JP2012016658A - 汚泥脱水剤および汚泥脱水方法 - Google Patents
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Abstract
下水処理場における下水余剰汚泥や下水消化汚泥のように繊維分の少ない所謂難脱水汚泥に対し、脱水ケーキ含水率低下の要求を満足し、架橋あるいは分岐した水溶性高分子においても添加量増加を極力抑えた汚泥脱水剤を開発することである。
【解決手段】
特定のカチオン性単量体、(メタ)アクリルアミド、および特定のアニオン性単量体1〜5モル%からなる単量体混合物を重合した両性水溶性高分子によって達成できた。また連鎖移動剤を100〜1,000ppm、架橋剤を5〜100ppm、いずれも前記単量体混合物に対し質量換算で共存させ重合した架橋性の両性水溶性高分子によっても優れた効果を発揮する汚泥脱水剤を開発することができた。
【選択図】 なし
Description
架橋あるいは分岐した水溶性高分子においても添加量増加を極力抑えた汚泥脱水剤を開発することである。
R1は水素又はメチル基、R2およびR3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R8は水素またはCH2COO−Y2、QはSO3 −、C6H5SO3 −、
CONHC(CH2)2CH2SO3 −、C6H5COO−あるいはCOO−、R9は水素、メチル基またはCOOY2であり、Y1、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
R1は水素又はメチル基、R2およびR3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(3)
R8は水素またはCH2COO−Y2、QはSO3 −、C6H5SO3 −、
CONHC(CH2)2CH2SO3 −、C6H5COO−あるいはCOO−、R9は水素、メチル基またはCOOY2であり、Y1、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
R1は水素又はメチル基、R2およびR3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R8は水素またはCH2COO−Y2、QはSO3 −、C6H5SO3 −、
CONHC(CH2)2CH2SO3 −、C6H5COO−あるいはCOO−、R9は水素、メチル基またはCOOY2であり、Y1、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
架橋性水溶性高分子は、前に述べたように難脱水性汚泥に対し優れた凝集性能を有するが、脱水ケーキの含水率を低下させるには直鎖水溶性高分子に較べ添加量が増加する。低アニオン性の両性水溶性高分子にすることと、架橋性水溶性高分子にすることの関係について以下説明する。直鎖状水溶性高分子は伸びた状態にあり、そこに懸濁粒子を吸着させ生成した凝集フロックは、大きいがふわふわして強固になりにくい。強度を増すため添加量を増加していってもフロックの改善はない。その原因は、伸びた状態にあるため懸濁粒子との接触サイトが多く、その結果見かけ上の電荷的飽和になりやすい。攪拌強度を増加させ生成フロックを破壊し新しい吸着面を作ればよいが、上記のような現象がまた起こり、結局小さく強固なフロックは生成しない。
30≦AQV/SLV≦100(25℃において)
であることが好ましい。この数値は架橋の度合いを表すのに使用することができる。架橋性のイオン性水溶性高分子は、分子内で架橋しているために、水中においても分子が広がりにくい性質を有し、直鎖状高分子に較べれば水中での広がりは小さいはずであるが、架橋度が増加するに従い、B型粘度計(回転粘度計の一種)に測定した場合の粘度は大きくなる。この原因はB型粘度計のローター(測定時の回転子)と溶液との摩擦かあるいは絡み合いによるものと推定されるが正確には不明である。一方、架橋性のイオン性水溶性高分子の塩水中の粘度は、架橋度が増加するに従い低下していく。架橋によって分子が収縮しているので、塩水の多量のイオンによってその影響をより大きく受けるものと考えられる。従ってこれらの理由によって二つの粘度測定値の比、AQV/SLVは、架橋度が高くなるに従い大きくなる(架橋がさらに進み水不溶性になった場合は、この関係は成り立たない)。本発明の架橋性の両性水溶性高分子では、この値は約30〜100程度になる。直鎖状の水溶性高分子、あるいは弱く架橋した水溶性高分子では、この値が10から30未満程度であることを考慮すると、本発明の架橋性の両性水溶性高分子は、高度に架橋した水溶性高分子であることが分かる。
定義1)水溶性カチオン性高分子および両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体共重合率の差が正である水溶性高分子の場合
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
αは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量。βは酢酸にてpH4.0に調整した水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を前記水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性カチオン性高分子あるいは両性水溶性高分子水溶液無添加時にポリビニルスルホン酸カリウム水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量である。
定義2)両性でかつカチオン性単量体とアニオン性単量体の共重合率の差が負である水溶性高分子の場合
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
αはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液にて滴定した滴定量。βはアンモニアにてpH10.0に調整した水溶性両性高分子水溶液にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を前記水溶性両性高分子の電荷の中和を行うに十分な量加え、その後ポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量をブランク値から差し引いた滴定量。ここでブランク値とは、水溶性両性高分子水溶液無添加時にジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液をポリビニルスルホン酸カリウム水溶液にて滴定した滴定量である。
