JP2012021443A - エンジン - Google Patents

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敦仁 岩瀬
Tomohiro Fukuda
智宏 福田
Hideo Shiomi
秀雄 塩見
Shunsuke Mori
俊介 森
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Abstract

【課題】過渡状態であるか否かを正確に判断することができるエンジンを提供する。
【解決手段】燃料を噴射する燃料噴射装置としてのコモンレール燃料噴射装置3と、エンジン回転数Nを検知する回転数センサ71と、コモンレール燃料噴射装置3及び回転数センサ71が接続されるコントローラ7と、を備えるエンジン1において、コントローラ7は、エンジン回転数Nとコモンレール燃料噴射装置3の燃料噴射量Qとの関係を規定する制御マップ73に基づいてエンジン回転数Nに応じた燃料噴射量Qを算出し、燃料噴射量Qの単位時間当たりの増加量として噴射量偏差ΔQnを算出し、噴射量偏差ΔQnが基準噴射量偏差としての基準過渡噴射量偏差A2を上回る場合に、過渡状態であると判断するものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンに関し、特に、燃料を噴射する燃料噴射装置と、エンジン回転数を検知する回転数センサと、前記燃料噴射装置及び回転数センサが接続されるコントローラと、を備えるエンジンに関する。
ディーゼルエンジン等のエンジンにおいては、エンジン回転数の変化に基づいて過渡状態であるか否かを判断する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。該技術においては、エンジン回転数の増加量が所定の基準値を超えた場合には、加速による過渡状態であると判断し、エンジン回転数の低下量が所定の基準値を超えた場合には、負荷投入による過渡状態であると判断する、という制御構成が備えられている。
特開2009−41492号公報
しかしながら、前記技術のように、エンジン回転数の変化に基づいて過渡状態であるか否かを判断する場合には、次のような問題があった。
すなわち、緩慢な加速や負荷投入による過渡状態である場合には、エンジン回転数の変化量が小さいため、定常状態におけるエンジン回転数の変動と区別がつき難くい。また、加速と負荷投入とが同時に発生した過渡状態である場合には、加速によるエンジン回転数の増加と負荷投入によるエンジン回転数の低下とが相殺することにより、エンジン回転数が殆ど変化しない。
従って、緩慢な加速や負荷投入による過渡状態である場合、加速と負荷投入とが同時に発生した過渡状態である場合には、過渡状態であるか否かを正確に判断することができない。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、過渡状態であるか否かを正確に判断することができるエンジンを提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、燃料を噴射する燃料噴射装置と、エンジン回転数を検知する回転数センサと、前記燃料噴射装置及び回転数センサが接続されるコントローラと、を備えるエンジンにおいて、前記コントローラは、前記エンジン回転数と前記燃料噴射装置の燃料噴射量との関係を規定する制御マップに基づいて前記エンジン回転数に応じた前記燃料噴射量を算出し、該燃料噴射量の単位時間当たりの増加量として噴射量偏差を算出し、該噴射量偏差が所定の基準噴射量偏差を上回る場合に、過渡状態であると判断するものである。
請求項2においては、前記コントローラは、前記噴射量偏差が前記基準噴射量偏差を上回った回数が、所定の基準回数以上の場合に、過渡状態であると判断するものである。
請求項3においては、前記コントローラは、前記基準回数を前記噴射量偏差の大小に応じて複数設定可能とし、前記噴射量偏差が大きいほど前記基準回数を少なくするものである。
請求項4においては、前記コントローラは、第一の基準回数と、該第一の基準回数よりも少ない第二の基準回数とで、前記複数の基準回数を構成するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、緩慢な加速や負荷投入による過渡状態の場合、加速と負荷投入とが同時に発生した過渡状態の場合でも、加速や負荷投入に伴って増加する燃料噴射量の変化から過渡状態であるか否かを正確に判断することができる。
請求項2においては、定常状態において燃料噴射量が偶然に増加した場合に、誤って過渡状態であると判断することがなく、過渡状態であるか否かを正確に判断することができる。
請求項3においては、噴射量偏差が大きい場合、つまり、加速や負荷投入速度が速い場合には、基準回数が少ないことから過渡状態であるとの判断を早期にすることができると共に、噴射量偏差が小さい場合、つまり、加速や負荷投入速度が遅い場合には、基準回数が多いことから過渡状態であるとの判断をより正確にすることができる。
請求項4においては、二つの基準回数に基づいて過渡状態であるか否かを判断することにより、噴射量偏差が大きい場合、つまり、加速や負荷投入速度が速い場合と、噴射量偏差が小さい場合、つまり、加速や負荷投入速度が遅い場合とに応じて、過渡状態であるか否かを適切に判断することができる。
本発明の第一実施形態に係るエンジンの全体構成を示すブロック図。 エンジン回転数とコモンレール燃料噴射装置の燃料噴射量との関係を規定する制御マップを示す図。 EGR制御の制御手順を示すフロー図。 本発明の第一実施形態に係る回転数過渡判定の制御手順を示すフロー図。 本発明の第一実施形態に係る噴射量過渡判定の制御手順を示すフロー図。 回転数解消判定の制御手順を示すフロー図。 噴射量解消判定の制御手順を示すフロー図。 本発明の第二実施形態に係る回転数過渡判定の制御手順を示すフロー図。 本発明の第二実施形態に係る噴射量過渡判定の制御手順を示すフロー図。
