JP2012012364A - 忌避効果を有する積層体及びそれを用いたカートン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、害虫忌避効果を有する積層体およびそれを用いたカートンにおいて害虫忌避効果の継続性があり、取り扱い時に人体への影響の少ないカートンを提供することにある。
【解決手段】表面から順に、樹脂フィルム/忌避剤層/印刷層/接着層/紙基材とからなり、表面の樹脂フィルムに忌避剤揮散孔となる微細孔を設け、印刷層に用いる印刷インキに忌避剤を含む、害虫忌避効果を有する積層体とそれを用いた害虫忌避効果を有するカートン。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品包装用のカートンに関し、特に害虫忌避効果を長期間持続させることの出来る積層体およびそれを用いたカートンに関する。
従来、チョコレート等の菓子類、米等の穀物類、あるいは、カレーやシチュー等の加工調味品等の食品は、紙やプラスチックフィルム等の包装箱や包装袋等で包装されて流通・販売されている。これらの食品の包装においては保存、流通、販売時等においてコクゾウ虫やノシメマダラメイガ等の害虫が包装箱や包装袋等を食い破ったり、隙間から内部に侵入する場合があり、これにより顧客に不衛生感や不快感を与えると共に商品価値を著しく損なうという問題があった。
包装された食品を害虫から守る手段としては、包装箱や包装袋等に防虫加工を施すことが考えられる。防虫加工の方法としては、害虫の侵入する隙間をなくしたり、包装材を食い破ったりすることを防止する方法と害虫の嫌いなにおいを放出して接近を防止する忌避剤を利用する方法がある。
たとえば、特許文献1に記載されている前者の方法の例としては、害虫が包装材を食い破ることが出来ないように最外層の基材フィルムと最内層のシーラント層との2層でなる食品用包装材料において、基材フィルムの表面にシリコーン樹脂層が施されている虫害防止機能を有する食品用包装材料が提案されている。
紙カートンのような包装材において、包装時の隙間を完全になくすことや、包装材の虫による開口を防止することは簡単には困難であるために、虫を近づけないという忌避剤を用いた方法が多く提案されている。
この害虫忌避剤としては防虫効果の高い農業用や家庭用殺虫剤に用いられるピレスロイド系等の化合物を挙げることができるが、これらの化合物は人体への危険性が危惧されるものであり、食品の包装箱等に用いることは不適切であると共に防虫効果の持続性において不満の残るものであった。
そこで近年、これに代わるものとして、β−カリオフィレンを含有したコパイバオイルを用いた害虫忌避剤が注目されている。たとえば、特許文献2には、油性のコパイバオイルをアクリル系樹脂からなる床用ワックスに添加して用いることにより、十分な忌避効果と光沢が得られるという結果が示されている。
特許文献2には、コパイバオイルおよびカリオフィレンを適当な担体に吸着、混合、含浸させて固形剤として用いることが提案されており、さらに、特許文献3には、コパイバオイルおよび/またはカリオフィレンを含む徐放性多孔質微粒子を包装材等の用途に用いることが提案されている。
上記のコパイバオイル等の害虫忌避剤を紙カートン等の食品用包装容器に適用した例として、たとえば、特許文献4においてはバリア性の不要な食品用包装容器にも容易に適用可能な食品用包装容器として、紙カップ本体等の外面に、苦味催吐剤が害虫忌避機能性塗膜として塗着されている害虫忌避機能を有する食品用包装容器が提案されている。
また、特許文献5には、経済性に優れた低価格の防虫カートンを提供することを目的として、紙箱に組み立てた際、害虫の侵入経路となりうる部分の表面にのみ、接触忌避タイ
プの薬剤を混ぜたオーバーコートニス層を形成させたカートンが提案されている。
忌避剤の長期間の効果持続を期待した方法としては、特許文献6においては、光沢性に優れ、作業性が低下する虞のない程度の滑り性を有すると共に優れた忌避効果が一定期間持続する積層体を提供する目的で、鏡面からなる連続のフェロ板と呼ばれる金属板面にて熱圧プレスを行うことにより透明樹脂からなる熱プレスコート層が形成され、そのことによって、高級感を有する艶出し面からなる紙製カートンが得られることが開示されている。
また、特許文献7には、マイクロカプセル等の複雑な手法の適用なしに衛生害虫忌避活性化合物の徐放性技術を適用した樹脂塗工積層体として、基材シート上に、活性エネルギー線硬化性組成物と衛生害虫忌避活性化合物を添加した塗料を塗布してから活性エネルギー線を照射して硬化させ、得られた硬化樹脂層を表層に有する積層体の提案がなされている。
