JP2012025637A - 導体形成用無鉛ガラス組成物 - Google Patents

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亮 山口
Takuya Takayama
卓也 高山
Hitomi Kutani
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Abstract

【課題】導体形成用としてより優れた特性を発揮できるZnO−B系結晶化ガラス組成物を提供する。
【解決手段】モル%で1)SiO:7〜17%、2)B:30〜40%、3)ZnO:40〜50%ならびに4)LiO、NaO及びKO少なくとも1種:6〜13%を含むことを特徴とする導体形成用無鉛ガラス組成物に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、導体を形成するための導電ペーストに配合される無鉛ガラス組成物に関する。より具体的には、導電体粒子と混合して導体ペースト等を調製するための導体製造用の無鉛ガラス組成物に関する。
電子部品の積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗、積層インダクタ、LTCC(低温焼成多層基板)等の外部電極に代表される導電材料としてAg、Cu、Pd等の金属粉末が用いられている。これらの金属粉末にガラス粉末と樹脂及び溶剤からなるビヒクルとを混合して導体ペーストを調製し、これを用いてパターンを描いた上で焼成することにより、導体膜が形成される。この場合、ガラス粉末は焼結助剤としての役割を果たす。すなわち、加熱時に粘度が低下し、金属粉末間を濡れ広がることが必要とされている。
例えば、積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等の誘電体層と内部電極層を交互に複数層重ねあわせ、その両端面に外部電極が形成されている。これらを焼成することによって、内部電極と外部電極が電気的に接続される。ここで、外部電極の導電材料としてAg、Cu、Pd等の金属粉末が用いられるため、焼成温度は700〜900℃の範囲内に設定されるのが一般的である。
一方、導電ペースト焼成時にガラス粉末が金属粉末間を濡れ広がることが必要であるが、ガラス粉末の種類によっては、ガラスの流動性が大きくなり、金属粉末への過剰な焼結によって導体膜表面へのガラスの染み出しが起こる場合がある。これを抑制する手法として、例えばSiO−B−ZnO−Al−アルカリ土類金属酸化物系の結晶化ガラスを用いる手法が提案されている(特許文献1)。
特許文献2においても、結晶化ガラスを用いることにより、ガラスの過度な流動を抑制し、ガラス溜りの発生を抑制でき、また接着強度の優れた導体ペーストが得られることが開示されている。
また、導体膜の密着力が焼成雰囲気により大きく影響され、不活性雰囲気中では密着力が弱まることがある。これに対し、焼成雰囲気に影響されずに密着力を得る方法として、ホウケイ酸亜鉛系ガラスとホウケイ酸系ガラスを併用する手法がある(特許文献3)。
特開2004−39355 特許第4300786号 特許第4456612号
このように、導電ペーストに配合するガラス粉末として、これまでに様々な改良がなされているが、これらの従来技術であってもさらなる改善の余地が残されている。
例えば、特許文献1では、結晶化ガラスを用いることでガラスの流動性を低下させ、ガラスの染み出しを抑制できるとされている。ところが、特許文献1で示されるSiO−B−ZnO系ガラスの軟化点は600℃以上、結晶化温度は800℃前後であり、例えば700〜800℃で焼成される場合には結晶化が始まる前の温度領域であるため、十分にガラスの染み出しを抑制できない可能性がある。
特許文献2では、ホウ酸亜鉛系ガラスが用いられており、非酸化雰囲気中においてMnの価数変化による酸素放出が、ペースト中のビヒクル残渣のカーボンを飛散させることができる効果を持つものとして、MnOを必須成分として2〜15重量%含有させている。しかし、上記の所定含有量のMnOを含むことから、ガラス溶融時の炉材、特に貴金属ルツボへの侵食性、反応性が高くなり、炉材の消耗が激しくなるという問題がある。また、結晶化ガラスを用いることにより接着強度の優れた導体ペーストが得られるとされているが、開示された組成範囲では、軟化点600℃以上、結晶化温度800℃以上に達する実施例が示されており、例えば700〜800℃で焼成される場合には結晶化が始まる前の温度領域であるため、十分な接着強度を得ることができないおそれがある。
