JP2012025231A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤作動を防止して作動信頼性を確保しながらも、コストを低減できる車両用乗員保護装置を提供することである。
【解決手段】電力源Eから供給される電流をスクイブ11に流して点火させることでエアバッグを作動させる車両用乗員保護装置10において、集積回路体20とは別個に設けられるとともにスクイブ11に直列接続されてスクイブ11に流す電流I11を制御する外部スイッチング素子Q10と、MCU30から伝達される作動信号S3に基づいて外部スイッチング素子Q10を駆動する駆動回路23を含む集積回路体20とを有する。この構成によれば、外部スイッチング素子Q10は集積回路体20とは別個に設けられるので、集積回路体20を起因とする誤作動が無く、作動信頼性を確保できる。集積回路体20に配置するスイッチング素子の数を減らせるので、車両用乗員保護装置10全体のコストを低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクイブを点火させてエアバッグを作動(展開)させることで乗員を保護する車両用乗員保護装置に関する。
従来の車両用乗員保護装置では、駆動回路用電力源として特性を確保しつつ、構成を簡素化し、コストを抑える技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。また、電流制御機能を有するスイッチング素子を最後にオンすることで、オーバーシュート電流を抑えられる技術の一例が開示されている(例えば特許文献2を参照)。
特許文献1,2に開示された車両用乗員保護装置は、セーフィング用スイッチング素子と、ハイサイドスイッチング素子と、ローサイドスイッチング素子と、スイッチング素子ごとに駆動する駆動回路とを備える。各スイッチング素子の駆動は、マイクロ・コンピュータ・ユニット(以下、本明細書では単に「MCU」と表記する。)から伝達される作動信号に基づいて行われる。このMCUは、センサから出力される衝突信号の大きさを判断し、エアバッグを作動(展開)させる条件が成立した場合にのみ、スイッチング素子を駆動させる作動信号を駆動回路に伝達する。作動信号を受けた駆動回路は、駆動信号をスイッチング素子に送り、スクイブを点火させてエアバッグを作動(展開)させる。
特許文献1,2では、ハイサイドスイッチング素子とローサイドスイッチング素子とは同じASIC内に配置され、セーフィング用スイッチング素子はASIC外に配置されている。よってASIC内外のどちらか一方のスイッチング素子が故障したり、外来ノイズ等の要因で誤ってスイッチング素子がオンしても、他方のスイッチング素子にも同様な事象に陥らない限り、誤ってスクイブには通電されない。
また、ハイサイドスイッチング素子とローサイドスイッチング素子とが同じASIC内に配置されると、セーフィングスイッチング素子が無くても作動信頼性が十分確保されているように見える。ところが、逆に同じASIC内に配置されているがゆえ、ASIC自身を起因としてスイッチング素子が誤ってオンする誤作動が発生するという問題点がある。ASIC自身の起因には、例えば大きな衝撃等によるASICのチップ割れや、ASIC自身の焼損等による損傷、外来ノイズの混入などが該当する。
上記誤作動を防止するため、ASICとは別個にセーフィングスイッチング素子を設ける必要がある。このセーフィングスイッチング素子は、ASIC(具体的には内部に配置された駆動回路)からの駆動信号とMCUからの駆動信号との論理積がオンになる場合にのみオンする。この構成によれば、ASIC及びMCU単一の破壊及び故障モードの条件下でもエアバッグの誤作動を防止することが可能となり、作動信頼性を確保している。
特開2008−168691号公報 特開2008−143373号公報
しかし、従来の車両用乗員保護装置はエアバッグの誤作動を防止し、作動信頼性を確保することができるものの、スイッチング素子を3系統(すなわちハイサイドスイッチング素子,ローサイドスイッチング素子,セーフィングスイッチング素子)配置する必要がある。このようにセーフィングスイッチング素子をスクイブと直列接続して、故障やノイズによる誤動作に対して電流経路を遮断出来るハード冗長構成としているため、システム全体のコストが嵩むという問題点がある。
また、誤作動を防止して作動信頼性を確保したうえで、複数のエアバッグ(例えば運転席エアバッグと助手席エアバッグ等)を作動させるには、エアバッグごとに対応したハイサイドスイッチング素子およびローサイドスイッチング素子をASIC内に配置する必要がある。作動対象となるエアバッグが増加する場合には、当該増加を見込んでハイサイドスイッチング素子およびローサイドスイッチング素子をASIC内に配置する必要がある。このようにASIC内に配置すべきスイッチング素子の数が多くなるにつれて、ASICの製作コストが嵩むという問題点がある。さらにはASIC内に配置するスイッチング素子の数が多くなれば、上述したASIC自身の起因によるスイッチング素子の誤作動が発生する確率も高まる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、誤作動を防止して作動信頼性を確保しながらも、コストを低減できる車両用乗員保護装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電力源から供給される電流をスクイブに流して点火させることでエアバッグを作動(展開)させる車両用乗員保護装置において、集積回路体とは別個に設けられるとともに前記スクイブに直列接続され、前記電力源から前記スクイブに流す電流を制御する一以上の外部スイッチング素子と、外部制御装置から伝達される作動信号に基づいて、一以上の前記外部スイッチング素子ごとに駆動する一以上の外部用駆動回路を含む前記集積回路体とを有することを特徴とする。
