JP2012030906A - 巻取用紙管 - Google Patents

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Abstract

【課題】
紙管と口金の滑りがなく、しかも、芯際のばたつきやシワなどのトラブルが無い、口金を有する巻取用紙管を安価に提供する。
【解決手段】
紙管の両端に口金が取り付けられている口金付き紙管において、紙管の中空部において口金本体の内側から外側にポンチングにより口金が固定されており、紙管は少なくとも2層からなり、最内層の紙管原紙の密度が、最内層以外の全ての層の紙管原紙の密度より高いことを特徴とする。最内層の紙管原紙の比破裂強さが、最内層以外の全ての層の紙管原紙の比破裂強さより高いことが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙管と口金の滑りがなく、芯際のばたつきやシワなどのトラブルのない巻取用紙管に関するものである。
従来、長尺の紙やフイルム巻取用の巻芯として紙管が使用されており、該管の両端部には通常補強のために鋼板や亜鉛メッキ板等で形成された口金が装着されている。
図1及び図2に示すように、口金2は円形のつば部と円筒形のはかま部が一体に形成された中空状のものである。口金2は、紙管1の中空部に嵌合するもので、該口金はかま部を紙管の両端から紙管中空部内へ挿入し、次いでポンチングを用いて口金はかま部の内側から複数ケ所ポンチが打ち込まれ、該ポンチングによってはかま部より外部へ突き出た部分を紙管内周面に食い込ませて口金を紙管に装着固定している。
更に、紙管端部を強化する必要のあるものは、紙管の強度を増強するほかに、口金材を厚くしたり、硬度の高いものにしたり、或は口金と紙管に形成するポンチの数を増加したり若しくはポンチの形を工夫したり(特許文献1、特許文献2)、口金の内周面を押圧して窪ませて紙管の密度を高めてからポンチングを行ったり(特許文献3)、また口金の円形平板部(つば部)に係止爪を形成したり(特許文献4)、口金と紙管を接着剤で接着させたもの(特許文献5)等の対策が講じられている。
このほか、紙管を構成する原紙を工夫したものとしては、口金を装着されたタイプの紙管ではないが、紙管の内側の層を高密度、外側の層を低密度とすることにより、チャッキングによる紙管の変形を防止して、巻取の芯近くの紙の破裂を防止することが検討されている。(特許文献6)糸条巻取の紙管についてのものであるが、内層、中間層、外層の少なくとも3層を有する紙管で中間層の密度を内層及び外層の密度より低くすることにより、糸条が巻かれたときの紙管内径の変化防止と、外径の変化の均一化を図るというものがある。(特許文献7)
このように、紙管に関わる種々のトラブルを回避するための対策が講じられているが、未だ解決に至っていないのが実情である。
実公平2−45263号公報 特開平11−123478号公報 実登第2574955号公報 特許第3648459号公報 特開平1−97630号公報 特開2001−106437号公報 特開平5−330743号公報
最近の新聞印刷輪転機は、従来のベルトブレーキから急停止に効果のあるセンターブレーキ方式が多くなり、また新聞印刷用巻取の大径化が進み、巻取直径が1mを越え、重量も1トン以上のものも使用されるようになっている。
このような巻取は、輪転機の印刷スピードが上昇していることもあり、ブレーキ作動時や急停止時等に紙管の口金部に多大のトルクが作用し、これに耐えることができず、紙管内側と口金部との間で空転することがある。空転が発生すると、テンション制御不良となって印刷ができなくなり、ひどい場合には空転による摩擦熱により紙管が発火することがある。また、空転に至らない場合でも、印刷中、チャックの口金への食い込みが進むことにより、新しい巻取紙へのペスター時に紙の端がずれたり、口金が変形し、真円度が失われるため、特に芯際(巻取の中心に近い部分)で紙がばたつき、印刷面のトラブルが発生することがある。
