JP2012042508A - トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶性ポリエステルを含む結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有するトナー組成物を加熱保持する工程を含むトナーの製造方法であって、トナー組成物は、結晶性ポリエステルを有機溶媒中に溶解させる工程、及び、結晶性ポリエステルの融点以上に加熱する工程の少なくとも一方の工程を経て製造された組成物であり、結晶性ポリエステルは、示差走査熱量測定における最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上、80℃以下であり、加熱保持する工程は、トナー組成物を、特定条件下にて加熱保持する工程(A)、及び、工程(A)で得られた加熱保持物を、特定条件下にて加熱保持する工程(B)、を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法。
【選択図】なし
Description
トナーの低温定着性を改善するための一般的な方法としては、使用する結着樹脂のガラス転移温度を低くする方法が挙げられる。しかしながら、単に結着樹脂のガラス転移温度を低下させるだけでは、トナーの耐熱保存性が損なわれてしまい、低温定着性と耐熱保存性を両立させることは困難である。
トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立させるための効果的な方法としては、よりシャープメルトな材料を結着樹脂に用いる方法があり、ポリエステル樹脂は、この点において優れた特性を示すことが知られている。中でも、結晶性ポリエステル樹脂は、高分子鎖が規則的に配列した構造を有し、明確なガラス転移温度を持たない樹脂であり、結晶の融点未満の温度領域では軟化しにくく、融点を境に結晶が融解して急激に粘度の低下を起こす性質を有している。
このことから、結晶性ポリエステル樹脂は、低温定着性と耐熱保存性を両立するための材料として、近年特に注目されており、結晶性ポリエステル樹脂を非晶性の結着樹脂に添加したトナーの検討が盛んに行われている。
しかしながら、結晶性ポリエステル樹脂は、一般的な高分子物質と同様、ある程度の分子量分布を有するものであり、必ずしも完全な規則性を持った構造を形成し得ない。しかも、これをトナー材料として使用する場合、通常のトナー製造過程においては、融点以上の熱履歴を与えたり、他の材料とともに有機溶剤に溶解したりする工程が必要であるため、非晶性の結着樹脂との相溶が生じて、結晶性が損なわれやすい。したがって、結晶性ポリエステル樹脂を、結晶性を保持したままトナー中に存在させることは容易ではなく、トナーに添加しても本来のシャープメルト性が発揮されないことが多く、耐熱保存性が却って低下することもある。
また、相溶によって生じた低結晶性の成分や低分子量成分を包含したトナーは、長期間放置した場合には、これら成分の影響によってさらなる結晶性の低下を招き、トナーの熱的物性に変化が生じて、低温定着性や耐熱保存性をさらに低下させる要因となることがある。
こうした問題を解決するため、結晶性が低下した結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー中間体、またはトナーに対し、該結晶性ポリエステル樹脂の融点よりも低い温度で熱処理を施し、結晶構造を再構築しようとする試みが為されている。
例えば、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルを結着樹脂として含有するトナーの製造工程中間品、または最終製品を、45℃から65℃の温度で保管する工程を含むトナーの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルを含有する原料を溶融混練した後、該溶融混練物のガラス転移温度以上、該非晶性ポリエステルの軟化点より10℃低い温度以下の条件で加熱処理を行い、これを粉砕するトナーの製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルを含有するトナー組成物を、該組成物
のDSCにおける吸熱の最高ピーク温度(Trm)よりも20℃以上低い温度(Tra)で加熱保持した後、(Tra)より10℃以上高く、(Trm)よりも低い温度(Trb)で加熱保持するトナーの製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
これらの従来例の内、特許文献1に開示された方法によれば、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのドメイン界面における相溶部が結晶化されるが、結晶化には長時間を要する上に、使用している結晶性ポリエステルが高融点であるため、その効果は必ずしも十分ではなかった。
また、特許文献2に開示された方法によれば、相溶によって低下した非晶性ポリエステルに由来する樹脂のガラス転移温度を回復させることができ、トナーの耐熱保存性は向上する。ところが、結晶性ポリエステルのシャープメルト性を発現させる程の改良には至らず、低温定着性の改善効果に関しては十分ではなかった。
さらに、特許文献3に開示された方法は、溶融混練によって相溶したトナー組成物に対して、先ず比較的低温で加熱保持することによって結晶性ポリエステルの結晶核を形成させ、次いで、より高温で加熱保持することによって結晶成長を効率的に行わせるものである。この方法は、溶融混練のような過度の熱履歴を受けた材料に対してはある程度有効で、結晶性ポリエステルの結晶性を比較的短時間で一定のレベルにまで到達させることができる。しかしながら、この技術に基づいて本発明者らが詳細に検討を重ねたところ、得られたトナーは、含有する結晶性ポリエステルの結晶性にバラツキが見られ、耐熱保存性が不十分であったり、長期に渡る保存中に結晶構造に変化が生じたりする場合があることがわかった。
以上の通り、結晶性ポリエステル本来の性能を十分に発揮させ、トナーの低温定着性と耐熱保存性を長期間安定に持続させるためには、未だ課題を有していた。
すなわち、本発明は、低温定着性に優れたトナーでありながら耐熱保存性にも優れ、しかも、長期に渡る保存においてもこれらの性能を安定して持続することのできるトナーの製造方法を提供する。
Tp1−20≦T1≦Tp1−5・・・(1)
(式中、Tp1は、前記トナー組成物の示差走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度を示す)
前記工程(A)で得られた加熱保持物を、前記温度T1(℃)よりも高く、且つ、下記式(2)で表される温度T2(℃)条件下にて加熱保持する工程(B)、
Tp2−10≦T2≦Tp2−2・・・(2)
(式中、Tp2は、前記工程(A)で得られた加熱保持物の示差走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度を示す)
を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明のトナーの製造方法に用いられる結着樹脂は、結晶性ポリエステルを含有する。ここで、結晶性ポリエステルとは、それ自体が多数集合することで規則的に配列し、結晶性を発現するポリエステルである。具体的には、示差走査熱量計により示差熱を測定したときに、明瞭な融点ピークを示すポリエステルを意味する。前述したように、結晶性ポリエステルを含む結着樹脂をトナー材料として使いこなすためには、結晶性ポリエステルの結晶化度を適正に制御することが重要である。そのためには、結晶性が低下した結晶性ポリエステルを含有するトナー組成物に対し、結晶性ポリエステルの融点よりも低い温度で熱処理を施す方法が有効である。一般に、結晶性材料は、このような熱処理を施すことによって結晶性が高まることが知られている。その原理は以下のように考えられている。すなわち、結晶性材料を高温環境下に保持すると、高分子鎖の分子運動性が増し、高分子鎖の配列がより安定な構造へと再配向するため、結晶構造の規則性が向上し、結晶化が進行するというものである。但し、結晶性材料の融点以上に加熱すると、高分子鎖は再配向に必要なエネルギーよりも高いエネルギーを得てしまうことになり、再結晶化が起こることはなく、結晶性はむしろ低下する。
以後、この熱処理をアニール処理と称し、この熱処理工程をアニール処理工程と称する。
尚、トナー組成物に含有される結晶性ポリエステルの結晶性の程度は、トナー組成物の示差走査熱量(DSC)測定によって描かれる、結晶性ポリエステル由来の吸熱ピークの形状や半値幅から大まかに知ることができる。すなわち、結晶性が高くなる程、ピーク形状はシャープ化し、半値幅は狭小化する。
上記アニール処理工程において、処理温度はトナー組成物の結晶性ポリエステルの結晶化度を制御する上で極めて重要である。処理温度が低すぎると、当然のことながら再結晶化が不十分となり、このようなアニール処理工程を経て製造されたトナーは、低温定着性や耐熱保存性に対する十分な改善効果が得られないばかりでなく、長期に渡る保存中に結晶状態が変化して、さらなる性能の低下を引き起こすことがある。
したがって、アニール処理は、トナー組成物中の結晶性ポリエステルの分子運動を可能な限り活発化させるため、より高温で行うことが好ましいが、処理温度が高すぎても耐熱保存性の低下を生じることがある。これは、過度なアニールによって軟化が進行した比較的低分子量の分子鎖が、その分子運動性の違いのために再配列されないまま独立した形で結晶化し、こうして生じた低融点成分によって引き起こされると考えている。
アニール処理による結晶構造の変化は、上述したDSC測定による吸熱ピークのシャープ化や半値幅の狭小化に加え、ピーク温度の高温側へのシフトによって確認することができる。また、過度なアニールに起因すると考えられる低融点成分についても、DSC測定によって確認することができる。
、アニール処理における加熱温度と、アニール処理の前後のDSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度(すなわち、結晶性ポリエステルに由来する融点)の変化量との関係に着目し、詳細に検討を行った。
そして、アニール処理における加熱を、(1)低温条件からより高温条件へと段階的に行うこと、(2)各段階において予めDSC測定を行い、得られた最大吸熱ピークのピーク温度に対し、その段階に応じた特定の温度範囲内でアニール処理を行うことにより、結晶性ポリエステルの結晶性を効果的に向上させることが可能であることを見出した。
そして、上記工程を経て製造されたトナーは、長期に渡る保存においても含有される結晶性ポリエステルの結晶構造に変化が生じることはなく、優れた低温定着性と耐熱保存性を安定して持続することができることを明らかにし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のトナーの製造方法(以下単に、本発明の製造方法ともいう)は、結晶性ポリエステルを含む結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有するトナー組成物を加熱保持する工程を含むトナーの製造方法であって、前記トナー組成物は、前記結晶性ポリエステルを有機溶媒中に溶解させる工程、及び、前記結晶性ポリエステルの融点以上に加熱する工程の少なくとも一方の工程を経て製造された組成物であり、前記結晶性ポリエステルは、示差走査熱量測定における最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上、80℃以下であり、前記加熱保持する工程は、前記トナー組成物を、下記式(1)で表される温度T1(℃)条件下にて加熱保持する工程(A)、及び、
