JP2009085053A - 圧縮着火内燃機関の制御装置 - Google Patents

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忍 石山
Akitoshi Tomota
晃利 友田
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智幸 小野
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Tomoyoshi Ogo
知由 小郷
Katsuhiro Ito
勝広 伊藤
Yoshihiro Hisataka
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Abstract

【課題】本発明は、圧縮着火内燃機関の制御装置に関し、優れた冷間始動性を得ることを目的とする。
【解決手段】冷間始動であると判別された場合には、ターボ過給機の可変ノズルが全閉とされる(ステップ104)。これにより、排気ガスの流れを絞り、排気ガスが排気通路に流れにくくすることにより、筒内の残留ガス量を増やすことができる。更に、バルブオーバーラップ期間がゼロとなるように、吸気可変動弁装置および排気可変動弁装置の作動が制御される(ステップ106)。これにより、筒内の高温の残留ガスが低温の吸気ポートへ出て冷却されてしまうことを確実に回避することができる。このため、残留ガスによる筒内温度上昇効果を顕著に発揮させることができ、始動性を十分に改善することができるとともに、白煙の排出量も十分に低減することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮着火内燃機関の制御装置に関する。
圧縮着火内燃機関(以下「ディーゼル機関」ともいう)が広く用いられている。近年のディーゼル機関の主流であるインタークーラ付きターボディーゼル機関においては、高出力化のために、従来よりも圧縮比を低くする傾向にある。すなわち、高出力化を図るには、多くの燃料を筒内で燃焼させる必要があるが、筒内で燃焼させる燃料量を増やすと、最大筒内圧力が高くなる。しかしながら、エンジンの機械的強度上の理由から、最大筒内圧力を高くすることはなるべく回避したいという要望がある。そこで、圧縮比を従来より低くすることで、最大筒内圧力を高くせずに多量の燃料を筒内で燃焼可能とする設計が行われている。
上記のように、低圧縮比化がなされた近年のディーゼル機関では、冷間始動時(特に外気温が低い場合の冷間始動時)に、圧縮端の圧力および温度が従来より低くなり、燃料が燃焼(着火)しにくくなる。このため、始動性が悪化したり、白煙やHCの排出量が増大したりし易いという問題がある。
特開2003−269181号公報には、吸気行程に加えて排気行程において吸気弁を小さくリフトさせるカムプロフィールを有する吸気カムと、可変ノズル付きターボ過給機とを備えたディーゼル機関において、エンジン始動から暖機終了までの間に渡って可変ノズルを絞り作動させる技術が開示されている。この技術によれば、始動時に、可変ノズルの絞り作用によって背圧を上昇させた状態としつつ排気行程において吸気弁が開くので、多量の排気ガスが吸気弁を経て吸気マニホールド側に戻された後、次の吸気行程においてその排気ガスが新気とともに筒内に再流入することとなる(同公報の段落0009,0011等参照)。その結果、筒内の温度を上昇させることができ、白煙の排出を早期に低減することができると同公報では記載されている。
しかしながら、本発明者らの知見によれば、上記従来の技術には、特に低外気温時の冷間始動の場合に、次のような問題がある。低外気温時の冷間始動時には、吸気ポート周囲のシリンダヘッドも低温の状態にある。このため、吸気通路側に排気ガスが逆流すると、排気ガスの熱が吸気ポートの壁面に奪われて排気ガスが冷却されるので、その排気ガスが筒内に再流入しても、筒内温度を十分に高めることができない。その結果、白煙やHCの排出量を十分に低減することができず、また、始動性を十分に改善することもできない。
特開2007−32415号公報 特開2002−266668号公報 特開2002−195059号公報 特開2002−161768号公報 特開2003−269181号公報
また、特開2007−32415号公報には、冷間始動時の燃焼安定性を改善するため、エンジン始動後の暖機中において、エンジン温度が所定温度未満の極低温のときには、所定温度以上のときに比べて、排気弁開弁期間と吸気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を大きくする発明が開示されている。同公報の発明は、吸気ポートに燃料を噴射するガソリンエンジンの始動性の改善を目的としてなされたものである(同公報の段落0007,0023,0024,図1等参照)。すなわち、同公報の発明は、冷間始動時にバルブオーバーラップ期間を大きくして、残留ガス量を多くすることにより、燃料の霧化を促進し、燃料が燃焼室壁面に付着することを防止しようというものである。このように、同公報の発明は、ディーゼル機関を対象としたものではないが、仮に同公報の発明をディーゼル機関に適用したとした場合には、バルブオーバーラップ期間の増大により、吸気通路側に逆流する排気ガス量が多くなる。その結果、一番目に述べた公報の発明と同様に、低温の吸気ポートによって排気ガス(残留ガス)が冷却されることとなるため、始動性等を改善することはできない。