上質紙や塗工紙等の平判製品はワインダーで所定の長さに巻取られ、更に平判カッターで裁断されるが、この間にワインダーでの高速回転中の急ブレーキ作動や平判カッターでの急停止等は不良紙を除去する上で回避できず、その都度口金部に多大のトルクが作用する。この頻度が多くなると口金装着の耐久力が低下し、紙管内側と口金部との間で空転すると、巻取が停止せず大量の損紙が発生するばかりでなく、前述同様紙管が発火する危険性がある。
特に、ワインダーと平判カッター間の工程では紙管が繰り返し使用されることから、口金部の強化品が強く望まれている。現在使用されている紙管の口金は、鋼の材質を強化し、ポンチの形状を工夫したり、更に口金つば部に三角爪を設ける等種々の対策が講じられているが、多大のトルクが作用した場合、紙管内側と口金部との間で滑り出すことがある。ポンチングの深さを深くすることで、口金トルク強度(回転トルクに耐えられず、口金が空転し始めるトルク)は高くなるが、口金部分の紙管の外径が膨れて大きくなり、新しい巻取紙へのペスター時に紙の端がずれたり、真円度が失われるため、特に角速度の大きい芯際で紙がばたつき、印刷面のトラブルが発生するという問題が生じることがある。
口金つば部に設けた三角爪では、口金が紙管から抜けたり、曲がったり又は折れたりして係止爪の効果がなくなることがある。
単に紙管原紙の強度や口金の強度を上げることは、紙管のコスト上昇を招くことになる。
本発明の課題は、紙管と口金の滑りがなく、しかも、芯際のばたつきやシワなどのトラブルが無い、口金を有する巻取用紙管を安価に提供することである。
本発明は、巻取用紙管を構成する紙管原紙の特性等を特定することにより、上記課題を解決できることを見出したものであり、以下の構成をとる。
(1)紙管の両端に口金が取り付けられている口金付き紙管において、紙管の中空部において口金本体の内側から外側にポンチングにより口金が固定されており、紙管は少なくとも2層からなり、最内層の紙管原紙の密度が、最内層以外の全ての層の紙管原紙の密度より高いことを特徴とする巻取用紙管。
(2)前記最内層の紙管原紙の比破裂強さが、前記最内層以外の全ての層の紙管原紙の比破裂強さより高いことを特徴とする(1)に記載の巻取用紙管。
(3)口金トルク強度が900Nm以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の巻取用紙管。
(4)口金のポンチングの個数が10〜12個であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の巻取用紙管。
(5)口金のポンチングによる紙管原紙の破れが、紙管の厚さの30〜60%の間まで達していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の巻取用紙管。
(6)口金材の引張強度が350N/mm以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の巻取用紙管。
(7)巻取用紙管を構成する原紙に、透湿度が50g/(m・24h)以下である防湿性シートが少なくとも1枚巻き込まれていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の巻取用紙管。
(8)紙管の振れが0.8mm以内であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の巻取用紙管。
本発明によれば、巻取の直径が大きく回転速度が速い場合でも、紙管と口金の滑りがなく、芯際のばたつきやシワなどのトラブルを起こさない巻取用紙管を安価に提供することができる。
本発明の紙管の要部断面図 紙管の両端に取付けられる口金の外観を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(紙管)
本発明でいう紙管とは、通常の紙で巻かれた筒状の管又はこれに樹脂を含浸されたものか若しくは予め樹脂を含浸した紙で巻かれた筒状のものである。
