JP2012012351A - 油中水型乳化剤組成物及び該組成物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料 - Google Patents

油中水型乳化剤組成物及び該組成物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】有機変性粘土鉱物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料において、環状シリコーン油を使用せずに油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供すること、更に詳しくは、環状シリコーン油を除くシリコーン油と炭化水素油やエステル油を質量比で100/0〜20/8の比率で配合できる安定な油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することにある。また、それらの油中水型乳化組成物並びに化粧料製造に利用できる油中水型乳化剤組成物を提供することにある。
【解決手段】一般式(1)で示される重量平均分子量が500〜200,000のシリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物と、一般式(5)で示されるシリコーン化合物と、(C)有機変性粘土鉱物とを組み合わせた油中水型乳化剤組成物、及び、該乳化剤組成物を使用した油中水型化粧料並びに化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機変性粘土鉱物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料において、環状シリコーン油を使用せずにそれらを製造ならしめる油中水型乳化剤組成物、更に詳しくは、環状シリコーン油を除くシリコーン油と炭化水素油やエステル油を100/0〜20/80の比率(質量比)で配合できる安定な油中水型乳化組成物並びに化粧料に利用できる油中水型乳化剤組成物に関する。また、該乳化剤組成物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料に関する。
従来、安定な油中水型乳化組成物を得る方法として、有機変性粘土鉱物とポリエーテル変性シリコーン油を併用した油中水型乳化組成物が提供されてきた(特許文献1)。そして、みずみずしくさっぱりとした使用感の油中水型乳化組成物とするために多くの場合、環状シリコーン油などの揮発性シリコーン油を併用してきた。そして、環状シリコーン油には各種油性成分同士の相溶剤としても機能することから、有機変性粘土鉱物を用いた油中水型乳化組成物を調製する上で環状シリコーン油は広く利用されてきた(特許文献2)。
その一方で、近年の揮発性有機化合物に対する関心の高まりなどから、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油を配合しない化粧料に対する要望がある。しかしながら、有機変性粘土鉱物を用いた油中水型乳化組成物において、各種油性成分の相溶剤としての環状シリコーン油を使用せずに、液状の油性成分としてシリコーン油と炭化水素油やエステル油を質量比で1:1程度配合した油中水型乳化組成物を調製することは困難であった。また、ポリエーテル変性シリコーンに加えて、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの炭化水素系界面活性剤を併用しても、環状シリコーン油を使用せずに安定な油中水型乳化組成物を得ることは極めて困難であった。
近年、分岐型ポリエーテル変性シリコーンを利用することでシリコーン油と炭化水素油を乳化できるとの報告がある(特許文献3)。しかしながら、油性成分として環状シリコーン油を配合することが必須となっており、油性成分として炭化水素油やエステル油をシリコーン油に対して質量比で1:1程度で配合できず、また、油性成分としてシリコーン油のみを用いて油中水型乳化組成物を得ることはできなかった。
特開昭61−066752号公報 特開平11−005712号公報 特開2009−143834号公報
本発明は、有機変性粘土鉱物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料において、環状シリコーン油を使用せずに油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供すること、更に詳しくは、環状シリコーン油を除くシリコーン油と炭化水素油やエステル油を100/0〜20/80の比率(質量比)で配合できる安定な油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することにある。また、それらの油中水型乳化組成物並びに化粧料製造に利用できる油中水型乳化剤組成物を提供することにある。
本発明者等は、上述の事情に鑑み鋭意研究した結果、驚くべきことに、有機変性粘土鉱物を用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料において、一般式(1)で示される重量平均分子量が500〜200,000のシリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物と、一般式(5)で示されるシリコーン化合物を組み合わせた油中水型乳化剤組成物を利用することで、各種油性成分の相溶剤としての環状シリコーン油を使用せずに、油性成分としてシリコーン油と炭化水素油やエステル油を100/0〜20/80の比率(質量比)で配合することができ、かつ使用性に優れる油中水型乳化組成物並びに化粧料を製造できることを見出した。また、従来困難であった油性成分としてシリコーン油のみを配合した場合であっても、安定性が良好で、極めて使用性に優れた油中水型乳化組成物並びに化粧料を製造できることをも見出した。
即ち、シリコーン油(環状シリコーン油を除く)を含有する油中水型乳化組成物並びに化粧料において、(A)一般式(1)で示される重量平均分子量が500〜200,000のシリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物、(B)一般式(5)で示されるシリコーン化合物、(C)有機変性粘土鉱物を含有する油中水型乳化剤組成物を使用した油中水型化粧料並びに化粧料は、乳化安定性が高く、保湿性の高い、感触が良好でバラエティー豊かな剤形の皮膚外用剤を実現することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の、シリコーン油(環状シリコーン油を除く)を含有する油中水型乳化組成物並びに化粧料に利用する油中水型乳化剤組成物において、(A)一般式(1)で示される重量平均分子量が500〜200,000のシリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物、(B)一般式(5)で示されるシリコーン化合物、(C)有機変性粘土鉱物を含有する油中水型乳化剤組成物を利用することで、従来、各種油分の相溶剤としての環状シリコーン油を使用せずに製造することが出来なかった、温度安定性や安全性が良好で、かつ使用性に優れた油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することができる。また、環状シリコーン油を使用しても乳化が困難であった、シリコーン油100%配合や、シリコーン油に対し炭化水素油やエステル油を100/0〜20/80の比率(質量比)で配合した油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することができる。さらには、本乳化組成物を利用することで、高濃度にUV吸収剤を配合したサンスクリーンや炭化水素油やエステル油などの各種油剤の感触を生かした優れた油中水型乳化化粧料を提供することができる。これらの油中水型乳化組成物並びに化粧料は、使用感が良好で、保湿性に優れ、高い安定性を有するものである。
