JP2012013589A - 回路基板検査装置および回路基板検査方法 - Google Patents

回路基板検査装置および回路基板検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁検査の検査精度を向上させる。
【解決手段】回路基板の各導体パターンの1つを第1検査対象として設定すると共に第1検査対象の導体パターンを除く導体パターンの一部または全部を第2検査対象として設定し、第2検査対象の導体パターンを同電位としつつ第1検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて各導体パターンの間の絶縁状態を第1検査条件で検査する第1絶縁検査を実行する検査部を備え、検査部は、各導体パターンの中に指定導体パターンが存在するときには、指定導体パターンを除く導体パターンを第1検査対象として設定して第1絶縁検査を実行し、1つの指定導体パターンを除く他の導体パターンを同電位としつつその指定導体パターンとの間に検査用信号を供給させて各導体パターンの間の絶縁状態を第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の導体パターンを有する回路基板における各導体パターンの間の絶縁状態を検査する回路基板検査装置および回路基板検査方法に関するものである。
回路基板における各導体パターンの間の絶縁状態を検査する回路基板検査方法が従来から用いられている。この場合、例えば、各導体パターンの中から選択した一対の導体パターンに対する絶縁検査を一対の導体パターンの全ての組み合わせについて行う回路基板検査方法を用いて、多くの導体パターンを有する回路基板の検査を行うときには、一対の導体パターンの組み合わせが膨大な数となって検査に長時間を要することとなる。このような問題点を解消可能な回路基板検査方法として、各導体パターンうちの1つと、その1つを除く他の導体パターンの一部または全部との間の絶縁状態を検査することによって検査回数を低減する回路基板検査方法(例えば、特開2000−193702の段落(0002)〜段落(0006)に開示されている絶縁検査)が知られている。
例えば、1番からM番までの番号が付番されたM個の導体パターンを有する回路基板における各導体パターンの間の絶縁状態を上記の回路基板検査方法を用いて検査する際には、図6に示すように、1回目の検査において、M個のうちの1つの導体パターンとして1番の導体パターンを選択し、選択した1番の導体パターンを除く2番からM番までの導体パターンを同電位としつつ、2番からM番までの導体パターンと1番の導体パターンとの間に予め決められた信号レベルの検査用信号を予め決められた時間だけ供給して各導体パターンの間の抵抗値を測定し、各導体パターンの間の絶縁状態を検査する。この場合、抵抗値が予め決められた下限値以上のときには、その導体パターンの間の絶縁状態が良好であると判定する。次いで、2回目の検査において、検査が終了した1番の導体パターンを検査対象から除外し、M個のうちの1つの導体パターンとして2番の導体パターンを新たに選択し、1番および2番の導体パターンを除く3番からM番までの導体パターンを同電位としつつ、3番からM番までの導体パターンと2番の導体パターンとの間に検査用信号を供給して各導体パターンの間の絶縁状態を検査する。以下、同図に示すように、M個のうちの1つの導体パターンとして順次大きな番号の導体パターンを選択し、その導体パターンよりも番号が大きい各導体パターンを同電位としつつ検査用信号を供給して各導体パターンの間の絶縁状態を検査し、M個のうちの1つの導体パターンとして選択する導体パターンの番号が(M−1)番となるまでこの検査を繰り返して、合計で(M−1)回の検査を実行する。
特開2000−193702号公報(第3頁、第9−11図)
ところが、上記の回路基板検査方法には、以下の問題点がある。すなわち、この回路基板検査装置では、(M−1)回の全ての検査において、予め決められた信号レベルの検査用信号を予め決められた時間だけ供給して、導体パターンの間の抵抗値が予め決められた下限値以上のときに、その導体パターンの間の絶縁状態が良好であると判定する。つまり、従来の回路基板検査装置では、全ての導体パターンに対して同じ検査条件で絶縁検査が行われる。一方、例えば、グランド電位として用いられる導体パターンは、面積が広く、また電子部品等が接続される接続点の数も多いため、一般的に絶縁不良を生じる可能性が高い。このため、このような導体パターンでは、他の導体パターンと同じ検査条件での絶縁検査において絶縁状態がたまたま良好であると判定されたとしても、検査条件が僅かに相違しただけで絶縁状態が不良であると判定されるような、潜在的な絶縁不良が存在していることがある。しかしながら、従来の回路基板検査装置では、上記したように、全ての導体パターンに対して同じ検査条件で絶縁検査が行われるため、上記のような潜在的な絶縁不良を検出することが困難である。したがって、従来の回路基板検査装置には、絶縁検査の検査精度の向上が困難であるという問題点が存在する。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、絶縁検査の検査精度を向上し得る回路基板検査装置および回路基板検査方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第1検査対象として設定すると共に当該第1検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第2検査対象として設定し、前記第2検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第2検査対象の導体パターンと前記第1検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を第1検査条件で検査する第1絶縁検査を、前記第1検査対象および前記第2検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する際に、2回目以降の前記第1絶縁検査において、直前の前記第1絶縁検査で前記第1検査対象として設定した導体パターンを前記第1検査対象および前記第2検査対象から除外すると共に、直前の前記第1絶縁検査で前記第2検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第2検査対象から除外して前記第1検査対象として設定する検査部を備えた回路基板検査装置であって、前記検査部は、前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在するときには、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第1検査対象として設定して前記第1絶縁検査を複数回実行すると共に、1つの前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを同電位としつつ当該他の導体パターンと当該指定導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を前記第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行する。
また、請求項2記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記第1検査条件として、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値が規定され、前記第2検査条件は、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値の少なくとも1つを含み、当該1つが前記信号レベルのときには、前記第2検査条件として前記第1検査条件の前記信号レベルよりも高く規定され、当該1つが前記供給時間のときには、前記第2検査条件として前記第1検査条件の前記供給時間信号よりも長く規定され、当該1つが前記下限値のときには、前記第2検査条件として前記第1検査条件の前記下限値よりも高く規定されている。
また、請求項3記載の回路基板検査装置は、請求項1または2記載の回路基板検査装置において、前記検査部は、前記各導体パターンの中に前記指定導体パターンが存在するときに、前記複数回実行する第1絶縁検査の全てにおいて前記指定導体パターンを前記第2検査対象として設定する。
