JP2012042071A - 給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンク内の下部に貯えられる湯温を低くすることが可能な第1沸き上げ温度及び第2沸き上げ温度を設定する給湯装置を提供する。
【解決手段】制御装置40は、沸き上げ運転を実施する際に、タンク10内に貯えるべき必要熱量に応じて第1沸き上げ温度T1を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度が予め定めた第1の所定温度Tst1以下である場合には、第1沸き上げ温度T1を算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を第1の所定温度Tst1よりも低温に定めた第2の所定温度Tst2に決定する。また、算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1よりも高温である場合には第1沸き上げ温度T1を第1の所定温度Tst1に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を必要熱量に応じて算出した温度に決定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ヒートポンプ式加熱装置によって加熱した湯をタンクに蓄え、出湯時に使用する給湯装置に関する。
特許文献1に記載の給湯装置は、ヒートポンプユニットにより第1沸き上げ温度で沸き上げた湯をタンクに上部から流入させる構造と、第1沸き上げ温度よりも低温の第2沸き上げ温度で沸き上げた湯をタンクに中間部から流入させる構造とを備え、これらのタンクへの流入経路を切り替える流路切替手段を備えている。タンク内には、浴槽の湯を加熱するための追い焚き用熱交換器が配置されており、第1沸き上げ温度で沸き上げられた湯は、タンク内部における追い焚き用熱交換器の周辺部位に流入し、第2沸き上げ温度で沸き上げられた湯は、タンク内部における追い焚き用熱交換器よりも下方に位置する部位に流入するようになっている。
これにより、追い焚き用熱交換器が配される部位よりも下方に第2沸き上げ温度の湯が流入するため、追い焚きするための熱量をタンクの上部に確保することができ、タンクからの放熱ロス低減、及びタンク全量を第1沸き上げ温度の湯で満たす場合に比べてエネルギー効率の低下防止を図っている。
特開2008−39339号公報
しかしながら、上記従来のヒートポンプ式給湯装置では、第1沸き上げ温度が十分に高温でない場合には、タンクからの出湯や、追い焚き時の熱交換によってタンク内の湯温が低下して中温水がタンク内に多く貯えられ、この中温化した湯を再沸き上げすることになる。また、第2沸き上げ温度があまり低温でない場合には、タンク内の中間部から下部にかけて中温水が貯えられ、この中温化した湯を再沸き上げすることがある。このような沸き上げ運転が行われると、ヒートポンプ式給湯装置のCOP(効率)が低下するので、エネルギー効率の点で好ましくない。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、タンク内に必要熱量を確保するとともに、タンク内の下部に貯えられる湯温を低くすることが可能な第1沸き上げ温度及び第2沸き上げ温度を設定する給湯装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の給湯装置に係る発明は、給湯に用いる給湯用水を貯えるタンク(10)と、タンク内の下側から取り出された給湯用水を加熱するヒートポンプ式加熱装置(20)と、タンク内の給湯用水と所定の外部流体とを熱交換させて当該外部流体を加熱する熱交換装置(72)と、ヒートポンプ式加熱装置によって第1沸き上げ温度に沸き上げられた湯をタンクの上部からタンク内に流入させる上部流入手段(21,22,24)と、ヒートポンプ式加熱装置によって第1沸き上げ温度よりも低温の第2沸き上げ温度に沸き上げられた湯を、外部流体と熱交換する給湯用水がタンク内に貯えられる部位よりも下方の部位に設定されるタンクの中間部(10c1)からタンク内に流入させる中間部流入手段(21,22,23,24,10c)と、第1沸き上げ温度及び第2沸き上げ温度を決定し、当該決定された温度を満たすようにヒートポンプ式加熱装置(20)の運転を制御するとともに、上部流入手段及び中間部流入手段の作動を制御する制御装置(40)と、を備え、
制御装置(40)は、ヒートポンプ式加熱装置による沸き上げ運転を実施する際に、
タンク内に貯えるべき必要熱量に応じて第1沸き上げ温度を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度が予め定めた第1の所定温度(Tst1)以下である場合には、第1沸き上げ温度を当該算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度を第1の所定温度(Tst1)よりも低温に定めた第2の所定温度(Tst2)に決定し、
当該算出した第1沸き上げ温度が第1の所定温度(Tst1)よりも高温である場合には第1沸き上げ温度を第1の所定温度(Tst1)に決定するとともに、第2沸き上げ温度を必要熱量に応じて算出した温度に決定することを特徴とする。
一般に、ヒートポンプ式加熱装置の効率は、沸き上げ運転時に加熱しようとする給湯用水の温度が上昇するにつれて低下する傾向にある。つまりヒートポンプ式加熱装置の効率は、タンク内に貯まった中温水化した湯を再度沸き上げた場合に低下する。そこで本発明によれば、当該必要熱量に応じて算出した第1沸き上げ温度が第1の所定温度以下である場合に、第1沸き上げ温度を当該算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度を低温の第2の所定温度に決定するため、タンク内の上部には必要熱量に対応した高温の湯を貯え、タンク内の下部側には予め低温に設定した湯を貯えることができる。逆に、算出した第1沸き上げ温度が第1の所定温度よりも高温である場合には第1沸き上げ温度を第1の所定温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度を必要熱量に応じて算出した温度に決定するため、タンク内の上部に貯えるために沸き上げる湯の温度を抑えてヒートポンプ式加熱装置の効率が低下することを抑制し、タンク内の下部側には必要熱量に対応した温度の湯を貯えることができる。したがって、タンク内に必要熱量を確保するとともに、タンク内の下部側に貯えられる湯温を低くすることが可能な第1沸き上げ温度及び第2沸き上げ温度を設定する給湯装置が得られるのである。
請求項2に記載の発明によると、第2の所定温度(Tst2)は、給湯装置の仕様によって予め定まる最低沸き上げ温度であることを特徴とする。この発明によれば、タンク内の下部側に貯えられる給湯用水の温度上昇を抑制することが可能であり、沸き上げ運転時にヒートポンプ式加熱装置によって沸き上げられる給湯用水の温度を極力低下させることが可能な給湯装置が得られる。
請求項3に記載の発明によると、第1の所定温度(Tst1)は、給湯装置の仕様によって予め定まる最高沸き上げ温度であることを特徴とする。この発明によれば、第1の所定温度が高く設定されるため、必要熱量が大きい場合でも第2沸き上げ温度を極力低温に決定することができるので、沸き上げ運転時にヒートポンプ式加熱装置によって沸き上げられる給湯用水の温度を極力低下させることが可能な給湯装置が得られる。
請求項4に記載の発明によると、熱交換装置(72)は、タンク(10)の内部に配置されており、タンクの中間部(10c1)は、当該熱交換装置(72)の配設位置よりも下方位置に配されていることを特徴とする。この発明によれば、決定した第1沸き上げ温度を満たす高温湯がタンク内の上部に供給されることにより、外部流体を加熱するための熱交換装置周辺における給湯用水の温度を高い温度に維持しつつ、タンク内の下部側には温度を抑えた低温の湯を満たすことができる給湯装置が得られる。