しかしながら、以上のような害虫忌避剤の適用方法においては、食品等の包装材料の表面に忌避薬剤が施されているために、大気中への忌避薬剤の揮散による忌避効果の短期間での低下が避けられなかった。
さらに、忌避薬剤を含む表面が直接人の手に触れる部位であるために取り扱い時に薬剤が人体に及ぼす影響が危険視され、忌避剤の選定範囲が著しく制限されることも避けられなかった。
食品包装用のカートンに関する以上のような問題に鑑み、特に害虫忌避効果が長期間持続して、取り扱いが安全に出来るカートンが要望されていた。
特開2006−36270号公報。 特開2001−348304号公報 特開2002−308705号公報 特開2002−255187号公報 特開2003−292056号公報 特開2004−122445号公報 特開2005−144257号公報
本発明の課題は、害虫忌避効果を有する積層体およびそれを用いたカートンにおいて害虫忌避効果の継続性があり、取り扱い時に人体への影響の少ないカートンを提供することにある。
本発明の請求項1の発明は、表面から順に、樹脂フィルム/忌避剤層/印刷層/接着層/紙基材とからなり、表面の樹脂フィルムに忌避剤揮散孔となる微細孔を設けた害虫忌避効果を有する積層体である。
請求項1記載の発明によれば、害虫忌避効果のある忌避剤層が積層体の表面の樹脂フィルムに接した内側に設けられていることから、取り扱い時に手が触れる積層体の最表面には忌避薬剤が位置しないので、取り扱い時に人体への影響の少ない包装用フィルムカートンに使用する積層体を提供することができる。
かつ、表面の樹脂フィルムに微細孔が開けられていることから表面の樹脂フィルムに接した内側の忌避剤層からの薬剤の揮散が容易であり、微細孔の形状や形成密度を変えることによる薬剤揮散速度の制御も可能である。
これによって、忌避剤層を表面に設けた従来のカートンの場合には避けることが出来なかった、大気中への忌避薬剤の早期揮散による忌避効果の短期間での低下という問題と、忌避薬剤を含むカートンの表面が直接人の手に触れる部位であるために取り扱い時に薬剤が人体に及ぼす影響への懸念から、忌避剤の選定範囲が著しく制限されることもなくなった。
また、比較的人体に影響を与えない天然系忌避薬剤のみならず、口に入ったりすると重篤な症状を呈することがある合成系忌避薬剤のなかでも安心して使用出来る薬剤を選定することが出来ることから、効率的な薬剤の使用が可能になった。
忌避剤層を他の層とは独立に、たとえば、全面に設けるようにすると印刷層の領域の形状や膜厚に制約されることなく、直接樹脂フィルムに接している領域の忌避剤から揮散することで、忌避剤の膜厚に比較して大きな忌避効果を保持することが可能であり、さらに印刷デザインの自由度も増す。
忌避剤層を設ける領域の形状は樹脂フィルム全面ではなく部分的であってもよい。
この場合には多色印刷機を用いて印刷層の領域以外の面に同時に忌避剤層を設ける方法も可能であり、樹脂フィルムへの印刷層の密着性を損なうことなしに害虫忌避効果をも備えた積層体とすることが出来る。
また、請求項2の発明は、前記印刷層に用いる印刷インキに忌避剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の害虫忌避効果を有する積層体である。
請求項2記載の発明によれば、印刷インキに忌避剤を含むことによって忌避剤層を部分的に設けた場合と全面に設けた場合に樹脂フィルムと印刷層ないし接着剤層の密着にかんして起こり得る次のような問題を回避することが可能になる。
すなわち、忌避剤層を樹脂フィルムに部分的に設けた場合には、忌避剤層の領域の部分は樹脂フィルムに直接印刷層が接している領域に比べて印刷層と樹脂フィルム間の密着性が低下することがある。
このような場合でも、忌避剤層の設けられていない領域の印刷インキ中に忌避剤を含むことによって、忌避剤層の介在による密着低下を起こすことなく印刷インキ中の忌避剤の効果によって一定の害虫忌避効果を保持することが出来る。
また、独立の忌避剤層を設けないで、忌避剤を含む印刷インキを用いて樹脂フィルムに全面または部分的に印刷層を形成することによって忌避剤層の介在による密着低下を発生させないことも可能である。
この場合には不透明絵柄インキとメジウム等の透明インキを併用することによって、全面に忌避剤を含む印刷層を形成することも出来る。
また、請求項3の発明は、前記微細孔の形状が、ミシン線、円形、楕円、四角形、×形であることを特徴とする請求項1または2に記載の害虫忌避効果を有する積層体である。
請求項3記載の発明によれば、微細孔の形状は、忌避剤蒸気の透過揮散が可能な範囲であれば形状は特に限定されないが一方向に長い形状になると一方向の耐久性が低下する可