また、特開2002−195059号公報には、冷間始動時に初爆が発生した後は、吸気系へ逆流する排気ガス量が初爆発生前に比して増加するように可変動弁機構を制御する発明が開示されている。同公報の発明も、吸気ポートに燃料を噴射するガソリンエンジンの始動性の改善を目的としてなされたものであり(同公報の段落0086,図2等参照)、ディーゼル機関を対象としたものではない。また、仮に、同公報の発明をディーゼル機関に適用したとした場合であっても、初爆後すぐにバルブオーバーラップ期間を長くすると、吸気通路側に逆流する排気ガス量が多くなるので、一番目に述べた公報の発明と同様に、低温の吸気ポートによって排気ガス(残留ガス)が冷却されることとなるため、始動性等を改善することはできない。
また、特開2002−161768号公報には、低温始動時に、バルブオーバーラップ量を通常のバルブオーバーラップ量以下とすることにより、内部EGR量を少なくし、もって燃焼性の悪化を回避しようとする発明が開示されている。同公報の発明も、吸気ポートに燃料を噴射するガソリンエンジンの始動性の改善を目的としてなされたものであり(同公報の段落0015,図1等参照)、ディーゼル機関を対象としたものではない。また、仮に、同公報の発明をディーゼル機関に適用したとした場合であっても、低温始動時に内部EGR量(残留ガス量)を少なくすることは、筒内温度を高めることとは逆行することであるため、始動性等を改善することはできない。
このように、従来より、冷間始動性を向上するための各種の提案がなされているが、上述したような低圧縮比化がなされた近年のディーゼル機関の冷間始動性を向上するのに適した技術は未だ確立されていない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、優れた冷間始動性を得ることのできる圧縮着火内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、圧縮着火内燃機関の制御装置であって、
圧縮着火内燃機関の吸気弁および/または排気弁の開弁特性を可変とする可変動弁装置と、
前記圧縮着火内燃機関の冷間始動時に、筒内ガスの吸気ポートへの逆流が抑制されるような所定の開弁特性となるように前記可変動弁装置を制御する筒内ガス逆流抑制手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記筒内ガス逆流抑制手段は、クランキング開始より前に、前記可変動弁装置の状態を前記所定の開弁特性が得られる状態に制御することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記圧縮着火内燃機関の排気通路に設置された排気絞り弁、または、ターボ過給機のタービン入口面積を可変とする可変ノズルと、
前記圧縮着火内燃機関の冷間始動時に、前記排気絞り弁または前記可変ノズルの開度を暖機終了後より小さい開度に制御する始動時排気絞り制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記始動時排気絞り制御手段は、クランキング開始より前に、前記排気絞り弁または前記可変ノズルの開度を前記小さい開度に制御することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記所定の開弁特性は、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間がほぼゼロとなる開弁特性であることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記所定の開弁特性は、吸排気上死点より前に排気弁が閉じ、吸排気上死点より後に吸気弁が開く開弁特性であることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記筒内ガス逆流抑制手段による制御の終了後、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間が生ずるように前記可変動弁装置を制御することにより、内部EGRを実行する内部EGR手段を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、圧縮着火内燃機関の冷間始動時に、筒内ガスが吸気ポートへ逆流することを抑制するような開弁特性を実現することができる。このため、筒内の高温の残留ガスが、外気温で低温となっている吸気ポートに出て冷却されることを防止することができる。よって、残留ガスによって筒内温度を効率良く上昇させることができる。その結果、始動性を十分に改善することができ、また、白煙の排出量も十分に低減することができる。
第2の発明によれば、クランキング開始時から、残留ガスの吸気ポートへの逆流防止効果が得られるので、筒内温度をより迅速に上昇させることができる。このため、始動性を更に改善することができるとともに、白煙の排出量も更に低減することができる。
