JP2012022872A - 耐熱性多孔質層及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

耐熱性多孔質層及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性と膜強度を有する耐熱性多孔質層と、その耐熱性多孔質層をセパレータとして用い、耐ショート性、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】集電体箔に正極活物質層を形成した正極と、集電体箔に負極活物質層を形成した負極との間に介在する耐熱性多孔質層において、酸化物無機粒子(A)、バインダ樹脂(B)及びチューブ状カーボン(C)を含有し、該チューブ状カーボン(C)が、コイル形状のチューブ状カーボンであることを特徴とする耐熱性多孔質層。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極上に形成される耐熱性多孔質層とその耐熱性多孔質層をセパレータとして適用したリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯端末の普及が著しい。この様な携帯端末では、より快適な携帯性が求められ、小型化が急速に進んでいる。そして、上記携帯端末の電源には、二次電池として、リチウムイオン電池が多用されている。
リチウムイオン電池は、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、ポリオレフィン系の微多孔性フィルムが使用されており、求める多孔性とフィルム強度のため、一軸延伸あるいは二軸延伸して製造されている。
この延伸法により製造されるフィルムでは、歪みが生じている場合が多く、この特性により高温に晒されると残留応力により収縮が起きるという問題があり、異常充電等により電池が発熱を始めると、セパレータが収縮を起こし、その結果、内部短絡による発火の危険性を抱えている。
この課題を解決すべく、絶縁性無機粒子とバインダ樹脂とを含む多孔質粒子層をセパレータに適用し、高温に晒されてもセパレータの収縮を防ぐ方法が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照。)
上記特許文献1、2に記載されている方法は、無機粒子を使用することで、セパレータの耐熱性を向上させ、更にバインダ樹脂に含窒素芳香族ポリマーを使用することで更に高い耐熱性を発現することができるとされている。しかしながら、無機粒子とバインダ樹脂とでは相互作用が低く、バインダとしての機能を十分果たしていないのが現状である。そのため、セパレータとしての機械的強度が低く、リチウムデンドライドの発生により、セパレータが破壊され短絡を起こしてしまうという課題がある。
特開2005−276503号公報 特開2007−258160号公報
よって、本発明の目的は、高い耐熱性と膜強度を有する耐熱性多孔質層と、その耐熱性多孔質層をセパレータとして用い、耐ショート性、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.集電体箔に正極活物質層を形成した正極と、集電体箔に負極活物質層を形成した負極との間に介在する耐熱性多孔質層において、該耐熱性多孔質層が、酸化物無機粒子(A)、バインダ樹脂(B)及びチューブ状カーボン(C)を含有し、該チューブ状カーボン(C)が、コイル形状のチューブ状カーボンであることを特徴とする耐熱性多孔質層。
2.前記コイル形状のチューブ状カーボンの直径(短軸)が、500nm以下であることを特徴とする前記1に記載の耐熱性多孔質層。
3.コイル形状のチューブ状カーボンの長さ(長軸)が、10μm以下であることを特徴とする前記1または2に記載の耐熱性多孔質層。
4.電気抵抗値が10Ω/cm以上であることを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の耐熱性多孔質層。
5.前記1から4のいずれか1項に記載の耐熱性多孔質層をセパレータとして有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明により、高い耐熱性と膜強度を有する耐熱性多孔質層と、その耐熱性多孔質層をセパレータとして用い、耐ショート性、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、集電体箔に正極活物質層を形成した正極と、集電体箔に負極活物質層を形成した負極との間に介在する耐熱性多孔質層において、該耐熱性多孔質層が、酸化物無機粒子(A)、バインダ樹脂(B)と共にチューブ状カーボン(C)を含有し、該チューブ状カーボン(C)が、コイル形状のチューブ状カーボンであることを特徴とする耐熱性多孔質層により、高い耐熱性と膜強度を有する耐熱性多孔質層を実現することができ、更にはこの耐熱性多孔質層をリチウムイオン電池のセパレータとして適用することにより、リチウムデンドライド等によるショート性を大幅に改善でき、かつ自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の耐熱性多孔質層及びリチウムイオン二次電池の詳細について説明する。
《耐熱性多孔質層》