この構成によれば、外部スイッチング素子はスクイブに直列接続されるとともに、集積回路体とは別個に設けられる。よって、外部スイッチング素子は集積回路体を起因とする誤作動が無く、作動信頼性を確保することができる。集積回路体に配置すべきスイッチング素子の数を減らせるので、集積回路体の製造コストを低減することができ、ひいては車両用乗員保護装置全体のコストを低減することができる。
なお、「電力源」には、通常時に電力を供給可能な電力源(例えばバッテリ等)に限らず、非常時等で一時的に電力を供給可能な電力源(例えばコンデンサやキャパシタ等)を含む。「集積回路体」は複数の接続端子を持ち、主に半導体で構成された複数の電子回路が封入されたパッケージであれば任意である。例えばIC(LSI,VLSI,ULSI等を含む)やASICなどが該当する。ASICは、ゲートアレイ、セルベース、エンベッデドアレイ、スタンダードセル、ストラクチャードASICなどの種類を問わない。外部/内部を問わず、「スイッチング素子」にはスイッチング動作が可能な任意の半導体素子を適用できる。例えば、FET(具体的にはMOSFET,JFET,MESFET等)、IGBT、GTO、パワートランジスタなどが該当する。
請求項2に記載の発明は、前記外部スイッチング素子は、前記スクイブと共通電位部との間に接続されることを特徴とする。この構成による外部スイッチング素子は、共通電位部に近い位置に配置される。電力源とスクイブとの間に接続される場合よりも電位が低いので、外来ノイズ等の影響が少なく、集積回路体に配置された外部用駆動回路から伝達される駆動信号に従って安定して作動する。したがって、誤作動を防止し、作動信頼性をより確実に確保することができる。
請求項3に記載の発明は、前記集積回路体は、前記電力源と前記スクイブとの間に接続される内部スイッチング素子と、前記内部スイッチング素子を駆動する内部用駆動回路とを含むことを特徴とする。この構成によれば、集積回路体に配置すべきスイッチング素子は、内部スイッチング素子で済む。集積回路体に配置すべきスイッチング素子の数が少なく抑えられるので、集積回路体の製作コストを低減することができる。
請求項4に記載の発明は、複数のエアバッグごとに対応して複数の前記スクイブを備える場合、前記集積回路体は、前記電力源と対応する前記スクイブとの間に接続される複数の内部スイッチング素子と、前記内部スイッチング素子を駆動する一以上の内部用駆動回路とを含み、複数の前記内部用駆動回路は、前記外部制御装置から伝達される作動信号に基づいて、前記スクイブが点火可能な閾値電流以上の展開可能電流が流れるように複数の前記内部スイッチング素子のうちで一の前記内部スイッチング素子を駆動し、ゼロ値を含む前記閾値電流未満の展開不能電流が流れるように他の前記内部スイッチング素子を駆動し、前記エアバッグを作動させる全ての前記スクイブに前記展開可能電流が流れるように時分割で対応する前記内部スイッチング素子を切り替えて駆動することを特徴とする。
この構成によれば、エアバッグを作動(展開)させるべきスクイブにのみ展開可能電流を流し、他のスクイブには展開不能電流を流す。時分割で展開可能電流を流すスクイブを切り替えるので、目的とする全てのエアバッグを確実に作動させることができる。また、駆動すべき内部スイッチング素子を時分割で切り替えて、二以上の内部スイッチング素子が同時にオンすることがないので、外部スイッチング素子に流れる電流を低く抑えることができる。展開可能電流と展開不能電流の大きさを適切に設定することにより、外部スイッチング素子には定格電流値が低い安価なものを用いることができ、車両用乗員保護装置全体のコストを低減することができる。なお、内部スイッチング素子と内部用駆動回路とは、1対1に対応して配置するのが通常であるが、複数の内部スイッチング素子に対して個別に駆動信号を伝達可能な一の内部用駆動回路を配置してもよい。
請求項5に記載の発明は、複数の前記内部用駆動回路は、前記展開可能電流と前記展開不能電流との合計が前記外部スイッチング素子の許容電流値以下となるように、前記展開可能電流と前記展開不能電流との大きさを設定することを特徴とする。この構成によれば、複数のスクイブを通じて外部スイッチング素子に流れる電流は、当該外部スイッチング素子の許容電流値以下に抑制される。展開可能電流と展開不能電流の大きさを適切に設定することにより、外部スイッチング素子には定格電流値が低い安価なものをより確実に適用することができ、車両用乗員保護装置全体のコストを低減することができる。
請求項6に記載の発明は、前記外部制御装置から伝達される作動信号に基づいて、前記外部用駆動回路による前記外部スイッチング素子の駆動を禁止する禁止回路を有することを特徴とする。この構成によれば、集積回路体を起因として内部スイッチング素子が誤ってオンする誤作動を含め、外部用駆動回路が誤って駆動信号を伝達しても、禁止回路が外部スイッチング素子の駆動を禁止する。したがって、集積回路体を起因とする異常事態が発生しても、エアバッグの誤作動を確実に防止することができる。
車両用乗員保護装置の第1構成例を模式的に示すブロック図である。 信号や電流等の各変化を説明する図である。 車両用乗員保護装置の第2構成例を模式的に示すブロック図である。 信号や電流等の経時的な変化を示すタイムチャート図である。 信号や電流等の経時的な変化を示すタイムチャート図である。 信号や電流等の経時的な変化を示すタイムチャート図である。 車両用乗員保護装置の第3構成例を模式的に示すブロック図である。 信号や電流等の経時的な変化を示すタイムチャート図である。 車両用乗員保護装置の第4構成例を模式的に示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。各図は、本発明を説明するために必要な最小限の要素を図示し、実際の全要素を図示してはいない。集積回路体の内部に配置するスイッチング素子には「内部」を冠し、同じく外部に配置するスイッチング素子には「外部」を冠するが、特に明示しない限り機能作用に相違はない。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は、エアバッグに対応するスクイブごとに外部スイッチング素子を備える例であって、図1と図2を参照しながら説明する。図1には、車両用乗員保護装置の第1構成例を模式的にブロック図で示す。図2には、第1構成例における信号や電流等の各変化を示す。なお、本形態では説明を簡単にするために、一のスクイブに対して一の外部スイッチング素子を備えた構成例について説明する。
