部104により誘導されて、作用先端部103に嵌合し、第2状態となる。第1状態から第2状態となって作用部102に受力部77が嵌合すると、ユニットコネクタ先端部72が回転部材100とともに一体的に回転可能となり、術者が回転部材100を回転させることで、ユニットコネクタ先端部72をユニットコネクタ基端部90に対して相対的に回転させることが可能となる。
ユニットコネクタ基端部90をユニットコネクタ先端部72に対して回転させると、図10に示すように、雌ねじ部91から雄ねじ部75が離脱し、雄コネクタ76が雌コネクタ92から切り離される。このとき、雄ねじ部75が台形ねじであり、ねじ山のピッチが長いため、少ない回転数で雌ねじ部91から雄ねじ部75を離脱させることができ、このため上記トラッピングが発生した場合などの緊急時に迅速な対応が可能となるなど、作業性が高まる。
そして、外管70を把持して固定した状態でハブ31を外部駆動装置60ごと基端側へ移動させると、図11に示すように、ハブ31とともに内管34、保護管33、イメージングコア40およびユニットコネクタ基端部90が基端側へ移動することになる。さらにハブ31を基端側へ移動させれば、図12,13に示すように、保護管33およびイメージングコア40がシース20および外管70から引き抜かれる。
この後、図14に示すように、別途用意したガイドワイヤなどのワイヤWをイメージングコア40が配置されていたルーメン内に、ユニットコネクタ先端部72の基端側の開口部から挿入する。この際、スペーサ82の内周面にテーパ状の傾斜部86Aが形成されているため、外管70から差し込まれるワイヤWを、シースチューブ22内へ円滑に挿入することができる。
そして、超音波カテーテル1は、保護管33がハブ31および内管34とともに外管70から引き抜かれているため、ワイヤWをイメージングコア40が配置されていたルーメン内に挿入する際に、ワイヤWを保護管33に挿通させる必要がなく、操作性が高い。また、細い保護管33が、ワイヤWを挿通させる外管70側から突出しないため、ワイヤWを挿通させる際の安全性が高い。
ワイヤWをシース20の先端部まで到達させた後には、ワイヤWによってシース20の内部に力を加えつつシース20およびガイドワイヤ25を操作し、シース20およびガイドワイヤ25を適正な状態に復帰させることができる。これにより、シース20およびガイドワイヤ25を管腔から引き抜くことが可能となる。
以上のように、第1実施形態に係る超音波カテーテル1は、第1状態において、ユニットコネクタ先端部72(第1のコネクタ)の外周の少なくとも一部を回転部材100が囲み、かつユニットコネクタ先端部72に対して回転部材100が独立して回転可能であり、作用部102から受力部77へ力が伝達しない。このため、第1状態において受力部77が設けられるユニットコネクタ先端部72に対して外部から力が作用し難くなり、予期しない力が作用しても、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90の接続が緩むことを抑制し、安全性を高めることができる。そして、超音波カテーテル1は、第2状態となることで、作用部102から受力部77へ力が伝達可能となり、回転部材100の回転に伴って受力部77が設けられるユニットコネクタ先端部72をユニットコネクタ基端部90(第2のコネクタ)に対して回転させて、接続を解除することができる。
また、ユニットコネクタ先端部72(第1のコネクタ)に、回転部材100と接触することで作用部102が受力部77に接触しない状態を維持し、回転部材100から力を受けることで変形して作用部102が受力部77に接触することを許容する第1抑制部78(抑制部)が設けられるため、第1抑制部78によって回転部材100の移動を抑制して第1状態を適切に保ちつつ、必要に応じて術者が回転部材100を移動させて、第2状態とすることができる。
また、作用部102および受力部77の一方は、凸部で形成され、他方は、凸部が嵌合可能な凹部で形成されるため、第2状態において凹部に凸部を嵌合させることで、作用部102から受力部77へ効果的に力を伝達させることが可能である。
また、回転部材100は、囲んでいるユニットコネクタ先端部72(第1のコネクタ)に対して軸方向に沿って移動可能であり、軸方向に沿って移動することで第1状態から第2状態へ移行して作用部102が受力部77に接触するため、回転部材100を移動させるまでは第1状態を適切に維持することができ、安全性が高い。
