JP5541967B2 - 巻芯用紙管 - Google Patents

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Description

本発明は、食品包装用ラップフィルム或いは医療用フィルム又はその他各種シートの巻芯として使用可能な、巻芯用紙管に関する。
従来、ポリ塩化ビニリデンやポリオレフィンからなる食品包装用ラップフィルムや医療用フィルム又はその他各種シートが、15〜45cm程度の長さの巻芯用紙管に巻回された形態で提供されている。この種の巻芯用紙管としては、一般的には、細長い板紙をらせん状に巻いた後に接着剤で固定することで製造される、所謂スパイラル紙管が用いられている。かかる巻芯用紙管は、フィルムやシートを巻きつける工程において一定以上の強度を必要とされるため、複数の板紙を圧縮加工する等して高強度に成形されている。このため、フィルムやシートの使用後に残った巻芯用紙管を、潰す或いは折る等して減容又は短小化することは容易ではなく、そのまま巻芯用紙管を廃棄した場合には、ゴミが嵩張る等の問題があった。
これらの問題を解決するために、巻芯用紙管に切り込み或いは溝を形成する種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、貫通する切込みを断続的に施し、外周よりも凹んだ繋がり部を設けた紙管が開示されている。また、特許文献2には、特定の横幅を有する切り込みと特定の周方向の長さの外周面から内周面にかけて接続した接続部を設けた巻芯用紙管が開示されている。さらに、特許文献3には、全円周状の溝部を設け、該溝部の一部にさらに深い切込み部を設けた紙管が開示されている。
特許第2905467号公報 特許第4104941号公報 実公平03−48137号公報
しかしながら、現在、巻芯用紙管を廃棄しやすくするための上記従来の切り込み或いは溝の加工は、一般に普及していない。その理由は、従来の加工を安定した精度で実施することが困難であり、また、巻芯用紙管を容易に潰す或いは折る等できるようにすることと、ラップフィルムやシートを巻きつける際の破損等のトラブルを防止することの両立が難しいためと考えられる。
具体的には、上記特許文献1乃至3に記載の技術では、いずれも周方向に切込み部と接続部とが断続的に設けられた多段構造の切り込み或いは溝を採用しているため、巻芯用紙管を回転しながら加工する場合には、1周以上回転しても切込み部及び接続部がズレない精度が要求される。このような加工を安定した精度で連続して実施することは難しく、その結果、品質のバラツキが生じ易いという問題があった。また、ここで回転を1周で止めて加工する方法を採用すると、謂わばバッチ処理になってしまうので、生産性が上がらず、その結果、コストアップに繋がるという問題があった。
しかも、上記特許文献1に記載の技術では、貫通する切込みが断続的に形成されているため、巻芯用紙管の強度が不十分であり、ラップフィルムやシートを巻きつける際に、貫通する切込みが起点となって切断が生じ易い、巻芯用紙管のねじ切れが発生し易い等の問題があった。
また、上記特許文献2に記載の技術では、外周面から内周面にかけて接続した接続部が形成されているため、巻芯用紙管を折る際にその接続部が支点に配置された場合、容易に折ることができない。かかる不都合は、巻芯用紙管を折る際に切り込みを支点に配置することにより解消されるものの、それを消費者に誘導させる工夫がない。すなわち、上記特許文献2に記載の技術は、周方向の位置によって折り易さに差があり、一般消費者にとって使い勝手の悪いものでもあった。