特許文献3には、焼成膜の密着力を高めるためにホウケイ酸亜鉛系ガラスとホウケイ酸系ガラスを混合する手法が記載されている。ところが、ホウケイ酸系ガラスは軟化点600℃以上となるものもあり、それらが例えば700℃で焼成される場合、十分なフロー性が得られない。
従って、本発明の主な目的は、これら従来技術の問題を解消し、導体形成用としてより優れた特性を発揮できるZnO−B系結晶化ガラス組成物を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定のガラス組成を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の導体形成用無鉛ガラス組成物に係る。
1. モル%で1)SiO:7〜17%、2)B:30〜40%、3)ZnO:40〜50%ならびに4)LiO、NaO及びKO少なくとも1種:6〜13%を含むことを特徴とする導体形成用無鉛ガラス組成物。
2. モル比B/ZnOが0.9以下である、前記項1に記載の導体形成用無鉛ガラス組成物。
3. 900℃以下で結晶化による発熱ピークが存在する、前記項1又は2に記載の導体形成用無鉛ガラス組成物。
4. 結晶化によって生成する結晶相がZinc Borate(Zn(BO)とWillemite(ZnSiO)である、前記項1〜3のいずれかに記載の導体添加用無鉛ガラス組成物。
5. 軟化点が600℃以下である、前記項1〜4のいずれかに記載の導体形成用無鉛ガラス組成物。
6. 前記項1〜5のいずれかに記載の導体形成用無鉛ガラス組成物及び導電性粒子を含む導体形成用組成物。
7. 溶剤及びバインダーの少なくとも1種をさらに含む、前記項6に記載の導体形成用組成物。
8. 電子部品の電極又は配線を形成するために用いる、前記項6又は7に記載の導体形成用組成物。
本発明のガラス組成物によれば、導体(導電体)形成用としてより優れた特性を発揮することができる。より具体的には、導電性粒子とともに用いることによって、これを導体形成用として使用する場合には、形成された導体に結晶化ガラスを形成することが可能となる。すなわち、フロー性を抑え、ガラスの流動化を低下させ、金属粉末への過剰な焼結を防ぐことによって、ガラスの染み出しを抑制ないしは防止することができる。さらに、焼成雰囲気に影響されることなく、密着力の強い導体膜を形成することができる。
このような特徴を有する本発明のガラス組成物は、導電性粒子とともに導体形成用組成物として用いることができる。この導体形成用組成物は、電子部品の電極又は配線を形成するために好適に用いることができる。より具体的には、例えば電子部品の積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗、積層インダクタ、LTCC(低温焼成多層基板)等の外部電極をはじめとする各種の導体(電気的導体)を形成するための材料として好適に用いることができる。
1.ガラス組成物
本発明の導体形成用ガラス組成物(本発明ガラス組成物)は、モル%で1)SiO:7〜17%、2)B:30〜40%、3)ZnO:40〜50%ならびに4)LiO、NaO及びKO少なくとも1種:6〜13%を含むことを特徴とする。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。本実施形態におけるガラス組成物は1)SiO、2)B、3)ZnOのほか、4)LiO、NaO、KOのうち少なくとも1つが含有されている。また、必要に応じてAl、CuO等の金属酸化物を含んでも良い。
SiO
SiOはガラスの安定化に必要な必須成分であり、失透を防ぎ、耐湿性を向上させるのに有効であるとともに、焼成においてWillemite(ZnSiO)系の結晶を生成させるのに有効な必須成分である。このような見地より、SiOの含有量は、モル%で7%以上17%以下とし、好ましくは9%以上15%以下とする。SiO含有量が7%未満の場合は失透しやすくなる。一方、上記含有量が17%を超える場合は結晶化開始温度が700℃未満とならない。

も同じくガラスの安定化に必要な必須成分であり、低融化に有効な成分であるとともに、焼成においてZinc