Tp1−20≦T1≦Tp1−5・・・(1)
(式中、Tp1は、前記トナー組成物の示差走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度を示す)
前記工程(A)で得られた加熱保持物を、前記温度T1(℃)よりも高く、且つ、下記式(2)で表される温度T2(℃)条件下にて加熱保持する工程(B)、
Tp2−10≦T2≦Tp2−2・・・(2)
(式中、Tp2は、前記工程(A)で得られた加熱保持物の示差走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度を示す)を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明の製造方法に用いられる結晶性ポリエステルは、後述する示差走査熱量測定における最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上、80℃以下の範囲内に存在する結晶性ポリエステルである。
ここで、上記最大吸熱ピークは、結晶性ポリエステルに由来するものであり、当該最大吸熱ピークのピーク温度は結晶性ポリエステルの融点を示している。すなわち、本発明の製造方法により得られたトナーは、融点が50℃以上、80℃以下の結晶性ポリエステルを含有することを意味している。
上記最大吸熱ピークのピーク温度が50℃よりも低いと、得られたトナーの低温定着性には有利となるが、トナーの耐熱保存性は著しく低下してしまう。また、最大吸熱ピークのピーク温度が80℃よりも大きいと、優れた耐熱保存性を示す一方で、十分な低温定着性を達成することができなくなる。すなわち、低温定着性と耐熱保存性を両立するためには、用いられる結晶性ポリエステルの示差走査熱量測定における最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上、80℃以下であり、好ましくは、55℃以上、75℃以下であり、より好ましくは、60℃以上、70℃以下である。
以下に、本発明の製造方法におけるアニール処理工程について述べる。ここでは、トナー粒子を用いる場合のアニール処理について説明するが、当該トナー粒子に無機微粒子を外添して得られたトナーに対するアニール処理を行う場合についても同様である。
本発明の製造方法におけるアニール処理工程は、トナー粒子を下記式(1)で表される温度T1(℃)条件下にて加熱保持する工程(A)を包含する。
Tp1−20≦T1≦Tp1−5・・・(1)
(式中、Tp1は、トナー粒子の示査走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度を示す。)
ここで、上記温度T1(℃)は、使用するトナー粒子について予め示査走査熱量(DSC)測定を行い、得られた結晶性ポリエステル成分に由来する最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度Tp1(℃)の値に応じて決定する。これは、同じ結晶性ポリエステルを含む結着樹脂を用いて製造されたトナー粒子であっても、上記ピーク温度Tp1(℃)の値は、トナー粒子の製法や結晶性ポリエステル成分の添加量、その他、トナー粒子の製造過程における諸条件の影響によって異なるためである。
加熱保持する工程(A)は、具体的には、昇温速度10.0℃/minの条件でDSC測定したときに得られる最大吸熱ピークのピーク温度Tp1の値から20℃差し引いた温度以上、Tp1の値から5℃差し引いた温度以下の条件で加熱保持を行う。
加熱保持を、最大吸熱ピークのピーク温度Tp1の値に対して20℃差し引いた温度未満の条件で行った場合、加熱保持による再結晶化の効果を得ることができず、後述する工程(B)を適正に行ったとしても、低温定着性や耐熱保存性に対する十分な改善効果が得られない。
一方、最大吸熱ピークのピーク温度Tp1の値に対して5℃差し引いた温度を超える条件で加熱保持した場合は、結晶性ポリエステルからの低融点成分の遊離が起こりやすく、後述する工程(B)においては、これがさらに助長されるために、却って耐熱保存性の低下を引き起こすことがある。
したがって、低温定着性と耐熱保存性の両立を実現するためには、工程(A)における加熱保持の温度T1(℃)を、上記温度範囲とする必要がある。より好ましい温度範囲は、上記最大吸熱ピークのピーク温度Tp1の値から10℃差し引いた温度以上、Tp1の値から5℃差し引いた温度以下である。
通常、工程(A)は1回行うことで上述の効果を達成することができるが、事前に行うDSC測定によって確認される結晶性ポリエステルの結晶状態に鑑み、必要に応じて2回以上繰り返し行ってもよい。
Tp2−10≦T2≦Tp2−2・・・(2)
(式中、Tp2は、前記工程(A)で得られた加熱保持物のDSC測定における最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度を示す。)
工程(B)は、アニール処理の最終工程である。ここでも、上記温度T2(℃)は、上記工程(A)で得られた加熱保持物について予めDSC測定を行い、得られた結晶性ポリエステル成分に由来する最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度Tp2(℃)の値に応じて決定する。これは、上記工程(A)によって結晶性ポリエステル成分に由来する最大吸熱ピークが高温側にシフトすることから、正確なピーク温度を知る必要があるためである。
加熱保持する工程(B)は、具体的には、昇温速度10.0℃/minの条件でDSC測定したときに得られる最大吸熱ピークのピーク温度Tp2の値から10℃差し引いた温度以上、2℃差し引いた温度以下の条件で加熱保持を行う。
加熱保持を、最大吸熱ピークのピーク温度Tp2の値に対して10℃差し引いた温度未満の条件で加熱保持を行ったのでは、敢えて段階的にアニール処理を行うことによる効果は殆ど期待することができない。
一方、最大吸熱ピークのピーク温度Tp2の値に対し、2℃差し引いた温度を超える条件で加熱保持した場合は、工程(A)の場合と同様に、結晶性ポリエステルからの低融点成分の遊離が起こりやすく、耐熱保存性の低下を引き起こすことがある。
すなわち、工程(B)における加熱保持の温度T2(℃)を上記温度範囲とすることで、長期に渡る保存においても優れた低温定着性と耐熱保存性を安定して持続することができるトナーの実現が可能になる。より好ましい温度範囲は、上記最大吸熱ピークのピーク温度Tp2の値からから5℃差し引いた温度以上、2℃差し引いた温度以下である。
なお、上記加熱保持の温度は、±1.0℃の温度範囲で制御されることが好ましい。
すなわち、当該アニール処理工程は、トナー粒子に無機微粒子を外添して得られたトナーを、下記式(1)で表される温度T1(℃)条件下にて加熱保持する工程(A)、及び、
Tp1−20≦T1≦Tp1−5・・・(1)
(式中、Tp1は、トナーの示査走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度を示す。)
工程(A)で得られた加熱保持物を、温度T1(℃)よりも高く、且つ、下記式(2)で表される温度T2(℃)条件下にて加熱保持する工程(B)、
Tp2−10≦T2≦Tp2−2・・・(2)
(式中、Tp2は、工程(A)で得られた加熱保持物の示査走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度を示す。)を少なくとも含むことを特徴とする。
工程(A)における加熱保持時間(t1)が1時間に満たない場合は、再結晶化効果が減少する。一方、加熱保持時間(t1)が、10時間を超える加熱保持を行っても、それ以上の効果が得られない場合がある。加熱保持時間(t1)は、2時間以上、6時間以下であることがより好ましい。
また、工程(B)における加熱保持時間(t2)が2時間に満たない場合は、段階的にアニール処理を行うことによる効果が減少する。一方、加熱保持時間(t2)が、20時間を超える加熱保持を行っても、それ以上の効果が得られない場合がある。加熱保持時間(t2)は、4時間以上、12時間以下であることがより好ましい。
そして、加熱保持の合計時間(t1+t2)は、6時間以上、16時間以下であることがより好ましい。
アニール処理を効率的に行うため、最初の工程である工程(A)は可能な限り短時間で終わらせ、最終工程である工程(B)に十分な時間を費やすことがより好ましい。
なお、本発明の製造方法において、アニール処理工程における加熱保持時間は、トナー組成物に含まれる結晶性ポリエステルの種類や含有量、結晶状態によって適宜調整することができる。例えば、上記トナー組成物に含まれる結晶性ポリエステルの結晶性が著しく低下してしまった場合には、アニール温度を上記式(1)または(2)を逸脱しない範囲で低めに設定し、時間をかけて処理を行うことが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、以下の化合物が挙げられる。
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,1
0−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール。
これらの中でも、融点の観点から、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオール。
また、上記多価カルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸が好ましく、中でも脂肪族ジカルボン酸がより好ましく、結晶性の観点から、特に直鎖型のジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。
蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物。
これらのうち、セバシン酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸。
これらの中でも、テレフタル酸が入手の容易性や低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。二重結合を有するジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。
このようなジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸がより好ましい。
結晶性ポリエステルの製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル樹脂の重合法によって製造することができる。例えば、直接重縮合法、エステル交換法を用い、モノマーの種類によって使い分けて製造することができる。
結晶性ポリエステルの製造は、重合温度180℃以上、230℃以下の間で行うのが好ましく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させるのが好ましい。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させるのがよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分とともに重縮合させるのが好ましい。
結晶性ポリエステルの製造時に使用可能な触媒としては、以下を挙げることができる。
チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドの如きチタン触媒。ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドの如きスズ触媒。