一方、上記特許文献3に記載の技術では、溝部の一部が更に深い切込み部とされており、上記特許文献2に記載の技術と同様に、浅い切込み部と深い切込み部とで折り易さに差があり、一般消費者にとって使い勝手の悪いものでもあった。また、巻芯用紙管の強度が不十分であり、浅い切込み部と深い切込み部との段差部が起点となって切断が生じ易い、巻芯用紙管のねじ切れが発生し易い等の問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであり、その目的は、フィルムやシートを巻きつける際のねじ切れの発生や皺の発生が抑制され、且つ、フィルムやシートの使用後に潰す或いは折る等して減容又は短小化することが容易であり、しかも比較的に生産性及び経済性に優れる、巻芯用紙管を提供することにある。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、全周に亘って実質的に略均一の深さを有する非貫通の溝と、これと同時に、全周に亘って実質的に略均一に形成された所定の厚みを有する環状接続部とを採用することにより、上記の種々の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)を提供する。
(1)フィルム又はシートを巻回可能な、中空筒状の巻芯用紙管であって、
複数の板紙を積層してなる中空筒状の筒状体を備え、
前記筒状体の外周の少なくとも1箇所において全周に亘って形成された非貫通の溝と、該非貫通の溝の内周側に位置する環状接続部と、を有し、
前記非貫通の溝は、全周に亘って実質的に略均一の深さDを有し、前記積層体の最内層を構成する板紙の一部まで達しており、
前記環状接続部の厚みtは、前記筒状体の周壁の厚みTの半分以下であり前記積層体の最内層を構成する板紙の厚み以下であるとともに全周に亘って実質的に略均一であることを特徴とする、
巻芯用紙管。
(2)前記周壁の厚みTが、0.90〜2.20mmであり、
前記環状接続部の厚みtが、0.12〜0.45mmであることを特徴とする、
上記(1)に記載の巻芯用紙管。
(3)前記環状接続部の断面積が、0.05〜0.50cm2であることを特徴とする、
上記(1)又は(2)に記載の巻芯用紙管。
(4)前記筒状体は、複数の板紙を積層してなり、
前記積層体の最内層を構成する板紙の引裂強度が、MD方向1900mN以下、CD方向2600mN以下であることを特徴とする、
上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の巻芯用紙管。
(5)前記非貫通の溝の形成位置が、軸方向の中央から1〜6cmオフセットされていることを特徴とする、
上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の巻芯用紙管。
本発明の巻芯用紙管は、十分な強度を有するので、ラップフィルムやシートの巻きつけを行う際のねじ切れの発生が抑制される。また、本発明による非貫通の溝と環状接続部は、従来に比して安定した精度で連続成形加工することができるので、生産性及び経済性が高められる。その上さらに、本発明の巻芯用紙管は、ラップフィルムやシートの使用後に残った巻芯用紙管を廃棄する際には、潰す或いは折る等して容易に減容又は短小化することができるので、ゴミの嵩張りを抑制すことができる。しかも、従来に比して、方向異方性なく減容又は短小化することができるので、使い慣れない一般消費者にとって使い勝手が向上されたものとなる。また、本発明の好適な態様によれば、皺や切断面等の外観不良の発生をも抑制することができる。
巻芯用紙管100を概略的に示す側面図である。 巻芯用紙管100の要部を示す断面図である。 図2のIII−III断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の巻芯用紙管100を概略的に示す側面図であり、図2は、第1実施形態の巻芯用紙管100の要部を示す断面図であり、図3は、図2のIII−III断面図である。
本実施形態の巻芯用紙管100は、中空筒状に成形された紙製の筒状体11を備え、その軸方向の略中央に非貫通の溝31及び環状接続部41(非貫通部)を有する。非貫通の溝31は、筒状体11の外周の全周に亘って形成されている。
筒状体11は、中空筒状に成形された紙製の筒状体である。紙製の筒状体としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。生産性や強度面を考慮すると、細長い板紙を複数枚らせん状に巻き、各層を接着剤で固定し積層させることにより製造されるスパイラル紙管を、筒状体11として用いることが好ましい。例えば、スパイラル紙管をそのまま用いて或いは所望する幅に切断することで筒状体11を得ることができる。
