JP2010121066A - マスキング用粘着シートおよびテープならびにスパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

マスキング用粘着シートおよびテープならびにスパッタリングターゲットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スパッタリングターゲットの製造に用いた際に、貼付作業を効率よく行うことができ、マスキング用粘着テープの使用に起因するボンディング材の流出(粘着テープの重なりによる隙間、粘着テープのシワおよび粘着テープの浮きからのボンディング材の流出)を防止できるマスキング用粘着シートを提供する。
【解決手段】フッ素樹脂基材2、およびフッ素樹脂基材2の片面上にシリコーン粘着剤層3を有するマスキング用粘着シート1であって、シートの中央部に打ち抜き部を有するマスキング用粘着シート1とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターゲット材とバッキングプレートとをボンディング材で接合してスパッタリングターゲットを製造する際に、余分なボンディング材の付着を防止するために主に用いられるマスキング用粘着シートおよびマスキング用粘着テープに関する。また、本発明は、マスキング用粘着シートを用いたスパッタリングターゲットの製造方法に関する。
従来より、スパッタリングターゲットには、薄膜を形成しようとする材料からなるターゲット材を、導電性・熱伝導性に優れた材料からなるバッキングプレートに取り付けたものが一般的に用いられている。スパッタリングターゲットは、単にターゲット材をバッキングプレートにネジ止めする場合もあるが、一般に、ターゲット材をバッキングプレートにボンディング材で接合した構造のものが採用されてきた(例えば、特許文献1および2参照)。その際、ボンディング材としては、ターゲット材をバッキングプレート側から冷却し、また電気的な接点を確実に得るため、主に低融点半田が用いられている。また、ターゲット材はITO(インジウム−スズ酸化物)焼結体が用いられ、バッキングプレートは、銅またはその合金、ステンレス類等が用いられることが多い。
このようなスパッタリングターゲットを製造するには、ターゲット材とバッキングプレートとの接合を行うために、一旦低融点半田等のボンディング材をその融点以上に加熱する必要がある。このとき、流動性の高くなったボンディング材が、接合部の外側にはみ出すことがあり、はみ出したボンディング材を除去しないと商品性が大きく低下することになる。
このため、特許文献2には、銅板などで壁を作り、継ぎ目を粘着テープでマスキングすることが記載されている。また、スパッタリングターゲットへの傷や異物付着を防止するために、各種マスク材を粘着テープで貼り付けたり、粘着テープそのものでマスキングしていた。このような粘着テープは、ターゲット材とバッキングプレートとを接合した後、不要になるため引き剥がされる。
一方、ターゲット材とバッキングプレートの線膨張率の違いによる剃りや、応力残りを防止するために、接合されたスパッタリングターゲットは、急冷せずに自然放置による冷却を行うのが通常である。このため、すぐに温度が下がらないのにも係わらず、作業効率を考えてできるだけ速やかに粘着テープを剥離させることが望まれている。
マスキング用粘着テープとしては、耐熱性の良いポリイミドフィルムを基材に用いたものがあるが、基材の柔軟性が乏しいため、バッキングプレートのコーナー部等で形状追従性が悪く、シワや浮きが発生して半田漏れが発生することがあった。また、130〜200℃程度まで温度が下がった時点でバッキングプレート等から粘着テープを剥離すると、高温のため、粘着剤の一部がバッキングプレート等の被着体に残るいわゆる「糊残り」が起こることが判明した。付着した粘着剤は、付着した半田等よりも除去は容易であるが、溶剤を用いた拭き取り作業等が必要であり、作業性の低下をもたらすものである。また、溶剤を用いることで衛生面でも好ましくない。
そこで、特許文献3などには、柔軟性の高いフッ素樹脂フィルムを基材に用い、シリコーン系粘着剤の凝集力を上げることにより、形状追従性が高く、高温下でも糊残りなく剥離させることができるマスキング用粘着テープが提案されている。
特開平6−293963号公報 特開平11−200028号公報 特開2003−193226号公報