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
先ず、本発明の第一実施形態に係るエンジン1の全体構成について、図1及び図2により説明する。
図1に示すように、エンジン1は、直列四気筒型ディーゼルエンジン等のエンジン本体2、燃料噴射装置としてのコモンレール燃料噴射装置3、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation、以下「EGR」という。)装置4、排気タービン式過給機(ターボチャージャー)等の過給機5、排気浄化装置6等から構成される。
このうちのエンジン本体2においては、シリンダヘッド21がシリンダブロック22の上面に固定される。シリンダブロック22には、クランク軸24が回転可能に軸支されると共に、クランク軸24の軸方向に沿って四つのシリンダ23・23・・・が等間隔で形成される。また、シリンダヘッド21の一側には、図示せぬ吸気マニホールドを介して吸気管25が接続される一方、シリンダヘッド21の他側には、図示せぬ排気マニホールドを介して排気管26が接続される。
そして、排気管26の排気出口側には、図示せぬ酸化触媒担体(DOC)やフィルタ担体(DPF)等を備える排気浄化装置6が設けられる。排気浄化装置6では、DOCによって排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び有機可溶成分(SOF)が酸化されると共に、DPFによって排気ガス中のPMが捕集・酸化されて、排気ガスが浄化される。
更に、クランク軸24近傍には、クランク軸24の回転数を検知する回転数センサ71が設けられ、回転数センサ71とコントローラ7とが接続されており、検知されたクランク軸24の回転数が、エンジン回転数Nとしてコントローラ7に入力される。
コモンレール燃料噴射装置3は、燃料を高圧にする図示せぬサプライポンプ、該サプライポンプで高圧にされた燃料を蓄えるコモンレール31、コモンレール31内の高圧燃料をシリンダ23・23・・・内に噴射するインジェクタ32・32・・・等から構成される。このうちのインジェクタ32・32・・・とコントローラ7とが接続されており、コントローラ7からの信号により、インジェクタ32・32・・・から燃料が噴射される。
過給機5においては、吸気管25及び排気管26と連通するハウジング51内に、回転軸52が回転可能に軸支され、回転軸52上の排気管26側には、タービン53が固定される一方、回転軸52上の吸気管25側には、コンプレッサ54が固定される。
このような構成により、排気管26内を流れる排気ガスのエネルギーによってタービン53が回転すると、回転軸52を介してタービン53と共に回転するコンプレッサ54によって吸気が圧縮されて、圧縮された吸気がシリンダ23・23・・・内に送り込まれることにより、シリンダ23・23・・・内の吸気充填効率が向上して、エンジン1の出力を増大させることができる。
更に、コンプレッサ54の吸気下流側における吸気管25には、コンプレッサ54によって圧縮された吸気の圧力(以下「過給圧」という。)を検知する過給圧センサ72が設けられ、過給圧センサ72とコントローラ7とが接続されており、検知された過給圧が過給機5の過給圧Pとしてコントローラ7に入力される。
EGR装置4は、吸気に再循環される排気ガスが流れるEGR管41、EGR管41内の排気ガスを冷却するEGRクーラ42、EGR管41を開閉するEGR弁43等から構成される。このうちのEGR弁43とコントローラ7とが接続されており、コントローラ7からの信号により、EGR弁43が所定の開度で開閉される。
このような構成により、EGR弁43の開度に応じた量の排気ガスが、EGR管41によってエンジン本体2の図示せぬ燃焼室内に送り込まれ、低酸素雰囲気により該燃焼室内の燃焼温度が低下するため、高温燃焼により発生するNOxの排出量を低減することができる。
ここで、エンジン1では、エンジン回転数が安定している定常状態の場合には、EGR弁43を所定の開度で開いて排気ガスを吸気に再循環させる一方、加速や負荷投入による過渡状態の場合には、PMの排出量を抑制するべく、EGR弁43を閉じて排気ガスを吸気に再循環させない制御(以下「EGR制御」という。)が行われる。
そして、EGR弁43を閉じるか否かの判断は、エンジン回転数N、コモンレール燃料噴射装置3の燃料噴射量Q、過給圧P、EGR弁43が閉じられてから経過した時間(以下「経過時間」という。)Tを基にして行われる。なお、経過時間Tは、コントローラ7が有する図示せぬタイマーによって計測される。
コントローラ7は、図示せぬ中央処理装置、記憶装置74等から構成され、このうち記憶装置74には、エンジン回転数Nとコモンレール燃料噴射装置3の燃料噴射量Qとの関係を規定する制御マップ73(図2参照)が記憶されており、エンジン回転数Nに応じた燃料噴射量Qが制御マップ73に基づいて所定時間毎に算出される。更に、記憶装置74には、所定時間毎に検知されたエンジン回転数N及び所定時間毎に算出された燃料噴射量Qが、一時的に保存(以下「バッファリング」という。)される。
ここで、記憶装置74にバッファリングされているエンジン回転数Nのうち、直近に検知されたエンジン回転数(以下「直近回転数」という。)をNn、直近回転数Nnの一回前に検知されたエンジン回転数(以下「前回回転数」)をNn−1、前回回転数Nn−1から直近回転数Nnを引いて算出された値(以下「回転数偏差」という。)をΔNn(=Nn−1−Nn)、エンジン1の目標とする回転数(以下「目標回転数」という。)をNset、目標回転数Nsetから直近回転数Nnを引いて算出された値(以下「目標回転数偏差」という。)をΔNset(=Nset−Nn)で表すものとする。なお、前回回転数Nn−1に代えて、直近回転数Nnの任意前に検知されたエンジン回転数を用いて、回転数偏差ΔNnを算出してもよい。
