JPH08177577A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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Publication number
JPH08177577A
JPH08177577A JP32461794A JP32461794A JPH08177577A JP H08177577 A JPH08177577 A JP H08177577A JP 32461794 A JP32461794 A JP 32461794A JP 32461794 A JP32461794 A JP 32461794A JP H08177577 A JPH08177577 A JP H08177577A
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JP
Japan
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torque
air
fuel ratio
combustion pressure
pressure sensor
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Application number
JP32461794A
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English (en)
Inventor
Atsushi Harada
淳 原田
Haruo Watanabe
治男 渡辺
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼圧センサにおける感度のバラツキの影響
を除去することによりトルク変動検出精度、空燃比制御
精度及び燃費の向上を図るとともに、制御の応答性にも
優れたトルク変動限界制御を行う空燃比制御装置を提供
する。 【構成】 内燃機関の燃焼圧力を検出する燃焼圧センサ
と、前記燃焼圧センサにより検出された燃焼圧力に基づ
いて演算トルクを算出する演算トルク算出手段と、前記
演算トルク算出手段により算出された演算トルクに基づ
いてトルク変化量を算出するトルク変化量算出手段と、
前記トルク変化量算出手段により算出されたトルク変化
量と前記演算トルク算出手段により算出された演算トル
クとの比として定義されるトルク変化率を算出するトル
ク変化率算出手段と、前記トルク変化率算出手段により
算出されたトルク変化率が予め定められた変動率となる
ように空燃比を制御する空燃比制御手段と、を具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希薄空燃比での運転を
目的として、トルク変動を許容限界近傍に制御する内燃
機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費向上への更なる要求へ応える
ため、希薄空燃比に制御するリーンバーンシステムの採
用が増えつつある。リーンバーンシステムでは、燃費を
最良にし、窒素酸化物(NOx )の排出量を低減し、か
つ、トルク変動が大きくなるのを抑制する、という3つ
の観点から、トルク変動許容限界近傍の希薄空燃比で運
転する必要がある。そのような希薄空燃比に制御する方
式には、実際に空燃比を検出してフィードバック制御す
る空燃比センサ方式と、燃焼圧力を測定しそれよりトル
ク変動を求めてトルク変動許容限界の空燃比へフィード
バック制御する燃焼圧センサ方式とがある。燃焼圧セン
サ方式は、トルク変動許容限界ぎりぎりまで希薄な空燃
比に制御してNOx の低減を図ることができる点で、空
燃比センサ方式より優れている。
【0003】燃焼圧力からトルク変動を検出する方法が
従来よりいくつか提案されている。特開平 2-67446号公
報は、過渡運転状態でも応答性を良くするため、所定サ
イクル(例えば1サイクル)前のトルクからのトルク低
下量を求め、これによりトルク変動を把握する方法を開
示している。しかし、この方法では、以下のような理由
により、燃焼圧センサの感度における個体間のバラツキ
の影響を受けてしまう。
【0004】すなわち、いわゆる図示トルク(演算トル
ク)PTRQは、例えば、同公報に開示されているよう
に、 PTRQ← 0.5×P1 + 2.0×P2 + 3.0×P3 + 4.0