請求項5に記載の発明によると、熱交換装置(73)はタンク(10)の外部に配置されており、熱交換装置とタンクの内部とを連絡する回路(74)を備え、
タンクの中間部(10c1)は、タンク内の給湯用水が熱交換装置(73)へ向かう回路のタンク流出部(74a)よりも下方位置に配されていることを特徴とする。
この発明によれば、決定した第1沸き上げ温度を満たす高温湯がタンク内の上部に供給されることにより、外部流体を加熱するためのタンク流出部周辺における給湯用水の温度を高い温度に維持しつつ、タンク内の下部側には温度を抑えた低温の湯を満たすことができる給湯装置が得られる。
請求項6に記載の給湯装置に係る発明は、給湯に用いる給湯用水を貯えるタンク(10)と、タンク内の下側から取り出された給湯用水を加熱するヒートポンプ式加熱装置(20)と、タンク内に配され、タンク内の給湯用水と所定の外部流体とを熱交換させて当該外部流体を加熱する熱交換装置(72)と、ヒートポンプ式加熱装置によって沸き上げられた湯をタンクの上部からタンク内に流入させる上部流入手段(21,24)と、第1沸き上げ温度及び第1沸き上げ温度よりも低温の第2沸き上げ温度を決定し、当該決定された温度を満たすようにヒートポンプ式加熱装置(20)の運転を制御する制御装置(40)と、を備え、
制御装置(40)は、ヒートポンプ式加熱装置による沸き上げ運転を実施するときに、
タンク内に貯えるべき必要熱量に応じて第1沸き上げ温度を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度が予め定めた第1の所定温度(Tst1)以下である場合には、第1沸き上げ温度を算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度を第1の所定温度(Tst1)よりも低温に定めた第2の所定温度(Tst2)に決定し、
算出した第1沸き上げ温度が第1の所定温度(Tst1)よりも高温である場合には第1沸き上げ温度を第1の所定温度(Tst1)に決定するとともに、第2沸き上げ温度を必要熱量に応じて算出した温度に決定し、
上部流入手段(21,24)によって、前述の決定した第2沸き上げ温度に沸き上げた湯をタンク内に流入した後、前述の決定した第1沸き上げ温度に沸き上げた湯をタンク内に流入するようにヒートポンプ式加熱装置(20)の運転を制御することを特徴とする。
この発明によれば、タンクの上部から、先に第2沸き上げ温度に沸き上げた湯を供給した後、さらに第2沸き上げ温度よりも高温に決定される第1沸き上げ温度に沸き上げた湯を供給する。このため、タンク内において上部側に高温湯が存在し、下部側に低温湯が存在するようになる。したがって、タンク内に必要熱量を確保するとともに、タンク内の下部側に貯えられる湯温を低くすることが可能な給湯装置が得られるのである。
上記請求項1に記載の発明と同様に、当該必要熱量に応じて算出した第1沸き上げ温度が第1の所定温度以下である場合に、第1沸き上げ温度を当該算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度を低温の第2の所定温度に決定するため、タンク内の上部には必要熱量に対応した高温の湯を貯え、タンク内の下部側には予め低温に設定した湯を貯えることができる。逆に、算出した第1沸き上げ温度が第1の所定温度よりも高温である場合には第1沸き上げ温度を第1の所定温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度を必要熱量に応じて算出した温度に決定するため、タンク内の上部に貯えるために沸き上げる湯の温度を抑えてヒートポンプ式加熱装置の効率が低下することを抑制し、タンク内の下部側には必要熱量に対応した温度の湯を貯えることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示している。
本発明を適用する第1実施形態に係る給湯装置の構成を示す模式図である。 第1実施形態の給湯装置における沸き上げ運転の処理手順を示すフローチャートである。 図2のステップ1の演算における必要熱量と第1沸き上げ温度T1及び第2沸き上げ温度T2との関係を示す特性図である。 図2のステップ1の演算における第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2を決定する処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用する第2実施形態に係る給湯装置の構成を示す模式図である。 本発明を適用する第3実施形態に係る給湯装置の構成を示す模式図である。 第3実施形態の給湯装置における沸き上げ運転の処理手順を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明を適用する第1実施形態を以下に説明する。第1実施形態に係る給湯装置100の構成について図1を参照して説明する。図1は給湯装置100の構成を示した模式図である。
図1に示すように、給湯装置100は、このタンク10内の最下部の水をタンク10内に送る回路21及び分岐配管23を流れる水を加熱するヒートポンプ式加熱装置としてのヒートポンプユニット20と、給水管11aによってその最下部に水が供給されるタンク10、各種配管12,17,18、各種弁等を含むタンクユニットと、給湯装置100の作動を制御する制御装置40と、を備えている。タンクユニットとヒートポンプユニット20は、設置現場において一体化または離間して設置可能なように構成されている。また、浴槽82内の浴水(外部流体の一例)とタンク10内の湯との間で熱交換するように構成される追い焚き装置70により、追い焚き運転が行われる。
タンク10は、給湯に用いる給湯用水を貯える容器であって、耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器であり、外周部に図示しない断熱材が配置されており、給湯用の湯を長時間に渡って保温することができるようになっている。
タンク10は略円筒形形状であり、その底面に導入口10aが設けられている。この導入口10aにはタンク10内に水道水を供給する導入用流路としての導入管11が接続されている。この導入管11には給水サーミスタ51及び流量カウンタ(図示せず)が設けられている。給水サーミスタ51は導入管11内の温度を検出するための電気信号を制御装置40に出力し、流量カウンタは導入管11内の流量を検出するための電気信号を制御装置40に出力する。また、導入口10aの上流側には、導入管11を流れてくる水道水の水圧を所定圧に減圧するとともに、断水等における湯の逆流を防止する減圧逆止弁(図示せず)が設けられている。
また、導入管11には、導入口10aの上流側の部位から分岐する給水管11aが設けられている。給水管11aの下流端は、給湯用混合弁15及び風呂用混合弁16に繋がれている。
タンク10の最上部には高温導出口10bが設けられ、この高温導出口10bにはタンク10内に貯えられた給湯用の湯のうち、高温の湯を導出するための給湯用流路としての高温取出管12が接続されている。また、高温取出管12の経路途中には、逃がし弁(図示せず)が配設された排出配管が接続されており、タンク10内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、タンク10内の湯を外部に排出して、タンク10等にダメージを与えないようになっている。
タンクの中間部10c1には、中間部配管10cの一端が接続されており、中間部配管10cの他端は分岐配管23に接続されている。タンクの中間部10c1は、浴槽82内の浴水(外部流体の一例)と熱交換する給湯用水がタンク10内に貯えられる部位(図1に示すタンク10内における一点鎖線間の領域)よりも下方の部位に設けられている。
タンク10の外壁面には、給湯用水の貯湯量及び貯湯温度を検出するための貯湯温度検出手段としての複数(本例では7つ)のタンク水温サーミスタ55a〜55gが縦方向(タンク10の高さ方向)にほぼ等間隔に配置されている。タンク水温サーミスタ55a〜55gはタンク10内に満たされた給湯用水の各水位レベルでの温度信号を制御装置40に出力するようになっている。