また、第1実施形態に係る超音波カテーテル1は、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90によって切り離すことが可能であるため、管腔内に挿入される比較的安価に作製可能なシース20および外管70側をディスポーザブルとし、イメージングコア40を含んで高価なハブ31および内管34側をリユーザブルとすることが可能である。また、本実施形態に係る超音波カテーテル1は、ユニットコネクタ先端部72およびユニットコネクタ基端部90によってシース20側を切り離すことが可能であるため、超音波カテーテル1の使用状況に応じて、例えば太さやモノレール長などが異なる他のシースに変更することができる。
なお、第1実施形態に係る超音波カテーテル1のストッパー341(係止部)は、内管34の先端部に内管34の一部として形成されているが、係止部は、内管の一部として形成されなくてもよい。また、係止部は、内管ではなく保護管の一部として形成されてもよい。また、内管、保護管および係止部が、同一部材として一体的に形成されてもよい。また、ストッパー341は、必ずしも内管34の全周に渡って存在する突起形状である必要はない。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る超音波カテーテル130は、図15に示すように、ユニットコネクタ先端部140および回転部材150の構成のみが、第1実施形態に係る超音波カテーテル1と異なる。なお、第1実施形態と同一の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態に係る超音波カテーテル130は、ユニットコネクタ先端部140の外管固定部141に形成されて回転部材150の軸方向への移動を抑制する第1抑制部142(抑制部)が、外管固定部141の外周面に軸方向へ並ぶ複数の環状凸部142Aを備えている。環状凸部142Aの各々は、外管固定部141の外周面において径方向外側へ突出しており、後述する回転部材150の回転部材凸部151が乗り越えやすいように、先端側に向かって縮径するようにテーパ状に形成される。
回転部材凸部151は、回転部材150の基端側端面から基端方向へ片持ち梁として突出する少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の梁部152の各々の基端部から、径方向内側へ向かって突出して形成されている。回転部材凸部151は、第1抑制部142を乗り越えられるように、基端側に向かって内径が大きくなるようにテーパ状に形成される。
次に、第2実施形態に係る超音波カテーテル130の作用を説明する。
第2実施形態に係る超音波カテーテル130は、回転部材150が、外管固定部141の外周面上の第2抑制部79および第1抑制部142の間に位置しつつ、外管固定部141から独立して回転可能となっている(第1状態)。このため、第1状態においては、回転部材150に外部から衝撃力などの予期しない力が作用しても、回転部材150が回転するのみでユニットコネクタ先端部140に回転力は伝わらない。また、外管固定部141が、回転部材150により囲まれているため、ユニットコネクタ先端部140に外力が作用し難い。このため、外部から予期しない力が作用しても、ユニットコネクタ先端部140およびユニットコネクタ基端部90が緩む方向へ力が作用し難くなり、誤って外れることを抑制して、安全性を高めることができる。
そして、第2実施形態に係る超音波カテーテル130において、いわゆる”トラッピング”などが生じて、超音波カテーテル130を引き抜くことが困難となった場合に、術者は、ユニットコネクタ先端部140を覆いつつユニットコネクタ先端部140に対して独立して回転可能になっている回転部材150を、基端方向へ移動させるように力を作用させることができる。これにより、梁部152が撓みつつ、図16に示すように、第1抑制部142の複数の環状凸部142Aを順次乗り越える。このため、術者は、梁部152の撓みを手の感覚によって認識し、回転部材150の移動状況を確認しつつ操作することが可能となる。