(紙管原紙)
紙管用の原紙は、一般的には板紙である。この板紙は、円網抄紙機、長網抄紙機により、あるいは円網と長網を組合せた抄紙機により製造された多層抄板紙であり、坪量は300〜700g/m程度、厚さ0.3mm〜1.0mmのものである。紙管原紙のグレードについては特に決まった規格はなく、製造者と使用者との間で、坪量、厚さ、強度などが決められており、通常、各製造者は数グレードの紙管原紙を製造している。紙管原紙は、原料に段ボール古紙、新段ボール古紙、雑誌古紙、地券古紙などの古紙が使用されていて、紙管原紙として必要な強度に合わせ、これらの古紙が組み合わせて配合され、場合によっては紙力増強剤によって強度を補い製造されている。強度の高い古紙は入手が難しいことと、紙力増強剤を添加すると製造コストが増加するため、一般に強度が高い紙管原紙は強度が低い紙管原紙よりも高価なものとなっている。
紙管は、これらの紙管原紙に紙管用接着剤を施し、これをマンドレルと呼ばれる金属製の芯棒に螺旋状に、連続的に重ねて巻きつけることにより筒状に形成される。紙管の大きさは、用途にもよるが巻取紙製品の場合には直径110mm、内径80mm、紙管の肉厚15mmのものが標準である。
紙管の製造には、紙管原紙に加え、ライナーやクラフト紙が使用される場合もある。ライナーは段ボール原紙の一種で、段ボールシートの外側を形成する強度の高い紙である。紙管原紙より表面強度の高いライナーを紙管の外側に巻くことにより、紙管を運搬する際やワインダーへセットする際に紙管の表面に傷や紙むけができるのを防ぐことができる。また、ライナーはおもて面の外観が均一であるため、紙管の外観をよくすることができる。使用されるライナーの坪量は160〜340g/m程度である。
同様の目的のために、ライナーの代わりに、クラフト紙や耐水性を付与したクラフト紙を用いることがある。
さらに、紙管の吸湿を抑えるため、ポリサンド紙が使用されることもある。ポリサンド紙はポリエチレンフィルム等の防湿性のあるフィルムの両面にクラフト紙を貼り合わせたもので、接着性やハンドリング性が紙に近いので、紙管原紙やライナーと同様に紙管用接着剤で紙管に巻き込むことができる。例えば、ポリサンド紙を紙管原紙とライナーの間に1枚巻き込むことにより、紙管の吸放湿を抑えることができ、環境変化による紙管の変形を抑えることができるので、芯際のばたつきを防止することができる。ポリサンド紙の透湿度(JISZ0208:1976、温度湿度条件:温度40℃、相対湿度90%)は、50g/(m・24h)以下であると上記効果が高くなるので望ましい。
(紙管原紙の紙質と口金トルク強度の関係)
紙管を構成する材料のなかで、紙管原紙が主な材料となるため、紙管原紙の紙質が、製造された紙管の強度に影響してくる。紙管原紙の紙質としては、引張り強さ、破裂強さ、圧縮強さ、剥離強さ、密度などがある。このうち、どの紙質が口金トルク強度に関係するか明確ではないが、破裂強さ、密度が特に口金トルク強度に影響してくると思われる。
本発明の紙管は、少なくとも2層からなり、最内層の紙管原紙の密度が、最内層以外の全ての層の紙管原紙の密度より高いことを特徴とする。(ここで、「層」とは、同じ原紙を2枚以上巻いたした部分を表し、前述したライナーやクラフト紙やポリサンド紙のように紙として1枚のみ巻いた部分は、「層」に含めない。)最内層の紙管原紙の密度は0.75g/cm以上が望ましく、0.78g/cm以上がより望ましい。最内層以外の全ての層の紙管原紙の密度は0.73g/cm以下が望ましい。
このようにすることで、口金トルク強度に寄与する部分の紙管の密度が高いので、口金のポンチングが強固になり、高い口金トルク強度が得られる。また、ポンチングにより口金が打ち込まれても、密度の低い最内層以外の層がクッションの役目を果たし、口金部分の紙管の外径が膨れて大きくなる問題が生じることがない。