非晶性樹脂としては、非晶性であれば特に限定されるものではなく、トナー用樹脂として一般的に用いられる非晶性樹脂を使用することができる。ただし、非晶性樹脂のガラス転移温度は、50℃以上、130℃以下であることが好ましい。より好ましくは、70℃以上、130℃以下である。ガラス転移温度がこの範囲であることで、定着領域におけるトナーの弾性が維持されやすい。
非晶性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、非晶性のポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリスチレン、スチレンブタジエン系樹脂が挙げられる。また、これら樹脂は、ウレタン、ウレア、エポキシによる変性が行われていてもよい。これらの中でも、弾性維持の観点から、非晶性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好適に例示できる。
非晶性のポリエステル樹脂について述べる。非晶性ポリエステル樹脂の製造に使用可能なモノマーとしては、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているような、従来公知の2価または3価以上のカルボン酸と、2価または3価以上のアルコールが挙げられる。これらモノマーの具体例としては、以下の通りである。
2価のカルボン酸としては、以下を挙げることができる。コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸の如き二塩基酸、およびこれらの無水物、これらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸の如き脂肪族不飽和ジカルボン酸。
3価以上のカルボン酸としては、以下を挙げることができる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、およびこれらの無水物、これらの低級アルキルエステル。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、以下を挙げることができる。ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール。
3価以上のアルコールとしては、以下を挙げることができる。グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、酸価や水酸基価の調整の目的として、必要に応じて酢酸、安息香酸の1価の酸、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールの1価のアルコールも使用することができる。
非晶性ポリエステル樹脂は、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)、ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)に記載の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法を単独で、または組み合わせて用いることができる。
次に、非晶性樹脂としてのポリウレタン樹脂について述べる。ポリウレタン樹脂は、ジオールとジイソシアネート基を含有する物質との反応物であり、ジオール、ジイソシアネートの調整により、各種機能性をもつ樹脂を得ることができる。
ジイソシネート成分としては、以下のものが挙げられる。炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6以上、20以下の芳香族ジイソシアネート、炭素数2以上、18以下の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4以上、15以下の脂環式ジイソシアネート、炭素数8以上、15以下の芳香族炭化水素ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物。以下、変性ジイソシアネートともいう。)、並びに、これらの2種以上の混合物。
芳香族炭化水素ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。m−および/ま
たはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート。
脂肪族ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート。
脂環式ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート。
これらの中でも好ましいものは、炭素数6以上、15以下の芳香族ジイソシアネート、炭素数4以上、12以下の脂肪族ジイソシアネート、および炭素数4以上、15以下の脂環式ジイソシアネート、炭素数8以上、15以下の芳香族炭化水素ジイソシアネートであり、特に好ましいものは、XDI、IPDIおよびHDIである。
また、ポリウレタン樹脂は、ジイソシアネート成分に加えて、3官能以上のイソシアネート化合物を用いることもできる。
ポリウレタン樹脂に用いることのできるジオール成分としては、以下のものが挙げられる。
アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)付加物。
前記アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。本発明においては分岐構造のアルキレングリコールも好ましく用いることができる。
本発明の製造方法において、結着樹脂は、上記ブロックポリマーで構成されることが特に好ましい。結着樹脂が上記ブロックポリマーであることで、ブロックポリマー中の結晶性ポリエステルは、結着樹脂中で微小なドメインを均一に形成することができる。その結果、結晶性ポリエステルのシャープメルト性がトナー全体に発現され、低温定着効果を有効に発揮することができる。さらに、上記した微小なドメイン構造により、シャープメルト後の定着温度領域においても適度な弾性を維持しやすくなる。
上記ブロックポリマーは、結晶性ポリエステル(A)と非晶性樹脂(B)とのAB型ジブロックポリマー、ABA型トリブロックポリマー、BAB型トリブロックポリマー、ABAB・・・型マルチブロックポリマーの形態をとることができ、いずれの形態においても、上記効果を発現することが可能である。
ブロックポリマーにおいて、結晶性ポリエステルと非晶性樹脂とを共有結合で結ぶ結合形態としては、エステル結合、ウレア結合、ウレタン結合が挙げられる。これらの中でも、ウレタン結合で結合したブロックポリマーは、トナーがシャープメルトした後の定着温度領域において、トナーの弾性が維持できることから特に好ましい。
そして、トナーがシャープメルトした後の定着温度領域において、トナーの弾性が維持できることにより、高温オフセットを顕著に抑制することが可能となる。
料を同時に仕込み、一度で調製する方法(一段階法)を用いることができる。
ブロックポリマーは、それぞれの末端官能基の反応性を考慮して、種々の方法の中から選択して合成することができる。
結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのブロックポリマーの場合、各ユニットを別々に調製した後、結合剤を用いて結合することにより調製することができる。特に片方のポリエステルの酸価が高く、もう一方のポリエステルの水酸基価が高い場合は、結合剤を使う必要はなく、そのまま加熱減圧しつつ、縮合反応を進めることができる。このとき、反応温度は200℃付近で行うことが好ましい。
結合剤を使用する場合は、以下の結合剤が挙げられる。多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、多官能エポキシ、多酸無水物。これらの結合剤を用いて、脱水反応や付加反応によって合成することができる。
一方、非晶性樹脂がポリウレタン樹脂の場合は、各ユニットを別々に調製した後、結晶性ポリエステルのアルコール末端とポリウレタンのイソシアネート末端とをウレタン化反応させることにより調製することができる。また、アルコール末端を持つ結晶性ポリエステルおよびポリウレタン樹脂を構成するジオール、ジイソシアネートを混合し、加熱する方法でも、合成が可能である。この場合、ジオールおよびジイソシアネートの濃度が高い反応初期はジオールとジイソシアネートが選択的に反応してポリウレタン樹脂となり、ある程度分子量が大きくなった後にポリウレタン樹脂のイソシアネート末端と結晶性ポリエステルのアルコール末端とのウレタン化反応が起こり、ブロックポリマーとすることができる。
上記ブロックポリマーの効果を有効に発現するためには、結晶性ポリエステルや非晶性樹脂の単独重合体が、可能な限り結着樹脂中に存在しないことが好ましい。すなわち、ブロック化率が高いことが好ましい。
一方、上記非晶性樹脂の含有量は、結着樹脂に対して10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上、40%以下であることがより好ましい。非晶性樹脂の含有量が上記範囲であることで、トナーがシャープメルトした後の弾性の維持が可能になる。上記非晶性樹脂の含有量が10質量%よりも少ないと、トナーがシャープメルトした後の弾性の維持が難しくなり、高温オフセットが発生する恐れがある。
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあることで、トナーに適度な粘弾性を付与することが可能である。Mnが8,000、Mwが15,000よりも小さいと、トナーが軟らかくなりすぎ、耐熱保存性が低下する傾向にある。また、定着画像からトナーが剥離しやすくなる。一方、Mnが30,000、Mwが60,000よりも大きいと、トナーが硬くなりすぎ、低温定着性が低下する傾向にある。上記Mnのより好ましい範囲は、10,000以上、20,000以下であり、Mwのより好ましい範囲は、20,000以上、50,000以下である。
さらに、前記MnとMwの比(Mw/Mn)は、6以下であることが好ましい。Mw/
Mnの値が6を超える場合、結着樹脂に含有される結晶性ポリエステルの結晶性が低く、DSC測定における吸熱ピークはブロードなものとなる。Mw/Mnのより好ましい範囲は、3以下である。
これらのワックスの中でも、ワックスを分散液として用いる場合における分散液の作製しやすさ、トナー粒子中への取り込まれやすさ、定着時におけるトナーからの染み出し性、離型性から、脂肪族炭化水素系ワックスおよびエステルワックスが特に好ましい。
前記エステルワックスとしては、1分子中にエステル結合を少なくとも1つ有しているものであればよく、天然エステルワックス、合成エステルワックスのいずれを用いてもよい。
合成エステルワックスとしては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和脂肪族アルコールから合成されるモノエステルワックスが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は一般式CnH2n+1COOHで表され、n=5以上、28以下のものが好ましく用いられる。また長鎖直鎖飽和脂肪族アルコールはCnH2n+1OHで表され、n=5以上、28以下のものが好ましく用いられる。また、天然エステルワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスおよびその誘導体が挙げられる。
