JP2012041658A - 強化繊維用サイジング剤およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、熱可塑性マトリックス樹脂を補強するために用いられる強化繊維用サイジング剤であって、N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂を親水性ビニルモノマーで変性した親水性ポリアミド樹脂を必須に含有する、強化繊維用サイジング剤である。
【選択図】 なし
Description
よって、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化複合材料の分野において、より繊維とマトリックス樹脂との親和性を高め、強固に接着し得るサイジング剤の開発が望まれている。
前記合成繊維は、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリアリレート繊維、ポリアセタール繊維、PBO繊維、ポリフェニレンサルフィド繊維およびポリケトン繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の強化繊維用サイジング剤で処理して得られる合成繊維ストランドは、熱可塑性マトリックス樹脂に対して優れた接着性を有する。本発明の合成繊維ストランドを使用することにより、優れた物性を有する繊維強化複合材料が得られる。
本発明の強化繊維用サイジング剤は、N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂を親水性ビニルモノマーで変性した親水性ポリアミド樹脂を必須に含有する。
N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂とは、ポリアミド樹脂の結晶性を低下させたもので、ポリアミド樹脂のアミド結合の一部をアルコキシメチル基により変性したもの(ポリアミド樹脂の窒素原子の一部にアルコキシメチル基が結合したもの)をいう。
ポリアミド樹脂としては、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、またはこれらの共重合体などが挙げられる。アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基などが挙げられる。N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂の製造方法については特に限定はなく、公知の方法で製造できる。例えば、N−メトキシメチル化ポリアミド樹脂の場合、アミド樹脂にホルムアルデヒトとメタノールを反応させて得ることができる。
親水性ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド又はこれらの混合物などが挙げられる。
本発明の強化繊維用サイジング剤においては、さらに分子構造内に2個以上の水酸基または分子構造内に2個以上のアミノ基を有するアミン化合物を含有することが好ましい。含有の重量割合としては、前記親水性ポリアミド樹脂に対して0.5〜10重量%含有することが好ましく、0.5〜7.5重量%がより好ましく、1〜5重量%がさらに好ましい。アミン化合物を所定量含有することにより、高い接着性強度を付与できる。また、優れた乾燥性を付与でき、その結果、操業工程での乾燥時間を短縮でき、操業速度を速めることができる。さらに、乾燥時間を短縮できることによってサイジング剤の熱劣化を抑制でき、マトリックス樹脂との優れた接着性を付与できる。
分子構造内に2個以上のアミノ基を有するアミン化合物としては、N-アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンエキサミンなどのアミン類が挙げられる。
炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖であっても分岐を有していてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、繊維とマトリックス樹脂との接着性が向上する点及び乳化安定性の点から、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。炭素数1〜18の脂肪酸からOH基を除いた残基において、脂肪酸の炭素数は5〜18が好ましく、8〜15がさらに好ましい。
サイジング剤の不揮発分に占める前記親水性ポリアミド樹脂の重量割合は、70〜100重量%が好ましく、90〜99.5重量%がより好ましく、95〜99重量%がさらに好ましい。70重量%未満の場合、接着性が不十分となることがある。
また、サイジング剤全体に占める水と不揮発分の合計の重量割合は、90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上であることがより好ましく、99重量%以上であることがさらに好ましく、100重量%が特に好ましい。90重量%未満の場合、すなわち、熱処理時に不揮発分として残存しない前述の有機溶剤やその他低沸点化合物を10重量%以上含有する場合、取扱い時の人体への安全性や、自然環境の汚染防止の観点で好ましくないことがある。
有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールまたはグリコールエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が例示できる。