本発明の耐熱性多孔質層は、酸化物無機粒子(A)とバインダ樹脂(B)と共に、チューブ状カーボン(C)を含有し、該チューブ状カーボン(C)が、コイル形状のチューブ状カーボンであることを特徴とする。
以下、本発明の耐熱性多孔質層の詳細な構成について説明する。
(A:酸化物無機微粒子)
本発明に係る酸化物無機粒子の組成としては、公知の材質から選択して用いることができるが、具体的には、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ゼオライト、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、ホウ酸アルミニウム、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化カルシウム、四酸化三マンガン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化アンチモン、リン酸アルミニウム、カルシウムシリケート、ジルコニウムシリケート、ITO(Sn(錫)含有酸化インジウム、In)、チタンシリケート、FSM16(メソポーラスシリカ)、MCM41(Mobile Crystalline Material 41、蜂の巣形状メソポーラスシリカ、モービル社製)、モンモリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、アイラライト、マガディアイト、ケニアイト等を挙げることができ、これらの複合酸化物も好ましく用いることができる。上記酸化物無機粒子の中でも、中性〜酸性の酸化物無機粒子が強度の観点で効果的で、例えば、酸化ジルコニウム、モンロリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、リン酸アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、アルミナなどがこれに相当し、本発明において特に好ましい酸化物無機粒子はアルミナ粒子またはシリカ粒子であり、これらは工業的にも容易に入手できる。
本発明に係る物無機粒子については、多孔質性を有することもできる。多孔性酸化物無機粒子とは、粒子表面あるいは内部に無数の微細な空隙部を有している酸化物無機粒子であり、その比表面積は、好ましくは500〜1000m/gである。比表面積が500m/g以上であれば、本発明の耐熱性多孔質層をリチウムイオン二次電池のセパレータに適用した場合、リチウムイオン伝導度が向上する傾向にあり好ましい。また、比表面積が1000m/g以下であれば、耐熱性多孔質層の強度が向上する傾向にあるため好ましい。本発明でいう比表面積は、従来から知られている水銀圧入法やガス吸着法(BET法)により測定することができ、本発明においては、測定方法としてはBET法を好適に利用することができる。BET法とは、粒子表面に吸着占有面積の既知の分子(例えば、N)を液体窒素の温度で吸着させ、その吸着量から試料の比表面積を求める方法である。また、多孔性のもう一つの指標となる細孔径としては、メソ領域に細孔径を有することが好ましい。メソ領域とはケルビンの毛管凝縮理論が適応可能な2〜50nmの領域である。2nmより大きいと固体電解質のイオン伝導度が向上する傾向であり、50nmより小さいと固体電解質の強度が向上する傾向にある。細孔径は、細孔径分布測定装置によりガス吸着法で得た吸脱着等温線のヒステリシスパターンを解析することで算出した細孔分布のメディアン径として求める方法、あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により求めることができる。
酸化物無機粒子としては、例えば、特開平7−133105号公報に記載されているように、多孔性の酸化物無機粒子の表面をシリカ等で被覆した、低屈折率のナノメーターサイズの複合酸化物微粒子、また特開2001−233611号公報に記載されているように、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、内部に空洞を有する低屈折率のナノメーターサイズのシリカ系微粒子等も適している。
本発明に係る酸化物無機粒子の平均粒径は、1nm〜200nmであることが好ましい。平均粒径が1nm以上であれば、本発明の耐熱性多孔質層をリチウムイオン二次電池のセパレータに適用した場合、リチウムイオン伝導度が向上する傾向にあり、平均粒径が200nm以下であれば、耐熱性多孔質層の強度が向上する傾向にあり好ましい。
酸化物無機粒子の平均粒径は、各酸化物無機粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値であり、この値は電子顕微鏡観察により求めることができる。すなわち酸化物無機粒子の電子顕微鏡観察から、一定の視野内にある多孔質無機微粒子の200個以上の直径を測定し、各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。
本発明に係る酸化物無機粒子は、更には、粒子表面をカップリング剤等で表面修飾したものも使用することもでき、表面修飾基は特に限定は無い。
