JP5261234B2 - 形状測定機、及び形状測定方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の輪郭形状測定機では、ワーク(被測定物)に触針(測定子)が当接する当接点(測定点)の位置を取得し、触針をワークの表面に倣って移動させることでワークの形状を測定している。
なお、本発明では、測定子を被測定物の表面に倣って移動させることで取得される仮測定点の位置に、領域設定部にて設定された領域を、範囲設定部にて全て削除することとなるような大きなノイズがある場合には、その仮測定点の位置を除去することで被測定物の形状を適切に測定することができる。
このような構成によれば、対象モデル配置部、及び前後モデル配置部は、記憶手段に記憶された姿勢情報に基づいて、測定子モデルを配置するので、測定子の被測定物に対する姿勢を変更することができる形状測定機であっても、被測定物の形状を適切に測定することができる。
このような構成によれば、前述した形状測定機と同様の作用効果を奏することができる。
〔三次元測定機の概略構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る三次元測定機1を示す全体模式図である。図2は、三次元測定機1の概略構成を示すブロック図である。なお、図1では、上方向を+Z軸方向とし、このZ軸に直交する2軸をそれぞれX軸、及びY軸として説明する。以下の図面においても同様である。
移動機構22は、プローブ21の基端側を保持するとともに、プローブ21のスライド移動を可能とするスライド機構24と、スライド機構24を駆動することでプローブ21を移動させる駆動機構25とを備える。
信号検出部32は、各センサから出力される信号を検出してプローブ21の向き、及びスライド機構24の移動量を検出する。そして、信号検出部32にて検出されたプローブ21の向き、及びスライド機構24の移動量は、ホストコンピュータ5に出力される。なお、スライド機構24の移動量は、プローブ21の向きが−Z軸方向である場合における測定子211の重心位置を示すように調整されている。
具体的に、ホストコンピュータ5は、ワーク10に測定子211が当接する点を測定点として測定点の位置を取得し、移動機構22にて測定子211をワーク10の表面に倣って移動させることでワーク10の形状を測定する。
記憶手段53は、仮測定点取得手段51にて取得された姿勢情報としてのプローブ21の向き、及びスライド機構24の移動量を記憶する。また、記憶手段53には、後述する形状測定処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
なお、測定子211の表面形状をモデル化した測定子モデルは、理論的なモデルであってもよく、定盤23に設置された基準球231(図1参照)を予め測定することで求めてもよい。
対象モデル配置部521は、図3に示すように、記憶手段53に記憶されたプローブ21の向きに基づいて、測定点の位置を推定する対象となる仮測定点MA1(図3中黒丸印)に対して、測定子モデル211Aの内部に測定子211と対応させて設定された所定の点、すなわち測定子モデル211Aの重心Gを一致させて測定子モデル211Aを配置する(以下、対象モデル配置部521にて配置された測定子モデル211Aを測定子モデル211A1とする)。これにより、測定子モデル211Aは、仮測定点取得手段51にて仮測定点MA1の位置を取得したときの測定子211の位置と略同一の位置に配置される。
なお、本実施形態では、測定子211、及び測定子モデル211Aは、楕円球状であるものとする。
領域設定部522は、図4に示すように、対象モデル配置部521にて配置された測定子モデル211A1におけるワーク10側の所定の領域を測定点の存在する領域R1とする。具体的に、領域設定部522は、仮測定点MA1の前後にある複数の仮測定点MA2,MA3(図4中二点鎖線丸印)を抽出する。なお、本実施形態では、仮測定点MA1の前にある仮測定点MA2、及び後にある仮測定点MA3を抽出する範囲は、仮測定点MA1からの距離が測定子211の長径の距離以下となる範囲とする。
