JP2009209780A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009209780A
JP2009209780A JP2008053752A JP2008053752A JP2009209780A JP 2009209780 A JP2009209780 A JP 2009209780A JP 2008053752 A JP2008053752 A JP 2008053752A JP 2008053752 A JP2008053752 A JP 2008053752A JP 2009209780 A JP2009209780 A JP 2009209780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
exhaust
internal combustion
combustion engine
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008053752A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Ono
智幸 小野
Akitoshi Tomota
晃利 友田
Shinobu Ishiyama
忍 石山
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Tomoyoshi Ogo
知由 小郷
Katsuhiro Ito
勝広 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008053752A priority Critical patent/JP2009209780A/ja
Publication of JP2009209780A publication Critical patent/JP2009209780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の制御装置に関し、バルブオーバーラップ期間を変更可能とする可変動弁機構と、可変ノズル型のターボ過給機とを備える内燃機関において、トルクを高める要求が出された際に、排気ブローダウン効果をうまく利用して効果的にトルクを高めることを目的とする。
【解決手段】トルクを高める要求があった場合には、先ず、可変ノズル22cを全閉に制御し、かつバルブオーバーラップ期間を設けないようにする。そして、その後、バルブオーバーラップ期間なしとした状態で出し得る最大トルクカーブ近傍(三角印付近)にまでトルクが立ち上がってきたと判断した場合に、可変ノズル開度をターボ効率が最も良くなる開度に向けて徐々に開いていくようにするとともに、排気ブローダウン効果を得るべくバルブオーバーラップ期間を徐々に大きくする。更に、この場合に、タービン22aに排気エネルギを付加的に与えるべく、ポスト噴射を行う。
【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、ターボ過給機を備える内燃機関を制御する装置として好適な内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、可変ノズル型のターボ過給機を備えるディーゼル機関の制御装置が開示されている。この従来の制御装置では、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)の再生を目的とするポスト噴射が実施された場合に、可変ノズルの開度制御を、フィードバック制御からオープン制御に切り換えるようにしている。これにより、ポスト噴射の実施に伴う過給圧のハンチングを防止するようにしている。
特開2005−248835号公報 特開2005−83285号公報
ところで、バルブオーバーラップ期間を変更可能とする可変動弁機構と、可変ノズル型のターボ過給機とを備える内燃機関において、トルクを高める要求が出されて部分負荷状態(パーシャル状態)から加速する場合には、可変ノズルを閉じることで、過給圧を速やかに立ち上げてトルクを高めることができる。また、可変ノズルを開いて排圧を下げ、かつ大きな排気脈動が生成された状態で、バルブオーバーラップ期間を設けることで、排気ブローダウン効果(掃気効果)を高めることができ、これにより、新気量を増やしてトルクを高めることができる。
上述した2つの制御、すなわち、可変ノズルを閉じることにより速やかな過給圧の上昇を図る制御と排気ブローダウン効果を図る制御とをうまく組み合わせて、効果的にトルクを高められると、内燃機関の過渡時の出力性能を向上させることが可能となる。しかしながら、適切な手順を踏んだ手法でこれらの制御を組み合わせないと、排気ブローダウン効果を有効に利用してトルクを大きく高めることが困難となり、また、トルクを高める要求が出された際の過渡制御性が悪くなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、バルブオーバーラップ期間を変更可能とする可変動弁機構と、可変ノズル型のターボ過給機とを備える内燃機関において、トルクを高める要求が出された際に、排気ブローダウン効果をうまく利用して効果的にトルクを高めることのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