表面修飾の方法としては、アルコキシシラン、クロロシラン、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド等を酸化物無機粒子に直接粉体に噴霧して加熱定着させる乾式法、溶液中に粒子を分散させておき、表面処理剤を添加して表面処理する湿式法とが挙げられるが、より均一に粒子が分散する湿式法が好ましい。例を挙げると、特開2007−264581号公報に記載されているような湿式法で処理した粒子は、高い分散性を備えているため、本発明には好適である。また上記乾式、湿式のいずれにおいても、事前に酸化物無機粒子を熱水処理することで、カップリング反応を促進することもできる。
本発明の耐熱性多孔質層における酸化物無機粒子(A)の含有量は、特に限定はないが、耐熱性多孔質層100質量%に対し、10質量%以上、95質量%以下が好ましく、更に好ましくは50質量%以上、90質量%以下である。10質量%以上であれば、リチウムイオン伝導度が高くなる傾向にあり、95質量%以下であれば、耐熱性多孔質層の機械的強度が高い傾向にある観点から好ましい。
(B:バインダ樹脂)
本発明に係るバインダ樹脂には、電解液に対して安定な樹脂であれば、特にその種類は制限されない。具体的なバインダ樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、セルロース、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などを挙げることができる。
本発明に係るバインダ樹脂の分子量は、GPC測定によるスチレン換算値で、重量平均分子量として5000以上、10000未満が好ましい。5000以上であればポリマーの伸張率が高くなり、耐熱性多孔質層の柔軟性が増し、10000以下であれば、粘度が適度な範囲となり、取り扱い作業性が向上する傾向にある点から好ましい。
本発明の耐熱性多孔質層におけるバインダ樹脂(B)の含有量は、特に限定はないが、耐熱性多孔質層100質量%に対し、1.0質量%以上、80質量%以下が好ましく、更に好ましくは3.0質量%以上、60質量%以下である。1.0質量%以上であれば、耐熱性多孔質層の強度が向上し、80質量%以下であれば、耐熱性多孔質層に含浸される電解液のイオン伝導度が向上する観点から好ましい。
(C:チューブ状カーボン)
チューブ状カーボンとしては、主に、直線形状のチューブ状カーボンとコイル形状のチューブ状カーボンに大別することができる。
本発明の耐熱性多孔質層においては、その中でも、チューブ状カーボンとして、コイル形状のチューブ状カーボンを用いることを特徴とし、具体例としてはカーボンナノコイルを用いることが、耐熱性多孔質層の強度に大きく寄与する観点から好ましい。
本発明に係るコイル形状のチューブ状カーボンであるカーボンナノコイルは、金属性、半導体性、絶縁性のカーボンナノコイル、金属被服カーボンナノコイル、アルカリ処理カーボンナノコイルが使用でき、本発明の耐熱性多孔質層の電気抵抗値を10Ω/cm以上とすることのできるコイル形状のチューブ状カーボンが好ましい。
本発明に係るコイル形状のチューブ状カーボン(例えば、カーボンナノコイル)は、単独、あるいは混合し用いても良い。
本発明に係るコイル形状のチューブ状カーボン(例えば、カーボンナノコイル)は、分子間に強いファンデルワールス力を受け、互いに凝集体を形成する。本発明において、耐熱性多孔質層の強度を得るためには、コイル形状のチューブ状カーボンの表面積が大きい方が良く、この凝集体は、さらに分散されていることが好ましい。そのため、コイル形状のチューブ状カーボンの凝集体を分散させる方法として、有機あるいは非有機の分散剤で分散させる方法があるが、本発明においては、撹拌などの機械的撹拌手段を用いてコイル形状のチューブ状カーボンの凝集体を分散することが好ましい。機械的分散には、例えば、超音波分散、ホモジナイザー分散、ボールミル分散、ニーダー分散、ロールミル分散等が好ましく用いられる。
また、分散溶媒としては、例えば、水、イソプロパノール、アセトン、メタノール、Nメチルピロリドン等の極性溶媒を用いることができる。これらの分散溶媒を用い、上記の機械的分散により、安定な分散液を調製することができる。
本発明に係るコイル形状のチューブ状カーボン(例えば、カーボンナノコイル)は、公知の方法により製造することができる。例えば、レーザー蒸発法、アーク法、CVD法等で製造でき、本発明においては生産速度、純度の観点からCVD法が好ましい。
本発明に係るコイル形状のチューブ状カーボンの直径(短軸)としては、500nm以下であることが好ましく、長さ(長軸)としては、10μm以下であることが好ましい。
本発明の耐熱性多孔質層におけるコイル形状のチューブ状カーボン(C)の含有量は、形成される耐熱性多孔質層の電気抵抗値が10Ω/cm以上を得る条件で用いることが好ましい。特に、絶縁性のコイル形状のチューブ状カーボンを使用する場合、耐熱性多孔質層全質量に対し、0.1質量%以上、80質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5質量%以上、50質量%以下である。0.1質量%以上であれば、耐熱性多孔質層の強度が向上し、80質量%以下であれば、耐熱性多孔質層に電解液が含浸されたときのイオン伝導度が向上する点から好ましい。
(耐熱性多孔質層の形成方法)
次いで、本発明の耐熱性多孔質層の形成方法について説明する。