さらに、最内層の紙管原紙の比破裂強さが、最内層以外の全ての層の比破裂強さより高いことが望ましい。最内層の紙管原紙の比破裂強さは2.5kPa/(g/m)以上が望ましく、最内層以外の全ての層の紙管原紙の比破裂強さは1.8〜2.4kPa/(g/m)程度である。
このようにすることで、口金トルク強度に寄与する部分の紙管の密度あるいは比破裂強さが高いので、口金のポンチングが強固になり、より高い口金トルク強度が得られる。しかも、強度の高い紙管原紙のみを使用した場合に比べ、コスト的に有利になる。
なお、ポンチングにより口金が食い込む部分に強度の高い紙管原紙がくるように、最内層の厚さを設定するのが望ましい。つまり、紙管の内側から、後述するポンチングにより破れが生じるところまで、強度の高い紙管原紙となるように、最内層の厚さを設定するのが望ましい。
本発明の紙管は、少なくとも2層からなるが3層以上であってもよい。
本発明の紙管の口金トルク強度は900kN以上とされており、望ましくは1000kN以上である。口金トルク強度が900kNに満たないと、口金が空転することがあり、空転に至らない場合でも、印刷中、チャックの口金への食い込みが進むことにより、新しい巻取紙へのペスター時に、紙の端がずれたり、口金内部が変形し、真円度が失われるため、巻取が偏芯された状態で装置され回転することにより、特に特に角速度の大きい芯際で紙がばたつき、印刷面のトラブルが発生するという問題が生じることがある。
(紙管用接着剤)
紙管製造に使用する接着剤は、安全で使い勝手がよい水性接着剤が一般的である。この水性接着剤は、接着作業性、安全性、及び経済性などの面で利点を持つ。この接着剤の中で、多用されている水性接着剤は、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン及びポリビニルアルコール系水溶液である。ポリ酢酸ビニル系の接着剤は、木工用、紙加工用に広く使用されており、初期接着力など作業性は良好であるが、比較的柔軟なため、扁平耐圧強度がやや低くなる。
一方、ポリビニルアルコール系の接着剤は、比較的硬いため、扁平耐圧強度が高く、耐水性も良好であるが、低温で粘度が著しく上昇するため、冬季の接着作業性に難点がある。これらの紙管用接着剤が、要求される紙管の品質や、紙管製造における作業性を考慮して、適宜使用されている。
紙巻取用の紙管の場合、紙管の扁平耐圧強度は2700N/10cm以上、好ましくは3000N/10cm以上である。紙管の扁平耐圧強度が低いと、運搬、保管時などに巻取の変形を起こし、用紙使用時のダブリなどの問題を起こすことがある。
(口金)
巻取用の紙管は、その補強のために両端に金属製の口金が嵌着されている。紙管用の口金は、鋼板や亜鉛メッキ鋼板等で形成されており、厚さは、0.8〜1.4mm程度である。口金の形状は、通常、紙管の端部に嵌合し得るものであって、円形のつば部と円筒形のはかま部が一体に形成された中空状のものである。円形のつば部の幅は、紙管の肉厚より少し小さめにし、紙管よりはみ出さないようにしている。円筒形のはかま部の外径は紙管の内径よりやや大きめにしておくと挿入した場合に強固に密着させることができるが、その先端部分は紙管端部から内側に挿入し易いように紙管の内径よりも少し狭めておくとよい。はかま部の長さは、38〜150mm程度である。
口金の材質について得に限定はないが、引張強度は350N/mm以上、好ましくは390N/mm以上であると、口金が変形しにくく、その結果、口金トルク強度が高くなるので好ましい。
(ポンチング)
紙管用の口金は、回転ズレ防止のため口金の内側から外側にポンチが打ち込まれ、ポンチ孔が形成され、ポンチングにより突き出た部分を紙管内周面に食い込ませて口金を紙管に固定している。
ここで、ポンチングにより突き出た部分が先端に切断部を有することで、口金が紙管に強固に固定され、口金トルク強度が高くなるので望ましい。ポンチの形状としては、四角錐、円錐、楕円錐、丸型などがある。
例えば、四角錐のポンチを使用すると、ポンチ孔は四角錐の4隅が切断され、概略三角形の4つの爪が形成されたものとなる。これらの爪が紙管内面に食い込み、口金が紙管に固定される。