タンク水温サーミスタ55a〜55gから送信される温度情報に基づいて、タンク10内上方の沸き上げられた温水とタンク内下方の沸き上げられる前の水との温度境界位置を検出することができ、これにより貯湯量が検出できるようになっている。例えば、あるタンク水温サーミスタの検出温度が貯湯熱量として使用できる所定温度を超えていた場合は、タンク10内の最上部からそのタンク水温サーミスタの位置までは給湯に使用できる湯が貯まっていることになる。
また、これらのタンク水温サーミスタ55a〜55gのうち、タンク水温サーミスタ55aは、タンク10内に設置されている追い焚き用熱交換器72(本願発明における熱交換装置の一例)よりも上方となる位置に設けられており、高温取出管12に吸入される高温の湯の温度であるタンク10内最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。タンク水温サーミスタ55bは追い焚き用熱交換器72の下端とほぼ同じ高さ、もしくは下方に配置されており、中間部配管10cから導出される湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
タンク10の下部には、タンク10内の最下部の給湯用水をヒートポンプユニット20側に吸入するための吸入口10dが設けられている。タンク10の上部には、ヒートポンプユニット20側から吐出された湯が内部に流入するための吐出口10eが設けられている。吸入口10dと吐出口10eとは回路21で接続されており、この回路21の一部はヒートポンプユニット20における水・冷媒熱交換器26の水側通路26bとなっている。回路21のうち、ヒートポンプユニット20内を通過した部分は、ヒートポンプユニット20で加熱された高温の湯をタンク10内に流入させる上部流入管として機能する。
回路21におけるヒートポンプユニット20と吐出口10eとの間には、ヒートポンプ出口三方弁22(以下、HP出口三方弁22と称する)が設けられている。HP出口三方弁22はヒートポンプユニット20で沸き上げられた湯をタンク10の吐出口10e側に流すか、分岐配管23に流すかを切り換える切換弁として機能する。HP出口三方弁22は、制御装置40に電気的に接続されており、タンク水温サーミスタ55a〜55gより検出される温度信号に基づいて制御される。
回路21から分岐する分岐配管23の他端は、中温用混合弁14に接続されている。分岐配管23は、途中で中間部配管10cに接続されている。分岐配管23のうち、中間部配管10cとの接続部位よりも上流側部位23aは、ヒートポンプユニット20によって加熱された湯を、中間部配管10cを介してタンク10内に流入させる中間流入管として機能する。分岐配管23のうち、中間部配管10cとの接続部位よりも下流側部位23bは、中間部配管10cを介して、中温の湯をタンク10内から流出させる中間流出管として機能する。
ヒートポンプユニット20は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用するヒートポンプサイクル20Aと、回路21中に設置された給水ポンプ24とから構成されている。超臨界のヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯を貯湯タンク10内に貯えることができる。
ヒートポンプサイクル20Aは、少なくとも電動式の圧縮機25、加熱用熱交換器である水・冷媒熱交換器26、電気式の膨張弁27、空気熱交換器28、及びアキュムレータ29の冷凍サイクル機能部品が配管で環状に接続されることにより形成されている。さらに、空気熱交換器28の近傍には、空気熱交換器28に対して強制風を提供する送風機28aが設けられている。
ヒートポンプユニット20は制御装置40からの制御信号により作動するとともに、その作動状態を操作盤41に表示するように構成されている。ヒートポンプユニット20は、主に料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用した圧縮機25の回転数制御により、タンク10内の給湯用水を沸き上げる沸き上げ運転を行うとともに、深夜時間帯以外の時間帯においても、タンク10内の貯湯熱量が不足してくると沸き上げ運転を行う。また、圧縮機25の回転数は、種々の運転条件下において規定の能力が出るように制御装置40により制御される。
膨張弁27は、水・冷媒熱交換器26から流出する高圧の冷媒を減圧する減圧手段であり、制御装置40によって弁開度が電気的に制御される。空気熱交換器28は、膨張弁27で減圧された冷媒を送風機28aによって送風される室外空気との熱交換によって蒸発気化させ、圧縮機25にガス冷媒を供給する。その送風機28aは、空気熱交換器28の熱交換性能を確保するように制御装置40によって回転数が制御される。アキュムレータ29は、空気熱交換器28から流出する冷媒を気液分離して、気相冷媒のみ圧縮機25に吸引させるとともに、サイクル中の余剰冷媒を貯える。
水・冷媒熱交換器26は、圧縮機25の吐出口より吐出された高温・高圧の冷媒によって水を加熱して湯とする熱交換器である。水・冷媒熱交換器26の冷媒側通路26aは、圧縮機25の吐出口より吐出された高圧のガス冷媒と水側通路26bを流れる給湯用水とを熱交換する冷媒流路管により構成されている。水・冷媒熱交換器26は、冷媒側通路26aと水側通路26bの対向する面とが熱交換可能に密着するように配置された二層構造となっている。水側通路26bは、冷媒側通路26aの冷媒入口部から冷媒出口部に至る冷媒流路の全長で冷媒と回路21を流通する水との熱交換が行われるように構成されている。そして、水側通路26bの出口部から所定の沸き上げ温度(65℃〜90℃程度)相当の温水を取り出した場合に、規定の熱交換性能を出せるように構成されている。
回路21の吸入口10dと水側通路26bとの間には、給水ポンプ24が配設されている。給水ポンプ24は、内蔵される電動モータによって回転駆動されて、沸き上げ運転時に、タンク10内の給湯用水を吸入口10dから吸入し、水側通路26b内で加熱した後タンク10の吐出口10eあるいは中間部配管10cに還流させるように作動する。給水ポンプ24は、水側通路26bの出口側水温が、種々の運転条件下において決定される所定の目標沸き上げ温度となるように制御装置40によって回転数が制御される。
回路21、ヒートポンプ出口三方弁22、及び給水ポンプ24は、本願発明の上部流入手段の一例であり、ヒートポンプユニット20によって第1沸き上げ温度T1に沸き上げられた湯をタンク10の上部からタンク10内に流入させる機能を備えている。回路21、ヒートポンプ出口三方弁22、分岐配管23、中間部配管10c、及び給水ポンプ24は、本願発明の中間部流入手段の一例であり、ヒートポンプユニット20によって第2沸き上げ温度T2に沸き上げられた湯を、外部流体と熱交換する給湯用水がタンク10内に貯えられる部位よりも下方の部位からタンク10内に流入させる機能を備えている。
入水温度サーミスタ31は水・冷媒熱交換器26に供給される給湯用水の温度を検出するための電気信号を出力する。沸き上げ温度サーミスタ32は水・冷媒熱交換器26出口での沸き上げ温度を検出するための電気信号を出力する。吐出冷媒温度サーミスタ33は圧縮機25から吐出される冷媒の温度を検出するための電気信号を出力する。出口冷媒温度サーミスタ34は水・冷媒熱交換器26出口での冷媒温度を検出するための電気信号を出力する。いずれのサーミスタ31〜34も電気信号を制御装置40に出力する。また、圧力センサ35は冷媒側通路26a出口での冷媒圧力を検出するための電気信号を制御装置40に出力する。
中温用混合弁14は、高温取出管12と分岐配管23との合流部位に設けられている。中温用混合弁14は、高温側の高温取出管12と、中温側の中間部配管10cに繋がる分岐配管23とのそれぞれの開口面積比を調節して、高温取出管12から取り出した高温の湯と中間部配管10cから取り出した中温の湯との混合比を調節することにより、給湯用配管17、給湯用混合弁15、風呂用混合弁16、風呂用配管18等に流通させる湯の温度を調節する温度調節弁である。