また、請求項4記載の回路基板検査装置は、複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第3検査対象として設定すると共に当該第3検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第4検査対象として設定し、前記第4検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第4検査対象の導体パターンと前記第3検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を検査する第3絶縁検査を、前記第3検査対象および前記第4検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する検査部を備えた回路基板検査装置であって、前記検査部は、1回目の前記第3絶縁検査において、前記第3検査対象として設定する前記導体パターンを除く他の全ての前記導体パターンを前記第4検査対象として設定し、2回目以降の前記第3絶縁検査において、直前の前記第3絶縁検査で前記第3検査対象として設定した導体パターンを前記第3検査対象および前記第4検査対象から除外し、かつ直前の前記第3絶縁検査で前記第4検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第4検査対象から除外して前記第3検査対象として設定すると共に、前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在する際には、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件で前記第3絶縁検査を実行し、前記指定導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で前記第3絶縁検査を実行する。
また、請求項5記載の回路基板検査装置は、請求項4記載の回路基板検査装置において、前記第3検査条件として、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値が規定され、前記第4検査条件は、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値の少なくとも1つを含み、当該1つが前記信号レベルのときには、前記第4検査条件として前記第3検査条件の前記信号レベルよりも高く規定され、当該1つが前記供給時間のときには、前記第4検査条件として前記第3検査条件の前記供給時間信号よりも長く規定され、当該1つが前記下限値のときには、前記第4検査条件として前記第3検査条件の前記下限値よりも高く規定されている。
また、請求項6記載の回路基板検査方法は、複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第1検査対象として設定すると共に当該第1検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第2検査対象として設定し、前記第2検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第2検査対象の導体パターンと前記第1検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を第1検査条件で検査する第1絶縁検査を、前記第1検査対象および前記第2検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する際に、2回目以降の前記第1絶縁検査において、直前の前記第1絶縁検査で前記第1検査対象として設定した導体パターンを前記第1検査対象および前記第2検査対象から除外すると共に、直前の前記第1絶縁検査で前記第2検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第2検査対象から除外して前記第1検査対象として設定する回路基板検査方法であって、前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在するときには、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第1検査対象として設定して前記第1絶縁検査を複数回実行すると共に、1つの前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを同電位としつつ当該他の導体パターンと当該指定導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を前記第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行する。
また、請求項7記載の回路基板検査方法は、複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第3検査対象として設定すると共に当該第3検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第4検査対象として設定し、前記第4検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第4検査対象の導体パターンと前記第3検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を検査する第3絶縁検査を、前記第3検査対象および前記第4検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する回路基板検査方法であって、1回目の前記第3絶縁検査において、前記第3検査対象として設定する前記導体パターンを除く他の全ての前記導体パターンを前記第4検査対象として設定し、2回目以降の前記第3絶縁検査において、直前の前記第3絶縁検査で前記第3検査対象として設定した導体パターンを前記第3検査対象および前記第4検査対象から除外し、かつ直前の前記第3絶縁検査で前記第4検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第4検査対象から除外して前記第3検査対象として設定すると共に、前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在する際には、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件で前記第3絶縁検査を実行し、前記指定導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で前記第3絶縁検査を実行する。
請求項1記載の回路基板検査装置、および請求項6記載の回路基板検査方法によれば、指定導体パターンが存在するときには、1つの指定導体パターンを除く他の導体パターンを同電位としつつ他の導体パターンと指定導体パターンとの間に検査用信号を供給させて各導体パターンの間の絶縁状態を第1絶縁検査における第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行することにより、第1検査条件での第1絶縁検査では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良が指定導体パターンに存在しているとしても、その絶縁不良を確実に検出することができる。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、絶縁不良の見逃しを十分に少なく抑えることができる結果、絶縁検査の検査精度を向上させることができる。
また、請求項2記載の回路基板検査装置によれば、検査用信号の信号レベル、検査用信号の供給時間、および検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値の少なくとも1つを第2検査条件に含ませ、その1つが信号レベルのときには、第2検査条件として第1検査条件の信号レベルよりも高く規定し、その1つが供給時間のときには、第2検査条件として第1検査条件の供給時間信号よりも長く規定し、その1つが下限値のときには、第2検査条件として第1検査条件の下限値よりも高く規定することにより、例えば、物理量としての抵抗値に基づいて絶縁状態の良否を判定する第2絶縁検査における第2検査条件を確実かつ容易に第1検査条件よりも高い検査基準とすることができる。