上記のうち、より好ましいワックスとしては、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和脂肪族アルコールとによる合成エステルワックスもしくは、上記エステルを主成分とする天然ワックスである。さらに、上記した直鎖構造に加えてエステルがモノエステルであることがより好ましい。
トナー組成物におけるワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対し、好ましくは5質量部以上、20質量部以下、より好ましくは5質量部以上、15質量部以下である。ワックスの含有量が5質量部より少ないと、トナーの離型性が低下する傾向にあり、定着用部材が低温になった場合に、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。20質量部より多い場合は、トナー表面にワックスが露出し易くなり、耐熱保存性が低下する傾向にある。さらに、カブリや融着が発生し易い傾向にある。
また、前記ワックスは、示差走査熱量(DSC)測定において、60℃以上、120℃以下の範囲に最大吸熱ピークを有するものであることが好ましい。
最大吸熱ピークが60℃より低いと、トナー表面にワックスが露出し易くなり、耐熱保存性が低下する傾向にある。一方、最大吸熱ピークが120℃より高いと、定着時に適切にワックスが溶融せず低温定着性や耐オフセット性が低下する傾向にある。より好ましくは、60℃以上、90℃以下である。
イエロー用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168
、180が好適に用いられる。
マゼンタ用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が好適に用いられる。
シアン用着色剤としては、以下のものが挙げられる。銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好適に用いられる。
これらの着色剤は単独または混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。また、使用する着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー組成物中での分散性の点から選択される。
前記着色剤は、好ましくはトナー組成物中の結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。黒色用着色剤としてカーボンブラックを用いる場合も同様に、1質量部以上、20質量部以下添加して用いることが好ましい。
トナー組成物としてのトナー粒子を水系媒体中で製造する場合、これらの着色剤は水相移行性にも注意を払うことが好ましく、必要に応じて疎水化処理の如き表面改質を施すことが好ましい。一方、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他に、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。また、黒色用着色剤として磁性粉体を用いる場合、その添加量はトナー組成物中の結着樹脂100質量部に対し、40質量部以上、150質量部以下であることが好ましい。
磁性粉体は、四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き酸化鉄を主成分とするものであり、一般に親水性を有している。そのため、トナー組成物としてのトナー粒子を水系媒体中で製造する場合、水との相互作用によって磁性粉体がトナー粒子表面に偏在しやすく、得られるトナー粒子は表面に露出した磁性粉体のために流動性および摩擦帯電の均一性に劣る傾向にある。したがって、磁性粉体はカップリング剤によって表面を均一に疎水化処理することが好ましい。使用できるカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられ、特にシランカップリング剤が好適に用いられる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
得られるトナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。これら荷電制御剤は単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
荷電制御剤を使用する場合の好ましい配合量は、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上、20質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上、10質量部以下である。
後述する溶解懸濁法、及び乳化凝集法を好適に例示することができる。
ここで、溶解懸濁法は、結着樹脂成分を有機溶媒に溶解し、この樹脂溶液を液体媒体中(例えば、水系媒体中)に分散して油滴を形成した後、有機溶媒を除去することによってトナー粒子を得る方法である。一方、乳化凝集法は、少なくとも、樹脂を分散乳化あるいは乳化重合等の方法により製造した樹脂粒子分散液、着色剤を水系媒体中に分散させる事で製造した着色剤粒子分散液、およびワックスを水系媒体中に分散させる事で製造したワックス粒子分散液を水系媒体中で凝集させ凝集粒子を形成する凝集工程と、該凝集粒子を融合させる融合工程と、を含むトナー粒子の製造方法である。
また、これらの製法の中でも、結着樹脂に含まれる結晶性ポリエステルの融点以上に加熱しない状態(以下、「非加熱の状態」ともいう)で製造されたトナー粒子であることがより好ましい。結晶性ポリエステルは、融点以上に加熱することによって結晶性が著しく低下するが、トナー粒子の各製造工程において結晶性ポリエステルの融点以上に加熱しない状態を維持することによって結晶性を大きく低下させることなくトナー粒子を製造することが可能になる。
尚、本発明において、「結着樹脂に含まれる結晶性ポリエステルの融点以上に加熱しない」における加熱は、原材料としての結晶性ポリエステルの製造過程における加熱は含まないものとする。
上記非加熱の状態でトナー粒子を製造する方法としては、上記溶解懸濁法を用いる方法が好適に例示できる。例えば、本発明のような結晶性ポリエステルを含む結着樹脂を含有するトナー粒子の製造においては、高圧状態の二酸化炭素中に樹脂溶液を分散させて造粒を行い、造粒後の粒子に含まれる有機溶媒を二酸化炭素の相に抽出して除去した後、圧力を開放することによって二酸化炭素を分離し、トナー粒子を作製する方法を好適に例示することができる。本発明において好適に用いられる高圧状態の二酸化炭素とは、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素である。
ここで、液体の二酸化炭素とは、二酸化炭素の相図上における三重点(温度=−57℃、圧力=0.5MPa)と臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、および固液境界線に囲まれた部分の温度、圧力条件にある二酸化炭素を表す。また、超臨界状態の二酸化炭素とは、上記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力条件にある二酸化炭素を表す。
本発明において、分散媒体中には他の成分として有機溶媒が含まれていてもよい。この場合、二酸化炭素と有機溶媒とが均一相を形成することが好ましい。
この方法によれば、高圧下で造粒を行うことにより、結晶性ポリエステルの結晶性を維持しやすくなるばかりでなく、さらに高めることが可能であるため、特に好適である。
まず、結晶性ポリエステルを含む結着樹脂、着色剤、及びワックス、並びに必要に応じて他の添加物を、結晶性ポリエステルを含む結着樹脂を溶解することのできる有機溶媒とともに、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機を用いて均一に溶解または分散させる。次に、上記トナー粒子を構成する材料の溶解液を、容器内に満たした液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素中に分散して造粒を行う。
上記液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素中にて造粒を行う際には、分散剤を使用することが好ましい。分散剤としては、無機あるいは有機の微粒子状物質が挙げられ、目的に応じて単独あるいは2種以上を併用して用いられる。すなわち、分散剤としては、無機微粒子分散剤、有機微粒子分散剤、又は、それらの混合物のいずれであってもよい。
上記無機微粒子分散剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、チタニア、酸化カルシウムの無機微粒子が挙げられる。
上記有機微粒子分散剤としては、例えば、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹
脂、ポリカーボネート、セルロースの微粒子およびこれらの混合物が挙げられる。
分散剤として樹脂の微粒子を用いる場合、非晶性樹脂の微粒子を使用すると、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素が前記樹脂中に溶解して可塑化させ、ガラス転移温度を低下させるため、トナー粒子同士が凝集しやすくなる。したがって、上記樹脂の微粒子には結晶性を有する樹脂を使用することが好ましく、非晶性樹脂を用いる場合には、架橋構造を導入することが好ましい。また、非晶性樹脂微粒子を結晶性樹脂で被覆した微粒子であってもよい。
上記分散剤は、そのまま用いても良いが、造粒時における上記トナー粒子を構成する材料の溶解液の油滴表面への吸着性を持たせるため、各種処理によって表面改質されていてもよい。具体的には、例えばシラン系、チタネート系、アルミネート系のカップリング剤による表面処理や、各種界面活性剤による表面処理、ポリマーによるコーティング処理が挙げられる。
油滴の表面に吸着した分散剤は、トナー粒子形成後もそのまま残留するため、分散剤として樹脂の微粒子を用いた場合には、樹脂の微粒子で表面が被覆されたトナー粒子を形成することができる。このとき、微粒子の粒径は、個数平均粒子径で30nm以上、300nm以下であることが好ましい。より好ましくは、50nm以上、100nm以下である。微粒子の粒径が小さ過ぎる場合、造粒時の油滴の安定性が低下する傾向にある。大き過ぎる場合は、油滴の粒径を所望の大きさに制御することが困難になる。
また、微粒子の配合量は、上記トナー粒子を構成する材料の溶解液中に含まれる固形分量100質量部に対して3.0質量部以上、15.0質量部以下であることが好ましく、油滴の安定性や所望する粒径に合わせて適宜調整することができる。
本発明の製造方法に使用するトナー粒子の製造において、上記分散剤を液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素中に分散させる方法は、如何なる方法を用いてもよい。具体例としては、上記分散剤と液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を容器内に仕込み、撹拌や超音波照射により直接分散させる方法が挙げられる。また、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を仕込んだ容器に、上記分散剤を有機溶媒に分散させた分散液を、高圧ポンプを用いて導入する方法が挙げられる。
