JP6391098B2 - 製紙スラッジの脱水方法 - Google Patents

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本発明は、製紙スラッジの脱水方法に関するものであり、詳しくは特定の構造を有するカチオン性単量体、非イオン性単量体、及びアニオン性単量体1〜8モル%からなる単量体混合物を重合した特定の物性を有する両性水溶性高分子を製紙スラッジに添加する製紙スラッジの脱水方法に関する。
下水から沈降させた初沈生汚泥、活性汚泥槽からの流出水から沈降させた余剰汚泥あるいは混合生汚泥等の有機性汚泥を脱水処理する際に使用する凝集処理剤として、一般的にポリアクリルアミド(PAM)系水溶性高分子が汎用されている。製紙工場から発生する製紙スラッジを脱水する場合にもPAM系水溶性高分子が使用されているが、製紙スラッジを脱水する場合の脱水機は、繊維質を多く含むためスクリュープレス型脱水機あるいはロータリープレス型脱水機が適用されることが多い。スクリュープレス型脱水機は、濾過面が0.5〜3mm程度のパンチングメタルであることから、形成する凝集フロックは他の脱水機に比べ大きく且つ強い圧搾力に耐える強度のフロックが必要となる。又、ロータリープレス型脱水機も圧搾脱水方式であるため強度なフロックが必要となる。これらに対して、通常はカチオン性PAMとアニオン性PAMの併用処理や、無機凝集剤とPAMを併用した脱水処方が採用されることが多い。例えば、特許文献1では、パルプ又は製紙工業廃水の汚泥に無機凝集剤を添加した後、カチオン性単量体とアニオン性単量体モル比を規定したPAM系両性高分子凝集剤を添加する脱水方法が、特許文献2では、製紙汚泥に対し、無機系酸化剤を添加、改質処理した後、アクリルアミドを主体とした非イオン性水溶性高分子、ビニル重合系カチオン性水溶性及び/又はビニル重合系両性水溶性高分子を添加する脱水方法が、特許文献3では、アクリルアミドを主体とする構成単位からなる非イオン性水溶性高分子を添加後、カチオン性及び/又は両性高分子凝集剤を添加する脱水方法が開示されている。しかし、凝集剤を二液使用することはコスト面や管理面に課題があり、又、無機系薬品を使用する場合は、スラッジ量の増加やアルミニウム化合物等の無機物の環境への放出が懸念されるので好ましくはない。一方で、PAMの構造や形態等に着目した検討も行なわれており、特許文献4では、架橋型イオン性水溶性高分子からなる凝集処理剤を製紙スラッジに添加する脱水方法が開示されている。又、特許文献5には、分散重合することによって製造される粒径100μm以下の微粒子分散液からなる両性水溶性高分子を添加する脱水方法が開示されている。しかし、製紙スラッジも性状が変動しており、これら凝集処理剤や脱水方法でも対応できない状況にあり、汚泥の変動に対して安定的に脱水ケーキの含水率が低下させることが可能な凝集処理剤や脱水方法が要望されている。
特開2001−071000号公報 特開2010−149033号公報 特開2008−194677号公報 特開2004−025094号公報 特開2003−164900号公報
本発明の課題は、製紙工場で発生する製紙スラッジに対して、従来の凝集処理剤や脱水方法に比べて効率良くケーキ含水率を低下させる製紙スラッジの脱水方法を開発することである。
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、下記に記載する様な知見を得て本発明を完成するに至った。即ち、特定の構造式で表されるカチオン性単量体、非イオン性単量体、及び特定の構造式で表されるアニオン性単量体1〜8モル%の単量体混合物を重合した、特定の物性を有する両性水溶性高分子を凝集処理剤として製紙スラッジに添加することで、従来の凝集処理剤や脱水方法に比べて効率が良い脱水処理を可能とすることを見出した。
本発明における両性水溶性高分子は、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表されるカチオン性単量体、非イオン性単量体、及び下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体1〜8モル%の単量体混合物を重合した、特定の物性を有する両性水溶性高分子を含有することを特徴とする。両性水溶性高分子の凝集処理剤の機能は、アニオン性基を少量含有させることで、分子内あるいは分子間イオンコンプレックスを形成させ、見掛けの分子量を増加させ凝集力を高める、あるいは生成したイオンコンプレックスによる高分子のイオン性が減少することによる疎水的な性質を利用してフロック径やフロック強度の調節を行うものである。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素又はNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又はアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(3)
は水素又はCHCOOY、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基又はCOOYであり、Y、Yは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