界面活性剤としては、特に限定されず、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性界面活性剤から、公知のものを適宜選択して使用することができる。界面活性剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
アニオン系界面活性剤としては、たとえば、カルボン酸(塩)、高級アルコール・高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、スルホン酸塩、高級アルコール・高級アルコールエーテルの燐酸エステル塩等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、たとえば、アミノ酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等)、ベタイン型両性界面活性剤(ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)等を挙げることができる。
本発明の合成繊維ストランドは、原料合成繊維ストランドに対して、上記の強化繊維用サイジング剤を付着させた(サイジング処理した)ものであり、熱可塑性マトリックス樹脂を補強するための強化繊維である。
サイジング剤の付着量が少ないと、樹脂含浸性、接着性に関する本発明の効果が得られにくく、また、合成繊維ストランドの集束性が不足し、取扱い性が悪くなることがある。また、サイジング剤の付着量が多過ぎると、合成繊維ストランドが剛直になり過ぎて、かえって取扱い性が悪くなったり、コンポジット成型の際に樹脂含浸性が悪くなったりすることがあり好ましくない。
調製工程において、処理液に占める不揮発分の重量割合は、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。水と不揮発分の合計の重量割合は、95重量%以上であることがより好ましく、99重量%以上であることがさらに好ましく、100重量%が特に好ましい。
付着工程において、好ましい不揮発分の付着量については、前段落の通りである。サイジング剤を原料合成繊維ストランドに付着させる方法については、特に限定はないが、サイジング剤をキスローラー法、ローラー浸漬法、スプレー法その他公知の方法で、原料合成繊維ストランドに付着させる方法であればよい。これらの方法のうちでも、ローラー浸漬法が、サイジング剤を原料合成繊維ストランドに均一付着できるので好ましい。
得られた付着物の乾燥方法については、特に限定はなく、例えば、加熱ローラー、熱風、熱板等で加熱乾燥することができる。
本発明の繊維強化複合材料は、熱可塑性マトリックス樹脂と前述の強化繊維としての合成繊維ストランドを含むものである。合成繊維ストランドは本発明のサイジング剤により処理されているので、合成繊維ストランドおよび熱可塑性マトリックス樹脂との親和性が良好となり、接着性に優れた繊維強化複合材料となる。
ここで、本発明の熱可塑性マトリックス樹脂とは、熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂をいい、1種または2種以上含んでいてもよい。熱可塑性マトリックス樹脂としては特に制限はなく、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、フェノキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリフェニレンサルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられるが、中でも本発明のサイジング剤による接着性向上効果がより高いポリアミド系樹脂が好ましい。ここで、ポリアミド系樹脂とは、二塩基性脂肪酸とジアミン、ω−アミノ酸、ラクタムあるいはこれらの誘導体から合成される、主鎖に複数のアミド基を有する高分子化合物であり、ホモポリマーやコポリマー(共重合体)なども含まれる。また、主鎖や末端に置換基を導入した変性体でもよい。
これら熱可塑性マトリックス樹脂は、合成繊維ストランドとの接着性をさらに向上させるなどの目的で、その一部または全部が変性したものであっても差し支えない。
繊維強化複合材料中の合成繊維ストランドの含有量についても特に限定はなく、繊維の種類、形態、熱可塑性マトリックス樹脂の種類などにより適宜選択すればよいが、得られる繊維強化複合材料に対して、5〜70重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。
複合材料界面特性評価装置HM410(東栄産業株式会社製)を使用し、マイクロドロップレット法により接着性を評価した。
実施例および比較例で製造した炭素繊維ストランドより、炭素繊維フィラメントを取り出し、複合材料界面特性評価装置にセッティングする。装置上で溶融したポリアミド樹脂T−860(東洋紡社製)のドロップを炭素繊維フィラメント上に形成させ、室温で十分に冷却し、測定用の試料を得た。再度測定試料を装置にセッティングし、ドロップを装置ブレードで挟み、炭素繊維フィラメントを装置上で0.06mm/分の速度で走行させ、炭素繊維フィラメントからドロップを引き抜く際の最大引き抜き荷重Fを測定した。
次式により界面剪断強度τを算出し、炭素繊維フィラメントとポリプロピレン樹脂との接着性を評価した。
界面剪断強度τ(単位:MPa)=F/πdl
(F:最大引き抜き荷重 d:炭素繊維フィラメント直径 l:ドロップの引き抜き方向の粒子径)
上述の接着性評価における測定用試料について、引き抜き方向のドロップ径が100〜120μmの範囲にあるドロップを20個選定し、炭素繊維フィラメントに対する接触角を測定、その平均値を得た。サイジング剤未処理炭素繊維ストランドより取り出した炭素繊維フィラメントを用いて同様にして得た接触角と比較して、下記基準に従いマトリックス樹脂の濡れ性を評価した。