また、請求項3記載の回路基板検査装置によれば、指定導体パターンが存在するときに、複数回実行する第1絶縁検査の全てにおいて指定導体パターンを第2検査対象として設定することにより、第1絶縁検査において指定導体パターンと通常の導体パターンとの間の絶縁状態を複数回検査することができるため、絶縁不良の見逃しを一層少なく抑えることができる結果、絶縁検査の検査精度をさらに向上させることができる。
また、請求項4記載の回路基板検査装置、および請求項7記載の回路基板検査方法によれば、指定導体パターンが存在する際には、指定導体パターンを除く他の導体パターンを第3検査対象として設定したときに第3検査条件で第3絶縁検査を実行し、指定導体パターンを第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で第3絶縁検査を実行することにより、第3検査条件での第3絶縁検査では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良が指定導体パターンに存在しているとしても、その絶縁不良を確実に検出することができる。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、絶縁不良の見逃しを十分に少なく抑えることができる結果、絶縁検査の検査精度を向上させることができる。
また、請求項5記載の回路基板検査装置によれば、検査用信号の信号レベル、検査用信号の供給時間、および検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値の少なくとも1つを第4検査条件に含ませ、その1つが信号レベルのときには、第4検査条件として第3検査条件の信号レベルよりも高く規定し、その1つが供給時間のときには、第4検査条件として第3検査条件の供給時間信号よりも長く規定し、その1つが下限値のときには、第4検査条件として第3検査条件の下限値よりも高く規定することにより、例えば、物理量としての抵抗値に基づいて絶縁状態の良否を判定する第3絶縁検査における第4検査条件を確実かつ容易に第3検査条件よりも高い検査基準とすることができる。
回路基板検査装置1の構成を示す構成図である。 回路基板100の構成を示す構成図である。 回路基板検査方法を説明する第1の説明図である。 回路基板検査方法を説明する第2の説明図である。 回路基板検査方法を説明する第3の説明図である。 従来の回路基板検査方法を説明する説明図である。
以下、本発明に係る回路基板検査装置および回路基板検査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、回路基板検査装置の一例としての回路基板検査装置1の構成について説明する。図1に示す回路基板検査装置1は、複数(一例として、8個)の導体パターンP1〜P8(図2参照:以下、区別しないときには「導体パターンP」ともいう)を有する回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を後述する回路基板検査方法に従って検査可能に構成されている。具体的には、回路基板検査装置1は、図1に示すように、基板保持部11、プローブユニット12、移動機構13、検査用信号出力部14、スキャナ部15、測定部16、記憶部17および制御部18を備えて構成されている。この場合、スキャナ部15、測定部16および制御部18によって検査部が構成される。
基板保持部11は、保持板と、保持板に取り付けられて回路基板100の端部を挟み込んで固定するクランプ機構(いずれも図示せず)とを備えて、回路基板100を保持可能に構成されている。プローブユニット12は、複数のプローブピン21を備えて治具型に構成されている。この場合、プローブユニット12は、回路基板100の各導体パターンPの形状や配設位置などに応じて、プローブピン21の数や配列パターンが規定されている。移動機構13は、制御部18の制御に従い、プローブユニット12を上下方向に移動させることによってプロービングを実行する。
検査用信号出力部14は、制御部18の制御に従い、例えば、電圧値(信号レベル)が100V程度に規定された検査用信号としての第1直流電圧信号S1、および電圧値が200V程度に規定された検査用信号としての第2直流電圧信号S2を出力する。スキャナ部15は、複数のスイッチ(図示せず)を備えて構成され、制御部18の制御に従って各スイッチをオン状態またはオフ状態に移行させることにより、プローブユニット12におけるプローブピン21と検査用信号出力部14との接断(接続および切断)、およびプローブピン21と測定部16との接断を行う(以下、これらの処理を「接断処理」ともいう)。測定部16は、第1直流電圧信号S1または第2直流電圧信号S2が供給されたときにプローブピン21,21の間(導体パターンP間)に流れる(生じる)電流を測定する測定処理を実行する。
記憶部17は、制御部18によって実行される後述する第1絶縁検査および第2絶縁検査において用いられる導体パターンデータDを記憶する。この場合、導体パターンデータDは、一例として、回路基板100の各導体パターンPに対してユニークに(重複することなく)1番から8番までの番号を付したときに、その1番から8番までの番号や、導体パターンPの番号と検査時(プロービング時)において各導体パターンPに接触するプローブピン21の番号とを関連付けた情報を含んで構成されている。また、導体パターンデータDには、各導体パターンPが、電源供給やグランド電位などとして用いられる導体パターンPとして予め指定されたもの(例えば、図2に示す導体パターンP3,P4であって、以下「指定導体パターンP」ともいう)であるか、指定導体パターンP以外の導体パターンP(以下、指定導体パターンP以外の導体パターンPを「通常の導体パターンP」ともいう)であるかを識別する情報が含まれている。
制御部18は、図外の操作部から出力される操作信号に従って回路基板検査装置1を構成する各構成要素を制御する。具体的には、制御部18は、移動機構13によるプローブユニット12の移動を制御する。また、制御部18は、検査用信号出力部14による第1直流電圧信号S1および第2直流電圧信号S2の出力を制御する。
また、制御部18は、回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を後述する第1検査条件で検査する第1絶縁検査を複数回実行する。また、制御部18は、各導体パターンPの中に、指定導体パターンPが存在するときには、各導体パターンPの間の絶縁状態を第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を第1絶縁検査に加えて実行する。なお、この発明において「高い検査基準の第2検査条件」とは、第1検査条件(通常検査条件)での第1絶縁検査(通常検査)では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良について検出可能性を第1絶縁検査よりも高められる程度に規定した検査基準の検査条件を意味する。具体的には、検査時において各導体パターンに供給する検査用信号の電圧値を高めたり供給時間(検査時間)を長くするなどの物理量を測定する測定条件自体を高い基準に規定することと、測定条件自体は通常検査と同等に行い物理量についての測定結果に対する下限値などの基準値(しきい値)の検査基準を高めて規定することとの両者が含まれる。言い替えると、この発明における第2検査条件は、第1検査条件よりも厳しい検査条件を意味する。
また、制御部18は、第1絶縁検査および第2絶縁検査において、スキャナ部15による接断処理を制御することによって回路基板100の導体パターンPに対して第1直流電圧信号S1または第2直流電圧信号S2を供給させる供給処理を実行する。この場合、制御部18は、第1絶縁検査において、各導体パターンPのうちの1つを第1検査対象として設定すると共に、第1検査対象の導体パターンPを除く他の導体パターンPのうちの一部または全部を第2検査対象として設定し、第2検査対象の導体パターンPを同電位としつつ第1検査対象の導体パターンPと第2検査対象の導体パターンPとの間に第1直流電圧信号S1を供給させる。
また、制御部18は、第1検査対象および第2検査対象として設定する導体パターンPの組み合わせを後述する手順に従って各第1絶縁検査毎に変更する。さらに、制御部18は、第2絶縁検査において、1つの指定導体パターンPを除く他の導体パターンPを同電位としつつ他の導体パターンPと指定導体パターンPとの間に第2直流電圧信号S2を供給させる。