×P4 によって算出される。ここで、P1 〜P4 は、吸気下死
点付近(BTDC160°CA(上死点前160°))
の筒内圧力を基準にした燃焼圧力であり、 Pn ←k×(Vn −V0 ) (n=1〜4) により求められる。そして、上記係数kは、燃焼圧セン
サの出力電圧Vn (ただし、V0 は吸気下死点付近の出
力電圧)を燃焼圧力Pn に換算するための係数であっ
て、センサ感度によって決定される値を有する。従っ
て、標準的な燃焼圧センサに対して感度が10%大きい
センサを使用する場合には、前者の演算式により算出さ
れる演算トルクPTRQは10%大きく算出され、最終
的にその演算トルクに基づいて算出されるトルク変動も
10%大きく把握されてしまうこととなる。このよう
に、従来技術に係るトルク変動検出方式は、燃焼圧セン
サの感度のバラツキについて深く考究したものではな
い。
【0005】なお、燃焼センサの感度を補正する方法も
いくつか提案されてはいる。特開昭64-29656号公報及び
特開平3-117655号公報は、かかる感度補正のために燃料
量を利用する方法について開示している。また、特開昭
59-206648号公報及び実開平1-166246号公報は、かかる
感度補正のために吸入空気量を利用する方法について開
示している。しかし、これらの方法は、燃料量や吸入空
気量を算出する系(センサ、算出タイミング等)におけ
る公差の影響を受けるため、完全な補正方法とは言いが
たい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる実情に鑑み、本
発明の目的は、燃焼圧センサにおける感度のバラツキの
影響を除去することによりトルク変動検出精度、空燃比
制御精度及び燃費の向上を図るとともに、制御の応答性
にも優れた内燃機関の空燃比制御装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の方式が、次元(例
えば、Nm)を有する絶対値をもってトルク変動指数と
する言わば絶対値方式を採用することによりトルク変動
を把握するものであったのに対し、本発明は、トルクに
対するトルク変化量の割合すなわちトルク変化率をもっ
てトルク変動指数とする言わば相対値方式を採用する
(すなわち、無次元化する)ことによりトルク変動を把
握する、という基本的着想に基づき、以下に記載される
ような技術構成を採用することにより、上記目的を達成
するものである。
【0008】すなわち、本発明に係る、内燃機関の空燃
比制御装置は、内燃機関の燃焼圧力を検出する燃焼圧セ
ンサと、前記燃焼圧センサにより検出された燃焼圧力に
基づいて演算トルクを算出する演算トルク算出手段と、
前記演算トルク算出手段により算出された演算トルクに
基づいてトルク変化量を算出するトルク変化量算出手段
と、前記トルク変化量算出手段により算出されたトルク
変化量と前記演算トルク算出手段により算出された演算
トルクとの比として定義されるトルク変化率を算出する
トルク変化率算出手段と、前記トルク変化率算出手段に
より算出されたトルク変化率が予め定められた変動率と
なるように空燃比を制御する空燃比制御手段と、を具備
する。
【0009】
【作用】上述の如く構成された空燃比制御装置において
は、無次元化されたトルク変動指数をもってトルク変動
が把握されるため、センサ感度のズレによる影響が完全
にキャンセルされることとなる。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施例に係る空燃比制
御装置を備えた電子制御燃料噴射式内燃機関の全体概要
図である。この図に示すように、機関本体1の吸気通路
2には圧力センサ3が設けられている。圧力センサ3
は、吸入空気圧の絶対圧PMを直接的に計測するもので
あって、例えば半導体式センサであり、吸入空気圧に応
じたアナログ電圧出力信号を発生する。この出力信号
は、制御回路10のマルチプレクサ内蔵A/D変換器1
01に供給される。点火ディストリビュータ4には、そ
の軸が例えばクランク角(CA)に換算して720°毎
に基準位置検出用パルス信号を発生する基準位置検出セ
ンサ5、及びクランク角に換算して30°毎に位置検出
用パルス信号を発生するクランク角センサ6が設けられ
ている。これらのセンサ5,6からのパルス信号は、制
御回路10の入出力インタフェース回路102に供給さ
れ、このうち、クランク角センサ6からの信号は、CP
