JP2012028726A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】輝度寿命が長い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】陽極と、陰極と、該陽極及び該陰極の間に設けられ、燐光発光性化合物を含む第一の発光層用材料、及び、電荷輸送性高分子化合物を含む第二の発光層用材料を含む発光層(即ち、第一の発光層用材料と第二の発光層用材料とを含む発光層)と、該陽極及び該発光層の間に、該発光層に隣接して設けられ、正孔輸送性高分子化合物を用いてなる正孔輸送層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該第一の発光層用材料の最低励起三重項エネルギーT1e(eV)と、該第二の発光層用材料の最低励起三重項エネルギーT1h(eV)と、該正孔輸送性高分子化合物の最低励起三重項エネルギーをT1t(eV)とが、下記式(A)及び(B):
T1e≦T1h (A)
T1t−T1e≦0.10 (B)
を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
陽極及び陰極と、該電極間に設けられた発光層と、該発光層に隣接して設けられた正孔輸送層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層の作製に、ドーパントである燐光発光性化合物を高分子化合物含有ホスト材料にドーピングした組成物を用い、かつ、正孔輸送層の作製に、該燐光発光性化合物より最低励起三重項エネルギーの大きい正孔輸送性高分子化合物を用いることにより、発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子が得られることが知られている(特許文献1)。
特開2008−179617号公報
しかし、上記文献に開示された有機エレクトロルミネッセンス素子は、輝度寿命が十分ではないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、輝度寿命が長い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
本発明は、
陽極と、
陰極と、
該陽極及び該陰極の間に設けられ、燐光発光性化合物を含む第一の発光層用材料、及び、電荷輸送性高分子化合物を含む第二の発光層用材料を含む発光層(即ち、第一の発光層用材料と第二の発光層用材料とを含む発光層)と、
該陽極及び該発光層の間に、該発光層に隣接して設けられ、正孔輸送性高分子化合物を用いてなる正孔輸送層と
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
該第一の発光層用材料の最低励起三重項エネルギーT1e(eV)と、該第二の発光層用材料の最低励起三重項エネルギーT1h(eV)と、該正孔輸送性高分子化合物の最低励起三重項エネルギーをT1t(eV)とが、下記式(A)及び(B):
T1e≦T1h (A)
T1t−T1e≦0.10 (B)
を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
本発明によれば、輝度寿命が長い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
以下、本発明を説明する。なお、本明細書において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
本明細書において、「正孔輸送性高分子化合物を用いてなる正孔輸送層」とは、正孔輸送性高分子化合物をそれ自身含む正孔輸送層、正孔輸送性高分子化合物が分子内及び/又は分子間で架橋した状態で含む正孔輸送層等を含む。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記式(A)は、T1e≦T1hであるが、T1eがT1hより大きい場合には、発光効率が低下する傾向がある。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記式(B)は、T1t−T1e≦0.10であるが、T1t−T1eが0.10より大きい場合には、輝度寿命が短くなる傾向がある。T1t−T1eは、輝度寿命の観点から、0.05以下であることが好ましく、0以下であることがより好ましい。
さらに、T1t−T1eは、発光効率の観点から、下記式(B’):
T1t−T1e≧−0.30 (B’)
を満たすことが好ましく、−0.20以上であることがより好ましく、−0.10以上であることが特に好ましい。
本発明において、最低励起三重項エネルギーは、計算科学的手法により決定する。計算科学的手法では、量子化学計算プログラムGaussian03を用いて、B3LYPレベルの密度汎関数法により、基底関数を3−21G*として、構成単位を構造最適化する。その後、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、基底関数を3−21G*として、最低励起三重項エネルギーを算出する。なお、基底関数として3−21G*を用いることができない原子が存在する場合は、該原子に対する基底関数としてLANL2DZを用いる。
本発明では、前記正孔輸送性高分子化合物、前記電荷輸送性高分子化合物が1種の構成単位からなる場合、該構成単位の2量体について最低励起三重項エネルギーを算出し、該高分子化合物の最低励起三重項エネルギーとする。前記正孔輸送性高分子化合物、前記電荷輸送性高分子化合物が2種以上の構成単位からなる場合、モル比率で1%以上含まれる構成単位の重合上生じ得る全ての2量体について最低励起三重項エネルギーを算出し、その中で最小の値を、該高分子化合物の最低励起三重項エネルギーとする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、正孔輸送層が前記正孔輸送性高分子化合物を2種以上用いて形成される場合、発光層が前記電荷輸送性高分子化合物を2種以上用いて形成される場合、各層の形成において、用いられる全ての正孔輸送性高分子化合物、電荷輸送性高分子化合物の最低励起三重項エネルギーを算出し、その中で最小の値を、該高分子化合物の最低励起三重項エネルギーとする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、正孔注入性の観点から、前記第一の発光層用材料のイオン化ポテンシャル及び前記第二の発光層用材料のイオン化ポテンシャルの最小値IPeh(eV)と、前記正孔輸送性高分子化合物のイオン化ポテンシャルIPt(eV)とが、下記式(C):
IPeh−IPt≧−0.20 (C)
を満たすことが好ましく、IPeh−IPtは、−0.10以上であることがより好ましく、−0.05以上であることがさらに好ましく、0以上であることが特に好ましい。
本発明では、前記第一の発光層用材料、前記第二の発光層用材料、前記正孔輸送性高分子化合物のイオン化ポテンシャルは、光電子分光法で直接測定する方法で測定することができ、具体的には、低エネルギー電子分光装置により測定することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、前記第一の発光層用材料、前記第二の発光層用材料を、2種以上を含む場合、各々について、重量比率5%以上含まれる全ての発光層用材料のイオン化ポテンシャルを測定し、その中で最小の値を、該材料のイオン化ポテンシャルとする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、正孔輸送層が、前記正孔輸送性高分子化合物を2種以上用いて形成される場合、重量比率5%以上含まれる全ての化合物のイオン化ポテンシャルを測定し、その中で最小の値を、該正孔輸送性高分子化合物のイオン化ポテンシャルとする。
<発光層>
・第一の発光層用材料
第一の発光層用材料は、通常、燐光発光性化合物のみ(即ち、必須成分である燐光発光性化合物のみ)であるが、その他にも、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等の蛍光発光性化合物が含まれていてもよい。第一の発光層用材料を構成する成分は、各々、一種単独であっても二種以上であってもよい。なお、第一の発光層用材料は、一般的に、ゲスト材料と呼ばれることがある。
前記燐光発光性化合物としては、燐光発光性金属錯体が挙げられる。この燐光発光性金属錯体は、中心金属と配位子とを有する。その中心金属は、通常、原子番号50以上の原子であり、かつ、該化合物にスピン−軌道相互作用があり、一重項状態と三重項状態間の項間交差を起こし得る金属である。この中心金属としては、好ましくは、金、白金、イリジウム、オスミウム、レニウム、タングステン、ユーロピウム、テルビウム、ツリウム、ディスプロシウム、サマリウム、プラセオジム、ガドリニウム、イッテルビウムであり、より好ましくは、金、白金、イリジウム、オスミウム、レニウム、タングステンであり、更に好ましくは、金、白金、イリジウム、オスミウム、レニウムであり、特に好ましくは、白金、イリジウムであり、とりわけ好ましくは、イリジウムである。
前記燐光発光性金属錯体が有する配位子は、中心金属に対する配位原子を含む芳香環(単環でも縮合環でもよい)であることが好ましく、該芳香環中の水素原子の一部又は全部が、配位原子を有しない1価の基で置換されている芳香環であることがより好ましい。この1価の基としては、発光素子の輝度寿命が良好となるので、アルキル基、アリール基、芳香族複素環基が好ましく、アリール基、芳香族複素環基がより好ましい。
前記燐光発光性金属錯体としては、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3(例えば、Appl. Phys. Lett., (1999), 75(1), 4や、Jpn. J. Appl. Phys., 34, 1883(1995)に記載)、Btp2Ir(acac)(例えば、Appl. Phys. Lett., (2001), 78(11), 1622に記載)、アメリカンダイソース社から市販されているADS066GE(商品名)等のイリジウム錯体、白金を中心金属とするPtOEP等の白金錯体(例えば、Nature,(1998), 395, 151に記載)、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等のユーロピウム錯体が好ましく、イリジウム錯体がより好ましい。
Figure 2012028726
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前記燐光発光性金属錯体としては、その他にも、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and Devices IV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 97(2), 113、Syn. Met., (1999), 99(2), 127、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852、Inorg. Chem., (2003), 42, 8609、Inorg. Chem., (2004), 43, 6513、Inorg. Chem., 2007, 46, 11082、Journal of the SID 11/1、161 (2003)、WO2002/066552、WO2004/020504、WO2004/020448等に記載のFIrpic、発光材料A〜S等の錯体も用いることができる。
Figure 2012028726
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第一の発光層用材料の重量の割合は、後述する第二の発光層用材料の重量に対して、通常、0.01〜1.0であるが、発光素子の輝度寿命が良好となるので、0.02〜0.8が好ましく、0.05〜0.65がより好ましい。
・第二の発光層用材料
第二の発光層用材料は、通常、電荷輸送性高分子化合物のみ(即ち、必須成分である電荷輸送性高分子化合物のみ)であるが、その他にも、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、オキサジアゾール誘導体アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、ジフェノキノン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体等の電荷輸送性低分子化合物が含まれていてもよい。第二の発光層用材料を構成する成分は、各々、一種単独であっても二種以上であってもよい。なお、第二の発光層用材料は、一般的に、ホスト材料と呼ばれることがある。
前記電荷輸送性高分子化合物は、電荷注入性および電荷輸送性の観点から、下記式(4):
Figure 2012028726
[式(4)中、Ar1は、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、又は、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が直接結合した2価の基を表す。Ar1で表される基は、置換基として、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を有していてもよい。]
で表される構成単位、及び、下記式(5):
Figure 2012028726
