JP2009068450A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009068450A
JP2009068450A JP2007239645A JP2007239645A JP2009068450A JP 2009068450 A JP2009068450 A JP 2009068450A JP 2007239645 A JP2007239645 A JP 2007239645A JP 2007239645 A JP2007239645 A JP 2007239645A JP 2009068450 A JP2009068450 A JP 2009068450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
pressure
supercharging pressure
efficiency improvement
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007239645A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyoshi Ogo
知由 小郷
Akitoshi Tomota
晃利 友田
Shinobu Ishiyama
忍 石山
Tomoyuki Ono
智幸 小野
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Katsuhiro Ito
勝広 伊藤
Masayoshi Nakagawa
政善 中川
Yoshihiro Hisataka
良裕 久高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007239645A priority Critical patent/JP2009068450A/ja
Publication of JP2009068450A publication Critical patent/JP2009068450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、ターボ過給機のサージを確実に回避することを目的とする。
【解決手段】ターボ過給機と、排気弁の少なくとも開き時期を可変とする排気可変動弁装置とを備えた内燃機関において、高負荷時に、排気ポート圧力の脈動の極小点が、排気弁開弁期間と吸気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間に一致するように排気弁開き時期を変化させることにより、掃気効果を利用して充填効率を向上させる充填効率向上制御を実行する。充填効率向上制御の効果が減退している状況であることが検知された場合には、充填効率向上制御の実行時に過給圧の上昇を抑制する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
排気ガスで作動する排気タービンによってコンプレッサを駆動するターボ過給機を備えたエンジンが広く用いられている。ターボ過給機では、コンプレッサの出口側から入口側に吸入空気が間欠的に逆流する現象、すなわちサージと呼ばれる現象が発生することがある。サージは、流入する吸気の流量が少ないほど、また、コンプレッサ入口側圧力に対するコンプレッサ出口側圧力の比が大きいほど、起き易くなる。サージが生ずると、コンプレッサが激しく振動したり、コンプレッサの羽が破損するおそれがある。このため、ターボ過給機付きエンジンでは、サージの発生を回避することが重要である。
ところで、特開平11−82074号公報には、吸気弁および排気弁のバルブタイミングを制御することにより、吸気弁と排気弁とが共に開くバルブオーバーラップ期間内に、排気脈動の負圧波を燃焼室内に導き、もって吸気の充填効率を向上させる技術が開示されている。
特開平11−82074号公報 特開平10−176558号公報 特開平11−324746号公報
前述したように、サージは、吸気流量が少ないほど起き易くなる。よって、吸気流量を増大させることができれば、サージを回避することができる。排気ポート圧力の脈動の極小点がバルブオーバーラップ期間に一致するように制御すれば、掃気効果により、充填効率を向上させることができる。充填効率が向上すれば、吸気流量が大きくなる。そこで、サージを回避しつつ高過給圧を達成する方法として、上記の充填効率向上技術を適用することが考えられる。
上記の手法によって充填効率を向上させるには、脈動の極小点での排気ポート圧力が吸気ポート圧力より低くなることが必要である。しかしながら、PM(Particulate Matter)のような粒子状物質を捕集するフィルタを排気通路に備えたシステムの場合には、フィルタの目詰まりが進行すると、排気圧力レベルが高くなるので、脈動の極小点での排気ポート圧力と吸気ポート圧力との差が小さくなったり、脈動の極小点での排気ポート圧力が吸気ポート圧力より高くなったりする場合がある。そのような場合には、充填効率向上効果が減退するので、吸気流量を十分に増大させることができず、サージが回避できないという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ターボ過給機のサージを確実に回避することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
ターボ過給機と、
排気弁の少なくとも開き時期を可変とする排気可変動弁装置と、
高負荷時に、排気ポート圧力の脈動の極小点が、排気弁開弁期間と吸気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間に一致するように排気弁開き時期を変化させる充填効率向上制御を実行する充填効率向上手段と、