次に、回路基板検査装置1を用いて回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を検査する回路基板検査方法、およびその際の回路基板検査装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、回路基板100は、図2に示すように、6個の通常の導体パターンP(同図に示す導体パターンP1,P2,P5〜P8)と、2個の指定導体パターンP(同図に示す導体パターンP3,P4)とを有しているものとする。また、各導体パターンP1〜P8には、1番から8番の番号がユニークに付されているものとする。
また、この回路基板検査装置1では、第1絶縁検査を実行する際の第1検査条件として、第1直流電圧信号S1の電圧値が100Vに規定され、第1直流電圧信号S1の供給時間が1秒に規定され、第1直流電圧信号S1を供給したときに測定される物理量としての抵抗値の下限値(絶縁状態が良好であるとの判定がされる下限値)が100MΩに規定されているものとする。また、第2絶縁検査を実行する際の第2検査条件として、第2直流電圧信号S2の電圧値が200Vに規定され、第2直流電圧信号S2の供給時間が2秒に規定され、第2直流電圧信号S2を供給したときに測定される物理量としての抵抗値の下限値が500MΩに規定されているものとする。
まず、検査対象の回路基板100を基板保持部11における保持板(図示せず)に載置し、次いで、基板保持部11のクランプ機構(図示せず)で回路基板100の端部を挟み込んで固定することにより、回路基板100を基板保持部11に保持させる。続いて、図外の操作部を用いて検査開始操作を行う。この際に、制御部18が、操作部から出力された操作信号に従い、移動機構13を制御してプローブユニット12を下向きに移動させる。これにより、プローブユニット12の各プローブピン21の先端部が各導体パターンP1〜P8に接触(プロービング)させられる。
次いで、制御部18は、記憶部17から導体パターンデータDを読み出す。続いて、制御部18は、導体パターンデータDに基づいて、各導体パターンPの中に2つの指定導体パターンP3,P4が存在することを特定する。次いで、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して、電圧値が100Vの第1直流電圧信号S1の出力を開始させる。続いて、制御部18は、1回目の第1絶縁検査を実行する。この1回目の第1絶縁検査では、制御部18は、通常の導体パターンP1,P2,P5〜P8の中から1番の番号が付された導体パターンP1を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP1を第1検査対象として設定する。また、制御部18は、1番の番号が付された導体パターンP1を除く他の通常の導体パターンP2,P5〜P8、および指定導体パターンP3,P4を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP2〜P8を第2検査対象として設定する(図3における「1回目」の列参照)。
次いで、制御部18は、供給処理を実行する。この供給処理では、制御部18は、スキャナ部15を制御して、第1検査対象の導体パターンP1に接触しているプローブピン21と検査用信号出力部14とを接続する。また、制御部18は、スキャナ部15を制御して、第2検査対象の導体パターンP2〜P8に接触しているプローブピン21を基準電位(例えば、グランド電位:以下、「グランド電位」ともいう)に接続する。
これにより、第1検査対象の導体パターンP1と第2検査対象の導体パターンP2〜P8との間に各プローブピン21を介して第1直流電圧信号S1が供給(印加)される。この場合、第2検査対象の各導体パターンP2〜P8がプローブピン21を介してグランド電位に接続されているため、各導体パターンP2〜P8が同電位(この例では、グランド電位)に維持される。
続いて、制御部18は、測定部16に対して測定処理を実行させて、第1直流電圧信号S1の供給に伴って第1検査対象の導体パターンP1と第2検査対象の導体パターンP2〜P8との間に流れる電流を測定させる。次いで、制御部18は、第1直流電圧信号S1を1秒間供給させた時点において、測定部16によって測定された電流の測定値および第1直流電圧信号S1の電圧値に基づいて抵抗値を算出し、その抵抗値と抵抗値の下限値(100MΩ)とを比較して導体パターンP1と第2検査対象の導体パターンP2〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。この場合、制御部18は、算出(測定)した抵抗値が下限値以上のときには、絶縁状態が良好と判定し、下限値よりも小さいときには、絶縁状態が不良と判定する。
続いて、制御部18は、2回目の第1絶縁検査を実行する。この2回目の第1絶縁検査では、制御部18は、直前(この例では、1回目)の第1絶縁検査において第1検査対象として設定した導体パターンP1を第1検査対象および第2検査対象から除外する。また、制御部18は、直前の第1絶縁検査において第2検査対象として設定した通常の導体パターンP(導体パターンP2,P5〜P8)のうちの1つとして、これらの通常の導体パターンPの中で最も小さい2番の番号が付された導体パターンP2を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP2を第2検査対象から除外して第1検査対象として設定する。つまり、制御部18は、2回目の第1絶縁検査において、通常の導体パターンP2を第1検査対象として設定し、通常の導体パターンP5〜P8および指定導体パターンP3,P4を第2検査対象として設定する(図3における「2回目」の列参照)。
次いで、制御部18は、供給処理を実行してスキャナ部15を制御し、第1検査対象の導体パターンP2に接触しているプローブピン21と検査用信号出力部14とを接続すると共に、第2検査対象の導体パターンP3〜P8に接触しているプローブピン21をグランド電位に接続する。
これにより、第2検査対象の導体パターンP3〜P8が同電位(この例では、グランド電位)に維持された状態で、第1検査対象の導体パターンP2と第2検査対象の導体パターンP3〜P8との間に第1直流電圧信号S1が供給される。続いて、制御部18は、測定部16によって測定された電流の測定値に基づいて第1検査対象の導体パターンP2と第2検査対象の導体パターンP3〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。
次いで、制御部18は、3回目の第1絶縁検査を実行する。この3回目の第1絶縁検査では、制御部18は、上記した2回目の第1絶縁検査と同様にして、直前(この例では、2回目)の第1絶縁検査において第1検査対象として設定した導体パターンP2を第1検査対象および第2検査対象から除外する。また、制御部18は、直前の第1絶縁検査において第2検査対象として設定した通常の導体パターンP(導体パターンP5〜P8)のうちの1つとして、これらの通常の導体パターンPの中で最も小さい5番の番号が付された導体パターンP5を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP5を第2検査対象から除外して第1検査対象として設定する。つまり、制御部18は、3回目の第1絶縁検査において、通常の導体パターンP5を第1検査対象として設定し、通常の導体パターンP6〜P8および指定導体パターンP3,P4を第2検査対象として設定する(図3における「3回目」の列参照)。続いて、制御部18は、供給処理を実行し、次いで、測定部16によって測定された電流の測定値に基づいて第1検査対象の導体パターンP5と第2検査対象の導体パターンP3,P4,P6〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。
以後、制御部18は、通常の導体パターンPの数(この例では、導体パターンP1,P2,P5〜P8の6個)と同じ回数(この例では、6回)となるまで第1絶縁検査を実行し、各第1絶縁検査において、直前の第1絶縁検査において第1検査対象として設定した通常の導体パターンPを第1検査対象および第2検査対象から除外すると共に、直前の第1絶縁検査において第2検査対象として設定した通常の導体パターンPのうちの1つとして、これらの通常の導体パターンPの中で最も小さい番号が付された導体パターンPを第2検査対象から除外して第1検査対象として設定する。この場合、全ての第1絶縁検査において、指定導体パターンP3,P4を第2検査対象として設定する(図3における「4回目」〜「6回目」の列参照)。また、制御部18は、各第1絶縁検査において、供給処理を実行して、第1検査対象の導体パターンPと第2検査対象の導体パターンPとの間の絶縁状態の良否を検査する。