U103の割り込み端子に供給される。
【0012】さらに、吸気通路2には、各気筒ごとに燃
料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃
料噴射弁7が設けられている。
【0013】また、機関本体1のシリンダブロックのウ
ォータジャケット8には、冷却水の温度を検出するため
の水温センサ9が設けられている。水温センサ9は、冷
却水の温度THWに応じたアナログ電圧出力信号を発生
する。この出力信号も、制御回路10のA/D変換器1
01に供給される。
【0014】また、機関の筒内たとえば第1気筒内の筒
内圧力を直接計測するために耐熱性の圧電式燃焼圧セン
サ11が設けられている。この燃焼圧センサ11は、筒
内圧力Vに応じたアナログ電圧出力信号を発生し、この
出力信号も、制御回路10のA/D変換器101に供給
される。
【0015】排気マニホルド12より下流の排気系に
は、触媒コンバータ13が設けられており、その触媒コ
ンバータ13には、排気ガス中の未燃成分(HC,C
O)の酸化と窒素酸化物(NOx )の還元とを同時に促
進する三元触媒が収容されている。
【0016】制御回路10は、マイクロコンピュータシ
ステムとして構成され、A/D変換器101、入出力イ
ンタフェース回路102、CPU103の他に、ROM
104、RAM105、バックアップRAM106、ク
ロック発生回路107等が設けられている。
【0017】また、制御回路10において、ダウンカウ
ンタ108、フリップフロップ109、及び駆動回路1
10は、燃料噴射弁7を制御するためのものである。す
なわち、後述のルーチンにおいて燃料噴射量TAUが演
算されると、燃料噴射量TAUがダウンカウンタ108
にプリセットされるとともに、フリップフロップ109
もセットされる。フリップフロップ109のセットの結
果、駆動回路110が燃料噴射弁7の付勢を開始する。
そして、ダウンカウンタ108がクロック信号(図示せ
ず)を計数して最後にそのキャリアウト端子がアクティ
ブレベルとなると、フリップフロップ109がリセット
され、駆動回路110は燃料噴射弁7の付勢を停止す
る。こうして、上述の燃料噴射量TAUだけ燃料噴射弁
7が付勢されることにより、燃料噴射量TAUに応じた
量の燃料が機関本体1の燃焼室に送り込まれることとな
る。
【0018】なお、CPU103において割り込みが発
生するのは、A/D変換器101のA/D変換処理終了
時、入出力インタフェース102がクランク角センサ6
からのパルス信号を受信した時、クロック発生回路10
7からの割り込み信号を受信した時、等である。
【0019】圧力センサ3からの吸入空気圧データPM
及び水温センサ9からの冷却水温データTHWは、所定
時間ごとに実行されるA/D変換ルーチンにおいて取り
込まれ、RAM105の所定領域に格納される。つま
り、RAM105におけるデータPM及びTHWは、所
定時間ごとに更新されている。また、回転速度データN
Eは、クランク角センサ6による30°CAごとの割り
込みに基づいて求められ、やはりRAM105の所定領
域に格納される。
【0020】以下、制御回路10における空燃比制御処
理(すなわちトルク変動限界制御処理)について説明す
る。図2は、空燃比制御ルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャートである。このルーチンは、所定時間ごとに実
行され、図3に示される複数のクランク角、すなわちA
TDC5°CA(上死点後5°)、ATDC20°C
A、ATDC35°CA、ATDC50°CA、の4点
における燃焼圧P1 、P 2 、P3 、P4 を演算し、これ
らの瞬時の燃焼圧を加算することにより平均有効燃焼圧
を求めるものである。この平均有効燃焼圧は、トルク代
用値として使用可能であり、演算トルクPTRQと呼ば
れる。なお、その演算方法の詳細については、特開昭63
-61129号公報に開示されている。
【0021】具体的には、ステップ302,304,3
06及び308において、クランク角がBTDC160
°CA(上死点前160°)、ATDC5°CA(上死
点後5°)、ATDC20°CA、ATDC35°C
A、又はATDC50°CAであるか否かを判定する。
それらのいずれのクランク角でもないときには、本ルー
チンの処理は終了する。
【0022】クランク角がBTDC160°CAのとき
には、ステップ312に進み、燃焼圧センサ11からの