[式(5)中、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、又は、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が直接結合した2価の基を表す。Ar6、Ar7及びAr8は、それぞれ独立に、アリール基又は1価の芳香族複素環基を表す。p及びqは、それぞれ独立に、0又は1である。Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7及びAr8で表される基は、置換基として、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を有していてもよい。また、Ar5、Ar6、Ar7及びAr8で表される基は、それぞれ、該基が結合する窒素原子と結合しているAr2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8で示される基と、直接結合し、又は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−N(RA)−、−C(=O)−N(RA)−若しくは−C(RA2−を介して結合して、5〜7員環を形成していてもよい。RAは、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す。]
で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。これらの中でも、前記高分子化合物としては、前記式(4)で表される構成単位のモル比率が80%以上であり、かつ、前記式(5)で表される構成単位のモル比率が20%未満である高分子化合物がより好ましく、前記式(4)で表される構成単位のモル比率が90%以上であり、かつ、前記式(5)で表される構成単位のモル比率が10%未満である高分子化合物が特に好ましい。
前記式(4)で表される構成単位は、電荷注入性及び電荷輸送性の観点からは、下記式(6):
Figure 2012028726
[式(6)中、R1は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す。R2は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を表す。rは0〜3の整数である。2個あるR1は、同一であっても異なっていてもよく、2個のR1が結合して環を形成していてもよい。R2が複数ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。2個あるrは同一であっても異なっていてもよい。]
で表される構成単位、又は、下記式(7):
Figure 2012028726
[式(7)中、R3は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表す。R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を表す。2個あるR3は同一であっても異なっていてもよい。2個あるR4は同一であっても異なっていてもよい。]
で表される構成単位であることがより好ましい。
また、駆動電圧の観点からは、前記式(4)で表される構成単位として、下記式(6)で表される構成単位、及び/又は、下記式(7)で表される構成単位を含むことがより好ましい。
前記式(4)中のAr1で表されるアリーレン基、前記式(5)中のAr2〜Ar5で表されるアリーレン基は、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つ基、独立したベンゼン環又は縮合環のいずれか又は両方の2個以上が直接又はビニレン基等の共役系連結基を介して結合した基を含む。アリーレン基は置換基を有していてもよい。アリーレン基の置換基を除いた部分の炭素数は、通常、6〜60であり、置換基を含めた全炭素数は、通常、6〜100である。
前記アリーレン基が有していてもよい置換基としては、モノマーの合成の容易性、重合性の観点からは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基が好ましく、有機エレクトロルミネッセンス素子の作製の容易性の観点からは、アルケニル基、アルキニル基が好ましく、素子にした場合の発光特性の観点からは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基が好ましい。
前記アリーレン基としては、フェニレン基(式Ar1〜Ar3)、ナフタレンジイル基(式Ar4〜Ar13)、アントラセンジイル基(式Ar14〜Ar19)、ビフェニルジイル基(式Ar20〜Ar25)、ターフェニルジイル基(式Ar26〜Ar28)、縮合環化合物基(式Ar29〜Ar35)、フルオレンジイル基(式Ar36〜Ar68)、ベンゾフルオレンジイル基(式Ar69〜Ar88)が挙げられる。素子にした場合の発光特性の観点からは、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ターフェニルジイル基、フルオレンジイル基が好ましく、フェニレン基、フルオレンジイル基がより好ましく、フルオレンジイル基が特に好ましい。なお、これらの基は、置換基を有していてもよい。
Figure 2012028726
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前記式(4)中、Ar1で表される2価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から2個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。芳香族複素環式化合物とは、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等のヘテロ原子を含む複素環式化合物であり、該複素環自体が芳香族性を示す化合物、並びに、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等のヘテロ原子を含む複素環それ自体は芳香族性を示さなくても、該複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。前記2価の芳香族複素環基としては、例えば、ピリジンジイル基(式B1〜B3);ジアザフェニレン基(式B4〜B8);トリアジンジイル基(式B9);キノリン−ジイル基(式B10〜B12);キノキサリン−ジイル基(式B13〜B15);アクリジンジイル基(式B16、B17);フェナントロリンジイル基(式B18、B19);ヘテロ原子を含む環構造にベンゾ縮環した構造を有する基(式B20〜B26);フェノキサジンジイル基(式B27、B28);フェノチアジンジイル基(式B29、B30);含窒素結合多環系ジイル基(式B31〜B35);ヘテロ原子として、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子等を含む5員環基(式B36〜B39);ヘテロ原子として、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子等を含む5員環縮合基(式B40〜B47)が挙げられる。これらの2価の芳香族複素環基における水素原子は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。
Figure 2012028726
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〔式中、Raは、水素原子、水酸基、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、又はアリールアルコキシ基を表す。〕
前記式(4)で表される構成単位としては、以下の式Ka−1〜Ka−52で表される構成単位が挙げられる。
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前記式(5)中のAr6、Ar7及びAr8で表されるアリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。前記アリール基は、炭素数が、通常、6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20である。該炭素数には置換基の炭素数は含まない。前記アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基、4−ビフェニリル基が例示される。前記アリール基は、置換基を有していてもよい。
前記アリール基としては、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換の4−ビフェニリル基が好ましい。このフェニル基、4−ビフェニリル基が有する置換基としては、アルキル基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
前記式(5)中のAr6、Ar7及びAr8で表される1価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。前記1価の芳香族複素環基は、炭素数が、通常、3〜60であり、好ましくは3〜20である。該炭素数には置換基の炭素数は含まない。前記1価の芳香族複素環基としては、2−オキサジアゾール基、2−チアジアゾール基、2−チアゾール基、2−オキサゾール基、2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−ピリミジル基、2−トリアジル基、3−ピリダジル基、3−カルバゾリル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基等が挙げられ、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−ピリミジル基、2−トリアジル基、3−ピリダジル基が好ましい。前記1価の芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基が好ましい。
前記式(5)中のAr2〜Ar5で表される2価の芳香族複素環基は、前記式(4)中のAr1で表される2価の芳香族複素環基と同じ意味を有する。
前記式(5)において、p及びqの少なくとも一方が1であることが好ましい。
前記式(5)で表される構成単位としては、以下の式Am1〜Am6、Kb−1〜Kb−7で表される構成単位が挙げられ、素子にした場合の正孔輸送性及び発光特性の観点から、式Am2〜Am5で表される構成単位が好ましい。なお、これらの構成単位は、置換基を有していてもよい。
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Figure 2012028726
前記電荷輸送性高分子化合物は、以上で説明した電荷輸送性高分子化合物が架橋してなる化合物であってもよい。
前記電荷輸送性高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1×103〜1×108であり、好ましくは5×104〜5×106である。前記電荷輸送性高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、通常、1×103〜1×108であり、好ましくは1×104〜1×106である。
前記電荷輸送性高分子化合物としては、以下の化合物EP−1〜EP−4が挙げられる。
Figure 2012028726
(表中、v、w、x、y及びzは、モル比率を表す数である。これらのうち、前記式(4)で表される構成単位のモル比率が、v、w及びxであり、前記式(5)で表される構成単位のモル比率がyであり、その他の構成単位のモル比率がzである。また、v、w、x、y及びzは、v+w+x+y+z=1及び1≧v+w+x+y≧0.7を満たす。)
ここで、前記式Ar1〜Ar35、式Ar36〜Ar67、式B1〜B42、式Am1〜Am6は、前記と同じ意味を有する。また、「その他」は、前記式Ar1〜Ar35、式Ar36〜Ar67、式B1〜B42、式Am1〜Am6以外の構成単位を表す。
前記電荷輸送性高分子化合物は、一種単独であっても二種以上であってもよい。二種以上の電荷輸送性高分子化合物を含む場合、前記式(4)、(5)で表される構成単位のモル比率は相加平均値、即ち、それぞれの電荷輸送性高分子化合物のモル比率にそれぞれの電荷輸送性高分子化合物の重量組成比を乗じたものを合計した値とする。
・その他の材料
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層は、第一の発光層用材料及び第二の発光層用材料と、それら以外の成分を含んでいてもよい。
<正孔輸送層>
・正孔輸送性高分子化合物
前記正孔輸送性高分子化合物は、正孔注入性及び正孔輸送性の観点からは、前記式(4)で表される構成単位、及び、前記式(5)で表される構成単位を含む高分子化合物であり、前記式(5)で表される構成単位をモル比率20%以上で含む高分子化合物であることが好ましく、前記式(5)で表される構成単位をモル比率30%以上で含む高分子化合物であることがより好ましい。
前記式(4)で表される構成単位は、前記式(6)で表される構成単位、又は、前記式(7)で表される構成単位であることが好ましく、正孔輸送性の観点から、前記式(6)で表される構成単位であることがより好ましい。
前記正孔輸送性高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1×103〜1×108であり、好ましくは5×104〜5×106である。前記正孔輸送性高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、通常、1×103〜1×108であり、好ましくは1×104〜1×106である。
前記正孔輸送性高分子化合物としては、以下の化合物EP−5〜EP−10が挙げられる。
