JP2012030149A - 金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及び反応方法。 - Google Patents

金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及び反応方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の金属粒子担持触媒と比較して活性向上や寿命延長などの観点から触媒性能、電気的特性を改善したナノオーダーの担体に金属ナノ粒子を担持被覆させた金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及びこの触媒を利用した反応方法を提供する。
【解決手段】[1]イオン交換体を含む一次粒子径が1〜500nmの担体物質を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、所定の1種以上の金属イオンを添加し、担持する工程と、[2]前記工程[1]に続いて、金属粒子を担持させる工程と、[3]前記工程[2]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記の[3]の工程で得られた金属粒子担持触媒の前躯体分散液を脱塩処理し金属粒子担持触媒分散液を得る工程と、[4]前記工程[3]の金属粒子担持触媒分散液から得られた金属粒子担持触媒を乾燥処理する工程と、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、担体物質に金属を担持した金属粒子担持触媒、及びこの金属粒子担持触媒を製造する技術、並びに当該金属粒子担持触媒を用いて反応を進行させる技術に関する。
触媒は、燃料電池における反応促進の他、有機物質合成、自動車排ガスの浄化等、各種の分野で使用されている。この様な触媒としては、アルミナ、シリカ等の酸化物やカーボンなどの多孔質体を担体物質とし、これに活性金属である白金、ロジウム等が担持された触媒や、複数の金属が担持された多元系触媒が知られている。また、担体物質については、上述したもののほか、ゼオライト、シリカ-アルミナ複合体、セリア、酸化錫、ATO、ITO、五酸化アンチモンなど種々の物質が用いられている。
担体物質に担持される活性金属は、単位重量あたりの表面積を大きくし、活性金属としての性質や担体物質との相互作用を発揮させるため、コロイド粒子などのように粒径の小さな状態で担持されることが多い。従来の、担体物質に金属を含むコロイド粒子が担持されてなる金属粒子担持触媒の代表的な製造方法のひとつとして、多孔質の金属酸化物からなる担体にジニトロジアンミン白金や塩化白金酸、硝酸ロジウムといった金属塩溶液を含浸させ、還元雰囲気中で焼成する方法が知られている。また、前記多元系触媒についても、担持する複数の金属塩の溶液を調製し、これに担体を混合して複数の金属イオンを担体上に吸着させ、ついで乾燥、焼成する製造方法が知られている。
担体物質も比表面積を大きくするためにミクロンオーダーでなくナノオーダーの担体に金属粒子を担持させる触媒開発も行われている。このような触媒は担体表面に金属イオンを還元し金属を析出させコーティングする方法が主に知られているが、金属粒子を析出させる際に構造制御剤として使用する高分子や界面活性剤などが粒子表面に多く存在し、触媒活性が低い問題や金属が粒子表面にコーティングされずに単独のコロイドとして存在する問題があった。
上述の製造方法の例に加え、担体物質上に金属を含むコロイド粒子が担持されてなる金属粒子担持触媒の製造方法の先行技術例をいくつか挙げておく。特許文献1には、金属酸化物などからなる微小な担体粒子の表面に、触媒活性をもつ微小な金属粒子を析出させる方法において、前記担体を合成する少なくとも一つの原料の吸収バンドに合致する波長を含む光を、前記原料に照射し前記担体粒子を析出させる工程と、析出した前記担体粒子と触媒活性をもつ前記金属粒子を析出するための前記原料とに、同時に、前記原料の吸収バンドに合致する波長を含む光を照射し、前記金属粒子を前記担体粒子の表面に析出させる工程と、析出した前記金属粒子を選別補収する工程とからなることを特徴とする触媒の製造方法が開示されている。
特許文献2には、金属粒子及び/または金属化合物粒子が、該粒子を実質的に個々に且つ別々に保護する数平均分子量が3,000〜300,000の有機高分子化合物と共に固体担体に吸着担持されてなり、該高分子化合物及び該固体担体の少なくとも一方が、共有結合を形成して両者間に化学結合を作るべく作用し得る官能基を有さないことを特徴とする金属粒子及び/または金属化合物粒子担持複合体が記載されている。その製造方法としては、分散媒、金属粒子及び/または金属化合物粒子及び保護コロイド粒子作用を持つ数平均分子量が3,000〜300,000の有機高分子化合物を含み、該粒子が該分散媒中に分散してコロイド粒子を形成し、且つ該高分子が該粒子に吸着して保護コロイド粒子として該粒子を実質的に個々に且つ別々に保護してなるコロイド粒子分散液を提供し、該コロイド粒子分散液と固体担体とを接触させ、該高分子化合物および該固体担体の少なくとも一方が、共有結合を形成して両者間に化学結合を作るべく作用し得る官能基を有さず、かくして、該高分子化合物で保護された該粒子が該固体担体に吸着されてなる粒子担持複合体を形成し、そして得られた複合体を該分散媒から単離することを特徴とする。
特許文献3には、金属含有イオン及び該金属含有イオンの還元により生成する金属粒子が担持される担体を含む溶液中にプロパルギルアルコールを加え、該金属含有イオンとプロパルギルアルコールとの反応物を該担体上に担持した後、該担体を水素ガスを含有する還元性ガス中で熱処理して、該担体上の金属含有イオンとプロパルギルアルコールとの反応物を金属含有コロイド粒子に還元することを特徴とする高分散金属含有コロイド粒子担持触媒の製造方法が開示されている。
特許文献4には、担体となる固体物質の存在下、金属の化合物またはイオンを含有した還元能を有する液体または還元物質を溶解した液体に、マイクロ波を照射させるか、或いは、金属の化合物またはイオンを含有した、還元能を有する液体または還元物質を溶解した液体に、マイクロ波を照射させた後に、担体となる固体物質を存在させることを特徴とする、金属含有コロイド粒子を表面に付着させた金属含有コロイド粒子付着担体の製造方法が開示されている。
特許文献5には、周期表第4周期から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少なくとも1種の第二元素と金とを含有する金属粒子が担体上に担持された金属粒子担持体と、その製造方法として金及びその化合物の少なくとも1種ならびに第二元素及びその化合物の少なくとも1種を含む担体を熱処理することを特徴とする製造方法が開示されている。
特許文献6には、アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A−1)分散液と、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M−1)分散液とを混合することを特徴とする導電性複合粒子の製造方法及び導電性複合粒子が開示されている。
特許文献7には、金属微粒子、金属酸化物微粒子、金属被覆金属酸化物微粒子から選ばれる少なくとも1種の微粒子と、有機系安定剤と、分散媒とを含む分散液に、水素ガスを供給して、該微粒子表面に、水素を吸着させたのち、該分散液に、金属塩を添加して、該微粒子表面に吸着した水素により、金属塩を還元して、該微粒子上に金属を析出させて表面層を形成することを特徴とする複合微粒子の製造方法及び導電性複合粒子が開示されている。
このように、微小な金属粒子を担体物質に担持して金属粒子担持触媒を製造する手法は数多く開発されているが、例えば触媒の活性向上や寿命延長、電気的特性の向上といった観点における触媒性能については、更なる改善が要望されていた。
特開昭61−268359号公報:請求項1 特開平5−293383号公報:請求項1、請求項4 特開平6−31181号公報:請求項1 特開2003−13105号公報:請求項1 特開2003−053188号公報:請求項1、請求項2 特開2008−311141号公報:請求項1、請求項2 特開平11−12608号公報:請求項1、請求項2
本発明は、従来の金属粒子担持触媒と比較して活性向上や寿命延長などの観点から触媒性能、電気的特性を改善したナノオーダーの担体に金属ナノ粒子を担持被覆させた金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及びこの触媒を利用した反応方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、次の[1]〜[4]の工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
[1] イオン交換体を含む担体物質(但し、一次粒子の平均粒子径が1〜500nm)を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担持し、懸濁液Aを調製する工程。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
[2]前記工程[1]に続いて、前記懸濁液Aを15〜40℃に温度調整しながら下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、前記担体物質100質量部に対して50〜100000質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒の前駆体分散液を調製する工程。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
[3]前記工程[2]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記金属粒子担持触媒の前駆体分散液を脱塩して金属粒子担持触媒分散液を得る工程。
[4]前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液を温度100〜200℃で乾燥処理する工程。
この製造方法によれば、乾燥処理工程以外には100℃以上での高温処理工程を必要とせず、その操作も容易である。
第2の発明は、前記工程[3]にて脱塩処理を行った後の前記担体物質に対する金属イオンの担持量が、担体物質100質量部に対して0.001〜10質量部であることを特徴とする。前記固液分離処理により未吸着の金属イオンを分離することで触媒反応の低下や電気的特性の低下を抑制することができる。
第3の発明は、前記工程[1]にて、前記担体物質に担持された金属イオンの質量と、前記工程[2]にて懸濁液Aに添加される金属粒子の質量との関係を、下記式(1)で表したときの式の値が0.0001〜0.005の範囲であることを特徴とする。
金属イオンの質量/(金属イオンの質量+金属コロイドの質量)…(1)
金属イオンの担持量及び金属粒子の添加量の好適な値を規定する。
