JP2008038602A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Michio Furuhashi
道雄 古橋
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尚史 曲田
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孝司 苅田
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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、排気系に付着している燃料を確実に除去することを目的とする。
【解決手段】吸気弁閉じ時期を下死点に近づけ、実圧縮比をアップする(ステップ106)。実圧縮比のアップにより、圧縮端温度が高まることを利用して、噴射時期リタード、アフター噴射を行う(ステップ108)。更に、排気弁の開き時期を早くする(ステップ112)。これらにより、排気温度を高める。また、バルブオーバーラップの大きさを最適化することで、体積効率をアップする。これにより、排気ガス流量を増加させる。排気温度および排気ガス流量がアップすることにより、排気系付着燃料の蒸発が促進されるとともに、排気系付着燃料を吹き飛ばして、除去することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、排気系に付着した燃料を除去する機能を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
近年、内燃機関、特にディーゼル機関を搭載する自動車に対する排出ガス規制が厳しくなってきている。そこで、ディーゼル機関に対しても、排気通路に排気処理装置を設けることが行われている。
その排気処理装置の一つとして、NOxを吸蔵する機能を有するNOx触媒が知られている。NOx触媒にNOxが一杯になった場合には、排気空燃比を一時的に理論空燃比以下のリッチとするリッチスパイクが行われる。リッチスパイクを行うと、排気ガス中の未燃HCが還元剤として作用することにより、NOx触媒に吸蔵されたNOxをNに還元浄化して放出することができる。リッチスパイク時に排気空燃比をリッチにする方法としては、ディーゼル機関の場合は、通常、ポスト噴射や、排気ガス中への燃料添加などの方法が採用される。
リッチスパイクにおいて排気ガス中に還元剤としての燃料が供給されたとき、排気ガスや排気通路の温度が低いと、燃料が蒸発しにくくなり、蒸発しきれなかった燃料が排気通路の壁面に付着し易くなる。特開2002−38939号公報には、リッチスパイク時に還元剤として供給する燃料の蒸発量を排気温度、排気壁温および排気流量に基づいて推定し、その推定された蒸発量に応じて還元剤の供給量を補正する装置が開示されている。この装置によれば、還元剤としての燃料を過剰に供給することを回避できるので、余剰燃料が排気系に残留するのを抑制することができる(同公報の段落0013参照)。
特開2002−38939号公報 特公平7−3200号公報 特開2005−105821号公報 特開2002−30927号公報 特開2005−16491号公報
上述したリッチスパイク以外にも、排気空燃比を制御したり、排気処理装置の温度を上昇させたりする制御が行われることがある。例えば、PM再生や、S再生である。
PM再生とは、DPF(Diesel Particulate Filter)やDPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)など、PM(Particulate Matter)を捕集する機能を有する排気処理装置に蓄積したPMを、燃焼させて除去するための制御である。PM再生では、それらの排気処理装置を例えば600℃程度の高温にする必要がある。
S再生とは、NOx触媒やDPNRなどの排気処理装置に吸着されたSOx(硫黄酸化物)を除去し、硫黄被毒を回復させるための制御である。S再生では、それらの排気処理装置を例えば650〜700℃程度の高温にするとともに、SOxを還元するための燃料が供給されるように、排気空燃比をリッチにする必要がある。
PM再生やS再生において排気処理装置を高温にする場合には、ポスト噴射や排気ガス中への燃料添加などの方法により、排気通路に未燃燃料(HC)を流通させ、その未燃燃料を排気処理装置で燃焼させることが行われる。
本発明者らの知見によれば、排気系(排気ポート、排気マニホールド、ターボ過給機のタービン、触媒までの排気管など)への燃料付着は、リッチスパイク時のみならず、排気温度が低くなり易い軽負荷運転時などにおいても生ずるものである。
排気系に付着した燃料は、いずれ、蒸発したり、壁面から剥がれたりして、排気ガスと混合する。リッチスパイクや、PM再生、S再生などの制御を行っている場合に、そのような事態が生ずると、排気ガス中の燃料が目標値より増えてしまう。そうすると、排気処理装置の温度が高くなり過ぎてしまい、排気処理装置にダメージを与える恐れがある。また、リッチスパイクやS再生では、排気空燃比を正確に制御することが重要であるが、排気系に付着していた燃料が蒸発したり壁面から剥がれたりすると、排気空燃比に狂いが生じてしまう。
上述したような事態を回避するためには、排気系に付着している燃料を、リッチスパイク、PM再生、S再生などの制御を行う前に除去しておくことが有効である。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、排気系に付着している燃料を確実に除去することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気浄化装置であって、
内燃機関の吸気弁および排気弁のバルブタイミングを可変とする可変動弁機構と、
前記内燃機関の排気系に付着している燃料を除去するための排気系付着燃料除去制御を行う排気系付着燃料除去手段とを備え、
前記排気系付着燃料除去手段は、
排気温度が通常時より高くなるように前記吸気弁および/または前記排気弁のバルブタイミングを変更する排気昇温手段と、
排気ガス量が通常時より多くなるように前記吸気弁および/または前記排気弁のバルブタイミングを変更する排気ガス増量手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記排気昇温手段は、