また、記憶装置74にバッファリングされている燃料噴射量Qのうち、直近回転数Nnに応じた燃料噴射量(以下「直近噴射量」という。)をQn、前回回転数Nn−1に応じた燃料噴射量(以下「前回噴射量」という。)をQn−1、直近噴射量Qnから前回噴射量Qn−1を引いて算出された値(以下「噴射量偏差」という。)をΔQn(=Qn−Qn−1)で表すものとする。なお、前回噴射量Qn−1に代えて、直近回転数Nnの任意前に検知されたエンジン回転数に応じた燃料噴射量を用いて、噴射量偏差ΔQnを算出してもよい。
なお、コントローラ7には、エンジン回転数N及び燃料噴射量Qに係るデータがエンジン1(クランク軸24)一回転毎に所定回数更新されるように、エンジン回転数毎にバッファリング周期が設定される。
次に、EGR制御を行う場合の基準値について説明する。
直近回転数Nnに関する基準値には、エンジン1が目標の回転数を達成しているか否かを判断するための目標回転数Nsetがあり、目標回転数Nsetは、予め設定される。
回転数偏差ΔNnに関する基準値には、エンジン回転数Nが低下傾向にあるか否かを判断するための回転数偏差(以下「基準過渡回転数偏差」という。)A1があり、基準過渡回転数偏差A1は、予め設定される。そして、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1を上回った回数(以下「過渡回転数偏差カウント数」という。)Xnが、コントローラ7が有する図示せぬカウンターによって計測される。
過渡回転数偏差カウント数Xnに関する基準値には、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できたか否かを判断するための回数(以下「基準過渡回転数偏差カウント数」という。)X1があり、基準過渡回転数偏差カウント数X1は、予め設定される。
また、目標回転数偏差ΔNsetに関する基準値には、エンジン回転数Nが目標回転数Nsetを達成しているか否かを判断するための回転数偏差(以下「基準解消回転数偏差」という。)B1があり、基準解消回転数偏差B1は、予め設定される。そして、目標回転数偏差ΔNsetが基準解消回転数偏差B1を下回った回数(以下「解消回転数偏差カウント数」という。)Ynが、コントローラ7が有する図示せぬカウンターによって計測される。
解消回転数偏差カウント数Ynに関する基準値には、エンジン回転数Nが目標回転数Nsetを達成していることを連続して確認できたか否かを判断するための回数(以下「基準解消回転数偏差カウント数」という。)Y1があり、基準解消回転数偏差カウント数Y1は、予め設定される。
また、噴射量偏差ΔQnに関する基準値には、燃料噴射量Qが増加傾向にあるか否かを判断するための噴射量偏差(以下「基準過渡噴射量偏差」という。)A2があり、基準過渡噴射量偏差A2は、予め設定される。そして、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2を上回った回数(以下「過渡噴射量偏差カウント数」という。)Xqが、コントローラ7が有する図示せぬカウンターによって計測される。
過渡噴射量偏差カウント数Xqに関する基準値には、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できたか否かを判断するための回数(以下「基準過渡噴射量偏差カウント数」という。)X2があり、基準過渡噴射量偏差カウント数X2は、予め設定される。
また、噴射量偏差ΔQnに関する基準値には、燃料噴射量Qが低下傾向にあるか否かを判断するための噴射量偏差(以下「基準解消噴射量偏差」という。)B2があり、基準解消噴射量偏差B2は、予め設定される。
過給圧Pに関する基準値には、過給機5による過給が十分であるか否かを判断するための過給圧(以下「基準過給圧」という。)Pcがあり、基準過給圧Pcには、定常状態における過給圧(以下「定常時過給圧」という。)Psに、一定の比率(以下「解除比率」という。)αを掛けて算出された過給圧が設定される。
そして、噴射量偏差ΔQnが基準解消噴射量偏差B2を下回り、かつ、過給圧Pが基準過給圧Pc以上となった回数(以下「解消噴射量偏差カウント数」という。)Yqが、コントローラ7が有する図示せぬカウンターによって計測される。
解消噴射量偏差カウント数Yqに関する基準値には、燃料噴射量Qが低下傾向にあること及び過給機5による過給が十分であることを連続して確認できたか否かを判断するための回数(以下「基準解消噴射量偏差カウント数」という。)Y2があり、基準解消噴射量偏差カウント数Y2は、予め設定される。
また、経過時間Tに関する基準値には、EGR弁43を開くか否かを判断するための時間(以下「基準時間」という。)Tcがあり、基準時間Tcは、予め設定される。
以上のような、目標回転数Nset、基準過渡回転数偏差A1、基準過渡回転数偏差カウント数X1、基準解消回転数偏差B1、基準解消回転数偏差カウント数Y1、基準過渡噴射量偏差A2、基準過渡噴射量偏差カウント数X2、基準解消噴射量偏差B2、基準解消噴射量偏差カウント数Y2、基準過給圧Pc、及び基準時間Tcは、記憶装置74に記憶されている。更に、記憶装置74には、後述する制御手順に従ってEGR制御を行うための制御プログラム等も記憶されている。
次に、EGR制御の制御手順について、図3から図7により説明する。
図3に示すように、エンジン1が始動されると(ステップS1、YES)、コントローラ7からの信号によりEGR弁43が所定の開度で開かれて(ステップS2)、排気ガスが吸気に再循環される。