また、上記トナー粒子を構成する材料の溶解液を、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素からなる分散媒体中に分散させる方法は、いかなる方法を用いてもよい。具体例としては、上記分散剤を分散させた状態の液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を入れた容器に、上記樹脂溶解液を、高圧ポンプを用いて導入する方法が挙げられる。また、上記樹脂溶解液を仕込んだ容器に、上記分散剤を分散させた状態の液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を導入してもよい。
上記した液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素による分散媒体は、単一相であることが好ましい。上記トナー粒子を構成する材料の溶解液を液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素中に分散させて造粒を行う場合、油滴中の有機溶媒の一部は分散体中に移行する。このとき、二酸化炭素を含む相の他に、有機溶剤の相が分離した状態で存在することは、油滴の安定性が損なわれる原因となり好ましくない。したがって、上記分散媒体の温度や圧力、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素に対する上記溶解液の量は、二酸化炭素と有機溶媒とが均一相を形成し得る範囲内に調整することが好ましい。
また、上記分散媒体の温度および圧力については、造粒性(油滴形成のし易さ)や上記樹脂溶解液中の構成成分の上記分散媒体への溶解性にも注意が必要である。例えば、上記樹脂溶解液中の樹脂やワックスは、温度条件や圧力条件によっては、上記分散媒体に溶解することがある。通常、低温、低圧になるほど上記成分の分散媒体への溶解性は抑制されるが、形成した油滴が凝集・合一を起こし易くなり、造粒性は低下する。一方、高温、高圧になるほど造粒性は向上するものの、上記成分が上記分散媒体に溶解し易くなる傾向を示す。
さらに、上記分散媒体の温度については、結晶性ポリエステル成分の結晶性が損なわれないよう、結晶性ポリエステル成分の融点よりも低い温度でなければならない。
したがって、本発明のトナー粒子の製造において、上記分散媒体の温度は20℃以上、
結晶性ポリエステル成分の融点未満の温度範囲であることが好ましい。
また、上記分散媒体を形成する容器内の圧力は、3MPa以上、20MPa以下であることが好ましく、5MPa以上、15MPa以下であることがより好ましい。尚、本発明における圧力とは、分散媒体中に二酸化炭素以外の成分が含まれる場合には、その全圧を示す。
本発明における分散媒体中の二酸化炭素の質量分率は、通常70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
こうして造粒が完了した後、油滴中に残留している有機溶媒を、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素による分散媒体を介して除去する。具体的には、油滴が分散された上記分散媒体にさらに液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を混合して、残留する有機溶媒を二酸化炭素の相に抽出し、この有機溶媒を含む二酸化炭素を、さらに液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素で置換することによって行う。
上記分散媒体と上記液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素の混合は、上記分散媒体に、これよりも高圧の液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を加えてもよく、また、上記分散媒体を、これよりも低圧の液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素中に加えてもよい。
そして、有機溶媒を含む二酸化炭素をさらに液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素で置換する方法としては、容器内の圧力を一定に保ちつつ、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を流通させる方法が挙げられる。このとき、形成されるトナー粒子は、フィルターで補足しながら行う。
上記液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素による置換が十分でなく、分散媒体中に有機溶媒が残留した状態であると、得られたトナー粒子を回収するために容器を減圧する際、上記分散媒体中に溶解した有機溶媒が凝縮してトナー粒子が再溶解したり、トナー粒子同士が合一したりするといった不具合が生じる場合がある。したがって、上記液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素による置換は、有機溶媒が完全に除去されるまで行う必要がある。流通させる液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素の量は、上記分散媒体の体積に対して1倍以上、100倍以下が好ましく、さらに好ましくは1倍以上、50倍以下、最も好ましくは1倍以上、30倍以下である。
容器を減圧し、トナー粒子が分散した液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素を含む分散体からトナー粒子を取り出す際は、一気に常温、常圧まで減圧してもよいが、独立に圧力制御された容器を多段に設けることによって段階的に減圧してもよい。減圧速度は、トナー粒子が発泡しない範囲で設定することが好ましい。
尚、本発明において使用する有機溶媒や、液体あるいは超臨界状態の二酸化炭素は、リサイクルすることが可能である。
上記無機微粉体としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体またはそれらの複合酸化物微粉体の如き微粉体が挙げられる。これらの無機微粉体の中でも、シリカ微粉体および酸化チタン微粉体が好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカまたはヒュームドシリカ、および水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。無機微粉体としては、表面およびシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2−の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他の如き金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって製造された、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体であっても良い。
また、無機微粉体としては、無機微粉体自体が疎水化処理されることによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粉体が用いられることがより好ましい。トナーに外添され
た無機微粉体が吸湿すると、トナーとしての帯電量が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなる。
無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で或いは併用して用いられても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したシリコーンオイル処理された疎水化処理無機微粉体が高湿環境下でもトナーの帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上でよい。
上記無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上、4.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、3.5質量部以下である。0.1質量部未満では、トナーの流動性改良およびトナーの帯電均一化が発揮され難い傾向にある。また、4.0質量部より多いと、過剰な無機微粉体が種々の部材を汚染し易くなる。
さらに、得られたトナーの重量平均粒子径(D4)と個数平均粒子径(D1)の比(D4/D1)は、1.25以下であることが好ましい。より好ましくは1.20以下である。
<トナーの重量平均粒径(D4)、及び個数平均粒径(D1)の測定方法>
本発明において、トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機
能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の、液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてト尚分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
本発明において、トナー組成物、加熱保持物、トナー組成物に含まれる結晶性ポリエステル、ブロックポリマーの最大吸熱ピークのピーク温度(Tp)は、示査走査熱量計DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度 :10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、一回測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。そのときの最大吸熱ピークのピーク温度をTpとする。ここで、最大吸熱ピークとは、ピークが複数あった場合に、吸熱量が最大となるピークのことである。さらに、最大吸熱ピークのピーク高さに対し、半分の高さにおける温度幅を半値幅とする。
本発明において、用いられるブロックポリマーにおける結晶性ポリエステルの含有量(質量基準)は、1H−NMRにより、以下の条件にて測定する。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料(ブロックポリマー)50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて測定試料を調製する。当該測定試料を上記条件にて測定し、1H−NMRチャートを得る。得られた1H−NMRチャートより、結晶性ポリエステルの構成要素に帰属されるピークの中から、他の構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S1を算出する。同様に、非晶性部位の構成要素に帰属されるピークの中から、他の構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S2を算出する。結晶性ポリエステルの含有量は、上記積分値S1および積分値S2を用いて、以下のようにして求める。尚、n1、n2は、着眼したピークが帰属される構成要素に於ける水素の数である。
結晶性ポリエステルの含有量(質量%)={(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2))}×100
本発明において、用いられる非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示査走査熱量計DSC Q1000(TA Instruments社製)を用いて以下の条件にて測定する。
測定モード:モジュレーションモード
昇温速度:2℃/min
モジュレーション温度振幅:±0.6℃/min