吸気弁閉じ時期を下死点に近づけて実圧縮比を高めることにより圧縮端温度を通常時より高くする圧縮端温度上昇手段と、
排気弁開き時期を通常時より早くすることにより排気エネルギを増大させる排気エネルギ増大手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記排気系付着燃料除去手段は、前記圧縮端温度上昇手段により圧縮端温度が上昇するのに応じて、燃料噴射時期を遅らせる噴射時期リタード手段を更に含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記排気系付着燃料除去手段は、メインの燃料噴射の後に再度燃料を噴射するアフター噴射手段を更に含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記排気ガス増量手段は、体積効率が通常時より高くなるように、前記排気弁と前記吸気弁とが共に開いた状態であるバルブオーバーラップの大きさを変更する体積効率向上手段を含むことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の排気通路に配置された排気処理装置と、
前記排気処理装置の温度を上昇させる制御を含む排気ガス制御を必要時に行う排気ガス制御手段と、
を更に備え、
前記排気系付着燃料除去手段は、前記排気ガス制御が実行される直前に前記排気系付着燃料除去制御を実行することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
前記触媒の温度またはこれと相関する値を検出または推定する触媒温度取得手段と、
を更に備え、
前記排気ガス増量手段は、前記触媒の温度が活性温度域にない場合には、排気ガス量の増量を抑制し、前記触媒の温度が活性温度域に入るのを待ってから、排気ガス量を本来の量まで増量させることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
可変ノズルを有する可変容量型のターボ過給機と、
前記排気系付着燃料除去制御の実行中は、前記可変ノズルの開度を通常時より大きくするノズル開き手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第9の発明は、第1乃至第8の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の排気ガスを前記内燃機関の外部を通して吸気通路に還流させる外部EGR手段と、
前記排気系付着燃料除去制御の実行中は、外部EGR率を通常時より低くする外部EGR率低減手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第10の発明は、第1乃至第9の発明の何れかにおいて、
前記排気系に付着している燃料の量を推定する排気系付着燃料量推定手段を更に備え、
前記排気系付着燃料除去手段は、前記推定された排気系付着燃料量が所定値以上になった場合に、前記排気系付着燃料除去制御を実行することを特徴とする。
また、第11の発明は、第1乃至第10の発明の何れかにおいて、
前記排気系付着燃料除去制御の実行により通常時よりトルクが低下する分を補うための燃料噴射量増量を実施する燃料噴射量増量手段を更に備えることを特徴とする。
また、第12の発明は、第1乃至第11の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関は、ディーゼル機関であることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の排気系に付着している燃料を除去するための排気系付着燃料除去制御を行うことができる。そして、その排気系付着燃料除去制御においては、吸気弁や排気弁のバルブタイミングを変更することにより、排気温度および排気ガス量の双方をアップすることができる。このため、排気系付着燃料の蒸発を促進すると共に、排気系付着燃料を下流側に吹き飛ばすことができる。つまり、排気系付着燃料を確実に除去することができる。よって、排気系付着燃料の存在に起因する弊害の発生を有効に防止することができる。すなわち、排気浄化用の触媒等の温度を制御したり、その触媒等に流入する排気空燃比を制御したりする場合に、制御性が悪化することを確実に防止することができる。
第2の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行時、吸気弁閉じ時期を下死点に近づけて実圧縮比を高めるとともに、排気弁開き時期を早くすることができる。このため、排気温度を容易かつ確実に高くすることができ、排気系付着燃料をより確実に除去することができる。
第3の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行時、実圧縮比のアップによって圧縮端温度が上昇するのに応じて、燃料噴射時期を遅らせることができる。このため、内燃機関からのHC排出量が増加することを回避しつつ、排気温度を更に高くすることができる。
第4の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行時、メインの燃料噴射の後にアフター噴射を実施することができる。このため、排気温度を更に高くすることができ、排気系付着燃料をより確実に除去することができる。
第5の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行時、バルブオーバーラップの大きさを最適化して体積効率を高めることができる。このため、排気ガス流量を容易かつ確実に増加させることができ、排気系付着燃料をより確実に除去することができる。
第6の発明によれば、排気処理装置の温度を上昇させる制御を含む排気ガス制御が実行される直前に排気系付着燃料除去制御を実行することができる。排気系付着燃料除去制御の実行中は、排気温度が高くされているので、排気処理装置も高温になっている。つまり、第6の発明によれば、排気処理装置の温度を上昇させる必要のある排気ガス制御を、排気処理装置が既に高温になっている排気系付着燃料除去制御の直後に実施するができる。このため、排気ガス制御をスムーズに実施することができる。その結果、排気ガス制御を短時間で終了させることができ、排気ガス制御に要する燃料を節約することができる。