本発明の耐熱性多孔質層を形成する方法としては、特に限定はないが、湿式塗布方式が好ましい。具体的には、本発明に係る酸化物無機粒子(A)、バインダ樹脂(B)及びコイル形状のチューブ状カーボン(C)と、有機溶媒とを混合し、スラリーを調製して塗布液とした後、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂フィルム上に塗布して乾燥させた後、形成した耐熱性多孔質膜を樹脂フィルムより剥離することで得られる。また、リチウムイオン電池に使用する場合は、集電体金属箔に正極活物質が塗布された正極板、あるいは集電体金属箔に負極活物質が塗布された負極板上に上記スラリーを塗布することにより、電極と一体となったセパレータ層を形成することができる。
上記の方法で用いることのできる有機溶媒としては、酸化物無機粒子(A)を均一に分散できる溶媒、使用するバインダ樹脂(B)を安定的に溶解または分散できる溶媒、コイル形状のチューブ状カーボン(C)を安定に分散できる溶媒であればよく、具体的には、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−ジメチルホルムアルデヒド等を用いることができる。また、上記塗布液あるいは分散液を安定化させるため、各種添加剤を添加しても良い。これらの添加剤は加熱によって除去できる材料であっても、本発明の耐熱性多孔質層をリチウムイオン二次電池に適応したとき、高温下や高電圧下で安定に存在し、電池反応を阻害しない材料であれば、電池内に残存しても良い。
上記塗布液を用い塗布方法としては、所望の厚みに均一に塗布できる方法であれば、その方式は特に限定はない。例えば、スクリーン印刷、バーコーター法、ロールコーター法、リバースコーター法、グラビア印刷法、ドクターブレード法、ダイコーター法等を挙げることができ、塗布する形式も連続塗布、間欠塗布、ストライプ塗布等必要に応じ使い分けることができる。
塗布後の乾燥方法としては、塗布液が含有した有機溶媒を除去することができれば、特に制限が無く、熱風乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロウエーブ乾燥、電子線乾燥、真空乾燥等の各種方式を適宜選択して利用できる。
乾燥温度も特に制限はないが、50〜400℃が好ましく、80℃〜200℃が好ましい。
上記方法により形成される本発明の耐熱性多孔質層を有するセパレータの厚さは、特に限定は無いが、1μm〜200μmが好ましく、5μm〜30μmが好ましい。この範囲であれば、正負極間の短絡を防止することができ、電池特性を向上させることができる。
本発明の耐熱性多孔質層の電気抵抗値は10Ω/cm以上であることを特徴の1つとする。耐熱性多孔質層の電気抵抗値を測定する方法としては、公知の測定方法で良いが、一例を挙げると交流インピーダンス法が用いることができる。具体的には、電気化学アナライザーを用い、0.1V、周波数1Hz〜10MHzにより膜抵抗を求めることができる。電気抵抗値が10Ω/cm未満になると、リチウムイオン二次電池内で自己放電が生じ、充電状態を維持することが難しくなる。
本発明の耐熱性多孔質層を、セパレータとしてリチウムイオン二次電池に利用する場合の、正極活物質、負極活物質、電極合剤、集電体、二次電池の作製方法について記載する。
(正極活物質)
正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、これらの複合体が例示できるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が、特に、エネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
無機系活物質として、例えば、Li0.2MnO、LiMn12、V、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2Mn1/2、Li1.2(Fe0.5Mn0.50.8、Li1.2(Fe0.4Mn0.4Ti0.20.8、Li1+x(Ni0.5Mn0.51−x、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO、Li0.76Mn0.51Ti0.49、LiNi0.8Co0.15Al0.05、Fe、等の金属酸化物、LiFePO、LiCoPO、LiMnPO、LiMPOF(M=Fe、Mn)、LiMn0.875Fe0.125PO、LiFeSiO、Li2−xMSi1−xPxO(M=Fe、Mn)、LiMBO(M=Fe、Mn)などのリン酸、ケイ酸、ホウ酸系が挙げられ、化学式中、xは0〜1の範囲であることが好ましい。更に、FeF、LiFeF、LiTiFなどのフッ素系、LiFeS、TiS、MoS、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物が挙げられる。
有機系活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性イオウ等のイオウ系正極材料、有機ラジカル化合物等が挙げられる。
また、正極活物質の表面には、無機酸化物が被覆されていることが、電池の寿命を延ばす点から好ましい。正極活物質の表面に無機酸化物を被覆する方法としては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、例えば、ハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。
