JP2012013426A - 形状測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三次元測定機1は、測定子を有するプローブ21と、プローブ21を移動させる移動機構22と、ホストコンピュータ5とを備える。ホストコンピュータ5は、測定子の移動量を取得する移動量取得部52と、測定子を非接触とした状態における基準位置からの測定子の移動量を偏差として取得する偏差取得部54と、偏差取得部54にて取得される偏差が第1の閾値より大きいか否かを判定する判定部55と、判定部55にて偏差が第1の閾値より大きいと判定されると、基準位置と、偏差とを合成した位置に基準位置を更新する更新部56とを備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載の三次元測定機(形状測定装置)は、プローブと、移動機構と、制御装置とを備えている。
このような形状測定装置では、測定子を非接触とした状態における測定子の位置を基準位置とし、測定子を被測定物に接触させたときの基準位置からの測定子の移動量を取得している。そして、測定子の移動量を一定とするように、プローブを被測定物に押し込んだ状態で被測定物の表面に倣ってプローブを移動させることによって被測定物を測定している。
したがって、測定子の位置を適切に制御することができ、測定子が非接触か否かを適切に判断することができる。
また、補正関数は、基準位置の初期値からの測定子の移動量に基づいて決定されている。したがって、基準位置の更新後に移動量取得部にて取得される測定子の移動量を、補正関数を用いて補正することで測定値を算出すると、適切な測定値を算出することができないという問題がある。
本発明によれば、移動指令部は、基準位置からの測定子の移動量に基づいて位置指令値を出力し、測定値算出部は、基準位置の初期値からの測定子の移動量に基づいて測定値を算出するので、基準位置の更新後であっても測定子の位置を適切に制御することができるとともに、適切な測定値を算出することができる。
本発明によれば、更新部は、判定部にて偏差が第2の閾値より大きいと判定されると、基準位置の初期値、及び補正関数を更新するので、形状測定装置を使用する環境の温度変化や、形状測定装置の経時変化などの影響が非常に大きい場合には、基準位置の初期値、及び補正関数を更新することができる。
本発明によれば、制御装置は、逆補正部と、再補正部とを備えるので、更新後における基準位置の初期値からの測定子の移動量を再測定することなく、適切な測定値を算出することができる。
〔三次元測定機の概略構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る三次元測定機1の概略構成を示すブロック図である。
形状測定装置としての三次元測定機1は、図1に示すように、三次元測定機本体2と、三次元測定機本体2の駆動制御を実行するモーションコントローラ3と、操作レバー等を介してモーションコントローラ3に指令を与え、三次元測定機本体2を手動で操作するための操作手段4と、モーションコントローラ3に所定の指令を与えるとともに、演算処理を実行するホストコンピュータ5とを備える。
三次元測定機本体2は、図2に示すように、被測定物Wを測定するための測定子211Aを有するプローブ21と、プローブ21を移動させる移動機構22と、移動機構22が立設される定盤23とを備える。なお、定盤23には、三次元測定機本体2のキャリブレーションをするための半径既知の基準球231が設置され、この基準球231は、定盤23上の複数位置に設置することができる。
移動機構22は、プローブ21を保持するとともに、プローブ21の移動を可能とするスライド機構24と、スライド機構24を駆動することでプローブ21を駆動する駆動機構25とを備える。
支持機構212は、スタイラス211をX,Y,Z軸の各軸方向に付勢することで所定位置に位置決めするように支持するとともに、外力が加わった場合、例えば測定子211Aが被測定物Wに当接した場合には、スタイラス211を一定の範囲内でX,Y,Z軸の各軸方向に移動可能としている。すなわち、支持機構212は、測定子211Aを一定の範囲内で移動可能としている。
この支持機構212は、図1に示すように、測定子211Aの各軸方向の位置を検出するためのX軸プローブセンサ213X、Y軸プローブセンサ213Y、及びZ軸プローブセンサ213Zを備える。なお、各プローブセンサ213は、測定子211Aの各軸方向の移動量に応じたパルス信号を出力する位置センサである。