第7の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行時、排気浄化用の触媒の温度が活性温度域にない場合には、排気ガス量の増量を抑制し、触媒の温度が活性温度域に入るのを待ってから、排気ガス量を本来の量まで増量させることができる。このため、触媒の温度が未だ活性温度域に達していない間は、除去された排気系付着燃料が触媒に流入するのを抑制することができる。よって、排気系付着燃料が浄化されずに触媒をすり抜けて、白煙等が排出されることを有効に抑制することができる。
第8の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行中は、可変容量型のターボ過給機の可変ノズルの開度を通常時より大きくすることができる。これにより、除去された排気系付着燃料が可変ノズルに再付着することを有効に防止することができる。また、可変ノズルを開くことで、ターボ過給機のタービンで回収される仕事が減少するので、ターボ過給機より下流側における排気温度を更に高めることができる。このため、ターボ過給機より下流側の排気通路に付着している燃料の除去を更に促進することができる。
第9の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行中は、外部EGR率を通常時より低くすることができる。これにより、除去された排気系付着燃料がEGR経路に回り込むことを有効に抑制することができる。よって、EGR経路内に燃料が再付着したりするなどの弊害の発生をより確実に防止することができる。
第10の発明によれば、排気系に付着している燃料の量を推定することができる。そして、その推定された排気系付着燃料量が所定値以上になった場合に、排気系付着燃料除去制御を実行することができる。このため、排気系付着燃料除去制御を適時に無駄なく実行することができる。
第11の発明によれば、排気系付着燃料除去制御の実行により通常時よりトルクが低下する分を補うための燃料噴射量増量を実施することができる。排気系付着燃料除去制御の実行中にトルクが低下することを確実に防止することができる。また、燃料噴射量の増量により、排気温度を更に高くすることができる。このため、排気系付着燃料を除去する効果を更に高めることができる。
第12の発明によれば、ディーゼル機関において、上記効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、4サイクルのディーゼル機関10を備えている。ディーゼル機関10は、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態のディーゼル機関10は、直列4気筒型であるが、本発明におけるディーゼル機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
以下、本実施形態では、本発明をディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)の制御に適用した場合について説明するが、本発明は、ディーゼル機関の制御に限定されるものではなく、ガソリン機関(火花点火内燃機関)その他の各種の内燃機関の制御に適用することが可能である。
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。コモンレール14内には、サプライポンプ16によって加圧された高圧の燃料が貯留されている。そして、コモンレール14内から、各インジェクタ12へ、燃料が供給される。
インジェクタ12は、1サイクル中に複数回、任意のタイミングで燃料を筒内に噴射することができる。すなわち、インジェクタ12は、1サイクル中に、主たる燃料噴射であるメイン噴射のほかに、メイン噴射に先立つパイロット噴射や、メイン噴射の後のアフター噴射、ポスト噴射などを実施することができるようになっている。
本実施形態のディーゼル機関10には、ターボ過給機24が設置されている。すなわち、ディーゼル機関10の各気筒の排気ポート22(図2参照)から排出された排気ガスは、排気マニホールド20にて合流し、ターボ過給機24のタービンに流入するようになっている。
ターボ過給機24は、可変容量型のものである。すなわち、ターボ過給機24には、タービンの入口面積を変化させることのできる可変ノズル23と、この可変ノズル23の開度を変化させるためのアクチュエータ25とが設けられている。可変ノズル23の開度を小さくすると、タービンに流入する排気ガスの流速が速くなり、その結果、過給圧を増大させることができる。
ターボ過給機24より下流側の排気通路18には、排気ガスを浄化するための排気処理装置として、触媒(触媒付きフィルター)26が設けられている。本実施形態では、触媒26は、NOx吸蔵還元型三元触媒としての機能と、PM(Particulate Matter)を捕集する機能との双方を備えているものとする。
排気通路18には、排気ガスの温度を検出する排気温センサ19が設置されている。また、触媒26には、触媒26の温度(床温)を検出する触媒温度センサ27が設置されている。なお、本実施形態では、この触媒温度センサ27によって触媒26の温度を検出するものとするが、本発明では、ディーゼル機関10の運転状態に基づいて、公知の手法により触媒26の温度を推定するようにしてもよい。
ディーゼル機関10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24のコンプレッサで圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により、各気筒の吸気ポート35(図2参照)に分配される。
吸気通路28の、インタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。また、吸気通路28の、エアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するエアフローメータ38が設置されている。
