JP5472082B2 - 圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システム - Google Patents

圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システム Download PDF

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Description

本発明は、圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システムに関する。
圧縮着火内燃機関(以下、単に内燃機関と称する場合もある)においては、排気通路に設けられた排気浄化触媒やパティキュレートフィルタの機能の再生或いは昇温を効率よく行うことを目的として、その燃焼モードを、通常燃焼モードよりも混合気の空燃比が低い燃焼モードである低空燃比燃焼モードに切り替える技術が知られている。低空燃比燃焼モードは、吸入空気量やEGRガス量等を制御することによって実現される。
特許文献1には、排気還流通路(EGR通路)と、還流ガス(EGRガス)を冷却する還流ガス冷却装置と、該還流ガス冷却装置を迂回しながら還流ガスを吸気系に還流させるためのバイパス通路と、当該還流ガスの流路を排気還流通路およびバイパス通路の一方から他方に切り換える流路切換装置と、を備えた内燃機関の制御装置が開示されている。この特許文献1に記載の技術では、内燃機関の混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側からリッチ側に切り換えるべき空燃比切換条件が成立したときに、還流ガスの流路を排気還流通路からバイパス通路に切り換える。さらに、特許文献1に記載の技術では、該空燃比の切換タイミングを、流路切換制御手段による還流ガスの流路切換タイミングよりも遅くする。
特開2007−113428号公報 特開2003−106220号公報 特開2005−048747号公報
内燃機関での燃焼モードを低空燃比燃焼モードに切り替える際には、吸入空気量を通常燃焼モードの実行時に比べて減少させる。また、内燃機関にEGR通路を介してEGRガスを供給している場合、内燃機関から排出される排気の空燃比を高精度で制御することが困難となる。そこで、低空燃比燃焼モードを、吸入空気量を減少させると共に、内燃機関へのEGRガスの供給を停止させる或いはEGRガス量を減少させることで実現する場合がある。
しかしながら、内燃機関における燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に、EGRガスの供給を停止或いはEGRガス量を減少させると、吸気圧力が低下するために、内燃機関での圧縮端温度が低下する。ここで、燃焼モードが低空燃比燃焼モードに完全に移行した後のように、気筒内のEGRガス量がゼロとなる或いは目標値まで低下していれば、吸気の酸素濃度が十分に上昇しているため、圧縮端温度が低下しても安定した燃焼が確保できる。しかしながら、気筒内におけるEGRガス量の減少途中であり、吸気の酸素濃度が低い状態であると、圧縮端温度が低下することで、失火を招く虞がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、燃焼モードとして通常燃焼モード又は低空燃比燃焼モードのいずれかを選択的に実行する圧縮着火内燃機関において、燃焼モードを切り替える際に失火が発生することを抑制することを目的とする。
本発明では、圧縮着火内燃機関において、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に、スロットル弁の開度を一旦増加させてから、EGR弁を閉弁し、その後、スロットル弁の開度を通常燃焼モードの実行時よりも減少させる。
より詳しくは、本発明に係る圧縮着火内燃機関の排気浄化システムは、
圧縮着火内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
圧縮着火内燃機関の吸気通路に設けられ吸入空気量を制御するスロットル弁と、
前記排気通路に一端が接続され、前記吸気通路における前記スロットル弁より下流側に他端が接続されたEGR通路と、
前記EGR通路に設けられ、前記EGR通路を流れるEGRガスの流量を制御するEGR弁と、
圧縮着火内燃機関における燃焼モードを、通常燃焼モード、又は、該通常燃焼モードよりも混合気の空燃比が低い状態で燃焼が行われる低空燃比燃焼モードのいずれか一方から他方に切り替える燃焼モード切替手段と、を備え、
前記燃焼モード切替手段は、圧縮着火内燃機関における燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に、前記スロットル弁の開度を一旦増加させ、前記スロットル弁の開度を増加させている間に前記EGR弁を閉弁或いは前記EGR弁の開度を減少させ、その後、前記スロットル弁の開度を通常燃焼モードの実行時よりも減少させる。
本発明においては、内燃機関における燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モード切り替える際に、スロットル弁の開度を一旦増加させる。即ち、吸入空気量を一旦増加させる。そして、吸入空気量を増加させた状態で、EGR弁を閉弁或いはEGR弁の開度を減少させる。即ち、EGRガスの供給を停止或いはEGRガス量を減少させる。その後、スロットル弁の開度を通常燃焼モードの実行時よりも減少させる。即ち、吸入空気量を通常燃焼モードの実行時よりも減少させる。それによって、混合気の空燃比を低下させる。
吸入空気量を増加させた状態で、EGRガスの供給を停止或いはEGRガス量を減少させることで、燃焼モードの切り替え途中における内燃機関での圧縮端温度の低下を抑制することができる。また、燃焼モードの切り替え途中における吸気の酸素濃度をより高くすることもできる。従って、本発明によれば、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に失火が発生することを抑制することができる。
