JP2012028817A - Fpc用保護フィルム、fpc用保護フィルム付樹脂導体箔積層体およびそれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】150℃、30分の条件における加熱収縮率が、長さ方向、幅方向ともに0.5%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルム基材の片面または両面に樹脂層貼着用粘着剤層を有し、ポリイミド樹脂層が積層された導体箔積層体の前記ポリイミド樹脂層面に該樹脂層貼着用粘着剤層を介して剥離可能に貼着されることを特徴とするFPC用保護フィルム。
【選択図】図1
Description
さらに、従来は導体箔に加工を施すに際して、一面ずつ加工するため、生産性が上がらないという問題もあった。
また、本発明の請求項4に係るフレキシブルプリント配線基板の製造方法は、前記FPC用保護フィルム付樹脂導体箔積層体を用いて導体箔に加工を施す工程を有することを特徴とする。この工程で用いられるFPC用保護フィルム付樹脂導体箔積層体においては、樹脂導体箔積層体がFPC用保護フィルムの片面のみに貼着したものでも、両面に貼着したものでもよい。
さらに、この保護フィルム付き樹脂導体箔積層体によれば、二面同時加工も可能な生産性の高いFPC製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の保護フィルム及び保護フィルム付樹脂導体箔積層体の一態様を示す断面概略図である。
本発明の保護フィルム10はこの態様においては、樹脂層貼着用粘着剤層12が合成樹脂製の基材フィルム14に積層されて構成される。また、本態様の樹脂導体箔積層体16は、合成樹脂層18と導体箔層20との積層体であって、さらにその導体箔側に接着剤層22を介してカバーレイ樹脂24が積層された構成を有している。図1に示す保護フィルム付樹脂導体箔積層体では、該合成樹脂層16側の表面に本発明の保護フィルム10が、その樹脂層貼着用粘着剤層12を介して剥離可能に貼着されている。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド系樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、フッ素樹脂フィルム、各種液晶ポリマーフィルム、などが挙げられる。
これらのフィルムは単体で使用してもよいし、2種類以上のラミネートフィルムを用いてもよいが、加熱時のカールを抑制するという観点からは単体のフィルムの方が好適である。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合には、加熱時の寸法安定性の観点から2軸延伸を施したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、公知の方法によりアニール処理したものがさらに好適である。
選択の目安としては、回路形成工程、カバーレイ樹脂層積層工程では、加熱や加圧されるため、耐熱性が良好であり、かつ高圧力条件化でも耐え得る特性を有する粘着剤が必要となる。
さらに、粘着剤は、カバーレイ樹脂層積層工程で加熱プレスされた際に、樹脂導体箔積層体の樹脂層面への粘着力が著しく上昇したり、粘着剤がはみ出したりしないものが良い。
粘着剤層の厚さは特に制限を受けるものではないが、0.1〜10.0μm程度が好適である。厚さが0.1μm未満であると、樹脂導体箔積層体の樹脂層面への接着性が悪く、保護フィルムを樹脂導体箔積層体の樹脂層面に貼着する際に貼着しなかったり、貼着した場合でも、工程中に保護フィルムが樹脂導体箔積層体から浮いたり剥がれたりし易くなる。粘着剤層の厚さが10.0μmを超えると、カバーレイ樹脂層積層の際に粘着剤がはみ出して工程中に周囲を汚したり、カバーレイ樹脂層積層工程後に保護フィルムを剥がす際に、粘着剤の粘着力が高くなりすぎて剥がしにくかったり、樹脂導体箔積層体の樹脂層面に粘着剤が残存しやすくなる。
本態様における保護フィルム26は、粘着剤層12が合成樹脂フィルム基材14の両面に積層されて構成される。また、樹脂導体箔積層体28は、合成樹脂層18と導体箔層20の積層体である。本態様の保護フィルム付樹脂導体箔積層体では、保護フィルム26の両面に設けられた粘着剤層12を介して導体箔積層体28の合成樹脂層18の表面が両面から貼着されてなる態様を有している。
本態様の如く保護フィルムの両面に樹脂導体箔積層体を貼着してなる構成をとる場合においても、保護フィルムに用いられるフィルム基材及び粘着剤層は、先に述べた片面のみ粘着剤層が配置されたものと同様のものを、好ましい態様として挙げることができる。
この態様における本発明の保護フィルムは合成樹脂フィルムの両面に粘着剤層を設けたものであるが、合成樹脂フィルム上に粘着剤層を設ける方法は、先に例示した公知の方法を採用すればよい。また、このような保護シートを樹脂導体箔積層体の樹脂層面に貼着する方法も、粘着剤層を片面のみに設けた態様と同様である。
このような樹脂導体箔積層体の樹脂層面の表面に保護フィルムをその粘着剤層を介して貼着することで、本発明の保護フィルム付樹脂導体箔積層体をえることができる。
本発明の製造方法は、これらのFPC製造工程中、公知のいずれの工程にも好適に適用することができる。
(実施例1)
厚さ50μmのアニール処理を施した2軸延伸低熱収縮ポリエステルフィルム(150℃、30分の条件下での加熱収縮率がTD方向0.01%、MD方向0.05%)をフィルム基材として用い、その片面に、2−エチルヘキシルアクリレートとブチルアクリレートの共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤を、粘着剤層形成後の厚さが4μmとなるように塗布し、乾燥硬化して粘着剤層を形成し、保護フィルムを作成した。