Figure 2012028726
(表中、v’、w’、x’、y’及びz’は、モル比率を表す数である。これらのうち、前記式(4)で表される構成単位のモル比率が、v’、w’及びx’であり、前記式(5)で表される構成単位のモル比率がy’であり、その他の構成単位のモル比率がz’である。また、v’、w’、x’、y’及びz’は、v’+w’+x’+y’+z’=1及び1≧v’+w’+x’+y’≧0.7を満たす。)
ここで、前記式Ar1〜Ar35、式Ar36〜Ar67、式B1〜B42、式Am1〜Am6は、前記と同じ意味を有する。また、「その他」は、前記式Ar1〜Ar35、式Ar36〜Ar67、式B1〜B42、式Am1〜Am6以外の構成単位を表す。
前記正孔輸送性高分子化合物は、一種単独であっても二種以上であってもよい。ここで二種以上の正孔輸送性高分子化合物を含む場合、前記式(4)、(5)で表される構成単位のモル比率は相加平均値、即ち、それぞれの正孔輸送性高分子化合物のモル比率にそれぞれの正孔輸送性高分子化合物の重量組成比を乗じたものを合計した値とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、素子作製の際の溶媒に対する不溶化の観点から、前記正孔輸送性高分子化合物として架橋性の正孔輸送性高分子化合物を用い、該化合物を素子製造の過程で分子内又は分子間で架橋させることにより、正孔輸送層中に架橋した状態で含まれていてもよい。
・その他の材料
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記正孔輸送層は、前記正孔輸送性高分子化合物と、それ以外の成分を用いて形成されていてもよい。
<素子構成>
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の層構造としては、以下のa)〜b)の構造が挙げられる。
a)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、「/」は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
電極に隣接して設けた正孔輸送層、電子輸送層のうち、電極からの電荷(正孔、電子)の注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を低下させる効果を有する層は、電荷注入層と呼ばれる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記陽極と前記正孔輸送層との間に正孔注入層を有することが好ましい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、電極に隣接して絶縁層を設けてもよい。また、界面の密着性向上や混合の防止等のために、前記陽極と前記正孔輸送層の間に薄いバッファー層を挿入してもよいし、前記発光層と前記陰極の間に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、及び各層の厚さは、発光効率や輝度寿命を勘案して調整すればよい。
電荷注入層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子の層構造としては、以下のc)〜h)の構造が挙げられる。
c)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
陽極は、通常、透明又は半透明であり、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜から構成され、それらの中でも透過率が高い材料から構成されることが好ましい。前記陽極の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性無機化合物を用いて作製された膜、NESA等や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。前記陽極の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等の方法を用いることができる。また、前記陽極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択すればよく、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは50nm〜500nmである。
正孔注入層に用いられる材料としては、フェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の導電性高分子化合物が挙げられる。
正孔注入層に用いられる材料が導電性高分子化合物である場合、該導電性高分子化合物の電気伝導度を向上させるために、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等のアニオンをドープしてもよい。
正孔輸送層の形成方法としては、前記正孔輸送性高分子化合物を含む溶液からの成膜が挙げられる。溶液からの成膜に用いる溶媒は、前記正孔輸送性高分子化合物を溶解させる溶媒であればよい。この溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が挙げられる。
正孔輸送層の形成には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効率を考慮しつつ選択すればよいが、ピンホールが発生しない厚さが必要であり、厚過ぎると、有機電界発光素子の駆動電圧が高くなることがある。従って、正孔輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
発光層の形成方法としては、第一の発光層用材料及び第二の発光層用材料を含む溶液を正孔輸送層の上又は上方に塗布する方法等が挙げられる。前記溶液に用いられる溶媒は、第一の発光層用材料及び第二の発光層用材料を溶解させる溶媒であればよい。この溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が挙げられる。ここで、前記溶媒は、溶液の粘度及び成膜性に加えて下層に対する溶解性を考慮して選択することが好ましい。
発光層の形成には、スピンコート法、ディップコート法、インクジェットプリント法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スリットコート法等の塗布法を用いることができる。
発光層の厚さは、駆動電圧と発光効率を考慮して選択すればよいが、通常、2〜200nmである。
正孔輸送層に続いて発光層を形成する場合、特に、両方の層を塗布法によって形成する場合には、先に形成した層が後から層を形成する際に用いる塗布液に含まれる溶媒に溶解して積層構造を作製できなくなることがある。このときには、正孔輸送層を溶媒不溶にする方法を用いることができる。溶媒不溶にする方法としては、(1)前記正孔輸送性高分子化合物として架橋性の正孔輸送性高分子化合物を用いて正孔輸送層を形成し、素子製造の過程で高分子鎖間同士を架橋させる方法、(2)芳香族ビスアジドに代表される芳香環を有する架橋基を持つ低分子化合物を架橋剤として正孔輸送性高分子化合物に混合させて正孔輸送層を形成し、素子製造の過程で低分子化合物を介して、高分子鎖同士を架橋させる方法、(3)アクリレート基に代表される芳香環を有しない架橋基を持つ低分子化合物を架橋剤として正孔輸送性高分子化合物に混合させて正孔輸送層を形成し、素子製造の過程で低分子化合物を介して、高分子鎖同士を架橋させる方法、(4)下層である正孔輸送層を形成後、加熱して上層である発光層形成に用いる有機溶媒に対して不溶化する方法等が挙げられ、前記(1)の方法が好ましい。架橋に際して、正孔輸送層を加熱する場合の加熱の温度は、通常、150〜300℃であり、加熱の時間は、通常、1分〜1時間である。また、架橋以外で正孔輸送層を溶解させずに積層するその他の方法として、隣り合った層を形成するための溶液に異なる極性の溶液を用いる方法があり、例えば、下層である正孔輸送層を極性溶媒に溶解しない高分子化合物を用いて形成し、上層である発光層の形成において発光層用材料と極性溶媒とを含む塗布液を塗布しても正孔輸送層が溶解しないようにする方法等が挙げられる。
電子輸送層に用いられる材料としては、電子輸送性基(オキサジアゾール基、オキサチアジアゾール基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジル基等)を構成単位及び/又は置換基として含む高分子化合物、例えば、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
電子輸送層の形成には、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が用いられる。溶液又は溶融状態からの成膜には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液からの成膜は、前記溶液からの成膜により正孔輸送層を形成する方法と同様である。
電子輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効率を考慮して調整すればよいが、ピンホールが発しない厚さが必要であり、厚過ぎると、素子の駆動電圧が高くなることがある。従って、電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
電子注入層としては、発光層の種類に応じて、Ca層の単層構造からなる電子注入層、又はCaを除いた周期表1A族と2A族の金属であり、かつ、仕事関数が1.5〜3.0eVの金属及びその金属の酸化物、並びに、ハロゲン化物及び炭酸化物からなる群から選ばれる1種又は2種以上で形成された層とCa層との積層構造からなる電子注入層が挙げられる。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期表1A族の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、仕事関数が1.5〜3.0eVの、Caを除いた周期表2A族の金属及びその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
電子注入層の形成には、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等が用いられる。電子注入層の厚さは、1nm〜1μmが好ましい。
陰極の材料としては、仕事関数の小さく発光層への電子注入が容易な材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属;これらの金属のうち2種以上の合金;これらの金属のうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;グラファイト、グラファイト層間化合物等が挙げられる。
前記合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
陰極を2層以上の積層構造とする場合には、前記金属、金属酸化物、金属フッ化物又はこれらの合金を含む層と、アルミニウム、銀、クロム等の金属を含む層とを組み合わせることが好ましい。
陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して選択すればよく、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。陰極作製後、有機エレクトロルミネッセンス素子を保護する保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
保護層としては、高分子量の化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等を用いることができる。保護カバーとしては、金属板、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができる。保護としては、保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が挙げられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子の損傷を防ぐことが容易である。この空間に窒素やアルゴンのような不活性ガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、更に酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより、製造工程で吸着した水分又は硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素子に損傷を与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、1つ以上の方策を採ることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、面状光源、表示装置(セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置)、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。前記有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の有機エレクトロルミネッセンス素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極の一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。更に、前記面状の有機エレクトロルミネッセンス素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、面状の照明用光源等として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明を詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