前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であることを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であることが検知された場合に、前記充填効率向上制御の実行時に過給圧の上昇を抑制する過給圧上昇抑制手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記検知手段は、排気圧力レベルが所定レベルより高いか否かを判別する排気圧力レベル判別手段を含み、排気圧力レベルが前記所定レベルより高いと判定された場合に、前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であると判定することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記検知手段は、高地を走行中であるか否かを判別する高地判定手段を含み、高地を走行中であると判定された場合に、前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であると判定する手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
過給圧を調整する過給圧調整アクチュエータと、
実過給圧を検出する過給圧検出手段と、
目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて前記過給圧調整アクチュエータの作動を制御するフィードバック制御手段と、
を備え、
前記過給圧上昇抑制手段は、目標過給圧を抑制することにより過給圧の上昇を抑制することを特徴とする。
第1の発明によれば、ターボ過給機を備えた内燃機関において、高負荷時に、排気ポート圧力の脈動の極小点が、排気弁開弁期間と吸気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間に一致するように排気弁開き時期を変化させることにより、掃気効果を利用して充填効率を向上させる充填効率向上制御を実行することができる。これにより、過給圧が上昇する高負荷時に、空気量を併せて増量することができるので、ターボ過給機のコンプレッサの流量を増大させることができる。このため、ターボ過給機のサージを回避しつつ、高い過給圧を得ることができる。ただし、例えば排気ガスフィルタの目詰まりによって排気圧力レベルが上昇した場合や、高地において排気脈動が弱くなった場合などにおいては、充填効率向上制御の効果は減退する。第1の発明によれば、充填効率向上制御の効果が減退している状況であることが検知された場合には、充填効率向上制御の実行時に過給圧の上昇を抑制することができる。このため、充填効率向上制御の効果が減退している状況であっても、過給圧がサージ限界を超えて上昇することを確実に防止することができるので、サージの発生を確実に回避することができる。
第2の発明によれば、排気圧力レベル(平均的な排気圧力)が所定レベルより高いと判定された場合に、充填効率向上制御の効果が減退している状況であると判定する。このため、充填効率向上制御の効果が減退している状況を正確に判定することができる。
第3の発明によれば、高地を走行中であると判定された場合に、充填効率向上制御の効果が減退している状況であると判定する。このため、充填効率向上制御の効果が減退している状況を正確に判定することができる。
第4の発明によれば、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて過給圧調整アクチュエータの作動を制御する過給圧フィードバック制御を行うシステムにおいて、目標過給圧を抑制することによって過給圧の上昇を抑制することができる。このため、充填効率向上制御の効果が減退している状況のとき、過給圧がサージ限界を超えて上昇することをより確実に防止することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、4サイクルのディーゼル機関10を備えている。ディーゼル機関10は、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態のディーゼル機関10は、直列4気筒型であるが、本発明におけるディーゼル機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。コモンレール14内には、サプライポンプ16によって加圧された高圧の燃料が貯留されている。そして、コモンレール14内から、各インジェクタ12へ、燃料が供給される。各気筒の排気ポート22(図2参照)から排出される排気ガスは、排気マニホールド20によって集合され、排気通路18に流入する。
ディーゼル機関10は、ターボ過給機24を備えている。ターボ過給機24は、排気ガスの流れによって作動する排気タービン24aと、排気タービン24aにより駆動される吸気コンプレッサ24bと、排気タービン24aの入口面積を変化させることのできる可変ノズル24cと、この可変ノズル24cの開度を変化させるためのアクチュエータ24dとを有している。可変ノズル24cの開度を小さくすると、排気タービン24aに流入する排気ガスの流速が速くなり、その結果、過給圧を増大させることができる。
排気通路18は、ターボ過給機24の排気タービン24aに接続されている。排気タービン24aより下流側の排気通路18には、PM(Particulate Matter)のような排気ガス中の粒子状物質を捕捉するためのフィルタ26が設けられている。図示を省略するが、フィルタ26の上流または下流に排気浄化触媒が設置されていてもよい。また、フィルタ26に触媒成分が担持されていてもよい。