本発明に係る燃焼モード制御システムは、排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒と称する場合もある)と、該NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、をさらに備えてもよい。この場合、燃焼モード切替手段によって内燃機関における燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える時に、スロットル弁の開度が増加されてから、該スロットル弁の開度が通常燃焼モードの実行時よりも減少された時点から所定期間が経過するまでの間における少なくとも一部の期間で、還元剤供給手段によってNOx触媒に還元剤を供給してもよい。尚、ここでの所定期間とは、例えば、スロットル弁の開度が減少されてから、実際の内燃機関の吸入空気量が、減少後のスロットル弁の開度に対応した量に達するまでの期間である。
燃焼モードの切り替え途中において、圧縮端温度の低下が抑制されると、内燃機関において燃焼時に生成されるNOxの量が増加する。また、EGRガスの供給が停止或いはEGRガス量が減少すると、該NOxの量はさらに増加する。NOxの生成量が増加すると、排気通路に設けられたNOx触媒に吸蔵しきれずに外部に放出されるNOxの量が増加
する虞がある。
上記のような時期に還元剤供給手段によってNOx触媒に還元剤を供給することで、燃焼モードの切り替え途中において増加したNOxをNOx触媒によって還元することが可能となる。従って、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に外部に放出されるNOx量の増加を抑制することができる。
本発明に係る燃焼モード制御システムおいて、燃焼モード切替手段は、内燃機関における燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際には、スロットル弁の開度を増加させた後で、EGR弁を開弁或いはEGR弁の開度を増加させてもよい。これによれば、内燃機関での圧縮端温度が比較的低い状態の時における吸気の酸素濃度の低下を抑制することができる。従って、内燃機関における燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際に失火が発生することを抑制することができる。
また、本発明に係る燃焼モード制御システムが、排気通路に設けられたNOx触媒と、該NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、を備えている場合において、燃焼モード切替手段によって上記のように内燃機関における燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える時には、スロットル弁の開度が増加されてから、EGR弁が開弁或いはEGR弁の開度が増加された時点から所定時間が経過するまでの間における少なくとも一部の期間で、還元剤供給手段によってNOx触媒に還元剤を供給してもよい。尚、ここでの所定期間とは、例えば、EGR弁が開弁或いはEGR弁の開度が増加されてから、内燃機関への実際のEGRガスの供給量が、開弁或いは開度増加後のEGR弁の開度に対応した量に達するまでの期間である。
スロットル弁の開度を増加させた後でEGR弁を開弁或いはEGR弁の開度を増加させるようにすると、内燃機関へのEGRガスの供給或いはEGRガスの供給量の増加が遅れることとなる。その結果、内燃機関におけるNOxの生成量が増加する期間が発生する。この期間においては、排気通路に設けられたNOx触媒に吸蔵しきれずに外部に放出されるNOxの量が増加する虞がある。
上記のような時期に還元剤供給手段によってNOx触媒に還元剤を供給することで、燃焼モードの切り替え途中において増加したNOxをNOx触媒によって還元することが可能となる。従って、燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際に外部に放出されるNOx量の増加を抑制することができる。
本発明によれば、燃焼モードとして通常燃焼モード又は低空燃比燃焼モードのいずれかを選択的に実行する圧縮着火内燃機関において、燃焼モードを切り替える際に失火が発生することを抑制することができる。
実施例1に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。 内燃機関での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の、EGR弁の開度Degr、スロットル弁の開度Dth、インテークマニホールドにおける吸気圧力Pin、内燃機関での圧縮端温度Tcom、内燃機関に吸入される吸気の酸素濃度Cox、及び燃料噴射弁によるアフター噴射での燃料噴射量Qfafの推移を示すタイムチャートである。図2(a)は、従来の方法によって燃焼モードを切り替えた場合のタイムチャートであり、図2(b)は、実施例1に係る方法によって燃焼モードを切り替えた場合のタイムチャートである。 実施例2に係る、内燃機関での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の、EGR弁の開度Degr、スロットル弁の開度Dth、インテークマニホールドにおける吸気圧力Pin、内燃機関での圧縮端温度Tcom、内燃機関に吸入される吸気の酸素濃度Cox、燃料噴射弁によるアフター噴射での燃料噴射量Qfaf、燃料添加弁による燃料添加量Qfadd、フィルタに流入する排気の空燃比Rgup、及びフィルタより下流側の排気通路を流れる排気中のNOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートである。 実施例3に係る、内燃機関での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の、ノズルベーンの開度Dvn、EGR弁の開度Degr、スロットル弁の開度Dth、インテークマニホールドにおける吸気圧力Pin、内燃機関での圧縮端温度Tcom、内燃機関に吸入される吸気の酸素濃度Cox、燃料噴射弁によるアフター噴射での燃料噴射量Qfaf、フィルタに流入する排気の空燃比Rgup、及びフィルタより下流側の排気通路を流れる排気中のNOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートである。 内燃機関での燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際の、EGR弁の開度Degr、スロットル弁の開度Dth、インテークマニホールドにおける吸気圧力Pin、内燃機関での圧縮端温度Tcom、内燃機関に吸入される吸気の酸素濃度Cox、及び燃料噴射弁によるアフター噴射での燃料噴射量Qfafの推移を示すタイムチャートである。