数平均分子量及び重量平均分子量は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)によりポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。SECのうち移動相が有機溶媒である場合をゲル浸透クロマトグラフィー(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、GPC)と言う。測定試料は、約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、GPC(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)に30μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の流量で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
LC−MSの測定は、下記の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に1μL注入した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン及びそれらの混合溶液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
TLC−MSの測定は、下記の方法で行った。測定試料をクロロホルム、トルエン又はテトラヒドロフランに溶解させて、得られた溶液を予め切断したTLCガラスプレート(メルク製、商品名:Silica gel 60 F254)の表面に少量塗布した。これをTLC−MS(日本電子製、商品名:JMS−T100TD)にて、240〜350℃に加熱したヘリウムガスを用いて測定した。
NMRの測定は、測定試料5〜20mgを約0.5mLの重クロロホルムに溶解させて、NMR(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:MERCURY 300)を用いて行った。
実施例において、化合物の最低励起三重項エネルギーは、計算科学的手法により決定した。
実施例において、化合物のイオン化ポテンシャルの測定は、下記の方法で行った。まず、化合物をトルエンに溶解させて、得られた溶液を石英基板の表面にスピンコート法により塗布することにより、薄膜を形成した。この石英基板上の薄膜を用いて、化合物のイオン化ポテンシャルを理研計器社製の大気中光電子分光装置「AC−2」(商品名)により測定した。
<合成例1>(化合物M−1の合成)
Figure 2012028726
窒素置換(容器内の雰囲気を空気から窒素に置換することを、以下、このように言う。)した反応器に、酢酸パラジウム(II)0.90g、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン2.435g、及びトルエン125mLを入れ、室温で15分間撹拌した。そこに、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン27.4g、(4−メチルフェニル)フェニルアミン22.91g、及び、ナトリウム−tert−ブトキシド19.75gを加え、一晩加熱還流させた後、室温まで冷却し、水300mLを加えて洗浄した。有機層を取り出し溶媒を減圧留去した。その残留物をトルエン100mLに溶解させ、得られた溶液をアルミナカラムに通した。その溶出液を減圧して濃縮し、そこへメタノールを加え、沈殿を生成させた。その沈殿を濾取し、p−キシレンで再結晶させた。この結晶を100mLのトルエン中に再溶解させ、得られた溶液をアルミナカラムに通した。その溶液を50〜100mLに濃縮した後、撹拌されているメタノール250mL中に注いだところ、沈殿が生じた。その沈殿を集め、室温で減圧して18時間乾燥させたところ、白色の2,7−ビス[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル]アミノ−9,9−ジオクチルフルオレン(25.0g)が得られた。
窒素置換した反応器に2,7−ビス[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル]アミノ−9,9−ジオクチルフルオレン12.5gとジクロロメタン95mLを加え、撹拌しながら、反応溶液を−10℃に冷却した。そこへ、ジメチルホルムアミド(DMF)20mLに溶解させたN−ブロモスクシンイミド(NBS)5.91gの溶液をゆっくりと滴下した。3.5時間撹拌した後、冷メタノール450mLと混合させ、生じた沈殿を濾取し、p−キシレンにより再結晶した。得られた結晶をトルエンとメタノールを用いて、再び再結晶し、化合物M−1を白色固体として12.1g得た。
1H−NMR (300MHz、CDCl3):δ0.61−0.71(m、4H)、0.86(t、J=6.8Hz、6H)、0.98−1.32(m、20H)、1.72−1.77(m、4H)、2.32(br、6H)、6.98−7.08(m、16H)、7.29(d、J=8.3Hz、4H)、7.44(br、2H)
<合成例2>(化合物M−2の合成)
Figure 2012028726
窒素置換した500mLの三つ口丸底フラスコに、酢酸パラジウム(II)196mg、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン731mg及びトルエン100mLを取り、室温で撹拌した。反応溶液に、ジフェニルアミン20.0g、3−ブロモビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン23.8g及びトルエン400mL、続いてナトリウム−tert−ブトキシド22.8gを添加し、22時間加熱し還流させた。そこに、1Mの塩酸30mLを添加することによって、反応を止めた。得られた反応混合物を2Mの炭酸ナトリウム水溶液100mLで洗浄し、有機層をアルミナに通し、溶出液を集め、そこから溶媒を減圧留去した。得られた黄色オイル状の残渣にイソプロピルアルコールを加えた後に撹拌し、生成した沈殿を濾取した。この沈殿に対して、イソプロピルアルコールにて再結晶を行い、3−N,N−ジフェニルアミノビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエンを得た。
250mLの丸底フラスコに、3−N,N−ジフェニルアミノビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン(8.00g)と氷酢酸5滴を含有するジメチルホルムアミド100mLを取り撹拌した。そこへ、N−ブロモスクシンイミド(10.5g)を添加し、5時間撹拌した。得られた反応混合物をメタノール/水(体積比1/1)600mLに注ぎ入れ、反応を停止させたところ沈殿が生じた。この沈殿を濾取し、イソプロピルアルコールにて再結晶を行い、化合物M−2を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ3.11−3.15(m、4H)、6.80(br、1H)、6.87−6.92(m、5H)、6.96(d、1H)、7.27−7.33(m、4H)
<合成例3>(化合物M−3の合成)
Figure 2012028726
300ml四つ口フラスコに、1,4−ジヘキシル−2,5-ジブロモベンゼン 8.08g、ビス(ピナコレート)ジボロン 12.19g、及び酢酸カリウム 11.78gを仕込み、フラスコ内のアルゴン置換を行った。そこに、脱水1,4-ジオキサン100mlを仕込み、アルゴンで脱気した。そこに、〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)2Cl2)0.98gを仕込み、更にアルゴンで脱気した。得られた混合液を6時間加熱還流させた。反応溶液に、トルエンを加え、イオン交換水で洗浄した。洗浄した有機層に、無水硫酸ナトリウム、活性炭を加え、セライトをプレコートした漏斗で濾過した。得られた濾液を濃縮し、こげ茶色の結晶11.94gを得た。この結晶をn−ヘキサンで再結晶し、メタノールで結晶を洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥させ、4.23gの化合物M−3の白色針状結晶を得た。収率は42%であった。
1H−NMR (300MHz、CDCl3):δ 0.88(t、6H)、1.23−1.40(m、36H)、1.47−1.56(m、4H)、2.81(t、4H)、7.52(s、2H)
LC−MS(ESI、positive)m/z+=573 [M+K]+
<合成例4>(化合物M−4の合成)
Figure 2012028726
窒素雰囲気下、1,4−ジブロモベンゼン27.1gの脱水ジエチルエーテル217ml溶液をドライアイス/メタノール混合浴を用いて冷却した。得られた懸濁液に2.77Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液37.2mlをゆっくりと滴下した後、1時間攪拌し、リチウム試薬を調製した。
窒素雰囲気下、塩化シアヌル10.0gの脱水ジエチルエーテル68ml懸濁液をドライアイス/メタノール混合浴を用いて冷却し、前記リチウム試薬をゆっくり加えた後に室温まで昇温し、室温で反応させた。得られた生成物を濾過し、減圧乾燥させた。得られた固体16.5gを精製し、2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−クロロ−1,3,5−トリアジンを13.2gの針状結晶として得た。
Figure 2012028726
窒素雰囲気下、マグネシウム1.37gに脱水テトラヒドロフラン65mlを加えた懸濁液に、4−ヘキシルブロモベンゼン14.2gの脱水テトラヒドロフラン 15ml溶液を少量ずつ加え、加熱して、還流下で攪拌した。得られた反応液に、放冷後、マグネシウム0.39gを追加し、再び加熱して、還流下で反応させ、グリニャール試薬を調製した。
窒素雰囲気下、前記針状結晶の2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン 12.0gの脱水テトラヒドロフラン100ml懸濁液に前記グリニャール試薬を撹拌しながら加え、加熱還流させた。得られた反応液を、放冷後、希塩酸水溶液で洗浄した。有機層と水層を分け、水層をジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層を合わせて、再び水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水させ、濾過し、濃縮した。得られた白色固体をシリカゲルカラムで精製し、更に再結晶することによって、白色固体として化合物M−4を6.5g得た。
1H−NMR (300MHz、CDCl3):δ 0.90(t、J=6.2Hz、3H)、1.25−1.42(m、6H)、1.63−1.73(m、2H)、2.71(t、J=7.6Hz、2H)、7.34(d、J=7.9Hz、2H)、7.65(d、J=7.9Hz、4H)、8.53−8.58(m、6H)
<合成例5>(燐光発光性化合物Aの合成)
国際公開2002/066552号パンフレットに記載の合成法に従って燐光発光性化合物Aを合成した。具体的には、窒素雰囲気下、2−ブロモピリジンと、1.2当量の3−ブロモフェニルホウ酸との鈴木カップリング(触媒:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩基:2M炭酸ナトリウム水溶液、溶媒:エタノール、トルエン)により、下記式:
Figure 2012028726
で表される2−(3'−ブロモフェニル)ピリジンを得た。
次に、窒素雰囲気下、トリブロモベンゼンと、2.2当量の4−tertブチルフェニルホウ酸との鈴木カップリング(触媒:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩基:2M炭酸ナトリウム水溶液、溶媒:エタノール、トルエン)により下記式:
Figure 2012028726
で表されるブロモ化合物を得た。
窒素雰囲気下、このブロモ化合物を、無水THFに溶解後、−78℃に冷却し、小過剰のtert−ブチルリチウムを滴下した。冷却下、更に、B(OC493を滴下し、室温にて反応させた。得られた反応液を3M塩酸水で後処理したところ、下記式:
Figure 2012028726
で表されるホウ酸化合物を得た。
2−(3'−ブロモフェニル)ピリジンと、1.2当量の前記ホウ酸化合物との鈴木カップリング(触媒:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩基:2M炭酸ナトリウム水溶液、溶媒:エタノール、トルエン)により、下記式:
Figure 2012028726
で表される配位子(即ち、配位子となる化合物)を得た。
アルゴン雰囲気下、IrCl3・3H2Oと、2.2当量の前記配位子、2−エトキシエタノール、及び、イオン交換水を仕込み、還流させた。析出した固体を吸引濾過した。得られた固体をエタノール、イオン交換水の順番で洗浄後、乾燥させ、下記式:
Figure 2012028726
で表される化合物を黄色粉体として得た。