しかし、特許文献3に記載のマスキング用粘着テープを用いる場合には、ボンディング材の外周部に沿ってマスキング用粘着テープを貼付するためには、複数回の貼付作業が必要となり、作業効率が悪かった。また、ボンディング材のコーナー部にできるテープの継ぎ目では、テープが重なり合わさって貼付されるため、特にボンディング材加熱時にその部分に隙間が生じてその隙間からボンディング材が流出することがあった。また、フッ素樹脂フィルム基材の柔軟性が高いため、シワや浮きが発生し、そこからボンディング材が流出することがあった。
そこで本発明は、スパッタリングターゲットの製造に用いた際に、貼付作業を効率よく行うことができ、マスキング用粘着テープの使用に起因するボンディング材の流出(マスキング用粘着テープの重なりによる隙間、マスキング用粘着テープのシワおよびテープの浮きからのボンディング材の流出)を防止できるマスキング用粘着シートおよびテープを提供することを目的とする。
本発明はまた、マスキング材の貼付作業を効率よく行うことができ、マスキング用粘着テープの使用に起因するボンディング材の流出(マスキング用粘着テープの重なりによる隙間、マスキング用粘着テープのシワおよびテープの浮きからのボンディング材の流出)を防止できるスパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成した本発明は、フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着剤層を有するマスキング用粘着シートであって、シートの中央部に打ち抜き部を有するマスキング用粘着シートである。当該マスキング用粘着シートは、スパッタリングターゲットの製造用途に最適である。フッ素樹脂基材の伸びが、常温で100%以上であり、かつ前記フッ素樹脂基材の熱収縮率が、200℃において3%以上であることが好ましい。また、本発明の一実施態様においては、マスキング用粘着シートは、前記シリコーン粘着剤層の上に剥離ライナーをさらに有する。
本発明はまた、上記のマスキング用粘着シートが連続してなるマスキング用粘着テープである。
本発明はさらに、バッキングプレートの上にボンディング材を載置する工程;
フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着剤層を有するマスキング用粘着シートであって、前記ボンディング材の上面の面積よりも小面積の中央打ち抜き部を有するマスキング用粘着シートを、当該打ち抜き部によって前記ボンディング材の上面の中央部が露出するような状態で、前記ボンディング材の外周部に沿うように前記バッキングプレートおよび前記ボンディング材に貼付する工程;
必要に応じ、前記ボンディング材の上面部に貼付された前記マスキング用粘着シートを除去する工程;
前記ボンディング材を加熱して、前記バッキングプレートにターゲット材を接合する工程;および
前記マスキング用粘着シートを剥離除去する工程
を含む、スパッタリングターゲットの製造方法である。
当該製造方法において、前記マスキング用粘着シートのフッ素樹脂基材の伸びが、常温で100%以上であり、かつ当該フッ素樹脂基材の熱収縮率が、200℃において3%以上であることが好ましい。また、マスキング用粘着シートを、プレス機で圧着して貼付することが好ましい。さらに、マスキング用粘着シートの剥離除去を130℃以上の温度で行うことが好ましい。
本発明によれば、スパッタリングターゲットの製造において、マスキング用粘着テープを、一度でボンディング材の外周に沿って貼付することができるため、作業効率に優れる。また、一枚のシートで貼付が行われるため、ボンディング材流出の原因となる、粘着テープの重なりによる隙間も生じない。また、ボンディング材の側面が、マスキング用粘着シートで囲まれるため、バッキングプレート上において、粘着シートのシワや浮きが生じていても、ボンディング材の流出には影響することがほとんどない。また、ボンディング材の側面と粘着シートの間にシワや浮きが生じていても、粘着シートが四方を囲う壁のような形態となっているため、ボンディング材の流出が防がれる。その結果、ボンディング材の付着のないスパッタリングターゲットを得ることができる。
本発明は、フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着材層を有するマスキング用粘着シートであって、シートの中央部に打ち抜き部を有するマスキング用粘着シートである(図1にその一例を示す。1がマスキング用粘着シート、2がフッ素樹脂基材、3がシリコーン粘着剤層である)。
本発明のマスキング用粘着シートにはフッ素樹脂基材を用いる。フッ素樹脂は、耐熱性が高く、半田溶融温度でも基材に必要な特性を発揮することができる。基材を構成するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)等が例示でき、これらのうち、PTFEおよびPFAが好ましい。