図5(a)は、従来の方法によって燃焼モードを切り替えた場合のタイムチャートであり、図5(b)は、実施例4に係る方法によって燃焼モードを切り替えた場合のタイムチャートである。 実施例5に係る、内燃機関での燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際の、EGR弁の開度Degr、スロットル弁の開度Dth、インテークマニホールドにおける吸気圧力Pin、内燃機関での圧縮端温度Tcom、内燃機関に吸入される吸気の酸素濃度Cox、燃料噴射弁によるアフター噴射での燃料噴射量Qfaf、燃料添加弁15による燃料添加量Qfadd、フィルタに流入する排気の空燃比Rgup、及びフィルタより下流側の排気通路を流れる排気中のNOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
[内燃機関およびその吸排気系の概略構成]
図1は、本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は4つの気筒2を有する車両駆動用のディーゼルエンジンである。各気筒2には該気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3が設けられている。
内燃機関1には、インテークマニホールド5およびエキゾーストマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド5には吸気通路4が接続されている。エキゾーストマニホールド7には排気通路6が接続されている。尚、本実施例においては、インテークマニホールド5及び吸気通路4を含んで本発明に係る吸気通路が構成され、エキゾーストマニホールド7及び排気通路6を含んで本発明に係る排気通路が構成される。
インテークマニホールド5には吸気圧力センサ16が設けられている。吸気通路4にはターボチャージャ8のコンプレッサ8aが設置されている。排気通路6にはターボチャージャ8のタービン8bが設置されている。タービン8bにはノズルベーン14が設けられている。
吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも下流側にはスロットル弁9が設けられている。排気通路6におけるタービン8bよりも下流側には、排気浄化装置として、排気中の留意状物質(PM)を捕集するパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称する)10が設けられている。該フィルタ10には吸蔵還元型NOx触媒11が担持されている。尚、本実施例に係る排気浄化装置はこのような構成のものに限られるものではなく、例えば、酸化触媒を用いて排気浄化装置を構成してもよい。排気通路6におけるタービン8bより下流側且つフィルタ10より上流側には、還元剤たる燃料を排気中に添加する燃料添加弁15が設けられている。
エキゾーストマニホールド7にはEGR通路12の一端が接続されている。該EGR通路12の他端は、吸気通路4におけるスロットル弁9よりも下流側に接続されている。EGR通路12にはEGR弁13が設けられている。EGR通路12を介して排気の一部がEGRガスとして吸気通路4に導入され、該EGRガスが吸入空気と共に内燃機関1に供給される。EGR弁13によって、吸気通路4に導入されるEGRガス量(EGRガスの流量)、即ち内燃機関1へのEGRガスの供給量が制御される。
以上述べたように構成された内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20には、吸気圧力センサ16、クランクポジションセンサ21及びアクセル開度センサ22が電気的に接続されている。これらの出力信号がECU20に入力される。クランクポジションセンサ21は、内燃機関1のクランク角を検出するセンサである。また、アクセル開度センサ22は、内燃機関1を搭載した車両のアクセル開度を検出するセンサである。
また、ECU20には、燃料噴射弁3、スロットル弁9、ノズルベーン14、燃料添加弁15、及びEGR弁13が電気的に接続されている。ECU20によってこれらの装置が制御される。
[燃焼モード]
本実施例に係る内燃機関1においては、混合気の空燃比を理論空燃比よりも高い空燃比に制御して燃焼が行われる通常燃焼モードの他に、所定の条件が成立したときに低空燃比燃焼モードでの燃焼が行われる。低空燃比燃焼モードは、混合気の空燃比を通常燃焼モードの実行時よりも低く制御して燃焼が行われる燃焼モードである。
低空燃比燃焼モードでの燃焼を実行することで、排気の空燃比を低下させることができる。そのため、NOx触媒11に吸蔵されたNOx又はSOxを還元させるときに、低空燃比燃焼モードでの燃焼が実行される。また、低空燃比燃焼モードでの燃焼を実行することで、排気の温度を上昇させることができる。そのため、NOx触媒11或いはフィルタ10を昇温させるときにも、低空燃比燃焼モードでの燃焼が実行される。
本実施例において、低空燃比燃焼モードは、スロットル弁9の開度を通常燃焼モードの実行時よりも小さくすると共に、EGR弁13を閉弁し、さらに、内燃機関1において副燃料噴射を実行することで実現される。該副燃料噴射は、主燃料噴射時期よりも後の時期であって噴射された燃料が各気筒2内での燃焼に供される時期に行われる燃料噴射である。以下、このような時期に行われる副燃料噴射をアフター噴射と称する。
スロットル弁9の開度を減少させることで内燃機関1の吸入空気量を減少させることができ、その結果、混合気の空燃比を低下させることができる。また、アフター噴射を実行することで、混合気の空燃比をさらに低下させることができる。ただし、アフター噴射を実行しなくとも吸入空気量を減少させることで混合気の空燃比を低下させることができるため、アフター噴射を実行せずに低空燃比燃焼モードを実現してもよい。
また、EGR弁13を閉弁することで内燃機関1へのEGRガスの供給を停止させることができる。これにより、内燃機関1から排出される排気の空燃比を高精度で制御することが可能となる。ただし、必ずしも内燃機関1へのEGRガスの供給を停止させなくともよい。つまり、EGR弁13の開度を通常燃焼モードの実行時によりも小さくし、EGRガスの供給量を減少させることで、低空燃比燃焼モードを実現してもよい。この場合でも、EGRガスの供給量を減少させることなく、吸入空気量を減少させて混合気の空燃比を低下させた場合に比べて、内燃機関1から排出される排気の空燃比をより高い精度で制御することができる。