続いて、制御部18は、6回目までの第1絶縁検査を終了したときには、1回目の第2絶縁検査を実行する。この1回目の第2絶縁検査では、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して、電圧値が200Vの第2直流電圧信号S2の出力を開始させる。次いで、制御部18は、指定導体パターンP3,P4の中の1つとして指定導体パターンP3を導体パターンデータDに基づいて特定すると共に、その指定導体パターンP3を除く他の導体パターンP1,P2,P4〜P8を導体パターンデータDに基づいて特定して同電位に維持する対象として設定する(図4における「1回目」の列参照)。
続いて、制御部18は、供給処理を実行してスキャナ部15を制御し、指定導体パターンP3に接触しているプローブピン21と検査用信号出力部14とを接続すると共に、導体パターンP1,P2,P4〜P8に接触しているプローブピン21をグランド電位に接続する。これにより、1つの指定導体パターンP3とその指定導体パターンP3を除く他の導体パターンP1,P2,P4〜P8との間に各プローブピン21を介して第2直流電圧信号S2が供給(印加)される。この場合、導体パターンP1,P2,P4〜P8がプローブピン21を介してグランド電位に接続されているため、導体パターンP1,P2,P4〜P8が同電位(この例では、グランド電位)に維持される。
次いで、制御部18は、測定部16に対して測定処理を実行させて、第2直流電圧信号S2の供給に伴って導体パターンP3と導体パターンP1,P2,P4〜P8との間に流れる電流を測定させる。続いて、制御部18は、第2直流電圧信号S2を2秒間供給させた時点において、測定部16によって測定された電流の測定値および第2直流電圧信号S2の電圧値に基づいて抵抗値を算出し、その抵抗値と抵抗値の下限値(500MΩ)とを比較して導体パターンP3と導体パターンP1,P2,P4〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。この場合、制御部18は、算出(測定)した抵抗値が下限値以上のときには、絶縁状態が良好と判定し、下限値よりも小さいときには、絶縁状態が不良と判定する。
上記したように、この第2絶縁検査では、第1絶縁検査において用いられる第1直流電圧信号S1の電圧値(100V)よりも高い電圧値(200V)の第2直流電圧信号S2を、第1絶縁検査における供給時間(1秒)よりも長い供給時間(2秒)だけ供給し、第2直流電圧信号S2の供給によって測定される物理量としての抵抗値を、第1絶縁検査における下限値(100MΩ)よりも高い下限値(500MΩ)と比較する。つまり、第1絶縁検査における第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で第2絶縁検査が実行される。このため、この回路基板検査装置1では、第1検査条件での第1絶縁検査では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良が指定導体パターンPに存在しているとしても、その絶縁不良を確実に検出することが可能となっている。
次いで、制御部18は、2回目の第2絶縁検査を実行する。この2回目の第2絶縁検査では、制御部18は、指定導体パターンP3,P4の中の1つとして、1回目の第2絶縁検査とは異なる1つの指定導体パターンP4を導体パターンデータDに基づいて特定すると共に、その指定導体パターンP4を除く他の導体パターンP1〜P3,P5〜P8を導体パターンデータDに基づいて特定して同電位に維持する対象として設定する(図4における「2回目」の列参照)。
続いて、制御部18は、供給処理を実行し、次いで、測定部16によって測定された電流の測定値に基づいて指定導体パターンP4と導体パターンP1〜P3,P5〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。以上により、回路基板100の各導体パターンPに対する第1絶縁検査および第2絶縁検査が終了する。続いて、制御部18、第1絶縁検査および第2絶縁検査の結果を図外の表示部に表示させる。
このように、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、指定導体パターンPが存在するときには、1つの指定導体パターンPを除く他の導体パターンPを同電位としつつ他の導体パターンPと指定導体パターンPとの間に検査用信号を供給させて各導体パターンPの間の絶縁状態を第1絶縁検査における第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行することにより、第1検査条件での第1絶縁検査では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良が指定導体パターンPに存在しているとしても、その絶縁不良を確実に検出することができる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、絶縁不良の見逃しを十分に少なく抑えることができる結果、絶縁検査の検査精度を向上させることができる。
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、第2直流電圧信号S2の電圧値を第1直流電圧信号S1の電圧値よりも高く規定し、第2直流電圧信号S2の供給時間を第1直流電圧信号S1の供給時間よりも長く規定し、第2直流電圧信号S2を供給したときに測定される抵抗値の下限値を第1直流電圧信号S1を供給したときに測定される抵抗値よりも高く規定して第2検査条件とすることにより、物理量としての抵抗値に基づいて絶縁状態の良否を判定する第2絶縁検査における第2検査条件を確実かつ容易に第1検査条件よりも高い検査基準とすることができる。
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、指定導体パターンPが存在するときに、複数回実行する第1絶縁検査の全てにおいて指定導体パターンPを第2検査対象として設定することにより、第1絶縁検査において指定導体パターンPと通常の導体パターンPとの間の絶縁状態を複数回検査することができるため、絶縁不良の見逃しを一層少なく抑えることができる結果、絶縁検査の検査精度をさらに向上させることができる。
次に、回路基板検査装置の他の一例としての回路基板検査装置1A、および回路基板検査方法の他の一例について説明する。なお、上記した回路基板検査装置1と同じ構成要素については、同じ符号を付して重複する説明を省略すると共に、回路基板検査方法と同じ内容についても、重複する説明を省略する。図1に示す回路基板検査装置1Aは、基板保持部11、プローブユニット12、移動機構13、検査用信号出力部14A、スキャナ部15、測定部16、記憶部17および制御部18Aを備えて、例えば、図2に示す回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を検査する絶縁検査を後述する回路基板検査方法に従って実行可能に構成されている。
検査用信号出力部14Aは、制御部18Aの制御に従い、電圧値が100V程度に規定された検査用信号としての第3直流電圧信号S3、および電圧値が200V程度に規定された検査用信号としての第4直流電圧信号S4を出力する。
制御部18Aは、回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を後述する第3検査条件または第4検査条件で検査する第3絶縁検査を複数回実行する。また、制御部18Aは、第3絶縁検査において、スキャナ部15による接断処理を制御することによって回路基板100の導体パターンPに対して第3直流電圧信号S3または第4直流電圧信号S4を供給させる供給処理を実行する。この場合、制御部18Aは、第3絶縁検査において、各導体パターンPのうちの1つを第3検査対象として設定すると共に、第3検査対象の導体パターンPを除く他の導体パターンPのうちの一部または全部を第4検査対象として設定し、第4検査対象の導体パターンPを同電位としつつ第3検査対象の導体パターンPと第4検査対象の導体パターンPとの間に第3直流電圧信号S3または第4直流電圧信号S4を供給させる。また、制御部18Aは、第3検査対象および第4検査対象として設定する導体パターンPの組み合わせを後述する手順に従って各第3絶縁検査毎に変更する。