第4の発明は、前記工程[4]の乾燥処理を不活性雰囲気下で行うことを特徴とする。乾燥処理を行う際の好適な雰囲気を規定したものである。
第5の発明は、下記(I)の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンが担持されたイオン交換体を含む一次粒子径が1〜500nm担体物質に、下記(II)の(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子により、厚さ1〜50nmの被覆層を形成する工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
(II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
さらに第6の発明は、前記第1から第5のいずれか一つ発明に係る金属粒子担持触媒の製造方法で製造されてなる金属粒子担持触媒である。
第7の発明は、イオン交換体を含む担体物質(但し、一次粒子の平均粒子径が1〜500nm)に金属粒子を担持してなる金属粒子担持触媒であって、
(I)前記イオン交換体に下記(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを担持したことと、
(II)下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担体物質に担持したことを特徴とする金属粒子担持触媒。
(III)前記金属粒子が厚さ1〜50nmの被覆層を形成していることを特徴とする金属粒子担持触媒。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
(II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
本発明に係る金属粒子担持触媒は、担体物質への金属イオンの担持量金属粒子担持量及び担持した金属粒子により形成された被覆層の厚さを特定し、更に該金属イオンの種類を特定することで、それらの相乗効果で触媒活性が向上する点において、従来の金属粒子担持触媒と相違し、従来の金属粒子担持触媒に比べて優れた触媒性能を示すことができるものと言える。
第8の発明は、前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pt、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることを特徴とする。
具体的には、本発明に係る金属粒子担持触媒の担持金属がこれらの金属から選ばれるものである場合、従来の金属粒子担持触媒の場合と同等の水準の担持量で、より優れた触媒性能を示すことが可能となる。
第9の発明は、前記金属粒子担持触媒に含まれる金属粒子の割合が40〜99.9質量%であることを特徴とする。本発明は、金属粒子担持触媒における担持金属の含有割合を特定したものであり、特に従来の金属粒子担持触媒に比べて、担持される金属が少量であっても、従来の金属粒子担持触媒と同等以上の触媒性能を示すことが可能となる。
第10の発明は、前記担体物質が、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものであり、当該無機系担体物質または有機系担体物質は、Si、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする。本発明は、金属粒子担持触媒における担体物質の種類を規定したものであり、無機系担体物質または有機系担体物質のいずれにも適用可能であると共に、これらの担体物質に含有される元素として好適な元素を示している。
第11の発明は、前記担体物質が、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、からなる1種以上の化合物を含有するものであることを特徴とする。本発明は、金属粒子担持触媒における担体物質の種類を規定したものであり、半導体や電子導電体、プロトン導電体のいずれにも適用可能であると共に、これらの担体物質に含有される化合物として好適な化合物を示している。
第12の発明は、前記第6から第11のいずれか一つ発明に係る金属粒子担持触媒を次の1)〜4)のいずれかの反応に適用する工程を含むことを特徴とする反応方法である。
1)不飽和炭化水素、芳香族、エステル、アルデヒド、ケトン類の水素化反応、
2)アルコール類、メチレン、ディーゼル自動車排ガス、ガソリン自動車排ガスの酸化反応、
3)ガソリン、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族の脱水素反応、
4)ガソリン、ベンゾイル基誘導体、エポキシ誘導体、硝酸類、硫酸類の水素化分解反応
5)水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素のガスセンサー
6)燃料電池発電システム
本発明に係る金属粒子担持触媒は、イオン交換サイトに担持した金属イオンと金属粒子とを共存させることにより、これら金属イオンと金属粒子との間で相乗効果が発揮されると考えられると共に、金属粒子が被覆層を形成して担持されているので、例えば活性向上や寿命延長、ガス吸着能の向上、電気的特性の向上といった観点で優れた触媒性能を示す。
実施の形態に係る金属粒子担持触媒等の具体的な構成を説明する前に、当該触媒の開発に至る基本的な考え方について説明しておく。例えば、排ガス浄化用途などに適用される、従来の金属粒子担持触媒は、担体物質(例えば、アルミナまたはゼオライトなど)に、活性金属と呼ばれる各種金属粒子(例えば、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Cu(銅)など)が担持してなるものが多い。
このような金属粒子担持触媒では、触媒性能を向上させる目的で担持金属量を増やす場合があるが、一定の水準以上に担持金属を増やすと触媒性能が飽和することが知られている。このような現象は、担持金属どうしが凝集または近接することにより担持金属の触媒作用が充分に機能しないことに起因するものと考えられている。
また特許文献6及び7に挙げられるような担体粒子径がナノオーダーのものは、金属ナノ粒子が担持されにくい、金属ナノ粒子が局所的に凝集し担持される、合成時に多量の表面処理材を使用し活性が低くなるなどの問題があった。
担体粒子径がナノオーダーのものは、金属ナノ粒子が完全被覆すること自体が難しく、部分被覆されたものでは、完全被覆されたものに比べて、電気的特性の低下、ガス吸着能の低下などの問題があった。
そこで本発明者らは、これらの課題を解決するべく鋭意検討を行ったところ、担体物質への担持金属の際に予め金属イオンを担持させておくことにより、金属粒子の担持状態・被覆状態を改善できることに加え、担持された金属イオンと金属粒子の相乗効果により、触媒性能の改善、電気的特性の改善、ガス吸着能向上を図ることが可能であることを見出した。
また、従来の金属粒子担持触媒の製造方法においては、例えば500℃以上での焼成工程や水素ガス雰囲気中での還元工程などが採用されることが多かった。これらの工程は製造コストの増大や工程制御の労力を増やすものであった。この点、本発明に係る金属粒子担持触媒の製造方法では、このような工程を経ることなく、優れた触媒性能を示す金属粒子担持触媒を調製することが可能となった。
以下、本発明に係る金属粒子担持触媒、金属粒子担持触媒の製造方法および反応方法について具体的に説明する。
〔金属粒子担持触媒〕
本発明に係る金属粒子担持触媒は、イオン交換体を含む一次粒子径が1〜500nmの担体物質に金属粒子を担持してなる金属粒子担持触媒であって、
(I)前記イオン交換体に下記(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを担持したことと、
(II)下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担体物質に担持したことと、
(III)前記金属粒子が厚さ1〜50nmの被覆層を形成していることを特徴とする金属粒子担持触媒である。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
(II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
従来、ゼオライトまたはアルミナなどの無機材料からなる担体物質に、白金などの金属粒子が担持されてなる金属粒子担持触媒は知られている。本発明に係る金属粒子担持触媒は、従来公知の金属粒子担持触媒の触媒性能を大幅に改善したものである。触媒性能の改善にかかわる特徴は、担体物質に所定の金属イオンが担持されていること及び担体物質に金属粒子が担持し、所定の被覆層を形成していることにある。
(i)金属イオン
本発明に係る金属粒子担持触媒は、金属イオンを利用して金属粒子の担持が行われる必要がある。ここで、金属イオンを利用した金属粒子の担持とは、金属イオンが存在する条件下で金属粒子を担体物質に固定化させることを意味する。また、最終的に得られた触媒の状態においては、担体物質のイオン交換サイトに金属イオンと金属粒子とが固定化されていることを意味する。なお、この金属粒子担持触媒には、担持工程における金属イオンを由来とする水酸化物、酸化物、単体金属、金属錯体などが担持されていてもよい。
担持工程において金属イオンは、担体物質に担持して、次工程で担持する金属粒子との担持力向上の作用(金属粒子が摩擦や熱などで剥離しにくくなる)を示し、これは金属イオンと金属粒子の電気的な相互作用により寄与するものと考えられる。金属イオンの担持は、担体物質の懸濁液に金属イオンを含む、金属塩の溶液を混合することなどにより行われる。またこの担持工程において、担体物質に吸着していない金属イオンを除去する工程を設けることで、フリーな金属イオンの存在により触媒活性や電気的特性低下を防ぐ。後述する製造方法に関する項に記した。このように金属イオンを使用して金属粒子を担持させたものは、金属イオンと金属粒子の相乗効果が発揮されるものと推定され、活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能や電気的特性やガス吸着能を示すことが後述の実験からも確認されている。
前記金属イオンの種類としては、次の(Ia)、(Ib)または(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンが使用される。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン。具体的には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる金属イオンが好適である。
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン。具体的には、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる金属イオンが好適である。
(Ic)白金イオンまたは金イオン。