上記正極活物質の表面を被覆する無機酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO、LiTiO等が挙げられ、特に酸化ケイ素が好ましい。
(負極活物質)
負極については特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として、集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって、厚さ3〜5μmのシリコン系薄膜を集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。
リチウム金属負極の場合は、銅箔上に厚さ10〜30μmのリチウム箔を付着させたものが好適である。高容量化の観点からは、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
(電極合剤)
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
上記導電剤は、構成されたリチウムイオン二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよい。通常、天然黒鉛(例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載)などの導電性材料を単独で、あるいは2種以上を混合物として含ませることができる。
その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。前記導電剤の添加量としては、電極合剤全質量に対し1.0〜50質量%が好ましく、2.0〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2.0〜15質量%が特に好ましい。
本発明では、電極合剤を保持するため、結着剤を用いることができる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが挙げられ、その中でも、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
前記結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力、凝集力が弱くなる。多すぎると、電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で、結着剤の添加量は電極合剤全質量に対し1.0〜30質量%が好ましく、2.0〜10質量%がより好ましい。
前記フィラーとしては、本発明のリチウムイオン二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば、特に制限なく用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、電極合剤全質量に対し0〜30質量%が好ましい。
(集電体)
正極及び負極の集電体としては、本発明のリチウムイオン二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
本発明に係る集電体の形状としては、通常、フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面には、表面処理により凹凸構造を付けることも好ましい。
(電解液溶媒)
本発明のリチウムイオン二次電池において、電解液に使用する溶媒は、粘度が低くイオン伝導性を向上したり、または誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などが挙げられる。
この中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
電解液溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものがより好ましく、270℃以上のものが更に好ましい。
(イオン液体)
本発明において、本発明に係るセパレータを適用したリチウムイオン電池は、電解液にイオン液体を含有することができる。
本発明におけるイオン液体とは、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウムから選ばれるオニウムカチオンとアニオンとで形成される化合物であり、0℃以上、200以下の環境下で液体状態を呈する化合物が用いられる。
オニウムカチオンとしてはアンモニウムが好適であり、脂肪族、脂環族、芳香族、複素環の4級アンモニウムカチオンから選ばれ、代表的にはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、チアゾリウム、ピロリウム、ピラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、インドリウム、カルバゾリウム、キノリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、アルキルアンモニウム等が挙げられる。それぞれに置換基を有していてもかまわない。
また、アニオン部はフッ素原子を含有するアニオンが好ましく、代表的なアニオンとしては、イミドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオンが挙げられる。