中温用混合弁14は、タンク水温サーミスタ55a〜55g、湯温サーミスタ52により検出される温度信号に基づいて制御装置40によって制御される。湯温サーミスタ52は、中温用混合弁14の出口側に設けられて、中温用混合弁14で混合された湯の温度を検出し、ここでは、湯温サーミスタ52で検出された温度が所定温度(例えば、操作盤41で使用者が設定する設定温度+2〜5℃程度)となるように、中間部配管10cから取り出した中温の湯をタンク10内の高温湯に混合させて当該所定温度に温度調節している。
湯温サーミスタ52は、中温用混合弁14の出口側に設けられて、中温用混合弁14で混合された湯の温度を検出する。中温用混合弁14の出口側には、給湯用流路としての給湯用配管17と、給湯用配管17から分岐する湯張り配管としての風呂用配管18とが接続されている。
給湯用配管17は、その下流端の端末としての給湯水栓81(カラン、シャワー等)へ設定温度に温度調節された湯を導く配管である。その流路の中途には温度調節手段としての給湯用混合弁15と温度検出手段としての給湯サーミスタ53とが設けられている。給湯サーミスタ53は給湯用混合弁15の下流側で給湯用配管17内の温度を検出するための電気信号を制御装置40に出力する。
風呂用配管18は、その下流端が浴槽82のアダプタ82aに接続されて、浴槽82内に湯張り、差し湯、たし湯等を行う時に、設定温度に温度調節された湯を導く配管である。その流路の中途には、風呂用混合弁16、風呂用サーミスタ54、湯張り用電磁弁61、湯張り用流量カウンタ62、逆止弁63、循環温サーミスタ56、フロースイッチ64、風呂三方弁65、追い焚きサーミスタ57が設けられている。
給湯用混合弁15、風呂用混合弁16は、それぞれ給湯用配管17、風呂用配管18の末端で出湯される湯の温度を調節する温度調節弁であり、それぞれの開口面積比(中温用混合弁14で温度調節された給湯用水側の開度と給水管11aから供給される給湯水側の開度の比率)を調節することで出湯される湯温を設定温度に調節する。
給湯用混合弁15、風呂用混合弁16の作動は、給水サーミスタ51、湯温サーミスタ52、給湯サーミスタ53、風呂用サーミスタ54が検出する温度に係る電気信号に基づいて、制御装置40で制御される。
風呂用サーミスタ54は風呂用混合弁16下流側で風呂用配管18内の温度を検出するための電気信号を制御装置40に出力する。湯張り用電磁弁61は風呂用配管18の流路を開閉する弁であり、浴槽82内への湯張り、差し湯、たし湯等を行う時に制御装置40により制御される。湯張り用流量カウンタ62は風呂用配管18内の給湯用水の流れを検出し検出信号を制御装置40に出力する。湯張り用流量カウンタ62が風呂用配管18内の湯の流れを検出した時は、風呂用配管18の湯張り用電磁弁61が開弁されて出湯されていることを示す。
逆止弁63は、往き管66を通って流れてくる浴水を風呂用混合弁16側に逆流させないための弁である。循環温サーミスタ56は、浴槽82のアダプタ82aに接続されている風呂用配管18、浴槽82、及び往き管66を循環する浴水の温度を検出するための電気信号を制御装置40に出力する。フロースイッチ64は風呂三方弁65側の方向に湯あるいは浴水が流通しているか否かを検出可能な流水センサである。
風呂三方弁65は、浴槽82、往き管66からの浴水(本願発明における所定の外部流体の一例)を追い焚き用熱交換器72側あるいは浴槽82側のいずれかに流す流路切り換え弁であり、制御装置40によって制御される。追い焚きサーミスタ57は、往き管66、風呂用配管18、浴水循環回路71、追い焚き用熱交換器72によって形成される回路を循環する浴水の温度を検出するための電気信号を制御装置40に出力する。
追い焚き装置70は、風呂三方弁65からタンク10の上部を通り風呂用配管18のアダプタ82a側に接続される浴水循環回路71と、この浴水循環回路71の途中に接続される追い焚き用熱交換器72と、アダプタ82aから逆止弁63及びフロースイッチ64の間に接続される往き管66と、から構成されている。本実施形態の追い焚き用熱交換器72は、コイル状に形成され、タンク10内の上方となる部位に配設されて、内部を流通する浴水をタンク10内に貯えられた高温の湯(図1に示すタンク10内における一点鎖線間の領域に貯えられる湯)によって加熱する熱交換器である。
追い焚き用熱交換器72の流入部及び流出部は、同じ側のタンク10の壁面に接続されており、追い焚き用熱交換器72はタンク10の軸中心からずれた位置に配されている。中間部配管10cは、追い焚き用熱交換器72が配された側のタンク10の壁面に接続されている。また、中間部配管10cは追い焚き用熱交換器72の下端よりも下方に接続されている。
往き管66には、アダプタ82a側から循環する浴水の下流側に向けて順に、水位センサ67、風呂循環電動弁68、風呂循環ポンプ69が設けられている。水位センサ67は、浴槽82内に湯張りされた浴水の湯量、言い換えれば浴槽82内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサであり、水圧信号を制御装置40に出力するようになっている。風呂循環電動弁68は往き管66を開閉する電動弁であり、風呂循環ポンプ69は浴槽82内の浴水を追い焚き用熱交換器72に圧送する電動ポンプであり、両者は制御装置40によってその作動が制御されるようになっている。
湯張り時あるいは湯張り後に浴槽82内の浴水温度を検出する時は、風呂三方弁65を風呂用配管18側に切り換えるとともに、風呂循環ポンプ69を作動させることで、浴槽82内の浴水が往き管66、風呂用配管18、浴槽82の順に循環され、循環温サーミスタ56により浴水の温度が検出される。
追い焚きを行う時は、風呂三方弁65を浴水循環回路71側に切り換えることで、浴槽82内の浴水が往き管66、浴水循環回路71、追い焚き用熱交換器72、浴水循環回路71、風呂用配管18、浴槽82の順に循環されて、循環温サーミスタ56により検出される浴水温度が所定温度になるまで循環の制御が継続される。
制御装置40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROMには、予め制御プログラムが記憶されており、各サーミスタ31〜34、51〜57からの温度信号、圧力センサ35からの圧力信号、湯張り用流量カウンタ62からの流量信号、フロースイッチ64からの浴水流通信号、水位センサ67からの水位信号、ユーザーが入力する操作盤41(例えば、風呂設置リモコン、台所設置リモコン)からの入力信号等に基づいて、各種混合弁14〜16、ヒートポンプユニット20、HP出口三方弁22、湯張り用電磁弁61、風呂三方弁65、風呂循環電動弁68、風呂循環ポンプ69を制御するように構成されている。
また、制御装置40は、温水として使用された使用熱量の実績(例えば、ヒートポンプユニット20の運転実績、給湯や湯張りに相当する給湯実績等)を、毎日継続して記憶手段に記憶する。記憶手段は、例えば、フラッシュメモリやRAMで構成され、記憶されているデータの読み出しや書き込みを行うものである。当該記憶手段は、例えば、ヒートポンプユニット20の運転実績を含む過去の使用熱量の実績を所定期間分記憶しておくことができ、当該所定期間からはみ出た古い実績は新しい実績に随時書き換えられる。本実施形態では、所定期間の一例として過去1週間分の使用熱量の実績を記憶するようにしている。そして、1週間分の使用熱量の実績は、直近の1日の実績が記憶されるタイミングになると、最も古い1日の実績が記憶手段から消去され、直近の1日の実績が書き込まれることになる。
操作盤41には、操作スイッチとして、給湯設定温度スイッチ、湯張りスイッチ、湯張り設定温度スイッチ、追い焚きスイッチ、追い焚き設定温度スイッチ等が設けられている。また、操作盤41は、浴室内や台所等の湯を使用する場所の近傍に設置され、操作盤41以外は、屋外等の適所に設置されている。