さらに、制御部18Aは、各導体パターンPの中に指定導体パターンPが存在する際には、指定導体パターンPを除く他の導体パターンを第3検査対象として設定したときに第3検査条件で第3絶縁検査を実行し、指定導体パターンPを第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で第3絶縁検査を実行する。
次に、回路基板検査装置1Aを用いて図2に示す回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を検査する回路基板検査方法、およびその際の回路基板検査装置1Aの動作について、図面を参照して説明する。
なお、この回路基板検査装置1Aでは、第3検査条件として、第3直流電圧信号S3の電圧値が100Vに規定され、第3直流電圧信号S3の供給時間が1秒に規定され、第3直流電圧信号S3を供給したときに測定される物理量としての抵抗値の下限値が100MΩに規定されているものとする。また、第4検査条件として、第4直流電圧信号S4の電圧値が200Vに規定され、第4直流電圧信号S4の供給時間が2秒に規定され、第4直流電圧信号S4を供給したときに測定される物理量としての抵抗値の下限値が500MΩに規定されているものとする。
まず、検査対象の回路基板100を基板保持部11に保持させ、次いで、検査開始操作を行う。この際に、制御部18Aが、移動機構13を制御してプローブユニット12を移動させることにより、プローブユニット12の各プローブピン21の先端部が各導体パターンP1〜P8に接触させられる。
続いて、制御部18Aは、記憶部17から導体パターンデータDを読み出し、次いで、1回目の第3絶縁検査を実行する。この1回目の第3絶縁検査では、制御部18Aは、各導体パターンPの中から1番の番号が付された導体パターンP1を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP1を第3検査対象として設定する。また、制御部18Aは、導体パターンP1を除く他の導体パターンP2〜P8を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP2〜P8を第4検査対象として設定する(図5における「1回目」の列参照)。
続いて、制御部18Aは、第3検査対象として設定した導体パターンP1が指定導体パターンPであるか通常の導体パターンPであるかを導体パターンデータDに基づいて特定する。この場合、導体パターンP1が通常の導体パターンPであるため、制御部18Aは、第3検査条件で1回目の第3絶縁検査を実行する。この場合、制御部18Aは、検査用信号出力部14Aを制御して、電圧値が100Vの第3直流電圧信号S3の出力を開始させ、次いで、供給処理を実行する。
この供給処理では、制御部18Aは、スキャナ部15を制御して、第3検査対象の導体パターンP1に接触しているプローブピン21と検査用信号出力部14Aとを接続する。また、制御部18Aは、スキャナ部15を制御して、第4検査対象の導体パターンP2〜P8に接触しているプローブピン21を基準電位(例えば、グランド電位:以下、「グランド電位」ともいう)に接続する。
これにより、第4検査対象の各導体パターンP2〜P8がグランド電位に接続されて同電位(この例では、グランド電位)に維持された状態で、第3検査対象の導体パターンP1と第4検査対象の導体パターンP2〜P8との間に第3直流電圧信号S3が供給される。
続いて、制御部18Aは、測定部16に対して測定処理を実行させて、第3直流電圧信号S3の供給に伴って第3検査対象の導体パターンP1と第4検査対象の導体パターンP2〜P8との間に流れる電流を測定させる。次いで、制御部18Aは、第3直流電圧信号S3を1秒間供給させた時点において、測定部16によって測定された電流の測定値および第3直流電圧信号S3の電圧値に基づいて抵抗値を算出し、その抵抗値と抵抗値の下限値(100MΩ)とを比較して導体パターンP1と第4検査対象の導体パターンP2〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。この場合、制御部18Aは、算出(測定)した抵抗値が下限値以上のときには、絶縁状態が良好と判定し、下限値よりも小さいときには、絶縁状態が不良と判定する。
続いて、制御部18Aは、2回目の第3絶縁検査を実行する。この2回目の第3絶縁検査では、制御部18Aは、直前(この例では、1回目)の第3絶縁検査において第3検査対象として設定した導体パターンP1を第3検査対象および第4検査対象から除外する。また、制御部18Aは、直前の第3絶縁検査において第4検査対象として設定した導体パターンP2〜P8)のうちの1つとして、これらの導体パターンPの中で最も小さい2番の番号が付された導体パターンP2を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP2を第4検査対象から除外して第3検査対象として設定する。つまり、制御部18Aは、2回目の第3絶縁検査において、導体パターンP2を第3検査対象として設定し、導体パターンP3〜P8を第4検査対象として設定する(図5における「2回目」の列参照)。
次いで、制御部18Aは、第3検査対象として設定した導体パターンP2が指定導体パターンPであるか通常の導体パターンPであるかを特定する。この場合、導体パターンP2が通常の導体パターンPの導体パターンPであるため(図5参照)、制御部18Aは、1回目と同じ第3検査条件で2回目の第3絶縁検査を実行する。この際に、制御部18Aは、検査用信号出力部14Aに対して、電圧値が100Vの第3直流電圧信号S3の出力を維持させて、供給処理を実行してスキャナ部15を制御し、第3検査対象の導体パターンP2に接触しているプローブピン21と検査用信号出力部14Aとを接続すると共に、第4検査対象の導体パターンP3〜P8に接触しているプローブピン21をグランド電位に接続する。
これにより、第4検査対象の導体パターンP3〜P8が同電位(この例では、グランド電位)に維持された状態で、第3検査対象の導体パターンP2と第4検査対象の導体パターンP3〜P8との間に第3直流電圧信号S3が供給される。続いて、制御部18Aは、測定部16によって測定された電流の測定値に基づいて第3検査対象の導体パターンP2と第4検査対象の導体パターンP3〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。
次いで、制御部18Aは、3回目の第3絶縁検査を実行する。この3回目の第3絶縁検査では、制御部18Aは、上記した2回目の第3絶縁検査と同様にして、直前(この例では、2回目)の第3絶縁検査において第3検査対象として設定した導体パターンP2を第3検査対象および第4検査対象から除外する。また、制御部18Aは、直前の第3絶縁検査において第4検査対象として設定した導体パターンP(導体パターンP3〜P8)のうちの1つとして、これらの導体パターンPの中で最も小さい3番の番号が付された導体パターンP3を導体パターンデータDに基づいて特定し、導体パターンP3を第4検査対象から除外して第3検査対象として設定する。つまり、制御部18Aは、3回目の第3絶縁検査において、導体パターンP3を第3検査対象として設定し、導体パターンP4〜P8を第4検査対象として設定する(図5における「3回目」の列参照)。
続いて、制御部18Aは、第3検査対象として設定した導体パターンP3が指定導体パターンPであるか通常の導体パターンPであるかを特定する。この場合、導体パターンP3が指定導体パターンPであるため(図5参照)、制御部18Aは、第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で3回目の第3絶縁検査を実行する。この場合、制御部18Aは、検査用信号出力部14Aを制御して、電圧値が200Vの第4直流電圧信号S4の出力を開始させ、次いで、供給処理を実行してスキャナ部15を制御し、第3検査対象の導体パターンP3に接触しているプローブピン21と検査用信号出力部14Aとを接続すると共に、第4検査対象の導体パターンP4〜P8に接触しているプローブピン21をグランド電位に接続する。
続いて、制御部18Aは、第4直流電圧信号S4を2秒間供給させた時点において、測定部16によって測定された電流の測定値および第4直流電圧信号S4の電圧値に基づいて抵抗値を算出し、その抵抗値と抵抗値の下限値(500MΩ)とを比較して第3検査対象の導体パターンP3と第4検査対象の導体パターンP4〜P8との間の絶縁状態の良否を検査する。