第3の発明によれば、冷間始動時に排気ガスの流れを絞り、排気ガスが排気通路に流れにくくすることにより、筒内の残留ガス量を増やすことができる。すなわち、第3の発明によれば、筒内の残留ガス量を多くし、且つ、その残留ガスが吸気ポートへ出て冷却されてしまうことを確実に回避することができ、筒内に高温の残留ガスを多量に閉じ込めることができる。このため、残留ガスによる筒内温度上昇効果をより顕著に発揮させることができ、始動性を更に改善することができるとともに、白煙の排出量も更に低減することができる。
第4の発明によれば、クランキング開始時から、排気絞りによる残留ガス量増量効果が得られるので、筒内温度をより迅速に上昇させることができる。このため、始動性を更に改善することができるとともに、白煙の排出量も更に低減することができる。
第5の発明によれば、冷間始動時に、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間がほぼゼロとなる開弁特性を実現することにより、筒内の残留ガスが吸気ポートに逆流することをより確実に抑制することができる。
第6の発明によれば、冷間始動時に、吸排気上死点より前に排気弁が閉じ、吸排気上死点より後に吸気弁が開く開弁特性を実現することにより、筒内の残留ガスが吸気ポートに逆流することをより確実に抑制することができる。
第7の発明によれば、暖機された後、つまり吸気ポートによる残留ガス冷却の影響が十分に小さくなった後は、バルブオーバーラップ期間が生ずるように可変動弁装置を制御することにより、高温の残留ガス量を更に多くすることができる。すなわち、大量の内部EGRを行うことができる。このため、始動時のHC排出量を更に低減することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、4サイクルのディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)10を備えている。ディーゼル機関10は、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態のディーゼル機関10は、直列4気筒型であるが、本発明におけるディーゼル機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。コモンレール14内には、サプライポンプ16によって加圧された高圧の燃料が貯留されている。そして、コモンレール14内から、各インジェクタ12へ、燃料が供給される。各気筒の排気ポート22(図2参照)から排出される排気ガスは、排気マニホールド20によって集合され、排気通路18に流入する。
ディーゼル機関10は、ターボ過給機24を備えている。ターボ過給機24は、排気ガスの流れによって作動するタービン24aと、タービン24aにより駆動されるコンプレッサ24bと、タービン24aの入口面積を変化させることのできる可変ノズル24cと、この可変ノズル24cの開度を変化させるためのアクチュエータ24dとを有している。可変ノズル24cの開度を小さくすると、タービン24aに流入する排気ガスの流速が速くなり、その結果、過給圧を増大させることができる。なお、アクチュエータ24dは、電気モータ等の、機関停止中にも動作可能なものであるのが好ましい。
排気通路18は、ターボ過給機24のタービン24aに接続されている。タービン24aより下流側の排気通路18には、排気絞り弁25と、排気ガス中の有害成分を浄化あるいは捕捉するための触媒26とが設置されている。
ディーゼル機関10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24のコンプレッサ24bで圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。本実施形態において、エアクリーナ30には、吸気温度を検出する吸気温センサが内蔵されている。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により分配されて、各気筒に流入する。
吸気通路28の、インタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。また、吸気通路28の、エアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するエアフローメータ38が設置されている。
吸気通路28の吸気マニホールド34の近傍には、EGR通路40の一端が接続されている。EGR通路40の他端は、排気通路18の排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、このEGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28に還流させること、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことができる。