この後、受力部77が作用部102の作用基端部104により誘導されて、作用先端部103に嵌合し、第2状態となる。第1状態から第2状態となって作用部102が受力部77に嵌合すると、ユニットコネクタ先端部140が回転部材150とともに一体的に回転可能となる。このため、術者が回転部材150を回転させることで、図17に示すように、ユニットコネクタ先端部140を回転させて、ユニットコネクタ先端部140およびユニットコネクタ基端部90を切り離すことができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る超音波カテーテル160は、図18に示すように、ユニットコネクタ先端部180および回転部材170の構成のみが、第1実施形態に係る超音波カテーテル1と異なる。なお、第1実施形態と同一の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態に係る超音波カテーテル160は、回転部材170の軸方向への移動を抑制するユニットコネクタ先端部180の外管固定部181に形成される第1抑制部182が、外管固定部181の外周面に雄ねじとして形成されている。また、ユニットコネクタ先端部180は、第1抑制部182の基端側に、径方向外側へ突出する受力部183が形成されている。受力部183は、回転部材170から回転力を受ける部位であり、環状に形成されてもよく、または周方向に部分的に形成されてもよい。
回転部材170は、管状の部材であり、内周面に、雄ねじである第1抑制部182が螺合する雌ねじ171が形成されている。また、回転部材170の基端側端面には、受力部183と接することが可能な作用部173が形成されている。
次に、第3実施形態に係る超音波カテーテル160の作用を説明する。
第3実施形態に係る超音波カテーテル160は、回転部材170に形成される雌ねじ171が、ユニットコネクタ先端部180に形成される雄ねじである第1抑制部182に螺合しており、回転部材170が、外管固定部181から独立して回転可能となっている(第1状態)。このため、第1状態においては、回転部材170に外部から衝撃力などの予期しない力が作用しても、回転部材170が回転するのみで外管固定部181に回転力は伝わらない。また、外管固定部181が、回転部材170により囲まれているため、ユニットコネクタ先端部180に外力が作用し難い。このため、外部から予期しない力が作用しても、ユニットコネクタ先端部180およびユニットコネクタ基端部90が緩む方向へ力が作用し難くなり、誤って外れることを抑制して、安全性を高めることができる。
第3実施形態に係る超音波カテーテル160において、いわゆる”トラッピング”などが生じて、超音波カテーテル160を引き抜くことが困難となった場合に、術者は、ユニットコネクタ先端部180を覆いつつユニットコネクタ先端部180に対して独立して回転可能になっている回転部材170を、ユニットコネクタ先端部180に対して回転させることができる。回転部材170を回転させると、雌ねじ171に雄ねじである第1抑制部182が螺合しているため、回転部材170が基端方向へ移動し、図19に示すように、作用部173を受力部183に接触させることができる。作用部173が受力部183に接触すると、回転部材170が外管固定部181に対してこれ以上の基端方向への移動が不能となり、第2状態となる。この状態で、術者がさらに回転部材170を回転させると、図20に示すように、ユニットコネクタ先端部180が回転部材170とともに一体的に回転することになる。このため、術者が回転部材170を回転させることで、ユニットコネクタ先端部180をユニットコネクタ基端部90に対して回転させて、ユニットコネクタ先端部180およびユニットコネクタ基端部90を切り離すことができる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る超音波カテーテル190は、図21〜23に示すように、ユニットコネクタ先端部200、ユニットコネクタ基端部210および回転部材220の構成のみが、第1実施形態に係る超音波カテーテル1と異なる。なお、第1実施形態と同一の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態に係る超音波カテーテル190は、ユニットコネクタ先端部200の外管固定部201の外周面に、断面が六角形の受力部202が形成されている。
ユニットコネクタ基端部210は、先端側端部に、径方向外側へ突出する環状の第1係合部211が形成されている。
回転部材220は、弾性的に変形可能な管状の部材であり、先端側端部に、径方向内側へ突出し、第1係合部211に対して周方向へ摺動可能に係合する環状の第2係合部221が形成されている。回転部材220は、ユニットコネクタ先端部200の少なくとも一部を囲んでおり、内周面が、受力部202へ力を作用させる作用部222となっている。作用部222は、回転部材220が外部から力を受けず変形していない状態において、ユニットコネクタ先端部200の受力部202から離れて位置している。