吸気通路28の吸気マニホールド34の近傍には、外部EGR通路40の一端が接続されている。外部EGR通路40の他端は、排気通路18の排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、この外部EGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28に還流させること、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことができる。
外部EGR通路40の途中には、外部EGRガスを冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。外部EGR通路40におけるEGRクーラ42の下流には、EGR弁44が設けられている。このEGR弁44の開度を変えることにより、外部EGR通路40を通る排気ガス量、すなわち外部EGR量を調整することができる。
また、本システムにおいて、外部EGR量は、EGR弁44の開度だけでなく、吸気絞り弁36の開度によっても調整することができる。吸気絞り弁36の開度を小さくして吸気を絞ると、吸気圧が小さくなるので、背圧(排気圧)との差圧が大きくなる。つまり、外部EGR通路40の前後の差圧が大きくなる。このため、外部EGR量を多くすることができる。
そして、本実施形態のシステムは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ48と、ECU(Electronic Control Unit)50とを更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼル機関10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼル機関10の一つの気筒の断面を示す図である。以下、ディーゼル機関10について更に説明する。図2に示すように、ディーゼル機関10のクランク軸60の近傍には、クランク軸60の回転角度を検出するクランク角センサ62が取り付けられている。このクランク角センサ62は、ECU50に接続されている。クランク角センサ62によれば、機関回転速度を検出することができる。
また、ディーゼル機関10には、吸気弁52のバルブタイミングを可変とする吸気可変動弁機構54と、排気弁56のバルブタイミングを可変とする排気可変動弁機構58とが備えられている。吸気可変動弁機構54および排気可変動弁機構58は、それぞれ、ECU50に接続されている。
本実施形態の吸気可変動弁機構54は、吸気弁52の開き時期および閉じ時期をそれぞれ別々に変化させることができるものとする。また、排気可変動弁機構58も、排気弁56の開き時期および閉じ時期をそれぞれ別々に変化させることができるものとする。
吸気可変動弁機構54および排気可変動弁機構58の具体的な構造は、特に限定されず、各種のカム機構などの機械的な機構を利用するものであっても、任意の時期に開閉可能な電磁駆動弁あるいは油圧駆動弁などを利用するものであってもよい。
本実施形態のシステムでは、触媒26の機能を回復させるための制御として、リッチスパイク制御、PM再生制御、およびS再生制御(以下、これらを「触媒制御」と総称する)を実施するものとする。以下、各触媒制御について順次説明する。
(リッチスパイク制御)
リッチスパイク制御は、触媒26に吸蔵されたNOxをNに還元浄化して放出するための制御である。リッチスパイク制御においては、触媒26に流入する排気ガスの空燃比(以下、単に「排気空燃比」と称する)が一時的に理論空燃比以下のリッチとなるように制御される。排気空燃比をリッチにすると、排気ガス中の未燃HCが還元剤となることで、吸蔵されたNOxを還元浄化することができる。
(PM再生制御)
PM再生制御は、触媒26に捕集されたPM(Particulate Matter)を燃焼させて除去するための制御である。PM再生制御では、触媒26の温度が例えば600℃程度の高温になるように制御される。
(S再生制御)
S再生制御とは、触媒26にSOx(硫黄酸化物)が吸着することで生ずる硫黄被毒を回復させるための制御である。S再生制御では、触媒26の温度が例えば650〜700℃程度の高温になるように制御されるとともに、SOxを還元するべく、排気空燃比が一時的に理論空燃比以下のリッチとなるように制御される。
上述した各触媒制御において、排気空燃比をリッチにしたり、触媒26の温度を上昇させたりする際には、ポスト噴射あるいは排気ガス中への燃料添加などの方法により、排気通路に未燃燃料(HC)を流通させることが行われる。ポスト噴射とは、筒内での燃焼が終了した後に、インジェクタ12から追加的に燃料を噴射することである。排気ガス中への燃料添加とは、排気通路18に設けられた燃料添加弁(図示せず)から排気ガス中に燃料を噴射することである。
[実施の形態1の特徴]
(排気系への燃料付着)
ディーゼル機関10から排出された直後の排気ガス中には、運転状態によっても異なるが、HC、すなわち未燃燃料が多少なりとも含まれている。軽負荷運転時やアイドル時など、排気温度の低いときには、排気ポート22、排気マニホールド20、ターボ過給機24のタービン、およびターボ過給機24から触媒26までの排気通路18(以下、これらを総称して「排気系」と言う)の温度も低くなっている。そのようなときには、排気ガス中に含まれる未燃燃料(以下、単に「燃料」と言う)が排気系の壁面に付着し易くなる。このため、ディーゼル機関10の運転状態によっては、排気系の壁面に燃料が液状になって付着していく場合がある。
排気系に付着している燃料は、いずれ、蒸発したり、壁面から剥がれたりして、排気ガスと混合する。そのような事態が、触媒制御の最中に生ずると、排気ガス中の燃料が目標値より増えてしまう。その結果、排気空燃比がリッチスパイクやS再生での適正値より低くなってしまったり、触媒26の温度が上がり過ぎて触媒26にダメージを与えたりするという弊害が生ずることがある。
そこで、本実施形態では、触媒制御を実行する前に、排気系に付着している燃料を除去するための制御を行うこととした。以下、その制御の内容について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、排気系に付着している燃料を、その燃料が排気系の壁面から離脱した後も含めて、「排気系付着燃料」と称する。
(排気系付着燃料除去制御)