EGR通路40の途中には、EGR通路40を通る排気ガス(EGRガス)を冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。EGR通路40におけるEGRクーラ42の下流には、EGR弁44が設けられている。このEGR弁44の開度を変えることにより、EGR通路40を通る排気ガス量、すなわち外部EGR量を調整することができる。
また、本実施形態のシステムは、過給圧(コンプレッサ24bの下流側の圧力)を検出する過給圧センサ46と、ディーゼル機関10が搭載された車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ48と、始動時にディーゼル機関10をクランキングする始動装置66と、機関冷却水温を検出する水温センサ68とを備えている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼル機関10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼル機関10の一つの気筒の断面を示す図である。以下、ディーゼル機関10について更に説明する。図2に示すように、ディーゼル機関10のクランク軸60の近傍には、クランク軸60の回転角度、すなわちクランク角を検出するクランク角センサ62が取り付けられている。このクランク角センサ62は、ECU50に接続されている。ECU50は、クランク角センサ62の検出信号に基づいて、機関回転数を算出することもできる。
また、ディーゼル機関10は、吸気弁52の開弁特性(少なくとも開き時期)を可変とする吸気可変動弁装置54と、排気弁56の開弁特性(少なくとも閉じ時期)を可変とする排気可変動弁装置58を備えている。本実施形態の吸気可変動弁装置54は、吸気弁52を駆動するカムシャフトの位相を変化させることにより、吸気弁52の開き時期および閉じ時期を連続的に可変とする公知の位相可変機構である。同様に、排気可変動弁装置58は、排気弁56を駆動するカムシャフトの位相を変化させることにより、排気弁56の開き時期および閉じ時期を連続的に可変とする公知の位相可変機構である。また、本実施形態の吸気可変動弁装置54、排気可変動弁装置58は、電気モータをアクチュエータとして備えるものであり、機関停止中にも動作可能なものである。
[実施の形態1の特徴]
本実施形態では、冷間始動時に、始動性の改善や白煙(HC)の排出量低減を図るため、以下のような制御を行う。
(排気絞り制御)
本実施形態では、冷間始動時、ターボ過給機24の可変ノズル24cを全閉とすることにより、排気ガスの流れを絞る排気絞り制御を行う。この排気絞り制御を行うことにより、排気ガスが筒内から排出されにくくなるので、筒内で一度圧縮されたことにより高温となった空気、あるいは高温の既燃ガスなどが残留ガスとして筒内に残り易くなる。このため、筒内温度を早期に上昇させることができる。また、可変ノズル24cを閉じることにより、過給圧を高めることができるので、圧縮端温度を高くすることができる。このため、始動性を更に改善することができる。
(吸気ポートへの逆流防止制御)
上述したように、排気絞り制御によれば、高温の残留ガスを筒内に多く残すことができ、筒内温度を早期に上昇させる効果が得られる。しかしながら、本発明者らの知見によれば、冷間始動時、特に外気温が低い場合には、吸気弁52が開いたときに筒内の残留ガスが吸気ポート35へ逆流すると、排気絞り制御による筒内温度上昇効果が大きく減殺されてしまう。すなわち、冷間始動時には、吸気ポート35が形成されているシリンダヘッドの温度も低くなっている。このため、残留ガスが吸気ポート35へ逆流すると、残留ガスの熱が吸気ポート35の壁面へと逃げてしまい、残留ガスが冷やされてしまう。よって、そのような残留ガスが筒内へ再流入しても、筒内温度を上昇させる効果は小さい。その結果、始動性を十分に改善したり、白煙排出量を低減することは困難となる。
そこで、本実施形態では、冷間始動時には、吸気弁52が開いたときに筒内ガスの吸気ポート35への逆流が抑制されるような所定の開弁特性となるように、吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58を制御することとした。図3は、冷間始動時および暖機後における吸気弁52および排気弁56のバルブリフト線図である。図3に示すように、冷間始動時には、暖機後と比べて、排気弁56のバルブタイミングを進角するとともに、吸気弁52のバルブタイミングを遅角する。この状態で、図3に示す例では、排気弁閉じ時期および吸気弁開き時期は、共に、吸排気上死点付近とされている。これにより、排気弁56の開弁期間と吸気弁52の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間がほぼゼロとなる。本実施形態では、冷間始動時に図3中の実線で示すような開弁特性とすることにより、筒内の残留ガスが吸気ポート35へ逆流することを確実に抑制することができる。このため、高温の残留ガスが低温の吸気ポート35によって冷却されることを回避することができるので、筒内温度の上昇を効果的に促進することができる。その結果、始動性を十分に改善することができ、また、白煙の排出量も十分に低減することができる。