前後モデル配置部523は、図5に示すように、記憶手段53に記憶されたプローブ21の向きに基づいて、対象となる仮測定点MA1の前後にある複数の仮測定点MA2,MA3に対して、測定子モデル211Aの内部に測定子211と対応させて設定された所定の点を一致させて測定子モデル211Aをそれぞれ配置する(以下、前後モデル配置部523にて配置された測定子モデル211Aを測定子モデル211A2とする)。なお、図5では、測定子モデル211A2を二点鎖線で示している。
範囲設定部524は、図6に示すように、領域設定部522にて設定された領域R1から前後モデル配置部523にて配置された測定子モデル211A2と重なり合う領域Rxを削除した領域を測定点の存在する範囲R2とする。
なお、図7に示すように、仮測定点取得手段51にて取得される仮測定点MA1〜MA3の位置に、領域設定部522にて設定された領域R1を、範囲設定部524にて全て削除することとなるような大きなノイズがある場合には、範囲設定部524は、その仮測定点MA1の位置を仮測定点取得手段51にて取得された時系列の仮測定点から除去する。
測定点取得部525は、図8に示すように、範囲設定部524にて設定された範囲R2の中央にある点を測定点Mと推定し、推定した測定点Mの位置を取得する。
図9は、三次元測定機1の形状測定処理を示すフローチャートである。
形状測定処理が実行されると、ホストコンピュータ5は、図9に示すように、以下のステップS1〜S25を実行する。
まず、仮測定点取得手段51は、測定子211の内部に設定された所定の点を仮測定点として仮測定点MA1〜MA3の位置を時系列で取得する(S1:仮測定点取得ステップ)。
仮測定点取得ステップS1にて仮測定点MA1〜MA3の位置が取得されると、測定点推定手段52は、仮測定点取得手段51にて取得された仮測定点MA1〜MA3の位置と、測定子211の表面形状をモデル化した測定子モデル211Aとに基づいて、測定点Mの位置を推定して取得する(S2:測定点推定ステップ)。
まず、対象モデル配置部521は、記憶手段53に記憶されたプローブ21の向きに基づいて、測定点の位置を推定する対象となる仮測定点MA1に対して、測定子モデル211A1を配置する(S21:対象モデル配置手順)。
対象モデル配置手順S21にて測定子モデル211A1が配置されると、領域設定部522は、測定子モデル211A1におけるワーク10側の所定の領域を測定点の存在する領域R1とする(S22:領域設定手順)。
前後モデル配置手順S23にて測定子モデル211A2が配置されると、範囲設定部524は、領域設定部522にて設定された領域R1から前後モデル配置部523にて配置された測定子モデル211A2と重なり合う領域Rxを削除した領域を測定点の存在する範囲R2とする(S24:範囲設定手順)。
三次元測定機1は、以上のようなステップS1〜S25を実行することで測定点Mの位置を取得し、移動機構22にて測定子211をワーク10の表面に倣って移動させることでワーク10の形状を測定する。
(1)三次元測定機1は、各仮測定点における法線の角度に応じた補正量で補正することで各仮測定点に対応する測定点の位置を取得していないので、測定子211をワーク10の表面に倣って移動させることで取得される仮測定点MA1の位置に、領域設定部522にて設定された領域R1を、範囲設定部524にて全て削除することとなるような大きなノイズがある場合には、その仮測定点MA1の位置を除去することができ、ワーク10の形状を適切に測定することができる。
(2)対象モデル配置部521、及び前後モデル配置部523は、記憶手段53に記憶されたプローブ21の向きに基づいて、測定子モデル211Aを配置するので、測定子211のワーク10に対する姿勢を変更することができる三次元測定機1であっても、ワーク10の形状を適切に測定することができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、仮測定点MA1〜MA3は、測定子211の重心とされていたが、測定子の内部に設定された所定の点であれば、他の点であってもよい。
前記実施形態では、領域設定部522は、仮測定点MA1の前にある仮測定点MA2、及び後にある仮測定点MA3を抽出する範囲を、仮測定点MA1からの距離が測定子211の長径の距離以下となる範囲としていたが、対象となる仮測定点の前後にある複数の仮測定点を抽出すれば、どのような範囲としてもよい。
前記実施形態では、形状測定機として三次元測定機1を例示したが、輪郭測定機や、真円度測定機などの他の形状測定機に本発明を適用してもよい。