電荷内包率[%]=(1−α/β)×100
滴定量αは、試料である架橋性カチオン性(両性)水溶性高分子に反対電荷を有するポリビニルスルホン酸カリウム水溶液を滴下して行き、水溶性カチオン性(両性)高分子の「表面」(粒子状の表面部)に存在するイオン性基にイオン的静電反応を行わせる操作を意味する。
させ重合したエマルジョンは、このままで水となじむので転相剤を添加する必
用がない。これら界面活性剤のHLBは、9〜20のもの、好ましくは11〜
20のものを使用する。高HLB界面活性剤により乳化、重合した油中水型エ
マルジョンは、溶解が優れていて所謂フィッシュアイなどの未溶解粒子の発生
が少なく、ライン溶解し汚泥などの凝集処理対象物質に直接添加することがで
きる。そのような界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9
〜15のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエ−テル系、ポリオキシエチレンアルコールエ−テル系などであ
る。
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物または2、2’−アゾビ
ス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素
化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウムおよび亜
硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹
拌下あるいは無攪拌下ラジカル重合を行う。
DAMQ/DMMQ/AAC/AAM=45/5/1/49(試作−6)、DAMQ/DMMQ/AAC/AAM=50/10/5/35(試作−7)、DAMQ/DMMQ/AAC/AAM=70/10/5/15(試作−8)からなる油中水型エマルジョンを合成した。結果を表1に示す。
実施例1と同様な操作によりDAMQ/DMMQ/AAC/AAM=45/5/10/40(比較−1)、DAMQ/DMMQ/AAC/AAM=45/5/15/35(比較−2)、DAMQ/DMMQ/AAC/AAM=45/5/20/30(比較−3)からなる油中水型エマルジョンを合成した。結果を表1に示す。
実施例2と同様な操作によりDAMQ/DMMQ/AAC/AAM=45/5/10/40(比較−4)、DAMQ/DMMQ/AAC/AAM=45/5/20/30(比較−5)からなる油中水型エマルジョンを合成した。結果を表1に示す。
DAMQ;クリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DMMQ;メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
AAM;アクリルアミド、AAC;アクリル酸、AQV/SLV;無次元
電荷内包率;%、架橋剤添加量;単量体に対する質量換算ppm
試料−1〜試料−11に較べ高い。その結果、試料−1〜試料−11に較べ添加量を増加させないと(試料−1〜試料−11に対し15%増し)同等以上の効果を発揮しないことが分かる。
ケーキ含水率:質量%、添加量:対ss質量%、10秒後濾液量:mL
フロック強度:mm
試料−1〜試料−11に較べ高い。その結果、試料−1〜試料−11に較べ添加量を増加させないと(試料−1〜試料−11に対し10%増し)同等以上の効果を発揮しないことが分かる。
ケーキ含水率:質量%、添加量:対ss質量%、10秒後濾液量:mL
フロック強度:mm
Claims (6)
- 下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表されるカチオン性単量体、(メタ)アクリルアミド、および下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体1〜5モル%の単量体混合物を重合した両性水溶性高分子を含有する汚泥脱水剤。
R1は水素又はメチル基、R2およびR3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R8は水素またはCH2COOY2、QはSO3、C6H5SO3、
CONHC(CH2)2CH2SO3、C6H5COOあるいはCOO、R9は水素、メチル基またはCOOY2であり、Y1、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。 - 前記単量体混合物に対し、いずれも質量換算で連鎖移動剤を100〜1,000ppm、架橋剤を5〜100ppm共存させ重合することを特徴とする請求項1に記載の汚泥脱水剤。
- 前記両性水溶性高分子が、前記単量体混合物の水溶液を調製した後、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、該単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し、重合して製造された油中水型エマルジョンであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の汚泥脱水剤である。
- 上記界面活性剤が、HLB(親水性疎水性バランス)10〜15の親水性界面活性剤であることを特徴とする請求項3に記載の汚泥脱水剤である。
- 下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表されるカチオン性単量体、(メタ)アクリルアミド、および下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体1〜5モル%の単量体混合物を重合した両性水溶性高分子を含有する汚泥脱水剤を、汚泥に添加し脱水処理することを特徴とする汚泥脱水方法。
R1は水素又はメチル基、R2およびR3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(3)
R8は水素またはCH2COOY2、QはSO3、C6H5SO3、
CONHC(CH2)2CH2SO3、C6H5COOあるいはCOO、R9は水素、メチル基またはCOOY2であり、Y1、Y2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。 - 無機凝集剤を併用することを特徴とする請求項5に記載の汚泥脱水方法。
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