本実施形態の筒状体11としては、1層の最内層12と、3〜5層の中間層13(中間層13a,13b,13c,13d,13e)と、1層の最外層14とがこの順に積層された積層構造を有するスパイラル紙管が採用されている。なお、図1〜3では、理解を容易にするため、複数の中間層13a,13b,13c・・・の個々の表示を省略し、一体的に中間層13を表している。
筒状体11の周壁の厚みT、すなわち、本実施形態では最内層12と中間層13と最外層14との総厚みは、特に限定されないが、筒状体11に必要とされる強度を保ちつつ低コスト化を図る観点から、0.90〜2.20mmであることが好ましい。筒状体11の真円度は、特に限定されないが、0.20mm以下であることが好ましい。
本実施形態においては、筒状体11の軸方向の略中央において、外周の全周に亘って非貫通の溝31が形成されている。すなわち、筒状体11の周壁は、外周面側から内周面側へ向かって切り込まれており、より具体的には、最外層14及び中間層13のすべて並びに最内層12の一部が切り込まれた構成となっている(図2及び図3参照)。
非貫通の溝31は、巻芯用紙管100を潰す或いは折る等する際に起点となるものであり、巻芯用紙管100の減容又は短小化を容易にするために加工されたものである。非貫通の溝31は、外周面から内周面に向かって切り込まれ、その深さDは、筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一となっている。ここで、実質的に略均一とは、±0.10mm程度の変動を許容する意味であり、製造時(加工時)における加工精度や筒状体11の真円度を考慮したものである。このように非貫通の溝31が切り込まれていることで、巻芯用紙管100を潰す或いは折る等する際に、非貫通の溝31が起点となって減容又は短小化が容易となる。
ここで、非貫通の溝31が筒状体11の周壁をわずかでも貫通していると、巻芯用紙管100の強度が極端に低下し、また、破断の起点となってラップフィルムやシートを巻きつける際の応力による巻芯用紙管100のねじ切れ等を引き起こし易くなる。したがって、本実施形態の巻芯用紙管100において、非貫通の溝31は、筒状体11の周壁を貫通していないことが必要とされる。
また、非貫通の溝31の深さDが、筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一でない場合、例えば、従来技術の如く、筒状体の周壁の全周に亘って断続的に溝が形成されて外周面に切り込みが入っている部分と切り込みが入っていない部分とがある場合は、その切り込みが入っている部分と切り込みが入っていない部分とで(周方向で)巻芯用紙管の折り易さに差が生じるので、一般消費者にとって使い勝手が悪いものとなる。また、従来技術の如く、溝の深さが段階的に変化する場合も、同様に、その溝の深さの相違によって(周方向で)巻芯用紙管の折り易さに差が生じる。
一般的に、巻芯用紙管100を潰す起点の位置或いは折る起点の位置を、一般消費者に強制することは不可能である。したがって、将来的に廃棄時の減容又は短小化を推進するためには、巻芯用紙管100を潰す起点の位置或いは折る起点の位置は、人間工学的に無意識の動作で自然に行うことができるように設計されるべきであり、かかる観点から、外周面から内周面に向かって切り込まれ、筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一の深さDを有する、本実施形態の非貫通の溝31は、技術的意義がある。
上述した非貫通の溝31は、筒状体11の外周の少なくとも1箇所に設けられていればよい。非貫通の溝31の形成個数は、筒状体11の素材・強度・軸長さ・直径・周壁の厚み等に応じて、適宜設定することができる。例えば、非貫通の溝31を複数箇所に設ける場合、巻芯用紙管100にラップフィルムやシートを巻きつける際の応力を分散させて、巻芯用紙管100のねじ切れ等に対する剛性をより一層高めることができる。一方、非貫通の溝31の形成個数が増すと、加工の手間の増大、これにともなう生産精度の低下及び製造コストの増大等を引き起こし易く、さらには、巻芯用紙管100を掴む位置から非貫通の溝31までの距離が短くなり、巻芯用紙管100を折るために必要とされる力がより大きくなる等の傾向がある。