また、本実施形態では、ディーゼル機関10が暖機された後、つまり吸気ポート35による残留ガス冷却の影響が十分に小さくなった後は、図3中の破線で示すように、バルブオーバーラップ期間が生ずるように吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58を制御することとした。これにより、大量の内部EGRを行うことができる、つまり高温の残留ガス量を更に多くすることができるので、HC排出量を更に低減することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンによれば、まず、ディーゼル機関10に対する始動要求の有無が判別される(ステップ100)。始動要求があると判別された場合には、次に、冷間始動であるか否かが判別される(ステップ102)。このステップ102では、水温センサ68で検出される機関冷却水温と、吸気温センサで検出される吸気温度とがそれぞれ読み込まれ、それらの温度を所定の判定値と比較することにより、冷間始動であるか否かが判別される。
上記ステップ102で、冷間始動であると判別された場合には、ターボ過給機24の可変ノズル24cが全閉とされ(ステップ104)、更に、バルブオーバーラップ期間がゼロとなるように、吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58の作動が制御される(ステップ106)。
これに対し、上記ステップ102で、冷間始動でないと判別された場合には、上記ステップ104の処理を飛ばして、つまり可変ノズル24cを通常開度としたままで、上記ステップ106の処理が実行される。
上記ステップ106の処理に続いて、始動装置66によってディーゼル機関10をクランキングすることにより、始動が実行される(ステップ108)。ディーゼル機関10が始動された後は、暖機が完了したか否かが、水温センサ68で検出される機関冷却水温等に基づいて判別される(ステップ110)。そして、ディーゼル機関10の暖機が完了したと判断された場合には、図3中の破線で示すようなバルブオーバーラップ期間のある開弁特性が実現されるように吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58が制御され(ステップ112)、更に、可変ノズル24cが通常開度に戻される(ステップ114)。
以上説明したような図9に示すルーチンによれば、冷間始動時には、上記ステップ104の処理によって排気絞りを行うことができるとともに、上記ステップ106の処理によって、筒内の残留ガスが吸気ポート35へ逆流することを抑制することができる。このため、高温の残留ガスが低温の吸気ポート35によって冷却されることを回避することができるので、筒内温度の上昇を効果的に促進することができる。その結果、始動性を十分に改善することができ、また、白煙の排出量も十分に低減することができる。
特に、本実施形態では、可変ノズル24cを閉じる動作と、バルブオーバーラップ期間をゼロとするための吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58の動作とを、ディーゼル機関10のクランキングを開始する前に行うことができる。このため、クランキング開始時から、排気絞りの効果および残留ガスの吸気ポート35への逆流防止効果が得られるので、筒内温度をより迅速に上昇させることができる。このため、始動性を更に改善することができるとともに、白煙の排出量も更に低減することができる。
なお、本実施形態では、可変ノズル24cを閉じる動作と、バルブオーバーラップ期間をゼロとするための吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58の動作とを、クランキング開始前に実行しているが、これらの動作を前回のエンジン停止前に予め実行しておくようにしてもよい。
また、本実施形態では、冷間始動時の吸気弁52および排気弁56の開弁特性を図3中の実線で示す開弁特性とするものとして説明したが、本発明における冷間始動時の開弁特性は、筒内の残留ガスの吸気ポート35への逆流を防止(抑制)できるような開弁特性であれば、図3に示す開弁特性に限定されるものではない。例えば、図3に示す開弁特性に代えて、図5に示すような開弁特性としてもよい。図5に示す開弁特性では、排気弁閉じ時期が吸排気上死点より前にされているとともに、吸気弁開き時期が吸排気上死点より後にされている。つまり、排気行程と吸気行程との間で、排気弁56および吸気弁52が共に閉じる負のバルブオーバーラップ期間が設けられている。図5に示す開弁特性によれば、排気弁56が上死点より前に早閉じするので、筒内の残留ガス量を増やすことができる。この場合、吸気弁52の開き時期が早いと筒内の残留ガスが吸気ポート35へ逆流するが、筒内圧力が吸気圧力より低くなる位置までピストン64が下降してから吸気弁52が開くような開弁特性にすることにより、残留ガスの吸気ポート35への逆流を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58が位相可変機構であるものとして説明したが、吸気可変動弁装置54や排気可変動弁装置58の構成は特に限定されるものではなく、吸気弁52の開弁特性(特に開き時期)や排気弁56の開弁特性(特に閉じ時期)を変化させ得るものであれば、いかなる構成であってもよい。