能性があるため、ミシン線、円形、楕円、四角形、×形のような対称性のよい形状が好ましい。
また、請求項4の発明は、前記微細孔の径が10〜100μmであり形成密度が10〜1000個/cmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の害虫忌避効果を有する積層体である。
請求項4記載の発明によれば、微細孔の径が10〜100μmであり形成密度が10〜1000個/cmであることによって、樹脂フィルムの外面に忌避剤層が露出したり滲出することなく忌避剤層からの忌避剤蒸気の揮散を必要な程度に制御して行うことが出来る。
また、請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体を用いた害虫忌避効果を有するカートンである。
請求項5記載の発明によれば、害虫忌避効果のある忌避剤層がカートンの表面の樹脂フィルムに接した内側に設けられていることから、取り扱い時に手が触れるカートンの最表面には忌避薬剤が位置しないので、取り扱い時に人体への影響の少ないカートンを提供することができる。
かつ、表面の樹脂フィルムに微細孔が開けられていることから表面の樹脂フィルムに接した内側の忌避剤層からの薬剤の揮散が容易であり、微細孔による揮散速度の制御も可能なカートンとすることが可能になった。
以上のように、本発明の害虫忌避効果を有する積層体およびそれを用いたカートンによれば、害虫忌避効果の継続性があり、取り扱い時に人体への影響の少ないカートンを提供することができる。
本発明の積層体を用いたブランクス(a)及びカートン(b)の形状例。 本発明の積層体の層構成の例を示す断面略図。(a)は印刷層と忌避剤層が独立して形成されている場合、(b)は印刷インキ中に忌避剤が配合されている場合。 本発明の積層体に設けられた微細孔の断面が円形の場合の形状と深さを示す模式図。(a)は断面模式図、(b)は表面から見た平面模式図。 本発明の積層体に設けられた微細孔の形状を示す他の例の平面模式図。(a)ミシン線、(b)四角形、(c)×形状について例示してある。
本発明の害虫忌避効果を有する積層体の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しながら以下に説明する。
本発明の害虫忌避効果を有する積層体は、例えば、図1(a)に示すようなブランクスを組み立てて成形されるカートン(b)に用いられる積層体(1)であり、カートンの表面から順に、樹脂フィルム(2)/忌避剤層(3)/印刷層(4)/接着層(5)/紙基材(6)とからなり、表面の樹脂フィルム(2)に忌避剤揮散孔となる微細孔(7)を設けてある。
図2には本発明の積層体の層構成の例を示す断面略図を示した。
図2(a)は印刷層と忌避剤層が独立して形成されている場合、図2(b)は印刷インキ中に忌避剤が配合されている場合の構成を示している。
本発明の積層体(1)においては、樹脂フィルム(2)は忌避剤層(3)の表面を被覆することによって取り扱い時に忌避剤層(3)に直接触れることを防止する目的と、忌避剤層(3)からの揮発成分の揮散を抑止して害虫忌避効果を長期間持続させる目的で用いられている。
この目的に限れば気体透過の遮断性があり、孔あけが可能な通常の樹脂フィルムが使用可能な対象となるが、本発明の用途の紙基材(6)と積層したカートンでは寸法安定性の観点からポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ナイロン樹脂(Ny)のそれぞれ延伸フィルムが望ましい。フィルムの延伸方向は二軸延伸でも一軸延伸でもどちらでも構わない。樹脂フィルム(2)の厚さは適宜決めることが出来るが通常は15〜60μmの範囲のものが用いられる。
図3は本発明の積層体に設けられた断面が円形の微細孔(7)の形状と深さを示す模式図であり、図4は本発明の積層体に設けられた微細孔の形状を示す他の例の模式図であり、(a)ミシン線、(b)四角形、(c)×形状について例示してある。
微細孔(7)は忌避剤層(3)中の忌避剤成分が樹脂フィルム(2)を透過して揮散するための孔であり、所定の断面形状を有する多数の針が表面に植えられたシリンダの圧着により微細孔をあける方法やレーザーにより微細孔をあける方法等の公知の方法で形成できる。
微細孔(7)の大きさ(d)は1μm〜200μmの範囲で用いることが出来るが。好ましいのは10μm〜100μmの範囲である。樹脂フィルム(2)表面上の微細孔(7)の形成密度は10個〜1000個/cmの範囲であることが望ましい。樹脂フィルム(2)に開けた微細孔(7)の深さ(h)は樹脂フィルム(2)のみまたは忌避材層(3)までが望ましい(図3参照)。