すると、エンジン回転数Nの変化に基づいて過渡状態であるか否かを判断する判定(以下「回転数過渡判定」という。)(ステップS3)と、燃料噴射量Qの変化に基づいて過渡状態であるか否かを判断する判定(以下「噴射量過渡判定」という。)(ステップS4)とが行われ、該回転数過渡判定と噴射量過渡判定とのうち、少なくとも一方の判定で判定成立となったか否かが判断される(ステップS5)。なお、これら回転数過渡判定及び噴射量過渡判定については、詳しくは後述する。
そして、前記ステップS5において、回転数過渡判定(ステップS3)と噴射量過渡判定(ステップS4)との両方の判定で判定不成立となった場合は(ステップS5、NO)、エンジン1の運転中は(ステップS13、NO)、回転数過渡判定(ステップS3)と噴射量過渡判定(ステップS4)とのうち、少なくとも一方の判定で判定成立となるまで、ステップS3〜5の手順が繰り返される。
一方、前記ステップS5において、回転数過渡判定(ステップS3)と噴射量過渡判定(ステップS4)とのうち、少なくとも一方の判定で判定成立となった場合(ステップS5、YES)、つまり、少なくとも一方の判定で過渡状態であるとの判断である場合は、コントローラ7からの信号によりEGR弁43が閉じられて(ステップS6)、吸気への排気ガスの再循環が一時的に停止される。
すると、コントローラ7のタイマーにより、経過時間Tのタイムカウントが開始され(ステップS7)、エンジン回転数Nの変化に基づいて過渡状態が解消したか否かを判断する判定(以下「回転数解消判定」という。)(ステップS8)と、燃料噴射量Qの変化に基づいて過渡状態が解消したか否かを判断する判定(以下「噴射量解消判定」という。)(ステップS9)とが行われ、該回転数解消判定と噴射量解消判定との両方の判定で判定成立となったか否かが判断される(ステップS10)。なお、これら回転数解消判定及び噴射量解消判定については、詳しくは後述する。
そして、前記ステップS10において、前記回転数解消判定(ステップS8)と噴射量解消判定(ステップS9)との両方の判定で判定成立となった場合(ステップS10、YES)、つまり、両方の判定で過渡状態が解消したとの判断である場合は、コントローラ7からの信号によりEGR弁43が所定の開度で開かれて(ステップS12)、吸気への排気ガスの再循環が再開され、その後は、エンジン1の運転中は(ステップS13、NO)、ステップS3以降の手順が繰り返される。
一方、前記ステップS10において、前記回転数解消判定(ステップS8)と噴射量解消判定(ステップS9)とのうち、少なくとも一方の判定で判定不成立となった場合は(ステップS10、NO)、経過時間Tが基準時間Tcを経過しているか否かが判断される(ステップS11)。
そして、経過時間Tが基準時間Tcよりも長い場合は(ステップS11、YES)、コントローラ7からの信号によりEGR弁43が所定の開度で開かれて(ステップS12)、吸気への排気ガスの再循環が再開され、その後は、エンジン1の運転中は(ステップS13、NO)、ステップS3以降の手順が繰り返される。
一方、経過時間Tが基準時間Tc以下の場合は(ステップS11、NO)、EGR弁43が開かれることなく、ステップS8以降の手順が繰り返される。
また、図4に示すように、前記回転数過渡判定が開始されると、所定時間毎に検知された回転数信号が随時読み込まれ(ステップS21)、直近回転数Nnが目標回転数Nsetより大きいか否かが判断される(ステップS22)。
そして、直近回転数Nnが目標回転数Nset以下の場合は(ステップS22、NO)、目標の回転数を達成していないと判断され、引き続き、回転数偏差ΔNnが算出され(ステップS23)、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1より大きいか否かが判断される(ステップS24)。なお、回転数偏差ΔNnは、前述の通り、前回回転数Nn−1から直近回転数Nnを引いて算出した値(=Nn−1−Nn)である。
そして、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1を上回る場合は(ステップS24、YES)、エンジン回転数Nが低下傾向にあると判断され、過渡回転数偏差カウント数Xnに対して1増やす(以下「カウントインクリメント」という。)処理が行われる(ステップS25)。すると、カウントインクリメント後の過渡回転数偏差カウント数Xnがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS27)、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X1以上か否かが判断される(ステップS28)。
そして、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X1以上の場合は(ステップS28、YES)、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態であると判断される(ステップS29)。
一方、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X1を下回る場合は(ステップS28、NO)、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS30)。
なお、直近回転数Nnが目標回転数Nsetを上回る場合(ステップS22、YES)は、目標の回転数を達成していると判断され、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1以下の場合は(ステップS24、NO)、エンジン回転数が低下傾向にないと判断され、何れの場合も過渡回転数偏差カウント数Xnに対してゼロの状態に戻す(以下「カウントクリア」という。)処理が行われた上で(ステップS26)、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS30)。