周波数:1回/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:150℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、リファレンスとして空の銀製のパンを用い、測定する。測定は1回のみで、得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインとの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度とする。
本発明において、用いられるワックスの融点は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約2mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、リファレンスとして空の銀製のパンを用い、測定する。測定は、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃から200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを示す温度をワックスの融点とする。上記最大吸熱ピークとは、ピークが複数存在する場合には、最も吸熱量の大きいピークをいう。
本発明において、樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
(1)測定試料の作製
樹脂(試料)とTHFとを約0.5乃至5mg/ml(例えば約5mg/ml)の濃度で混合し、室温にて数時間(例えば5乃至6時間)放置した後、充分に振とうし、THFと試料を試料の合一体がなくなるまで良く混ぜた。さらに、室温にて12時間以上(例えば24時間)静置した。この時、試料とTHFの混合開始時点から、静置終了の時点までの時間が24時間以上となるようにした。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45乃至0.5μm、マイショリディスクH−25−2[東ソー社製]、エキクロディスク25CR[ゲルマン サイエンスジャパン社製]が好ましく利用できる。)を通過させたものをGPCの試料とした。
(2)試料の測定
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度に於けるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.5乃至5mg/mlに調整した樹脂のTHF試料溶液を50乃至200μl注入して測定した。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical
Co.製或いは東洋ソーダ工業社製の、分子量が6.0×102、2.1×103、4.0×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2.0×106、4.48×106のものを用いた。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
尚、カラムとしては、1×103乃至2×106の分子量領域を適確に測定する為に、市販のポリスチレンゲルカラムを下記のように複数組み合わせて用いた。本発明における、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
装置:LC−GPC 150C(ウォーターズ社製)
カラム:ショウデックスKF801、802、803、804、805、806、807(昭和電工株式会社製)の7連
カラム温度:40℃
移動相:THF(テトラヒドロフラン)
本発明において、樹脂微粒子の粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用い、0.001μm乃至10μmのレンジ設定で測定を行い、個数平均粒子径(μmまたはnm)として測定する。尚、希釈溶媒としては水を選択する。
<結晶性ポリエステル1の合成>
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・セバシン酸 136.8質量部
・1,4−ブタンジオール 63.2質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性ポリエステル1を合成した。得られた結晶性ポリエステル1は、Mnが4,900、Mwが11,300、Tpが66℃であった。
結晶性ポリエステル1の合成において、原料の仕込みを以下のように変えた以外はすべて同様にして、結晶性ポリエステル2を合成した。得られた結晶性ポリエステル2は、Mnが5,000、Mwが11,500、Tpが61℃であった。
・セバシン酸 112.5質量部
・アジピン酸 22.0質量部
・1,4−ブタンジオール 65.5質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
結晶性ポリエステル1の合成において、原料の仕込みを以下のように変えた以外はすべて同様にして、結晶性ポリエステル3を合成した。得られた結晶性ポリエステル3は、Mnが4,900、Mwが10,800、Tpが74℃であった。
・テトラデカン二酸 135.0質量部
・1,6−ヘキサンジオール 65.0質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
30.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
34.0質量部
・テレフタル酸 30.0質量部
・フマル酸 6.0質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
減圧操作により系内を窒素置換した後、215℃にて5時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、非晶性ポリエステルである非晶性樹脂1を得た。得られた非晶性樹脂1は、Mnが2,200、Mwが9,800、Tgが60℃であった。
非晶性樹脂1の合成において、原料の仕込みを以下のように変えた以外はすべて同様にして、非晶性樹脂2を得た。得られた非晶性樹脂2は、Mnが7,200、Mwが43,000、Tgが63℃であった。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
30.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
33.0質量部
・テレフタル酸 21.0質量部
・無水トリメリット酸 1.0質量部
・フマル酸 3.0質量部
・ドデセニルコハク酸 12.0質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
・結晶性ポリエステル1 210.0質量部
・キシリレンジイソシアネート 56.0質量部
・シクロヘキサンジメタノール 34.0質量部
・テトラヒドロフラン 300.0質量部
攪拌装置および温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら上記を仕込んだ。50℃まで加熱し、15時間かけてウレタン化反応を施した。その後、ターシャリーブチルアルコール3.0質量部を添加し、イソシアネート末端を修飾した。溶媒であるTHFを留去し、ブロックポリマー1を得た。得られたブロックポリマー1は、Mnが15,900、Mwが33,700、Tpが58℃であった。また、1H−NMR測定の結果から算出したブロックポリマー1中の結晶性ポリエステルの割合は、70質量%であった。
・結晶性ポリエステル2 165.0質量部
・非晶性樹脂1 135.0質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
攪拌装置および温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら上記を仕込んだ。200℃まで加熱し、5時間かけてエステル化反応を施し、ブロックポリマー2を得た。得られたブロックポリマー2は、Mnが18,700、Mwが71,100、Tpが52℃であった。また、1H−NMR測定の結果から算出したブロックポリマー2中の結晶性ポリエステルの割合は、55質量%であった。
攪拌装置を備えたビーカーに、アセトン500.0質量部、ブロックポリマー1、500.0質量部を投入し、完全に溶解するまで攪拌を続け、ブロックポリマー樹脂溶液1を調製した。
攪拌装置を備えたビーカーに、メチルエチルケトン500.0質量部、ブロックポリマー2、500.0質量部を投入し、完全に溶解するまで攪拌を続け、ブロックポリマー樹脂溶液2を調製した。
・結晶性ポリエステル3 115.0質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5.0質量部
・イオン交換水 180.0質量部
以上の各成分を混合し100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、個数平均粒径が200nm、固形分量が40質量%の結晶性ポリエステル分散液1を得た。
結晶性ポリエステル分散液1の調製において、結晶性ポリエステル3を非晶性樹脂2に変えた以外はすべて同様にして、非晶性樹脂分散液1を調製した。
滴下漏斗を備えた二口フラスコを加熱乾燥し、ノルマルヘキサン870.0質量部を仕込んだ。別のビーカーに、ノルマルヘキサン42.0質量部、ベヘニルアクリレート(炭素数22個の直鎖アルキル基を有するアルコールのアクリレート)52.0質量部、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル0.3質量部を仕込み、20℃にて攪拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下漏斗に導入した。
反応容器を窒素置換した後、密閉下、40℃にて1時間かけて単量体溶液を滴下した。滴下終了から3時間攪拌を続け、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル0.3質量部およびノルマルヘキサン42.0質量部の混合物を再度滴下し、40℃にて3時間攪拌を行った。
その後、室温まで冷却し、個数平均粒径200nm、固形分量20質量%の樹脂微粒子分散液1を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に下記の単量体を仕込み、窒素雰囲気下、温度67℃に昇温して、撹拌しながら1時間反応を行った。
・プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールの40:50:10(モル基準)混合物と、テレフタル酸、イソフタル酸の等モル混合物から得られた、数平均分子量約2000のポリエステルジオール: 127.2質量部
・プロピレングリコール : 49.3質量部
・ジメチロールプロパン酸 : 62.3質量部
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム
: 5.2質量部
・イソホロンジイソシアネート: 57.1質量部
・アセトン : 60.0質量部
次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート218.0質量部を添加し、さらに温度67℃で、30分反応させた後、冷却した。これに100.0質量部のアセトンを追加した後、さらにトリエチルアミン70.0質量部を投入した。
上記アセトン溶液を、イオン交換水1000質量部に500rpmで撹拌しながら滴下し、微粒子分散液を調製した。次いで、10%アンモニア水100.0質量部にエチレンジアミン50.0質量部を溶解させた水溶液を投入し、温度50℃で、8時間反応させることにより、伸長反応を行った。