基材の厚さは、十分な強度および形状追従性が得られるような厚さである限り、特に制限はない。特にプレスで貼付可能な厚さとすることが好ましい。基材が薄過ぎると伸びやすく破れやすくなり、厚過ぎると、基材にひずみが生じたり、プレス性が悪化するおそれがある。このことから、基材の厚さは、好適には30〜200μmである。
基材は、伸びが、常温(例えば25℃)で100%以上であることが好ましい。このような伸びの基材を用いることにより、貼付時に、粘着シートのボンディング材およびバッキングプレートへの密着性が向上する。常温の伸びとしては、100〜400%であることがさらに好ましい。なお、伸びは、例えば、常温で万能引張試験機を用いて、つかみ間隔100mm、標線50mm、引張速度200mm/分として測定して、破断時の伸びとして求めることができる。
基材は、熱収縮率が、200℃において3%以上であることが好ましい。このような熱収縮率の基材を用いることにより、ターゲット材接合時にボンディング材とバッキングプレートを加熱する際に、基材が熱収縮することによって、粘着シートのボンディング材とバッキングプレートへの密着性が向上する。200℃における熱収縮率としては、3〜10%であることがさらに好ましい。なお、熱収縮率は、例えば、粘着シートを10cm角に切り出し、粘着防止のために粘着面にタルクを付着させた後200℃に加熱し、加熱後の寸法を測定して算出すればよい。
基材には、粘着剤の投錨力を高めるために、コロナ放電処理、スパッタ処理、低圧UV処理、プラズマ処理、アルカリ金属エッチング処理等の表面処理を施すことが好ましい。これら表面処理を行った場合には、マスキング用粘着シート剥離時の糊残りが少なくなる。
本発明のマスキング用粘着シートの粘着剤層にはシリコーン粘着剤を用いる。シリコーン粘着剤は、フッ素樹脂基材に対する粘着力が高く、耐熱性に優れるという利点を有する。シリコーン粘着剤としては、ターゲット材接合時の加熱温度(通常、220〜260℃)に対して耐熱性を有するものであればよい。なお、シリコーン粘着剤は凝集力を上げると接着性が低下し、浮きが発生する場合があるが、本発明においては、浮きが生じてもボンディング材が流出する可能性が低い。従って、凝集力の高いシリコーン粘着剤を用いて、剥離時の糊残りの可能性を低減させることも可能である。極端な例では、ボンディング材をパックプレートに固定できる限り、シリコーンゴムのようなものを用いてもよい。
粘着剤層の厚さは、被着体となる金属の表面粗さに追従し、貼り付けおよび引き剥がし作業を行いやすい接着力が得られるような厚さを適宜選択すればよい。特に、マスキング用粘着シートの接着力が低い方が、引き剥がしの作業性がよいため、粘着剤層の厚さは薄い方が望ましく、好適には2〜30μmである。このような厚さを採用すれば、通常のシリコーン粘着剤を用いても、糊残りを低減できるとともに、剥離強度も低くすることができ、作業性が向上する。
本発明のマスキング用粘着シートは、その中央部に打ち抜き部(貫通部)を有する。このような打ち抜き部を有することによって、基材の伸びおよび熱収縮を利用して、ボンディング材とバッキングプレートへの密着性を向上させることができる。
打ち抜き部の大きさ(面積)および形状は、貼付対象のボンディング材の大きさと形状によって定まる。打ち抜き部の形状は、貼付対象のボンディング材の上面の形状と相似形にするのがよい。打ち抜き部の大きさは、貼付対象のボンディング材の上面の面積よりも小さな大きさとする。
本発明のマスキング用粘着シートは、使用されるまでの粘着剤層の保護を目的として、シリコーン粘着剤層の上に剥離ライナーをさらに有していてよい。剥離ライナーには、シリコーン粘着剤用途において公知のものを用いることができる。
次に本発明のマスキング用粘着テープは、上述のマスキング用粘着シートが連続してなるマスキング用粘着テープである。すなわち、フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着剤層を有するマスキング用粘着テープであって、テープの幅方向の中央部に打ち抜き部を所定間隔で有するマスキング用粘着テープである。このマスキング用粘着テープを所定の間隔で切断したものが、上述のマスキング用粘着シートとなる。