排気系付着燃料を除去するためには、排気温度を高くして排気系付着燃料が蒸発し易くすることと、排気ガス流量を増やして排気系付着燃料を吹き飛ばすようにすることとが有効である。本実施形態では、吸気可変動弁機構52および排気可変動弁機構58を用いて、排気温度のアップと、排気ガス流量のアップとを図ることとした。
図3は、排気系付着燃料除去制御における吸気弁52および排気弁56のバルブタイミングを説明するための図である。図3中の白く太い矢印は、通常時(排気系付着燃料除去制御の非実行時)の吸気弁52の開弁期間の一例を示している。また、黒く太い矢印は、通常時の排気弁56の開弁期間の一例を示している。
(実圧縮比アップによる排気温度アップ)
排気系付着燃料除去制御においては、図3中の破線で示すように、吸気弁52の閉じ時期が通常時よりも下死点(BDC)に近づくように、吸気可変動弁機構54が制御される。すなわち、吸気弁52の早閉じが実施される。吸気弁52の閉じ時期を下死点に近づけると、有効な圧縮行程が長くなるので、実質的な圧縮比(以下、「実圧縮比」と称する)はアップする。実圧縮比がアップすると、圧縮上死点近傍の筒内温度(以下、「圧縮端温度」と称する)が高くなる。このため、排気温度をその分だけ高くすることができる。
(排気弁早開きによる排気温度アップ)
排気系付着燃料除去制御においては、図3中の破線で示すように、排気弁56の開き時期が通常時よりも早くなるように、排気可変動弁機構58が制御される。すなわち、排気弁56の早開きが実施される。排気弁56が早く開くと、筒内の燃焼ガスは、筒内で十分に膨張しないままで、つまりエネルギーの高い状態のままで、排気ガスとして排出されることになる。すなわち、排気エネルギーが高くなる。このため、排気温度および排気圧力を高めることができる。
(バルブオーバーラップの最適化による排気ガス流量アップ)
図3に示すように、ディーゼル機関10では、通常時、排気弁56が閉じる前に吸気弁52が開く。バルブオーバーラップとは、吸気弁52が開いてから排気弁56が閉じるまでの期間、つまり、排気弁56と吸気弁52とが共に開いている期間のことである。
ディーゼル機関10の体積効率をアップすることができれば、筒内に吸入される空気の量が増えるので、排気ガス流量を増やすことができる。体積効率をアップするには、空気が筒内に抵抗なく流入することができるようにするとともに、残留ガス(筒内に残留する前サイクルの既燃ガス)の量を少なくすることが重要である。排気弁56の閉じ時期が早すぎると、排気が十分に行われず、残留ガスが増加する。また、排気弁56の閉じ時期が遅すぎると、排気ガスが排気ポート22から筒内に逆流し、やはり残留ガスが増加する。一方、空気を筒内に抵抗なく流入させるためには、ピストン64の速度が速くなったところで吸気弁52が十分にリフトしていることが必要であるため、吸気弁52の開き時期を早くすることが求められる。しかしながら、吸気弁52の開き時期が早すぎると、バルブオーバーラップが大きくなるので、残留ガス量が増大して、体積効率は低下する。
このように、体積効率は、吸気弁52の開き時期と排気弁56の閉じ時期、つまりバルブオーバーラップの大きさによって主に決定される。そして、体積効率を最高とするようなバルブオーバーラップの大きさは、機関回転速度や、機関負荷(過給圧)によって異なる。
そこで、本実施形態では、排気系付着燃料除去制御において、バルブオーバーラップの大きさを、機関回転速度および機関負荷に応じて最適化することで、体積効率をアップし、もって排気ガス流量を増加させることとした。
上述したような排気系付着燃料除去制御によれば、排気温度と排気ガス流量との双方をアップすることができるので、排気系付着燃料を有効に除去することができる。そして、排気系付着燃料を除去した後に触媒制御を行うこととすれば、触媒温度や排気空燃比を制御する際の制御性が悪化するという弊害を確実に回避することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンによれば、まず、触媒制御の要求があるか否か、すなわちリッチスパイク制御、PM再生制御、S再生制御の何れかを実行する時期が到来しているか否かが判別される(ステップ100)。本実施形態では、触媒制御を実行する直前に、排気系付着燃料除去制御を行うこととしている。このため、触媒制御の要求がない場合には、本ルーチンの今回の処理サイクルをそのまま終了する。なお、リッチスパイク制御、PM再生制御、およびS再生制御を実行する時期が到来したか否かの判別手法は公知であり、他のルーチンの処理によって実行されているものとする。
一方、上記ステップ100において、触媒制御の要求があると判別された場合には、次に、排気系付着燃料量が多量であるか否かが判別される(ステップ102)。本実施形態において、ECU50は、次のようにして、排気系付着燃料量を逐次推定しているものとする。
単位時間当たりに排気系に新たに付着する燃料の量は、ディーゼル機関10からのHC排出量が多いほど多く、また、排気系の温度が低いほど多い。ECU50には、ディーゼル機関10の運転状態と、ディーゼル機関10からのHC排出量との関係を表すマップが予め記憶されている。ECU50には、更に、排気系の代表温度と、ディーゼル機関10から排出されるHCのうちの排気系に付着する分の割合との関係を表すマップも予め記憶されている。そして、ECU50は、それらのマップに基づき、現在の運転状態と排気系代表温度の下で単位時間当たりに排気系に新たに付着する燃料の量を逐次算出し、その算出値を積算していくことによって、現在の排気系付着燃料量を推定している。なお、排気系代表温度は、排気温センサ19によって検出される排気温度、あるいはディーゼル機関10の運転状態に基づいて、推定することができる。
上記ステップ102では、そのようにして推定された排気系付着燃料量が所定の判定値以下である場合には、排気系付着燃料量は少量であると判別される。この場合には、このままで触媒制御を実行したとしても、排気系付着燃料が及ぼす弊害はないと判断できる。そこで、この場合には、排気系付着燃料除去制御を行うことなく、要求されている触媒制御が実施される(ステップ120)。
一方、上記ステップ102で、排気系付着燃料量の推定値が上記所定の判定値を超えている場合には、排気系付着燃料量が多量であると判別される。この場合には、排気系付着燃料除去制御を行う必要があると判断できる。そこで、この場合には、次に、触媒温度センサ27で検出される触媒26の温度が、活性温度より低いか否かが判別される(ステップ104)。