回転部材220の第2係合部221が、ユニットコネクタ基端部210の第1係合部211に対して摺動可能であることで、回転部材220は、ユニットコネクタ先端部200およびユニットコネクタ基端部210から独立して回転可能となっている。
回転部材220の材料は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどを適用できるが、これらに限定されない。
次に、第4実施形態に係る超音波カテーテル190の作用を説明する。
第4実施形態に係る超音波カテーテル190は、回転部材220が、ユニットコネクタ先端部200およびユニットコネクタ基端部210から独立して回転可能となっている(第1状態)。このため、第1状態においては、回転部材220に外部から衝撃力などの予期しない力が作用しても、回転部材220が回転するのみで外管固定部201に回転力は伝わらない。また、外管固定部201が、回転部材220により囲まれているため、ユニットコネクタ先端部200に外力が作用し難い。このため、外部から予期しない力が作用しても、ユニットコネクタ先端部200およびユニットコネクタ基端部210が緩む方向へ力が作用し難くなり、誤って外れることを抑制して、安全性を高めることができる。
そして、第4実施形態に係る超音波カテーテル190において、いわゆる”トラッピング”などが生じて、超音波カテーテル190を引き抜くことが困難となった場合に、術者は、ユニットコネクタ先端部200を囲みつつユニットコネクタ先端部200に対して独立して回転可能になっている回転部材220を、図24に示すように、指や鉗子等によって外周から押圧しつつ掴み、回転部材220を変形させて作用部222を受力部202へ接触させる。この状態で回転部材220をユニットコネクタ基端部210に対して回転させると、ユニットコネクタ先端部200が回転部材220とともに一体的に回転可能となる。このとき、受力部202の断面形状が六角形であるため、作用部222から受力部202へ回転力を伝えることが容易である。そして、術者が回転部材220を回転させることで、図25に示すように、ユニットコネクタ先端部200を回転させて、ユニットコネクタ先端部200およびユニットコネクタ基端部210を切り離すことができる。
なお、受力部の断面形状は、六角形以外の多角形であってもよく、または多角形以外の形状であってもよい。受力部の断面形状が多角形であれば、作用部から力を受けやすくすることができる。また、受力部の断面形状は、力を受けやすくするために非円形であることが好ましいが、円形であってもよい。
また、第4実施形態では、回転部材220がユニットコネクタ基端部210に対して回転可能に係合しているが、回転部材がユニットコネクタ先端部に対して回転可能に係合してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明を超音波カテーテルに適用する場合について説明したが、光干渉断層診断装置や光学周波数領域画像化診断装置などの光を利用した診断装置用光プローブ(OCTカテーテル)や、内視鏡システムなどに適用することも可能であり、さらには方向性冠動脈粥腫切除術(DCA;Directional Coronary Atherectomy)に使用するカテーテルのような機械的駆動を行うカテーテルなど、管体を有するものであれば、あらゆる医療用デバイスに適用し得る。したがって、本実施形態では、イメージングコア40が収容されるシース20のルーメン内に液体が満たされるが、液体が満たされないカテーテルにも本発明を適用し得る。
また、上述した実施形態では、ユニットコネクタ先端部側に雌コネクタを設け、ユニットコネクタ基端部側に雄コネクタを設けているが、逆の構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、ユニットコネクタ先端部(第1のコネクタ)に、回転部材の作用部から力を受ける受力部が設けられているが、ユニットコネクタ基端部(第2のコネクタ)に、回転部材の作用部から力を受ける受力部が設けられる構成であってもよい。
また、第1、第2実施形態では、作用部が凹部で形成され、受力部が凸部で形成されているが、作用部が凸部で形成され、受力部が凹部で形成されてもよく、または、作用部および受力部の両方が凸部で形成されてもよい。
また、上述したそれぞれの実施形態に含まれる構成は、可能であれば、任意に組み合わせて利用することができる。