本発明のマスキング用粘着テープは、常法に従い作製することができる。例えば、フッ素樹脂基材に、シリコーン粘着剤を含む溶液を、リバースコート法、ファンテンコート法、ディッピング法等の方式で塗工して乾燥した後、それぞれの架橋方式(加熱、UV照射等)によりキュアーさせる。続いて、テープの幅方向の中央部を所定間隔で打ち抜き、貫通部を設ける。この打ち抜きの前後で、剥離ライナーを積層してもよい。このようにして得られるテープを巻き取ることにより、本発明のマスキング用粘着テープを得ることができる。さらに、当該テープを、中央部に打ち抜き部を有するように所定間隔で切断することによって、本発明のマスキング用粘着シートを得ることができる。また、本発明のマスキング用粘着シートは、打ち抜きを行っていないマスキング用粘着テープより所定の長さを切り出し、その中央部の打ち抜きを行って作製することもできる。
本発明のマスキング用粘着シートをスパッタリングターゲットの製造に用いれば、一度でボンディング材の外周に沿って貼付することができるため、作業効率に優れる。また、一枚の粘着シートで貼付が行われるため、ボンディング材流出の原因となる、粘着テープの重なりによる隙間も生じない。また、ボンディング材の側面が、マスキング用粘着シートで囲まれるため、バッキングプレート部分において、粘着シートのシワや浮きが生じていても、ボンディング材の流出には影響することがほとんどない。また、ボンディング材の側面と粘着シートの間にシワや浮きが生じていても、粘着シートが四方を囲う壁のような形態となっているため、ボンディング材の流出が防がれる。その結果、ボンディング材の付着のないスパッタリングターゲットを得ることができる。
以上のように、本発明のマスキング用粘着シートおよびテープは、スパッタリングターゲット製造時のマスキングに最適なものであるが、これ以外の半田付け時のマスキング用途に使用することもできる。また、本発明のマスキング用粘着シートおよびテープは、それ自体がマスク材として機能するものであるが、各種マスク材の貼付にも用いることができる。
別の側面から本発明は、バッキングプレートの上にボンディング材を載置する工程(載置工程);
フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着剤層を有するマスキング用粘着シートであって、前記ボンディング材の上面の面積よりも小面積の中央打ち抜き部を有するマスキング用粘着シートを、当該打ち抜き部によって前記ボンディング材の上面の中央部が露出するような状態で(上面全面が露出していてもよい)、前記ボンディング材の外周部に沿うように前記バッキングプレートおよび前記ボンディング材に貼付する工程(貼付工程);
必要に応じ、前記ボンディング材の上面部に貼付された前記マスキング用粘着シートを除去する工程(任意の除去工程);
前記ボンディング材を加熱して、前記バッキングプレートにターゲット材を接合する工程(接合工程);および
前記マスキング用粘着シートを剥離除去する工程(剥離除去工程)
を含む、スパッタリングターゲットの製造方法である。
ターゲット材、およびバッキングプレートとしては従来公知のものがいずれも使用でき、例えばターゲット材の材質としては、ITO焼結体等が使用でき、バッキングプレートの材質としては銅またはその合金、ステンレス類などが使用できる。両者を接合するボンディング材には、半田、特に低融点半田を用いることが好ましく、例えばIn系、Sn系等の金属が使用できる。
以下、図面を参照しながら本発明の製造方法の各工程について説明する。
載置工程は、常法に従い、ターゲット材を設置すべきバッキングプレート4上の位置にボンディング材5を載置することにより行うことができる。載置後の状態を図2および3に示す。
次に、貼付工程は、図4および5のように、マスキング用粘着シート1(図1のようにフッ素樹脂基材2およびシリコーン粘着剤層3を有する)を、打ち抜き部によって、ボンディング材5の上面(バッキングプレート4に接する面とは反対側の面)の中央部が露出するような状態で、前記ボンディング材5の外周部に沿うように前記バッキングプレート4および前記ボンディング材5に貼付する。すなわち、マスキング用粘着シート1を、少なくともバッキングプレート4の上面の一部およびボンディング材5の側面部、ならびに好ましくはボンディング材5の上面の外縁部に貼り付ける。マスキング用粘着シート1は、バッキングプレート4の露出した上面全面に貼付することが好ましい。
このようにすると、1枚のマスキング用粘着シートにより、ボンディング材の外周部のマスキングができるため、作業効率に非常に優れる。また、ボンディング材流出の原因となる、ボンディング材加熱時に特に発生しやすい粘着テープを重ね合わせることに起因する隙間も生じない。