アルゴン雰囲気下、前記黄色粉体に、2当量の前記配位子と、2当量のトリフルオロメタンスルホン酸銀とを加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル中で加熱することにより、下記式:
Figure 2012028726
で表される燐光発光性化合物Aを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ1.38(s、54H)、6.93(dd、J=6.3Hz and 6.6Hz、3H)、7.04(br、3H)、7.30(d、J=7.9Hz、3H)、7.48(d、J=7.3Hz、12H)、7.61−7.70(m、21H)、7.82(s、6H)、8.01(s、3H)、8.03(d、J=7.9Hz、3H)
LC−MS(APCI、positive):m/z+=1677[M+H]+
燐光発光性化合物Aの最低励起三重項エネルギーは2.60eVであり、イオン化ポテンシャルは5.24eVであった。
<合成例6>(高分子化合物P−1の合成)
不活性雰囲気下、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン5.20g、ビス(4−ブロモフェニル)−(4−sec−ブチルフェニル)−アミン5.42g、酢酸パラジウム2.2mg、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン15.1mg、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336、アルドリッチ製)0.91g及びトルエン70mlを混合し、105℃に加熱した。反応溶液に2M炭酸ナトリウム水溶液19mlを滴下し、4時間還流させた。反応後、フェニルボロン酸121mgを加え、更に3時間還流させた。次いで、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物の水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、反応溶液を、水、3重量%酢酸水溶液、水の順で洗浄し、得られたトルエン溶液を、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。得られたトルエン溶液を大量のメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させ、高分子化合物P−1を得た。高分子化合物P−1のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.2×105であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは2.6×105であった。
高分子化合物P−1は、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位からなる共重合体である。
高分子化合物P−1の最低励起三重項エネルギーは2.76eVであり、イオン化ポテンシャルは5.46eVであった。
<合成例7>(高分子化合物P−2の合成)
不活性ガス置換した反応器に、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン 17.57g(33.13mmol)、ビス(4−ブロモフェニル)−(4−sec−ブチルフェニル)−アミン 12.88g(28.05mmol)、化合物M−2 2.15g(5.01mmol)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336,アルドリッチ製)3g、及び、トルエン 200gを量りとった。反応容器を100℃に加熱し、酢酸パラジウム(II) 7.4mgとトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン70mg、及び、約18重量%の炭酸ナトリウム水溶液64gを加え、3時間以上加熱撹拌を続けた。その後、フェニルボロン酸400mgを添加し、さらに5時間加熱撹拌を続けた。トルエンで反応液を希釈し、3重量%酢酸水溶液、イオン交換水の順で洗浄した後、取り出した有機層へジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物1.5gを加え、4時間撹拌した。得られた溶液を、アルミナとシリカゲルの等量混合物を固定相として用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られたトルエン溶液をメタノール中へ滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物を濾取し、乾燥させ、高分子化合物P−2を得た。高分子化合物P−2のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは8.9×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは4.2×105であった。
高分子化合物P−2は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN1」と言う。)と、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN2」と言う。)と、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN3」と言う。)とが、MN1:MN2:MN3=50:42:8のモル比で含まれる共重合体である。
高分子化合物P−2の最低励起三重項エネルギーは2.75eVであり、イオン化ポテンシャルは5.45eVであった。
<合成例8>(高分子化合物P−3の合成)
合成例7において、ビス(4−ブロモフェニル)−(4−sec−ブチルフェニル)−アミンを化合物M−1に代えたこと、及び、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン:化合物M−1:化合物M−2=50:42:8のモル比で用いたこと以外は、合成例7と同様にして、高分子化合物P−3を得た。
高分子化合物P−3のポリスチレン換算の数平均分子量は6.0×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.0×105であった。
高分子化合物P−3は、仕込み原料から求めた理論値では、繰り返し単位(MN1)と、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN4」と言う。)と、繰り返し単位(MN3)とが、MN1:MN4:MN3=50:42:8のモル比で含まれる共重合体である。
高分子化合物P−3の最低励起三重項エネルギーは2.55eVであり、イオン化ポテンシャルは5.29eVであった。
<合成例9>(高分子化合物P−4の合成)
不活性ガス雰囲気下、化合物M−3(3.13g)、化合物M−4(0.70g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(2.86g)、酢酸パラジウム(II)(2.1mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(13.4mg)、及びトルエン80mLを混合し、100℃に加熱した。反応溶液に20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(21.5ml)を滴下し、5時間還流させた。反応後、フェニルホウ酸(78mg)、酢酸パラジウム(II)(2.1mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(13.3mg)、トルエン6mL、及び20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(21.5ml)を加え、さらに17.5時間還流させた。次いで、そこに、0.2Mのジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液(70ml)を加え、85℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、水、3重量%の酢酸水溶液、水の順で洗浄した。有機層を大量のメタノールに滴下し、得られた沈殿物を濾過後乾燥し固体を得た。この固体をトルエンに溶解し、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。得られたトルエン溶液をメタノール(1500ml)に滴下し、得られた沈殿をろ取し乾燥させ、高分子化合物P−4を3.43g得た。
高分子化合物P−4のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.9×105であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは5.7×105であった。
高分子化合物P−4は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN5」と言う。)と、繰り返し単位(MN1)と、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN6」と言う。)とが、MN5:MN1:MN6=50:40:10のモル比で含まれる共重合体である。
高分子化合物P−4の最低励起三重項エネルギー(T1h)は2.98eVであり、イオン化ポテンシャルは6.10eVであった。
<実施例1>(有機エレクトロルミネッセンス素子1の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Stark社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−3をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜(正孔輸送層、T1t=2.55)を得た。次に、電荷輸送性高分子化合物である高分子化合物P−4、燐光発光性化合物A(T1e=2.60)をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.5重量%(重量比で、高分子化合物P−4/燐光発光性化合物A=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−3の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層1を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層1の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子1を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子1に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は25.9cd/Aであり、そのときの電圧は5.8Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は4.7mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は52.8時間であった。
<比較例1>(有機エレクトロルミネッセンス素子C1の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−4、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.5重量%(重量比で、高分子化合物P−4/燐光発光性化合物A=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層C1を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C1の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子C1を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子C1に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は27.5cd/Aであり、そのときの電圧は6.6Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は1.7mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は27.8時間であった。
<比較例2>(有機エレクトロルミネッセンス素子C2の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−2をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−4、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.5重量%(重量比で、高分子化合物P−4/燐光発光性化合物A=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−2の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層C2を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C2の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子C2を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子C2に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は30.8cd/Aであり、そのときの電圧は6.4Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は2.2mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は39.6時間であった。