カウンタ部32は、各スケールセンサ252から出力されるパルス信号をカウントしてスライド機構24の移動量を計測するスケールカウンタ321と、各プローブセンサ213から出力されるパルス信号をカウントして測定子211Aの移動量を計測するプローブカウンタ322とを備える。そして、スケールカウンタ321、及びプローブカウンタ322にて計測されたスライド機構24の移動量、及び測定子211Aの移動量は、ホストコンピュータ5に出力される。
ここで、基準位置の初期値は、例えば、三次元測定機1の電源を投入した後、図2に示すように、プローブ21を所定の領域Rに移動させて測定子211Aを非接触とした状態に設定され、記憶部59に記憶される。なお、所定の領域Rの位置は、記憶部59に予め記憶されている。
ここで、補正関数は、測定子211Aを基準球231に接触させることで基準球231における表面上の複数の点を測定し、各点を基準球231における既知の表面上に位置させるように、最小自乗法を用いて決定され、記憶部59に記憶されている。なお、以下の説明では、基準位置の初期値を設定し、補正関数を決定することをキャリブレーションというものとする。
判定部55は、偏差取得部54にて取得される偏差が第1の閾値、及び第2の閾値より大きいか否かを判定する。なお、各閾値は、記憶部59に記憶されている。
なお、更新後における基準位置は、基準位置の初期値とは別に記憶部59に記憶される。したがって、記憶部59には、キャリブレーションを実行することで設定される基準位置の初期値と、更新後における基準位置とが記憶される。
そして、移動指令部51は、更新後における基準位置からの測定子211Aの移動量に基づいて位置指令値を出力し、測定値算出部53は、基準位置の初期値からの測定子211Aの移動量に基づいて測定値を算出する。
逆補正部57は、更新部56にて補正関数が更新されると、更新前に測定値算出部53にて補正された測定子211Aの移動量を、更新前における補正関数の逆関数を用いて補正前の状態とする。
再補正部58は、逆補正部57にて補正前の状態とされた測定子211Aの移動量と、偏差取得部54にて取得される偏差とを合成し、再度、更新後における補正関数を用いて補正することで測定値を算出する。
次に、基準位置の更新処理について説明する。
図3は、基準位置の更新処理のフローチャートを示す図である。
ホストコンピュータ5は、記憶部59に記憶された基準位置更新プログラムが実行されると、以下のステップS1〜S5を実行する。
偏差取得ステップS1にて偏差が取得されると、判定部55は、偏差が第1の閾値より大きいか否かを判定する(S21:第1判定ステップ)。
第1判定ステップS21にて偏差が第1の閾値より大きいと判定されると、判定部55は、偏差が第2の閾値より大きいか否かを判定する(S22:第2判定ステップ)。なお、第1判定ステップS21にて偏差が第1の閾値以下と判定されると、ホストコンピュータ5は、偏差取得ステップS1を再実行する。
これに対して、第2判定ステップS22にて偏差が第2の閾値より大きいと判定されると、更新部56は、キャリブレーションを実行する(S32:キャリブレーション実行ステップ)。
逆補正ステップS4にて測定子211Aの移動量が補正前の状態とされると、再補正部58は、補正前の状態とされた測定子211Aの移動量と、偏差取得部54にて取得される偏差とを合成し、再度、更新後における補正関数を用いて補正することで測定値を算出する(S5:再補正ステップ)。
以上のステップS1〜S5を実行することで、ホストコンピュータ5は、基準位置の更新処理を実行する。
(1)三次元測定機1は、偏差取得部54を備えるので、測定子211Aを非接触とした状態における基準位置からの測定子211Aの移動量を偏差として取得することができる。そして、更新部56は、判定部55にて偏差が第1の閾値より大きく第2の閾値以下と判定されると、基準位置と、偏差とを合成した位置に基準位置を更新するので、更新後に移動量取得部52にて取得される基準位置からの測定子の移動量は0になる。したがって、測定子211Aの位置を適切に制御することができ、測定子211Aが非接触か否かを適切に判断することができる。
(3)移動指令部51は、更新後における基準位置からの測定子211Aの移動量に基づいて位置指令値を出力し、測定値算出部53は、基準位置の初期値からの測定子211Aの移動量に基づいて測定値を算出するので、基準位置の更新後であっても測定子211Aの位置を適切に制御することができるとともに、適切な測定値を算出することができる。