本発明で好ましいカチオン群としては、例えば、1−ethyl−3−methyl−imidazolium(EMI)、N,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium(DEME)、N−Methyl−N−propyl pyrrolidinium(P13)、N−Methyl−N−propylpiperidinium(PP13)、N−ethyl−N−buthyl pyrrolidinium(P24)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明で好ましいアニオン群としては、例えば、bis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、(fluorosulfonyl)(trifluoromethylsulfonyl)imide(FTI)、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TFSI)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETI)、tetrafluoroborate(BF)、trifluoromethyltrifluoroborate(CFBF)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CFCFBF)、hexafluorophospate(PF)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明において、イオン液体の代表的な例は、上記カチオン群、アニオン群の組み合わせであり、任意の混合率で使用できる。
本発明において、イオン液体の含有量は、特に限定はないが、電解液溶媒中の10質量%以上、100質量%以下が好ましい。
(支持電解質塩)
本発明において、イオン伝導度向上の観点から、支持電解質塩を使用することができる。支持電解質塩としては、任意のものを用いることができるが、好ましくは周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 等が挙げられる。その中でもBF 、PF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、(CFSO、CFSO がより好ましい。
代表的な支持電解質塩としては、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(CFSO、Li(FSO、Li(CFSO)(FSO)N、NaI、NaCFSO、NaClO、NaBF、NaAsF、KCFSO、KSCN、KPF、KClO、KAsFなどが挙げられる。更に好ましくは、上記Li塩である。これらは一種または二種以上を混合してもよい。
電解液中の支持電解質塩の配合量は、5〜40質量%とすることが好ましく、特に10〜30質量%とすることが好ましい。
(二次電池の作製)
ここでは、本発明の耐熱性多孔質層をセパレータとして使用したリチウムイオン二次電池の作製について説明する。本発明のリチウムイオン二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
前記電極合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、電極合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもそれらを組み合わせてもよい。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みはドライ後の圧縮された状態で1〜2000μmが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。
シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、0.05〜3t/cmが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や電極合剤処方により異なる。
本発明の耐熱性多孔質層からなるセパレータは、上記のようにポリエチレンテレフタラート等の樹脂フィルム上に形成し、剥離することでフィルム化し正極板、負極板の間に重ね合わせ手も良いし、正極板および/または負極板それぞれの上に直接塗布形成し、正極を重ね合わせ電池を組んでも良い。
本発明のリチウムイオン二次電池の形態は、特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。
その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《チューブ状カーボン(C)の調製》
下記の方法に従って、チューブ状カーボン(C)として、カーボンナノチューブTube−A、B及びカーボンナノコイルCoilA〜Dを調製した。
〔カーボンナノチューブ(Tube−A)の調製〕
反応管に黒鉛板を入れ、アルゴンガスを流量100sccmで流し続けた。黒鉛板の表面に20V、50Aのアーク放電を1秒行った。黒鉛上に堆積したカーボンナノチューブ(Tube−A)は、平均直径が2nm、平均長さが8μmであった。
〔カーボンナノチューブ(Tube−B)の調製〕