ディーゼル機関10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24の吸気コンプレッサ24bで圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により分配されて、各気筒に流入する。
吸気通路28の、インタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。また、吸気通路28の、エアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するエアフローメータ38が設置されている。
吸気通路28の吸気マニホールド34の近傍には、EGR通路40の一端が接続されている。EGR通路40の他端は、排気通路18の排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、このEGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28に還流させること、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことができる。
EGR通路40の途中には、EGR通路40を通る排気ガス(EGRガス)を冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。EGR通路40におけるEGRクーラ42の下流には、EGR弁44が設けられている。このEGR弁44の開度を変えることにより、EGR通路40を通る排気ガス量、すなわち外部EGR量を調整することができる。
また、本実施形態のシステムは、過給圧(吸気コンプレッサ24bの下流側の圧力)を検出する過給圧センサ46と、ディーゼル機関10が搭載された車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ48と、大気圧を検出する大気圧センサ66と、差圧センサ68とを備えている。
差圧センサ68は、フィルタ26の上流側の圧力と下流側の圧力との差圧を検出する。フィルタ26が目詰まりするにつれて、差圧センサ68で検出される差圧が大きくなっていく。よって、差圧センサ68によれば、フィルタ26の目詰まり度合いを検知することができる。フィルタ26の目詰まり度合いが所定の基準値を超えた場合には、フィルタ26に捕集されたPMを燃焼除去するPM再生制御が実施される。PM再生制御では、ポスト噴射や排気系燃料添加等の方法によって排気通路18に未燃燃料を流通させ、その未燃燃料をフィルタ26で燃焼させることにより、フィルタ26を例えば600℃程度の高温にする。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼル機関10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼル機関10の一つの気筒の断面を示す図である。以下、ディーゼル機関10について更に説明する。図2に示すように、ディーゼル機関10のクランク軸60の近傍には、クランク軸60の回転角度を検出するクランク角センサ62が取り付けられている。このクランク角センサ62は、ECU50に接続されている。クランク角センサ62によれば、機関回転数を検出することができる。
また、ディーゼル機関10は、排気弁56のバルブタイミングを可変とする排気VVT機構58を備えている。排気VVT機構58は、排気弁56を駆動するカムシャフトの位相を変化させることにより、排気弁56の開弁期間の位相を早くしたり遅くしたりすることができる。すなわち、排気VVT機構58によれば、排気弁開き時期(Exhaust Valve Open:EVO)および排気弁閉じ時期(Exhaust Valve Close:EVC)を連続的に進角したり遅角したりすることができる。
図2の構成では、ディーゼル機関10は、吸気弁52のバルブタイミングを可変とする吸気VVT機構54を更に備えている。吸気VVT機構54および排気VVT機構58は、それぞれ、ECU50に接続されている。なお、本発明では、吸気弁52の開弁特性は固定とされていてもよい。すなわち、本発明は、吸気VVT機構54を設けず、通常の動弁機構により吸気弁52を駆動してもよい。
[実施の形態1の特徴]
(過給圧フィードバック制御)
本実施形態のシステムは、過給圧フィードバック制御を実行可能になっている。ECU50には、ディーゼル機関10の運転状態(例えば機関回転数、機関負荷等)と、その運転状態の下での目標過給圧との関係を定めたマップ(以下「目標過給圧マップ」と称する)が予め記憶されている。そして、過給圧フィードバック制御では、ECU50は、過給圧センサ46により検出される実過給圧が目標過給圧に一致するように、可変ノズル24cの開度を制御する。すなわち、過給圧フィードバック制御時には、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて、可変ノズル24cの開度が補正される。
(充填効率向上制御)
また、本実施形態のシステムは、排気弁開き時期を変化させることにより、ディーゼル機関10の充填効率ηvを向上させる充填効率向上制御を実行可能になっている。図3は、充填効率向上制御を説明するための図である。
排気ポート圧力(排気マニホールド圧力)は、各気筒の排気弁56から排気ガスが間欠的に排出されるのに伴って、脈動(変動)する。図3中の破線の波形は、排気弁開き時期がベースの時期となるように排気VVT機構58が制御されている場合における排気ポート圧力の脈動を示す。この波形に示すように、排気弁開き時期がベースの時期となるように制御されている場合には、排気ポート圧力の脈動の極小点(谷)は、吸気弁52の開き時期(Intake Valve Open:IVO)よりも前の時期になっている。