非貫通の溝31の形成位置は、特に限定されないが、筒状体11の軸方向(長手方向)の中央付近が好ましい。非貫通の溝31を筒状体11の軸方向の略中央に設けることにより、筒状体11を略半分に折ることができるので、効果的に廃棄時の嵩張りを抑制することができる。また、筒状体11の軸方向の略中央に非貫通の溝31を設けると、非貫通の溝31から比較的に遠い部分を掴んで筒状体11を折り曲げることができるので、巻芯用紙管100の減容又は短小化の際に必要とされる力を小さくすることができる。
非貫通の溝31の形成位置は、巻きつけるラップフィルムやシートの皺の発生を抑制する観点から、筒状体11の軸方向(長手方向)の中央から1〜6cmオフセットした位置がより好ましい。通常、巻芯用紙管100にラップフィルムやシート等を巻きつける際には、ラップフィルムやシートの張力が巻芯用紙管100に働くため、巻芯用紙管100にたわみが生じ得る。このたわみは、巻芯用紙管100の中央部で特に大きくなる傾向にあり、そのため、ラップフィルムやシートに皺が発生する原因となり得る。これに対し、筒状体11の軸方向の中央から1〜6cmオフセットした位置に非貫通の溝31を設けることにより、巻芯用紙管100のたわみの発生を抑制することができ、これにより、巻きつけるラップフィルムやシートの皺の発生を抑制することができる。
非貫通の溝31の幅及び形状は、特に限定されない。非貫通の溝31の幅は、巻芯用紙管100の折り曲げ等をより一層容易にする観点から、筒状体11の外周面において0.05〜0.50mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.40mmの範囲である。このような範囲であれば、巻芯用紙管100にラップフィルムやシートを巻きつける際に、ラップフィルムやシートが非貫通の溝31内に食い込んで皺や破れ等が発生することを抑制するができる。また、非貫通の溝31の断面形状は、筒状体11の外周面から内周面に向かって、切り込みの幅が漸次縮径するV字型又はU字型が好ましく、V字型がより好ましい。巻芯用紙管100の折り曲げ時の応力を集中することができ、特に巻芯用紙管100の減容又は短小化の際に必要とされる力を小さくすることができる。
非貫通の溝31の内周側には、上述した非貫通の溝31が筒状体11に形成されることにより、全周に亘って実質的に略均一の厚みtを有する環状接続部41が設けられている(図2及び図3参照)。この環状接続部41は、謂わば、非貫通の溝31の内周側に存置している、筒状体11の周壁の非貫通部である。全周に亘って実質的に略均一の厚みtを有する環状構造の環状接続部41を採用することにより、ラップフィルムやシートを巻きつける等の製造時、取り扱い時或いは保存時における強度と巻芯用紙管100を減容又は短小化する際の折り曲げ易さとを両立することができる。
環状接続部41は、筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一な厚みtを有し、その厚みtは筒状体11の周壁の厚みTの半分以下であることが必要とされる。ここで、実質的に略均一とは、±0.10mm程度の変動を許容する意味であり、製造時(加工時)における加工精度や筒状体11の真円度を考慮したものである。
環状接続部41が筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一な厚みtを有することにより、巻芯用紙管100は、周方向の折り曲げ易さに方向異方性がなく、一般消費者にとって使い勝手がよいものとなる。この環状接続部41の厚みtが不均一であると、ラップフィルムやシート等を巻きつける際に環状接続部41の厚みの薄い部分に応力が集中し易いため、ねじ切れが生じ易くなる。