なお、ポンチ孔の形状は、紙管の長手方向(紙管円筒の中心軸方向)に長いことが好ましい。このようなポンチ孔を形成するポンチとして、前述した四角錐や楕円錐のポンチ等を挙げることができる。ポンチ孔の形状を紙管の長手方向に長くすることで、紙管の損傷を抑えながら、紙管の回転方向に働く口金トルク強度を高くすることが出来る。
(ポンチングの個数)
本発明の紙管のポンチングの個数は、口金はかま部の内周面に等間隔に10〜12個とされている。ポンチングの個数が10個より少ないと、口金トルク強度が不足する。同じポンチ形状・ポンチング深さの場合では、ポンチングの個数が多いほど口金トルク強度は高くなると予想されるが、ポンチングの個数が12個より多いと、隣り合うポンチ孔が接近し、紙管の内面が破壊され、口金が空転しやすくなり、逆に口金トルク強度が低くなる。ポンチングを2列、千鳥状にする形態もある。
(ポンチングの深さ)
ポンチングの深さを深くすることで、口金トルク強度は高くなるが、口金部分の紙管の外径が膨れて大きくなり、新しい巻取紙へのペスター時に紙の端がずれたり、特に芯際で紙がばたつき、印刷面のトラブルが発生するという問題が生じる。
本発明の巻取用紙管では、後述する、ポンチングによる紙管原紙の破れが、特定の範囲となるようにポンチングの深さ設定する。ポンチング深さは、ポンチング装置のポンチングヘッド突出高さを変えることで設定できる。
本発明の巻取用紙管は口金のポンチングによる紙管原紙の破れが、紙管の厚さの30〜60%の間まで達している。これを実測するのは難しいので簡易的に次の方法によって求める。紙管の口金ポンチ部を水に浸漬して紙管原紙を剥がし、紙管の内側から何枚目まで破れているか確認する。そして、紙管を構成する紙管原紙、ライナー、ポリサンド紙の厚さに基づき、紙管の厚さ(A)、および内側から破れが発生した紙までの厚さ(B)を求め、これらの比率(B/A)を計算する。
なお、接着剤は紙管原紙などに吸収されて紙管の厚さにほとんど影響を与えないので無視している。
口金のポンチングによる紙管原紙の破れが、紙管の厚さの30%に満たないと紙管への口金の食い込みが足りず、口金トルク強度が低くなり、60%より深いと、口金部分の紙管の外径が膨れて大きくなり、新しい巻取紙へのペスター時に紙の端がずれたり、特に芯際で紙がばたつき、印刷面のトラブルが発生するという問題が生じることがある。また、紙管の破壊が大きくなり、口金トルク強度が低くなることがある。
冬季は乾燥して紙管の水分が低くなり、紙管が割れやすくなる傾向があるので、口金トルク強度が900Nm以上となる範囲でポンチング深さを浅めにするとよい。
(口金用接着剤)
本発明の紙管では、口金を紙管に固定するために、ポンチング・エキスパンダー処理に加え、口金用接着剤を使用するのが好ましい。使用する接着剤としては、エマルジョン型接着剤、溶液型接着剤、感圧型接着剤など各種のものが使用可能であり、具体的には、酢酸ビニル樹脂系、ゴム系、フェノール樹脂系、エボキシ樹脂系などの接着剤があり、その中でも、乾燥したのちに指圧程度ですぐに接着できるコンタクト接着剤が、紙管と口金の接着では初期接着力が強く好適である。代表的なコンタクト接着剤として、クロロプレンゴム系接着剤が挙げられる。口金用接着剤の塗布量は、接着剤の種類にもよるが、例えば、ゴム系接着剤の場合には、30g/m〜200g/m、好ましくは70g/m〜150g/mである。口金用接着剤を使用することにより、口金トルク強度は10〜20%向上する。
(一体化方法)
口金用接着剤は、通常、紙管の口金と接触する面に所定量塗布する。あるいは、紙管への塗布に加えて口金はかま部外周面に塗布してもよい。次いで、口金を紙管端部から挿入し、一般に採用されているポンチング・エキスパンダー処理により口金と紙管を一体化させる。
(紙管の乾燥)
接着剤により筒状に形成された紙管は乾燥される。製造された紙管の水分は10%程度であるが、7〜8%まで乾燥する。