汚泥はアニオン性の安定な親水性コロイドであり、凝集処理にはカチオン性基による表面電荷の中和が不可欠である。分子内のアニオン性基自体は、汚泥の表面電荷の中和作用には直接的な関係はない。本発明における両性水溶性高分子は、イオンコンプレックスの形成等効果の増強に作用するために必要なだけのアニオン性基を導入した。その結果、余分なアニオン性基によってカチオン性基の消費を抑制し、処理添加量も削減することができる。
又、従来の架橋型水溶性高分子を使用すると、安定した処理効果を発揮させるには添加率が増大するという問題があったが、本発明における両性水溶性高分子においては少量のアニオン性基の導入と、適度に架橋させることによる相乗効果により、従来の凝集処理剤や脱水方法に比べて優れた凝集性能を発揮し、製紙スラッジに対して十分な凝集と脱水ケーキ含水率を達成できる。
本発明における両性水溶性高分子は、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表されるカチオン性単量体、非イオン性単量体、及び下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体1〜8モル%の単量体混合物を重合した両性水溶性高分子である。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素又はNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又はアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(3)
は水素又はCHCOOY、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基又はCOOYであり、Y、Yは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
本発明における両性水溶性高分子を製造するため使用するカチオン性単量体は、前記一般式(1)で表わされる単量体である。即ち、カチオン性単量体の例として(メタ)アクリロイルオキシアルキル4級アンモニウム塩である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等であり、又、(メタ)アクリロイルオキシアルキル3級アミン塩としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアミン硫酸塩、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルアミン塩酸塩等である。又、(メタ)アクリロイルアミノアルキル4級アンモニウム塩としては、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等である。更に(メタ)アクリロイルアミノ(ヒドロキシ)アルキル3級アミン塩の(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルアミン塩酸塩等である。又、前記一般式(2)で表わされる単量体の例としてジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジアリルジエチルアンモニウム塩等である。カチオン性単量体のモル比としては、30〜80モル%の範囲であるが、好ましくは30〜60モル%である。
非イオン性単量体の例は、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらの中で(メタ)アクリルアミドが最も適している。
アニオン性単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレン等である。これらの中でアクリル酸が最も適している。アニオン性単量体のモル比としては、1〜8モル%の範囲であるが、好ましくは2〜8モル%である。
本発明における両性水溶性高分子の分子量は重量平均分子量で300万〜800万であり、好ましくは300万〜600万である。又、両性水溶性高分子を4質量%食塩水中に高分子濃度が0.5質量%になるように完全溶解したときの25℃において回転粘度計にて測定した塩水溶液粘度は、20mPa・s以上、100mPa・s以下の範囲であり、好ましくは20mPa・以上、70mPa・s以下である。
本発明における両性水溶性高分子は、アニオン性が低く、ある程度の架橋が掛かっていることが特徴である。一般的な架橋型水溶性高分子を凝集処理剤として使用すると、製紙スラッジに対し優れた凝集性能を有する場合があるが、脱水ケーキの含水率を低下させるには直鎖型水溶性高分子に較べ添加量が増加する。ここで低アニオン性の両性水溶性高分子にすることと、架橋型水溶性高分子にすることの関係について以下に説明する。直鎖型水溶性高分子は伸びた状態にあり、そこに懸濁粒子を吸着させ生成した凝集フロックは、大きいがふわふわして強固になり難い。強度を増すため添加量を増加していってもフロックの改善はない。その原因は、伸びた状態にあるため懸濁粒子との接触サイトが多く、その結果見かけ上の電荷的飽和になりやすい。攪拌強度を増加させ生成フロックを破壊し新しい吸着面を作ればよいが、上記の様な現象がまた起こり、結局小さく強固なフロックは生成しない。