反応管にNi触媒を混合した黒鉛板を入れ、アルゴンガスを流量150sccmで流し続けた。黒鉛板の表面に35V、60Aのアーク放電を0.5秒行った。黒鉛上に堆積したカーボンナノチューブ(Tube−B)は、平均直径が3nm、平均長さが12μmであった。
〔カーボンナノコイル(Coil−A)の調製〕
管状炉内に外形20mmの石英管を設置し、その石英管内を反応場として利用した。基盤としては、5nmのZnOをあらかじめ表面に蒸着したシリコンウエハを利用した。反応管を750℃に加熱し、ヘリウムガス下でエチレンガスを流量70sccmで10分間流し続けて、カーボンナノコイル(Coil−A)を調製した。生成したカーボンナノコイル(Coil−A)は、コイル平均直径が700nm、コイル平均長さが14μmであった。
〔カーボンナノコイル(Coil−B)の調製〕
カーボンナノコイル(Coil−A)の調製に用いたのと同様の反応場を利用した。基盤には3nmのNiをあらかじめ表面に蒸着したシリコンウエハを利用した。反応管を800℃に加熱し、ヘリウムガス下でエチレンガスを流量80sccmで8分間流し続けて、カーボンナノコイル(Coil−B)を調製した。生成したカーボンナノコイル(Coil−B)は、コイル平均直径が450nm、コイル平均長さが13μmであった。
(カーボンナノコイル(Coil−C)の合成)
カーボンナノコイル(Coil−A)の調製に用いたのと同様の反応場を利用した。基盤には7nmのZnをあらかじめ表面に蒸着したシリコンウエハを利用した。反応管を700℃に加熱し、ヘリウムガス下でエチレンガスを流量80sccmで7分間流し続けて、カーボンナノコイル(Coil−C)を調製した。生成したカーボンナノコイル(Coil−C)は、コイル平均直径が800nm、コイル平均長さが9μmであった。
(カーボンナノコイル(Coil−D)の合成)
カーボンナノコイル(Coil−A)の調製に用いたのと同様の反応場を利用した。基盤には5nmのNiをあらかじめ表面に蒸着したシリコンウエハを利用した。反応管を800℃に加熱し、ヘリウムガス下でエチレンガスを流量70sccmで15分間流し続け、カーボンナノコイル(Coil−D)を調製した。生成したカーボンナノコイル(Coil−D)は、コイル平均直径が480nm、コイル平均長さが8μmであった。
なお、上記に記載の平均直径および平均長さは、それぞれ走査型電子顕微鏡により200個以上のカーボンナノチューブ粒子あるいはカーボンナノコイル粒子を観察し、各粒子の球換算粒径の平均値を求めることにより得た。
《酸化物無機粒子(A)の準備》
酸化物無機粒子(A)として、下記のものを準備した。
Alu−C:日本アエロジル社製 非多孔質アルミナ 平均粒径13nm
A200:日本アエロジル社製 シリカ 平均粒径10nm
《バインダ樹脂(B)の準備》
バインダ樹脂(B)は、下記の樹脂を準備した。
Solef1013:Solvay社製 ポリフッ化ビニリデン樹脂
P1010:宇部興産社製 ポリアミド樹脂
《耐熱性多孔質層フィルムの作製》
上記準備したチューブ状カーボン(C)、酸化物無機微粒子(A)、バインダ樹脂(B)を、表1の組み合わせ及び配合比率(質量比)にて混合した。さらに、N−メチルピロリドンを30g加え、ホモジナイザーで5000rpm、30分間分散混合し、さらにN−メチルピロリドン50gを加えて、不揮発分比率が20質量%のセパレータ形成用の各耐熱性多孔質層塗布液を調製した。各耐熱性多孔質層塗布液について、厚さ100μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(PET)上に、ベーカー式アプリケーターを用いて塗布し、90℃で3分乾燥し、次いで120℃で10分乾燥した。乾燥した後、PETフィルムから耐熱性多孔質層を剥離し、厚さ10μmの耐熱性多孔質層フィルムを得た。同様にして、チューブ状カーボン(C)を含有しない比較用の耐熱性多孔質層フィルム13、18を含め、耐熱性多孔質層フィルム1〜18を作製した。
《耐熱性多孔質層フィルムの電気抵抗値の測定》
各耐熱性多孔質層フィルムについて、電気化学アナライザーを用い、0.1V、周波数1Hz〜10MHzの周波数変化によりインピーダンス測定を行い、得られたナイキストプロットよりフィルムの電気抵抗値(Ω/cm)を求めた。
《耐熱性多孔質層フィルムの評価》
上記作製した各耐熱性多孔質層フィルムについて、下記の方法に従って突刺強度の測定を行った。
〔突刺強度の測定〕
各耐熱性多孔質層フィルムについて、圧縮試験器(カトーテック社製KES−G5)を用いて、針径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針で、突刺速度2mm/sで突刺試験を行い、最大突刺加重(g)を突刺強度とした。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2012022872
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなり、電気抵抗値が10Ω/cm以上である耐熱性多孔質フィルムは、比較例に対し、電気的抵抗を維持したまま、高い機械的強度(突刺強度)を有していることが分かる。
実施例2
《リチウムイオン二次電池の作製》
〔正極シートの作製〕