図1に示す車両用乗員保護装置10は、電力源E,スクイブ11,集積回路体20,MCU30,外部スイッチング素子Q10,禁止回路50などを有する。ここで、電力源EとMCU30は車両に備えられるものを共用するが、車両用乗員保護装置10専用に備えてもよい。電力源Eには、通常時に電力を供給可能な電力源(例えばバッテリ等)に限らず、非常時等で一時的に電力を供給可能な電力源(例えばコンデンサやキャパシタ等)を含む。言い換えれば、電力源Eはどのような状況下においても電力(特に電流)を供給可能に構成される。MCU30は「外部制御装置」に相当し、車両に備えられたセンサから出力される衝突信号に基づいてエアバッグを作動(展開)させるか否かを判断し、作動信号S1,S3,S4等を出力する。この機能を有する限り、MCU30以外の外部制御装置(例えばECU等)を適用してもよい。作動信号S1,S3,S4等の種類は、有線/無線を含めて任意である。例えば、作動信号S1,S3をSPI通信(Serial Peripheral Interface)の特定コマンドとし、作動信号S4をIOポートから出力するハイレベル/ローレベルの信号としてもよい。MCU30の具体的な構成例については周知であるので、図示および説明を省略する。
集積回路体20は複数の接続端子を持ち、主に半導体で構成された複数の電子回路が封入されたパッケージである。本形態では、例えばASICを用いる。図1に示す集積回路体20では、内部スイッチング素子Q21、駆動回路21,23、抵抗器R20などが配置されている。駆動回路21は「内部用駆動回路」に相当する。この駆動回路21はMCU30から伝達される作動信号S1に基づいて、内部スイッチング素子Q21に駆動信号を伝達して駆動する。駆動信号の伝達を実現するため、駆動回路21の出力端子を内部スイッチング素子Q21の制御端子(ゲート端子等)に接続する。
内部スイッチング素子Q21は「ハイサイドスイッチング素子」に対応し、例えばNチャネルMOSFET(単に「MOSトランジスタ」とも呼ばれる。)を用いる。この内部スイッチング素子Q21は、入力端子(ドレイン端子等)がダイオードD1を介して電力源Eに接続され、出力端子(ソース端子等)がスクイブ11の一端側に接続され、上述したように制御端子が駆動回路21の出力端子に接続される。
駆動回路23は「外部用駆動回路」に相当する。この駆動回路23は、MCU30から伝達される作動信号S3や電圧値V10,V20等に基づいて、外部スイッチング素子Q10に駆動信号を伝達して駆動する。駆動信号の伝達を実現するため、駆動回路23の出力端子を外部スイッチング素子Q10の制御端子(ゲート端子等)に接続する。共通電位部Nは集積回路体20や禁止回路50等で共通する電位であり、接地した場合には0[V]になる。
電圧値V10は、外部スイッチング素子Q10の入力端子と共通電位部Nとの電位差である。駆動信号を出力しているにもかかわらず電圧値V10が大きい場合には、外部スイッチング素子Q10が故障等している可能性があるので、MCU30に信号を伝達してエラー表示等を行うことができる。このように電圧値V10に基づいて外部スイッチング素子Q10の状態を把握することができる。
電圧値V20は、外部スイッチング素子Q10の出力端子(ソース端子等)と共通電位部Nとの間に接続された抵抗器R20の端子間電圧である。電圧値V20は電流I11に比例するので、外部スイッチング素子Q10に流れる電流の大きさを把握することができる。電流I11が過大(例えば許容電流値Ipを超える等)となる電圧値V20の場合には、駆動信号を変化させて電流I11の大きさを抑制する制御を行うことができる。このように電圧値V20に基づいて過電流を防止し、外部スイッチング素子Q10を保護することができる。
次に、集積回路体20とは別個に設けられる要素について説明する。スクイブ11は、図示しないエアバッグごとに対応して備えられ、閾値電流値以上の電流が流れると点火し、対応するエアバッグを展開(すなわち膨張するように作動)させて乗員を保護する。外部スイッチング素子Q10は「ローサイドスイッチング素子」に対応し、内部スイッチング素子Q21と同様にNチャネルMOSFETを用いる。この外部スイッチング素子Q10は、入力端子(ドレイン端子等)がスクイブ11の他端側に接続され、出力端子が抵抗器R20を介して共通電位部Nに接続され、上述したように制御端子が駆動回路23の出力端子に接続される。
禁止回路50は、集積回路体20を介することなく、MCU30から直接的に伝達される作動信号S4に基づいて、外部スイッチング素子Q10の駆動を禁止する機能を担う。この禁止回路50は、抵抗器RaやトランジスタTra,Trbなどを備える。トランジスタTra,Trbには、NPN型とPNP型とのいずれを用いてもよいが、本形態ではNPN型を用いた例について説明する。
トランジスタTraは、制御端子(ベース端子等)が抵抗器Raを介して電力源Eに接続され、入力端子(コレクタ端子等)が外部スイッチング素子Q10の制御端子に接続され、出力端子(エミッタ端子等)が共通電位部Nに接続される。トランジスタTrbは、制御端子(ベース端子等)がMCU30の所定端子(作動信号S4を出力する端子)に接続され、入力端子(コレクタ端子等)がトランジスタTraの制御端子(ベース端子等)に接続され、出力端子(エミッタ端子等)が共通電位部Nに接続される。
上述した車両用乗員保護装置10において、スクイブ11を点火させる電流I11は、電力源EからダイオードD1→内部スイッチング素子Q21→スクイブ11→外部スイッチング素子Q10→抵抗器R20を経て共通電位部Nに流れる。この電流I11は、MCU30から伝達される作動信号S1,S3,S4に基づいて、内部スイッチング素子Q21,外部スイッチング素子Q10および禁止回路50が作動するか否かで制御される。この制御例について、図2を参照しながら説明する。