吸気弁開弁期間と排気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を可変とする可変動弁機構と、
内燃機関の排気エネルギによって駆動されるタービンと、当該タービンに供給される排気ガスの流量を調整するための可変ノズルとを有するターボ過給機と、
内燃機関のトルクを高めるトルクアップ要求の有無を検知するトルクアップ要求検知手段と、
前記トルクアップ要求が検知された場合に、前記可変動弁機構を用いて、前記バルブオーバーラップ期間をゼロもしくは実質的にゼロとし、その後、内燃機関のトルクが高まってきた中間時点で、前記バルブオーバーラップ期間を設定するオーバーラップ期間制御手段と、
前記トルクアップ要求が検知された場合に、前記可変ノズルの開度を閉じ側の開度とし、その後、前記中間時点で、前記可変ノズルの開度を当該中間時点前よりも開き側の開度に設定するノズル開度制御手段と、
前記中間時点で、前記タービンに排気エネルギを付加的に供給する排気エネルギ付加手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記中間時点は、前記バルブオーバーラップ期間が設けられていない状態で内燃機関が出し得る最大トルクカーブの近傍にまで、内燃機関のトルクが高まった時点であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記排気エネルギ付加手段は、前記中間時点から内燃機関のトルクが前記トルクアップ要求時の目標トルク近傍に達する時点まで、前記タービンへの排気エネルギの付加を継続する排気エネルギ付加継続手段を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記ノズル開度制御手段は、前記中間時点に達した後に、前記可変ノズルの開度を、前記ターボ過給機のターボ効率が最も高くなる開度に制御する高効率開度設定手段を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関においてトルクを高める要求があった場合に、先ず、可変ノズルが閉じ側の開度に制御され、かつバルブオーバーラップ期間がゼロもしくは実質的にゼロに制御される。このように、トルクを高める要求があった場合に、直ちに可変ノズルを開かず、かつ、バルブオーバーラップ期間を設定しないようにすることで、過給圧の低下によるスモーク排出量の増加や、内部EGRガス量の増大によるスモーク排出量の増加を抑制することができる。そして、本発明では、その後、トルクが高まってきた中間時点で、可変ノズルが開き側の開度に制御され、かつバルブオーバーラップ期間が設定されるとともに、タービンに排気エネルギが付加的に供給される。これにより、可変ノズルを開いたことによる過給圧の低下を抑制しつつ、排気ブローダウン効果が得られるようになる。このため、トルクアップ要求があった際に、排気ブローダウン効果の利用なしには得られない値にまで、スモーク排出の悪化を招かずにトルクを高めることができ、また、そのような値にまで過渡制御性を悪化させずに速やかにトルクを高めることができる。
第2の発明によれば、排気ブローダウン効果を得るうえで有効な排気脈動が生成されてきたと判断できるタイミングで、可変ノズルが開く、かつバルブオーバーラップ期間を設けるようにすることができる。このため、トルクアップ要求時に、排気ブローダウン効果をうまく利用して効果的にトルクを高めることができる。
第3の発明によれば、過渡時において、バルブオーバーラップ期間の設定による排気ブローダウン効果が十分に得られるようになるまでの間に、可変ノズルを開いたことによって過給圧が低下するのを防止することができる。これにより、排気ブローダウン効果が十分に得られるようになるまでの間に、スモーク排出の悪化を招かずにトルクを高めていくことができる。
第4の発明によれば、吸気圧力(過給圧)に対して排気圧力を良好に下げることができる。このため、吸排気脈動を効率良く利用して、排気ブローダウン効果を十分に利用できるようになる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、4サイクルのディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)10を備えている。ディーゼル機関10は、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態のディーゼル機関10は、直列4気筒型であるが、本発明におけるディーゼル機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。コモンレール14内には、サプライポンプ16によって加圧された高圧の燃料が貯留されている。そして、このコモンレール14から各気筒のインジェクタ12へ燃料が供給される。このような構成によってインジェクタ12は、所望のタイミングで燃料を噴射することができ、例えば、圧縮上死点付近で行われるメインの燃料噴射の後のタイミング(より具体的には膨張行程中のタイミング)でポスト噴射を行うこともできる。各気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールド18によって集合され、排気通路20に流入する。