上述の金属イオンを使用して金属粒子を担持させた金属粒子担持触媒は、金属イオンと金属粒子の相乗効果で活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能や電気的特性やガス吸着能を示すことができる。金属イオンと金属粒子の組み合わせ例としては、担持金属粒子と同周期、同属、隣接する族の金属イオン等が好適である。
担体物質に対する前記金属イオンの担持量は、担体物質100質量部に対して、0.1〜100質量部の範囲が好ましい。担持量がこの範囲にある場合、次工程で金属粒子を担持させやすくなる等の効果が発揮されやすい。担持量が0.1質量部未満では、次工程で金属粒子を担持させやすくなる効果が発揮されにくくなり、好ましくない。また、100質量部を超える場合は、次工程以降に金属イオンの原料となる金属塩が多く持ち込まれ、金属粒子が凝集を引き起こしやすいなどの理由で好ましくない。担体物質に対する前記金属イオンの担持量は、より好適には0.15〜90質量部の範囲が推奨される。
(ii)金属粒子
本発明に係る金属粒子担持触媒は、担体物質の表面に金属粒子が担持し、被覆層を形成したものである。ここで、金属粒子が担体物質に担持するとは、金属粒子が担体物質の表面に固定化していることを意味する。また、前記被覆層は、金属粒子が担体物質表面に稠密に固定化されることにより形成されたものである。
前記金属粒子は、金属単体のほか、複合金属、単体金属と金属酸化物の混合物からなる部分酸化物であっても構わない。
前記金属粒子の種類としては、次の(IIa)(IIb)または(IIc)から選ばれる1種以上の金属粒子が使用される。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子。具体的には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる金属粒子が好適である。
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子。具体的には、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる金属粒子が好適である。
(IIc)白金粒子または金粒子
このような金属粒子は担体物質に担持して水素化反応、水素化分解反応、酸化反応又は脱水素反応などの触媒作用を示す。水素化反応又は水素化分解反応の作用を示す金属粒子として特にFe、Co、Ni、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Pt、Au、Cu又はこれらの複合金属等がこのましい。また、酸化反応又は脱水素反応の作用を示す金属粒子としては、Ag、Cu、Pt、Pd、Au又はこれらの複合金属等が好ましい。
電気的特性に有効な金属としては、Ag、Pd、Au、Pt、Cu,Ru、Rh及びこれらの複合金属等がこのましい。ガス吸着能に有効な金属としては、Ag、Pd、Au、Pt及びこれらの複合金属等が好ましい。
担体物質に対する金属粒子の担持量は、担体物質の質量を基準として、金属の比重・粒子径、担体の比重と粒子径の兼ね合いもあるが、40〜99.9質量%の範囲が好ましい。この範囲であれば、金属粒子が1〜50nmの厚みで担体を被覆可能で担持分散性に優れる点で活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能や電気的特性やガス吸着能に優れた触媒性能を示すことができる。金属粒子の担持量が40質量%未満の場合は担体粒子に金属粒子が完全に被覆されない場合がある。また、金属粒子の担持量が99.9質量%を超える場合は、担持分散性が悪い、寿命が短くなり場合がある点で好ましくない。担体物質における金属粒子のより好適な担持量としては45〜99.8質量%の範囲が推奨される。
前記金属粒子が担体物質に担持した時の平均粒子径は、充分な活性発現を得る観点から平均粒子径1〜20nmの範囲が好ましい。平均粒子径1nm以下の金属粒子は得ることが困難である。また、平均粒子径20nmを超える金属粒子を使用した場合は、粒子の表面積が小さくなり、触媒作用を低下させる傾向がある。前記平均粒子径のより好適な範囲としては、1〜15nmの範囲が推奨される。また金属粒子の形状も特に限定されるものでなく、球状・鎖状・数珠状・異形・角状などが推奨される。
(iii)金属粒子の担持状態
本発明に係る金属粒子担持触媒において、前記金属粒子は担体表面に担持し被覆層(シェル層)を形成するものである。金属粒子が被覆層を形成せずに単独で存在したり、部分的に被覆層を形成しているだけの場合は、触媒活性の低下や、電気的特性の低下を引き起こす場合がある。
なお、本出願において、全ての担持金属粒子のうち、担持状態は、走査型電子顕微鏡(例えば後述の実施例、比較例では株式会社日立製作所製、S−5500を用いた)で担持前後の一次粒子径を測定することで被覆層の厚みを算出できる。また部分的な被覆や、担持されていないフリーな金属粒子の存在も確認できる。
本出願において、全ての担持金属粒子は、単体金属若しくは複合金属が好ましいが、部分的に酸化されていてもよい。酸化の有無は、X線回折法により確認できる。単体金属や複合金属の粒子が全く存在しない場合、著しい活性低下や寿命が短いなどを引き起こすことがある。
(iv)担体物質
本発明に係る金属粒子担持触媒の担体物質としては、公知の担体物質を使用することが可能である。具体的には、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものが使用できる。このような担体物質については、更にSi、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有するものが好適に使用される。このような担体物質の例としては、シリカ、ゼオライト、アルミナ、カーボンブラック、活性炭、チタニア、ジルコニアまたはセリアを挙げることができる。なお、本出願においては、これらの担体物質は、次のa)〜e)に該当する担体物質も含まれる。これらの担体物質の例のうちカーボンブラック、活性炭は有機系担体物質に相当し、残る担体物質は無機系担体物質に相当する。
a)これらの担体物質の構成元素の一部を他の元素で置換してなる担体物質。
b)これらの担体物質に通常含有される元素または化合物を他の元素または化合物で置換してなる担体物質。
c)これらの担体物質内に、他の元素または化合物を挿入してなる担体物質。
d)これらの担体物質に化学的な処理を加え、変性してなる担体物質。
e)これらの担体物質に水熱処理を加えてなる担体物質。
前記担体物質の比表面積、細孔容積または細孔分布は、格別に制限されるものではなく、金属粒子担持触媒の用途に応じて適宜選択して構わない。また、以上に列挙した各物質はイオン交換サイト持つイオン交換体としても作用する。
さらに本発明に係る金属粒子担持触媒の担体物質としては、半導体・電子導電体・プロトン導電体などの担体物質を使用することが可能である。具体的には、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)などの担体物質または有機系担体物質から選ばれるものが使用できる。このような担体物質については、に電気的な機能が必要な、燃料電池電極用触媒、水素、酸素、CO、COなどのガスセンサー用触媒などとしても使用可能である。
〔金属粒子担持触媒を用いた反応システム〕
本発明に係る金属粒子担持触媒は、各種反応における触媒として使用できる。特に下記1)〜4)の反応に好適に使用できる。
1)不飽和炭化水素、芳香族、エステル、アルデヒド、ケトン類などの水素化反応、
2)アルコール類、メチレン、ディーゼル自動車排ガス、ガソリン自動車排ガスの酸化反応、
3)ガソリン、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族などの脱水素反応、
4)ガソリン、ベンゾイル基誘導体、エポキシ誘導体など、硝酸類、硫酸類の水素化分解反応、
5)水素ガス、酸素ガス、CO、COガスの吸着による電気的変化から算出するガスセンサー
6)燃料電池の燃料極や空気極に用いることによるDMFC(Direct-Methanol Fuel Cell)、PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)燃料電池発電システム。
触媒の形状としては、粉末、成型体(粒状、角状、四葉状など)、ハニカム等でもよく、成型体やハニカムを得る場合はバインダー成分を使用してもよい。バインダー成分としては、反応に負の影響を与えないものであれば、有機系、無機系特に限定されるものでない。また、必要に応じて乾燥・焼成もしてよい。
また反応システムは、目的に応じてバッチ方式、カラム方式(連続式)でもよく、気相反応、液相反応、気相-液相反応でもよい。
〔金属粒子担持触媒の製造方法〕
本発明に係る金属粒子担持触媒の製造方法は、次の[1]〜[4]の工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法(以下、この製造方法を便宜上、「第1の製造方法」と呼ぶ場合がある)である。
[1]イオン交換体を含む担体物質(但し、一次粒子の平均粒子径が1〜500nm)を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担し、懸濁液Aを調製する工程。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
[2]前記工程[1]に続いて、前記懸濁液Aを15〜40℃に温度調整しながら下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、前記担体物質100質量部に対して50〜100000質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒の前駆体分散液を調製する工程。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
[3]前記工程[2]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記金属粒子担持触媒の前駆体分散液を脱塩処理して金属粒子担持触媒分散液を得る工程。
[4]前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液を温度100〜200℃で乾燥処理する工程。
また、前記製造方法とは別に予め金属イオンが担持された担体物質に金属粒子を担持する場合は、下記の製造方法(以下、この製造方法を便宜上、「第2の製造方法」と呼ぶ場合がある)を採用してもよい。
即ち、下記(I)の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンが担持されたイオン交換体を含む一次粒子径が1〜500nmの担体物質に、下記(II)の(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子により、厚さ1〜50nmの被覆層を形成する工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