燃焼圧をA/D変換して取り込み、それをV0 としてR
AM105に格納する。なお、そのような吸気下死点近
傍の値V0 は、燃焼圧センサ11の温度等による出力ド
リフト、オフセット電圧のバラツキ等を吸収するため
に、他のクランク角での燃焼圧の基準値となるものであ
る。
【0023】クランク角がATDC5°CAのときに
は、ステップ314に進み、燃焼圧センサ11からの燃
焼圧をA/D変換して取り込み、それをV1 とする。次
いで、ステップ316にて、V1 から基準値V0 を減算
した値P1 をATDC5°CAでの燃焼圧としてRAM
105に格納する。
【0024】クランク角がATDC20°CAのときに
は、ステップ318に進み、燃焼圧センサ11からの燃
焼圧をA/D変換して取り込み、それをV2 とする。次
いで、ステップ320にて、V2 から基準値V0 を減算
した値P2 をATDC20°CAでの燃焼圧としてRA
M105に格納する。
【0025】クランク角がATDC35°CAのときに
は、ステップ322に進み、燃焼圧センサ11からの燃
焼圧をA/D変換して取り込み、それをV3 とする。次
いで、ステップ324にて、V3 から基準値V0 を減算
した値P3 をATDC35°CAでの燃焼圧としてRA
M105に格納する。
【0026】クランク角がATDC50°CAのときに
は、ステップ326に進み、燃焼圧センサ11からの燃
焼圧をA/D変換して取り込み、それをV4 とする。次
いで、ステップ328にて、V4 から基準値V0 を減算
した値P4 をATDC50°CAでの燃焼圧としてRA
M105に格納する。
【0027】さらに、ステップ328に次いでステップ
330では、演算トルクPTRQを、演算式、 PTRQ←k1×P1 +k2×P2 +k3×P3 +k4×P4 ここでk1〜k4:クランク角位置、連接棒の長さ、クラン
クアーム半径等によって決定されるトルク換算係数 に基づいて算出する。つまり、4つのクランク角位置に
おいてクランク軸に対し回転方向に作用する瞬時トルク
をそれぞれ求め、それらを加算することで演算トルクP
TRQを算出するのである。次のステップ332では、
トルク変動フィードバック制御を実行して処理を終了す
る。このトルク変動フィードバック制御の処理内容につ
いては後述する。
【0028】なお、図2のルーチンは、所定時間ごとに
実行されるように構成されているが、実際には、クラン
ク角センサ6からの30°CA信号による割り込みによ
って起動される30°CA割り込み処理ルーチンにて実
行される。その場合には、図3に示されるごとく、72
0°CA信号に応じてクリアされ、30°CA割り込み
ごとにカウントアップされるアングルカウンタNAを設
け、アングルカウンタNAの値に応じて燃焼圧をA/D
変換する。ただし、ATDC5°CA及びATDC35
°CAのクランク角は、30°CA割り込み時点と一致
しない。そのため、ATDC5°CA及びATDC35
°CAでのA/D変換は、30°CA割り込み時点(N
A=0,1)で15°CA時間を演算して、所定のタイ
マに設定し、そのタイマによる割り込みによってCPU
103が処理を実行するように構成する。
【0029】図4は、図2のステップ332に示される
トルク変動フィードバック制御の詳細を示すフローチャ
ートである。なお、本実施例は、以下の説明から明らか
なように、トルク変化量としてトルク低下量のみを有効
とし、後述する減速処理を併せて実行する例であり、ト
ルク増加量については無効とするものである。まず、ス
テップ502では、1サイクル前の演算トルクPTRQ
Oから現サイクルの演算トルクPTRQへのトルク変化
量(本実施例においてはトルク低下量)DTRQを求め
る。すなわち、 DTRQ←PTRQO−PTRQ の演算がなされる。次いで、ステップ504では、次の
サイクルにおける実行に備え、PTRQOにPTRQの
内容をセットする。
【0030】ステップ506では、トルク低下量DTR
Qの正負を判定する。トルク低下量が負の場合、すなわ
ちトルクが増大傾向にある場合には、理想トルクに沿っ
て変化しているものとみなされるので、トルク低下量D
TRQの値を0とする(ステップ510)。他方、トル
ク低下量DTRQが正又は0の場合、すなわちトルクが
減少傾向にある場合には、トルク変動が生じたものとみ
なされるが、減速時においてもトルクは減少するため、
次のような減速処理を実行する(ステップ508)。