給湯装置100における沸き上げ運転時の作動について図2〜図4を参照して説明する。図2は沸き上げ運転の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、制御装置40によって実行される。制御装置40は、沸き上げ運転開始の指令があると、ステップ1において沸き上げ運転を実施するために必要な諸条件を求める演算を実行する。この演算処理は、タンク10内に貯えるべき必要熱量に応じて、第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2を決定する処理であり、その詳細な処理手順については後述する。
第1沸き上げ温度T1は、タンク10の吐出口10e(タンク10の上部)からタンク10内に流入させる湯をヒートポンプユニット20によって沸き上げる温度である。第2沸き上げ温度T2は、タンクの中間部10c1からタンク10内に流入させる湯をヒートポンプユニット20によって沸き上げる温度であり、第1沸き上げ温度T1よりも低温に決定される。
ステップ1で第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2を決定する演算が完了すると、制御装置40は、ヒートポンプユニット20で加熱される湯がステップ1で決定した第1沸き上げ温度T1となるように、ヒートポンプユニット20の作動を制御した沸き上げ運転を実施する(ステップ2)。そしてステップ3において、HP出口三方弁22の吐出口10e側を開き、タンク10内の給湯水を回路21に循環させ、ヒートポンプユニット20で加熱された高温(第1沸き上げ温度T1)の湯を吐出口10eを通してタンク10の上部から貯めていく。
次に、ステップ4において、追い焚き用熱交換器72よりも下方に配されたタンク水温サーミスタ55bにより検出される温度が、第1沸き上げ温度T1よりも若干低い温度(例えば、(T1−α)℃)よりも高くなったか否かを判定する。ステップ4で、当該検出温度が高くなったと判定すると、続いてステップ5において制御装置40は、ステップ1で第1沸き上げ温度T1よりも低温に決定された第2沸き上げ温度T2に目標沸き上げ温度を低下させて、湯を生成するようにヒートポンプユニット20の作動を制御する。
そしてステップ6において、HP出口三方弁22を中間部配管10c側を開くように切り換え、第2沸き上げ温度T2に沸き上げられた湯は追い焚き用熱交換器72の下方からタンク10内に流入する。次にステップ7において、タンクの中間部10c1よりも下方に位置するタンク水温サーミスタ55c〜55gのいずれかの検出温度が、第2沸き上げ温度T2よりも若干低い温度(例えば、(T2−β)℃)よりも高くなったか否かを判定する。ステップ7で当該検出温度が高くなったと判定すると、沸き上げ運転が完了したと判断し、ステップ8でヒートポンプユニット20の運転を終了させ、本フローチャートを終了する。
次にステップ1の具体的な演算手順について、図3及び図4を参照しながら以下に説明する。図3は、ステップ1の演算における必要熱量と決定される第1沸き上げ温度T1及び第2沸き上げ温度T2との関係を示す特性図である。図4は、ステップ1の演算における第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2を決定する処理手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、制御装置40は、過去の所定期間における湯の使用実績から算出された予想使用湯量に基づいて求められるタンク10内に貯えるべき必要熱量に応じて、第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2をそれぞれ決定する。制御装置40は、ステップ1において、第1沸き上げ温度T1が予め定めた第1の所定温度Tst1を超えることがないように決定する。この第1の所定温度Tst1は、ヒートポンプユニット20によって沸き上げる湯温として最高の温度(例えば85℃)である。
つまり、上記のタンク10内に貯えるべき必要熱量が所定の熱量以上になったとしても、第1沸き上げ温度T1を最高でも第1の所定温度Tst1に維持する。また、第1沸き上げ温度T1は、当該必要熱量が上記所定の熱量未満の場合は当該必要熱量の大きさに比例して高くなるように決定される。ただし、このとき制御装置40は、当該必要熱量が大きいときでも上記所定の熱量未満の場合には、第2沸き上げ温度T2を高くせず、予め定めた低温の第2の所定温度Tst2(例えば65℃)に維持するように決定する。
一方、制御装置40は、当該必要熱量が上記所定の熱量を超える場合には、第1沸き上げ温度T1を第1の所定温度Tst1に決定するとともに、タンク10内に貯える熱量が大きく不足することを軽減するため、タンクの中間部10c1に流入させる湯温である第2沸き上げ温度T2を第2の所定温度Tst2よりも高くするように決定する。
このように制御装置40は、当該必要熱量が上記所定の熱量以下の場合は、第2沸き上げ温度T2を低温に決定して、極力タンクの中間部10c1に流入させる湯温を抑制するように制御する。さらに、タンク10の最上部からタンク水温サーミスタ55bまでの領域には、当該必要熱量に比例して高くした第1沸き上げ温度T1の湯を供給して貯湯熱量を確保するので、追い焚き用熱交換器72が配設される領域に追い焚き運転を実施可能な湯温を貯湯しつつ、予想使用湯量に対して過剰に高温の湯を沸き上げて貯湯することがなく、過剰な高温の湯による放熱ロスを低減させることができる。
また、タンク水温サーミスタ55bよりも下方の領域については、極力低温に決定した第2沸き上げ温度T2の湯を貯湯するため、タンク10内の全量を高温の湯で貯湯する沸き上げ運転を行う場合に比べ、ヒートポンプユニット20の成績係数(COP)を向上させ、高効率の沸き上げ運転を実施できるのである。
上記の第2の所定温度Tst2は、給湯装置100の仕様によって予め定まる最低沸き上げ温度であることが好ましい。また、第1の所定温度Tst1は、給湯装置100の仕様によって予め定まる最高沸き上げ温度であることが好ましい。給湯装置100の仕様によって定まる最低沸き上げ温度または最高沸き上げ温度は、例えば、ヒートポンプユニット20のシステム固有の加熱性能によって定まる温度と言い換えることもできる。
図4に示すように、ステップ1の沸き上げ運転の演算処理が開始すると、制御装置40は、ステップ11で上記の必要熱量を算出する。そして、ステップ12で第2沸き上げ温度T2を第2の所定温度Tst2に設定し、ステップ11で算出した必要熱量とステップ12で設定した第2沸き上げ温度T2とを用いて第1沸き上げ温度T1を算出する(ステップ13)。
次に、ステップ14において、ステップ13で算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1以下であるか否かを判定する。ステップ14で、算出の第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1以下であると判定すると、続いてステップS15において制御装置40は、第2沸き上げ温度T2を低温に設定された第2の所定温度Tst2に決定し、本演算ルーチンを終了する。この場合、第1沸き上げ温度T1は第1の所定温度Tst1以下の温度に決定され、第2沸き上げ温度T2は第2の所定温度Tst2に決定されることになる。
一方、ステップ14で、算出の第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1以下でないと判定すると、続いて制御装置40は、ステップS16において第1沸き上げ温度T1を高温に設定された第1の所定温度Tst1に決定し、ステップ17において第2沸き上げ温度T2を、当該必要熱量に基づいて算出した値に決定し、本演算ルーチンを終了する。この場合、第1沸き上げ温度T1は最大でも第1の所定温度Tst1に決定され、第2沸き上げ温度T2は必要熱量に基づいて算出される第2の所定温度Tst2以上の温度に決定されることになる。