(II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
前記第1の製造方法について、以下に説明する。
(i)工程[1]
この工程では、イオン交換体を含む一次粒子径が1〜500nmの担体物質を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、担持し、懸濁液(本願ではこの懸濁液を便宜上「懸濁液A」と記す)を調製する。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
本発明に使用される担体物質については、前記した通りである。本発明では、前記担体物質は、通常、水に懸濁させた状態で使用される。このような担体物質の懸濁液である第1の懸濁液は、例えば、金属水酸化物を水熱処理して得られた酸化物微粒子又は金属水酸化物を焼成し得られた酸化物微粉末を、アルミナビーズなどでブレイキンダウンして得られた担体物質を水に懸濁させて得られる。水の使用量は、担体物質100質量部に対して100〜99,900質量部が好ましく、400〜19,900質量部がより好ましい。このようにして得られた第1の懸濁液は、必要に応じて、さらに水で希釈してもよく、あるいはデカンテーションで濃縮してもよい。希釈水としては脱イオン水が好ましい。希釈後の第1の懸濁液の濃度は、0.1〜50質量%が好ましい。
次に、担体物質の懸濁液に金属イオンを添加する。金属イオンは、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンである。
前記第4周期遷移金属元素は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であることが好ましく、前記第5周期遷移金属元素は、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることが好ましい。
金属イオンの添加量は、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部が好ましく、0.2〜80質量部がより好ましい。金属イオンの添加量がこの範囲であれば、前記担体物質のイオン交換サイトへでのイオン交換や担体表面への吸着が容易となり、金属粒子と共に担持したときの相乗効果の作用が発現し易くなる。前記添加量が0.1質量部未満であると、前記担体へのイオン交換や吸着が困難になると共に、金属粒子との相乗効果の作用が生じ難くなる。前記添加量が100質量部を超えると、担持されなかった金属イオンを後段の脱塩工程で除去する効果が不十分となり、金属粒子の担持工程で高分散担持ができないなどの問題がある。
上記範囲の量の金属イオンを前記第1の懸濁液に添加する方法としては、1)金属元素換算で上記範囲の量の金属イオンを含む所定の溶液を添加する方法、および2)金属元素換算で上記割合の金属イオンを形成し得る量の金属化合物を添加し、この懸濁液中で金属イオンを発生させる方法を挙げることができる。
前記1)の方法において、金属イオンを含む溶液は、金属イオンを形成し得る金属化合物を溶媒に溶解することにより調製できる。上記金属イオンの価数については、特に限定されるものではない。
金属イオンを生成可能な上記化合物としては、上記懸濁液中で金属イオンを形成するものであれば特に制限されず、例えば、Pdイオンを形成する化合物としては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、クエン酸パラジウム、酢酸パラジウムなどが挙げられる。これらのパラジウム化合物は1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
その他の金属イオンを生成可能な化合物の一例を以下に記す。
銅イオン:塩化銅、硫酸銅、硝酸銅
白金イオン:塩化白金酸、塩化白金(IV)酸カリウム、塩化白金(IV)酸ナトリウム、テトラニトロ白金(II)カリウム、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸ナトリウム水和物、ジニトロジアンミン白金硝酸、ジニトロジアンミン白金アンモニアおよびテトラアンミンジクロロ白金水和物
金イオン:塩化金酸、亜硫酸金ナトリウム、シアン化金カリウムおよびシアン化金ナトリウム
銀イオン:硝酸銀、硫酸銀、
鉄イオン:硫酸第二鉄、酢酸第一鉄
ニッケルイオン:硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル
コバルトイオン:硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト
セリウムイオン:硝酸セリウム、塩化セリウム、硫酸セリウム
金属イオンを生成する金属化合物は、通常溶媒に溶解させて、前記第1の懸濁液に添加される。
金属イオンを含む溶液に用いられる溶媒は、該金属との反応性を示さず、該金属化合物を溶解できるものであればよく、特定の溶媒に限定されるものではない。このような溶媒としては、
水;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコールなどのグリコール類を挙げることができる。
前記2)の方法は、前記1)の方法で述べた金属化合物をそのまま前記第1の懸濁液に添加する方法である。
金属粒子が複合金属粒子である金属粒子担持触媒を製造する場合には、前記1)の方法においては、2種以上の金属化合物を溶媒に溶解して得られた溶液を前記第1の懸濁液に添加すればよく、前記2)の方法においては、2種以上の金属化合物を前記第1の懸濁液に添加すればよい。
第1の懸濁液に、金属イオンを含む溶液あるいは金属化合物を添加する際の温度は、特に限定されないが、15〜40℃の範囲が好ましい。添加温度が前記範囲より低いと、十分に金属イオンを担持できないことがあり、添加温度が前記範囲より高いと、担持効率のさらなる向上が見られないため、経済的に好ましくない。
また、上記添加後、上記範囲の温度に保持しながら懸濁液Aを攪拌して充分に混合することが好ましい。攪拌は15〜40℃で、通常5分以上、好ましくは10分以上行うことが望ましく、必要に応じて、3時間程度まで、好ましくは1時間程度まで攪拌してもよい。
特に、固体状の金属化合物を添加した場合には、金属化合物が充分に溶解して金属イオンが生成するまで攪拌などの操作を充分に行う必要がある。
(ii)工程[2]
前記工程[1]で得られた懸濁液Aを15〜40℃に温度調整しながら、下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、を担体物質100質量部に対して40〜99.9質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒の前駆体分散液を調製する。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
この工程において、金属粒子は、通常、金属コロイド溶液にして前工程で得られた懸濁液に添加する。このような金属コロイド溶液の調製方法は公知であるが、例えば、特開2002−180110号(出願人=日揮触媒化成株式会社)の各実施例に記載された方法を挙げることができる。
金属コロイド溶液の金属濃度は、実用上は1〜20質量%の範囲が好ましい。金属コロイド溶液は、担体物質100質量部に対して、金属粒子換算で40〜99.9質量部を添加することが好ましい。この範囲であれば、金属粒子が1〜50nmの厚みで担体を被覆可能で担持分散性に優れる点で活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能や電気的特性やガス吸着能に優れた触媒性能を示すことができる。金属粒子の担持量が40質量%未満の場合は担体粒子に金属粒子が完全に被覆されない場合がある。また、金属粒子の担持量が99.9質量%を超える場合は、担持分散性が悪い、寿命が短くなり場合がある点で好ましくない。担体物質における金属粒子のより好適な担持量としては45〜99.8質量%の範囲が推奨される。
金属コロイド溶液を添加して混合する際の温度は、15〜40℃が好ましい。15℃未満では、十分に金属粒子を担持できないことがあり、実用性が低下することがある。40℃を超えると担持効果の更なる向上は認められず、経済的に好ましくない。
上記混合の際、通常5分以上、好ましくは10分以上の攪拌を行うことが望ましく、必要に応じて、通常3時間程度まで、好ましくは1時間程度まで攪拌してもよい。
(iii)工程[3]
工程[3]では、工程[2]で得られた金属粒子担持触媒の前駆体分散液について、担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くため、固体と液体を分離するなどして脱塩処理を行い、金属粒子担持触媒分散液を得る。
脱塩の方法としては、特に制限はなく、たとえばイオン交換樹脂を用いて金属粒子担持触媒の前駆体分散液から金属イオンを取り除く方法、限外膜で固液分離を行うことにより金属イオンを除去する方法、溶媒抽出で金属イオンを含む溶液を抽出する方法等を挙げることができる。
脱塩によって得られた金属粒子担持触媒分散液の濃度は、0.1〜70質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。懸濁液の濃度の濃度が、0.1%未満の場合は、生産性が悪く経済的に好ましくない。70%を超える場合は、懸濁液の分散性が悪く、次工程の金属粒子担持の際に、金属粒子が担持されていない担体が生じ、不均一な担持となるため好ましくない。
担体物質に、イオン交換又は吸着した金属イオンの担持量は、担体物質100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましい。担体物質に吸着した金属イオンの担持量は、担体物質100質量部に対して0.001未満の場合は、金属イオンと金属粒子の相互作用が不十分で担持力が弱く、触媒反応における使用時に金属粒子の被覆層の脱落が生じる場合がある。10質量部を超えると、触媒反応使用時に系内への溶出する場合があり活性の低下や電気的特性の低下を引き起こす場合がある。
また、前記工程[1]にて、前記担体物質に担持された金属イオンの質量と、前記工程[2]にて第1の懸濁液に添加される金属粒子の質量との関係を下記(2)式で表したとき、当該式の値は0.0001〜0.005の範囲であることが好ましい。
金属イオンの質量/(金属イオンの質量+金属粒子の質量)…(2)
本法では担体物質に金属イオンをイオン交換又は吸着させた状態において、金属粒子を担持させることにより、金属粒子が隙間無く配列し、被覆層を形成するものと考えられる。このような被覆層が形成されることが、金属粒子の担持力を高めているものと言える。このような特徴に加えて、金属イオンと金属粒子との相乗効果によっても活性向上や寿命延長といった観点で触媒性能が向上する。そして上記(2)式は金属粒子担持触媒に担持される全金属質量(金属イオン質量及び金属粒子質量の合計)に対する金属イオンの質量の比率を示している。このため、(2)式の値が0.0001を下回ると、金属粒子の分散性を高める効果や担持力を向上させる効果が得られにくくなる一方、この値が0.005を越えると、金属粒子の担持比率が低くなり、触媒の活性が低下するおそれがある。