環状接続部41の厚みtを筒状体11の周壁の厚みTの半分以下にすることにより、巻芯用紙管100を減容又は短小化する際、折り曲げる起点として十分な機能が発揮される。環状接続部41の厚みtは、筒状体11の周壁の厚みTによるが、通常、0.12〜0.45mmであることが好ましく、より好ましくは0.12〜0.40mm、さらに好ましくは0.12〜0.25mmである。環状接続部41の厚みtがこれらの範囲にあれば、製造時、取り扱い時或いは保存時に必要とされる強度と、巻芯用紙管100を減容又は短小化する際の折り曲げ易さとのバランスが両立し易い。また、非貫通の溝31及び環状接続部41の形成時に、筒状体11の真円度や加工精度等に起因して、切り込みが筒状体11の周壁を貫通する製造トラブルの発生を抑制することもできる。
環状接続部41は、その断面積(非貫通の溝31が形成されている箇所の筒状体11の軸方向の断面における面積、図2参照)が、0.05〜0.50cm2であることが好ましく、より好ましくは0.06〜0.40cm2、さらに好ましくは0.07〜0.30cm2である。環状接続部41の断面積は、一般に、値が小さいほど折り曲げが容易となる一方で強度が低下するので、巻芯用紙管100を減容又は短小化する際の折り曲げ易さと製造時、取り扱い時或いは保存時に必要とされる強度とのバランスを考慮して決定すればよい。環状接続部41の断面積を小さくする方法としては、特に限定されないが、例えば、切り込みを深くして環状接続部41の厚みを薄くする、および/または、筒状体11の直径を小さくする、等の方法が挙げられる。
非貫通の溝31及び環状接続部41の形成方法は、特に限定されない。公知の技術を適宜適用して、非貫通の溝31及び環状接続部41を形成することができる。例えば、筒状体11の中に鉄芯等のたわみにくい芯材を嵌め、筒状体11を回転させながら、一定の深さに入るように調整した丸刃等を当てることで非貫通の溝31及び環状接続部41を形成することができる。この場合、特に、筒状体11とその中に入れている芯材との間に隙間が生じない状態で丸刃を当てると、切り込みの入れる深さの精度が出やすいため好ましい。従来の技術では、筒状体11の真円度が低かったり、筒状体11の中に入れる芯のたわみ制御ができなかったりする等の理由で、このような方法で加工を行っても筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一の深さDを有する非貫通の溝31(筒状体11の周壁の全周に亘って実質的に略均一の厚みtを有する環状接続部41)を形成することは困難であった。
ここで、本実施形態の如く複数の板紙を積層した筒状体11を採用する場合、非貫通の溝31の切り込みは、筒状体11の周壁を貫通していない条件下で、最内層12まで達していることが好ましい。換言すれば、環状接続部41の厚みtは、最内層12の板紙の厚みよりも薄いことが好ましい。ここで、筒状体11の最内層12の板紙とは、筒状体11の一番内側(内周面側)にある板紙のことである。このように、非貫通の溝31の切り込みが最内層12(の板紙)にまで達していると、最内層12の板紙が裂け易く、また、巻芯用紙管100を折った際に板紙の裂けの伝播方向が制御できるため、きれいな切断面が得られ易い。したがって、巻芯用紙管100を折った際の断面の見栄えがよくなる。さらに、巻芯用紙管100を折り曲げる際に、抵抗を受けにくいため、折り曲げ易くなる。換言すれば、環状接続部41の厚みtが最内層12の板紙の厚みよりも薄ければ、巻芯用紙管100を減容又は短小化する際、折り曲げる起点として十分な機能が発揮される。
また、筒状体11の最内層12の板紙は、引裂強度が、MD方向が1900mN以下、CD方向が2600mN以下であることが好ましい。かかる引裂強度は、JIS−P−8116に規定されているエルメンドルフ型引裂試験方法に基づき、幅50mm、長さ63mmの板紙に20mmの切り込みを入れて、測定して求められる値である。板紙のMD方向とは、抄紙機で板紙を抄造する際の板紙の進行方向に並行な方向であり、板紙のCD方向とは、抄紙機で板紙を抄造する際の板紙の進行方向に直角な方向である。筒状体11の最内層12の板紙の引裂強度が上記の範囲にある場合、巻芯用紙管100の折り曲げ易さが高められ折り曲げる感触に優れるとともに、巻芯用紙管100を折った際にきれいな切断面が得られ易い。このような範囲の板紙としては、紙管原紙、ライナー紙、硫酸紙、上質紙およびボール紙等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、ポーラスな板紙を筒状体11の最内層12に用いることもできる。