続いて、給湯使用時における作動について述べる。昼間などに給湯を使用する場合、中温用混合弁14の中間部配管10cを開き、タンクの中間部10c1に貯湯された湯を優先的に取り出して設定温度と一致するように給湯用混合弁15、風呂用混合弁16の弁開度調節により給湯水と混合して使用する。
しかしながら、ある程度タンク10内の湯量が減少したときには、ヒートポンプユニット20を作動させて高効率な低温の湯を沸き上げ、HP出口三方弁22の分岐配管23側を開き、低温の湯をタンクの中間部10c1に貯湯する。ヒートポンプユニット20による沸き上げ安定後は、ヒートポンプユニット20から分岐配管23の下流側部位23bを通して加熱した低温の湯を出湯に用いる。
また、ヒートポンプユニット20が加熱した湯の流量が足りない場合には、タンクの中間部10c1の湯も混合されて同時に使用される。さらに、タンク中間部10c1からの湯で設定温度に調節できない場合には、中温用混合弁14の高温取出管12側の開度を大きくすることにより、タンク10上部の高温湯も用い、出湯温度を確保する。
続いて、追い焚き運転について説明する。例えば保温運転中に、循環温サーミスタ56によって検出される浴水温度が設定温度よりも低くなった場合や、使用者が操作盤41を操作して追い焚き操作を指示した場合、追い焚き運転を実施する。制御装置40は、追い焚き運転実施のための指令があると、タンク水温サーミスタ55bの検出温度が、所定時間内で浴水を設定された温度となるように追い焚きが可能な温度である場合は、タンク10の上部に貯留された湯で追い焚き運転を行うことができると判断する。
そして、風呂三方弁65を浴水循環回路71側の開いた状態とし、風呂循環ポンプ69を作動させ、浴槽82内の浴水を浴水循環回路71に浴水を流入させる。浴水循環回路71に流入した浴水は追い焚き用熱交換器72の流入部を介してタンク10内に流入し、タンク10内に貯留された湯と熱交換して加熱される。加熱された浴水は、追い焚き用熱交換器72の流出部を介してタンク10から流出し、浴水循環回路71、風呂用配管18を介して浴槽82へと戻される。循環温サーミスタ56の検出温度が設定温度より高温となると、風呂三方弁65は浴水循環回路71側が閉となるように切り換えられ、風呂循環ポンプ69が停止される。
以下に、本実施形態の給湯装置100がもたらす作用効果について説明する。一般に、ヒートポンプユニット20の効率は、沸き上げ運転時に加熱しようとする給湯用水の温度が上昇するにつれて低下する傾向にある。つまりヒートポンプユニット20の効率は、タンク10内に貯まった中温水化した湯を再度沸き上げた場合に低下する。
そこで給湯装置100における制御装置40は、沸き上げ運転を実施する際に、タンク10内に貯えるべき必要熱量に応じて第1沸き上げ温度T1を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度が予め定めた第1の所定温度Tst1以下である場合には、第1沸き上げ温度T1を算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を第1の所定温度Tst1よりも低温に定めた第2の所定温度Tst2に決定する。また、算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1よりも高温である場合には第1沸き上げ温度T1を第1の所定温度Tst1に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を必要熱量に応じて算出した温度に決定する。
これによれば、当該必要熱量に応じて算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1以下である場合に、第1沸き上げ温度T1を当該算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を低温の第2の所定温度Tst2に決定するため、タンク10内の上部には当該必要熱量に対応した高温の湯を貯え、タンク10内の下部側には低温の沸き上げ温度に抑えた湯を貯えることができる。これにより、次回に沸き上げ運転を行うときに、タンク10下部の湯温を低くでき、中温水化した残湯の再沸き上げを抑えることができるので、ヒートポンプユニット20の効率(COP)の低下を抑制することが可能である。
逆に、算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1よりも高温である場合には第1沸き上げ温度T1を第1の所定温度Tst1に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を必要熱量に応じて算出した温度に決定するため、タンク10内の上部に貯えるために沸き上げる湯温を抑えてヒートポンプユニット20の効率(COP)が低下することを抑制し、タンク10内の下部側には必要熱量に対応した温度の湯を貯えることができる。
また、必要熱量に比例して、タンク10の上部に貯湯する湯温を高く決定することにより、タンク10の上部に貯えた高温の湯が給湯使用や追い焚き運転等により温度低下した場合でも、そのまま給湯に使用できる温度には維持できると考えられるため、ヒートポンプユニット20による再沸上げの対象とはならない。したがって、ヒートポンプユニット20の効率の低下を抑制することが可能である。
また、給湯装置100における沸き上げ運転によれば、追い焚き・保温に必要となる高温を基準としてタンク10の全量の湯を沸き上げる場合に対して、タンク10の上部側のみを高温の湯で満たし、タンク10の下部に側に貯える湯の沸き上げ温度を下げることにより、沸き上げ温度上昇によるヒートポンプユニット20の効率の低下を抑制することができる。
また、給湯使用時には、タンクの中間部10c1からの湯の取り出しにより、タンクの中間部10c以下の湯を優先的に使用することにより、タンク10の上部を高温に維持したまま、出湯を実施することができる。
また、予め設定されている第2の所定温度Tst2は、給湯装置100の仕様によって予め定まる最低沸き上げ温度であることが好ましく、これによれば、タンク10内の下部側に貯えられる給湯用水の温度上昇を抑制することが可能であるとともに、沸き上げ運転時にヒートポンプユニット20によって沸き上げられる給湯用水の温度を極力低下させることができる。
また、予め設定されている第1の所定温度Tst1は、給湯装置100の仕様によって予め定まる最高沸き上げ温度であることが好ましく、これによれば、第1の所定温度Tst1が高く設定されやすいため、必要熱量が大きい場合でも第2沸き上げ温度T2を極力低温に決定することができる。したがって、沸き上げ運転時にヒートポンプユニット20によって沸き上げられる給湯用水の温度を極力低下させることが可能である。
また、タンクの中間部10c1は、追い焚き用熱交換器72の配設位置よりも下方位置に設けられている。この構成によれば、決定した第1沸き上げ温度T1を満たす高温湯がタンク10内の上部に供給されることにより、浴水を加熱するための追い焚き用熱交換器72周辺の給湯用水の温度を高い温度に維持するとともに、さらにタンク10内の下部側には温度を抑えた低温の湯を満たすことができる。したがって、ヒートポンプユニット20の効率面に優れ、タンク10内の給湯用水を再沸き上げすることを抑制する給湯装置100を提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態の給湯装置100Aは、第1実施形態の給湯装置100に対して、追い焚き用熱交換器73をタンク10の外部に設けた点が相違している。図5は第2実施形態に係る給湯装置100Aの構成を示す模式図である。図5において図1と同様の符号を付した要素は、第1実施形態の説明と同様の構成部品であり、同様の作動及び作用効果をするものであり、さらに沸き上げ運転(図2のフローチャート)、追い焚き運転、給湯時の作動、沸き上げ運転時の演算処理(図3の特性図及び図4のフローチャート)等についても第1実施形態と同様である。以下、第2実施形態について、第1実施形態と異なる形態についてのみ説明する。