また、図5に示すように、前記噴射量過渡判定が開始されると、所定時間毎に検知された回転数信号が随時読み込まれる(ステップS41)。すると、エンジン回転数Nに応じた燃料噴射量Qが制御マップ73に基づいて所定時間毎に算出され(ステップS42)、引き続き、噴射量偏差ΔQnが算出され(ステップS43)、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2より大きいか否かが判断される(ステップS44)。なお、噴射量偏差ΔQnは、前述の通り、直近噴射量Qnから前回噴射量Qn−1を引いて算出した値(Qn−Qn−1)である。
そして、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2を上回る場合は(ステップS44、YES)、燃料噴射量Qが増加傾向にあると判断され、過渡噴射量偏差カウント数Xqに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS45)。すると、カウントインクリメント後の過渡噴射量偏差カウント数Xpがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS47)、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X2以上か否かが判断される(ステップS48)。
そして、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X2以上の場合は(ステップS48、YES)、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態であると判断される(ステップS49)。
一方、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X2を下回る場合は(ステップS48、NO)、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できないと判断され、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS50)。
なお、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2以下の場合は(ステップS44、NO)、燃料噴射量Qが増加傾向にないと判断され、過渡噴射量偏差カウント数Xqに対してカウントクリア処理が行われた上で(ステップS46)、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS50)。
また、図6に示すように、前記回転数解消判定が開始されると、所定時間毎に検知された回転数信号が随時読み込まれ(ステップS61)、引き続き、目標回転数偏差ΔNsetが算出され(ステップS62)、目標回転数偏差ΔNsetが基準解消回転数偏差B1より小さいか否かが判断される(ステップS63)。なお、目標回転数偏差ΔNsetは、前述の通り、目標回転数Nsetから直近回転数Nnを引いて算出した値(=Nset−Nn)である。
そして、目標回転数偏差ΔNsetが基準解消回転数偏差B1を下回る場合は(ステップS63、YES)、エンジン回転数Nが目標回転数Nsetを達成していると判断され、解消回転数偏差カウント数Ynに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS64)。すると、カウントインクリメント後の解消回転数偏差カウント数Ynがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS66)、解消回転数偏差カウント数Ynが基準解消回転数偏差カウント数Y1以上か否かが判断される(ステップS67)。
そして、解消回転数偏差カウント数Ynが基準解消回転数偏差カウント数Y1以上の場合は(ステップS67、YES)、エンジン回転数Nが目標回転数Nsetを達成していることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態が解消したと判断される(ステップS68)。
一方、解消回転数偏差カウント数Ynが基準解消回転数偏差カウント数Y1を下回る場合は(ステップS67、NO)、エンジン回転数Nが目標回転数Nsetを達成していることを連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態が解消していないと判断される(ステップS69)。
なお、目標回転数偏差ΔNsetが基準解消回転数偏差B1以上の場合は(ステップS63、NO)、エンジン回転数Nが目標回転数Nsetを達成していないと判断され、解消回転数偏差カウント数Ynに対してカウントクリア処理が行われた上で(ステップS65)、判定不成立、つまり、過渡状態が解消していないと判断される(ステップS69)。
また、図7に示すように、前記噴射量解消判定が開始されると、所定時間毎に検知された回転数信号が随時読み込まれる(ステップS81)。すると、エンジン回転数Nに応じた燃料噴射量Qが制御マップ73に基づいて所定時間毎に算出され(ステップS82)、引き続き、噴射量偏差ΔQnが算出され(ステップS83)、噴射量偏差ΔQnが基準解消噴射量偏差B2より小さいか否かが判断される(ステップS84)。なお、噴射量偏差ΔQnは、前述の通り、直近噴射量Qnから前回噴射量Qn−1を引いて算出した値(Qn−Qn−1)である。