ディーゼル機関10は、可変ノズル型のターボ過給機22を備えている。ターボ過給機22は、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン22aと、タービン22aと一体的に連結され、タービン22aに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるコンプレッサ22bとを有している。更に、ターボ過給機22は、タービン22aに供給される排気ガスの流量を調整するための可変ノズル(VN)22cを有している。
可変ノズル22cは、図示省略するアクチュエータ(例えば、電動モータ)によって開閉動作可能になっている。可変ノズル22cの開度を小さくすると、タービン22aの入口面積が小さくなり、タービン22aに吹き付けられる排気ガスの流速を速くすることができる。その結果、コンプレッサ22bおよびタービン22aの回転数(以下、「ターボ回転数」と称する)が上昇するので、過給圧を上昇させることができる。逆に、可変ノズル22cの開度を大きくすると、タービン22aの入口面積が大きくなり、タービン22aに吹き付けられる排気ガスの流速が遅くなる。その結果、ターボ回転数が降下するので、過給圧を低下させることができる。
ターボ過給機22のタービン22aは、排気通路20の途中に配置されている。タービン22aよりも下流側の排気通路20には、排気ガスを浄化するための排気浄化装置24が設けられている。
ディーゼル機関10の吸気通路26の入口付近には、エアクリーナ28が設けられている。エアクリーナ28を通って吸入された空気は、ターボ過給機22のコンプレッサ22bで圧縮された後、インタークーラ30で冷却される。インタークーラ30を通過した吸入空気は、吸気マニホールド32により分配されて、各気筒に流入する。
吸気通路26におけるインタークーラ30と吸気マニホールド32との間には、吸気絞り弁34が設置されている。また、吸気通路26におけるエアクリーナ28の下流近傍には、吸入空気量を検出するエアフローメータ36が設置されている。
吸気通路26の吸気マニホールド32の近傍には、EGR通路38の一端が接続されている。EGR通路38の他端は、排気通路20の排気マニホールド18に接続されている。本システムでは、このEGR通路38を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路26に還流させること、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことができる。
EGR通路38の途中には、EGR通路38を通る排気ガス(EGRガス)を冷却するためのEGRクーラ40が設けられている。EGR通路38におけるEGRクーラ40の下流には、EGR弁42が設けられている。このEGR弁42の開度を変えることにより、EGR通路38を通る排気ガス量、すなわち外部EGRガス量を調整することができる。
また、本実施形態のシステムは、ディーゼル機関10が搭載された車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ44と、エンジン冷却水温度を検出する水温センサ46と、吸気マニホールド圧力(吸気圧力)を検出する吸気圧センサ48と、排気マニホールド圧力(排気圧力)を検出する排気圧センサ50と、ECU(Electronic Control Unit)60とを更に備えている。ECU60には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼル機関10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼル機関10の一つの気筒の断面を示す図である。以下、ディーゼル機関10について更に説明する。図2に示すように、ディーゼル機関10のクランク軸70の近傍には、クランク軸70の回転角度、すなわちクランク角を検出するクランク角センサ72が取り付けられている。このクランク角センサ72は、ECU60に接続されている。ECU60は、クランク角センサ72の検出信号に基づいて、エンジン回転数を算出することもできる。