図5に示すように、給湯装置100Aは、タンク10の外部に配置された追い焚き用熱交換器73と、追い焚き用熱交換器73とタンク10の内部とを連絡する回路74とを備える。回路74は、タンク10の上部(図5に示すタンク10内における一点鎖線間の領域)に接続されたタンク流出部74aから、タンク10の下部(図5に示すタンク水温サーミスタ55fと55gの間の領域)に接続されたタンク流入部74bに至る配管経路と、タンク流入部74bからタンク流出部74aに至るタンク10の内部領域と、を含む経路である。
回路74の配管経路の途中には、追い焚き用熱交換器73における給湯用水側通路73bと、タンク10内の給湯用水を回路74に循環させる循環ポンプ75と、が設けられている。さらに中間部配管10cのタンク接続部であるタンクの中間部10c1は、回路74のタンク流出部74aよりも下方の位置に設けられている。追い焚き装置70Aは、風呂三方弁65から追い焚き用熱交換器73における浴水側通路73aを通り風呂用配管18のアダプタ82a側に接続される浴水循環回路71Aと、この浴水循環回路71Aの途中に接続される追い焚き用熱交換器73と、アダプタ82aから逆止弁63及びフロースイッチ64の間に接続される往き管66と、から構成されている。追い焚き用熱交換器73は、浴水循環回路71Aを循環する浴水をタンク10内に貯えられた高温の湯(図5に示すタンク10内における一点鎖線間の領域に貯えられる湯)によって加熱する熱交換器である。
すなわち、タンク10内の上部に貯えられた高温の湯は、循環ポンプ75の駆動力により、回路74のタンク流出部74aから流れ出て回路74の配管経路を流れ、追い焚き用熱交換器73の給湯用水側通路73bを通過するときに浴水側通路73aを流れる浴水と熱交換して浴水を加熱した後、タンク流入部74bにからタンク10内の下部に戻るようになる。
本実施形態の給湯装置100Aによれば、追い焚き用熱交換器73はタンク10の外部に配置され、追い焚き用熱交換器73とタンク10の内部とを連絡する回路74を備えている。タンクの中間部10c1は、タンク10内の給湯用水が追い焚き用熱交換器73へ向かう回路74のタンク流出部74aよりも下方位置に配されている。
この構成によれば、決定した第1沸き上げ温度T1を満たす高温湯がタンク10内の上部に供給されることにより、浴水を加熱するためのタンク流出部74a近傍における給湯用水の温度を高い温度に維持するとともに、さらにタンク10内の下部側には温度を抑えた低温の湯を満たすことができる。したがって、ヒートポンプユニット20の効率面に優れ、タンク10内の給湯用水を再沸き上げすることを抑制する給湯装置100Aを提供できる。
(第3実施形態)
第3実施形態の給湯装置100Bは、第1実施形態の給湯装置100に対して、分岐配管23及びHP出口三方弁22を有しない点が相違しており、ヒートポンプユニット20で沸き上げられたタンク10内の給湯用水はすべてタンク10内の上部に戻されるようになっている。さらに、第3実施形態の給湯装置100Bでは、上記構成の相違点により、第1実施形態とは沸き上げ運転の処理手順が相違する。
図6は第2実施形態に係る給湯装置100Bの構成を示す模式図である。図7は給湯装置100Bにおける沸き上げ運転の処理手順を示すフローチャートである。図6において図1と同様の符号を付した要素は、第1実施形態の説明と同様の構成部品であり、同様の作動及び作用効果をするものであり、さらに追い焚き運転、給湯時の作動、沸き上げ運転時の演算処理(図3の特性図及び図4のフローチャート)等についても第1実施形態と同様である。以下、第3実施形態について、第1実施形態と異なる形態についてのみ説明する。
図6に示すように、給湯装置100Bは、上部流入手段の一例として、回路21及び給水ポンプ24を備え、ヒートポンプユニット20によって第1沸き上げ温度T1または第2沸き上げ温度T2に沸き上げられた湯をタンク10の上部からタンク10内に流入させる機能を備えている。
次に、給湯装置100Bにおける沸き上げ運転時の作動について図7を参照して説明する。図7は沸き上げ運転の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、制御装置40によって実行される。制御装置40は、沸き上げ運転開始の指令があると、ステップ20において沸き上げ運転を実施するために必要な諸条件を求める演算を実行する。ステップ20での演算処理は、第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2を決定する処理であり、第1実施形態において図3及び図4を参照して説明した演算処理と同様である。
ステップ20で第1沸き上げ温度T1と第2沸き上げ温度T2を決定する演算が完了すると、制御装置40は、ヒートポンプユニット20で加熱される湯がステップ20で決定した第2沸き上げ温度T2となるように、ヒートポンプユニット20の作動を制御した沸き上げ運転を実施する(ステップ21)。そして、タンク10内の給湯水を回路21に循環させ、ヒートポンプユニット20で加熱された第2沸き上げ温度T2の湯を吐出口10eからタンク10の上部に貯めていく。
次に、ステップ22において、追い焚き用熱交換器72よりも下方に配されたタンク水温サーミスタ55bにより検出される温度が、第2沸き上げ温度T2よりも若干低い温度(例えば、(T2−α)℃)よりも高くなったか否かを判定する。ステップ22で、当該検出温度が高くなったと判定すると、続いてステップ23において制御装置40は、ステップ20で第2沸き上げ温度T2よりも高温に決定された第1沸き上げ温度T1に目標沸き上げ温度を上昇させて高温湯を生成するように、ヒートポンプユニット20の作動を制御する。そして、ヒートポンプユニット20で加熱された第1沸き上げ温度T1の高温湯を吐出口10eからタンク10の上部に貯めていく。このため、先にタンク10の上部に貯めた第2沸き上げ温度T2の低温湯は、第1沸き上げ温度T1の高温湯によって押し下げられる。したがって、タンク10の下部から上部にかけて、低温湯、高温湯の順に温度層が形成されることになる。
次にステップ24において、タンク水温サーミスタ55bの検出温度が、第1沸き上げ温度T1よりも若干低い温度(例えば、(T1−β)℃)よりも高くなったか否かを判定する。ステップ24で当該検出温度が高くなったと判定すると、沸き上げ運転が完了したと判断し、ステップ25でヒートポンプユニット20の運転を終了させ、本フローチャートを終了する。
以下に、本実施形態の給湯装置100Bがもたらす作用効果について説明する。給湯装置100Bの制御装置40は、ヒートポンプユニット20による沸き上げ運転を実施するときに、タンク10内に貯えるべき必要熱量に応じて第1沸き上げ温度T1を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度T1が予め定めた第1の所定温度Tst1以下である場合には、第1沸き上げ温度T1を算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を第1の所定温度Tst1よりも低温に定めた第2の所定温度Tst2に決定する。また、算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1よりも高温である場合には第1沸き上げ温度T1を第1の所定温度Tst1に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を必要熱量に応じて算出した温度に決定する。さらに制御装置40は、前述の決定した第2沸き上げ温度T2に沸き上げた湯を上部流入手段によってタンク10内に流入した後、前述の決定した第1沸き上げ温度T1に沸き上げた湯をタンク10内に流入するようにヒートポンプユニット20の運転を制御する。