図2には上から順番に、作動信号S1,S3,S4、内部スイッチング素子Q21、外部スイッチング素子Q10、電流I11の各変化を示す。なお、時刻t11から時刻t12まで(第1期間)と、時刻t13から時刻t14まで(第2期間)とは、説明の便宜上示しているにすぎず、時期的な前後を問わない。また、論理値は正論理に従うと仮定し、ハイレベル(他には真,1,オンなど)を「H」で示し、ローレベル(他には偽,0,オフなど)を「L」で示す。このことは後述する図4,図5,図6,図8でも同様である。
第1期間では、MCU30は作動信号S1および作動信号S3をハイレベルで出力し、作動信号S4をローレベルで出力している。作動信号S1によって内部スイッチング素子Q21は駆動するが(ハイレベル)、作動信号S3,S4によって外部スイッチング素子Q10は駆動しない(ローレベル)。作動信号S3によって駆動回路23が駆動信号を出力するものの、作動信号S4によって禁止回路50が作動し、結果として外部スイッチング素子Q10が駆動されないためである。
第2期間では、MCU30は作動信号S1,S3,S4の全てをハイレベルで出力している。作動信号S1によって駆動回路21が駆動信号を内部スイッチング素子Q21に伝達して駆動させ、作動信号S3によって駆動回路23が駆動信号を外部スイッチング素子Q10に伝達して駆動させる(ハイレベル)。また、作動信号S4もハイレベルなので、禁止回路50が作動しない。内部スイッチング素子Q21および外部スイッチング素子Q10の双方が駆動するので、スクイブ11に電流I11(定格電流値Ir;例えば1.2[A])が流れて点火し、エアバッグを展開させる。定格電流値Irは、スクイブ11が点火してエアバッグが展開するのに必要な電流閾値It以上、かつ、許容電流値Ip以下の値である(すなわちIp≧Ir≧It)。時刻t13から時刻t14までの通電期間Taは、エアバッグの種類や大きさ等にもよるが、スクイブ11の点火に必要な期間(例えば
2[ms]以上)を確保するのが望ましい。
上述した実施の形態1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1に対応し、集積回路体20とは別個に設けられるとともにスクイブ11に直列接続されてスクイブ11に流す電流I11を制御する外部スイッチング素子Q10と、MCU30から伝達される作動信号S3に基づいて外部スイッチング素子Q10を駆動する駆動回路23を含む集積回路体20とを有する構成とした(図1を参照)。この構成によれば、外部スイッチング素子Q10はスクイブ11に直列接続されるものの、集積回路体20とは別個に設けられる。よって、外部スイッチング素子Q10は集積回路体20を起因とする誤作動が無く、作動信頼性を確保することができる。集積回路体20に配置すべきスイッチング素子の数を減らせるので、集積回路体20の製造コストを低減することができる。また、外部スイッチング素子Q10が従来技術におけるセーフィング用スイッチング素子の機能を兼ねるので、当該セーフィング用スイッチング素子が不要になる点を含めて、車両用乗員保護装置10全体のコストを低減することができる。さらに、車両に対して外部スイッチング素子Q10を交換可能に取り付けるのが望ましい。故障や損傷等が生じた場合には簡単に交換することができ、従来技術のようにスイッチング素子が配置されたASICを交換するよりも低コストで済む。
なお、図1では一の外部スイッチング素子Q10に対応して、一の駆動回路23を集積回路体20に配置する構成とした(図1を参照)。この構成に代えて、二以上のエアバッグごとに対応するスクイブ11を備える場合には、当該スクイブ11ごとに対応して直列接続する二以上の外部スイッチング素子Q10と、当該外部スイッチング素子Q10ごとに対応して二以上の駆動回路23を集積回路体20に配置する構成としてもよい。この構成によれば、システム拡張に伴ってスクイブ数が増加する場合には必要な数の外部スイッチング素子Q10を接続するだけで容易に対応が可能となる。また反対にスクイブ数が減少する場合でも不要な外部スイッチング素子Q10を配置しなくて済むため、安価なエアバッグシステムを容易に構築することができる。
請求項2に対応し、外部スイッチング素子Q10はスクイブ11と共通電位部Nとの間に接続される構成とした(図1を参照)。この構成による外部スイッチング素子Q10は、共通電位部Nに近い位置に配置される。電力源Eとスクイブ11との間に接続される場合よりも電位が低いので、外来ノイズ等の影響が少なく、集積回路体20に配置された駆動回路23から伝達される駆動信号に従って安定して作動する。したがって、誤作動を防止し、作動信頼性をより確実に確保することができる。
請求項3に対応し、集積回路体20は、電力源Eとスクイブ11との間に接続される内部スイッチング素子Q21と、内部スイッチング素子Q21を駆動する駆動回路21とを含む構成とした(図1を参照)。この構成によれば、集積回路体20に配置すべきスイッチング素子は、内部スイッチング素子Q21のみで済む。集積回路体20に配置すべきスイッチング素子の数が少なく抑えられるので、集積回路体20の製作コストを低減することができる。
請求項6に対応し、MCU30から伝達される作動信号S4に基づいて、駆動回路23による外部スイッチング素子Q10の駆動を禁止する禁止回路50を有する構成とした(図1を参照)。この構成によれば、集積回路体20を起因として内部スイッチング素子Q21が誤ってオンする誤作動を含め、駆動回路23が誤って駆動信号を伝達しても、禁止回路50が外部スイッチング素子Q10の駆動を禁止する。したがって、集積回路体20を起因とする異常事態が発生しても、エアバッグの誤作動を確実に防止できる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、エアバッグに対応する複数のスクイブについて共用する一の外部スイッチング素子を備える例であって、図3〜図6を参照しながら説明する。図3には、車両用乗員保護装置の第2構成例を模式的にブロック図で示す。図4〜図6には、第2構成例における信号や電流等の経時的な変化を示す。なお説明を簡単にするため、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、複数(二つ)のスクイブに対して一の外部スイッチング素子を備えた構成例について説明する。