(iv)工程[4]
前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液(既に固液分離されている場合には、分離後の金属粒子担持触媒)を100〜200℃にて乾燥処理し、金属粒子担持触媒を得ることができる。乾燥時間については、温度100〜200℃で1〜20時間乾燥することが望ましい。乾燥温度範囲については、より好適には、100〜150℃の範囲が推奨される。
乾燥温度が100℃未満の場合、乾燥に時間がかかり経済的に効率が悪い傾向がある。乾燥温度が200℃を超える場合は、粒子のシンタリングや酸化が進行するといった問題がある。
前記乾燥工程は、大気中または不活性雰囲気下で行うことが好ましい。乾燥雰囲気として、より好適には不活性雰囲気を挙げることができる。不活性雰囲気としては、窒素、水素、アルゴン等の雰囲気を挙げることができる。
本発明に係る金属粒子担持触媒は、金属イオンを担体物質にイオン交換又は吸着させてから金属粒子を担持させることにより、金属粒子を被覆でき、且つ、金属粒子の担持力を高めている。この結果、従来法で金属粒子を担持した触媒に見られる金属粒子の分散状態を凌ぐこともできる。また、イオン交換又は吸着していない金属イオンを除去する工程を設けることで触媒使用時に金属イオンの流失が低減でき、触媒活性の低下や電気的特性の低下を防ぐことが可能となる。
本発明に係る金属粒子担持触媒においては、金属粒子を担体に被覆させることにより、金属粒子の表面がより有効に触媒作用に寄与するため、本発明に係る金属粒子担持触媒は、従来の金属粒子担持触媒の場合と同等の金属担持量であっても、活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能や電気的特性やガス吸着能を示すことができる。
また、担体物質のイオン交換サイトに金属イオンを担持させたものは、金属イオンと金属粒子が相乗効果を示し、この点でも活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能や電気的特性やガス吸着能を示すことができる。
このように触媒の活性向上や寿命延長が達成されることにより、従来の金属粒子担持触媒と同等の触媒性能で足りる用途においては、従来の金属粒子担持触媒より少量の金属粒子を担持させた金属粒子担持触媒を使用することができるので、資源の節約となる。特にPd又はPtのような高価な金属粒子を用いる場合は、製造コストの削減にも貢献するものである。
さらに金属イオンと金属粒子を担持した担体物質を100〜200℃の温度範囲で乾燥することにより金属粒子担持触媒を得ているので、例えば500℃以上での焼成工程や水素ガス雰囲気中での還元工程などを必要とする場合に比べて製造コストの増大や工程制御の労力を抑え、実用的な条件にて金属粒子担持触媒を調製することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[測定方法]
本願で採用した測定方法について以下に記す。
[1]金属粒子の分散状態の測定
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)により、金属粒子担持前後の試料を倍率30〜100万倍で写真撮影した。得られた写真投影図において、前後の粒子径から被覆金属粒子の厚みを求めた。また粒子の担持状態から被覆されていない箇所・凝集している箇所、担持されていない金属粒子の存在を調べた。
[2]触媒に担持した金属粒子・金属イオンの組成分析
試料である金属イオン及び金属粒子(複合金属粒子の場合を含む)を担持させた触媒を600℃にて焼成し、焼成後の試料をアルカリ溶融剤にて溶融した。その後、溶融液を28質量%の塩酸水溶液にて溶解し、溶解液を純水で希釈した後、ICP誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS1200A(セイコー電子株式会社製)にて金属粒子担持触媒に含まれる元素の量を測定した。
[3]触媒性能評価
後述の実施例、比較例では、Pd、Pt、Ru、Rh、Ag、Pt-Rh複合金属、Pd-Au複合金属、Pd-Pt複合金属、Pt-Ru複合金属、Pt-Cu複合金属の各金属粒子を担持した金属粒子担持触媒を調製した。これらのうち、Pdを担持した触媒(Pdの複合金属を担持した場合を含む)に関して、(1)アセチレンの水素化反応及び(2)硝酸イオンの分解反応を評価した。
(1)アセチレンの水素化反応
アセチレンの水素化反応は、反応管φ21mm(二重管ガラス反応管)に金属粒子換算で0.002g分の金属粒子担持触媒を充填する。反応管外周部に温水を循環させ、触媒層を一定温度(40℃)に保持する。反応ガス(C;12ml/min)、還元ガス(H;10ml/min)及びキャリアーガス(N;400ml/min)を導入後、80分経過後のガスを採取しガスクロマトグラフィーにより、供給反応ガス量に対するエチレン及びエタンの生成率(((C+C)/C)×100[mol%])を求めた。
(2)硝酸イオンの分解反応(水素化分解反応)
硝酸イオン濃度で4.5mol/Lの硝酸ナトリウム溶液200gを1Lのセパラブルフラスコに入れる。その後触媒を金属粒子換算で0.02gとなる量の金属粒子担持触媒を入れ、アルゴンパージ下、マグネチックスターラーで攪拌し80℃に温調した。その後1.2mol量のヒドラジンを3時間かけて添加し、添加後の硝酸イオン濃度を分光光度法で測定し算出した。その際の硝酸イオンの転化率((初期硝酸イオン濃度-反応終了後硝酸イオン濃度)/(初期硝酸イオン濃度)×100[mol%])を触媒活性として評価した。
以下の実施例は、いずれも前記特許請求の範囲の要件を満たすものである。
(3)電気的特性
金属粒子担持触媒10gを100kg/cmの圧力で圧縮しペレットを形成し、その両端をテスターで抵抗値を測定し、ペレットの厚みと断面積、及び抵抗値から]固有抵抗値[Ω・cm]((抵抗値[Ω]×ペレットの断面積[cm])/(ペレットの厚み[cm])を求めた。
以下の実施例は、いずれも前記特許請求の範囲の要件を満たすものである。
[担体物質調製例A]
シリカ懸濁液(第1の懸濁液)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製、商品名:カタロイドSI−550、一次粒子径:5nm、固形分濃度:20%)を両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い濃度が20質量%の水分散液(A)を調製した。
[担体物質調製例B]
ATO懸濁液(第1の懸濁液)の調製
アンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子分散液(日揮触媒化成株式会社製、商品名:ELCOM V−3501、一次粒子径:8nm、固形分濃度:20%、変性アルコール分散)を純水で希釈し、濃度が5質量%の水分散液(B)を調製した。
[担体物質調製例C]
ITO懸濁液(第1の懸濁液)の調製
錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子分散液(日揮触媒化成株式会社製、商品名:ELCOM V−2504、一次粒子径:20nm、固形分濃度:20% 2−プロパノール分散)を純水で希釈し、濃度が5質量%の水分散液(C)を調製した。
[担体物質調製例D]
PTO懸濁液(第1の懸濁液)の調製
リンドープ酸化錫(PTO)粉末(日揮触媒化成株式会社製、商品名:ELCOM TL−30S、一次粒子径:30nm、固形分濃度:20%、2−プロパノール分散)を純水及びKOHで希釈し、濃度が25質量%、pH11の希釈液を調製した。その後石英ビーズ0.15mmを用いてブレイキングダウン方で120分粉砕し、8000Gで10分遠心分離後、両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い濃度が10%のPTO分散液(D)を得た。得られた分散液の一次粒子径を走査電子顕微鏡で測定したところ30nmであった。
[担体物質調製例E]
Sb懸濁液(第1の懸濁液)の調製
五酸化アンチモン微粒子分散液(日揮触媒化成株式会社製、商品名:ELCOM V−4502、一次粒子径:30nm、固形分濃度:20% 変性アルコール分散)を純水で希釈し、濃度が5質量%の水分散液(E)を調製した。
[担体物質調製例F]
SnO懸濁液(第1の懸濁液)の調製
酸化錫粉末(昭和加工株式会社製)を純水及びKOHで希釈し、濃度が25質量%、pH11の希釈液を調製した。その後石英ビーズ0.15mmを用いてブレイキングダウン方で120分粉砕し、8000Gで10分遠心分離後、両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い濃度が5%のSnO分散液(F)を得た。得られた分散液の一次粒子径を走査電子顕微鏡で測定したところ20nmであった。
[担体物質調製例G]
Al懸濁液(第1の懸濁液)の調製
水酸化酸化アルミミウム粉末(日揮触媒化成株式会社製、商品名:カタロイドAP−3、一次粒子径:20nm、固形分濃度:75%粉末)を純水で希釈し、30分マグネチックスターラーで攪拌し、濃度が1質量%のAl懸濁液(分散液(G))を調製した。得られた分散液の一次粒子径を走査電子顕微鏡で測定したところ20nmであった。
[担体物質調製例H]
活性アルミナ懸濁液(第1の懸濁液)の調製
活性アルミナ(和光純薬(製)型番:596−15865、比表面積250m/g、粒子径50μm、γ-アルミナ)を純水に分散させ、濃度が20質量%の水分散液を調製した。その後石英ビーズ0.15mmを用いてブレイキングダウン方で240分粉砕し、8000Gで10分遠心分離後、両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い濃度が10%のγ-アルミナ分散液(H)を得た。得られた分散液の一次粒子径を走査電子顕微鏡で測定したところ50nmであった。
[担体物質調製例I]
カーボンブラック(CB)懸濁液(第1の懸濁液)の調製
カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名:ケッチェンブラックEC、表面積800m/g、吸油量360g/100g)を純水に分散させ、1時間煮沸処理を行い、濃度が10質量%の水分散液を調製した。その後石英ビーズ0.15mmを用いてブレイキングダウン方で240分粉砕し、8000Gで10分遠心分離後、両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い濃度が5%のCB分散液(I)を得た。得られた分散液の一次粒子径を走査電子顕微鏡で測定したところ80nmであった。
[金属粒子調整例1]
Pd粒子分散液の合成