本実施例に係る低空燃比燃焼モードでは、吸入空気量及びアフター噴射での燃料噴射量を制御することで、内燃機関1から排出される排気の空燃比を理論空燃比に制御する。ただし、低空燃比燃焼モードにおける排気の目標空燃比は理論空燃比に限られるものではない。また、低空燃比燃焼モードにおける排気の目標空燃比を、低空燃比燃焼モードを実行する目的等に基づいて変更してもよい。
[燃焼モードの切り替え方法]
ここで、本実施例に係る、内燃機関での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の切り替え方法について図2に基づいて説明する。図2は、内燃機関1での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の、EGR弁13の開度Degr、スロットル弁9の開度Dth、インテークマニホールド5における吸気圧力Pin、内燃機関1での圧縮端温度Tcom、内燃機関1に吸入される吸気の酸素濃度Cox、及び燃料噴射弁3によるアフター噴射での燃料噴射量Qfafの推移を示すタイムチャートである。図2(a)は、従来の方法によって燃焼モードを切り替えた場合を示しており、図2(b)は、本実施例に係る方法によって燃焼モードを切り替えた場合を示している。
従来の燃焼モードの切り替え方法では、図2(a)に示すように、先ずEGR弁13を閉弁する(EGR弁13の開度Degrをゼロにする)。EGR弁13を閉弁した後、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量がゼロとなる(即ち、実際に内燃機関1へのEGRガスの供給が停止する)までにはタイムラグがある。そこで、EGR弁13の閉弁後、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量がゼロとなってから、スロットル弁9の開度Dthを減少させる。その後、さらにアフター噴射の実行を開始する。これにより、燃焼モードの低空燃比燃焼モードへの移行が完了する。
ここで、低空燃比燃焼モードでは、EGRガスの供給が停止され、且つ吸入空気量が減少するため、吸気圧力Pinが低下する。その結果、内燃機関1での圧縮端温度Tcomが通常燃焼モードの実行時よりも低くなる。圧縮端温度Tcomが低下すると失火が発生し易くなる。ただし、低空燃比燃焼モードでは、EGRガスの供給が停止されることで吸気の酸素濃度Coxが上昇しているため、気筒2内の燃焼の着火性が維持される。そのため、空燃比燃焼モードでの燃焼時においても失火の発生は抑制される。
しかしながら、通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへの切り替え途中においては、圧縮端温度Tcomが低下することで、失火が発生し易くなる場合がある。より詳細には、図2(a)に示すように、燃焼モードを低空燃比燃焼モードへ切り替えるべくEGR弁13を閉弁すると、スロットル弁9の開度Dthを減少させる以前の段階で、直ぐに吸気圧力Pinが低下し始めるため、圧縮端温度Tcomも低下し始める。また、EGR弁13が閉弁されると、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量は応答遅れにより徐々に減少する。これにより、吸気の酸素濃度Coxは徐々に上昇する。この時、吸気の酸素濃度Coxが十分に上昇する以前の段階で、圧縮端温度Tcomが低下する場合がある。これ
により、安定した燃焼を維持するために必要な吸気の酸素濃度Cox及び圧縮端温度Tcomを確保することが困難となると、失火が発生する。
このような、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへ切り替える際の失火の発生を抑制すべく、本実施例では、内燃機関1の吸入吸気量を一旦増加させてからEGRガスの供給を停止する。つまり、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法では、燃焼モードの通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへの切り替え条件が成立した場合、図2(b)に示すように、先ずスロットル弁9の開度Dthを増加させる。尚、燃焼モードの通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへの切り替え条件としては、NOx触媒11に吸蔵されたNOx又はSOxを還元させる還元制御の実行条件や、NOx触媒11又はフィルタ10を昇温させる昇温制御の実行条件等を例示することができる。
スロットル弁9の開度Dthが増加されると、吸入空気量が一旦増加する。尚、このとき、スロットル弁9の目標開度を、内燃機関1の運転状態に応じて予め定められた値としてもよい。また、吸気圧力センサ16の検出値に基づいてスロットル弁9の開度をフィードバック制御してもよい。
そして、スロットル弁9の開度Dthを増加させている間にEGR弁13を閉弁する。その後、ECU20によって、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量がゼロとなったか否かを判別する。ここでは、閉弁する前のEGR弁13の開度、機関回転数、インテークマニホールド5の容積、及び内燃機関1の排気量等に基づいて、EGR弁13を閉弁した時点におけるEGRガスの残留量を推定し、さらに、EGR弁13を閉弁した後のサイクル数等に基づいて残留したEGRガスが全て消費されたか否かを判別してもよい。この場合、残留したEGRガスが全て消費されたと判定された時点で、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量がゼロとなったと判定する。また、実験等に基づいて予め求められた機関回転数に応じた、EGRガス量の変化の応答遅れ期間の長さに基づいて、当該判別を行ってもよい。
そして、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量がゼロとなったと判定された時点で、スロットル弁9の開度Dthを通常燃焼モードの実行時よりも減少させる。このとき、スロットル弁9の開度Dthは、低空燃比燃焼モードにおける内燃機関1の運転状態に応じた目標開度に制御される。