図3に示す第2構成例は、次の二点で上述した実施の形態1の図1に示す第1構成例と相違する。第1に、駆動回路22および内部スイッチング素子Q22を集積回路体20に配置した点である。第2に、スクイブ12をスクイブ11と同様に集積回路体20とは別個に設けた点である。
駆動回路22は、駆動回路21と同様に「内部用駆動回路」に相当する。この駆動回路22はMCU30から伝達される作動信号S2に基づいて、内部スイッチング素子Q21に駆動信号を伝達して駆動する。駆動信号の伝達を実現するため、駆動回路22の出力端子を内部スイッチング素子Q22の制御端子(ゲート端子等)に接続する。
内部スイッチング素子Q22は、内部スイッチング素子Q21と同様にNチャネルMOSFETを用いる。この内部スイッチング素子Q22は、入力端子(ドレイン端子等)がダイオードD1を介して電力源Eに接続され、出力端子(ソース端子等)がスクイブ11の一端側に接続され、制御端子が駆動回路22の出力端子に接続される。
スクイブ12は、スクイブ11と同様に、閾値電流値以上の電流が流れると点火し、対応するエアバッグを展開させて乗員を保護する。図3から明らかなように、スクイブ11とスクイブ12は並列接続され、他端側(図面下側)でともに外部スイッチング素子Q10の入力端子に接続される。
上述した車両用乗員保護装置10において、電流I11の経路は実施の形態1と同様である。電流I12は、電力源EからダイオードD1→内部スイッチング素子Q22→スクイブ12→外部スイッチング素子Q10→抵抗器R20を経て共通電位部Nに流れる。この構成によれば、外部スイッチング素子Q10には電流I11と電流I12とが重畳して流れることになり、これを電流I10とする。電流I11,I12は、MCU30から伝達される作動信号S1,S2,S3,S4に基づいて、内部スイッチング素子Q21,Q22、外部スイッチング素子Q10および禁止回路50が作動するか否かで制御される。この制御例について、図4〜図6を参照しながら説明する。
図4〜図6には上から順番に、作動信号S1,S2,S3,S4、内部スイッチング素子Q21,Q22、外部スイッチング素子Q10、電流I11,I12,I10の各変化を示す。図4には、内部スイッチング素子Q21,Q22を切り替えて作動させる第1制御例を示す。図5には、時分割で内部スイッチング素子Q21,Q22を交互に切り替えて作動させる第2制御例を示す。図6には、内部スイッチング素子Q21,Q22に流す電流の大きさを切り替えて作動させる第3制御例を示す。なお、作動信号S4がローレベルの場合は図示を省略するが、実施の形態1の図2に示す第1期間(時刻t11から時刻t12までの期間)と同様に、禁止回路50が作動して外部スイッチング素子Q10が駆動されないため、スクイブ11,12には電流が流れずに点火しない。また、論理値については実施の形態1と同様に正論理に従うと仮定する。
図4に示す第1制御例において、作動信号S1,S2がハイレベルになるのは、作動信号S1について時刻t21から時刻t22までの期間Tb1であり、作動信号S2について時刻t22から時刻t23までの期間Tb2である。これらの信号変化に伴って、内部スイッチング素子Q21が期間Tb1で駆動され(ハイレベル)、内部スイッチング素子Q22が期間Tb2で駆動される(ハイレベル)。外部スイッチング素子Q10は禁止回路50によって駆動が禁止されず、期間Tb1にはスクイブ11に電流I11が流れて点火し、期間Tb2にはスクイブ12に電流I12が流れて点火する。流れる際の電流I11,I12の大きさは、ともに電流閾値Itよりも大きな定格電流値Irである。電流I11と電流I12が重畳することはないので、時刻t21から時刻t23までの間における電流I10はほぼ定格電流値Irで一定になる。期間Tb1と期間Tb2とは、エアバッグの種類や大きさ等にもよるが、スクイブ11の点火に必要な期間(例えばいずれも2[ms]以上)を確保するのが望ましい。
図5に示す第2制御例において、作動信号S1がハイレベルになるのは、時刻t31から時刻t32までの期間Tc1と、時刻t33から時刻t34までの期間Tc3である。同様に、作動信号S2がハイレベルになるのは、時刻t32から時刻t33までの期間Tc2と、時刻t34から時刻t35までの期間Tc4である。これらの信号変化に伴って、内部スイッチング素子Q21が期間Tc1,Tc3でそれぞれ駆動され(ハイレベル)、内部スイッチング素子Q22が期間Tc2,Tc4でそれぞれ駆動される(ハイレベル)。外部スイッチング素子Q10は禁止回路50によって駆動が禁止されず、期間Tc1,Tc3にはスクイブ11に電流I11が流れて点火し、期間Tc2,Tc4にはスクイブ12に電流I12が流れて点火する。電流I11,I12,I10の大きさは、上述した第1制御例と同様である。なお、期間Tc1,Tc2,Tc3,Tc4は、エアバッグの種類や大きさ等にもよるが、スクイブ11,12の各点火に必要な期間(例えば通電期間の合計が2[ms]以上)を確保するのが望ましい。
図6に示す第3制御例において、作動信号S1,S2がハイレベルになるのは、上述した第1制御例と同じ時期である。これらの信号変化に伴って作動する内部スイッチング素子Q21,Q22は第1制御例の場合と相違する。すなわち、作動信号S1に基づいて駆動回路21が内部スイッチング素子Q21の制御端子に印加する電圧と、作動信号S2に基づいて駆動回路22が内部スイッチング素子Q22の制御端子に印加する電圧とが第1制御例の場合と相違する。具体的には、期間Tb1の内部スイッチング素子Q21と、期間Tb2の内部スイッチング素子Q22には、電圧閾値Vt以上の電圧Va(すなわちVa≧Vt)が印加される。また、期間Tb1の内部スイッチング素子Q22と、期間Tb2の内部スイッチング素子Q21には、電圧閾値Vtよりも低い電圧Vb(すなわちVb<Vt)が印加される。