クエン酸水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸パラジウム水溶液(濃度20質量%)39gに室温で添加し、充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しPd換算濃度3%のPdコロイド溶液(1)を得た。得られたPdコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は3nmであった。
[金属粒子調整例2]
Pt粒子分散液の合成
塩化白金酸6水和物25g(白金金属換算で9g)を純水16,000gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1,660gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液140gとを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌混合して、水に白金微粒子が分散してなる白金コロイド溶液を得た。ついで、白金コロイド溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮し、白金金属換算で濃度3.0重量%の白金コロイド溶液(2)とした。得られたPtコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は1nmであった。
[金属粒子調整例3]
Ru粒子分散液の合成
塩化ルテニウム(III)3水和物23.3g(ルテニウム金属換算で9g)を純水16,000gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1,660gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液140gとを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌混合して、水にルテニウム微粒子が分散してなるルテニウムコロイド溶液を得た。ついで、ルテニウムコロイド溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮し、ルテニウム金属換算で濃度3.0重量%のルテニウムコロイド溶液(3)とした。得られたPtコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調整例4]
Rh粒子分散液の合成
塩化ロジウム(III)3水和物23.3g(ロジウム金属換算で9g)を純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸(関東化学製)水溶液50gと、溶剤としてモノエチレングリコール900gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、ロジウム微粒子が分散してなるロジウムコロイド溶液を得た。次いでロジウムコロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、ロジウム金属換算で濃度3.0重量%のロジウムコロイド溶液(4)を得た。得られたロジウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は3nmであった。
[金属粒子調整例5]
Ag粒子分散液の合成
クエン酸ナトリム水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸銀水溶液(濃度10質量%)80gに室温で添加し、充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しAg換算濃度3%のAgコロイド溶液(5)を得た。得られたAgコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は10nmであった。
[金属粒子調整例6]
Pt−Rh粒子分散液の合成
塩化ロジウム(III)3水和物23.3g(ロジウム金属換算で9g)と塩化白金酸6水和物25g(白金金属換算で9g)を純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸(関東化学製)水溶液100gと溶剤としてモノエチレングリコール1800gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、白金-ロジウム複合微粒子が分散してなる白金-ロジウムコロイド溶液を得た。次いで白金-ロジウムコロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、白金-ロジウム金属換算で濃度3.0重量%の白金-ロジウムコロイド溶液(6)を得た。得られた白金-ロジウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調整例7]
Pd−Au粒子分散液の合成
硝酸パラジウム(II)水和物22.5g(パラジウム金属換算で9g)と塩化金(III)酸4水和物18.8g(金金属換算で9g)をそれぞれ純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸(関東化学製)水溶液をそれぞれ50gずつ混合した。溶剤としてモノエチレングリコール1800g中に加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、パラジウム-金複合微粒子が分散してなるパラジウム-金コロイド溶液を得た。次いでパラジウム-金コロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、パラジウム-金金属換算で濃度3.0重量%のパラジウム-金コロイド溶液(7)を得た。得られた白金-ロジウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調整例8]
Pd−Pt粒子分散液の合成
硝酸パラジウム(II)水和物23.3g(パラジウム金属換算で9g)と塩化白金(IV)酸6水和物25g(白金金属換算で9g)をそれぞれ純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸(関東化学製)水溶液100gを添加した。溶剤としてモノエチレングリコール1800g中に金属塩水溶液を加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、パラジウム-白金複合微粒子が分散してなるパラジウム-白金コロイド溶液を得た。次いでパラジウム-白金コロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、パラジウム-白金金属換算で濃度3.0重量%のパラジウム-白金コロイド溶液(8)を得た。得られたパラジウム-白金コロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調整例9]
Pt−Ru粒子分散液の合成
塩化白金(IV)酸6水和物25g(白金金属換算で9g)と塩化ルテニウム(III)3水和物23.3g(ルテニウム金属換算で9g)をそれぞれ純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸(関東化学製)水溶液50gを添加した。溶剤としてモノエチレングリコール1800g中に金属塩溶液を加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、白金-ルテニウム混合微粒子が分散してなる、白金-ルテニウムコロイド溶液を得た。次いで、白金-ルテニウムコロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、白金-ルテニウム金属換算で濃度3.0重量%の白金-ルテニウムコロイド溶液(9)を得た。得られた白金-ルテニウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調整例10]
Pd-Cu粒子分散液の合成
クエン酸水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸パラジウム水溶液(濃度20質量%)39gに室温で添加し、次いで硝酸銅水溶液(濃度20%)を10g充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しPd−Cu換算濃度3%(Pd/(Pd+Cu)×100=80%)のPd−Cuコロイド溶液(10)を得た。得られたPd-Cuコロイド溶液の粒子径は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は3nmであった。
[金属粒子調整例11]
40nmのPd粒子分散液の合成
クエン酸水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸パラジウム水溶液(濃度20質量%)39gに室温で添加し、充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しPd換算濃度3%のPdコロイド溶液(11)を得た。その後この粒子を200℃にて1時間水熱処理を行い、スギノマシン製アルチマイザーシステムを用いて分散させ3%Pdコロイドを得た。得られたPdコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は40nmであった。
[実施例1]
担体物質調製例Aで調製したシリカの第1の懸濁液(A)500gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、3%のPdコロイド溶液(1)900kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例2]
担体物質調製例Bで調製したATOの第1の懸濁液(B)2000gに金属イオン源としてNiイオン濃度が5質量%の硝酸ニッケル(II)水溶液を100g添加して、20℃で40分間攪拌した(懸濁液A)。3%のPtコロイド溶液(2)40kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pt粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは7.2であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pt粒子担持ATO触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例3]
合成例Cで調製したITOの第1の懸濁液(B)2000gに金属イオン源としてFeイオン濃度が5質量%の硫酸鉄(II)水溶液を80g添加して、20℃で40分間攪拌した(懸濁液A)。その後3%のRuコロイド溶液(3)83.3kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Ru粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは7.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Ru粒子担持ITO触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例4]