スロットル弁9の開度Dthを減少させることで、内燃機関1に吸入される吸気が減少するため、吸気圧力が低下し始める。そして、吸気圧力センサ16によって検出される吸気圧力Pinが、減少させた後のスロットル弁9の開度に応じた値に達した時点でアフター噴射の実行を開始する。これによって、燃焼モードの低空燃比燃焼モードへの移行が完了する。
尚、アフター噴射を実行せずに低空燃比燃焼モードを実現させる場合は、スロットル弁9の開度Dthを減少させ、吸気圧力が、減少させた後のスロットル弁9の開度に応じた値に達した時点で、燃焼モードの低空燃比燃焼モードへの移行が完了する。
本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法によれば、図2(b)に示すように、EGR弁13を閉弁しても、吸気圧力Pinを通常燃焼モードの実行時と同等のレベルに維持することができる。そのため、EGR弁13の閉弁後、スロットル弁9の開度Dthを減少させるまでの間における圧縮端温度Tcomを高く維持することができる。また、EGR弁13の閉弁後、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量がゼロとなるまでの応答遅れ期間の間における吸気の酸素濃度Coxを、より高くすることもできる。
従って、燃焼モードの切り替え途中においても、安定した燃焼を維持するために必要な吸気の酸素濃度Cox及び圧縮端温度Tcomを確保することが可能となる。そのため、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に失火が発生することを抑制することができる。
<実施例2>
本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例に係る内燃機関1においても、通常燃焼モードと低空燃比燃焼モードとが選択的に行われる。
[燃焼モードの切り替え方法]
以下、本実施例に係る、内燃機関での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の切り替え方法について図3に基づいて説明する。図3は、本実施例において、内燃機関1での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の、EGR弁13の開度Degr、スロットル弁9の開度Dth、インテークマニホールド5における吸気圧力Pin、内燃機関1での圧縮端温度Tcom、内燃機関1に吸入される吸気の酸素濃度Cox、燃料噴射弁3によるアフター噴射での燃料噴射量Qfaf、燃料添加弁15による燃料添加量Qfadd、フィルタ10に流入する排気(以下、流入排気と称する場合もある)の空燃比Rgup、及びフィルタ10より下流側の排気通路6を流れる排気中のNOx量(以下、放出NOx量と称する場合もある)Qnoxの推移を示すタイムチャートである。
本実施例においても、内燃機関1の燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへ切り替える際には、スロットル弁9の開度及びEGR弁13の開度を実施例1に係る燃焼モードの切り替え方法と同様に制御する。また、アフター噴射も実施例1に係る燃焼モードの切り替え方法と同様のタイミングで実行する。
ここで、通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへの燃焼モードの切り替え途中において、スロットル弁9の開度を一旦増加させることで内燃機関1での圧縮端温度Tcomの低下が抑制されると、その間における内燃機関1でのNOxの生成量が増加する。また、EGR弁13が閉弁されることで、内燃機関1へのEGRガスの供給量が減少し、またEGRガスの供給が停止すると、内燃機関1でのNOxの生成量がさらに増加する。その結果、流入排気中のNOxの量が増加する。このとき、該NOxをNOx触媒11に吸蔵しきれずに、放出NOx量Qnoxが増加する虞がある。
このような、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへ切り替える際の放出NOx量Qnoxの増加を抑制すべく、本実施例では、燃焼モードの切り替え途中における内燃機関1でのNOxの生成量が増加する期間において、燃料添加弁15による燃料添加を実行する。つまり、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法では、図3に示すように、スロットル弁9の開度Dthが増加されてから、スロットル弁9の開度Dthが通常燃焼モードの実行時よりも減少されることで、吸気圧力が、減少させた後のスロットル弁9の開度に応じた値に達するまでの間、燃料添加弁15による燃料添加を実行する。
燃料添加弁15による燃料添加が実行されると、流入排気の空燃比Rgupが低下する。このとき、流入排気の空燃比Rgupが、低空燃比燃焼モードにおける目標空燃比である理論空燃比となるように、燃料添加弁15からの燃料添加量が制御される。
このように、流入排気の空燃比Rgupが低下すると、燃焼モードの切り替え途中において増加したNOxをNOx触媒11によって還元することが可能となる。図3における放出NOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートにおいて、破線は、燃料添加弁15に
よる燃料添加を実行しない場合の放出NOx量の推移を示しており、実線は、本実施例における放出NOx量の推移を示している。この図3に示すように、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法によれば、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に、失火の発生のみならず、放出NOx量の増加を抑制することもできる。
尚、燃料添加弁15から燃料を添加する時においては、必ずしも、流入排気の空燃比Rgupを理論空燃比に制御する必要はなく、NOx触媒11におけるNOxの還元が可能となる空燃比に制御すればよい。