これに対し架橋型水溶性高分子が汚泥中に添加されると懸濁粒子に吸着し、粒子同士の接着剤として作用し結果として粒子の凝集が起こる。この時「密度の詰まった」分子形態であるため粒子表面と多点で結合し、より締った強度の高いフロックを形成すると推定される。多点で結合することは、懸濁粒子への吸着性能が優れ、そのため未吸着の水溶性高分子が少なく、汚泥中に遊離せず汚泥粘性の増加が発生しない。又、丸まった形態をした分子の内側に存在するカチオン性基は、懸濁粒子の電荷中和には寄与せず、見かけ上カチオン化度の低い分子として作用し、カチオン性飽和による再分散作用は少なくなる。結果として小さなサイズで絞まった強固なフロックが形成され機械脱水時、水切れが良くケーキ含水率が低下すると考えられる。
一方、本発明における両性水溶性高分子は、アニオン性単量体の共重合率を1〜8モル%と少量に限定している。この理由として以下のように論理付けられる。従来、両性高分子凝集剤というとアニオン性単量体を10〜30モル%の範囲で共重合させる重合物が多かった。しかし両性高分子凝集剤の機能は、分子内あるいは分子間イオンコンプレックスを形成させ、見掛けの分子量を増加させ凝集力を高める、あるいは生成したイオンコンプレックスがイオン結合による高分子のイオン性が減少することによる疎水的な性質を利用してフロック径やフロック強度の調節を行うものである。
従ってアニオン性単量体は、従来の両性高分子凝集剤の様にアニオン性単量体10〜30モル%の範囲の共重合率は必ずしも必要ではなく、カチオン性基が無駄に使用されるだけでなく、返って凝集剤の性能を低下させる場合もある。汚泥はアニオン性の安定な親水性コロイドであり、凝集処理にはカチオン性基による表面電荷の中和が不可欠である。分子内アニオン性基自体は、汚泥の表面電荷の中和作用には直接的な関係はない。本発明における両性水溶性高分子は、イオンコンプレックスの形成等効果の増強に作用するために必要なだけのアニオン性基を導入した。その結果余分なアニオン性基によってカチオン性基の消費が減少し、処理添加量も削減することができる。
更に適度に架橋させることで本発明における両性水溶性高分子は、添加率を増加させることなく従来に較べ優れた凝集性能を発揮し、製紙スラッジに対して十分な凝集と脱水ケーキ含水率を達成できる。
製紙スラッジの特徴としては、M−アルカリ度とアニオン量が他の汚泥に比べて低いことが挙げられる。例えば、一般的にM−アルカリ度は200〜800mg/L程度、アニオン量は2.0〜4.0meq/L程度である。これに対して一般汚泥ではM−アルカリ度は1000〜6000mg/L程度、アニオン量は5.0〜10.0meq/L程度である。これらの値が低いとアニオン性のコロイド物質の含有量、有機分が少なく、繊維質の不安定な懸濁物質が多く存在するため製紙スラッジを脱水する場合の脱水機は、スクリュープレス型脱水機あるいはロータリープレス型脱水機が適用されることが多い。しかし、近年、製紙スラッジは特に再生紙系において余剰汚泥や製紙原料中に雑誌、チラシ、板紙等の古紙の配合比率が増加傾向にあり、これらの中で余剰汚泥は有機分が多く繊維分が少ないため濃縮性が低下する難脱水性の汚泥であり、製紙スラッジの性状が従来の凝集処理剤で処理するには不安定な状態となっている。その特徴として、有機物の指標となる汚泥のVSS(浮遊物質中の強熱減量、質量%対SS)、VTS(蒸発残留物中の強熱減量、質量%対TS)が増加する傾向にあり、従来の製紙スラッジでは、VSS、VTS共に40質量%未満が一般的であったが、VSS40〜65質量%、VTS40〜70質量%程度になっている。一般汚泥はVSS70〜80質量%程度、VTS75〜80質量%程度であり、これらの値に近づく傾向にある。尚、汚泥の各種測定値は、定法(下水試験方法)に基づく測定による。
スクリュープレス型脱水機は、スクリューによってスラッジを押し出していくため、その過程でスラッジに圧搾力が掛かり、形成するフロックは強固なものが要求される。ロータリープレスでも同様に圧搾脱水方式であるため強固なフロックが要求される。そのため凝集処理剤としてアニオン性水溶性高分子とカチオン性水溶性高分子を組み合わせた処方が適用されることが多い。これはアニオンとカチオンによる電気的な相互作用により凝集が引き起こされ強固なフロックを形成するためと考えられる。又、架橋型水溶性高分子は、圧搾力に対する抗力が高いため適用される場合が多いが、安定した効果を得るには添加率が増加する。これら製紙スラッジ対象に適正な凝集処理剤として本発明における両性水溶性高分子が適用でき、安定した効果を発揮することができる。
本発明における両性水溶性高分子は、25℃における0.2質量%水溶液粘度をAQV、前記両性水溶性高分子の0.5質量%の4質量%食塩水溶液中粘度をSLVとすると、両方の比が、
10≦AQV/SLV<30
の範囲である必要がある。この数値は架橋の度合いを表すのに使用することができる。架橋型のイオン性水溶性高分子は、分子内で架橋しているために、水中においても分子が広がり難い性質を有し、直鎖型高分子に較べれば水中での広がりは小さいはずであるが、架橋度が増加するに従い、B型粘度計(回転粘度計の一種)に測定した場合の粘度は大きくなる。この原因はB型粘度計のローター(測定時の回転子)と溶液との摩擦かあるいは絡み合いによるものと推定されるが正確には不明である。一方、架橋型のイオン性水溶性高分子の塩水中の粘度は、架橋度が増加するに従い低下していく。架橋によって分子が収縮しているので、塩水の多量のイオンによってその影響をより大きく受けるものと考えられる。従ってこれらの理由によって二つの粘度測定値の比、AQV/SLVは、架橋度が高くなるに従い大きくなる(架橋がさらに進み水不溶性になった場合は、この関係は成り立たない)。本発明における両性水溶性高分子では、この値は10以上、30未満の範囲であり、好ましくは10以上、25以下である。直鎖型水溶性高分子では、この値が10未満、架橋度が高い水溶性高分子では30以上であることを考慮すると、本発明における両性水溶性高分子は、架橋度が低い水溶性高分子であることが分かる。尚、AQVは、B型粘度計において2号ローター、30rpm(25℃)、SLVは、1号ローター、60rpm(25℃)で測定した値である。B型粘度計としては東京計器製B8M等が使用される。