<合成例10>(化合物M−5の合成)
Figure 2012028726
窒素ガス雰囲気下、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン(61.17g)、4−n−ブチルブロモベンゼン(100.12g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(63.2g)及びトルエン(3180ml)を混合し、そこへ、ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(7.39g)を加えた後に、加熱還流下で約5時間攪拌した。室温まで冷却した後に、セライトろ過により固体を除去し、飽和食塩水(約1.2L)で洗浄した後に、得られた有機層を減圧濃縮することにより、褐色粘性油状物を得た。これをアセトンを用いて再結晶し、ろ取、アセトン/メタノール混合溶媒で洗浄、減圧乾燥することにより、化合物A1(106.4g)を白色結晶として得た。収率は89%であった。HPLC分析における面積百分率値はおよそ98%であった。
窒素ガス雰囲気下、前記と同様の操作により合成した化合物A1(100.0g)、N,N−ジメチルホルムアミド(500ml)及びヘキサン(1000ml)を混合し、40℃に加熱することにより均一な溶液を得た。これを室温まで冷却した後に、N−ブロモスクシンイミド(72g)をN,N−ジメチルホルムアミド(800ml)に溶解した溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、室温にて1時間攪拌した後に、6重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(200ml)を加えてよく攪拌し、分液により水層を除去した。得られた有機層を減圧濃縮することによりヘキサンを留去したところ、固体が析出したので、この固体をろ取し、6重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(200ml)、水(200ml)で洗浄し、減圧乾燥することにより、白色固体(88g)を得た。収率は69%であった。HPLC分析における面積百分率値はおよそ99.2%であった。この一部(25.0g)を、クロロホルムに溶解し、活性炭を加え攪拌してからろ過した後に、トルエン/ヘキサンから再結晶する操作を3回繰り返すことにより、目的物である化合物M−5(15.7g)を白色固体として得た。HPLC分析における面積百分率値はおよそ99.9%であった。精製後の収率は63%であった。総収率は43%であった。
<合成例11>(化合物M−6の合成)
Figure 2012028726
アルゴンガス雰囲気下、遮光した300ml丸底フラスコ中、1,4−ジイソプロピルベンゼン(24.34g、150mmol)、鉄粉(0.838g、15mmol)、脱水クロロホルム(40ml)、トリフルオロ酢酸(1.71g、15mmol)を混合攪拌し、氷浴にて冷却したところへ、臭素(55.1g、345mmol)の脱水クロロホルム(92ml)希釈溶液を30分間かけて滴下し、氷浴にて冷却したまま、更に5時間攪拌し反応させた。反応終了後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を氷浴にて冷却したところに、前記反応溶液をゆっくりと加え、更に15分間攪拌した。分液により有機層と水層を分離し、水層からクロロホルム(100ml)で抽出し、得られた有機層を合一した後に、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(200ml)を加え、室温にて30分間攪拌した。(この時、有機層の色は薄黄色からほぼ無色透明に変化した。)水層を分液により除去し、得られた有機層を15重量%の食塩水(200ml)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(30g)で乾燥し、溶媒を減圧濃縮により留去することで、薄黄色油状物約47gを得た。エタノール(15g)を加え、振り混ぜて均一にした後に、−10℃の冷凍庫に3時間静置することで、結晶を析出させ、ろ取し、少量のメタノールで洗浄し、室温にて一晩の間減圧乾燥することにより1,4−ジブロモ−2,5−ジイソプロピルベンゼン(30.8g、収率64%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)、 δ=1.24(d、12H)、3.30(m、2H)、7.50(s、2H)
アルゴンガス雰囲気下、1000mlフラスコ中、マグネシウム小片(9.724g、400mmol)に少量の脱水テトラヒドロフランと1,2−ジブロモエタン(0.75g、4mmol)を順次加えた。発熱と発泡により、マグネシウムが活性化されたことを確認した後に、前記と同様の方法で合成された1,4−ジブロモ−2,5−ジイソプロピルベンゼン(32.0g、100mmol)を脱水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解した溶液を約1時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃のオイルバスにより加熱し、還流下で1時間攪拌した。オイルバスを外し、脱水テトラヒドロフラン(200ml)で希釈し、更に氷浴により冷却してから、2-イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(74.4g、400mmol)を加えた。氷浴を外し、80℃のオイルバスで加熱し、還流下で1時間半攪拌した。オイルバスを外し、更に氷浴により冷却してから、飽和塩化アンモニウム水溶液(25ml)を加え、30分間攪拌した。氷浴を外し、ヘキサン(2000ml)を加え、30分間激しく攪拌した。攪拌を停止し、そのまま15分間静置した後に、シリカゲルを敷き詰めたグラスフィルターによりろ過、シリカゲルをヘキサン(1000ml)で洗浄し、合一したろ液を減圧濃縮することにより、粗生成物(59.0g)を得た。更に、同様の操作を上記の8割のスケールで再度行うことにより、粗生成物(44.8g)を得た。
さらに同様の合成を行って、粗組成物を合わせた。この粗生成物合計(103.8g)にメタノール(520ml)を加え、75℃のオイルバスを用いて1時間加熱還流下で攪拌した。オイルバスを外し攪拌しながら室温まで冷却した後に、固体をろ取、メタノール(100ml)で洗浄、減圧乾燥することにより、白色結晶を得た(48.8g、HPLC面積百分率(UV254nm)で93.3%)。乾燥した結晶をイソプロパノール(690ml)に加熱し溶解させた後、静置した状態でゆっくりと室温まで冷却することにより結晶を析出させ、ろ取し、メタノール(50ml)で洗浄し、50℃で一晩の間減圧乾燥させることにより、目的物である化合物M−6を白色結晶として得た(44.6g、HPLC面積百分率(UV254nm)で99.8%、収率60%)。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)、 δ=1.23(d、12H),1.34(s、24H)、3.58(m、2H)、7.61(s、2H)
<合成例12>(化合物M−7の合成)
Figure 2012028726
アルゴンガス雰囲気下、1000mlフラスコ中、マグネシウム小片(19.45g、800mmol)に少量の脱水テトラヒドロフランと1,2−ジブロモエタン(1.50g、8mmol)を順次加えた。発熱と発泡により、マグネシウムが活性化されたことを確認した後に、2,6−ジブロモトルエン(49.99g、200mmol)を脱水テトラヒドロフラン(200ml)に溶解した溶液を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃のオイルバスにより加熱し、還流下で1時間攪拌した。オイルバスを外し、脱水テトラヒドロフラン(400ml)で希釈し、更に氷浴にて冷却してから、2−イソプロピルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(148.85g、800mmol)を加えた。氷浴を外し、80℃のオイルバスで加熱することにより、還流下で1時間半攪拌した。オイルバスを外し、更に氷浴にて冷却してから、飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)を加え、30分間攪拌した。氷浴を外し、ヘキサン(1500ml)を加え、30分間激しく攪拌した。攪拌を停止し、そのまま15分間静置した後に、シリカゲルを敷き詰めたグラスフィルターによりろ過し、ヘキサン(1000ml)でシリカゲルを洗浄し、合一したろ液を減圧濃縮することにより粗生成物(72.0g)を得た。更に、同様の操作を再度行い、粗生成物(75.4g)を得た。
次に、粗生成物の合計にメタノール(740ml)を加え、85℃のオイルバスを用いて1時間加熱還流下で攪拌した。オイルバスを外し、攪拌しながら室温まで冷却した後に、固体をろ取、メタノール(100ml)で洗浄、減圧乾燥させることにより、白色結晶を得た(59.7g)。乾燥させた結晶をイソプロパノール(780ml)に加熱し溶解させた後、静置した状態でゆっくりと室温まで冷却することにより結晶を析出させ、ろ取、メタノール(100ml)で洗浄、50℃で一晩の間減圧乾燥させることにより、目的物である化合物M−7(50.8g、HPLC面積百分率(紫外線波長254nm)で99.8%、収率37%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)δ(ppm)=1.34(s、24H)、2.74(s、3H)、7.14(t、1H)、7.79(d、2H)
<合成例13>(電子輸送性材料ET−Aの合成)
下記の反応スキームに従って、電子輸送性材料ET−Aを合成した。
Figure 2012028726
具体的には、窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸100g(0.653mol)をフラスコに入れ、室温で攪拌した。そこに、4−ブロモベンゾニトリル61.93g(0.327mol)を脱水クロロホルム851mlに溶かした溶液を、滴下して加えた。得られた溶液を95℃まで昇温し、加熱しながら攪拌した後、室温まで冷却し、そこに、希アンモニア水溶液を氷浴下で加えたところ、固体が生じた。この固体を濾別し、水洗後、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧しながら乾燥させ、白色結晶47.8gを得た。
次に、窒素雰囲気下、この白色結晶8.06g(14.65mol)、4−t−ブチルフェニルボロン酸9.15g(49.84mol)、Pd(PPh341.54g(1.32mol)、予め窒素バブリングしたトルエン500ml、及び予め窒素バブリングしたエタノール47.3mlを混合し、攪拌し、加熱して、還流させた。反応溶液に、予め窒素バブリングした2M炭酸ナトリウム水溶液47.3mlを滴下し、更に加熱して、還流させた。反応溶液を、放冷後、分液し、水層を除去し、有機層を、希塩酸、水の順番で洗浄し、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムに通し、得られた濾液にアセトニトリルを加えたところ、結晶が得られた。この結晶を減圧しながら乾燥させることにより、電子輸送性材料ET−Aを8.23gの白色結晶として得た。電子輸送性材料ET−Aの1H−NMR分析の結果を以下に示す。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):δ 1.39(s、27H)、7.52(d、6H)、7.65(d、6H)、7.79(d、6H)、8.82(d、6H).
電子輸送性材料ET−Aの最低励起三重項エネルギーは2.79eVであり、イオン化ポテンシャルは6.13eVであった。
<合成例14>(高分子化合物P−5の合成)