上記したように、この第3絶縁検査では、第3検査対象として設定した導体パターンPが指定導体パターンPのときには、第3検査条件として設定された第3直流電圧信号S3の電圧値(100V)よりも高い電圧値(200V)の第4直流電圧信号S4を、第3検査条件として設定された供給時間(1秒)よりも長い供給時間(2秒)だけ供給し、第4直流電圧信号S4の供給によって測定される物理量としての抵抗値を、第3検査条件として設定した下限値(100MΩ)よりも高い下限値(500MΩ)と比較する。つまり、第3検査対象として設定した導体パターンPが指定導体パターンPのときには、第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で第3絶縁検査が実行される。このため、この回路基板検査装置1Aでは、第3検査条件での第3絶縁検査では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良が指定導体パターンPに存在しているとしても、その絶縁不良を確実に検出することが可能となっている。
以後、制御部18Aは、導体パターンPの数(この例では8)よりも1だけ少ない回数(この例では、7回)となるまで第3絶縁検査を実行し、各第3絶縁検査において、直前の第3絶縁検査において第3検査対象として設定した通常の導体パターンPを第3検査対象および第4検査対象から除外すると共に、直前の第3絶縁検査において第4検査対象として設定した通常の導体パターンPのうちの1つとして、これらの通常の導体パターンPの中で最も小さい番号が付された導体パターンPを第4検査対象から除外して第3検査対象として設定する(図3における「4回目」〜「7回目」の列参照)。また、制御部18Aは、各第3絶縁検査において、供給処理を実行して、第3検査対象の導体パターンPと第4検査対象の導体パターンPとの間の絶縁状態の良否を検査する。この場合、制御部18Aは、第3検査対象の導体パターンPが通常の導体パターンPであるときには、第3検査条件で第3絶縁検査を実行し、第3検査対象の導体パターンPが指定導体パターンPであるときには、第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で第3絶縁検査を実行する。
このように、この回路基板検査装置1Aおよび回路基板検査方法によれば、指定導体パターンPが存在する際には、指定導体パターンPを除く他の導体パターンPを第3検査対象として設定したときに第3検査条件で第3絶縁検査を実行し、指定導体パターンPを第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で第3絶縁検査を実行することにより、第3検査条件での第3絶縁検査では見逃されるおそれのある潜在的な絶縁不良が指定導体パターンPに存在しているとしても、その絶縁不良を確実に検出することができる。したがって、この回路基板検査装置1Aおよび回路基板検査方法によれば、絶縁不良の見逃しを十分に少なく抑えることができる結果、絶縁検査の検査精度を向上させることができる。
また、この回路基板検査装置1Aおよび回路基板検査方法によれば、第4直流電圧信号S4の電圧値を第3直流電圧信号S3の電圧値よりも高く規定し、第4直流電圧信号S4の供給時間を第3直流電圧信号S3の供給時間よりも長く規定し、第4直流電圧信号S4を供給したときに測定される抵抗値の下限値を第3直流電圧信号S3を供給したときに測定される抵抗値よりも高く規定して第4検査条件とすることにより、物理量としての抵抗値に基づいて絶縁状態の良否を判定する第3絶縁検査における第4検査条件を確実かつ容易に第3検査条件よりも高い検査基準とすることができる。
なお、上記した回路基板検査装置1の機能と、回路基板検査装置1Aの機能の双方を有する回路基板検査装置を採用することもできる。具体的には、例えば、第1絶縁検査および第2絶縁検査の実行による回路基板100の検査と、第3絶縁検査の実行による回路基板100の検査とを操作部による選択操作などによって選択可能とする構成を採用することができる。
また、第1絶縁検査において、第1検査対象の導体パターンPを検査用信号出力部14に接続すると共に、第2検査対象の導体パターンPをグランド電位に接続する例について上記したが、これとは逆に、第1検査対象の導体パターンPを基準電位としてのグランド電位に接続すると共に、第2検査対象の導体パターンPを検査用信号出力部14に接続する構成および方法を採用することもできる。同様に、第2絶縁検査において、指定導体パターンPを検査用信号出力部14に接続すると共に、指定導体パターンPを除く他の導体パターンPをグランド電位に接続する構成および方法に代えて、指定導体パターンPを基準電位としてのグランド電位に接続に接続すると共に、指定導体パターンPを除く他の導体パターンPを検査用信号出力部14に接続する構成および方法を採用することもできる。また、第3検査対象の導体パターンPを検査用信号出力部14に接続すると共に、第4検査対象の導体パターンPをグランド電位に接続する構成および方法に代えて、第3検査対象の導体パターンPを基準電位としてのグランド電位に接続すると共に、第4検査対象の導体パターンPを検査用信号出力部14に接続する構成および方法を採用することもできる。
また、第1絶縁検査を実行した後に第2絶縁検査を実行する構成および方法に代えて、第2絶縁検査を実行した後に第1絶縁検査を実行する構成および方法を採用することもできる。さらに、8個の導体パターンPを有する回路基板100における各導体パターンPの間の絶縁状態を検査する例について上記したが、3個以上の任意の数の導体パターンPを有する回路基板100を対象とした検査においても、上記した効果と同様の効果を実現することができる。また、上記した第1絶縁検査の実行前または実行後に各導体パターンPの導通検査(導体パターンPにおける切断の有無の検査)を実行する構成および方法を採用することもできる。
また、第2検査条件の電圧値を第1検査条件の電圧値よりも高く、第2検査条件の供給時間を第1検査条件の供給時間よりも長く、第2検査条件の下限値を第1検査条件の下限値よりも高くそれぞれ規定した(つまり、第2検査条件の電圧値、供給時間および下限値の全てについて第1検査条件よりも高い検査基準とした)構成および方法について上記したが、これらの1つまたは2つだけを第1検査条件よりも高い検査基準とする構成および方法を採用することもできる。また、検査基準としては、検査用信号の電圧値、検査用信号の供給時間、および測定した物理量の下限値に限らず、検査用信号を供給したときに導体パターンPの間に発生する放電の回数などの各種検査条件を採用することができる。
また、複数のプローブピン21を備えて治具型に構成されたプローブユニット12を用いる構成および方法について上記したが、複数のプローブをXY方向に移動させて任意の導体パターンPに接触(プロービング)させるフライングプローブタイプのプロービング機構を用いる構成および方法を採用することもできる。
1,1A 回路基板検査装置
14,14A 検査用信号出力部
15 スキャナ部
16 測定部
18,18A 制御部
100 回路基板
D 導体パターンデータ
P1〜P8 導体パターン
S1 第1直流電圧信号
S2 第2直流電圧信号
S3 第3直流電圧信号
S4 第4直流電圧信号

Claims (7)

  1. 複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第1検査対象として設定すると共に当該第1検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第2検査対象として設定し、前記第2検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第2検査対象の導体パターンと前記第1検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を第1検査条件で検査する第1絶縁検査を、前記第1検査対象および前記第2検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する際に、2回目以降の前記第1絶縁検査において、直前の前記第1絶縁検査で前記第1検査対象として設定した導体パターンを前記第1検査対象および前記第2検査対象から除外すると共に、直前の前記第1絶縁検査で前記第2検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第2検査対象から除外して前記第1検査対象として設定する検査部を備えた回路基板検査装置であって、