微細孔(7)の形状(平面形状)は、円形、楕円や、図4に例示したようにミシン線、四角形、×形のような対称性のよい形状が望ましい。
忌避剤層(3)は害虫の嫌う忌避剤成分を含有して該成分の揮散によりカートンに害虫を寄せ付けないための層である。
忌避剤層(3)を形成する忌避剤の塗布厚は特に限定はなく必要な効果と勘案して適宜決めることが出来るが、加工の容易さ等から通常は10〜100μmの範囲であることが多い。
忌避剤の塗布に用いる塗液の状態は原液の状態での塗布とマイクロカプセル化したものの塗布等の公知の方法で行うことが出来る。樹脂フィルム(2)への忌避剤の塗布は、グラビアコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング等の通常の塗布方法が適用できる。
また、印刷インキに忌避剤を含む場合には、グラビア多色機等を用いて、忌避剤層(7)を樹脂フィルム(2)上に部分的に設けて忌避剤層(3)の設けられていない領域に忌避剤を含む印刷インキで印刷層(4)を形成することも可能である。
さらに忌避剤を含む印刷インキを用いて樹脂フィルム(2)に全面または部分的に印刷層(4)を形成すること、特に不透明絵柄インキとメジウム等の透明インキを併用することによって、全面に忌避剤を含む印刷層(4)を形成することも出来る。
忌避剤には、殺虫成分、天然成分、植物精油などから選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。
殺虫成分としては、例えば、ピレトリン、シネリン、ジャスモリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、イミブロトリン、シフェノトリン、トラロメトリン、エトフェンプロックス、プラレトリン、シフルトリン、シラフルオフェン、ビフェントリン、フルメトリン、フルバリネート、デルタメスリン、エンペントリン、メトフルトリン、トランスフルスリンなどのピレスロイド剤が挙げられる。
天然成分としては、害虫忌避効果、殺虫効果などを有する天然成分が好ましく、例えば、p−メンタン−8−エン−1,2−ジオール、カラン−3,4−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、2,3,4,5−ビス(△2−ブチレン)テトラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピロイソシンコロネート、ジ−n−ブチルサクシネート、2−ヒドロキシオクチルスルフィド、(N−カルボ−sec−ブチロキシ)−2−(2’−ヒドロキシエチル−ピペリディンα−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、カジノール、カリオレフィレン、などが挙げられる。
植物精油としては、たとえば、ティーツリーオイル、マツ、ヒノキ、クスノキ、ヒバ、シトロネラ、ローズ、ゲラニウム、セダーウッド、ラベンダー、アニス、スペアミント、ナツメグ、ペパーミント、シナモン、クローブ、ユーカリ、ガーリック、マージョラム、パルマローザ、クミン、コリアンダー、オリガナム、ハッカ、レモンピール、ローズマリー、ヒソップ油、コパイバオイルなどが挙げられる。尚、コパイバオイルは人体には悪影響を及ぼさない天然香料として、食品添加物として認可を受けている物質である。
印刷層(4)は樹脂フィルム(2)の裏面に必要に応じた絵柄や文字等を印刷した層であり、紙基材(6)の表面に印刷した場合に比較して平滑なフィルム面に印刷することによってより綺麗な印刷が出来るという効果も奏する。印刷層(4)の形成方法は通常のインキを用いたグラビア印刷等の公知の印刷方法で行うことが出来る。多色印刷機を用いて印刷層(4)と忌避剤層(3)を同時に形成することやそれぞれの領域を分けて形成することももちろん可能である。
接着層(5)は樹脂フィルム(2)と紙基材(6)を接着するための層である。接着方法としては通常のドライラミネート法やウェットラミネート法等が使用出来る。接着層(5)に用いる接着剤は通常のポリエーテル系や酢酸ビニル系の感熱系の接着剤が使用出来る。例示すれば、A969V/A5(三井武田ケミカル)、TM242A/TM242B(東洋モートン)RC902(サンデン化学)等々が挙げられる。
紙基材(6)は本発明の包装用フィルムカートンを構成する基材であり、コートボール等の板紙が使われる。本発明の積層体(1)に用いる紙基材は、坪量230〜550g/m、厚さ0.3〜0.8mmの範囲のコートボール等の板紙が使用出来る。
特に好ましい範囲は坪量230〜310g/m、厚さ0.3〜0.5mmである。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