また、必ずしも、スロットル弁9の開度Dthが増加されてから、スロットル弁9の開度Dthが通常燃焼モードの実行時よりも減少されることで、吸気圧力が、減少させた後のスロットル弁9の開度に応じた値に達するまでの間の全期間において、燃料添加弁15による燃料添加を実行しなくともよい。この間における一部の期間、例えば、EGR弁13が閉弁されることで、NOxの生成量がさらに増加する期間にのみ、燃料添加弁15による燃料添加を実行してもよい。この場合でも、燃料添加弁15による燃料添加を実行している期間中は、放出NOx量の増加を抑制することができる。
また、燃料添加弁15による燃料添加に代えて、内燃機関1において、主燃料噴射よりも後であって、噴射された燃料が燃焼に供されない時期に行われる副燃料噴射であるポスト噴射を実行することで、流入排気の空燃比Rgupを低下させてもよい。この場合でも、NOx触媒11におけるNOxの還元が可能となる。
<実施例3>
本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例に係る内燃機関1においても、通常燃焼モードと低空燃比燃焼モードとが選択的に行われる。
[燃焼モードの切り替え方法]
以下、本実施例に係る、内燃機関での燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際の切り替え方法について図4に基づいて説明する。図4は、本実施例において、内燃機関1での燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際の、ノズルベーン14の開度Dvn、EGR弁13の開度Degr、スロットル弁9の開度Dth、インテークマニホールド5における吸気圧力Pin、内燃機関1での圧縮端温度Tcom、内燃機関1に吸入される吸気の酸素濃度Cox、燃料噴射弁3によるアフター噴射での燃料噴射量Qfaf、流入排気の空燃比Rgup、及び放出NOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートである。
本実施例においても、内燃機関1の燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへ切り替える際には、スロットル弁9の開度及びEGR弁13の開度を実施例1に係る燃焼モードの切り替え方法と同様に制御する。また、アフター噴射も実施例1に係る燃焼モードの切り替え方法と同様のタイミングで実行する。
ここで、通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへの燃焼モードの切り替える時に、先ずスロットル弁9の開度Dthを増加させると、EGR弁13を閉弁する前の段階で、吸入空気量が増加することで吸気圧力Pinが上昇する場合がある。吸気圧力が過剰に上昇すると、気筒2内における着火時期が進角し、それによって、内燃機関1の出力トルクの増加を招く虞がある。
このような、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへ切り替える際の内燃機関1の出力トルクの増加を抑制すべく、本実施例では、図4に示すように、スロット
ル弁9の開度Dthを増加させる以前に、ノズルベーン14の開度Dvnを増加させる。そして、スロットル弁9の開度Dthを通常燃焼モードの実行時よりも減少させる時に、ノズルベーン14の開度Dvnも通常燃焼モードの実行時よりも減少させる。
ノズルベーン14の開度Dvnを増加させると、ターボチャージャ8による過給が低減される。従って、スロットル弁9の開度Dthを増加させることに起因する吸気圧力Pinの過剰な上昇を抑制することができる。そのため、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法によれば、燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に、失火の発生のみならず、内燃機関1の出力トルクの増加を抑制することもできる。
尚、本実施例においても、実施例2に係る燃焼モードの切り替え方法と同様、通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへの燃焼モードの切り替え途中に、放出NOx量Qnoxの増加を抑制すべく、燃料添加弁15による燃料添加を実行してもよい。また、このような燃料添加弁15による燃料添加を実行する場合、図4に示すように、ノズルベーン14の開度Dvnを増加させるタイミングで、燃料添加弁15による燃料添加の実行を開始してもよい。
<実施例4>
本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例に係る内燃機関1においても、通常燃焼モードと低空燃比燃焼モードとが選択的に行われる。
[燃焼モードの切り替え方法]
以下、本実施例に係る内燃機関での燃焼モードの切り替え方法について図5に基づいて説明する。図5は、本実施例において、内燃機関1での燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際の、EGR弁13の開度Degr、スロットル弁9の開度Dth、インテークマニホールド5における吸気圧力Pin、内燃機関1での圧縮端温度Tcom、内燃機関1に吸入される吸気の酸素濃度Cox、及び燃料噴射弁3によるアフター噴射での燃料噴射量Qfafの推移を示すタイムチャートである。図5(a)は、従来の方法によって燃焼モードを切り替えた場合を示しており、図5(b)は、本実施例に係る方法によって燃焼モードを切り替えた場合を示している。
燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際には、スロットル弁9の開度Dthを増加させると共にアフター噴射を停止させる。さらに、EGR弁13を開弁することで、内燃機関1へのEGRガスの供給を開始する。尚、アフター噴射を実行することなく低空燃比燃焼モードを実現させた場合は、スロットル弁9の開度Dthを増加させると共にEGR弁13を開弁することで、燃焼モードを通常燃焼モードに切り替える。また、低空燃比燃焼モードの実行時においてもEGR弁13が開弁状態にある場合は、通常燃焼モードへの切り替え時には、EGR弁13の開度Degrを増加させることで、内燃機関1へのEGRガスの供給量を増加させる。
この時、従来の燃焼モードの切り替え方法では、図5(a)に示すように、スロットル弁9の開度Dthの増加及びアフター噴射の停止と略同時に、EGR弁13を開弁する。スロットル弁9の開度Dthが増加すると、吸入空気量が増加することで、吸気圧力Pinが上昇する。そして、吸気圧力Pinが上昇することで、内燃機関1での圧縮端温度Tcomが上昇する。