マスキング用粘着シートの貼付は、人手によるものであってよいが、プレス機を用いて圧着することが好ましい。プレス機を用いる場合には、効率よく正確に貼付作業を行うことができる。打ち抜き部を有するマスキング用粘着シートは、プレス作業で貼付できることも一つの利点である。
次に、任意の除去工程は、マスキング用粘着シート1をボンディング材5の側面のちょうど上端まで貼付して、ボンディング材5の上面の一部に貼り付けなかった場合、または後の接合工程での加熱時に、基材の熱収縮によって、マスキング用粘着シート1がボンディング材5の上面にかからなくなる場合には、実施しなくてよい工程である。任意の除去工程は、例えば、カッター等により、ボンディング材5の上面に付着する余分なマスキング用粘着シート1を切断し、剥離することにより行うことができる。当該工程実施後の状態を図6に示す。
ここで、マスキング用粘着シート1のフッ素樹脂基材の、伸びが常温で100%以上であり、かつ熱収縮率が200℃において3%以上であれば、粘着シートの伸長および熱収縮を利用して、ボンディング材5およびバッキングプレート4への密着性を高めることができる。
このようにして、マスキング用粘着シート1が、ボンディング材5の側面を囲う形態となる。ボンディング材5の側面が、マスキング用粘着シート1で囲まれているため、バッキングプレート4上において、粘着シート1のシワや浮きが生じていても、ボンディング材5の流出には影響することがほとんどない。また、ボンディング材5の側面と粘着シート1の間にシワや浮きが生じていても、粘着シート1が四方を囲う壁のような形態となっているため、各壁がダムのような役割をしてボンディング材5の流出が防がれる。
次に、接合工程は、常法に従い、ターゲット材6をボンディング材5上に載置し、ボンディング材5の融点以上に加熱した後、冷却することによって行うことができる。接合後の状態を図7に示す。
次に、剥離除去工程は、常法に従い行うことができ、ターゲット材6をバッキングプレート4に接合して得られるスパッタリングターゲット7の温度が130℃以上で行うことが好ましい。このような高温では、基材が伸びやすいため、剥離除去が容易となる。また、剥離除去のためのスパッタリングターゲット7の冷却時間も短くてよいため、作業効率も良い。
なお、上で説明した工程のうち、常法に従い実施できる工程については、特開平6−293963号公報、特開平11−200028号公報、特開昭61−250167号公報、特開平5−25620号公報、特開平2−43362号公報、特開平4−365857号公報等が参考になるであろう。
以上のようにして、ボンディング材の付着のない、スパッタリングターゲット7を得ることができる(図8)。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
PTFE製基材、シリコーン粘着剤層、およびポリエチレンテレフタレート製剥離ライナーを有する日東電工製粘着テープ(品番「No.903−T」、総厚0.08mm、基材厚0.05mm)より所定の長さを切り出し、その中央部を90mm×90mmに打ち抜き、マスキング用粘着シートを作製した。200mm×200mm×20mm厚の無酸素銅板の上に、半田(ボンディング材)モデルとして100mm×100mm×3mm厚の銅板を載置した。この上に、上記マスキング用粘着シートを載せ、プレス機で圧着して図4に示した状態となるように貼付を行った。このようにして作製したプレートを、250℃で5時間加熱した後冷却し、加熱前後の粘着シートの状態を評価した。
(比較例1)
ポリイミド製基材、シリコーン粘着剤層およびポリエチレンテレフタレート製剥離ライナーを有する日東電工製粘着テープ(品番「No.360−T」、総厚0.08mm、基材厚0.05mm)を用いてマスキング用粘着シートを作製し、これを用いて実施例1と同様の評価を行った。
(比較例2)
実施例1と同じ無酸素銅板の上に、実施例1と同じ半田モデルの銅板を載置した。次いで、PTFE製基材およびシリコーン粘着剤層を有する日東電工製粘着テープ(品番「No.903−UL」)を用いて、半田モデルの銅板を囲うようにして、粘着テープを伸ばしながら20mm幅で貼付を行った。このようにして作製したプレートを、250℃で5時間加熱した後冷却し、加熱前後の粘着テープの状態を評価した。
実施例1および比較例1の粘着シートならびに比較例2の粘着テープの特性と評価結果を以下に示す。
Figure 2010121066