担体物質調製例Dで調製したPTOの第1の懸濁液(D)1000gに金属イオン源としてPdイオン濃度が5質量%の硝酸パラジウム(II)水溶液を140g添加して、20℃で40分間攪拌した(懸濁液A)。3%のRhコロイド溶液(4)100kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Rh粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは7.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持分散液を得た。
この混合懸濁液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Rh粒子担持活性PTO触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例5]
担体物質調製例Eで調製したSb5の第1の懸濁液(E)2000gに金属イオン源としてAuイオン濃度が5質量%の塩化金酸(III)水溶液を100g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。その後3%のAgコロイド溶液(5)26.7kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Ag粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持分散液を得た。
この金属流体担持分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Ag粒子担持Sb5触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例6]
担体物質調製例Fで調製したSnOの第1の懸濁液(F)2000gに金属イオン源としてAgイオン濃度が5質量%の硝酸銀(I)水溶液を40g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。その後3%のPt−Rhコロイド溶液(6)3.3kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pt−Rh粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.8であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pt−Rh粒子担持活性SnO触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例7]
担体物質調製例Gで調製したAlの第1の懸濁液(G)10000gに金属イオン源としてPtイオン濃度が5質量%の塩化白金酸(IV)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。次いで3%のPd−Auコロイド溶液(7)10.0kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd−Au粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.8であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd−Au粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例8]
担体物質調製例Hで調製したγ-アルミナの第1の懸濁液(H)1000gに金属イオン源としてAuイオン濃度が5質量%の塩化金酸(III)水溶液を120g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。次いで3%のPd−Ptコロイド溶液(8)6.7kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd−Pt粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.3であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持分散液を得た。
この金属粒子担持分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd−Pt粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例9]
担体物質調製例Iで調製したカーボンブラックの第1の懸濁液(I)2000gに金属イオン源としてCoイオン濃度が5質量%の塩化コバルト(II)水溶液を200g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。次いで3%のPt−Ruコロイド溶液(9)26.7kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pt−Ru粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.2であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pt−Ru粒子担持カーボンブラック触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例10]
担体物質調製例Aで調製したシリカの第1の懸濁液(A)500gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を4g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。次いで3%のPd-Cuコロイド溶液(10)900kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd-Cu粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.3であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd-Cu粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例1]
担体物質調製例Aで調製したシリカの第1の懸濁液(A)500gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、3%のPdコロイド溶液(11)900kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例2]
担体物質調製例Aで調製したシリカの第1の懸濁液(A)500gに3%のPdコロイド溶液(1)900kgを添加し、10分間、混合攪拌した(懸濁液A)。Pd粒子添加後の混合懸濁液のpHは6.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い金属粒子担持触媒分散液を得た。
この金属粒子担持触媒分散を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例3]
担体物質調製例Aで調製したシリカの第1の懸濁液(A)500gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を10000g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、3%のPdコロイド溶液(1)900kgを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の混合懸濁液(前駆体分散液)のpHは6.5であった。その後両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、商品名SMNUPB)を用いて脱塩を行い、金属粒子担持触媒分散を得た。
この金属粒子担持触媒分散を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例4]
特開平11−12608の実施例1に準じた方法でPdを用いて行った。
[TiO-Pd](核)-Pt(表面層)複合微粒子の製造TiOコロイド溶液(触媒化成工業(株)製:PW−1010、固形分濃度20重量%)0.8gとポリビニルピロリドン0.03gとを混合した後、水・エチレングリコール・エタノール(重量比=1:1:1)混合溶媒150mlと混合し、TiO微粒子が0.2mmol分散した分散液を調製した。純水10gに、予めクエン酸3ナトリウム2mg[Pd金属換算で1重量部あたり0.01重量部]を溶解し、硝酸パラジウム2mmolを含む水溶液を5ml加え、さらに硝酸パラジウムと等モル数の硫酸第一鉄水溶液を5ml添加した。上記の分散液との硝酸パラジウム溶液を混合し、窒素雰囲気下で一時間攪拌してPdで被覆されたTiO微粒子を製造し、メンブランフィルターで洗浄したのち、固形分濃度20重量%のPd被覆TiO微粒子分散液を調製した。上記の分散液1.86gとポリビニルピロリドン0.07gとを混合したのち、水・エチレングリコール・エタノール(1:1:1)混合溶媒150mlと混合し、攪拌しながら2時間水素ガスを吹き込み、Pd被覆TiO微粒子上に、水素の吸着を行った。水素が吸着したPd被覆TiO微粒子分散液に、塩化白金酸カリウム4mmolの水溶液100mlを、窒素雰囲気下で攪拌しながら、6時間かけて滴下した後、8時間攪拌を続け、Pd被覆TiO微粒子上にPd表面層が形成された複合微粒子を製造した。この混合懸濁液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例5]
特開2008-3111141の実施例に準じ、金属種をPdに変更した以外は同等な方法で行った。シリカ粒子(日揮触媒化成工業(株)製:真絲球、均粒子径300nm、CV値1.0%)10gを水/エタノール(50/50)混合溶媒90gに分散させた。この分散液にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン2gを添加し、1時間攪拌した後、オートクレーブにて80℃で2時間撹拌処理してアミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A-1)分散液を調製した。3%のPdコロイド溶液(1)2kgを混合し、1時間撹拌して複合粒子分散液を調製した。この混合懸濁液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持シリカ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
(表1)
Figure 2012030149
(表2)
Figure 2012030149