上記ステップ104で触媒26の温度が活性温度より低いと判別された場合には、次に、実圧縮比をアップさせる処理が実行される(ステップ106)。すなわち、吸気弁52の閉じ時期が通常時よりも下死点に近づくように、吸気可変動弁機構54が制御される。これにより、圧縮端温度が上昇し、その分、排気温度も上昇する。
続いて、燃料噴射時期の遅角(以下、「噴射時期リタード」と称する)と、アフター噴射とが実施される(ステップ108)。ここで言う噴射時期リタードとは、少なくともメイン噴射の噴射時期を通常時より遅くすることを言う。メイン噴射以外の噴射を実施している場合には、それらの噴射時期も遅くしても良い。燃料噴射時期の遅角と、アフター噴射とは、共に、排気温度を高める効果を有している。このため、このステップ108の処理によれば、排気温度を更に上昇させることができる。
ところで、噴射時期リタードを行うと、通常は、HC排出量が増加する。しかしながら、本実施形態では、上記ステップ106で実施された実圧縮比のアップにより、圧縮端温度が高くされているので、噴射時期リタードを行っても、燃料を十分に燃焼させることができる。よって、HC排出量の増加を防止することができる。
なお、上記ステップ108では、噴射時期リタードとアフター噴射との何れか一方を実施するようにしてもよい。
上記ステップ106および108の処理によれば、排気温度を十分に高くすることができる。このため、排気系付着燃料の蒸発を十分に促進することができる。また、排気温度が高くされているので、触媒26の温度上昇も促進される。このため、触媒26の温度を迅速に活性温度以上まで高めることができる。
図4に示すルーチンによれば、上記ステップ108の処理に続いて、触媒26の温度が活性温度以上に高くなったか否かが判別される(ステップ110)。そして、触媒26の温度が活性温度以上に高くなったと判別された場合には、次に、排気弁56の開き時期が通常時より早くなるように、排気可変動弁機構58を制御する処理が実施される(ステップ112)。これにより、排気エネルギーが上昇し、排気温度および排気圧を更に高くすることができる。その結果、排気系付着燃料の蒸発を更に促進することができる。
続いて、バルブオーバーラップを最適化することにより、体積効率をアップする処理が実施される(ステップ114)。ECU50には、機関回転速度および機関負荷と、体積効率を最高とするバルブオーバーラップの大きさとの関係を定めたマップが予め記憶されている。このステップ114では、そのマップに基づいて、体積効率を最高とするバルブオーバーラップの大きさが算出され、その算出された大きさのバルブオーバーラップが実現するように、吸気弁52の開き時期と排気弁56の閉じ時期とが制御される。これにより、体積効率がアップし、排気ガス流量を増加させることができる。その結果、排気系付着燃料を下流側に効率良く吹き飛ばすことができ、確実に除去することができる。なお、このステップ114では、バルブオーバーラップの最適化と併せて、吸気絞り弁36の開度を大きくする制御を行うようにしてもよい。これにより、体積効率を更に高くすることができる。
上述したように、本実施形態では、触媒26の温度が活性温度に達していない場合には、まず、主に排気温度をアップするための処理(上記ステップ106および108)を行う。そして、触媒26の温度が活性温度に達するのを待ってから、主に排気ガス流量をアップするための処理(上記ステップ114)を行う。このため、触媒26の温度が活性温度に達するまでは、多量の排気系付着燃料が触媒26に流入するのを抑制することができるので、排気系付着燃料が触媒26で浄化されずに下流にすり抜けることを確実に防止することができる。すなわち、排気系から除去された排気系付着燃料(HC)を、触媒26で確実に浄化してから大気中に放出することができる。このため、エミッションの悪化を回避することができる。一方、上記の場合において、排気温度をアップする処理と排気ガス流量をアップする処理とを同時に実施した場合には、排気系から除去された排気系付着燃料が、触媒26の温度が活性温度に達しないうちから触媒26に多量に流入することとなるので、その排気系付着燃料が未浄化のままで触媒26をすり抜けて大気中に白煙として放出される事態が生じ得る。これに対し、図4に示すルーチンの処理によれば、そのような事態を生ずることを確実に防止することができる。
以上、上記ステップ104での触媒26の温度、すなわち排気系付着燃料除去制御開始時の触媒26の温度が、活性温度より低いと判別された場合の制御について説明した。これに対し、上記ステップ104で、触媒26の温度が活性温度以上であると判別された場合には、上記ステップ106,108,112および114に相当する処理が同時に実施される(ステップ116)。すなわち、ステップ116では、実圧縮比のアップ、噴射時期リタード、アフター噴射、排気弁56の早開き、および、体積効率のアップの各処理がそれぞれ実施される。このステップ116の処理によれば、排気温度および排気ガス流量の双方を十分にアップすることができる。このため、排気系付着燃料の蒸発を促進すると共に、排気系付着燃料を下流側に効率良く吹き飛ばすことができる。つまり、排気系付着燃料を確実に除去することができる。また、この場合には、排気温度をアップする処理と排気ガス流量をアップする処理とを同時に実施しているので、排気系付着燃料除去制御を短時間で終わらせることができる。このため、燃費やエミッションの悪化を最小限にとどめることができる。なお、この場合には、触媒26の温度が初めから活性温度以上になっているので、除去された排気系付着燃料が未浄化で触媒26をすり抜けることはないので、白煙が排出されるようなことはない。
以上説明したように実施された排気系付着燃料除去制御は、所定時間継続された後、終了される。そして、排気系付着燃料除去制御が終了したことが認められた場合には(ステップ118)、次に、上記ステップ100で要求されていた所定の触媒制御が実行される(ステップ120)。この触媒制御の実行時には、既に排気系付着燃料が十分に除去されている。このため、排気系付着燃料が壁面から離脱して排気ガス中に混合することによる弊害、すなわち、排気空燃比がリッチスパイク制御やS再生制御の目標値より低くなったり、PM再生制御やS再生制御において触媒26の温度が上がりすぎて触媒26にダメージを与えたりするようなことを確実に防止することができる。