Borate(Zn(BO)系の結晶を生成させるのに有効な必須成分である。このような見地により、Bの含有量は、モル%で30%以上40%以下とし、好ましくは34%以上40%以下とする。Bの含有量が40%を超える場合は、結晶化傾向が強くなり、軟化点と結晶化開始温度の差が小さくなりすぎ、十分なフロー性を得ることができない。また、Bの含有量が30%未満の場合も、ガラスの安定性が下がるため、軟化点と結晶化開始温度の差が小さくなりすぎ、十分なフロー性を得ることができない。
ZnO
ZnOはZn(BO系とZnSiO系の結晶相の生成を効果的に促進させる働きがある。このため、ZnOの含有量は、モル%で40%以上50%以下とし、好ましくは42%以上48%以下とする。ZnOの含有量が50%を超える場合は結晶化が強くなりすぎる。また、ZnO含有量が40%未満であれば結晶性が弱まる。
Li O、Na O及びK
LiO、NaO及びKOは、ガラスの低融化に有効な成分である。その含有量(合計量)は、モル%で6%以上13%以下とし、好ましくは7%以上11%以下とする。LiO、NaO及びKOの1種以上の含有量が6%未満の場合は、無鉛ガラス組成物の軟化点が高くなり、600℃以下とならない。一方、上記含有量が13%を超える場合には、結晶化が強くなりすぎる。LiO、NaO及びKOのうち、LiO、NaOはイオンの易動性が大きく、導体性能を劣化させるおそれがあるが、KOはイオンの易動性が比較的小さい。このため、特にKOを含有させることが好ましい。すなわち、本発明組成物では、1)KO単独又は2)LiO及びNaOの少なくとも1種とKOとを含むことが好ましい。
Al
Alは任意成分であり、少量の添加でガラスの失透を防ぐ働きがある。しかし、多量に添加すると軟化点が高くなってしまうため、Alの含有量は、モル%で5%以下とし、好ましくは1%以下とする。上記含有量が5%を超える場合は軟化点が高くなり、600℃以下とならない。なお、Alの添加を必要とする場合の下限値は限定的ではないが、通常はモル%で0.3%程度とすれば良い。
CuO
CuOは任意成分であり、少量の添加でガラスと金属の濡れ性を向上させる効果がある。しかし、多量に添加すると、失透しやすくなるため、CuOの含有量は、モル%で3%以下とし、好ましくは1%以下とする。上記含有量が3%を超える場合は失透する。なお、CuOの添加を必要とする場合の下限値は限定的ではないが、通常はモル%で0.1%程度とすれば良い。
その他の成分
本発明ガラス組成物では、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分が含まれていても良い。例えば、MgO、CaO、SrO、BaO、ZrO、TiO及びPの少なくとも1種を合計含有量としてガラス成分中にモル%で5%以下で含有させることができる。これらを含有させることにより結晶化のバランスを調整できる等の効果がある。なお、前記合計含有量がモル%で5%を超える場合は、焼成時に結晶化のバランスが崩れやすくなる。
また、本発明では、Fe、SnO、Sb、CeO、NiO、Cr、TeO、MnO、CoO及びSeOの少なくとも1種を合計含有量としてガラス成分中にモル%で3%以下で含有させることができ、より好ましくは重量%で2%未満(例えば1.9%以下)含有させることができる。これらを含有させることにより金属粒子との濡れ性が向上する等の効果が得られる。なお、前記合計含有量がモル%で3%を超える合計含有量とするとガラス溶融時に炉材、特に貴金属ルツボへの侵食性、反応性が高くなり、炉材の消耗が激しくなるため、量産性に問題が生じ易くなる。
各成分の割合
本発明ガラス組成物では各成分の割合(比率)は特に制限されないが、特にモル比B/ZnOは0.9以下とし、好ましくは0.6以上0.85以下とする。かかる範囲内に設定することによって、ガラスをより安定化させ、より結晶化しやすくすることができる。
本発明ガラス組成物のより好ましい実施形態
本発明ガラス組成物は、上記の各成分を上記割合で配合したものを好適に用いることができる。より具体的な組成としては、例えば、モル%で1)SiO:10〜13%、2)B:35〜38%、3)ZnO:44〜47%、4)KO:6〜9%、5)CuO:0.1〜0.5%を含む組成が挙げられる。
無鉛ガラス組成物の物性
本発明ガラス組成物の軟化点は600℃以下であることが望ましい。軟化点を600℃以下に制御することにより、焼成時に十分な流動性を得られる等の効果がある。