5…ホストコンピュータ(制御装置)
10…ワーク(被測定物)
22…移動機構
51…仮測定点取得手段
52…測定点推定手段
53…記憶手段
211…測定子
211A,211A1,211A2…測定子モデル
521…対象モデル配置部
522…領域設定部
523…前後モデル配置部
524…範囲設定部
525…測定点取得部
M…測定点
MA1,MA2,MA3…仮測定点
S1…仮測定点取得ステップ
S2…測定点推定ステップ
S21…対象モデル配置手順
S22…領域設定手順
S23…前後モデル配置手順
S24…範囲設定手順
S25…測定点取得手順
Claims (3)
- 被測定物に当接する測定子と、前記測定子を移動させる移動機構と、前記移動機構を制御する制御装置とを備え、前記被測定物に前記測定子が当接する点を測定点として前記測定点の位置を取得し、前記移動機構にて前記測定子を前記被測定物の表面に倣って移動させることで前記被測定物の形状を測定する形状測定機であって、
前記制御装置は、
前記測定子の内部に設定された所定の点を仮測定点として前記仮測定点の位置を時系列で取得する仮測定点取得手段と、
前記仮測定点の位置と、前記測定子の表面形状をモデル化した測定子モデルとに基づいて、前記測定点の位置を推定して取得する測定点推定手段とを備え、
前記測定点推定手段は、
前記測定点の位置を推定する対象となる仮測定点に対して、前記測定子モデルの内部に前記測定子と対応させて設定された所定の点を一致させて前記測定子モデルを配置する対象モデル配置部と、
前記対象モデル配置部にて配置された前記測定子モデルにおける前記被測定物側の所定の領域を前記測定点の存在する領域とする領域設定部と、
前記対象となる仮測定点の前後にある複数の仮測定点に対して、前記測定子モデルの内部に前記測定子と対応させて設定された所定の点を一致させて前記測定子モデルをそれぞれ配置する前後モデル配置部と、
前記領域設定部にて設定された領域から前記前後モデル配置部にて配置された前記測定子モデルと重なり合う領域を削除した領域を前記測定点の存在する範囲とする範囲設定部と、
前記範囲設定部にて設定された範囲の中央にある点を前記測定点と推定し、推定した前記測定点の位置を取得する測定点取得部とを備えることを特徴とする形状測定機。 - 請求項1に記載の形状測定機において、
前記制御装置は、
前記測定子の前記被測定物に対する姿勢に関する姿勢情報を記憶する記憶手段を備え、
前記対象モデル配置部、及び前記前後モデル配置部は、前記記憶手段に記憶された前記姿勢情報に基づいて、前記測定子モデルを配置することを特徴とする形状測定機。 - 被測定物に当接する測定子と、前記測定子を移動させる移動機構と、前記移動機構を制御する制御装置とを備え、前記被測定物に前記測定子が当接する点を測定点として前記測定点の位置を取得し、前記移動機構にて前記測定子を前記被測定物の表面に倣って移動させることで前記被測定物の形状を測定する形状測定機の形状測定方法であって、
前記制御装置が、
前記測定子の内部に設定された所定の点を仮測定点として前記仮測定点の位置を時系列で取得する仮測定点取得ステップと、
前記仮測定点の位置と、前記測定子の表面形状をモデル化した測定子モデルとに基づいて、前記測定点の位置を推定して取得する測定点推定ステップとを実行し、
前記測定点推定ステップは、
前記測定点の位置を推定する対象となる仮測定点に対して、前記測定子モデルの内部に前記測定子と対応させて設定された所定の点を一致させて前記測定子モデルを配置する対象モデル配置手順と、
前記対象モデル配置手順にて配置された前記測定子モデルにおける前記被測定物側の所定の領域を前記測定点の存在する領域とする領域設定手順と、
前記対象となる仮測定点の前後にある複数の仮測定点に対して、前記測定子モデルの内部に前記測定子と対応させて設定された所定の点を一致させて前記測定子モデルをそれぞれ配置する前後モデル配置手順と、
前記領域設定手順にて設定された領域から前記前後モデル配置手順にて配置された前記測定子モデルと重なり合う領域を削除した領域を前記測定点の存在する範囲とする範囲設定手順と、
前記範囲設定手順にて設定された範囲の中央にある点を前記測定点と推定し、推定した前記測定点の位置を取得する測定点取得手順とを備えることを特徴とする形状測定方法。
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