また、図4に示すルーチンによれば、リッチスパイク制御や、PM再生制御、S再生制御等の触媒制御の直前に排気系付着燃料除去制御を行うことができる。排気系付着燃料除去制御を実行すると、排気温度が高くされるので、触媒26の温度も高くなる。そこで、排気系付着燃料除去制御の直後に触媒制御を実施することとすれば、触媒制御をスムーズに実施することができる。このため、触媒制御を短時間で終了させることができ、触媒制御に要する燃料を節約することができる。
本実施形態では、上述した排気系付着燃料除去制御の実行中に、ECU50は、図5および図6に示すルーチンを更に実行する。以下、図5および図6に示すルーチンの処理について、順次説明する。
図5に示すルーチンによれば、ターボ過給機24の可変ノズル23を開いて、その開度を通常時より大きくする処理が実施される(ステップ122)。これにより、排気系付着燃料除去制御の実行中、可変ノズル23を開くことができる。このため、排気ポート22や排気マニホールド20から除去された排気系付着燃料が可変ノズル23に再度付着することを有効に防止することができる。また、可変ノズル23を開くことで、ターボ過給機24のタービンで回収される仕事が減少するので、ターボ過給機24より下流側における排気温度を更に高めることができる。このため、ターボ過給機24より下流側の排気通路18に付着している燃料の除去を更に促進することができる。
また、図5に示すルーチンによれば、外部EGR率を通常時より減少させる処理が実施される(ステップ124)。具体的には、EGR弁44の開度が通常時より小さくされると共に、吸気絞り弁36の開度を通常時より大きくすることが行われる。このステップ124の処理によれば、外部EGR率を減少させることができる。その結果、排気ポート22や排気マニホールド20から除去された排気系付着燃料がEGR経路(EGR通路40やEGRクーラ42等)に回り込むことを有効に抑制することができる。よって、EGR経路内に燃料が再付着したりするなどの弊害の発生をより確実に防止することができる。
図6に示すルーチンは、排気系付着燃料除去制御の実行中に、燃料噴射量を補正する制御を行うためのものである。前述したように、本実施形態の排気系付着燃料除去制御においては、吸気弁52の早開きにより実圧縮比がアップされ(ステップ126)、更に噴射時期リタードが実施される(ステップ128)。
一般に、噴射時期リタードを行うと、機関サイクルの等容度が下がり、熱効率が低下するので、ディーゼル機関10のトルクが低下する。そこで、図6に示すルーチンによれば、噴射時期リタードの実施に併せて、そのトルク低下分を補うために燃料噴射量を増量する補正が行われる(ステップ130)。これにより、排気系付着燃料除去制御の実行中にトルクが低下することを確実に防止することができる。また、このステップ130の処理によって燃料噴射量が増量されると、その分、排気温度を更に高くすることができる。このため、排気系付着燃料を除去する効果を更に高めることができる。
また、前述したように、本実施形態の排気系付着燃料除去制御においては、排気弁56の早開きが実施される(ステップ132)。一般に、排気弁56を早開きすると、筒内の燃焼ガスが十分にピストン64を押し下げないうちに排気ガスとして排出されることになるので、トルクが低下する。そこで、図6に示すルーチンによれば、排気弁56の早開きを実施することに併せて、そのトルク低下分を補うために燃料噴射量を更に増量する補正が行われる(ステップ134)。これにより、排気系付着燃料除去制御の実行中にトルクが低下することを確実に防止することができる。また、このステップ134の処理によって燃料噴射量が増量されると、その分、排気温度を更に高くすることができる。このため、排気系付着燃料を除去する効果を更に高めることができる。特に、本実施形態では、噴射時期リタードが実施されているので、燃焼期間が遅い時期に移行しているため、排気弁56が早開きされたとき、排気ガスがより高温の状態で排気ポート22に排出される。つまり、噴射時期リタードが実施されていない場合と比べ、排気損失が更に高くなる。このため、排気弁56の早開きによるトルクの低下もその分だけ大きくなり、よって、そのトルク低下分を補うための燃料噴射量の増量代(ステップ134での増量代)も大きくなる。従って、排気温度を高くする上で極めて有利であり、排気系付着燃料を除去する効果を更に高めることができる。
また、上述した実施の形態1においては、吸気可変動弁機構54および排気可変動弁機構58が前記第1の発明における「可変動弁機構」に相当している。また、ECU50が、図4に示すルーチンの処理を実行することにより前記第1の発明における「排気系付着燃料除去制御」が、上記ステップ106,108,112,116の処理を実行することにより前記第1の発明における「排気昇温手段」が、上記ステップ114,116の処理を実行することにより前記第1の発明における「排気ガス増量手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ106,116の処理を実行することにより前記第2の発明における「圧縮端温度上昇手段」が、上記ステップ112,116の処理を実行することにより前記第2の発明における「排気エネルギ増大手段」が、上記ステップ108,116の処理を実行することにより前記第3の発明における「噴射時期リタード手段」が、上記ステップ108,116の処理を実行することにより前記第4の発明における「アフター噴射手段」が、上記ステップ114,116の処理を実行することにより前記第5の発明における「体積効率向上手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、リッチスパイク制御、PM再生制御またはS再生制御が前記第6の発明における「排気ガス制御」に、触媒26が前記第6の発明における「排気処理装置」および前記第7の発明における「触媒」に、触媒温度センサ27が前記第7の発明における「触媒温度取得手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第6の発明における「排気ガス制御手段」が、図4に示すルーチンの処理を実行することにより前記第6の発明における「前記排気系付着燃料除去手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第7の発明における「前記排気ガス増量手段」が、それぞれ実現されている