そして、噴射量偏差ΔQnが基準解消噴射量偏差B2を下回る場合は(ステップS84、YES)、燃料噴射量Qが低下傾向にあると判断され、引き続き、過給圧Pが読み込まれ(ステップS85)、過給圧Pが基準過給圧Pc以上か否かが判断される(ステップS86)。なお、基準過給圧Pcは、前述の通り、定常時過給圧Psに解除比率αを掛けて算出した値(Ps×α)である。
そして、過給圧Pが基準過給圧Pc以上の場合は(ステップS86、YES)、過給機5による過給が十分であると判断され、解消噴射量偏差カウント数Yqに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS87)。すると、カウントインクリメント後の解消噴射量偏差カウント数Yqがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS89)、解消噴射量偏差カウント数Yqが基準解消噴射量偏差カウント数Y2以上であるか否かが判断される(ステップS90)。
そして、解消噴射量偏差カウント数Yqが基準解消噴射量偏差カウント数Y2以上の場合は(ステップS90、YES)、燃料噴射量Qが低下傾向にあること及び過給機5による過給が十分であることが連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態が解消したと判断される(ステップS91)。
一方、解消噴射量偏差カウント数Yqが基準解消噴射量偏差カウント数Y2を下回る場合は(ステップS90、NO)、燃料噴射量Qが低下傾向にあること及び過給機5による過給が十分であることが連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態が解消していないと判断される(ステップS92)。
なお、噴射量偏差ΔQnが基準解消噴射量偏差B2以上の場合(ステップS84、NO)は、燃料噴射量Qが低下傾向にないと判断され、過給圧Pが基準過給圧Pcを下回る場合は(ステップS86、NO)、過給機5による過給が十分でないと判断され、何れの場合も解消噴射量偏差カウント数Yqに対してカウントクリア処理が行われた上で(ステップS88)、判定不成立となる(ステップS92)。
以上のように、燃料を噴射する燃料噴射装置としてのコモンレール燃料噴射装置3と、エンジン回転数Nを検知する回転数センサ71と、コモンレール燃料噴射装置3及び回転数センサ71が接続されるコントローラ7と、を備えるエンジン1において、コントローラ7は、エンジン回転数Nとコモンレール燃料噴射装置3の燃料噴射量Qとの関係を規定する制御マップ73に基づいてエンジン回転数Nに応じた燃料噴射量Qを算出し、燃料噴射量Qの単位時間当たりの増加量として噴射量偏差ΔQnを算出し、噴射量偏差ΔQnが基準噴射量偏差としての基準過渡噴射量偏差A2を上回る場合に、過渡状態であると判断するものである。
このような構成により、緩慢な加速や負荷投入による過渡状態の場合、加速と負荷投入とが同時に発生した過渡状態の場合でも、加速や負荷投入に伴って増加する燃料噴射量Qの変化から過渡状態であるか否かを正確に判断することができる。
そして、コントローラ7は、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2を上回った回数としての過渡噴射量偏差カウント数Xqが、基準回数としての基準過渡噴射量偏差カウント数X2以上の場合に、過渡状態であると判断するものである。
このような構成により、定常状態において燃料噴射量Qが偶然に増加した場合に、誤って過渡状態であると判断することがなく、過渡状態であるか否かを正確に判断することができる。
なお、本実施形態では、燃料噴射装置をコモンレール燃料噴射装置3としているが、これに代えて電子ガバナを備える燃料噴射ポンプとしてもよい。
次に、本発明の第二実施形態に係るエンジンについて説明する。なお、第一実施形態と同一符号の部材等は第一実施形態と同一構造であるため詳細な説明は省略する。
第二実施形態に係るエンジンでは、EGR制御を行う場合の基準値として第一実施形態に係るものに加えて、基準過渡回転数偏差A1よりも大きい基準過渡回転数偏差A10、基準過渡回転数偏差カウント数X1よりも少ない基準過渡回転数偏差カウント数X10、基準過渡噴射量偏差A2よりも大きい基準過渡噴射量偏差A20、及び基準過渡噴射量偏差カウント数X2よりも少ない基準過渡噴射量偏差カウント数X20が、記憶装置74に記憶されている。なお、これら基準過渡回転数偏差A10、基準過渡回転数偏差カウント数X10、基準過渡噴射量偏差A20及び基準過渡噴射量偏差カウント数X20は、いずれも予め設定される。
次に、第二実施形態に係るEGR制御の制御手順について、図8及び図9により説明する。
図8に示すように、前記回転数過渡判定が開始されると、所定時間毎に検知された回転数信号が随時読み込まれ(ステップS221)、直近回転数Nnが目標回転数Nsetより大きいか否かが判断される(ステップS222)。
そして、直近回転数Nnが目標回転数Nset以下の場合は(ステップS222、NO)、目標の回転数を達成していないと判断され、引き続き、回転数偏差ΔNnが算出され(ステップS223)、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1より大きいか否かが判断される(ステップS224)。なお、回転数偏差ΔNnは、前述の通り、前回回転数Nn−1から直近回転数Nnを引いて算出した値(=Nn−1−Nn)である。
そして、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1を上回る場合は(ステップS224、YES)、エンジン回転数Nが低下傾向にあると判断され、引き続き、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A10より大きいか否かが判断される(ステップS225)。