なお、非貫通の溝31の設置箇所を注意喚起し或いはその視認性を高めるために、表示を設けてもよい。表示方法は、特に限定されない。このような表示を設けることにより、一般消費者の取り扱い性を高めることができる。例えば、非貫通の溝31を全周に沿って着色する、或いは、非貫通の溝31の脇に平行な線を全周に沿って表示する等の方法であれば、非貫通の溝31及び環状接続部41の形成工程において、生産性及び経済性を大きく損なわずに行えるため、好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で用いた評価方法について説明する。
(1)水分率
各々の巻芯用紙管100のサンプルを24時間室内でエージングした後、ISO11093−3に則して、水分率を測定した。
(2)偏平圧縮強度
各々の巻芯用紙管100のサンプルを全長77mmに切断し、23℃、50%RHで24時間調湿した後、試験速度12.7mm/minの条件下で偏平圧縮強度を測定した。測定は、オートグラフ(AG−50kNG、(株)島津製作所社製)を用いた。座屈点(第一降伏点)を偏平圧縮強度とし、サンプル数は各々5点とし、5点の平均値を採用した。
(3)軸圧縮強度
各々の巻芯用紙管100のサンプルを全長77mmに切断し、23℃、50%RHで24時間調湿した後、試験速度12.7mm/minの条件下で軸圧縮強度を測定した。測定は、オートグラフ(AG−50kNG、(株)島津製作所社製)を用いた。座屈点(第一降伏点)を軸圧縮強度とし、サンプル数は各々5点とし、5点の平均値を採用した。
(4)片側引張折れ試験
各々の巻芯用紙管100のサンプルを23℃、50%RHで24時間調湿した後、サンプルの非貫通の溝31から70mmの距離の一方を固定し、他方を試験速度300mm/minの条件下で上方に引っ張ることにより、折れ強度を測定した。測定は、オートグラフ(AG−50kNG、(株)島津製作所社製)を用いた。サンプル数は各々5点とし、5点の平均値を採用した。
(5)折れ易さ官能試験
20〜60歳代の男女各5人に各々の巻芯用紙管100のサンプルを渡し、非貫通の溝31を起点に実際に両手で折ってもらい、以下の基準にしたがって折れ易さを官能評価してもらった。試験数は各1点とした。
◎:簡単に折れる
○:少し力を加えると折れる
△:かなり力を加えると折れる
×:折れない
(6)折った後の切断箇所の外観評価
20〜60歳代の男女各5人に各々の巻芯用紙管100のサンプルを渡し、非貫通の溝31を起点に実際に両手で折ってもらい、以下の基準にしたがって切断状況を目視にて官能評価してもらった。試験数は各10とした。
○:二つに切断し、切断面も良好
△:二つに切断するが、切断面は汚い
×:折れるものの、二つに切断せず、巻芯用紙管の内層がつながったまま
−:折れないため、評価できない
(7)巻回ラップフィルムの外観評価
各々の巻芯用紙管100のサンプルに、同条件下で、ラップフィルム(サランラップ(登録商標)、旭化成ホームプロダクツ(株)社製)を巻きつけた。得られた巻回ラップフィルムの外観(ラップフィルムの皺の発生状況)を目視にて観察し、以下の基準にしたがってブランク品(サランラップ(登録商標))との外観比較を評価した。試験数は各50本とした。
○:ブランク品に比べて、皺が少ない又は同等
△:ブランク品に比べて、やや皺が多い
×:ブランク品に比べて、かなり皺が多い(商品として許容できない)
[実施例1〜5及び比較例1〜2]