一方、図3中の実線の波形は、排気弁開き時期がベースの時期よりも遅い時期となるように排気VVT機構58が制御されている場合における排気ポート圧力の脈動を示す。排気弁開き時期を遅くするほど、排気ガスが排気ポートへ放出されるタイミングが遅くなるので、排気ポート圧力の波形は、図3中で右側にシフトする。よって、排気弁開き時期を遅らせる量を適度に設定することにより、図3に示すように、排気ポート圧力の脈動の極小点を、吸気弁開き時期よりも後の時期であって排気弁閉じ時期よりも前の時期、すなわち排気弁56の開弁期間と吸気弁52の開弁期間とが重なったバルブオーバーラップ期間に一致させることができる。充填効率向上制御においては、このように、排気弁開き時期をベースより遅くすることにより、排気ポート圧力の脈動の極小点がバルブオーバーラップ期間に一致するように制御される。
図3中の一点鎖線は、吸気ポート圧力(吸気マニホールド圧力)を示している。図3から分かるように、充填効率向上制御の実行時には、バルブオーバーラップ期間(吸排気上死点付近)において、排気ポート圧力を吸気ポート圧力より十分に低くすることができる。このため、バルブオーバーラップ期間において、吸気ポートから流入する新気によって筒内の既燃ガスを速やかに排気ポートへ追い出すことができる。すなわち、高い掃気効果が得られ、筒内の既燃ガスを新気によって円滑かつ確実に置換することができる。このため、充填効率向上制御を実行することにより、残留ガスを十分に低減することができ、その分、筒内に充填される新気の量を増やすことができる。つまり、充填効率ηvを増大させることができる。
図4は、ディーゼル機関10におけるターボ過給機24のサージ領域を示す図であり、横軸は吸入空気量(吸気流量)、縦軸は、過給圧である。なお、図4の縦軸は、過給圧に代えて、吸気コンプレッサ24bの入口側圧力に対する吸気コンプレッサ24bの出口側圧力の比としても、ほぼ同様である。吸気コンプレッサ24bの入口側圧力は、大気圧にほぼ等しいので、ほぼ一定だからである。
図4中の右上がりの線は、サージ限界を示す線である。このサージ限界線より左側の領域、つまり、空気量が少なく、過給圧の高い領域では、ターボ過給機24のサージが発生し易い。このため、ディーゼル機関10を運転する上では、図4中のサージ限界線より右側の領域に動作点が入るようにする必要がある。
図4中の○で示す点は、軽負荷時の動作点の一例を示す。軽負荷時には、排気弁開き時期はベースの時期となるように制御される。ディーゼル機関10の加速時(高負荷時)には、○で示す点よりも過給圧が上昇する。仮に、排気弁開き時期がベースの時期のままで過給圧を図4中のpimtrg2まで上昇させたとすると、ディーゼル機関10の動作点は図4中の◆で示す点となり、サージ領域に入ってしまう。
これに対し、本実施形態のシステムでは、ディーゼル機関10の加速時(高負荷時)に過給圧が上昇するときに、充填効率向上制御を実行することにより、充填効率ηvを増大させて空気量を増大させることができる。これにより、ディーゼル機関10の動作点を図4中の◇で示す点へと移行させることができる。このため、ターボ過給機24のサージを回避しつつ、高い過給圧を得ることができる。
ただし、排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタ26の目詰まりが進むと、充填効率向上制御の効果が減退する場合がある。すなわち、フィルタ26の目詰まりが進むと、排気ガスがフィルタ26をスムーズに通過しにくくなるので、フィルタ26の上流側の排気圧力レベル(平均的な排気圧力)が上昇する。このため、図3に示すような排気ポート圧力の波形も、圧力増大方向(図3中の上側)にシフトする。その結果、排気ポート圧力の脈動の極小点を吸気上死点付近に一致させたとしても、バルブオーバーラップ期間において、吸気ポート圧力と排気ポート圧力との差が小さくなるか、あるいは吸気ポート圧力よりも排気ポート圧力の方が大きくなる事態が生ずる。このような事態が生ずると、掃気効果が十分に発揮されないので、充填効率ηvを十分に高めることができなくなる。このような場合に、フィルタ26の目詰まりがない通常時と同様の目標過給圧を設定して過給圧フィードバック制御を行うと、サージ領域に入ってしまうおそれがある。
例えば、フィルタ26の目詰まりによって充填効率向上制御の効果が減退した状態のときに、図4中の○で示す動作点から、pimtrg2を目標過給圧として加速した場合には、動作点は図4中の◆で示す点となり、サージ領域に入ってしまう。この場合に、目標過給圧をpimtrg2より低いpimtrg1に補正した上で制御すれば、動作点は図4中の●で示す点となり、サージ領域に入ることを回避することができる。
そこで、本実施形態では、フィルタ26の目詰まりが検知された場合には、充填効率向上制御の実行時、目標過給圧を低下方向に補正することにより、ディーゼル機関10の動作点がサージ領域に入ることを確実に防止することとした。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。図5に示すルーチンによれば、まず、アクセル開度センサ48の信号に基づいて、所定の高負荷領域であるか否かが判別される(ステップ100)。ECU50には、充填効率向上制御を実行すべき所定の高負荷領域を定めたマップが予め記憶されている。ステップ100では、そのマップを参照することにより、現在の動作点が高負荷領域であるか否かが判別される。