この保護フィルムの粘着剤層表面を、厚さ25μmのポリイミド樹脂と厚さ12μmの銅箔とを積層した樹脂導体箔積層体の樹脂層側の表面に貼着させて、保護フィルム付き樹脂導体箔積層体を作成した。
保護フィルムのフィルム基材として用いたポリエステルフィルムに代えて、低熱収縮処理(アニール処理)を施していないポリエステルフィルム(150℃、30分の条件下での加熱収縮率がTD方向0.40%、MD方向0.15%)を使用した以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き樹脂導体箔積層体を作成した。
保護フィルムのフィルム基材として用いたポリエステルフィルムの厚さを50μmから125μmにした以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き樹脂導体箔積層体を作成した。
(実施例4)
保護フィルムの粘着剤層の厚さを4μmから10μmとした以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き樹脂導体箔積層体を作成した。
実施例1と同じ樹脂導体箔積層体を、保護フィルムを貼着することなく、樹脂導体箔積層体単体として用いた。
保護フィルムの樹脂層貼着用粘着剤層を両面に配置し、図2に示すような状態に樹脂導体箔積層体を貼着させた以外は実施例1と同様にして保護フィルム付き樹脂導体箔積層体を作成した。
得られた樹脂導体箔積層体の耐薬品性、作業性、カール性、および保護フィルムの粘着力、粘着剤の残存の有無を、次の方法にて評価した。
[耐薬品性]
得られた樹脂導体箔積層体を40℃の40%水酸化ナトリウム水溶液および40℃の37%塩化第二鉄水溶液に、それぞれ1時間浸漬する。その後、樹脂導体箔積層体を水洗した後、樹脂導体箔積層体の樹脂層面の状態を目視にて観察する。外観上変化のないものを良好とする。
得られた樹脂導体箔積層体を30cm×30cmの大きさにカットする。カットしたサンプルを作業台に置いた後に、サンプルの対角する2つの角を手で持ち、作業台から約50cmの高さまで持ち上げたのちに、ふたたび作業台の上に置く。この操作を10回繰り返した後、樹脂導体箔積層体の状態を目視にて観察する。樹脂導体箔積層体に折れやシワが入っていないものを良好とする。
[カール性]
得られた樹脂導体箔積層体より20cm×20cmの試験片をカットし、180℃、294N/cm2で30分、プレス処理を行う。その後、カットしたサンプルを樹脂層面が上になるように作業台に置いた時のカールの状態を目視にて観察する。カールしないものを良好とする。
得られた樹脂導体箔積層体を実施例1〜4では図1に示すような態様において、接着剤層22とカバーレイ層4とが積層されていない状態、即ち、樹脂層貼着用粘着層12と合成樹脂フィルム基材14とが積層されてなる保護フィルム10に、樹脂層18と導体箔層20のみとからなる樹脂導体箔積層体を、その樹脂層18面が樹脂層貼着用粘着層12と接する状態に、実施例5では図2に示すような状態に、それぞれ積層したのち、180℃、294N/cm2で30分、プレス処理を行う。その後、インストロン型剥離試験機を用いて、180°ピール、300mm/分の速度で、保護フィルムを剥がしたときの抵抗値を粘着力とした。実施例5については、片面ずつ順次測定を行った。
[粘着剤残存の有無]
上記保護フィルムの粘着力を測定した際に、保護フィルムを剥がした後の樹脂導体箔積層体の樹脂層面の状態を目視にて観察する。粘着剤が樹脂層面に残存していないものを良好とする。
評価結果を表1に示す。
12 樹脂層貼着用粘着層(保護フィルム)
14 合成樹脂フィルム基材(保護フィルム)
16 樹脂導体箔積層体
18 樹脂層(樹脂導体箔積層体)
20 導体箔層(樹脂導体箔積層体)
22 接着層
24 カバーレイ層
26 保護フィルム
28 樹脂導体箔積層体
Claims (5)
- 150℃、30分の条件における加熱収縮率が、長さ方向、幅方向ともに0.5%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルム基材の片面または両面に樹脂層貼着用粘着剤層を有し、ポリイミド樹脂層が積層された導体箔積層体の前記ポリイミド樹脂層面に該樹脂層貼着用粘着剤層を介して剥離可能に貼着されることを特徴とするFPC用保護フィルム。
- 前記樹脂層貼着用粘着剤層の厚さが、0.1μm〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載のFPC用保護フィルム。
- 請求項1または請求項2に記載のFPC用保護フィルムの片面または両面に、ポリイミド樹脂層が積層された導体箔積層体の前記ポリイミド樹脂層面が、前記樹脂層貼着用粘着剤層を介して剥離可能に貼着されてなることを特徴とするFPC用保護フィルム付樹脂導体箔積層体。
- 請求項3に記載のFPC用保護フィルム付樹脂導体箔積層体を用いて導体箔に加工を施す工程を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
- 前記FPC用保護フィルム付樹脂導体箔積層体が、FPC用保護フィルムの両面に樹脂導体箔積層体を貼着してなるものである請求項4に記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
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