上述した電圧印加によれば、期間Tb1では、スクイブ11に電流閾値It以上の電流値Ia(すなわちIa≧It;例えば0.8[A])が流れて点火するが、スクイブ12には電流閾値Itよりも低い電流値Ib(すなわちIb<It;例えば0.4[A])しか流れないので点火しない。スクイブが点火すればエアバッグが展開し、点火しなければエアバッグも展開しないことから、電流値Iaは「展開可能電流」に相当し、電流値Ibは「展開不能電流」に相当する。電流値Ibの電流を流すのは、スクイブ11,12にそれぞれ備える抵抗体(図示せず)を発熱させるためである。抵抗体を発熱させると火薬が爆発し易くなり、エアバッグも展開し易くなる。よって、抵抗体の発熱の総容量が火薬を爆発させるエネルギーに相当する分の電流量(図6の例ではIa×Tb1+Ib×Tb2、Ib×Tb1+Ia×Tb2)を流す必要がある。この電流量となるように、展開不能電流の有無を含めて「スクイブの点火に必要な期間」を設定する。
一方、期間Tb2では、スクイブ12に電流値Iaが流れて点火するが、スクイブ11には電流値Ibしか流れないので点火しない。外部スイッチング素子Q10には電流I11と電流I12とが重畳して流れて電流I10(すなわちI10=I11+I12)になる。時刻t21から時刻t23までの間における電流I10は、ほぼ定格電流値Irで一定になっている。なお、電流値Iaと電流値Ibの大きさを適切に設定すれば、定格電流値Ir以下の電流I10(すなわちI10≦Ir)を外部スイッチング素子Q10に流すことも可能である。
上述した実施の形態2によれば以下に示す各効果を得ることができ、その他については実施の形態1と同様であるので当該実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
請求項4に対応し、複数のエアバッグごとに対応して複数のスクイブ11,12を備える場合、集積回路体20は、電力源Eと対応するスクイブ11,12との間に接続される複数の内部スイッチング素子Q21,Q22と、内部スイッチング素子Q21,Q22をそれぞれ駆動する一以上の駆動回路21,22(内部用駆動回路)とを含み、複数の駆動回路21は、MCU30から伝達される作動信号S1,S2に基づいて、スクイブ11が点火可能な電流閾値It以上の電流値Ia(展開可能電流)が流れるように複数の内部スイッチング素子Q21,Q22のうちで一の内部スイッチング素子Q21を駆動し、ゼロ値を含む電流閾値It未満の電流値Ib(展開不能電流)が流れるように他の内部スイッチング素子Q22を駆動し、エアバッグを作動させるべき全てのスクイブ11,12に電流値Iaが流れるように時分割で対応する内部スイッチング素子Q21,Q22を切り替えて駆動する構成とした(図3〜図6を参照)。この構成によれば、時分割で電流値Iaを流すスクイブを切り替えるので、エネルギーが分散されるとともに、目的とする全てのエアバッグを確実に作動させることができる。また、時分割で切り替えて二以上の内部スイッチング素子Q21,Q22が同時にオンすることがないので、外部スイッチング素子Q10に流れる電流I10を低く抑えることができる。そのため、従来と同定格のスイッチング素子を使用でき、高い作動信頼性と低コストの両立が可能となる。また、電流値Iaと電流値Ibの大きさを適切に設定することにより、外部スイッチング素子Q10には定格電流値Irが低い安価なものを用いることができ、車両用乗員保護装置10全体のコストを低減することができる。
請求項5に対応し、複数の駆動回路21,22は、電流値Ia(展開可能電流)と電流値Ib(展開不能電流)との合計が外部スイッチング素子Q10の許容電流値Ip以下となるように、電流値Iaと電流値Ibとの大きさを設定する構成とした(図3〜図6を参照)。この構成によれば、複数のスクイブ11,12を通じて外部スイッチング素子Q10に流れる電流I10は、当該外部スイッチング素子Q10の許容電流値Ip以下に抑制される。よって、外部スイッチング素子Q10には定格電流値Irが低く安価なものを適用できるので、車両用乗員保護装置10全体のコストを低減することができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、実施の形態2の変形例であって、図7と図8を参照しながら説明する。図7には、車両用乗員保護装置の第3構成例を模式的にブロック図で示す。図8には、第3構成例における信号や電流等の経時的な変化を示す。なお説明を簡単にするため、実施の形態2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、複数(三つ)のスクイブに対して一の外部スイッチング素子を備えた構成例について説明する。
図7に示す第3構成例は、次の三点で上述した実施の形態2の図3に示す第2構成例と相違する。第1に、駆動回路21,22に代えて駆動回路25を集積回路体20に配置した点である。第2に、新たに内部スイッチング素子Q23を集積回路体20に配置した点である。第3に、スクイブ13をスクイブ11,12と同様に集積回路体20とは別個に設けた点である。
駆動回路25は、駆動回路21,22と同様に「内部用駆動回路」に相当する。この駆動回路25はMCU30から伝達される作動信号S5に基づいて、内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23にそれぞれ駆動信号を伝達して切り替えながら駆動する。駆動信号の伝達を実現するため、駆動回路25の出力端子を内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23の各制御端子(ゲート端子等)に接続する。
なお、作動信号S5を受けて、内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23の各制御端子に印加電圧を切り替えるタイミングは、駆動回路25内にタイマー(計時回路)を備えたり、RL回路やRC回路を備えて時定数を設定することで実現できる。この場合の作動信号S5は、トリガパルス(例えば図8に二点鎖線で示すように時刻t41から時刻t42までハイレベルになるパルス)であってもよい。