不活性ガスで置換した反応容器に、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(1.62g、2.50mmol)、化合物M−1(2.30g、2.50mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.56mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.53mg)、及びトルエン67mLを加え、撹拌しながら100℃に加熱した。得られた溶液に、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.5mL)を滴下し、7時間還流させた。そこに、フェニルホウ酸(31mg)、酢酸パラジウム(II)(0.56mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.53mg)と20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.5mL)を加え、更に14時間還流させた。次いで、そこに、イオン交換水(28mL)にN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.39g)を溶かした溶液を加え、85℃で4時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層をイオン交換水(33mL)で3回、3重量%酢酸水溶液(33mL)で3回、イオン交換水(33mL)で3回洗浄した。有機層をメタノール(520mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過後に乾燥させ、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、あらかじめトルエンを通液したシリカゲル/アルミナカラムに通液することで精製した。得られた溶出液をメタノール(600mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過後に乾燥させ、高分子化合物P−5を2.48g得た。高分子化合物P−5のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは2.3×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.1×105であった。
高分子化合物P−5は、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位からなる共重合体である。
高分子化合物P−5の最低励起三重項エネルギーは2.55eVであり、イオン化ポテンシャルは5.28eVであった。
<合成例15>(高分子化合物P−6の合成)
不活性ガスで置換した反応容器に、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン (2.65g、4.12mmol)、化合物M−5(2.40g、3.52mmol)、化合物M−2(0.267g、0.622mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.9mg)、及びトルエン(81mL)を加え、撹拌しながら100℃に加熱した。得られた溶液に、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(14mL)を滴下し、4時間還流させた。そこに、フェニルホウ酸(51mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.9mg)と20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(14mL)を加え、更に19時間還流させた。次いで、そこに、イオン交換水(46mL)にN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.29g)を溶かした溶液を加え、85℃で6時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層をイオン交換水(72mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(72mL)で2回、イオン交換水(72mL)で2回洗浄した。有機層をメタノール(660mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過後に乾燥させ、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、あらかじめトルエンを通液したシリカゲル/アルミナカラムに通液することで精製した。得られた溶出液をメタノール(1400mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過後に乾燥させ、高分子化合物P−6を2.82g得た。高分子化合物P−6のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは3.0×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは2.0×105であった。
高分子化合物P−6は、仕込み原料から求めた理論値では、繰り返し単位(MN1)と、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN7」と言う。)と、繰り返し単位(MN3)とが、MN1:MN7:MN3=50:43:8のモル比で含まれる共重合体である。
高分子化合物P−6の最低励起三重項エネルギーは2.70eVであり、イオン化ポテンシャルは5.29eVであった。
<合成例16>(高分子化合物P−7の合成)
不活性ガスで置換した反応容器に、化合物M−6(1.29g、3.11mmol)、化合物M−7(0.261g、0.759mmol)、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(2.01g、3.66mmol)、ビス(4−ブロモフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)アミン(0.104g、0.226mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.85mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(5.3mg)、及びトルエン(38ml)を加え、撹拌しながら100℃に加熱した。得られた溶液に、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(13ml)を滴下し、約21時間還流させた。そこに、フェニルホウ酸(47mg)、酢酸パラジウム(II)(0.85mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(5.4mg)とトルエン(6mL)を加え、更に15時間還流させた。次いで、そこに、イオン交換水(46mL)にN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.10g)を溶かした溶液を加え、85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層をイオン交換水(50mL)で3回、3重量%酢酸水溶液(50mL)で3回、イオン交換水(50mL)で3回洗浄した。有機層をメタノール(600mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過後に乾燥させ、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、あらかじめトルエンを通液したシリカゲル/アルミナカラムに通液することで精製した。得られた溶出液をメタノール(700mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過後に乾燥させ、高分子化合物P−7を1.73g得た。高分子化合物P−7のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは5.1×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.2×105であった。
高分子化合物P−7は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN8」と言う。)と、下記式:
Figure 2012028726
で表される繰り返し単位(以下、「MN9」と言う。)と、繰り返し単位(MN1)と、繰り返し単位(MN2)とが、MN8:MN9:MN1:MN2=40:10:47:3のモル比で含まれる共重合体である。
高分子化合物P−7の最低励起三重項エネルギーは3.08Vであり、イオン化ポテンシャルは5.83eVであった。
<実施例2>(有機エレクトロルミネッセンス素子2の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(CLEVIOS P)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−5をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−4、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.5重量%(重量比で、高分子化合物P−4/燐光発光性化合物A=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−5の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層2を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層2の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子2を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子2に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は24.3cd/Aであり、そのときの電圧は5.9Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は4.3mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は54.0時間であった。
<実施例3>(有機エレクトロルミネッセンス素子3の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(CLEVIOS P)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−5をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−7、電子輸送材料ET−A、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に2.1重量%(重量比で、高分子化合物P−7/電子輸送材料ET−A/燐光発光性化合物A=42/28/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−5の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層3を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層3の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子3を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子3に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は27.3cd/Aであり、そのときの電圧は5.9Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は4.0mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は150.0時間であった。
<実施例4>(有機エレクトロルミネッセンス素子4の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(CLEVIOS P)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−3をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−7、電子輸送材料ET−A、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に2.1重量%(重量比で、高分子化合物P−7/電子輸送材料ET−A/燐光発光性化合物A=42/28/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−3の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層4を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層4の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子4を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子4に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は32.5cd/Aであり、そのときの電圧は5.7Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は4.0mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は177.0時間であった。