また、本実施形態では、筒内の残留ガスの吸気ポート35への逆流を抑制する開弁特性に切り替える際に、吸気弁52および排気弁56の双方の開弁特性を変化させるものとして説明したが、本発明では、吸気弁52および排気弁56の何れか一方の開弁特性を変化させるようにしてもよい。すなわち、ディーゼル機関10は、吸気可変動弁装置54および排気可変動弁装置58の何れか一方を備えるものであればよい。
また、本実施形態では、冷間始動時に可変ノズル24cを全閉にするものとして説明したが、通常時(暖機後)の開度より小さい開度であれば、全閉でなくてもよい。また、冷間始動時、可変ノズル24cに代えて、排気絞り弁25の開度を通常時(暖機後)の開度より小さくすることによって排気ガスの流れを絞るようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「筒内ガス逆流抑制手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第3の発明における「始動時排気絞り制御手段」が、上記ステップ112の処理を実行することにより前記第6の発明における「内部EGR手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関の一つの気筒の断面を示す図である。 冷間始動時および暖機後における吸気弁および排気弁のバルブリフト線図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 冷間始動時における吸気弁および排気弁のバルブリフト線図の他の例を示すである。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
14 コモンレール
18 排気通路
20 排気マニホールド
22 排気ポート
24 ターボ過給機
24a タービン
24b コンプレッサ
24c 可変ノズル
24d アクチュエータ
25 排気絞り弁
28 吸気通路
34 吸気マニホールド
35 吸気ポート
36 吸気絞り弁
38 エアフローメータ
40 EGR通路
44 EGR弁
46 過給圧センサ
50 ECU
52 吸気弁
54 吸気可変動弁装置
56 排気弁
58 排気可変動弁装置
62 クランク角センサ
64 ピストン

Claims (7)

  1. 圧縮着火内燃機関の吸気弁および/または排気弁の開弁特性を可変とする可変動弁装置と、
    前記圧縮着火内燃機関の冷間始動時に、筒内ガスの吸気ポートへの逆流が抑制されるような所定の開弁特性となるように前記可変動弁装置を制御する筒内ガス逆流抑制手段と、
    を備えることを特徴とする圧縮着火内燃機関の制御装置。
  2. 前記筒内ガス逆流抑制手段は、クランキング開始より前に、前記可変動弁装置の状態を前記所定の開弁特性が得られる状態に制御することを特徴とする請求項1記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
  3. 前記圧縮着火内燃機関の排気通路に設置された排気絞り弁、または、ターボ過給機のタービン入口面積を可変とする可変ノズルと、
    前記圧縮着火内燃機関の冷間始動時に、前記排気絞り弁または前記可変ノズルの開度を暖機終了後より小さい開度に制御する始動時排気絞り制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
  4. 前記始動時排気絞り制御手段は、クランキング開始より前に、前記排気絞り弁または前記可変ノズルの開度を前記小さい開度に制御することを特徴とする請求項3記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
  5. 前記所定の開弁特性は、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間がほぼゼロとなる開弁特性であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
  6. 前記所定の開弁特性は、吸排気上死点より前に排気弁が閉じ、吸排気上死点より後に吸気弁が開く開弁特性であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
  7. 前記筒内ガス逆流抑制手段による制御の終了後、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間が生ずるように前記可変動弁装置を制御することにより、内部EGRを実行する内部EGR手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
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