乾燥は、熱風による強制乾燥、あるいは自然乾燥により行う。自然乾燥の場合は、強制乾燥に比べ、乾燥に20日間程度と長くかかるが、紙管の振れや乾燥による寸法誤差(乾燥による伸縮)が強制乾燥よりも少なくなるという利点がある。
紙管の振れとは、紙管の両端をチャッキングして回転し、紙管の中央部分の外周の振れの大きさを測定したものである。紙管の振れが0.8mm以内であることが望ましい。
本発明の紙管によれば、口金トルク強度が高い紙管を得ることができるから、強い回転トルクに対しても十分耐えることが出来るので、巻取の直径が大きい場合や、回転速度の早い場合にも対応でき、印刷物などの生産効率の向上に寄与することができる。そして、安価な紙管原紙の使用割合を増やすことができるので、紙管のコスト低減に繋がる。
以下、実施例及び比較例により、本発明の効果を具体的に表す。使用した紙管原紙は表1のとおり。
Figure 2012030906
(実施例1)
マンドレル側から紙管原紙Aを10枚、紙管原紙Bを8枚、ポリサンド紙(クラフト紙50g/m+レジン20g/m+クラフト紙50g/m、厚さ0.16mm)1枚、ライナー(坪量280g/m、厚さ0.35mm)1枚を順に重ね、内径79.0mm、外径110.0mm、長さ1,626mmの新聞巻取用紙管を製造した。
つぎに、この紙管の両端に、厚さ1.2mm、つば外径108.0mm、はかま長さ50mmの口金(材質:電気亜鉛めっき鋼板SEFC390、引張り強さ390N/mm)を紙管仕上げ機によって装着し、ポンチングとエキスパンダー処理を行った。紙管仕上げ機のポンチングヘッドの駒として、四角錐台形状のポンチを使用し、ポンチングは1列等間隔で12個配列するように行った。ポンチングヘッドは、四角錐台形状で、底部が10mm×8mmの長方形、先端部が3mm×1mmの長方形で、底部の長方形と先端部の長方形は、ともに紙管の長手方向に長くなっている。また、四角錐台の高さは5mmである。ポンチング装置のポンチングヘッド突出高さは89.0mmφとした。
なお、口金を装着するに先立ち、口金用接着剤として、コンタクト接着タイプのゴム系の接着剤であるクロロプレン系溶剤形接着剤(コニシ株式会社製 商品名:コニシボンドG17)を使用し、紙管の口金装着部に接着剤を70g/m付着させ、オープンタイムとして30分経過した後に口金を装着している。
(実施例2)
紙管原紙Bにかえて紙管原紙Cを使用した以外は実施例1と同様に紙管を製造した。
(実施例3)
マンドレル側から紙管原紙Aを14枚、紙管原紙Bを4枚、ポリサンド紙(クラフト紙50g/m+レジン20g/m+クラフト紙50g/m)1枚、ライナー(坪量280g/m)1枚を順に重ねた以外は実施例1と同様に紙管を製造した。
(実施例4)
ポンチングは1列等間隔で10個配列するように行った以外は実施例1と同様に紙管を製造した。
(比較例1)
紙管原紙18枚すべてを紙管原紙Aとした以外は実施例1と同様に紙管を製造した。
(比較例2)
ポンチング装置のポンチングヘッド突出高さを89.0mmφから87.0mmφに浅くした以外は比較例1と同様に紙管を製造した。
(比較例3)
紙管原紙18枚すべてを紙管原紙Bとした以外は実施例1と同様に紙管を製造した。
(比較例4)
ポンチングは1列等間隔で8個配列するように行った以外は比較例3と同様に紙管を製造した。
なお、各用語については次のとおり。
ポンチング装置のポンチングヘッド突出高さ:ポンチング装置のポンチングヘッドが最も突出した状態を外径で表示したもの。
ポンチング深さ:ポンチングにより、口金が口金はかま部外周面から突出した部分の高さをハイトゲージにより測定し、全てのポンチングの平均値を算出した。
実施例、比較例で製造した紙管における、原紙の構成、ポンチング個数、口金トルク強度、ポンチング部の紙管外径の膨れ、破れの枚数の各測定結果、及び、破れの深さの計算結果を表2、表3に示す。評価や測定方法は次のとおりとした。