上記ステップ100で、現在の動作点が高負荷領域でないと判別された場合には、今回のルーチンの実行がそのまま終了される。一方、現在の動作点が高負荷領域であると判別された場合には、充填効率向上制御が実行される(ステップ102)。すなわち、排気VVT機構58によって排気弁56のバルブタイミングを遅角することにより、排気弁開き時期をベースの時期より遅くする制御が実行される。
上記ステップ102の処理に続いて、差圧センサ68で検出されるフィルタ26の前後の差圧ΔPが、所定の判定値αを超えているか否かが判別される(ステップ104)。判定値αは、充填効率向上制御の効果を減退させる状態まで、フィルタ26の目詰まりが進行しているか否かを判断するために予め設定された値である。
上記ステップ104で、差圧ΔPが判定値α以下である場合には、フィルタ26の目詰まりは、充填効率向上制御の効果に影響していないと判断できる。この場合には、今回のルーチンの実行がそのまま終了される。そして、目標過給圧マップに基づいて算出される目標過給圧をそのまま用いて、他のルーチンの処理により、過給圧フィードバック制御が実行される。
一方、差圧ΔPが判定値αを超えている場合には、フィルタ26の目詰まりにより、充填効率向上制御の効果が減退した状態になっていると判断できる。そこで、この場合には、目標過給圧マップに基づいて算出される目標過給圧を低下方向に補正する処理が実行される(ステップ106)。この場合、差圧ΔPの大きさ(フィルタ26の目詰まり度合い)に応じて、目標過給圧の補正量を変更してもよい。これにより、充填効率向上制御の効果減退量に応じて、目標過給圧の低下幅を過不足なく調整することができる。ステップ106が実行された場合には、補正後の目標過給圧を用いて、過給圧フィードバック制御が他のルーチンの処理によって実行される。これにより、過給圧がサージ限界を超えて上昇することを確実に防止することができるので、ターボ過給機24にサージが発生することを確実に回避することができる。
なお、本実施形態では、排気圧力レベルが通常時より上昇していることを差圧センサ68によって検知するようにしているが、排気圧力レベルの上昇を検知する手法はこれに限定されるものではない。例えば、筒内圧センサを備えたシステムの場合には、排気弁開弁直後に筒内圧センサで検出される圧力に基づいて排気圧力を推定する排圧推定モデルに基づいて、排気圧力レベルの上昇を検知するようにしてもよい。
また、本実施形態では、可変ノズル24cを過給圧調整アクチュエータとして用いて過給圧フィードバック制御を行う場合を例に説明したが、本発明において、過給圧調整アクチュエータは、可変ノズル24cに限定されるものではない。すなわち、過給圧調整アクチュエータとしては、ターボ過給機24の回転をアシストする電気モータなどを用いることもできる。
また、本実施形態では、充填効率向上制御の効果が減退した状態であることが検知された場合に、目標過給圧を低下方向に補正することによって、実過給圧がサージ限界を超えて上昇することを防止するようにしているが、本発明では、過給圧の上昇を抑制する方法は、目標過給圧を低下方向に補正する方法に限定されるものではない。例えば、燃料噴射量にガードをかけること、あるいは燃料噴射量を減少方向に補正することなどによって、過給圧の上昇を抑制するようにしてもよい。すなわち、本発明は、過給圧フィードバック制御を実施しないシステムにも適用可能である。
また、本実施形態では、本発明をディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)の制御に適用した場合について説明したが、本発明は、ディーゼル機関の制御に限定されるものではなく、火花点火内燃機関の制御に適用することも可能である。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「充填効率向上手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「検知手段」および前記第2の発明における「排気圧力レベル判別手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「過給圧上昇抑制手段」が、それぞれ実現されている。
また、本発明では、排気VVT機構58が排気可変動弁装置に相当しているが、本発明における排気可変動弁装置は、排気VVT機構58に限定されるものではない。すなわち、本発明における排気可変動弁装置は、排気弁56の少なくとも開き時期を連続的または段階的に変化させることのできるものであれば、いかなる構成のものでもよく、例えば次に例示するようなものを用いることもできる。
(1)排気弁56とカムシャフトとの間に揺動カムなどを介在させることにより、排気弁56の開き時期を作用角とともに変化させる作用角可変機構。
(2)排気弁56を開くためのカムを電気モータによって回転駆動することにより、排気弁56を任意の時期に開閉可能とする機構。
(3)排気弁56を電磁力によって駆動することにより任意の時期に開閉可能とする機構(電磁駆動弁)。
実施の形態2.
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態は、前述した図1および図2に示すシステム構成を用いて、ECU50に、後述する図7に示すルーチンを実行させることにより、実現することができる。
図6は、車両が走行している場所の標高と、ディーゼル機関10の吸入新気量との関係を示す図である。同図に示すように、過給圧が同じであっても、標高が高くなるほど、吸入新気量が少なくなる。このため、高地では、平地と比べ、吸入新気量が少なくなるので、排気ガス量も少なくなる。