また、ディーゼル機関10は、吸気弁74の開弁特性を可変とする吸気可変動弁機構76と、排気弁78の開弁特性を可変とする排気可変動弁機構80とを備えている。吸気可変動弁機構76および排気可変動弁機構80の具体的な構成は、特に限定されるものではなく、カムシャフトの位相を変化させることによって開閉時期を連続的に可変とする位相可変機構のほか、カムを電気モータで駆動する機構、電磁駆動弁、油圧駆動弁などを用いることもできる。また、吸気カム軸および排気カム軸の近傍には、それぞれのカム軸の回転角度、すなわち、吸気カム角および排気カム角を検出するための吸気カム角センサ82および排気カム角センサ84がそれぞれ配置されている。これらのセンサ82、84は、ECU60に接続されている。ECU60は、これらのセンサ82、84の検出信号に基づいて、吸気弁74および排気弁78の開閉時期の進角量を算出することもできる。
吸気可変動弁機構76や排気可変動弁機構80によれば、排気弁78の開弁期間と吸気弁74の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間(以下、単に「バルブオーバーラップ期間」という)の長さを変化させることができる。
[吸排気脈動を利用した排気ブローダウン効果によるトルク向上について]
図3は、可変ノズル22cが開かれ、かつ排気脈動が高められた状態での吸気マニホールド圧力および排気マニホールド圧力とクランク角度との関係を示す図である。
図3に示すように、吸気マニホールド圧力は、クランク角度に関わらずにほぼ一定となる。これに対し、排気マニホールド圧力は、各気筒の排気弁78から排気ガスが間欠的に排出されるのに伴って、脈動(周期的変動)する。より具体的には、排気弁78の開き時期が遅くなるにつれ、排気ガスが排気マニホールド18内へ放出されるタイミングが遅くなり、排気脈動の波形が、図3中における右側にシフトする。つまり、排気脈動の波形は、排気弁78の開き時期を変化させることによって、図3中の左右に移動する。また、排気脈動の波形は、エンジン回転数の変化に伴って排気マニホールド内を流れる排気ガスの流速が変化することによっても、変化する。
図3に示す波形は、吸排気上死点(TDC)近傍に存在するバルブオーバーラップ期間に、排気脈動の谷の部分が一致するように、エンジン回転数との関係を考慮しつつ排気弁78の開き時期が制御された状態を示している。また、図3に示す波形は、可変ノズル22cの開度調整によってターボ効率が良い状態で過給がなされることにより、排気圧力に対して吸気圧力(過給圧)が高められた状態を示している。このような状態においては、図3中にハッチングを付して表された領域が(すなわち、バルブオーバーラップ期間において排気圧力よりも吸気圧力の方が高くなる領域が)、十分に確保されるようになる。その結果、新気が筒内に流入し易くなるとともに、流入した新気によって筒内の既燃ガスを速やかに排気ポートへ追い出す効果(いわゆる、排気ブローダウン効果(掃気効果))が十分に得られるようになる。
上記のような排気ブローダウン効果は、図3中にハッチングを付して示す領域が大きくなるほど、大きくなる。従って、当該領域が大きく確保されるように、吸気可変動弁機構76を用いた吸気弁74の開き時期の調整や排気可変動弁機構80を用いた排気弁78の閉じ時期の調整に基づくバルブオーバーラップ期間の調節を行うこととすれば、排気ブローダウン効果を十分に得ることができるようになる。このようにして、排気ブローダウン効果を利用することにより、残留ガス量を十分に少なくし、その分、筒内に充填される新気の量を増やすことができる。つまり、体積効率ηを増大させることができる。その結果、ディーゼル機関10のトルクを良好に向上させることができる。
[過渡時に排気ブローダウン効果を利用してトルクを高める際の課題]
図4は、バルブオーバーラップ期間の設定の有無による最大トルクカーブの違いを表した図である。より具体的には、図4中に「O/Lなし」と付された方の最大トルクカーブは、バルブオーバーラップ期間が設定されておらず、従って、排気ブローダウン効果を利用しない場合に出し得る最大トルクのカーブである。また、この場合には、可変ノズル22cの開度は全閉とされている。一方、図4中に「O/Lあり」と付された方の最大トルクカーブは、排気ブローダウン効果を利用すべくバルブオーバーラップ期間が設定された場合に出し得る最大トルクのカーブであり、また、この場合の可変ノズル22cの開度はターボ効率が最も良くなる開度に設定されている。
図4に示すように、バルブオーバーラップ期間なしの場合よりも、バルブオーバーラップ期間ありで排気ブローダウン効果を利用した場合の方が、特に低回転高負荷領域において、最大トルクを高めることができることが判る。従って、ディーゼル機関10の運転状態が丸印(低回転低負荷)の状態(パーシャル状態)にある場合において、トルクを高める要求が出された際に、排気ブローダウン効果を利用して星印の状態にまでトルクを速やかに高めることができると、ディーゼル機関10の過渡時の出力性能を向上させることが可能となる。