口金トルク強度の測定:紙管トルク測定器(株式会社東予理研製)は、チャッキング部、動力及びトルクセンサー部、固定万力部とからなっている。口金付き紙管の口金部に、チャックを側圧1.7tでセットし、紙管中央部を固定万力部で紙管本体が回らないように固定する。この状態でチャックを0.03rpmで回転させると、口金が回るときのトルク(最大降伏荷重)がトルクセンサー部により計測され、表示盤にその値が表示される。
破れの枚数:紙管の口金ポンチ部を水に浸漬して原紙を剥がし、内側から何枚目まで破れているかによって確認した。(完全に破れて穴の開いたものをカウントする)
ポンチング部の紙管外径の膨れ:口金ポンチング部の紙管外径にノギスを当てて紙管を回転させ、最大となる外径を測定し、口金の無い部分の紙管の外径との差を計算した。
Figure 2012030906
Figure 2012030906
表1に示したように、本発明の実施例による紙管では、口金トルク強度が高く、ポンチング部の外形の膨れが小さいことがわかる。
強度の低い紙管原紙Bのみを使用した比較例3は、口金トルク強度が低くなっているが、最内層の紙管原紙を高い強度の紙管原紙Aとした、実施例1と実施例2と実施例3は、強度が高い紙管原紙Aのみを使用した比較例1と比べても口金トルク強度に大きな差がないことがわかる。比較例1はトルク強度が高いものの、ポンチング部の外径の膨れが大きく、芯際のばたつきやシワの発生が予想される。
このことから、本発明の実施例では、ポンチングにより口金が打ち込まれても、最内層の外側の層は密度が低いので紙管原紙がクッションの役目を果たし、ポンチング部の外径の膨れが小さくなったと考えられる。
比較例2は、比較例1と比較してポンチングが浅く、ポンチング部の外径の膨れは無いが、口金トルク強度が劣っている。
比較例3と比較例4を比べると、比較例4はポンチング個数が8個と比較例3の12個に比べ少ないので、口金トルク強度が大きく下がっている。
本発明の巻取用紙管は、新聞用紙や印刷用紙などの紙やフィルムなどのシートを巻取るための紙管として、使用可能である。
1 紙管
1a 紙管の最内層の外側の層
1b 紙管の最内層
2 口金
3 ポンチング部

Claims (8)

  1. 紙管の両端に口金が取り付けられている口金付き紙管において、紙管の中空部において口金本体の内側から外側にポンチングにより口金が固定されており、紙管は少なくとも2層からなり、最内層の紙管原紙の密度が、最内層以外の全ての層の紙管原紙の密度より高いことを特徴とする巻取用紙管。
  2. 前記最内層の紙管原紙の比破裂強さが、前記最内層以外の全ての層の紙管原紙の比破裂強さより高いことを特徴とする請求項1に記載の巻取用紙管。
  3. 口金トルク強度が900Nm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の巻取用紙管。
  4. 口金のポンチングの個数が10〜12個であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の巻取用紙管。
  5. 口金のポンチングによる紙管原紙の破れが、紙管の厚さの30〜60%の間まで達していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の巻取用紙管。
  6. 口金材の引張強度が350N/mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の巻取用紙管。
  7. 巻取用紙管を構成する原紙に、透湿度が50g/(m・24h)以下である防湿性シートが少なくとも1枚巻き込まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の巻取用紙管。
  8. 製造された紙管の振れが0.8mm以内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の巻取用紙管。
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