    前記検査部は、前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在するときには、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第1検査対象として設定して前記第1絶縁検査を複数回実行すると共に、1つの前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを同電位としつつ当該他の導体パターンと当該指定導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を前記第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行する回路基板検査装置。
  2. 前記第1検査条件として、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値が規定され、
    前記第2検査条件は、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値の少なくとも1つを含み、
    当該1つが前記信号レベルのときには、前記第2検査条件として前記第1検査条件の前記信号レベルよりも高く規定され、当該1つが前記供給時間のときには、前記第2検査条件として前記第1検査条件の前記供給時間信号よりも長く規定され、当該1つが前記下限値のときには、前記第2検査条件として前記第1検査条件の前記下限値よりも高く規定されている請求項1記載の回路基板検査装置。
  3. 前記検査部は、前記各導体パターンの中に前記指定導体パターンが存在するときに、前記複数回実行する第1絶縁検査の全てにおいて前記指定導体パターンを前記第2検査対象として設定する請求項1または2記載の回路基板検査装置。
  4. 複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第3検査対象として設定すると共に当該第3検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第4検査対象として設定し、前記第4検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第4検査対象の導体パターンと前記第3検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を検査する第3絶縁検査を、前記第3検査対象および前記第4検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する検査部を備えた回路基板検査装置であって、
    前記検査部は、1回目の前記第3絶縁検査において、前記第3検査対象として設定する前記導体パターンを除く他の全ての前記導体パターンを前記第4検査対象として設定し、
    2回目以降の前記第3絶縁検査において、直前の前記第3絶縁検査で前記第3検査対象として設定した導体パターンを前記第3検査対象および前記第4検査対象から除外し、かつ直前の前記第3絶縁検査で前記第4検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第4検査対象から除外して前記第3検査対象として設定すると共に、
    前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在する際には、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件で前記第3絶縁検査を実行し、前記指定導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で前記第3絶縁検査を実行する回路基板検査装置。
  5. 前記第3検査条件として、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値が規定され、
    前記第4検査条件は、前記検査用信号の信号レベル、当該検査用信号の供給時間、および当該検査用信号を供給したときに測定される物理量の下限値の少なくとも1つを含み、
    当該1つが前記信号レベルのときには、前記第4検査条件として前記第3検査条件の前記信号レベルよりも高く規定され、当該1つが前記供給時間のときには、前記第4検査条件として前記第3検査条件の前記供給時間信号よりも長く規定され、当該1つが前記下限値のときには、前記第4検査条件として前記第3検査条件の前記下限値よりも高く規定されている請求項4記載の回路基板検査装置。
  6. 複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第1検査対象として設定すると共に当該第1検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第2検査対象として設定し、前記第2検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第2検査対象の導体パターンと前記第1検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を第1検査条件で検査する第1絶縁検査を、前記第1検査対象および前記第2検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する際に、2回目以降の前記第1絶縁検査において、直前の前記第1絶縁検査で前記第1検査対象として設定した導体パターンを前記第1検査対象および前記第2検査対象から除外すると共に、直前の前記第1絶縁検査で前記第2検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第2検査対象から除外して前記第1検査対象として設定する回路基板検査方法であって、
    前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在するときには、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第1検査対象として設定して前記第1絶縁検査を複数回実行すると共に、1つの前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを同電位としつつ当該他の導体パターンと当該指定導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を前記第1検査条件よりも高い検査基準の第2検査条件で検査する第2絶縁検査を実行する回路基板検査方法。
  7. 複数の導体パターンを有する回路基板における当該各導体パターンのうちの1つを第3検査対象として設定すると共に当該第3検査対象の導体パターンを除く他の導体パターンのうちの一部または全部を第4検査対象として設定し、前記第4検査対象の導体パターンを同電位としつつ当該第4検査対象の導体パターンと前記第3検査対象の導体パターンとの間に検査用信号を供給させて当該各導体パターンの間の絶縁状態を検査する第3絶縁検査を、前記第3検査対象および前記第4検査対象として設定する導体パターンの組み合わせを変更しつつ複数回実行する回路基板検査方法であって、
    1回目の前記第3絶縁検査において、前記第3検査対象として設定する前記導体パターンを除く他の全ての前記導体パターンを前記第4検査対象として設定し、
    2回目以降の前記第3絶縁検査において、直前の前記第3絶縁検査で前記第3検査対象として設定した導体パターンを前記第3検査対象および前記第4検査対象から除外し、かつ直前の前記第3絶縁検査で前記第4検査対象として設定した各導体パターンのうちの1つの導体パターンを前記第4検査対象から除外して前記第3検査対象として設定すると共に、
    前記各導体パターンの中に予め指定された指定導体パターンが存在する際には、前記指定導体パターンを除く他の前記導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件で前記第3絶縁検査を実行し、前記指定導体パターンを前記第3検査対象として設定したときに第3検査条件よりも高い検査基準の第4検査条件で前記第3絶縁検査を実行する回路基板検査方法。
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