しかしながら、適切な手順を踏んだ手法で、可変ノズル開度とバルブオーバーラップ期間とが調整されないと、排気ブローダウン効果を有効に利用してトルクを丸印の状態から星印の状態にまで高めることができなくなる。具体的には、排気脈動は、基本的に、ディーゼル機関10の負荷(燃料噴射量)が高まるにつれ増大する。このため、過渡時に、丸印の状態で可変ノズル開度を直ちにターボ効率の高い開度にまで開き、かつ、バルブオーバーラップ期間を設けるようにすると、排気脈動が十分な大きさに未だ生成されていないため、排気ブローダウン効果を満足に使えないまま過給圧が低下してしまう。そして、排気側から吸気側への排気ガスの逆流(内部EGRガスの増大)によって、筒内に吸入される新気量が却って減ってしまう結果となり、トルクを星印にまで高めることができなくなる。
上記の問題を回避するために、丸印から三角印近傍までの区間では、可変ノズル22cを全閉まで絞り、かつ、バルブオーバーラップ期間を無くすようにし、これにより、過給圧を高めて新気量を増やし、トルクを高めるようにすることが考えられる。そして、三角印近傍から星印までの区間(トルク(負荷)が高まってきた区間)では、可変ノズル22cを開き、かつ、バルブオーバーラップ期間を設けるようにし、これにより、吸排気脈動を利用した排気ブローダウン効果によって、新気量を増やし、トルクを高めるようにすることが考えられる。
可変ノズル開度とバルブオーバーラップ期間を調整する際の上記の手順は、過渡時に丸印から星印にまでトルクを高めるうえで、基本的に好ましい手順である。しかし、トルクが三角印付近にまで立ち上がった際に、吸排気脈動による排気ブローダウン効果を得るべく不用意に可変ノズル開度を開くこととすれば、三角印付近の状態では可変ノズル開度が全閉かつO/Lなしの条件下でトルクがバランスしているため、過給圧の低下を招いてしまう。また、このようにトルクがバランスしている状態では、空燃比はストイキ近傍にまでリッチ化されている。このため、過給圧の低下に伴う新気量の減少によって、スモークが発生してしまう。
また、上記のようなスモークの発生を回避するためには、トルクが三角印付近にまで立ち上がった状態で、可変ノズル開度を徐々に開き、バルブオーバーラップ期間を徐々に長く設定し、更に、燃料噴射量を少しずつ増量することが考えられるが、実機上でこのような制御を行おうとすると、過渡制御性が悪くなってしまう。
[実施の形態1の特徴部分]
図5は、本発明の実施の形態1における特徴的な制御を説明するためのタイムチャートである。
図5に示すタイムチャートは、上記図4における丸印状態から三角印を経て星印までトルクを高めようとする過渡時の制御を表している。図5に示す本実施形態の制御においても、丸印から三角印付近までの区間では、上記と同様に、可変ノズル22cを全閉まで絞り、かつ、バルブオーバーラップ期間を無くすようにしている。
そして、本実施形態では、三角印付近(すなわち、バルブオーバーラップ期間なしとした状態で出し得る最大トルクカーブ近傍)にまでトルクが立ち上がってきたと判断された場合に、可変ノズル開度をターボ効率が最も良くなる開度に向けて徐々に開いていくようにするとともに、排気ブローダウン効果を得るべくバルブオーバーラップ期間を徐々に大きくするようにした。更に、本実施形態では、この場合に、タービン22aに排気エネルギを付加的に与えるべく、ポスト噴射を行うようにした。
また、この場合のポスト噴射は、トルクが星印の状態に達するまでの期間(つまり、可変ノズル22cを開いたことによって、バルブオーバーラップ期間の設定による排気ブローダウン効果が十分に得られるようになるまでの期間)に渡って実行されるようにしている。尚、ポスト噴射の量は、可変ノズル22cが開かれ、かつ、バルブオーバーラップ期間が設定されていくことによって、排気ブローダウン効果が徐々に得られるようになるに伴い、徐々に減らしていくようにしている。
図6は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU60が実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、
図6に示すルーチンでは、先ず、アクセル開度センサ44の検出信号に基づいて、ディーゼル機関10のトルクを高める要求があるか否かが判別される(ステップ100)。その結果、当該トルクアップ要求があると判定された場合には、クランク角センサ72の検出信号に基づいて、エンジン回転数が算出され(ステップ102)、次いで、現在のトルク(負荷)を検出すべく、現在の燃料噴射量が算出される(ステップ104)。
次に、現在のトルクがバルブオーバーラップ期間なし状態での最大トルクカーブ(図4に示す三角印)付近の所定トルク範囲内の値であるか否かが判別される(ステップ106)。過渡時にバルブオーバーラップ期間なし状態で可変ノズル22cを全閉に絞ってトルクを高めていった際に、ディーゼル機関10のトルクが最大トルクカーブ付近の値に達した場合には、排気ブローダウン効果を得るうえで有効な排気脈動が生成されてきたと判断することができる。