N−メチルピロリドン50gに、正極活物質としてLiCoOを43g、鱗片状黒鉛を2.0g、アセチレンブラックを2.0g、更に結着剤としてPVDF(ポリビニリデンジフルオリド)を3.0g加え、混練して得られたスラリーを、厚さが20μmのアルミニウム箔上に、エクストルージョン式塗布機を用いて塗設し、形成した塗膜を乾燥した後、カレンダープレス機により圧縮成形し、次いで端部にアルミニウム製のリード板を溶接して、厚さ95μm、幅54mm、長さ49mmの正極シートを作製し、最後に、露点−40℃以下の乾燥空気中で、230℃で30分乾燥した。
〔負極シートの作製〕
水50gに、負極活物質としてハードカーボンを45g、結着剤としてBM−400B(日本ゼオン社製 変性スチレンブタジエンゴムを40質量%含む水分散液)を4.0g、さらに粘度調整剤としてカルボキシメチルセルロースを1.0g加え、混練して得られたスラリーを、厚さ20μmの銅箔上に、エクストルージョン式塗布機を用いて塗設し、形成した塗膜を乾燥した後、カレンダープレス機により圧縮成形し、次いで端部にニッケル製のリード板を溶接して、厚さ100μm、幅55mm、長さ50mmの負極シートを作製し、最後に、露点−40℃以下の乾燥空気中150℃で30分乾燥した。
〔セパレータ層の形成〕
上記作製した負極シート上に、実施例1で作製した耐熱性多孔質層フィルム1〜18の形成に用いた各耐熱性多孔質層塗布液を、ベーカー式アプリケーターを用いて塗布し、90℃で3分間乾燥した後、さらに120℃で10分間乾燥して、セパレータ層を有する負極シート1〜18を作製した。形成したセパレータ層はそれぞれ厚さ10μmであり、最後に、露点−40℃以下の乾燥空気中で、150℃で30分間再度乾燥した。
〔ラミネート電池の作製〕
露点−40℃以下の乾燥空気中で、上記作製した正極シートと、各セパレータ層形成済みの負極シートとを、それぞれ重ね合わせ、減圧下で、80℃、3時間加熱して、電極積層体1〜18を形成した。その後、3縁をヒートシールしたポリエチレン(50μm)−アルミ蒸着済みポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムよりなる外装材に、各電極積層体を入れ、電解液としてキシダ化学社製のLBG−94923(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7、LiPF 1.3mol/L)を注入した。注入後、最後の1縁を真空下でヒートシールして密閉することにより、ラミネート電池であるリチウムイオン二次電池1〜18を作製した。
《リチウムイオン二次電池の評価》
上記作製したリチウムイオン二次電池1〜18について、下記の方法に従って、リチウムイオン二次電池としての耐ショート性及び自己放電性の評価を行った。
〔耐ショート性の評価〕
上記各リチウムイオン二次電池をそれぞれ100個準備し、20℃環境下にて300mAの定電流で2Vから4.3Vまで充電した。その後、各リチウムイオン二次電池を60℃環境下で20日間放置し、再び電池電圧を計測した。60℃環境に放置後の電池電圧の低下巾が0.5V以上発現した電池は、ショート電池と判定し、100個のリチウムイオン二次電池のうち、ショート電池として判定された個数を計測し、ショート発生率を求め、これを耐ショート性の尺度とした。
〔自己放電性の評価〕
上記作製した各得られたリチウムイオン二次電池に、計測器センター社製の充放電測定装置を用いて、300mAの定電流で電圧2Vから4.2Vまで充電した。次いで、25℃の環境下で100日間放置し、放置した後の電圧を測定した。放置後電圧が4.1V以上であれば自己放電特性に優れていると判定した。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2012022872
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の耐熱性多孔質層をセパレータとして使用したリチウムイオン二次電池は、比較例に対し、耐ショート性及び自己放電特性に優れていることが分かる。

Claims (5)

  1. 集電体箔に正極活物質層を形成した正極と、集電体箔に負極活物質層を形成した負極との間に介在する耐熱性多孔質層において、該耐熱性多孔質層が、酸化物無機粒子(A)、バインダ樹脂(B)及びチューブ状カーボン(C)を含有し、該チューブ状カーボン(C)が、コイル形状のチューブ状カーボンであることを特徴とする耐熱性多孔質層。
  2. 前記コイル形状のチューブ状カーボンの直径(短軸)が、500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性多孔質層。
  3. コイル形状のチューブ状カーボンの長さ(長軸)が、10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐熱性多孔質層。
  4. 電気抵抗値が10Ω/cm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の耐熱性多孔質層。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の耐熱性多孔質層をセパレータとして有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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