しかしながら、スロットル弁9の開度Dthを増加させてから、吸気圧力Pinが、増加後のスロットル弁9の開度に応じた吸気圧力に達するまでにはタイムラグがある。そのため、内燃機関1での圧縮端温度Tcomが、増加後のスロットル弁9の開度に応じた温
度に達するまでにもタイムラグがある。
また、EGR弁13が開弁されることで、吸気通路4にEGRガスが導入されると、吸気の酸素濃度Coxが低下し始める。そのため、スロットル弁9の開度を増加させると同時にEGR弁13を開弁すると、図5(a)に示すように、内燃機関1での圧縮端温度Tcomが十分に増加する以前の段階で、EGRガスが導入されることによって吸気の酸素濃度Coxが低下する場合がある。これにより、安定した燃焼を維持するために必要な吸気の酸素濃度Cox及び圧縮端温度Tcomを確保することが困難となると、失火が発生する。
このような、燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードへ切り替える際の失火の発生を抑制すべく、本実施例では、吸気圧力Pinを上昇させることで内燃機関1での圧縮端温度Tcomを上昇させた後、内燃機関1へのEGRガスの供給を開始する。つまり、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法では、燃焼モードの低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードへの切り替え条件が成立した場合、図5(b)に示すように、先ず、スロットル弁9の開度Dthを増加させると共にアフター噴射を停止させる。このとき、スロットル弁9の開度Dthは、通常燃焼モードにおける内燃機関1の運転状態に応じた目標開度に制御される。尚、燃焼モードの低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードへの切り替え条件としては、還元制御の実行停止条件や、昇温制御の実行停止条件等を例示することができる。
スロットル弁9の開度Dthが増加されると、吸入空気量が増加することで、吸気圧力Pinが上昇し始める。これにより、内燃機関1での圧縮端温度Tcomが上昇し始める。
そして、内燃機関1での圧縮端温度Tcomがある程度上昇してから、EGR弁13を開弁する。このとき、EGR弁13の開度Degrは、通常燃焼モードにおける内燃機関1の運転状態に応じた目標開度に制御される。これによって、内燃機関1へのEGRガスの供給が開始される。ここで、EGR弁13を開弁するか否かの判別は、吸気圧力センサ16によって検出される吸気圧力Pinが所定圧力に達したか否か、或いは、スロットル弁9の開度を増加させてから所定時間が経過したか否か等に基づいてECU20によって行われる。
そして、吸気圧力Pin及び吸気の酸素濃度Coxが、増加させた後のスロットル弁9の開度及び開弁後のEGR弁13の開度に応じた値となることで、燃焼モードの通常燃焼モードへの移行が完了する。
本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法によれば、図5(b)に示すように、
内燃機関1での圧縮端温度Tcomが十分に上昇する前の段階で吸気の酸素濃度Coxが低下することを抑制することができる。従って、燃焼モードの切り替え途中においても、安定した燃焼を維持するために必要な吸気の酸素濃度Cox及び圧縮端温度Tcomを確保することが可能となる。そのため、燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際に失火が発生することを抑制することができる。
<実施例5>
本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例に係る内燃機関1においても、通常燃焼モードと低空燃比燃焼モードとが選択的に行われる。
[燃焼モードの切り替え方法]
以下、本実施例に係る、内燃機関での燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際の切り替え方法について図6に基づいて説明する。図6は、本実施例において、内燃機関1での燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際の、EGR弁13の開度Degr、スロットル弁9の開度Dth、インテークマニホールド5における吸気圧力Pin、内燃機関1での圧縮端温度Tcom、内燃機関1に吸入される吸気の酸素濃度Cox、燃料噴射弁3によるアフター噴射での燃料噴射量Qfaf、燃料添加弁15による燃料添加量Qfadd、流入排気の空燃比Rgup、及び放出NOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートである。
本実施例においても、内燃機関1の燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードへ切り替える際には、スロットル弁9の開度及びEGR弁13の開度を実施例4に係る燃焼モードの切り替え方法と同様に制御する。また、アフター噴射も実施例4に係る燃焼モードの切り替え方法と同様のタイミングで停止する。
ここで、EGR弁13の開弁時期をスロットル弁9の開度Dthを増加させた後とすると、内燃機関1へのEGRガスの供給が遅れることになる。内燃機関1へのEGRガスの供給が遅れると、燃焼モードの切り替え途中における内燃機関1でのNOxの生成量が増加する。その結果、流入排気中のNOxの量が増加する。このとき、該NOxをNOx触媒11に吸蔵しきれずに、放出NOx量Qnoxが増加する虞がある。
このような、燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードへ切り替える際の放出NOx量Qnoxの増加を抑制すべく、本実施例では、燃焼モードの切り替え途中における内燃機関1でのNOxの生成量が増加する期間において、燃料添加弁15による燃料添加を実行する。つまり、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法では、図6に示すように、スロットル弁9の開度Dthが増加されてから、EGR弁13の開弁後、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量が、開弁後のEGR弁13の開度に対応した量に達するまでの間、燃料添加弁15による燃料添加を実行する。