(表1、表2)に示した[実施例1〜10]の結果によれば、担体物質に金属イオンを担持してから(工程[1])、金属微粒子担持を行い(工程[2])、しかる後、脱塩を行う(工程[3])ことで、担体物質の種類に係らず、高分散で担持されていない金属粒子がなく、被覆されていない担体部分のない金属微粒子担持触媒が得られている。
これに対して金属粒子が大きなものを用いた[比較例1]では、担持されていない金属粒子があり、被覆されていない担体部分が存在し、粒子径が大きな粒子を用いると完全被覆が困難であることが分かる。
また金属イオンの担持を行わず、工程[1]を設けていない[比較例2]では担持されていない金属粒子が存在する。これは、担体表面のイオン交換サイトに金属イオンが存在しないため、静電引力による相互作用が小さく、その結果担持されていない金属粒子が多く存在するためであると考えられる。
金属イオンを多量に工程[1]で使用した[比較例3]でも担持されていない金属粒子や担体表面に担持されていない部分が存在する。これは、担体表面に吸着していない過剰な金属イオンが存在し、その結果金属粒子が凝集し、担体表面に吸着しなかったため単独で存在するためであると推察する。
次いで触媒活性の違いについて考察する。アセチレンの水素化反応については、金属粒子としてPdもしくはPdの複合金属を担持した[実施例1、7〜8、10]、[比較例1〜5]について行った。また硝酸イオンの分解については金属粒子としてPd、Pd−Cuを担持した[実施例1、8、10]、[比較例1〜3]について行った。
アセチレンの水素化反応について見ると、各実施例におけるエチレン、エタンの生成率は75〜90%の範囲である一方、各比較例では20〜60%の範囲となり、実施例の方が高い水素化活性を示した。特に金属粒子の担持状態が良好な[比較例4、5]よりも各実施例の方が高い水素化活性を示していることから、これら実施例の触媒活性は、金属粒子の担持分散状態のみならず、担体物質上に金属イオン及び金属粒子が担持されていることによる相乗効果により活性の向上をもたらしているものと考えられる。
各触媒に担持した金属粒子及び金属イオンの組成分析は、金属粒子の担持触媒の溶解液をプラズマ発光分光分析にかけて行っていることから、前記触媒上の金属イオンの担持状態を特定するものではない。しかしながら、1)いずれもイオン交換体として作用する担体物質を利用していること、2)工程[3]にて担体物質に担持されなかったな余剰な金属イオンを脱塩していること、3)不活性雰囲気(窒素雰囲気)下で105℃という比較的低温の条件下で乾燥処理を行い、金属イオンの酸化や還元を進行させる可能性が低いこと、などから、当該金属粒子担持触媒上において金属イオンは担体物質のイオン交換サイトにイオン交換された状態で担持されている可能性が高い。
ただしイオン交換サイトにてイオン交換された金属イオンと共に、当該金属イオンに由来する酸化物や担体金属、金属塩が存在しても本金属粒子担持触媒の活性を妨げるものではない。また仮に、実際には金属イオンが担体物質のイオン交換サイトにイオン交換された状態で担持されているのではないことが確認されたとしても、工程[1]〜工程[3]を経て製造した実施例に係る金属粒子担持触媒の活性が比較例に比べて高いことは明らかである。またこの傾向は、活性金属(金属粒子)の選択に依存するものではなく、活性試験を行っていない[実施例2〜6、9]においても同様と考えられる。
さらに硝酸イオンの分解試験においても各実施例における硝酸イオンの分解率は90〜98%の範囲である一方、各比較例では25〜55%の範囲となり、実施例の方が高い分解活性を示している。したがって、金属粒子の分散状態がよく、担体物質上に金属粒子と金属イオンとが担持されていることによる相乗効果が発揮されることによる活性の向上は、アセチレンの水素化のみならず他の反応においても発揮されることが確認できた。
電気的特性においても各実施例における固有抵抗値は0.01〜1.2[Ω・cm]の範囲である一方、各比較例では25.8〜3500[Ω・cm]の範囲となり、実施例の方が高い導電性を示している。したがって、金属粒子の分散状態がよく、高分子などの影響も少なくこの点からも、電気的特性の向上、触媒活性の向上、ガス吸着量の向上が示唆され他の反応においても発揮されることが確認できた。

Claims (12)

  1. 次の[1]〜[4]の工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法。
    [1]イオン交換体を含む担体物質(但し、一次粒子の平均粒子径が1〜500nm)を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担持し、懸濁液Aを調製する工程。
    (Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ic)白金イオンまたは金イオン
    [2]前記工程[1]に続いて、前記懸濁液Aを15〜40℃に温度調整しながら下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、前記担体物質100質量部に対して50〜100000質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒の前駆体分散液を調製する工程。
    (IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIc)白金粒子または金粒子
    (IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
    [3]前記工程[2]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記金属粒子担持触媒の前駆体分散液を脱塩して金属粒子担持触媒分散液を得る工程。
    [4]前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液を温度100〜200℃で乾燥処理する工程。
  2. 前記工程[3]にて脱塩処理を行った後の前記担体物質に対する金属イオンの量が、担体物質100質量部に対して0.001〜10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
  3. 前記工程[1]にて、前記担体物質に担持された金属イオンの質量と、前記工程[2]にて懸濁液Aに添加される金属粒子の質量との関係を、下記式(1)で表したときの式の値が0.0001〜0.005の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
    金属イオンの質量/(金属イオンの質量+金属粒子の質量)…(1)
  4. 前記工程[4]の乾燥処理を不活性雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
  5. 下記(I)の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンが担持されたイオン交換体を含む担体物質(但し、一次粒子の平均粒子径が1〜500nm)に、下記(II)の(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担持させる工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法。
    (I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ic)白金イオンまたは金イオン
    (II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIc)白金粒子または金粒子
    (IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
  6. 請求項1ないし5のいずれか一つに記載の製造方法で製造されてなる金属粒子担持触媒。
  7. イオン交換体を含む担体物質(但し、一次粒子の平均粒子径が1〜500nm)に金属粒子を担持してなる金属粒子担持触媒であって、
    (I)前記イオン交換体に下記(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを担持したことと、
    (II)下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を前記担体物質に担持したことと、
    (III)前記金属粒子が、厚さ1〜50nmの被覆層を形成していることを特徴とする金属粒子担持触媒。
    (I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ic)白金イオンまたは金イオン
    (II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIc)白金粒子または金粒子
    (IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
  8. 前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pt、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることを特徴とする請求項7記載の金属粒子担持触媒。
  9. 前記金属粒子担持触媒に含まれる金属粒子の割合が40〜99.9質量%であることを特徴とする請求項7または8に記載の金属粒子担持触媒。
  10. 前記担体物質が、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものであり、当該無機系担体物質または有機系担体物質は、Si、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかひとつに記載の金属粒子担持触媒。
  11. 前記担体物質が、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、からなる1種以上の化合物を含有するものであることを特徴とする請求項7ないし10のいずれかひとつに記載の金属粒子担持触媒。
  12. 請求項6ないし11のいずれか一つに記載の金属粒子担持触媒を次の1)〜4)のいずれかの反応に適用する工程を含むことを特徴とする反応方法。
    1)不飽和炭化水素、芳香族、エステル、アルデヒド又はケトン類の水素化反応、
    2)アルコール類、メチレン、ディーゼル自動車排ガス又はガソリン自動車排ガスの酸化反応、
    3)ガソリン、飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族の脱水素反応、
    4)ガソリン、ベンゾイル基誘導体、エポキシ誘導体、硝酸類又は硫酸類の水素化分解反応
    5)水素、酸素、一酸化炭素又は二酸化炭素のガスセンサー
    6)燃料電池発電システム
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