本発明ガラス組成物は、900℃以下の温度範囲内で結晶化による発熱ピーク(結晶化ピーク)が存在することが望ましい。この場合の結晶相としては特に限定的ではないが、特にZinc Borate(Zn(BO)とWillemite(ZnSiO)であることが好ましい。特に、本発明では、上記の両方の結晶相がともに析出することが好ましい。
上記の結晶化ピークの開始温度(Tx)と軟化点(Ts)の差(Tx−Ts)は限定的ではないが、特に100℃以上であることが望ましい。Tx−Tsが100℃未満であれば、ガラスが十分にフローしないまま結晶化してしまい、金属粉末間をガラスが十分濡れ広がらず、十分な接着強度が得られないことがある。本発明では、900℃以下の温度範囲内で結晶化ピークが存在し、なおかつ、Tx−Tsを100℃以上とすることによって、焼成時にガラスが金属粉末間を濡れ広がり、しかも結晶化することにより、金属粒子間の結合をより強くすることができる。また、結晶化開始温度は限定されないが、特に700℃未満(例えば699℃以下)であることが好ましい。
さらに、結晶融解温度については、より高温であることが好ましく、特に850℃以上であることが好ましい。850℃未満であれば、例えば900℃焼成の場合に結晶が融解するおそれがある。
ガラス転移点(Tg)については限定的ではないが、特に480℃以上とすることが望ましい。480℃未満である場合は、導体ペースト中の樹脂成分が脱脂不足となり、焼成後に残存し導体膜が変色する場合がある。
本発明ガラス組成物の形態は限定的ではないが、通常は粉末状(粉末状ガラス組成物)であることが好ましい。この場合の粒度は、ガラス組成物の用途、使用方法等に応じて適宜設定することができる。例えば、導体形成用(導体製造用)に用いる場合は、粒度D50が0.3〜3.0μmかつ、Dmaxが15μm以下とすることが好ましい。D50が0.3μm未満は、工業的に粉砕法により製造できる限界を超える。D50が3.0μm以上になると、Dmaxが15μmを超え、導体膜に突起が生じる等の不具合が出てしまうおそれがある。
本発明の無鉛ガラス組成物(特に粉末状ガラス組成物)は、従来のガラス組成物と同様の用途に使用することができる。例えば、導体形成用(導体製造用)、焼結助剤等が挙げられる。特に、導体形成用(電気的導体形成用)として好適に用いることができる。具体的には、前記の粉末状ガラス組成物及び導電性粒子(導電性粉末)を含む導体形成用組成物として好適に用いることができる。
2.無鉛ガラス組成物の製造方法
本発明ガラス組成物の製造方法としては、特に限定されない。まず、原料としては、本発明ガラス組成物のガラス成分の供給源となる化合物(原料化合物)を出発原料として使用すれば良い。例えば、AlのためにAl(OH)、Al等を用いることができる。他の成分についても、SiO、ZnO等のように、各種酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の通常用いられる出発原料を採用することができる。そして、これらを所定の割合で含有する混合物を出発原料として用い、これらを溶融することにより本発明ガラス組成物を得ることができる。
より具体的には、本発明ガラス組成物の製造方法としては、1)原料化合物を混合することにより混合物を得る第1工程及び2)得られた混合物を溶融することにより溶融物を得る第2工程を含む製造方法によって、本発明ガラス組成物を好適に得ることができる。
第1工程では、原料化合物を混合することにより混合物を得る。この場合、本発明ガラス組成物の組成・比率となるように各原料化合物を秤量し、混合することにより混合物を調製すれば良い。各成分の原料の混合順序等は特に制限されず、同時に配合しても良いし、所定の化合物から順番に配合しても良い。また、原料化合物は、通常は粉末形態で供給すれば良い。各成分を含む原料化合物を公知の方法で粉砕、混合等を実施することにより混合物(出発原料)を得ることができる。
第2工程では、混合物を溶融することにより溶融物を得る。溶融に際しては、原料組成等に応じてガラス溶融温度を設定すれば良いが、通常は1050〜1350℃程度(特に1100〜1300℃)で実施すれば良い。得られた溶融物は、必要に応じて、溶融物からそのまま粉末を製造する工程に供しても良い。例えば、溶融物を冷却した後、必要に応じて粉砕、分級等の処理をすることにより粉末を得ることもできる。このようにして、本発明のガラス組成物は、粉末状として好適に提供することができる。