図3に示すような排気ポート圧力の脈動の強弱に影響する因子には、排気ガス量が含まれる。上述したように、高地では、排気ガス量が少なくなるので、平地と比べ、排気ポート圧力の脈動が弱くなり、その振幅が小さくなる。よって、排気ポート圧力の脈動の極小点をバルブオーバーラップ期間に一致させる充填効率向上制御を実行しても、バルブオーバーラップ期間における排気ポート圧力を吸気ポート圧力より低くすることができにくくなる。このため、十分な掃気効果が得られず、充填効率ηvを十分に高めることができない。このように、高地では、充填効率向上制御の効果が減退する。従って、平地と同じ目標過給圧で過給圧フィードバック制御を行うと、ターボ過給機24のサージが生ずるおそれがある。そこで、本実施形態では、高地を走行中であることが検知された場合には、充填効率向上制御の実行時、目標過給圧を低下方向に補正することにより、ディーゼル機関10の動作点がサージ領域に入ることを確実に防止することとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図7において、図5に示すステップと同一のステップには、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
図7に示すルーチンによれば、ステップ100で現在の動作点が所定の高負荷領域であると判別された場合には、排気弁開き時期をベースの時期より遅くする充填効率向上制御が実行される(ステップ102)。
上記ステップ102の処理に続いて、大気圧センサ66で検出される大気圧に基づいて、充填効率向上制御の効果を減退させるような標高の高地を走行中であるか否かが判別される(ステップ108)。このステップ108で、高地であると判別された場合には、目標過給圧マップに基づいて算出される目標過給圧を低下方向に補正する処理が実行される(ステップ106)。この場合、検出された大気圧(あるいは標高)に応じて、目標過給圧の補正量を変更してもよい。ステップ106が実行された場合には、補正後の目標過給圧を用いて、過給圧フィードバック制御が他のルーチンの処理によって実行される。これにより、過給圧がサージ限界を超えて上昇することを確実に防止することができるので、ターボ過給機24にサージが発生することを確実に回避することができる。
なお、本実施形態では、大気圧センサ66に基づいて高地判定を行っているが、高地を判定する手段はこれに限定されるものではない。例えば、GPS(Global Positioning System)装置によって特定される現在地と、標高データを備えた地図情報とに基づいて、高地判定を行ってもよい。
なお、上述した実施の形態2においては、ECU50が、上記ステップ108の処理を実行することにより前記第3の発明における「高地判定手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関の一つの気筒の断面を示す図である。 充填効率向上制御を説明するための図である。 ディーゼル機関におけるターボ過給機のサージ領域を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 ディーゼル機関の吸入新気量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
14 コモンレール
18 排気通路
20 排気マニホールド
22 排気ポート
24 ターボ過給機
24a 排気タービン
24b 吸気コンプレッサ
24c 可変ノズル
24d アクチュエータ
26 フィルタ
28 吸気通路
34 吸気マニホールド
35 吸気ポート
36 吸気絞り弁
38 エアフローメータ
40 EGR通路
44 EGR弁
46 過給圧センサ
50 ECU
52 吸気弁
56 排気弁
58 排気VVT機構
62 クランク角センサ
64 ピストン
68 差圧センサ

Claims (4)

  1. ターボ過給機と、
    排気弁の少なくとも開き時期を可変とする排気可変動弁装置と、
    高負荷時に、排気ポート圧力の脈動の極小点が、排気弁開弁期間と吸気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間に一致するように排気弁開き時期を変化させる充填効率向上制御を実行する充填効率向上手段と、
    前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であることを検知する検知手段と、
    前記検知手段により前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であることが検知された場合に、前記充填効率向上制御の実行時に過給圧の上昇を抑制する過給圧上昇抑制手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記検知手段は、排気圧力レベルが所定レベルより高いか否かを判別する排気圧力レベル判別手段を含み、排気圧力レベルが前記所定レベルより高いと判定された場合に、前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であると判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記検知手段は、高地を走行中であるか否かを判別する高地判定手段を含み、高地を走行中であると判定された場合に、前記充填効率向上制御の効果が減退している状況であると判定する手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 過給圧を調整する過給圧調整アクチュエータと、
    実過給圧を検出する過給圧検出手段と、
    目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて前記過給圧調整アクチュエータの作動を制御するフィードバック制御手段と、