そして、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A10以下の場合は(ステップS225、NO)、エンジン回転数Nの低下速度、つまり、負荷投入速度が遅いと判断され、過渡回転数偏差カウント数Xnに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS226)。すると、カウントインクリメント後の過渡回転数偏差カウント数Xnがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS227)、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X1以上か否かが判断される(ステップS228)。
そして、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X1以上の場合は(ステップS228、YES)、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態であると判断される(ステップS229)。
一方、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X1を下回る場合は(ステップS228、NO)、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS230)。
また、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A10を上回る場合は(ステップS225、YES)、エンジン回転数Nの低下速度、つまり、負荷投入速度が速いと判断され、過渡回転数偏差カウント数Xnに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS231)。すると、カウントインクリメント後の過渡回転数偏差カウント数Xnがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS232)、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X10以上か否かが判断される(ステップS233)。
そして、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X10以上の場合は(ステップS233、YES)、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態であると判断される(ステップS229)。
一方、過渡回転数偏差カウント数Xnが基準過渡回転数偏差カウント数X10を下回る場合は(ステップS233、NO)、エンジン回転数Nが低下傾向にあることを連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS234)。
なお、直近回転数Nnが目標回転数Nsetを上回る場合(ステップS222、YES)は、目標の回転数を達成していると判断され、回転数偏差ΔNnが基準過渡回転数偏差A1以下の場合は(ステップS224、NO)、エンジン回転数が低下傾向にないと判断され、何れの場合も過渡回転数偏差カウント数Xnに対してカウントクリア処理が行われた上で(ステップS235)、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS230)。
図9に示すように、前記噴射量過渡判定が開始されると、所定時間毎に検知された回転数信号が随時読み込まれる(ステップS241)。すると、エンジン回転数Nに応じた燃料噴射量Qが制御マップ73に基づいて所定時間毎に算出され(ステップS242)、引き続き、噴射量偏差ΔQnが算出され(ステップS243)、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2より大きいか否かが判断される(ステップS244)。なお、噴射量偏差ΔQnは、前述の通り、直近噴射量Qnから前回噴射量Qn−1を引いて算出した値(Qn−Qn−1)である。
そして、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2を上回る場合は(ステップS244、YES)、燃料噴射量Qが増加傾向にあると判断され、引き続き、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A20より大きいか否かが判断される(ステップS245)。
そして、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A20以下の場合は(ステップS245、NO)、燃料噴射量Qの増加速度、つまり、負荷投入速度が遅いと判断され、過渡噴射量偏差カウント数Xqに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS246)。すると、カウントインクリメント後の過渡噴射量偏差カウント数Xpがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS247)、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X2以上か否かが判断される(ステップS248)。
そして、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X2以上の場合は(ステップS248、YES)、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態であると判断される(ステップS249)。