その後、室温まで冷却し、イオン交換水を添加して、個数平均粒径180nm、固形分量20質量%の樹脂微粒子分散液2を得た。
・C.I.Pigment Blue15:3 100.0質量部
・アセトン 150.0質量部
・ガラスビーズ(1mm) 300.0質量部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分散を行い、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、着色剤分散液1を得た。
・C.I.Pigment Blue15:3 45.0質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5.0質量部
・イオン交換水 200.0質量部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分散を行い、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、着色剤分散液2を得た。
・カルナウバワックス(融点81℃) 16.0質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂(スチレン65.0質量部、n−ブチルアクリレート35.0質量部、アクリロニトリル10.0質量部、ピーク分子量8500)
8.0質量部
・アセトン 76.0質量部
上記を撹拌羽根突きのガラスビーカー(IWAKIガラス製)に投入し、系内を70℃に加熱することでカルナウバワックスをアセトンに溶解させた。
次いで、系内を50rpmで緩やかに撹拌しながら徐々に冷却し、3時間かけて25℃にまで冷却させ乳白色の液体を得た。この溶液を1mmのガラスビーズ20.0質量部とともに耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカーにて3時間の分散を行い、ワックス分
散液1を得た。
上記ワックス分散液1中のワックス粒子径をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)にて測定したところ、個数平均粒子径で200nmであった。
・パラフィンワックスHNP10(融点:75℃、日本精蝋社製) 45.0質量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5.0質量部
・イオン交換水 200.0質量部
以上を混合し95℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、個数平均粒径が200nm、固形分量が25質量%のワックス分散液2を得た。
(トナー粒子の製造工程)
図1の装置において、まず、バルブV1、V2、および圧力調整バルブV3を閉じ、トナー粒子を補足するためのフィルターと撹拌機構とを備えた耐圧の造粒タンクT1に樹脂微粒子分散液1を仕込み、内部温度を30℃に調整した。次に、バルブV1を開き、ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素(純度99.99%)を造粒タンクT1に導入し、内部圧力が5MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。
一方、樹脂溶解液タンクT2にブロックポリマー樹脂溶液1、ワックス分散液1、着色剤分散液1、アセトンを仕込み、内部温度を30℃に調整した。
次に、バルブV2を開き、造粒タンクT1の内部を2000rpmで撹拌しながら、ポンプP2を用いて樹脂溶解液タンクT2の内容物を造粒タンクT1内に導入し、すべて導入を終えたところでバルブV2を閉じた。導入後の、造粒タンクT1の内部圧力は8MPaとなった。
尚、各種材料の仕込み量(質量比)は、次の通りである。
・ブロックポリマー樹脂溶液1 160.0質量部
・ワックス分散液1 62.5質量部
・着色剤分散液1 12.5質量部
・アセトン 35.0質量部
・樹脂微粒子分散液1 37.5質量部
・二酸化炭素 320.0質量部
導入した二酸化炭素の質量は、二酸化炭素の温度(30℃)、および圧力(8MPa)から、二酸化炭素の密度を下記文献に記載の状態式より算出し、これに造粒タンクT1の体積を乗じることにより算出した。(Journal of Physical and
Chemical Refarence data、vol.25、P.1509−1596)
樹脂溶解液タンクT2の内容物の造粒タンクT1への導入を終えた後、さらに、2000rpmで3分間撹拌して造粒を行った。
次に、バルブV1を開き、ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素を造粒タンクT1内に導入した。この際、圧力調整バルブV3を10MPaに設定し、造粒タンクT1の内部圧力を10MPaに保持しながら、さらに二酸化炭素を流通させた。この操作により、造粒後の液滴中から抽出された有機溶媒(主にアセトン)を含む二酸化炭素を、溶剤回収タンクT3に排出し、有機溶媒と二酸化炭素を分離した。
造粒タンクT1内への二酸化炭素の導入は、最初に造粒タンクT1に導入した二酸化炭素質量の5倍量に到達した時点で停止した。この時点で、有機溶媒を含む二酸化炭素を、有機溶媒を含まない二酸化炭素で置換する操作は完了した。
さらに、圧力調整バルブV3を少しずつ開き、造粒タンクT1の内部圧力を大気圧まで減圧することで、フィルターに補足されているトナー粒子1を得た。
(アニール処理工程)
[工程(A)]
得られたトナー粒子1のDSC測定を行い、最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度(Tp1)を求めたところ、58℃であった。また、ピーク(P1)の半値幅は4.9℃であった。
アニール処理は、恒温乾燥器(佐竹化学製41−S5)を用いて行った。まず、恒温乾燥器の内部温度を48℃に調整した。次いで、上記トナー粒子1を、ステンレス製バットに均等になるように広げて入れ、これを前記恒温乾燥器に入れて4時間静置した後、取り出した。
こうして、温度(T1)48℃で、時間(t1)を4時間とするアニール処理を行った。
[工程(B)]
上記アニール処理を完了した後、トナー粒子1の一部を抜き取ってDSC測定を行い、最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度(Tp2)を求めたところ、60℃であった。また、ピーク(P2)の半値幅は3.4℃であった。
恒温乾燥器の内部温度を56℃に昇温し、上記トナー粒子1を入れたステンレス製バットを再度恒温乾燥器に入れて8時間静置した後、取り出した。
こうして、温度(T2)56℃で、さらに時間(t2)を8時間とするアニール処理を行い、アニール処理されたトナー粒子1を得た。
(トナーの調製工程)
上記アニール処理されたトナー粒子1、100.0質量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで処理された疎水性シリカ微粉体1.8質量部(個数平均一次粒子径:7nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.15質量部(個数平均一次粒子径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて5分間乾式混合して、トナー1を得た。得られたトナー1の特性を表1に示す。
実施例1において、アニール処理工程(A)における温度(T1)、および時間(t1)を表1に示す条件に変更し、アニール処理工程(B)を行わなかった以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー2および3を得た。得られたトナー2および3の特性を表1に示す。
実施例1において、アニール処理工程(A)における温度(T1)、およびアニール処理工程(B)における温度(T2)を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー4乃至8を得た。得られたトナー4乃至8の特性を表1に示す。
実施例1において、アニール処理工程(B)における温度(T2)を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー9乃至13を得た。得られたトナー9乃至13の特性を表1に示す。
実施例1において、アニール処理工程(A)における時間(t1)、およびアニール処理工程(B)における温度(T2)を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー14乃至18を得た。得られたトナー14乃至18の特性を表1に示す。
実施例1において、アニール処理工程(B)における時間(t2)を表1に示す条件に
変更した以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー19乃至23を得た。得られたトナー19乃至23の特性を表1に示す。
トナー粒子の製造を以下の要領で行って、トナー粒子2を得た。
得られたトナー粒子2を用い、実施例1のアニール処理工程(A)における温度(T1)、およびアニール処理工程(B)における温度(T2)を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー24を得た。得られたトナー24の特性を表1に示す。
(トナー粒子の製造工程)
[油相の調製]
・ブロックポリマー樹脂溶液2 154.0質量部
・ワックス分散液1 62.5質量部
・着色剤分散液1 20.0質量部
・トリエチルアミン 0.5質量部
・酢酸エチル 13.0質量部
上記材料を容器内に投入し、ホモディスパー(特殊機化工業(株)社製)を用いて、回転数5000rpmで10分間撹拌および分散することにより、トナー粒子を構成する材料の溶解液を調製した。
[水相の調製]
容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊機化社製)を用いて回転数5000rpmで1分間撹拌し、水相を調製した。
・イオン交換水 225.5質量部
・樹脂微粒子分散液2 25.0質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業製) 25.0質量部
・酢酸エチル 30.0質量部
[乳化・脱溶剤]
上記水相中に上記油相を投入し、TKホモミクサー(特殊機化社製)を用いて回転数8000rpmで1分間撹拌してトナー粒子を構成する材料の溶解液を懸濁させ、液滴を形成した。
次いで、容器に撹拌羽をセットし、200rpmで撹拌しながら系内の温度を40℃に昇温し、且つ500mmHgに減圧した状態で3時間かけて脱溶剤を行った。
冷却後、分散液のpHが1.5になるまで0.2モル/リットルの塩酸水溶液を加え、さらに30分間撹拌を続けた後、ろ過し、水洗および乾燥してトナー粒子2を得た。得られたトナー粒子2の、DSC測定による最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度(Tp1)は52℃、半値幅は5.2℃であった。
実施例18において、アニール処理工程(A)における温度(T1)、および時間(t1)を表1に示す条件に変更し、アニール処理工程(B)を行わなかった以外は、実施例18とすべて同様にして、トナー25を得た。得られたトナー25の特性を表1に示す。
トナー粒子の製造を以下の要領で行って、トナー粒子3を得た。
得られたトナー粒子3を用い、実施例1のアニール処理工程(A)における温度(T1)、およびアニール処理工程(B)における温度(T2)を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1とすべて同様にして、トナー26を得た。得られたトナー26の特性を表1に示す。