表1をみてわかるように、基材がフッ素樹脂製である場合には、基材は柔軟性があり、プレス圧着した場合でも銅板を重ね合わせた形状に追従するが、基材がポリイミド樹脂製である場合(比較例1)には、形状追従性が悪く、破れが生じた。また、実施例1および比較例2では、250℃加熱後には、シートに一部、気泡、剥がれが見られたが、比較例2においては、テープを重ね合わせた部分に浮き(隙間)が生じて、溶融ボンディング材が流出し得る流路が形成されていた。実際のスパッタリングタッゲート製造時にこのような流路が形成されると、バッキングプレートにボンディング材が付着するおそれがある。一方、実施例1では、粘着シートがボンディング材の四方を囲う壁のような形態となっていたため、溶融ボンディング材が流出し得る流路は見られなかった。
本発明のマスキング用粘着シートは、半田付けを行う際のマスキング等の耐熱性が要求されるマスキングに好適に使用することができ、特に、ターゲット材とバッキングプレートとを半田等のボンディング材で接合してスパッタリングターゲットを製造する際のマスキングに最適である。
本発明のマスキング用粘着シートの一例を示す斜視図である。 本発明の製造方法の載置工程実施後の状態の一例を示す斜視図である。 本発明の製造方法の載置工程実施後の状態の一例を示す、図2のX−X線に沿った断面図である。 本発明の製造方法の貼付工程実施後の状態の一例を示す斜視図である。 本発明の製造方法の貼付工程実施後の状態の一例を示す、図4のX−X線に沿った断面図である。 本発明の製造方法の任意の除去工程実施後の状態の一例を示す断面図である。 本発明の製造方法の接合工程実施後の状態の一例を示す断面図である。 本発明の製造方法の剥離除去工程実施後の状態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 マスキング用粘着シート
2 フッ素樹脂基材
3 シリコーン粘着剤層
4 バッキングプレート
5 ボンディング材
6 ターゲット材
7 スパッタリングターゲット

Claims (9)

  1. フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着剤層を有するマスキング用粘着シートであって、シートの中央部に打ち抜き部を有するマスキング用粘着シート。
  2. スパッタリングターゲット製造用である請求項1に記載のマスキング用粘着シート。
  3. 前記フッ素樹脂基材の伸びが、常温で100%以上であり、かつ前記フッ素樹脂基材の熱収縮率が、200℃において3%以上である請求項1または2に記載のマスキング用粘着シート。
  4. 前記シリコーン粘着剤層の上に剥離ライナーをさらに有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスキング用粘着シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマスキング用粘着シートが連続してなるマスキング用粘着テープ。
  6. バッキングプレートの上にボンディング材を載置する工程;
    フッ素樹脂基材、および当該フッ素樹脂基材の片面上にシリコーン粘着剤層を有するマスキング用粘着シートであって、前記ボンディング材の上面の面積よりも小面積の中央打ち抜き部を有するマスキング用粘着シートを、当該打ち抜き部によって前記ボンディング材の上面の中央部が露出するような状態で、前記ボンディング材の外周部に沿うように前記バッキングプレートおよび前記ボンディング材に貼付する工程;
    必要に応じ、前記ボンディング材の上面部に貼付された前記マスキング用粘着シートを除去する工程;
    前記ボンディング材を加熱して、前記バッキングプレートにターゲット材を接合する工程;および
    前記マスキング用粘着シートを剥離除去する工程
    を含む、スパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 前記マスキング用粘着シートのフッ素樹脂基材の伸びが、常温で100%以上であり、かつ当該フッ素樹脂基材の熱収縮率が、200℃において3%以上である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記マスキング用粘着シートを、プレス機で圧着して貼付する請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 前記マスキング用粘着シートの剥離除去を130℃以上の温度で行う請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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