本発明における両性水溶性高分子のAQV/SLV値が本発明の範囲であるためには重合する前の単量体混合物に対し、構造改質剤、即ち、高分子を構造変性する架橋性単量体を共存させると好適に製造することができる。この架橋性単量体は、単量体総量に対し質量換算で5〜20ppm、好ましくは5〜15ppm存在させる。架橋性単量体の例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシラン等があるが、この場合の架橋性単量体としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。又、ギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール、メタリルスルホン酸ナトリウム等の連鎖移動剤を併用することも架橋性を調節する手法として効果的である。添加率としては、単量体総量に対し質量換算で100〜1,000ppm、好ましくは200〜700ppm存在させる。
本発明における両性水溶性高分子の製品形態としては、粉末、油中水型エマルジョン、塩水溶液中分散液等どの様な形態でも実施可能であるが、これらの中で本発明におけるAQV/SLVの範囲を有する両性水溶性高分子を重合するのに適しているため、油中水型エマルジョンが最も好ましい形態である。
粉末状の製品は、以下のようにして製造することができる。例えば塩水溶液中あるいは水に非混和性有機液体中にて分散重合した分散液、水溶液重合による粘性液体、あるいは単量体水溶液を高濃度で重合し流動性のない水性ゲル状物を得て、その後乾燥し造粒した粉末状とする。即ち、塩水中にて分散重合した分散液の場合は、直接乾燥機に入れ、一定時間乾燥し、塊状物を粉砕する方法がある。又、水に非混和性有機液体中にて分散重合した分散液の場合は、非混和性有機液体を分離し、湿潤な重合粒子を乾燥機にて乾燥し粉末状とする。水溶液重合により生成した粘性液体は、水混和性有機液体により重合物を析出させ、それを乾燥し粉砕する。単量体を高濃度で水溶液重合した流動性のない水性ゲル状物の場合は、ミートチョッパー等でゲル状物をミンチ化し、それを乾燥後、粉砕し粉末とする方法を採る。
油中水型エマルジョンの場合は、特開平10−140496号公報や特開2011−99076号公報等に挙げられる方法に準じて適宜に製造することができる。カチオン性単量体、非イオン性単量体、及びアニオン性単量体を含有する単量体混合物を水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させ重合することにより合成する。
又、分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油等の鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度等の特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB1〜15のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート等が挙げられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
この場合、高HLB界面活性剤により乳化させ、油中水型エマルジョンを生成させ重合したエマルジョンは、このままで水と馴染むので転相剤を添加する必要がない。これら界面活性剤のHLBは9〜20のもの、好ましくは11〜20のものを使用する。高HLB界面活性剤により乳化、重合した油中水型エ
マルジョンは、溶解が優れていて所謂フィッシュアイ等の未溶解粒子の発生が
少なく、ライン溶解し汚泥等の凝集処理対象物質に直接添加することができる。そのような界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系等である。
低HLBの界面活性剤により乳化、重合した場合は重合後転相剤と呼ばれる親水性界面化成剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水に馴染み易くし、中の水溶性高分子が溶解し易くする処理を行い、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系等である。高HLB界面活性剤を使用した場合、フィッシュアイ等を形成し難く溶解性が良好であり、ライン溶解し、溶解液をそのまま汚泥に添加できる等のメリットがある。この場合、添加率は油中水型エマルジョン液量に対し質量換算で0.5〜5%であり、好ましくは0.5〜2%である。