【0031】すなわち、減速時においては、吸入空気量
の減少に伴うトルク低下と燃焼悪化に伴うトルク低下と
を区別することができないため、トルク変動による燃料
噴射のフィードバック制御を停止する必要がある。減速
処理の詳細は、図5のフローチャートに示される。ま
ず、トルク低下量DTRQが所定値X1 より大きいか否
かを判定する(ステップ602)。トルク低下量DTR
Qが所定値X1 より大きい場合には、DTRQ>X1
状態が連続して現れる回数を計数するカウンタCNTを
インクリメントし(ステップ604)、その結果、カウ
ンタCNTが所定値X2 (例えば、3)以上となった場
合には、減速フラグFDをセットする(ステップ60
6,608)。他方、トルク低下量DTRQが所定値X
1 以下の場合には、カウンタCNTをクリアし(ステッ
プ610)、減速フラグFDをリセットする(ステップ
612)。
【0032】図4に戻って、ステップ508又は510
実行後のステップ512では、本発明の特徴をなす、ト
ルク変動指数としてのトルク変化率(本実施例において
はトルク低下率)ZTRQを、トルク低下量DTRQと
演算トルクPTRQとの比として計算する。すなわち、 ZTRQ←DTRQ/PTRQ なる演算を実行する。このようにして演算されるトルク
低下率ZTRQは、従来装置で採用されたトルク変動指
数と異なり、無次元化された数値であり、燃焼圧センサ
の感度のズレを完全にキャンセルするものである。
【0033】次のステップ514では、算出されたトル
ク低下率ZTRQについてのいわゆるなまし演算を実行
する。すなわち、トルク低下率のなまし値が、演算式、 ZTRQSM←ZTRQSMO+(ZTRQ−ZTRQ
SMO)/m=〔(m−1)ZTRQSMO+ZTR
Q〕/m によって算出される。ここで、ZTRQSMOは、前回
のサイクルで計算されたなまし値であり、mはなまし率
である。mとしては、例えば8を採用することができ
る。上式は、前回のなまし値に(m−1)の重みを付
け、今回のトルク低下率に1の重みを付けて平均をと
り、新たななまし値とするものである。次いで、次回の
演算に備え、算出されたZTRQSMの値をZTRQS
MOとして記憶する(ステップ516)。なお、このな
まし演算は、必須のものではない。
【0034】最後のステップ518では、空燃比フィー
ドバック補正係数FAFの演算を実行する。このFAF
演算の詳細は、図6のフローチャートに示される。ま
ず、ステップ702では、減速状態(FD=“1”)か
否かを判別し、減速状態であればFAF演算を終了し、
減速状態でなければステップ704に進む。ステップ7
04では、なまし演算後のトルク低下率ZTRQSMが
目標トルク低下率TTRQより大きいか否かを判定す
る。ZTRQSMがTTRQより大きいときには、ステ
ップ706にて空燃比フィードバック補正係数FAFを
所定値KIRだけ大きくしてリッチ補正することによ
り、トルク低下率ZTRQSMが目標トルク低下率TT
RQに近づくようにする。他方、ZTRQSMがTTR
Q以下のときには、ステップ708にて空燃比フィード
バック補正係数FAFを所定値KILだけ小さくしてリ
ーン補正することにより、トルク低下率ZTRQSMが
目標トルク低下率TTRQに近づくようにする。こうし
て、FAF演算が終了する。
【0035】図7は、燃料噴射量演算ルーチンの処理手
順を示すフローチャートである。この処理は、所定クラ
ンク角(例えば、360°)ごとに実行される。まず、
ステップ802では、RAM105から吸入空気圧デー
タPM及び回転速度データNEを読み出して基本噴射量
TAUPを演算する。次のステップ804では、演算
式、 TAU←TAUP・FAF・α+β により、最終噴射量TAUを算出する。なお、α及びβ
は、他の運転状態パラメータによって定まる補正量であ
って、例えば、図示しないスロットル開度センサからの
信号、吸気温センサからの信号、バッテリ電圧、等に基
づくものであり、これらもRAM105に格納されてい
る。次のステップ806では、算出された最終噴射量T
AUをダウンカウンタ108にセットするとともに、フ
リップフロップ109をセットして燃料噴射を開始させ
る。そして、このルーチンは終了する。
【0036】以上、本発明の一実施例について述べてき
たが、もちろん本発明はこれに限定されるものではな
く、様々な実施例を案出することは当業者にとって容易
なことであろう。本実施例は、前述のように、トルク変