一方、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X2を下回る場合は(ステップS248、NO)、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS250)。
また、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A20を上回る場合は(ステップS245、YES)、燃料噴射量Qの増加速度、つまり、負荷投入速度が速いと判断され、過渡噴射量偏差カウント数Xqに対してカウントインクリメント処理が行われる(ステップS251)。すると、カウントインクリメント後の過渡噴射量偏差カウント数Xpがコントローラ7のカウンターにより計測され(ステップS252)、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X20以上か否かが判断される(ステップS253)。
そして、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X20以上の場合は(ステップS253、YES)、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できたと判断され、判定成立、つまり、過渡状態であると判断される(ステップS249)。
一方、過渡噴射量偏差カウント数Xpが基準過渡噴射量偏差カウント数X20を下回る場合は(ステップS253、NO)、燃料噴射量Qが増加傾向にあることを連続して確認できないと判断され、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS254)。
なお、噴射量偏差ΔQnが基準過渡噴射量偏差A2以下の場合は(ステップS244、NO)、燃料噴射量Qが増加傾向にないと判断され、過渡噴射量偏差カウント数Xqに対してカウントクリア処理が行われた上で(ステップS255)、判定不成立、つまり、過渡状態でないと判断される(ステップS250)。
以上のように、コントローラ7は、基準過渡噴射量偏差カウント数を噴射量偏差ΔQnの大小に応じてX2、X20と複数設定可能とし、噴射量偏差ΔQnが大きいほど基準回数を少なくする、つまり、基準過渡噴射量偏差カウント数X2よりも基準過渡噴射量偏差カウント数X20を少なくするものである。
このような構成により、噴射量偏差ΔQnが大きい場合、つまり、加速や負荷投入速度が速い場合には、基準過渡噴射量偏差カウント数X20が少ないことから過渡状態であるとの判断を早期にすることができると共に、噴射量偏差ΔQnが小さい場合、つまり、加速や負荷投入速度が遅い場合には、基準過渡噴射量偏差カウント数X2が多いことから過渡状態であるとの判断をより正確にすることができる。
そして、コントローラ7は、第一の基準回数としての基準過渡噴射量偏差カウント数X2と、基準過渡噴射量偏差カウント数X2よりも少ない第二の基準回数としての基準過渡噴射量偏差カウント数X20とで、前記複数の基準回数を構成するものである。
このような構成により、二つの基準回数に基づいて過渡状態であるか否かを判断することにより、噴射量偏差ΔQnが大きい場合、つまり、加速や負荷投入速度が速い場合と、噴射量偏差ΔQnが小さい場合、つまり、加速や負荷投入速度が遅い場合とに応じて、過渡状態であるか否かを適切に判断することができる。
例えば、パワーショベル等の建設機械では、作業中にバケット等の作業機が障害物等と接触して負荷が急激に変動し、噴射量偏差ΔQnが大きくなっても、基準過渡噴射量偏差カウント数X2よりも少ない基準過渡噴射量偏差カウント数X20により、過渡状態であることを早期に判断することができる。
1 エンジン
3 コモンレール燃料噴射装置(燃料噴射装置)
7 コントローラ
71 回転数センサ
73 制御マップ
A2 基準過渡噴射量偏差(基準噴射量偏差)
A20 基準過渡噴射量偏差(基準噴射量偏差)
N エンジン回転数
Q 燃料噴射量
X2 基準過渡噴射量偏差カウント数(基準回数)
X20 基準過渡噴射量偏差カウント数(基準回数)
Xq 過渡噴射量偏差カウント数(噴射量偏差が基準噴射量偏差を上回った回数)
ΔQn 噴射量偏差

Claims (4)

  1. 燃料を噴射する燃料噴射装置と、エンジン回転数を検知する回転数センサと、前記燃料噴射装置及び回転数センサが接続されるコントローラと、を備えるエンジンにおいて、前記コントローラは、前記エンジン回転数と前記燃料噴射装置の燃料噴射量との関係を規定する制御マップに基づいて前記エンジン回転数に応じた前記燃料噴射量を算出し、該燃料噴射量の単位時間当たりの増加量として噴射量偏差を算出し、該噴射量偏差が所定の基準噴射量偏差を上回る場合に、過渡状態であると判断することを特徴とするエンジン。
  2. 前記コントローラは、前記噴射量偏差が前記基準噴射量偏差を上回った回数が、所定の基準回数以上の場合に、過渡状態であると判断することを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記コントローラは、前記基準回数を前記噴射量偏差の大小に応じて複数設定可能とし、前記噴射量偏差が大きいほど前記基準回数を少なくすることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
  4. 前記コントローラは、第一の基準回数と、該第一の基準回数よりも少ない第二の基準回数とで、前記複数の基準回数を構成することを特徴とする請求項3に記載のエンジン。
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