塩水溶液中分散液の場合は、特開2007−16086号公報等によって製造することができる。硫酸アンモニウムのような多価アニオン塩の水溶液を調製し、この中にカチオン性単量体、非イオン性単量体、及びアニオン性単量体を含有する単量体混合物を仕込み、分散剤として該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ攪拌下、分散重合し合成することができる。
高分子分散剤としては、非イオン性あるいはカチオン性高分子の何れでも使用可能であるが、カチオン性高分子のほうがより好ましい。カチオン性高分子としては、アクリル系カチオン性単量体、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の無機酸や有機酸の塩、あるいは塩化メチルや塩化ベンジルによる四級アンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体である。例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等が挙げられ、これら単量体と非イオン性単量体との共重合体でも良い。又、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物重合体等ジアリルアミン系重合体でも使用できる。
非イオン性高分子の例としては、上記非イオン性単量体の(共)重合体、ポリビニルアルコール、スチレン/無水マレイン酸共重合物あるいはブテン/無水マレイン酸共重合物の完全アミド化物等である。
上記イオン性高分子の分子量としては、5000から300万、好ましくは5万から150万である。又、非イオン性高分子の分子量としては、1000〜100万であり、好ましくは1000〜50万である。これら高分子分散剤の単量体に対する添加量は、1/100〜1/10であり、好ましくは2/100〜5/100である。
これら上記の種々重合は、重合は窒素雰囲気下にて、重合開始剤、例えば2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物又は2、2’−アゾビ
ス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素
化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウム及び亜
硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹
拌下あるいは無攪拌下ラジカル重合を行う。
種々の重合法により得られた本発明における両性水溶性高分子は、前述の理由によりアニオン化度を十分低下させることと、架橋度合いを調製することにより、凝集処理剤としての添加率の削減が可能であり、従来、架橋型の水溶性高分子の欠点といわれる添加率の増加がなく、優れた凝集性能が得られることが判明した。
本発明における両性水溶性高分子とその他の水溶性高分子と併用しても良い。併用する水溶性高分子としてポリアクリルアミド系ポリマーが考えられるが、本発明における両性水溶性高分子と混合しても良いが、別添加しても良い。但し、他の水溶性高分子の併用比率が多くなると、本発明における両性水溶性高分子の効果が低下するので、凝集処理剤として使用される本発明における両性水溶性高分子の割合は、質量比率で5割以上が好ましい。
本発明における両性水溶性高分子は、製紙工場の製紙工程から発生した製紙スラッジに対して有効である。製紙スラッジの種類としては、上質印刷用紙、中質印刷用紙、グラビア印刷用紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙、包装用紙等何れでも適用可能であるが、近年、余剰汚泥や雑誌、チラシ、板紙等の古紙の配合割合が増加する傾向にある再生紙系において効果を発揮しやすい。又、製紙スラッジ他の有機性汚泥(いわゆる生汚泥、余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥、凝沈・浮上汚泥及びこれらの混合物)に適用しても差し支えない。通常0.1〜0.2質量%水溶液として添加される。
又、本発明における両性水溶性高分子は、鉄塩、アルミニウム塩等の無機凝集剤と併用することなく、単独で使用しても優れたケーキ含水率低減効果を発揮する。汚泥に対する添加率は、通常汚泥固形分に対し0.005〜2質量%である。
本発明における両性水溶性高分子を適用する脱水機の種類は、製紙スラッジで主に使用されるスクリュープレスあるいはロータリープレスであるが、デカンター、ベルトプレス等に適用しても差し支えない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
油中水型エマルジョンあるいは粉末品である本発明における両性水溶性高分子試料を常法の重合方法により調製した。その代表的な試料1〜3の単量体組成、物性値を表1に示す。又、油中水型エマルジョンあるいは粉末品である本発明における両性水溶性高分子の範囲外の試料4〜14を常法の重合方法により調整、準備した。それらの単量体組成、物性値を表1に示す。
(表1)
DMQ;アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMC;メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
AAM;アクリルアミド、AAC;アクリル酸
EM;油中水型エマルジョン、P;粉末
AQV;0.2質量%水溶液粘度(mPa・s)