化量としてトルク低下量のみを有効とし減速処理を併せ
て実行するものであるが、当然、本発明は、トルク変化
量としてトルク増加量のみを有効とし併せて加速処理を
実行するものにも適用することができる。その際の加速
処理は、本実施例における減速処理と同様に、トルク増
加量が所定値よりも大きい状態が連続して現れる回数を
計数して加速時を判別し、加速フラグをセットすること
により、トルク変動による燃料噴射フィードバック制御
を停止するものである。さらに、本発明は、トルク変化
量としてトルク低下量及びトルク増加量の双方を有効と
して、減速処理及び加速処理の双方を実行するものにも
適用することができる。すなわち、前回のトルクPTR
QOと今回のトルクPTRQとの差の絶対値|PTRQ
O−PTRQ|をトルク変化量とし、そのトルク変化量
が大きければトルク変動が大であるとして空燃比を制御
するもの全てに、本発明は適用可能である。
【0037】また、本実施例は、吸入空気圧と機関回転
速度とに基づいて基本燃料噴射量を演算するタイプの内
燃機関に対して本発明を適用したものであるが、本発明
は、吸入空気流量と機関回転速度とに基づいて基本燃料
噴射量を演算するタイプの内燃機関に対しても当然に適
用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トルク変化率という無次元化されたトルク変動指数によ
りトルク変動が把握されるため、燃焼圧センサにおける
感度のバラツキの影響が完全に除去される。したがっ
て、トルク変動検出精度すなわち空燃比制御精度が向上
し、ひいては燃費の向上が図られるという効果がある。
なお、制御の応答性の面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る空燃比制御装置を備え
た電子制御燃料噴射式内燃機関の全体概要図である。
【図2】空燃比制御ルーチンの処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図3】燃焼圧信号の波形図である。
【図4】トルク変動フィードバック制御ルーチンの処理
手順を示すフローチャートである。
【図5】減速処理ルーチンの処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図6】FAF演算ルーチンの処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】燃料噴射量演算ルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 2…吸気通路 3…圧力センサ 4…点火ディストリビュータ 5…基準位置検出センサ 6…クランク角センサ 7…燃料噴射弁 8…ウォータジャケット 9…水温センサ 10…制御回路 101…A/D変換器 102…入出力インタフェース回路 103…CPU 104…ROM 105…RAM 106…バックアップRAM 107…クロック発生回路 108…ダウンカウンタ 109…フリップフロップ 110…駆動回路 11…燃焼圧センサ 12…排気マニホルド 13…触媒コンバータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼圧力を検出する燃焼圧セ
    ンサと、 前記燃焼圧センサにより検出された燃焼圧力に基づいて
    演算トルクを算出する演算トルク算出手段と、 前記演算トルク算出手段により算出された演算トルクに
    基づいてトルク変化量を算出するトルク変化量算出手段
    と、 前記トルク変化量算出手段により算出されたトルク変化
    量と前記演算トルク算出手段により算出された演算トル
    クとの比として定義されるトルク変化率を算出するトル
    ク変化率算出手段と、 前記トルク変化率算出手段により算出されたトルク変化
    率が予め定められた変動率となるように空燃比を制御す
    る空燃比制御手段と、 を具備する内燃機関の空燃比制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012021443A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Yanmar Co Ltd エンジン

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