内部スイッチング素子Q23は、内部スイッチング素子Q21,Q22と同様にNチャネルMOSFETを用いる。この内部スイッチング素子Q23は、入力端子(ドレイン端子等)がダイオードD1を介して電力源Eに接続され、出力端子(ソース端子等)がスクイブ11の一端側に接続され、制御端子が駆動回路25の出力端子に接続される。
スクイブ12は、スクイブ11と同様に、閾値電流値以上の電流が流れると点火し、対応するエアバッグを展開させて乗員を保護する。図3から明らかなように、スクイブ11とスクイブ12は並列接続され、他端側(図面下側)でともに外部スイッチング素子Q10の入力端子に接続される。
上述した車両用乗員保護装置10において、電流I11,I12の経路は実施の形態2と同様である。電流I13は、電力源EからダイオードD1→内部スイッチング素子Q23→スクイブ13→外部スイッチング素子Q10→抵抗器R20を経て共通電位部Nに流れる。この構成によれば、外部スイッチング素子Q10には電流I11,I12,I13が重畳して流れることになり、これを電流I10とする。電流I11,I12,I13は、MCU30から伝達される作動信号S3,S4,S5に基づいて、内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23、外部スイッチング素子Q10および禁止回路50が作動するか否かで制御される。この制御例について、図8を参照しながら説明する。
図8には上から順番に、作動信号S5,S3,S4、内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23、外部スイッチング素子Q10、電流I11,I12,I13,I10の各変化を示す。なお、作動信号S4がローレベルの場合は実施の形態1,2と同様であるので、図示および説明を省略する。また、論理値については実施の形態1,2と同様に正論理に従うと仮定する。
図8に示す制御例において、作動信号S5がハイレベルになるのは、時刻t41から時刻t45までの期間である。駆動回路25は、作動信号S5がハイレベルになると、内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23の各制御端子に印加する電圧を時分割で切り替える制御を行う。すなわち、制御端子に電圧閾値Vt以上の電圧Vd(すなわちVd≧Vt)が印加されるのは、内部スイッチング素子Q21の時刻t41から時刻t43まで(期間Td1)と、内部スイッチング素子Q22の時刻t43から時刻t44まで(期間Td2)と、内部スイッチング素子Q23の時刻t44から時刻t45まで(期間Td3)である。時刻t41から時刻t45までのうち他の期間における内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23には、いずれも電圧閾値Vtよりも低い電圧Ve(すなわちVe<Vt)が印加される。
上述した電圧印加によれば、期間Td1では、スクイブ11に電流閾値It以上の電流値Id(すなわちId≧It;例えば0.8[A])が流れて点火するが、スクイブ12,13にはそれぞれ電流閾値Itよりも低い電流値Ie(すなわちIe<It;例えば0.2[A])しか流れないので点火しない。スクイブが点火すればエアバッグが展開し、点火しなければエアバッグも展開しないことから、電流値Idは「展開可能電流」に相当し、電流値Ieは「展開不能電流」に相当する。期間Td2では、スクイブ12に電流値Idが流れて点火するが、スクイブ11,13にはそれぞれ電流値Ieしか流れないので点火しない。期間Td3では、スクイブ13に電流値Idが流れて点火するが、スクイブ11,12にはそれぞれ電流値Ieしか流れないので点火しない。
一方、外部スイッチング素子Q10には電流I11,I12,I13が重畳して流れて電流I10(すなわちI10=I11+I12+I13)になる。時刻t41から時刻t45までの間における電流I10は、ほぼ定格電流値Irと一定になっている。なお、電流値Idと電流値Ieの大きさを適切に設定すれば、定格電流値Ir以下の電流I10(すなわちI10≦Ir)を外部スイッチング素子Q10に流すことも可能である。
上述した実施の形態3によれば、実施の形態1,2と同様であるので当該実施の形態1と同様の作用効果が得られる。また、集積回路体20に備える駆動回路の数を低減できるので、集積回路体20の製造コストを低く抑えることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
実施の形態1〜3では、ハイサイドスイッチング素子に対応する内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23は集積回路体20内に配置する構成とした(図1,図3,図7を参照)。この形態に代えて、内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23のうちで一以上御のスイッチング素子を集積回路体20とは別個に設ける構成としてもよい。例えば、実施の形態2の図3に代わる図9に示すように、内部スイッチング素子Q21,Q22にそれぞれ対応する外部スイッチング素子Q11,Q12を並列接続し、かつ、ダイオードD1と外部スイッチング素子Q10との間に接続する。さらに、抵抗器R20に代えて、抵抗器R21を外部スイッチング素子Q10の出力端子と共通電位部Nとの間に接続する。抵抗器R21は、外部スイッチング素子Q10に流れる電流I10が過電流になるのを防止する保護抵抗としての機能を担う。外部スイッチング素子Q11,Q12は内部スイッチング素子Q21,Q22と同等の機能作用で作動するので、実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。また、集積回路体20に配置するスイッチング素子の数が減るので、集積回路体20の製造コストを低減できる。このことは、実施の形態1の図1に示す内部スイッチング素子Q21や、実施の形態3の図7に示す内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23についても同様に適用可能である。