本ステップ106の判定は、例えば以下のような手法で行うことができる。すなわち、有効な排気脈動を得ることのできる燃料噴射量(負荷)は、予め実験で求めておくことができるので、現在の燃料噴射量がそのような排気脈動が得られる燃料噴射量よりも多いか否かを判別する手法を用いることができる。また、ディーゼル機関10のトルクが最大トルクカーブ付近の値に達する頃には、ディーゼル機関10の負荷の高まりに伴う吸入空気量の増大に従って燃料噴射量が増量され、空燃比がほぼストイキになるので、現在の空燃比がストイキになったか(或いはストイキ近傍の値になったか)否かを判別する手法を用いてもよい。
上記ステップ106において、現在のトルクが上記所定トルク範囲よりも低い値であると判定された場合には、可変ノズル22cが所定の閉じ開度(例えば全閉開度)とする処理が実行される(ステップ108)とともに、バルブオーバーラップ期間がない状態に制御される(ステップ110)。
一方、上記ステップ106において、現在のトルクが上記所定トルク範囲内にあると判定された場合には、ポスト噴射が実行される(ステップ112)。更に、この場合には、今回の過渡時の目標運転状態(図4に示す星印の状態)においてターボ効率が最も良くなる開度に向けて可変ノズル22cが徐々に開かれていく(ステップ114)とともに、排気ブローダウン効果を得るべく、排気脈動の谷となる部分が重なるようにしながらバルブオーバーラップ期間が徐々に長くされていく(ステップ116)。また、上記ステップ112におけるポスト噴射の量は、上述したように、排気ブローダウン効果が徐々に発揮されてくるのに伴い、徐々に減らされていく。これにより、ポスト噴射の実行に伴う燃費悪化を最小限に留めることができる。
また、上記ステップ106において、現在のトルクが所定トルク範囲よりも高い値であると判定された場合、言い換えれば、現在のトルクが排気ブローダウン効果を利用した状態での最大トルクカーブ(図4に示す星印)付近に達した場合には、ディーゼル機関10のトルクが図4に示す星印の状態を維持できるようにするために、可変ノズル22cの開度がターボ効率の最も良くなる開度に維持される(ステップ118)とともにバルブオーバーラップ期間が設けられた状態に維持される(ステップ120)。尚、この場合には、ポスト噴射が停止される。
以上説明した図6に示すルーチンによれば、ディーゼル機関10においてトルクを高める要求があった場合に、先ず、可変ノズル22cが全閉に制御され、かつバルブオーバーラップ期間なしに制御される。このように、トルクを高める要求があった場合に、直ちに可変ノズル22cを開かず、かつ、バルブオーバーラップ期間を設定しないようにすることで、過給圧の低下によるスモーク排出量の増加や、内部EGRガス量の増大によるスモーク排出量の増加を抑制することができる。
そして、その後、トルクがバルブオーバーラップ期間なしの状態での最大トルク近傍のトルクにまで高まった時点から目標とするトルク値(図4に示す星印)近傍に達する時点では、ポスト噴射の実行を伴いつつ、可変ノズル22cが開かれ、かつバルブオーバーラップ期間が長くされる。これにより、ポスト噴射の実行によってタービン22aに排気エネルギを付与することで(ターボ回転数を維持し)、可変ノズル22cを開いたことによる過給圧の低下を抑制しつつ、排気ブローダウン効果が得られるようになる。このため、トルクを高める要求があった際に、排気ブローダウン効果の利用なしには得られない値(図4に示す星印)にまで、スモーク排出の悪化を招かずにトルクを高めることができ、また、そのような値にまで過渡制御性を悪化させずに速やかにトルクを高めることができる。
また、上記ルーチンによれば、トルクがバルブオーバーラップ期間なしの状態での最大トルク近傍のトルクにまで高まってから可変ノズル22cの開度を開く際、当該可変ノズル開度が、ターボ効率の最も良い開度に制御される。これにより、吸気圧力(過給圧)に対して排気圧力を良好に下げることができる。このため、吸排気脈動を効率良く利用して、排気ブローダウン効果を十分に利用できるようになる。
ところで、上述した実施の形態1においては、吸排気脈動による排気ブローダウン効果を得るべく可変ノズル22cを開く際に、タービン22aに排気エネルギを付加すべく、ポスト噴射を実行するようにしている。ポスト噴射によれば、排気温度(排気エネルギ)を高めることができる。しかしながら、本発明においてタービンに排気エネルギを付加する排気エネルギ付加手段は、ポスト噴射の実行によるものに限らず、例えば、スモークが生じない範囲内での燃料噴射タイミング(パイロット噴射やメイン噴射のタイミング)のリタードによるものであってもよく、或いは、燃料噴射圧を下げることによるものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、ディーゼル機関10のトルクを高める要求が出された際に、トルクが図4に示す三角印付近に達するまでは、可変ノズル22cを全閉に絞り、かつバルブオーバーラップ期間を設けないようにしている。ところで、ディーゼル機関10の所定の低回転低負荷領域においては、排気エミッションの排出低減のためにバルブオーバーラップ期間を設けて内部EGRガス量を増やす制御を行うことが好ましいことがある。