(トナー粒子の製造工程)
・結晶性ポリエステル分散液1 63.7質量部
・非晶性樹脂分散液1 148.8質量部
・着色剤分散液2 27.8質量部
・ワックス分散液2 55.6質量部
・ポリ塩化アルミニウム 0.41質量部
以上の各成分を丸型ステンレス製フラスコ中に仕込み、ウルトラタラックスT50(IKA社製)で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36質量部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら47℃まで加熱し、この温度で60分間保持した後、ここに樹脂微粒子分散液1、37.5質量部を緩やかに追加した。その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.4にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、吸引濾過により固液分離を施した。さらに、これを40℃のイオン交換水3Lに再分散し、300rpmで15分間攪拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが7.0になったところで、吸引濾過により固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続し、トナー粒子3を得た。得られたトナー粒子3の、DSC測定による最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度(Tp1)は63℃、半値幅は5.8℃であった。
実施例19において、アニール処理工程(A)における温度(T1)、および時間(t1)を表1に示す条件に変更し、アニール処理工程(B)を行わなかった以外は、実施例19とすべて同様にして、トナー27を得た。得られたトナー27の特性を表1に示す。
(トナーの調製工程)
実施例1のトナー粒子の製造工程で得られたトナー粒子1を用い、実施例1と同様にして疎水性シリカ微粉体とルチル型酸化チタン微粉体を混合し、トナー粒子1に無機微粒子が外添されたトナーを得た。
(アニール処理工程)
[工程(A)]
得られたトナー粒子1に無機微粒子が外添されたトナーのDSC測定を行い、最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度(Tp1)を求めたところ、58℃であった。また、ピーク(P1)の半値幅は4.9℃であった。
該トナーについて、実施例1と同じ要領で、恒温乾燥器の内部温度を48℃に調整して、温度(T1)48℃で、時間(t1)を4時間とするアニール処理を行った。
[工程(B)]
上記アニール処理を完了した後、トナーの一部を抜き取ってDSC測定を行い、最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度(Tp2)を求めたところ、60℃であった。また、半値幅は3.4℃であった。
実施例1と同じ要領で、恒温乾燥器の内部温度を56℃に昇温して、温度(T2)56℃で、さらに時間(t2)を8時間とするアニール処理を行った。
こうして、アニール処理されたトナー28を得た。得られたトナー28の特性を表1に示す。
実施例20において、アニール処理工程(A)における温度(T1)、およびアニール処理工程(B)における温度(T2)を表1に示す条件に変更した以外は、実施例20とすべて同様にして、トナー29乃至32を得た。得られたトナー29乃至32の特性を表1に示す。
こうして得られたトナー1乃至32について、それぞれ、常温常湿環境下(23℃、60%RH)に24時間放置したもの、および40℃、95%RHの苛酷環境下に60日間放置したものを用意し、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(耐熱保存性)
常温常湿環境下(23℃、60%RH)に24時間放置した各トナー、および40℃、95%RHの苛酷環境下に60日間放置した各トナー約10gを100mlのポリカップに入れ、50℃および55℃に調整された恒温槽にて3日間放置した後、目視で評価した。
耐熱保存性の評価基準は以下のとおりである。尚、下記A、B、Cは問題なし。下記D、Eは実用上問題を生じる。
A:まったく凝集物は確認されず、初期とほぼ同様の状態である。
B:若干凝集気味であるが、ポリカップを軽く5回振る程度で崩れる状態である。
C:凝集気味であるが、指でほぐすと簡単にほぐれる状態である。
D:凝集が激しく、実使用上問題が生じるレベルである。
E:固形化しており、使用できない。
常温常湿環境下(23℃、60%RH)に24時間放置した各トナーについて、市販のキヤノン製プリンターLBP5300を使用し、低温定着性の評価を行った。
LBP5300は、一成分接触現像を採用しており、トナー規制部材によって現像担持体上のトナー量を規制している。評価用カートリッジは、市販のカートリッジ中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、上記トナーを充填したものを使用した。上記カートリッジを、シアンステーションに装着し、その他にはダミーカートリッジを装着した。次いで、厚紙A4用紙(「プローバーボンド紙」:105g/m2、フォックスリバー社製)上に未定着のトナー画像(単位面積あたりのトナー載り量0.6mg/cm2)を形成した。
市販のキヤノン製プリンターLBP5900の定着器を、手動による定着温度設定が可能となるように改造し、定着器の回転速度を245mm/sに、ニップ内圧力を98kPaに変更した。この改造定着器を用い、常温常湿環境下(23℃、60%RH)にて、80℃から180℃の範囲で5℃ずつ定着温度を上昇させながら、上記未定着画像の各温度における定着画像を得た。
得られた定着画像の画像領域に、柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業社製)を被せ、前記薄紙の上から4.9kPaの荷重をかけつつ5往復摺擦した。
摺擦前後の画像濃度をそれぞれ測定して、下記式により画像濃度の低下率ΔD(%)を算出し、このΔD(%)が10%以下となる温度を定着開始温度とした。
画像濃度は、カラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A:製造元 X−Rite社製)で測定した。
ΔD(%)=(摺擦前の画像濃度−摺擦後の画像濃度)/摺擦前の画像濃度×100
低温定着性の評価基準は以下のとおりである。尚、下記A、B、Cは問題なし。下記D、Eは実用上問題を生じる。
A:定着開始温度が100℃未満(低温定着性能が特に優れている)
B:定着開始温度が100℃以上110℃未満(低温定着性能が優れている)
C:定着開始温度が110℃以上120℃未満(低温定着性能が問題ないレベルである)
D:定着開始温度が120℃以上130℃未満(低温定着性能がやや劣る)
E:定着開始温度が130℃以上(低温定着性能が劣る)
常温常湿環境下(23℃、60%RH)に24時間放置した各トナーについて、上記低温定着性の評価において使用した紙を普通紙A4用紙(「オフィスプランナー」:64g/m2、キヤノン製)に変更し、同様の手順で定着を行って各温度における定着画像を得た。
得られた定着画像について、定着器の2周目部における前周期トナーによるオフセットの有無を目視にて観察し、オフセットが見られた温度より低い温度の最高温度を定着上限温度と判断した。なお、180℃までオフセットが発生しなかったものに関しては、180℃を定着上限温度とした。
上記低温定着性の定着開始温度と定着上限温度の差(定着上限温度−定着開始温度)を定着可能温度領域とし、以下の評価基準にしたがって耐ホットオフセット性の評価を行った。尚、下記A、B、Cは問題なし。下記D、Eは実用上問題を生じる。
A:定着可能温度領域が50℃以上
B:定着可能温度領域が40℃以上45℃以下
C:定着可能温度領域が30℃以下35℃以下
D:定着可能温度領域が20℃以上25℃以下
E:定着可能温度領域が15℃以下
40℃、95%RHの苛酷環境下に60日間放置した各トナーについて、画像濃度の評価を以下の要領で行った。
上記評価機および上記カートリッジを用い、常温常湿環境下(23℃、60%)にて、キヤノン製カラーレーザーコピア用紙上に、ベタ画像でトナー載り量が0.35mg/cm2になるように調整し、定着後の画像を作製した。
作製された画像の濃度を、X−rite社製 反射濃度計(500 Series Spectrodensitemeter)を用いて評価した。
評価基準は以下のとおりである。尚、下記A、B、Cは問題なし。下記D、Eは実用上問題を生じる。
A:反射濃度 1.50以上
B:反射濃度 1.45以上1.50未満
C:反射濃度 1.40以上1.45未満
D:反射濃度 1.30以上1.40未満
E:反射濃度 1.30未満
T2 樹脂溶解液タンク
T3 溶剤回収タンク
B1 二酸化炭素ボンベ
P1、P2 ポンプ
V1、V2 バルブ
V3 圧力調整バルブ
Claims (5)
- 結晶性ポリエステルを含む結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有するトナー組成物を加熱保持する工程を含むトナーの製造方法であって、
前記トナー組成物は、前記結晶性ポリエステルを有機溶媒中に溶解させる工程、及び、前記結晶性ポリエステルの融点以上に加熱する工程の少なくとも一方の工程を経て製造された組成物であり、
前記結晶性ポリエステルは、示差走査熱量測定における最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上、80℃以下であり、
前記加熱保持する工程は、前記トナー組成物を、下記式(1)で表される温度T1(℃)条件下にて加熱保持する工程(A)、及び、
Tp1−20≦T1≦Tp1−5・・・(1)
(式中、Tp1は、前記トナー組成物の示差走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P1)のピーク温度を示す)
前記工程(A)で得られた加熱保持物を、前記温度T1(℃)よりも高く、且つ、下記式(2)で表される温度T2(℃)条件下にて加熱保持する工程(B)、
Tp2−10≦T2≦Tp2−2・・・(2)
(式中、Tp2は、前記工程(A)で得られた加熱保持物の示差走査熱量測定における最大吸熱ピーク(P2)のピーク温度を示す)
を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記結着樹脂が、前記結晶性ポリエステルを50質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記工程(A)における加熱保持時間(t1)が、1時間以上、10時間以下であり、前記工程(B)における加熱保持時間(t2)が、2時間以上、20時間以下であり、且つ、加熱保持の合計時間(t1+t2)が、5時間以上、24時間以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 前記結着樹脂が、前記結晶性ポリエステルと結晶構造をとらない樹脂を結合したブロックポリマーを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記ブロックポリマーが、前記結晶性ポリエステルと前記結晶構造をとらない樹脂をウレタン結合で結合したブロックポリマーであることを特徴とする請求項4に記載のトナーの製造方法。
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