SLV;0.5質量%の4質量%食塩水溶液中粘度(mPa・s)
AQV/SLV;無次元
(実施例1)某製紙工場Aより発生した再生紙系の製紙スラッジ(pH6.6、電気伝導度127mS/m、SS分105000mg/L、VSS41質量%、VTS40質量%、M−アルカリ度557mg/L、アニオン量2.88meq/L)についてスクリュープレス型脱水機を想定した脱水試験を実施した。製紙スラッジ200mLをポリビーカーに採取し、表1の本発明における両性水溶性高分子試料1を0.2質量%濃度に清水にて希釈したものを対汚泥SS分0.2質量%加え、スパチュラを使用し40回かき混ぜ撹拌後、ビーカー移し替え攪拌4回行った後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。その後濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で1分間脱水し、ケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表2に示す。
(比較例1)実施例1と同様なスラッジを対象に同様な操作により、表1の本発明の範囲外の試料に関して試験を実施した。結果を表2に示す。
(表2)
本発明における両性水溶性高分子試料1を添加時、本発明の範囲外の水溶性高分子試料を添加時に比べてケーキ含水率が低下することが分かる。本発明における両性水溶性高分子よりもAQV/SLVが高い試料8や、AQV/SLVが本発明の範囲内でもアニオン性単量体を含まない試料9、10では凝集不良であった。
(実施例2)某製紙工場Bより発生した再生紙系の製紙スラッジ(pH7.1、SS分39500mg/L、電気伝導度206mS/m、VSS52.5質量%、VTS50.9質量%、M−アルカリ度448mg/L、アニオン量3.14meq/L)についてスクリュープレス型脱水機を想定した脱水試験を実施した。当該製紙スラッジの脱水処方としては、アニオン性高分子凝集剤試料A(市販粉末品、pH7でのアニオン当量値1.6meq/g、0.2質量%水溶液粘度183mPa・s、0.5質量%の4質量%食塩水溶液中粘度147mPa・s)とカチオン性高分子凝集剤試料12の二液処方が使用されている。製紙スラッジ200mLをポリビーカーに採取し、アニオン性高分子凝集剤試料Aを0.1質量%濃度に清水にて希釈したものを対汚泥50ppm添加、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、表1の本発明における両性水溶性高分子試料1あるいは試料2を0.2質量%濃度に清水にて希釈したものを対汚泥50ppm加え、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、ビーカー移し替え攪拌6回行った後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。その後濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で1分間脱水し、ケーキ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表3に示す。
(実施例3)実施例2と同様なスラッジを対象に同様な操作により、アニオン性高分子凝集剤試料Aを添加せずに、試料1あるいは試料2を0.2質量%濃度に清水にて希釈したものを対汚泥70ppmあるいは100ppm添加して試験を実施した。結果を表3に示す。
(比較例2)実施例2あるいは3と同様な操作により、表1の本発明の範囲外の試料に関して試験を実施した。結果を表3に示す。
(表3)
現行処方に対して、アニオン性高分子凝集剤試料Aと本発明における両性水溶性高分子試料1あるいは試料2を併用時、本発明の範囲外の試料添加時に比べてケーキ含水率が低下することが分かる。又、アニオン性高分子凝集剤A無添加で両性水溶性高分子試料1あるいは試料2単独添加でも、比較例に比べてケーキ含水率が低下することが確認できた。
(実施例4)某製紙工場Cより発生した再生紙系の製紙スラッジ(pH6.6、電気伝導度164mS/m、SS分61000mg/L、VSS42.2質量%、VTS41.7質量%、M−アルカリ度617mg/L、アニオン量4.06meq/L)についてスクリュープレス型脱水機を想定した脱水試験を実施した。製紙スラッジ200mLをポリビーカーに採取し、表1の本発明における両性水溶性高分子試料1あるいは試料2を0.2質量%濃度に清水にて希釈したものを対汚泥SS分0.3質量%加え、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、ビーカー移し替え攪拌6回行った後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。その後濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で1分間脱水し、ケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表4に示す。
(比較例3)実施例4と同様なスラッジを対象に同様な操作により、表1の本発明の範囲外の試料に関して試験を実施した。結果を表4に示す。
(表4)
本発明における両性水溶性高分子試料1あるいは試料2を添加時、本発明の範囲外の試料添加時に比べて濾液量が大きく、ケーキ含水率も大きく低下することが確認できた。