粉末状とする場合の平均粒径(D50)は限定的ではないが、通常は50μm以下の範囲内において使用形態、用途等に応じて適宜調整することができる。その際に、微細粉末を、水や有機溶剤を用いた湿式粉砕で調整することができる。また、水や有機溶剤を用いない乾式の気流分級で調整することもできる。
3.導体形成用組成物
本発明は、本発明ガラス組成物及び導電性粒子を含む導体形成用組成物を包含する。この場合、本発明ガラス組成物としては、特に前記の粉末状ガラス組成物を好適に用いることができる。
導電性粒子は、特に限定されず、例えば金属等を用いることができる。金属としては、例えば銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、鉄等のほか、これらを含む合金又は金属間化合物を用いることができる。これらは、用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗、積層インダクタ、LTCC(低温焼成多層基板)等の外部電極等の導体を形成する場合は、例えば銅、銀又はパラジウム等の少なくとも1種を好適に用いることができる。
導電性粒子(導電性粉末)の平均粒径は、形成する導体の形状等に応じて変更することができるが、通常は0.1〜10μm程度とすれば良い。また、導電性粒子の形状も限定されず、例えば球状、フレーク状等のいずれの形状であっても良い。
本発明の導体形成用組成物の固形分中における導電性粒子(粉末)の含有量は、所望の導電性、用途等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は70〜99重量%程度とすれば良い。
また、導電性粒子と粉末状ガラス組成物との比率は、所望の導電性等に応じて適宜設定することができるが、通常は導電性粒子100重量部に対して前記粉末状ガラス組成物1〜30重量部、特に1〜10重量部とすることが好ましい。
本発明の導体形成用組成物は、粉末状であっても良いが、特にペースト状(導体ペースト)の形態で好適に用いることができる。すなわち、1)溶剤及びバインダーの少なくとも1種、2)本発明の粉末状ガラス組成物及び3)導電性粒子(粉末)を含むペーストとして好適に用いることができる。例えば、前記ペーストとして、エチルセルロースを用いた導体ペースト(導電性ペースト)を好適に調製することができる。この場合、ターピネオール等の溶剤にエチルセルロースを溶解させた溶液からなるヒビクル中、あるいは必要に応じて前記溶液にその他の添加物を含んでなるビヒクル中に本発明の粉末状ガラス組成物及び導電性粒子(粉末)を均一分散させれば良い。導体形成用組成物をペースト状で用いる場合、その固形分含有量は通常60〜90重量%程度とすれば良い。また、本発明の導体形成用組成物は、感光性ガラスペースト等にも適用できる。
このように、本発明の導体形成用組成物は、導電性ペーストとして用いることもできることから、各種の導体(特に電極及び配線の少なくとも1種)の形成に適している。例えば、積層セラミックコンデンサの導体の形成に好適に用いることができる。
導体ペーストを用いて導体(電気的導体)を形成する方法としては、例えば導体ペーストにより塗膜を形成する工程及び前記塗膜を焼成する工程を含む方法により実施することができる。塗膜を形成する方法自体は公知の方法に従えば良く、例えばスクリーン印刷等の各種印刷方法のほか、塗布、スプレー等の方法により実施することができる。塗膜を形成した後、焼成前においては、必要に応じて乾燥しても良い。焼成する際の焼成温度は、例えば積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗、積層インダクタ、LTCC(低温焼成多層基板)等の外部電極を形成するために本発明導体形成用組成物を用いる場合、一般的には700〜900℃とすれば良い。また、焼成雰囲気は、導電性粒子の種類等に応じて、例えば大気中、不活性ガス雰囲気、還元性雰囲気等の中から適宜選択すれば良い。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1〜8及び比較例1〜9
表1〜表2に示す組成となるよう各成分を調合し、混合した後、約1100〜1300℃の温度で1〜2時間溶融した。溶融物をステンレス鋼製の冷却ロールにて急冷し、ガラスフレーク(試料)をそれぞれ作製した。
試験例1