実施の形態1〜3では、集積回路体20にはASICを用い、スイッチング素子にはNチャネルMOSFETを用いる構成とした(図1,図3,図7等を参照)。この形態に代えて、集積回路体20にはASIC以外の他の集積回路体を用いる構成としてもよく、スイッチング素子にはNチャネルMOSFET以外の他のスイッチング素子を用いる構成としてもよい。他の集積回路体としては、IC(LSI,VLSI,ULSI等を含む)などが該当する。他のスイッチング素子としては、PチャネルMOSFET,JFET,MESFET等のFET、IGBT、GTO、パワートランジスタなどが該当する。単に構成上の相違に過ぎず機能作用は同等であるので、実施の形態1〜3と同等の作用効果を得ることができる。
実施の形態1〜3では、実施の形態2の図5に示す第2制御例を除いて、各スクイブに展開可能電流(定格電流値Irや電流値Ia,電流値Id等)が1回流れるように内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23を駆動する構成とした(図2,図4,図6,図8を参照)。この構成に代えて、実施の形態2の図5に示す第2制御例のように、各スクイブに展開可能電流が断続して複数回流れるように内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23を駆動する構成としてもよい。スクイブの状態(すなわち経年変化に伴う劣化や、温度・湿度等の環境条件等)によっては展開可能電流を1回流しても点火が不十分な場合もあり得るが、展開可能電流を断続して複数回流すことで点火を確実に行えるようにする。したがって、スクイブの不点火を防止することができる。
集積回路体20には、実施の形態1では一のスクイブ11に対応して内部スイッチング素子Q21および駆動回路21を配置し、実施の形態2では二のスクイブ11,12ごとに対応して内部スイッチング素子Q21,Q22および駆動回路21,22を配置し、実施の形態2では三のスクイブ11,12,13ごとに対応して内部スイッチング素子Q21,Q22,Q23および駆動回路25を配置する構成とした。これらの実施の形態1〜3に示す集積回路体20の構成について、スクイブの数に対応して二以上を組み合わせて一の集積回路体20に配置する構成としてもよい。製造コストを考慮しながら、できるだけ多くの数の内部スイッチング素子を集積回路体20に配置するのが望ましい。こうすることでエアバッグの数が増えた場合には接続を行うだけで容易に対応することができ、衝撃等の要因で一部の内部スイッチング素子が作動しなくなっても他の内部スイッチング素子で代替することができる。
10 車両用乗員保護装置
11,12,13 スクイブ
20 集積回路体
21,22,25 駆動回路(内部用駆動回路)
30 MCU(外部制御装置)
50 禁止回路
E 電力源
I10,I11,I12,I13 電流
Q10 外部スイッチング素子
Q21,Q22,Q23 内部スイッチング素子
S1,S2,S3,S4,S5 作動信号

Claims (6)

  1. 電力源から供給される電流をスクイブに流して点火させることでエアバッグを作動させる車両用乗員保護装置において、
    集積回路体とは別個に設けられるとともに前記スクイブに直列接続され、前記電力源から前記スクイブに流す電流を制御する一以上の外部スイッチング素子と、
    外部制御装置から伝達される作動信号に基づいて、一以上の前記外部スイッチング素子ごとに駆動する一以上の外部用駆動回路を含む前記集積回路体と、
    を有することを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 前記外部スイッチング素子は、前記スクイブと共通電位部との間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
  3. 前記集積回路体は、前記電力源と前記スクイブとの間に接続される内部スイッチング素子と、前記内部スイッチング素子を駆動する内部用駆動回路と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用乗員保護装置。
  4. 複数のエアバッグごとに対応して複数の前記スクイブを備える場合、
    前記集積回路体は、前記電力源と対応する前記スクイブとの間に接続される複数の内部スイッチング素子と、前記内部スイッチング素子を駆動する一以上の内部用駆動回路と、を含み、
    複数の前記内部用駆動回路は、前記外部制御装置から伝達される作動信号に基づいて、前記スクイブが点火可能な閾値電流以上の展開可能電流が流れるように複数の前記内部スイッチング素子のうちで一の前記内部スイッチング素子を駆動し、ゼロ値を含む前記閾値電流未満の展開不能電流が流れるように他の前記内部スイッチング素子を駆動し、前記エアバッグを作動させる全ての前記スクイブに前記展開可能電流が流れるように時分割で対応する前記内部スイッチング素子を切り替えて駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用乗員保護装置。
  5. 複数の前記内部用駆動回路は、前記展開可能電流と前記展開不能電流との合計が前記外部スイッチング素子の許容電流値以下となるように、前記展開可能電流と前記展開不能電流との大きさを設定することを特徴とする請求項4に記載の車両用乗員保護装置。
  6. 前記外部制御装置から伝達される作動信号に基づいて、前記外部用駆動回路による前記外部スイッチング素子の駆動を禁止する禁止回路を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用乗員保護装置。
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