(5)ホストコンピュータ5は、逆補正部57と、再補正部58とを備えるので、更新後における基準位置の初期値からの測定子211Aの移動量を再測定することなく、適切な測定値を算出することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、偏差取得部54は、所定の領域Rにプローブ21を定期的に移動させることで偏差を取得していたが、所定の領域R以外の領域で偏差を取得してもよい。また、偏差取得部は、任意のタイミングで偏差を取得してもよく、例えば、プローブの回転を行った後や、プローブの交換を行った後などに偏差を取得してもよい。
さらに、前記実施形態では、偏差取得部54は、測定子211Aを非接触とした状態における基準位置の初期値からの測定子211Aの移動量を偏差として取得していたが、更新後における基準位置からの測定子の移動量を偏差として取得してもよい。要するに、偏差取得部は、測定子を非接触とした状態における基準位置からの測定子の移動量を偏差として取得すればよい。
前記実施形態では、更新部56は、判定部55にて偏差が第2の閾値より大きいと判定されると、キャリブレーションを実行していたが、キャリブレーションを実行する機能を有していなくてもよい。
前記実施形態では、ホストコンピュータ5は、逆補正部57と、再補正部58とを備えていたが、これらの機能を備えていなくてもよい。
5…ホストコンピュータ(制御装置)
21…プローブ
22…移動機構
52…移動量取得部
53…測定値算出部
54…偏差取得部
55…判定部
56…更新部
57…逆補正部
58…再補正部
211A…測定子
Claims (5)
- 被測定物を測定するための測定子を有し、前記測定子を一定の範囲内で移動可能とするプローブと、前記プローブを移動させる移動機構と、前記移動機構を制御する制御装置とを備え、前記測定子を前記被測定物に接触させることで前記被測定物の形状を測定する形状測定装置であって、
前記制御装置は、
基準位置からの前記測定子の移動量を取得する移動量取得部と、
前記測定子を非接触とした状態における前記基準位置からの前記測定子の移動量を偏差として取得する偏差取得部と、
前記偏差取得部にて取得される偏差が第1の閾値より大きいか否かを判定する判定部と、
前記判定部にて前記偏差が前記第1の閾値より大きいと判定されると、前記基準位置と、前記偏差とを合成した位置に前記基準位置を更新する更新部とを備えることを特徴とする形状測定装置。 - 請求項1に記載の形状測定装置において、
前記偏差取得部は、
前記測定子が非接触となる位置に前記プローブを移動させることで前記偏差を取得することを特徴とする形状測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の形状測定装置において、
前記制御装置は、
前記プローブを移動させるための位置指令値を出力する移動指令部と、
前記移動量取得部にて取得される前記測定子の移動量を、補正関数を用いて補正することで測定値を算出する測定値算出部とを備え、
前記移動量取得部は、前記更新部にて前記基準位置が更新されると、前記基準位置の初期値からの前記測定子の移動量と、前記基準位置からの前記測定子の移動量とを取得し、
前記移動指令部は、前記基準位置からの前記測定子の移動量に基づいて前記位置指令値を出力し、
前記測定値算出部は、前記基準位置の初期値からの前記測定子の移動量に基づいて前記測定値を算出することを特徴とする形状測定装置。 - 請求項3に記載の形状測定装置において、
前記偏差取得部は、前記基準位置の初期値からの前記測定子の移動量を偏差として取得し、
前記判定部は、前記偏差取得部にて取得される偏差が第2の閾値より大きいか否かを判定し、
前記更新部は、前記判定部にて前記偏差が前記第2の閾値より大きいと判定されると、前記基準位置の初期値、及び前記補正関数を更新することを特徴とする形状測定装置。 - 請求項4に記載の形状測定装置において、
前記制御装置は、
前記更新部にて前記補正関数が更新されると、更新前に前記測定値算出部にて補正された前記測定子の移動量を、更新前における前記補正関数の逆関数を用いて補正前の状態とする逆補正部と、
前記逆補正部にて補正前の状態とされた前記測定子の移動量と、前記偏差とを合成し、再度、更新後における前記補正関数を用いて補正することで測定値を算出する再補正部とを備えることを特徴とする形状測定装置。
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