両面コロナ処理を施した、厚さ20μmの二軸延伸透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に多色グラビア印刷機を用いて、忌避剤としてコパイバオイル原液を塗布乾燥して10μm厚みの忌避剤層を形成した。忌避剤層面に連続して絵柄の印刷層を印刷インキLPGT(東洋インキ製造)を用いて施した。
この印刷層面に接着剤TM242A/B(東洋モートン)を60μm膜厚でドライラミネーターにより塗布して、紙基材JETスターH(坪量230g/m)(日本大昭和製紙)とドライラミネートして積層体を作成した。
この積層体に、必要な折れ線を刻設して断面が径10μmの円形の微細孔を500個/cmの密度でレーザーにより樹脂フィルム面を貫通して刻設した後に所定の形状に打ち抜いてブランクスを作成した。このブランクスからそれぞれの折れ線にしたがってサック貼りを行い、糊しろ部と側面板端部を貼着してからそれぞれのフラップを内側に折り曲げた状態で組み立てて5cm四方のカートンを作成し、内容物として誘引剤である焼糖を封入した。
この内容物を封入したカートンを用い、対象害虫としてノシメマダライガの幼虫を選定して害虫忌避率を算出する実験を行った。実験はノジメマダライガの幼虫20匹のうちでカートンに侵入もしくは外側に付着した数をカウントすることで行い、次の式により忌避率を算出した。この実験を5回繰り返した。結果は忌避率59%であった。
忌避率=(供試虫数−箱に付着した虫数−箱に侵入した虫数)/供試虫数×100(%)
<実施例2>
レーザーにより樹脂フィルム面を貫通して刻設した微細孔の断面が径10μmの四角形である積層体を用いたほかは実施例1と同様にカートンを作成してそれを用いた忌避率を算出した。結果は忌避率63%であった。
<実施例3>
レーザーにより樹脂フィルム面を貫通して刻設した微細孔の断面が径10μmの×形状である積層体を用いたほかは実施例1と同様にカートンを作成してそれを用いた忌避率を算出した。結果は忌避率54%であった。
<比較例1>
樹脂フィルム面を貫通した微細孔が刻設されていない積層体を用いたほかは実施例1と同様にカートンを作成してそれを用いた忌避率を算出した。結果は忌避率11%であった。
<比較例2>
レーザーにより樹脂フィルム面を貫通して刻設した微細孔の断面が径10μmの円形であり5個/cmの密度で配置された積層体を用いたほかは実施例1と同様にカートンを作成してそれを用いた忌避率を算出した。結果は忌避率30%であった。
以上のような害虫忌避率の結果から、本発明の積層体を用いたカートンの害虫忌避効果は従来のカートンに比べて明らかに向上し、実施例1から3のカートンにおいてはいずれも50%を越える忌避率を達成していて、比較例の結果と比べて際立った効果を示している。
これにより本発明の積層体を用いたカートンによれば、害虫忌避効果のある忌避剤層が積層体の表面の樹脂フィルムに接した内側に設けられていて、取り扱い時に手が触れる積層体の最表面には忌避薬剤が位置しない構造のカートンであっても、表面の樹脂フィルムに微細孔が開けられていることから表面の樹脂フィルムに接した内側の忌避剤層からの薬剤の揮散が容易であり、微細孔による揮散速度の制御も可能な、包装用等に使用できるカートンを提供することが可能となった。
1…積層体
2…樹脂フィルム
3…忌避剤層
4…印刷層
5…接着層
6…紙基材
7…微細孔
8…忌避剤入りインキによる印刷層
10…ブランクス
11…天面板
12…底面板
13…側面板
14…糊しろ
15…フラップ
20…カートン
d…微細孔の径
h…微細孔の深さ

Claims (5)

  1. 表面から順に、樹脂フィルム/忌避剤層/印刷層/接着層/紙基材とからなり、表面の樹脂フィルムに忌避剤揮散孔となる微細孔を設けた害虫忌避効果を有する積層体。
  2. 前記印刷層に用いる印刷インキに忌避剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の害虫忌避効果を有する積層体。
  3. 前記微細孔の形状が、ミシン線、円形、楕円、四角形、×形であることを特徴とする請求項1または2に記載の害虫忌避効果を有する積層体。
  4. 前記微細孔の形成密度が10〜1000個/cmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の害虫忌避効果を有する積層体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体を用いた害虫忌避効果を有するカートン。
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