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ122の処理を実行することにより前記第8の発明における「ノズル開き手段」が、上記ステップ124の処理を実行することにより前記第9の発明における「外部EGR率低減手段」が、それぞれ実現されている。また、吸気絞り弁36、EGR通路40、EGRクーラ42およびEGR弁44が前記第9の発明における「外部EGR手段」に相当している。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第10の発明における「排気系付着燃料量推定手段」が、図4に示すルーチンの処理を実行することにより前記第10の発明における「排気系付着燃料除去手段」が、上記ステップ130および134の処理を実行することにより前記第11の発明における「燃料噴射量増量手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関の一つの気筒の断面を示す図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関のバルブタイミングを説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
14 コモンレール
18 排気通路
19 排気温センサ
20 排気マニホールド
22 排気ポート
23 可変ノズル
24 ターボ過給機
25 アクチュエータ
26 触媒
27 触媒温度センサ
28 吸気通路
34 吸気マニホールド
35 吸気ポート
36 吸気絞り弁
38 エアフローメータ
40 外部EGR通路
44 EGR弁
48 アクセル開度センサ
50 ECU
52 吸気弁
54 吸気可変動弁機構
56 排気弁
58 排気可変動弁機構
62 クランク角センサ
64 ピストン

Claims (12)

  1. 内燃機関の吸気弁および排気弁のバルブタイミングを可変とする可変動弁機構と、
    前記内燃機関の排気系に付着している燃料を除去するための排気系付着燃料除去制御を行う排気系付着燃料除去手段とを備え、
    前記排気系付着燃料除去手段は、
    排気温度が通常時より高くなるように前記吸気弁および/または前記排気弁のバルブタイミングを変更する排気昇温手段と、
    排気ガス量が通常時より多くなるように前記吸気弁および/または前記排気弁のバルブタイミングを変更する排気ガス増量手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記排気昇温手段は、
    吸気弁閉じ時期を下死点に近づけて実圧縮比を高めることにより圧縮端温度を通常時より高くする圧縮端温度上昇手段と、
    排気弁開き時期を通常時より早くすることにより排気エネルギを増大させる排気エネルギ増大手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記排気系付着燃料除去手段は、前記圧縮端温度上昇手段により圧縮端温度が上昇するのに応じて、燃料噴射時期を遅らせる噴射時期リタード手段を更に含むことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記排気系付着燃料除去手段は、メインの燃料噴射の後に再度燃料を噴射するアフター噴射手段を更に含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記排気ガス増量手段は、体積効率が通常時より高くなるように、前記排気弁と前記吸気弁とが共に開いた状態であるバルブオーバーラップの大きさを変更する体積効率向上手段を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記内燃機関の排気通路に配置された排気処理装置と、
    前記排気処理装置の温度を上昇させる制御を含む排気ガス制御を必要時に行う排気ガス制御手段と、
    を更に備え、
    前記排気系付着燃料除去手段は、前記排気ガス制御が実行される直前に前記排気系付着燃料除去制御を実行することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
    前記触媒の温度またはこれと相関する値を検出または推定する触媒温度取得手段と、
    を更に備え、
    前記排気ガス増量手段は、前記触媒の温度が活性温度域にない場合には、排気ガス量の増量を抑制し、前記触媒の温度が活性温度域に入るのを待ってから、排気ガス量を本来の量まで増量させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 可変ノズルを有する可変容量型のターボ過給機と、
    前記排気系付着燃料除去制御の実行中は、前記可変ノズルの開度を通常時より大きくするノズル開き手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記内燃機関の排気ガスを前記内燃機関の外部を通して吸気通路に還流させる外部EGR手段と、
    前記排気系付着燃料除去制御の実行中は、外部EGR率を通常時より低くする外部EGR率低減手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 前記排気系に付着している燃料の量を推定する排気系付着燃料量推定手段を更に備え、
    前記排気系付着燃料除去手段は、前記推定された排気系付着燃料量が所定値以上になった場合に、前記排気系付着燃料除去制御を実行することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 前記排気系付着燃料除去制御の実行により通常時よりトルクが低下する分を補うための燃料噴射量増量を実施する燃料噴射量増量手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  12. 前記内燃機関は、ディーゼル機関であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
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