○:サイジング剤未処理炭素繊維の接触角に比較して1°以上接触角が小さい。
△:サイジング剤未処理炭素繊維の接触角とほぼ同等(接触角の差が±1°未満)
×:サイジング剤未処理炭素繊維の接触角に比較して1°以上接触角が大きい。
冷却還流装置を備えた反応容器中にN−メトキシメチル化ポリアミド(DIC社製“ラッカマイド(登録商標)5003”、メトキシメチル化率:30%)200g、メタノール800gを仕込み、50〜60℃で撹拌溶解した。次いで、アクリル酸100g、アゾビスイソブチロニトリル2.4gを加え、窒素雰囲気下50〜60℃で4時間グラフト重合した。水860g、13.6%アンモニア水175gを加え、メタノールを留去(メタノール残留量は0.63%)し、不揮発分20重量%の水エマルジョンである親水性ポリアミド樹脂PA−1を得た。得られたPA−1を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−1を調製し、サイジング剤未処理炭素繊維ストランド(繊度800tex、フィラメント数12000本)を浸漬・含浸させた後、105℃で15分間熱風乾燥させて、理論付着量が5%であるサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得た。本ストランドについて、前述の方法によりマトリックス樹脂濡れ性、接着性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例1における親水性ポリアミド樹脂PA−1に、ジエタノールアミンおよび水を加え撹拌混合し、不揮発分組成比率として親水性ポリアミド樹脂PA−1/ジエタノールアミン=98/2となる、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−2を調製した。次いで、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例2における不揮発分組成比率を親水性ポリアミド樹脂PA−1/ジエタノールアミン=95/5となる様にサイジング剤エマルジョンS−3を調製した以外は、実施例2と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例2における不揮発分組成比率を親水性ポリアミド樹脂PA−1/アミノエチルエタノールアミン=95/5となる様にサイジング剤エマルジョンS−4を調製した以外は、実施例2と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例1における“ラッカマイド(登録商標)5003”に替えて、メトキシメチル化率:25%であるN−メトキシメチル化ポリアミドを使用した以外は、実施例1と同様にして不揮発分20重量%の水エマルジョンである親水性ポリアミド樹脂PA−2を得た。得られたPA−2を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−5を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例5における親水性ポリアミド樹脂PA−2に、ジエタノールアミンおよび水を加え撹拌混合し、不揮発分組成比率として親水性ポリアミド樹脂PA−2/ジエタノールアミン=98/2となる、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−6を調製した。次いで、実施例2と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例1におけるアクリル酸100gに替えて、アクリル酸60g、ポリエチレングリコールモノメタクリレート20gの混合物を使用して同様にグラフト重合した。次いで、水860g、13.6%アンモニア水105gを加え、メタノールを留去(メタノール残留量は0.51%)し、不揮発分20重量%の水エマルジョンである親水性ポリアミド樹脂PA−3を得た。得られたPA−3を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−7を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例7における親水性ポリアミド樹脂PA−3に、ジエタノールアミンおよび水を加え撹拌混合し、不揮発分組成比率として親水性ポリアミド樹脂PA−3/ジエタノールアミン=97/3となる、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−8を調製した。次いで、実施例2と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例1におけるアクリル酸100gに替えて、アクリルアミド100gを用いてグラフト重合を行い、得られた反応溶液に水1250gを加えてメタノールを留去(メタノール残留量は0.25%)し、不揮発分20重量%の水エマルジョンである親水性ポリアミド樹脂PA−4を得た。得られたPA−4を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−9を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