ところが、ディーゼル機関10のトルクを高める要求は、運転領域がそのような領域にあるときに出される場合がある。このような場合には、上記の手順に代え、ディーゼル機関10の運転領域が上記領域にある間は、先ず、内部EGRガスの増量目的でバルブオーバーラップ期間を設けるようにし、その後に当該領域を抜け出してから、トルクが図4に示す三角印付近に達するまでは、可変ノズル22cを全閉に絞り、かつバルブオーバーラップ期間を設けないようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU60が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「トルクアップ要求検知手段」が、上記図6に示すルーチンに従ってバルブオーバーラップ期間を調整することにより前記第1の発明における「オーバーラップ期間制御手段」が、上記図6に示すルーチンに従って可変ノズル22cの開度を調整することにより前記第1の発明における「ノズル開度制御手段」が、ステップ112の処理を実行することにより前記第1の発明における「排気エネルギ付加手段」が、それぞれ実現されている。また、バルブオーバーラップ期間なしとした状態で出し得る最大トルクカーブ近傍(図4に示す三角印近傍)にまでディーゼル機関10のトルクが高まってきた時点が前記第1の発明における「内燃機関のトルクが高まってきた中間時点」に相当している。
また、ECU60が上記ステップ106の判定が成立する間に渡って上記ステップ112の処理を実行することにより前記第3の発明における「排気エネルギ付加継続手段」が実現されている。
また、ECU60が上記ステップ114の処理を実行することにより前記第4の発明における「高効率開度設定手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関の一つの気筒の断面を示す図である。 可変ノズルが開かれ、かつ排気脈動が高められた状態での吸気マニホールド圧力および排気マニホールド圧力とクランク角度との関係を示す図である。 バルブオーバーラップ期間の設定の有無による最大トルクカーブの違いを表した図である。 本発明の実施の形態1における特徴的な制御を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
18 排気マニホールド
20 排気通路
22 可変ノズル型ターボ過給機(VNT)
22a タービン
22b コンプレッサ
22c 可変ノズル
26 吸気通路
32 吸気マニホールド
44 アクセル開度センサ
60 ECU(Electronic Control Unit)
74 吸気弁
76 吸気可変動弁機構
78 排気弁
80 排気可変動弁機構

Claims (4)

  1. 吸気弁開弁期間と排気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を可変とする可変動弁機構と、
    内燃機関の排気エネルギによって駆動されるタービンと、当該タービンに供給される排気ガスの流量を調整するための可変ノズルとを有するターボ過給機と、
    内燃機関のトルクを高めるトルクアップ要求の有無を検知するトルクアップ要求検知手段と、
    前記トルクアップ要求が検知された場合に、前記可変動弁機構を用いて、前記バルブオーバーラップ期間をゼロもしくは実質的にゼロとし、その後、内燃機関のトルクが高まってきた中間時点で、前記バルブオーバーラップ期間を設定するオーバーラップ期間制御手段と、
    前記トルクアップ要求が検知された場合に、前記可変ノズルの開度を閉じ側の開度とし、その後、前記中間時点で、前記可変ノズルの開度を当該中間時点前よりも開き側の開度に設定するノズル開度制御手段と、
    前記中間時点で、前記タービンに排気エネルギを付加的に供給する排気エネルギ付加手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記中間時点は、前記バルブオーバーラップ期間が設けられていない状態で内燃機関が出し得る最大トルクカーブの近傍にまで、内燃機関のトルクが高まった時点であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記排気エネルギ付加手段は、前記中間時点から内燃機関のトルクが前記トルクアップ要求時の目標トルク近傍に達する時点まで、前記タービンへの排気エネルギの付加を継続する排気エネルギ付加継続手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記ノズル開度制御手段は、前記中間時点に達した後に、前記可変ノズルの開度を、前記ターボ過給機のターボ効率が最も高くなる開度に制御する高効率開度設定手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