<実施例5>(有機エレクトロルミネッセンス素子5の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(CLEVIOS P)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−6をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−7、電子輸送材料ET−A、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に2.1重量%(重量比で、高分子化合物P−7/電子輸送材料ET−A/燐光発光性化合物A=42/28/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−6の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層5を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層5の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子5を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子5に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は22.0cd/Aであり、そのときの電圧は6.2Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は3.9mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は147.0時間であった。
<比較例3>(有機エレクトロルミネッセンス素子C3の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−7、電子輸送材料ET−A、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に2.1重量%(重量比で、高分子化合物P−7/電子輸送材料ET−A/燐光発光性化合物A=42/28/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層C3を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C3の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子C3を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子C3に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は34.5cd/Aであり、そのときの電圧は5.9Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は3.3mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は48.7時間であった。
<比較例4>(有機エレクトロルミネッセンス素子C4の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物P−2をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−7、電子輸送材料ET−A、燐光発光性化合物Aをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に2.1重量%(重量比で、高分子化合物P−7/電子輸送材料ET−A/燐光発光性化合物A=42/28/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物P−2の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約80nmの厚みとなるように発光層C4を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10-4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C4の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約60nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機エレクトロルミネッセンス素子C4を作製した。
有機エレクトロルミネッセンス素子C4に電圧を印加したところ、緑色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が1000cd/m2での発光効率は30.9cd/Aであり、そのときの電圧は6.1Vであった。電圧6.0Vにおける電流密度は2.9mA/cm2であった。初期輝度4000cd/m2での輝度半減寿命は108.0時間であった。
Figure 2012028726
Figure 2012028726

Claims (12)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    該陽極及び該陰極の間に設けられ、燐光発光性化合物を含む第一の発光層用材料、及び、電荷輸送性高分子化合物を含む第二の発光層用材料を含む発光層と、
    該陽極及び該発光層の間に、該発光層に隣接して設けられ、正孔輸送性高分子化合物を用いてなる正孔輸送層と
    を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    該第一の発光層用材料の最低励起三重項エネルギーT1e(eV)と、該第二の発光層用材料の最低励起三重項エネルギーT1h(eV)と、該正孔輸送性高分子化合物の最低励起三重項エネルギーT1t(eV)とが、下記式(A)及び(B):
    T1e≦T1h (A)
    T1t−T1e≦0.10 (B)
    を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. さらに、T1t及びT1eが、下記式(B’):
    T1t−T1e≧−0.30 (B’)
    を満たす請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第一の発光層用材料のイオン化ポテンシャル及び前記第二の発光層用材料のイオン化ポテンシャルの最小値IPeh(eV)と、前記正孔輸送性高分子化合物のイオン化ポテンシャルIPt(eV)とが、下記式(C):
    IPeh−IPt≧−0.20 (C)
    を満たす請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記正孔輸送性高分子化合物が、下記式(4):
    Figure 2012028726
    [式(4)中、Ar1は、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、又は、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が直接結合した2価の基を表す。Ar1で表される基は、置換基として、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を有していてもよい。]
    で表される構成単位、及び、下記式(5):
    Figure 2012028726
    [式(5)中、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、又は、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が直接結合した2価の基を表す。Ar6、Ar7及びAr8は、それぞれ独立に、アリール基又は1価の芳香族複素環基を表す。p及びqは、それぞれ独立に、0又は1である。Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7及びAr8で表される基は、置換基として、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を有していてもよい。また、Ar5、Ar6、Ar7及びAr8で表される基は、それぞれ、該基が結合する窒素原子と結合しているAr2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8で示される基と、直接結合し、又は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−N(RA)−、−C(=O)−N(RA)−若しくは−C(RA2−を介して結合して、5〜7員環を形成していてもよい。RAは、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す。]
    で表される構成単位を含む高分子化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記正孔輸送性高分子化合物が、架橋性の正孔輸送性高分子化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記電荷輸送性高分子化合物が、下記式(4):
    Figure 2012028726
    [式(4)中、Ar1は、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、又は、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が直接結合した2価の基を表す。Ar1で表される基は、置換基として、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を有していてもよい。]
    で表される構成単位、及び、下記式(5):
    Figure 2012028726
    [式(5)中、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、又は、該アリーレン基及び該2価の芳香族複素環基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる2個以上の基が直接結合した2価の基を表す。Ar6、Ar7及びAr8は、それぞれ独立に、アリール基又は1価の芳香族複素環基を表す。p及びqは、それぞれ独立に、0又は1である。Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7及びAr8で表される基は、置換基として、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を有していてもよい。また、Ar5、Ar6、Ar7及びAr8で表される基は、それぞれ、該基が結合する窒素原子と結合しているAr2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8で示される基と、直接結合し、又は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−N(RA)−、−C(=O)−N(RA)−若しくは−C(RA2−を介して結合して、5〜7員環を形成していてもよい。RAは、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す。]
    で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位を含む高分子化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記式(4)で表される構成単位として、下記式(6)で表される構成単位、及び/又は、下記式(7)で表される構成単位を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2012028726
    [式(6)中、R1は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又はアラルキル基を表す。R2は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を表す。rは0〜3の整数である。2個あるR1は、同一であっても異なっていてもよく、2個のR1が結合して環を形成していてもよい。R2が複数ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。2個あるrは同一であっても異なっていてもよい。]
    Figure 2012028726
    [式(7)中、R3は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表す。R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子又はシアノ基を表す。2個あるR3は同一であっても異なっていてもよい。2個あるR4は同一であっても異なっていてもよい。]
  8. 前記式(4)で表される構成単位が、前記式(6)で表される構成単位である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記式(4)で表される構成単位が、前記式(7)で表される構成単位である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記式(5)中において、p及びqの少なくとも一方が1である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記燐光発光性化合物がイリジウム錯体である請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記陽極と前記正孔輸送層との間に正孔注入層を有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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