実施例9における親水性ポリアミド樹脂PA−4に、ジエタノールアミンおよび水を加え撹拌混合し、不揮発分組成比率として親水性ポリアミド樹脂PA−2/ジエタノールアミン=95/5となる、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンS−10を調製した。次いで、実施例9と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
加圧反応器中に、アミノエチルピペラジンとアジピン酸からなる塩の50%水溶液160gとビスアミノプロピルポリエチレングリコールとアジピン酸からなる塩の50%水溶液40gを仕込み、窒素置換後、250℃で1MPaの加圧下で2時間重合した。その後系内を常圧まで放圧後、さらに2時間重合し、反応を終了した。その後撹拌下で冷却しつつ水を88g添加して3時間撹拌溶解し、不揮発分50重量%の水エマルジョンである親水性ポリアミド樹脂PA−5を得た。得られたPA−5を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンR−1を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
乳化器中にN−メトキシメチル化ポリアミド(DIC社製“ラッカマイド(登録商標)5003”、メトキシメチル化率:30%)105g、ポリオキシエチレン3〜10モル付加ラウリルジエタノールアミドエーテル45g、エチレングリコール120gを仕込み、90〜100℃で溶融、撹拌均一化した。その後70〜80℃まで冷却し、ホモミキサーによる撹拌下で、水730gを徐々に投入し、不揮発分15重量%の水エマルジョンであるポリアミド水分散体PA−6を得た。得られたPA−6を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンR−2を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(プロピレン/無水マレイン酸グラフト共重合比率(重量%):95/5、重量平均分子量:30000)228g、ポリオキシエチレン8モル付加オレイルエーテル57g、および水酸化ナトリウム15gを仕込み、窒素ガス還流、撹拌下で170〜180℃まで昇温した。ついで撹拌下水700gを徐々に投入、170〜180℃で2時間撹拌し、内容物を均一溶解した。その後常温まで冷却し、水分調整を行い、不揮発分30重量%の水エマルジョンであるポリプロピレン水分散体PP−1を得た。得られたPP−1を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンR−3を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
不揮発分30重量%のウレタン樹脂水エマルジョンであるDIC社製“ハイドラン(登録商標)HW−310”を水で希釈して、不揮発分濃度10重量%のサイジング剤エマルジョンR−4を調製した以外は、実施例1と同様にしてサイジング剤処理炭素繊維ストランドを得、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
Claims (9)
- 熱可塑性マトリックス樹脂を補強するために用いられる強化繊維用サイジング剤であって、
N−アルコキシメチル化ポリアミド樹脂を親水性ビニルモノマーで変性した親水性ポリアミド樹脂を必須に含有する、強化繊維用サイジング剤。 - 前記親水性ビニルモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、イタコン酸、アクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の強化繊維用サイジング剤。
- 前記熱可塑性マトリックス樹脂が、ポリアミド系樹脂である、請求項1または2に記載の強化繊維用サイジング剤。
- さらに分子構造内に2個以上の水酸基または分子構造内に2個以上のアミノ基を有するアミン化合物を、前記親水性ポリアミド樹脂に対して0.5〜10重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の強化繊維用サイジング剤。
- さらに水を含有し、サイジング剤全体に占める不揮発分の重量割合が10〜60重量%であり、水と不揮発分の合計の重量割合が90重量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の強化繊維用サイジング剤。
- 原料合成繊維ストランドに対して、請求項1〜5のいずれかに記載の強化繊維用サイジング剤を付着させた、合成繊維ストランド。
- 前記合成繊維が、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリアリレート繊維、ポリアセタール繊維、PBO繊維、ポリフェニレンサルフィド繊維およびポリケトン繊維から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の合成繊維ストランド。
- 請求項1〜5のいずかれに記載の強化繊維用サイジング剤を含み、不揮発分の重量割合が0.5〜10重量%であり、水と不揮発分の合計の重量割合が90重量%以上である処理液を調製する調製工程と、
原料合成繊維ストランドに対して不揮発分の付着量が0.1〜20重量%となるよう、原料合成繊維ストランドに該処理液を付着させる付着工程とを含む、合成繊維ストランドの製造方法。 - 熱可塑性マトリックス樹脂と、請求項6もしくは7に記載の合成繊維ストランドまたは請求項8に記載の製造方法で得られた合成繊維ストランドとを含む、繊維強化複合材料。
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