JP2008053752A 2008-03-04 2008-03-04 内燃機関の制御装置 Pending JP2009209780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008053752A JP2009209780A (ja) 2008-03-04 2008-03-04 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008053752A JP2009209780A (ja) 2008-03-04 2008-03-04 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009209780A true JP2009209780A (ja) 2009-09-17

Family

ID=41183180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008053752A Pending JP2009209780A (ja) 2008-03-04 2008-03-04 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009209780A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011083577A1 (ja) * 2010-01-07 2011-07-14 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011083577A1 (ja) * 2010-01-07 2011-07-14 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP5212552B2 (ja) * 2010-01-07 2013-06-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100879486B1 (ko) 엔진
JP4900333B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4816811B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009041485A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPWO2010092678A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007315230A (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP5092962B2 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP2009041488A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009191745A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010096049A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4442643B2 (ja) 内燃機関の排気浄化制御装置
JP5803326B2 (ja) 過給機付リーンバーンエンジン
JP5126424B1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4715644B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014114788A (ja) ターボ過給エンジン
US20100076668A1 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP5338977B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014222047A (ja) 内燃機関の吸気装置
JP2007332876A (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP2013130121A (ja) 火花点火式内燃機関の排気還流装置
JP2009191660A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009299623A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2012246797A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010168924A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009209780A (ja) 内燃機関の制御装置