(実施例5)某製紙工場Dより発生した再生紙系の製紙スラッジ(pH6.8、電気伝導度154mS/m、SS分80250mg/L、VSS56.8質量%、VTS55.7質量%、M−アルカリ度586mg/L、アニオン量2.45meq/L)についてスクリュープレス型脱水機を想定した脱水試験を実施した。当該製紙スラッジの脱水処方としては、アニオン性高分子凝集剤試料B(市販油中水型エマルジョン品、濃度40%、pH7でのアニオン当量値2.1meq/g、0.2質量%水溶液粘度138mPa・s、0.5質量%の4質量%食塩水溶液中粘度76mPa・s)とカチオン性高分子凝集剤試料C(市販油中水型エマルジョン品、濃度40%、pH7でのカチオン当量値2.3meq/g、0.2質量%水溶液粘度410mPa・s、0.5質量%の4質量%食塩水溶液中粘度95mPa・s)の二液処方が使用されている。製紙スラッジ200mLをポリビーカーに採取し、表1の本発明における両性水溶性高分子試料1〜3を0.2質量%濃度に清水にて希釈したものを対汚泥SS分100ppm加え、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、ビーカー移し替え攪拌6回行った後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。その後濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で1分間脱水し、ケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表5に示す。
(比較例4)実施例5と同様なスラッジを対象に同様な操作により、表1の本発明の範囲外の試料に関して試験を実施した。又、アニオン性高分子凝集剤試料Bとカチオン性高分子凝集剤試料Cの二液処方も実施した。二液処方の場合、試料Bを添加、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、試料Cを添加、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、ビーカー移し替え攪拌6回行った後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。その後濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で1分間脱水し、ケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表5に示す。
(表5)
本発明における両性水溶性高分子試料1〜3を添加時、本発明の範囲外の試料や二液処方添加時に比べて、ケーキ含水率が低下することが確認できた。






Claims (4)

  1. 下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表されるカチオン性単量体、非イオン性単量体、及び下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体1〜8モル%の単量体混合物を重合した両性水溶性高分子であり、当該両性水溶性高分子の25℃における0.2質量%水溶液をAQV、0.5質量%の4質量%食塩水溶液中粘度をSLVとすると、両方の比が10≦AQV/SLV<30であり、SLVが20〜100mPa・sの範囲である両性水溶性高分子を製紙スラッジに添加し脱水処理することを特徴とする製紙スラッジの脱水方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素又はNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又はアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
    一般式(3)
    は水素又はCHCOOY、QはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基又はCOOYであり、Y、Yは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記両性水溶性高分子が、前記単量体混合物の水溶液を調製した後、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、該単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し、重合して製造された油中水型エマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の製紙スラッジの脱水方法。
  3. 前記単量体混合物に対し、質量換算で架橋性単量体を5〜20ppm共存させ重合した両性水溶性高分子であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の製紙スラッジの脱水方法。
  4. 前記製紙スラッジが、再生紙系であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製紙スラッジの脱水方法。
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