この制御によれば、タンク10の上部から、先に第2沸き上げ温度T2に沸き上げた湯を供給した後、さらに第2沸き上げ温度T2よりも高温に決定される第1沸き上げ温度T1に沸き上げた湯を供給する。このため、タンク10内において上部側に高温湯が満たされ、下部側に低温湯が満たされる温度分布が得られる。したがって、タンク10内に必要熱量を確保するとともに、タンク10内の下部側に貯えられる湯温を低くすることが可能な給湯装置100Bを提供できる。
また、給湯装置100Bによれば、第1実施形態の給湯装置100が有するHP出口三方弁22等の流路切り換え手段が不要であり、給湯装置100に比べて簡単な構成であっても本発明の目的を果たすことができるのである。
また、本実施形態においても、当該必要熱量に応じて算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1以下である場合に、第1沸き上げ温度T1を当該算出した温度に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を低温の第2の所定温度Tst2に決定するため、タンク10内の上部には当該必要熱量に対応した高温の湯を貯え、タンク10内の下部側には低温の沸き上げ温度に抑えた湯を貯えることができる。これにより、次回に沸き上げ運転を行うときに、タンク10下部の湯温を低くでき、中温水化した残湯の再沸上げを抑えることができるので、ヒートポンプユニット20の効率(COP)の低下を抑制することが可能である。逆に、算出した第1沸き上げ温度T1が第1の所定温度Tst1よりも高温である場合には第1沸き上げ温度T1を第1の所定温度Tst1に決定するとともに、第2沸き上げ温度T2を必要熱量に応じて算出した温度に決定するため、タンク10内の上部に貯えるために沸き上げる湯温を抑えてヒートポンプユニット20の効率(COP)が低下することを抑制し、タンク10内の下部側には必要熱量に対応した温度の湯を貯えることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態において、制御装置40に記憶される所定期間(例えば1週間)の運転実績は、装置の工場出荷時においてあらかじめ記憶させていた所定の運転情報(モデル運転情報)を更新することにより、ユーザーの使用実態に適合させていくものであってもよい。
また、ヒートポンプユニット20のヒートポンプサイクル20Aを流れる作動冷媒は、二酸化炭素に限定されるものではなく、フロン等の他の冷媒であってもよい。
10…タンク
10c…中間部配管(中間部流入手段)
10c1…タンクの中間部
20…ヒートポンプユニット(ヒートポンプ式加熱装置)
21…回路(上部流入手段、中間部流入手段)
22…ヒートポンプ出口三方弁(上部流入手段、中間部流入手段)
23…分岐配管(中間部流入手段)
24…給水ポンプ(上部流入手段、中間部流入手段)
40…制御装置
72,73…追い焚き用熱交換器(熱交換装置)
74…回路
74a…タンク流出部
T1…第1沸き上げ温度
T2…第2沸き上げ温度
Tst1…第1の所定温度
Tst2…第2の所定温度

Claims (6)

  1. 給湯に用いる給湯用水を貯えるタンク(10)と、
    前記タンク内の下側から取り出された前記給湯用水を加熱するヒートポンプ式加熱装置(20)と、
    前記タンク内の給湯用水と所定の外部流体とを熱交換させて当該外部流体を加熱する熱交換装置(72)と、
    前記ヒートポンプ式加熱装置によって第1沸き上げ温度に沸き上げられた湯を前記タンクの上部から前記タンク内に流入させる上部流入手段(21,22,24)と、
    前記ヒートポンプ式加熱装置によって前記第1沸き上げ温度よりも低温の第2沸き上げ温度に沸き上げられた湯を、前記外部流体と熱交換する前記給湯用水が前記タンク内に貯えられる部位よりも下方の部位に設定される前記タンクの中間部(10c1)から前記タンク内に流入させる中間部流入手段(21,22,23,24,10c)と、
    前記第1沸き上げ温度及び前記第2沸き上げ温度を決定し、当該決定された温度を満たすように前記ヒートポンプ式加熱装置(20)の運転を制御するとともに、前記上部流入手段及び前記中間部流入手段の作動を制御する制御装置(40)と、を備え、
    前記制御装置(40)は、前記ヒートポンプ式加熱装置による沸き上げ運転を実施する際に、
    前記タンク内に貯えるべき必要熱量に応じて前記第1沸き上げ温度を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度が予め定めた第1の所定温度(Tst1)以下である場合には、第1沸き上げ温度を前記算出した温度に決定するとともに、前記第2沸き上げ温度を前記第1の所定温度(Tst1)よりも低温に定めた第2の所定温度(Tst2)に決定し、
    前記算出した第1沸き上げ温度が前記第1の所定温度(Tst1)よりも高温である場合には第1沸き上げ温度を前記第1の所定温度(Tst1)に決定するとともに、前記第2沸き上げ温度を前記必要熱量に応じて算出した温度に決定することを特徴とする給湯装置。
  2. 前記第2の所定温度(Tst2)は、給湯装置の仕様によって予め定まる最低沸き上げ温度であることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
  3. 前記第1の所定温度(Tst1)は、給湯装置の仕様によって予め定まる最高沸き上げ温度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯装置。
  4. 前記熱交換装置(72)は、前記タンク(10)の内部に配置されており、
    前記タンクの中間部(10c1)は、当該熱交換装置(72)の配設位置よりも下方位置に配されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の給湯装置。
  5. 前記熱交換装置(73)は前記タンク(10)の外部に配置され、前記熱交換装置と前記タンクの内部とを連絡する回路(74)を備え、
    前記タンクの中間部(10c1)は、前記タンク内の給湯用水が前記熱交換装置へ向かう前記回路のタンク流出部(74a)よりも下方位置に配されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の給湯装置。
  6. 給湯に用いる給湯用水を貯えるタンク(10)と、
    前記タンク内の下側から取り出された前記給湯用水を加熱するヒートポンプ式加熱装置(20)と、
    前記タンク内に配され、前記タンク内の給湯用水と所定の外部流体とを熱交換させて当該外部流体を加熱する熱交換装置(72)と、
    前記ヒートポンプ式加熱装置によって沸き上げられた湯を前記タンクの上部から前記タンク内に流入させる上部流入手段(21,24)と、
    第1沸き上げ温度及び前記第1沸き上げ温度よりも低温の第2沸き上げ温度を決定し、当該決定された温度を満たすように前記ヒートポンプ式加熱装置(20)の運転を制御する制御装置(40)と、を備え、
    前記制御装置(40)は、前記ヒートポンプ式加熱装置による沸き上げ運転を実施するときに、
    前記タンク内に貯えるべき必要熱量に応じて前記第1沸き上げ温度を算出し、当該算出した第1沸き上げ温度が予め定めた第1の所定温度(Tst1)以下である場合には、第1沸き上げ温度を前記算出した温度に決定するとともに、前記第2沸き上げ温度を前記第1の所定温度(Tst1)よりも低温に定めた第2の所定温度(Tst2)に決定し、
    前記算出した第1沸き上げ温度が前記第1の所定温度(Tst1)よりも高温である場合には第1沸き上げ温度を前記第1の所定温度(Tst1)に決定するとともに、前記第2沸き上げ温度を前記必要熱量に応じて算出した温度に決定し、
    前記上部流入手段(21,24)によって、前記決定した第2沸き上げ温度に沸き上げた湯を前記タンク内に流入した後、前記決定した第1沸き上げ温度に沸き上げた湯を前記タンク内に流入するように前記ヒートポンプ式加熱装置(20)の運転を制御することを特徴とする給湯装置。
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