    を備え、
    前記過給圧上昇抑制手段は、目標過給圧を抑制することにより過給圧の上昇を抑制することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
JP2007239645A 2007-09-14 2007-09-14 内燃機関の制御装置 Pending JP2009068450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007239645A JP2009068450A (ja) 2007-09-14 2007-09-14 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007239645A JP2009068450A (ja) 2007-09-14 2007-09-14 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009068450A true JP2009068450A (ja) 2009-04-02

Family

ID=40604967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007239645A Pending JP2009068450A (ja) 2007-09-14 2007-09-14 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009068450A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012149552A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
US20160348601A1 (en) * 2015-06-01 2016-12-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine
US9523309B2 (en) 2013-12-12 2016-12-20 Hyundai Motor Company Control method of turbocharger

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012149552A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
US9523309B2 (en) 2013-12-12 2016-12-20 Hyundai Motor Company Control method of turbocharger
US20160348601A1 (en) * 2015-06-01 2016-12-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine
US9856811B2 (en) * 2015-06-01 2018-01-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8220263B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
EP2397673B1 (en) Internal combustion engine control device
US8201406B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
US8099228B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
US8820297B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP4442643B2 (ja) 内燃機関の排気浄化制御装置
JP2008038602A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2012097639A (ja) 内燃機関の制御装置
US20100076668A1 (en) Control apparatus for internal combustion engine
EP2570644B1 (en) Control device for internal combustion engine
JP2009068450A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6127906B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5206906B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009191660A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014240630A (ja) 内燃機関のegr制御装置
JP4946782B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010024973A (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP2009209780A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009209848A (ja) 内燃機関およびその制御装置
JP2013072293A (ja) 内燃機関の制御装置