各実施例及び比較例で得られた試料について、(株)リガク社製DTA(型名「TG−8120」)を用いて、試料を大気雰囲気下において20℃/分の昇温速度で示差熱分析を行い、接線法により、ガラス転移点(Tg)、軟化点(Ts)、結晶化開始温度(Tx)、結晶化ピーク温度、結晶融解温度を調べた。また、ピークが確認できたものについては、粉末X線回折分析を行い、ピークが結晶化によるものであることを確認した。なお、試料は、ガラスフレークを乳鉢でできるだけ細かくすり潰し、約30mgで測定した。測定範囲は室温から1000℃までとした。その結果を表1〜表2に示す。
試験例2
各実施例及び比較例で得られた試料を用いてガラス微粉末を製造し、それを含む導電性ペーストを調製した。得られた導電性ペーストについて、接着強度を調べた。
まず、ガラス微粉末は、耐湿性の悪いものも比較評価できるように乾式で作製した。すなわち、ボールミルで平均粒径5〜10μmとなるまで粉砕し、気流式分級機で平均粒径が2.5μm、トップサイズ(最大粒径)が15μm以下になるように篩い分けした。次いで、得られたガラス微粉末を用いて導電性ペーストを調製した。導電性ペーストは、銅粒子(平均粒径=1μm程度)100重量部に対してガラス微粉末3重量部を添加した。これにビヒクルを添加し、三本ロールで混練することにより固形分約85質量%のCuペーストを調製した。前記ビヒクルとしては、ターピネオールにエチルセルロースを15質量%溶解させたものを使用した。
得られた導電性ペーストを用いて、セラミック基板上にスクリーン印刷により印刷し、150℃で乾燥させた後、窒素雰囲気中700℃で焼成して電極膜(導体)を形成した。得られた電極膜について、その接着強度を測定した。接着強度の測定は、電極膜の上からセロハンテープを押し付けた後、セロハンテープを引き剥がした後でも、導体がセラミック基板上に剥れずに密着できているかで評価した。セロハンテープによる剥がしテストにおいて、導体が剥れなかったものを「○」、わずかに剥れが見られたものを「△」、明らかに剥れが見られたものを「×」と評価した。その結果を表1〜表2に示す。
表1〜表2の結果からも明らかなように、比較例1〜9においては、Tx−Ts<100℃の場合、十分にフローしないまま結晶化するために十分な導体の密着性が得られない。また結晶化による発熱ピーク(結晶化ピーク)が存在しない、あるいは結晶化開始温度が700℃以上の場合でも、十分な導体の密着性が得られない等の問題があることから、導体形成用ガラスとしては適用し得ないことがわかる。これに対し、実施例1〜8は、いずれの物性の点からみても、導体形成用ガラス組成物(導体製造用ガラス組成物ないしは導体ペースト製造用)として好適に使用できることがわかる。すなわち、本発明のガラス組成物及び導電性粒子を含むペーストは、導体形成用組成物として好適に使用できることがわかる。

Claims (8)

  1. モル%で1)SiO:7〜17%、2)B:30〜40%、3)ZnO:40〜50%ならびに4)LiO、NaO及びKO少なくとも1種:6〜13%を含むことを特徴とする導体形成用無鉛ガラス組成物。
  2. モル比B/ZnOが0.9以下である、請求項1に記載の導体形成用無鉛ガラス組成物。
  3. 900℃以下で結晶化による発熱ピークが存在する、請求項1又は2に記載の導体形成用無鉛ガラス組成物。
  4. 結晶化によって生成する結晶相がZinc Borate(Zn(BO)とWillemite(ZnSiO)である、請求項1〜3のいずれかに記載の導体添加用無鉛ガラス組成物。
  5. 軟化点が600℃以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の導体形成用無鉛ガラス組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導体形成用無鉛ガラス組成物及び導電性粒子を含む導体形成用組成物。
  7. 溶剤及びバインダーの少なくとも1種をさらに含む、請求項6に記載の導体形成用組成物。
  8. 電子部品の電極又は配線を形成するために用いる、請求項6又は7に記載の導体形成用組成物。
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JP2018048057A (ja) * 2016-09-16 2018-03-29 日本電気硝子株式会社 立体造形用ガラス粉末

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