尚、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量が、開弁後のEGR弁13の開度に対応した量に達したか否かの判別は、開弁後のEGR弁13の開度、機関回転数、インテークマニホールド5の容積、及び内燃機関1の排気量等に基づいて、ECU20によって行われる。また、実験等に基づいて予め求められた機関回転数に応じた、EGRガス量の変化の応答遅れ期間の長さに基づいて、当該判別を行ってもよい。
燃料添加弁15による燃料添加が実行されると、流入排気の空燃比Rgupが低下する。このとき、流入排気の空燃比Rgupが、低空燃比燃焼モードにおける目標空燃比である理論空燃比に維持されるように、燃料添加弁15からの燃料添加量が制御される。
このように、流入排気の空燃比Rgupが低く維持されると、燃焼モードの切り替え途中において増加したNOxをNOx触媒11によって還元することが可能となる。図6における放出NOx量Qnoxの推移を示すタイムチャートにおいて、破線は、燃料添加弁15による燃料添加を実行しない場合の放出NOx量の推移を示しており、実線は、本実施例における放出NOx量の推移を示している。この図6に示すように、本実施例に係る燃焼モードの切り替え方法によれば、燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際に、失火の発生のみならず、放出NOx量の増加を抑制することもできる。
尚、必ずしも、スロットル弁9の開度Dthが増加されてから、EGR弁13の開弁後、内燃機関1への実際のEGRガスの供給量が、開弁後のEGR弁13の開度に対応した量に達するまでの間の全期間において、燃料添加弁15による燃料添加を実行しなくとも
よい。この間における一部の期間にのみ、燃料添加弁15による燃料添加を実行してもよい。この場合でも、燃料添加弁15による燃料添加を実行している期間中は、放出NOx量の増加を抑制することができる。
また、本実施例においても、燃料添加弁15による燃料添加に代えて、内燃機関1においてポスト噴射を実行することで、流入排気の空燃比Rgupを低下させてもよい。この場合でも、NOx触媒11におけるNOxの還元が可能となる。
1・・・内燃機関(ディーゼルエンジン)
2・・・気筒
3・・・燃料噴射弁
4・・・吸気通路
5・・・インテークマニホールド
6・・・排気通路
7・・・エキゾーストマニホールド
9・・・スロットル弁
10・・パティキュレートフィルタ
11・・吸蔵還元型NOx触媒
12・・EGR通路
13・・EGR弁
14・・ノズルベーン
15・・燃料添加弁
20・・ECU

Claims (4)

  1. 圧縮着火内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    圧縮着火内燃機関の吸気通路に設けられ吸入空気量を制御するスロットル弁と、
    前記排気通路に一端が接続され、前記吸気通路における前記スロットル弁より下流側に他端が接続されたEGR通路と、
    前記EGR通路に設けられ、前記EGR通路を流れるEGRガスの流量を制御するEGR弁と、
    圧縮着火内燃機関における燃焼モードを、通常燃焼モード、又は、該通常燃焼モードよりも混合気の空燃比が低い状態で燃焼が行われる低空燃比燃焼モードのいずれか一方から他方に切り替える燃焼モード切替手段と、を備え、
    前記燃焼モード切替手段は、圧縮着火内燃機関における燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える際に、前記スロットル弁の開度を一旦増加させ、前記スロットル弁の開度を増加させている間に前記EGR弁を閉弁或いは前記EGR弁の開度を減少させ、その後、前記スロットル弁の開度を通常燃焼モードの実行時よりも減少させる圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システム。
  2. 圧縮着火内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、をさらに備え、
    前記燃焼モード切替手段によって圧縮着火内燃機関における燃焼モードを通常燃焼モードから低空燃比燃焼モードに切り替える時に、前記スロットル弁の開度が増加されてから、前記スロットル弁の開度が通常燃焼モードの実行時よりも減少された時点から所定期間が経過するまでの間における少なくとも一部の期間で、前記還元剤供給手段によって前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給する請求項1に記載の圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システム。
  3. 前記燃焼モード切替手段が、圧縮着火内燃機関における燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際には、前記スロットル弁の開度を増加させた後で、前記EGR弁を開弁或いは前記EGR弁の開度を増加させる請求項1又は2に記載の圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システム。
  4. 圧縮着火内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、をさらに備え、
    前記燃焼モード切替手段が、圧縮着火内燃機関における燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える際には、前記スロットル弁の開度を増加させた後、前記EGR弁を開弁或いは前記EGR弁の開度を増加させ、
    且つ、前記燃焼モード切替手段によって圧縮着火内燃機関における燃焼モードを低空燃比燃焼モードから通常燃焼モードに切り替える時に、前記スロットル弁の開度が増加されてから、前記EGR弁が開弁或いは前記EGR弁の開度が増加された時点から所定時間が経過するまでの間における少なくとも一部の期間で、前記還元剤供給手段によって前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給する請求項1に記載の圧縮着火内燃機関の燃焼モード制御システム。
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