ライナー紙160g/m2(厚み0.2mm)を最内層12とし、その外層に、中間層13(中間層13a,13b,13c,13d)として4層の紙管原紙と、最外層14として1層の紙管原紙とをこの順に積層して接着させて、所定の寸法のスパイラル紙管(筒状体11)を製造した。その後、各々のスパイラル紙管の中に鉄芯を嵌め、各々のスパイラル紙管を回転させた状態で外径100mm及び厚み0.5mmの丸刃を押し当てることにより、スパイラル紙管の軸長さ方向中央部の一箇所に全周に亘って実質的に略均一の切り込みを入れて非貫通の溝31及び環状接続部41を形成し、これにより、実施例1〜5及び比較例1〜2の巻芯用紙管100を得た。なお、非貫通の溝31及び環状接続部41を形成の際には、非貫通の溝31の深さD、環状接続部41の厚みt、非貫通の溝31の幅、環状接続部41の断面積等を変化させた。各々の加工条件を、表1に示す。
得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の巻芯用紙管100につき、水分率、偏平圧縮強度、軸圧縮強度、片側引張り折れ試験、折れ易さ官能試験、折った後の切断箇所の外観評価、及び、巻回ラップフィルムの外観評価を行った。評価結果を、表2に示す。
Figure 0005541967
Figure 0005541967
実施例1〜5の巻芯用紙管100は、ラップフィルム用の巻芯としては相当に高強度に設計したものであったが、いずれも十分な強度を有するとともに、実用上において問題ない程度に容易に折ることができるものであることが確認された。また、実施例1〜5の巻芯用紙管100は、ラップフィルムを巻きつける際のねじ切れが発生せず、さらに、巻きつけるラップフィルムの皺も発生も抑制されたものであることが確認された。一方、比較例1〜2の巻芯用紙管100は、男性及び女性のいずれも折ることができないものであった。そして、これら比較例1〜2の巻芯用紙管100との比較から、実施例1〜5の巻芯用紙管100は、折り曲げやすさが格段に向上されたものであり、また、折った後にきれいな切断面が得られるものであることが確認された。
以上説明したとおり、本発明の巻芯用紙管は、十分な強度を有しフィルムやシートを巻きつける際のねじ切れの発生が抑制されたものである一方、フィルムやシートの使用後に潰す或いは折る等して減容又は短小化することが容易であり廃棄時の嵩張りを抑えることができ、しかも従来に比して安定した精度で連続成形加工することができ比較的に生産性及び経済性に優れるので、食品包装用ラップフィルム或いは医療用フィルム又はその他各種シート等の種々の用途において、広く且つ有効に利用可能である。
11…筒状体、12…最内層、13…中間層、14…最外層、31…非貫通の溝、41…環状接続部、100…巻芯用紙管、D…深さ、t…厚み、T…厚み。

Claims (5)

  1. フィルム又はシートを巻回可能な、中空筒状の巻芯用紙管であって、
    複数の板紙を積層してなる中空筒状の筒状体を備え、
    前記筒状体の外周の少なくとも1箇所において全周に亘って形成された非貫通の溝と、該非貫通の溝の内周側に位置する環状接続部と、を有し、
    前記非貫通の溝は、全周に亘って実質的に略均一の深さDを有し、前記積層体の最内層を構成する板紙の一部まで達しており、
    前記環状接続部の厚みtは、前記筒状体の周壁の厚みTの半分以下であり前記積層体の最内層を構成する板紙の厚み以下であるとともに全周に亘って実質的に略均一であることを特徴とする、巻芯用紙管。
  2. 前記周壁の厚みTが、0.90〜2.20mmであり、
    前記環状接続部の厚みtが、0.12〜0.45mmであることを特徴とする、請求項1に記載の巻芯用紙管。
  3. 前記環状接続部の断面積が、0.05〜0.50cm2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の巻芯用紙管。
  4. 前記筒状体は、複数の板紙を積層してなり、
    前記積層体の最内層を構成する板紙の引裂強度が、MD方向1900mN以下、CD方向2600mN以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻芯用紙管。
  5. 前記非貫通の溝の形成位置が、軸方向の中央から1〜6cmオフセットされていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻芯用紙管。
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