本発明は、シリコーン油(環状シリコーン油を除く)を含有する油中水型乳化組成物に利用する油中水型乳化剤組成物において、次の(A)〜(C)を必須成分として含有する油中水型乳化剤組成物に関するものである。
本発明に用いる(A)成分は、シリコーン鎖が分岐している下記一般式(1)で示される重量平均分子量が500〜200,000であるシリコーン化合物である。
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
[式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO) (2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Rは下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
で表されるポリオキシアルキレン基、Rは下記一般式(4)
Figure 2012012351
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子もしくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR6−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、前記一般式(4)中のRは前記一般式(1)中のRと同じである。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦200、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の整数である。]
(A)成分のHLBに特に限定されるものではないが、HLB10以下であることが好ましく、より好ましくはHLB5以下である。(A)成分は、特開2001−39819号公報に記載の方法で合成することができる。市販品としては、信越化学工業社製のKF−6028(PEG−9ポリジメチエルシロキシエチルジメチコン)や、KF−6038(ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)等が挙げられるが、アルキル共変成タイプのKF−6038がより好ましい。
なお、シリコーン鎖が分岐しているポリグリセリン変性シリコーン(アルキル共変成タイプ)であるKF−6105(ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)を用いても本発明の効果が期待できる。
本発明に用いる(B)成分は、下記一般式(5)で示されるシリコーン化合物である。
Figure 2012012351
[式中、Aは炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基であり、Bは下記一般式(6)
−CO(CO)i(CO)j−R'
(式中、R'は水素原子、アシル基、あるいは炭素数1〜6のアルキル基であり、i,jはそれぞれ、0≦i≦50、0≦j≦200、ただしiとjが同時に0となることはない。)であり、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基あるいはフェニル基であり、p,qはそれぞれ、50≦p≦1000、0≦q≦50である。ただし、分子中に少なくとも1個はポリオキシアルキレン基を有する。]
(B)成分のHLBに特に限定されるものではないが、HLB10以下であることが好ましく、より好ましくはHLB5以下である。(B)成分については、多くの市販品があり、例えば、信越化学工業社製のKF−6015(PEG−3ジメチコン)、KF−6016(PEG−9ジメチコン)、KF−6017、KF−6043(PEG−10ジメチコン)、東レダウコウニング社製のSS2910(PEG−10ジメチコン)、SH3775(PEG−12ジメチコン)、BY25−337(PEG/PPG30/10ジメチコンと水添ポリイソブテンの混合物)、等が挙げられる。
本発明に用いる(C)成分である有機変性粘土鉱物は、通常化粧料などに利用されるものであれば特に制限されるものではない。好ましくは、四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理したカチオン変性粘土鉱物であり、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト等が挙げられる。市販品としては、エレメンティスジャパン社製のベントン38VCG(ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト)等が挙げられる。
本発明に係るシリコーン油(ただし、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油を除く)としては、環状シリコーン油を除き、通常化粧料や外用剤に使用されているものを用いることができ、例えば、ジメチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン、(A)及び(B)以外のポリエーテル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、アクリル変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、フッ素変性シリコーン、架橋型ジメチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、例えばジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが好ましく用いられる。
本発明において、(A)〜(C)成分の比率(質量比)は、(A)/(B)=1/99〜50/50が好ましく、より好ましくは、(A)/(B)=5/95〜45/55、さらに好ましくは、(A)/(B)=10/90〜40/60である。
また、(A)成分と(B)成分の合計と(C)成分の比率(質量比)は、[(A)+(B)]/(C)=50/50〜97/3が好ましく、より好ましくは、[(A)+(B)]/(C)=60/40〜93/7、さらに好ましくは、[(A)+(B)]/(C)=70/30〜90/10である。この範囲において、油中水型乳化組成物並びに化粧料がより安定に調製できる。
本発明の油中水型乳化剤組成物は、(A)〜(C)成分のみで構成されても良く、あるいは油性原料を併用することもできる。その場合、両者の好ましい混合比率(質量比)は、油性原料/[(A)〜(C)成分の合計量]=1/99〜99/1、より好ましくは、5/95〜95/5、さらに好ましくは、10/90〜90/10である。この範囲であれば、油中水型乳化組成物並びに化粧料を製造する場合に、油中水型乳化剤組成物より取り扱い易い。
本発明の油中水型乳化剤組成物は、油中水型乳化組成物並びに化粧料全量に対しては、0.1〜30質量%を含有することが好ましい。より好ましくは、0.3〜20質量%、さらに好ましくは、0.5〜10質量%である。
シリコーン油以外の液状の油性成分は、一般に化粧品に使用される油性原料なら何れも好適に使用できる。具体的には、スクワラン、流動パラフィンなどの炭化水素類、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、ホホバ油などの植物油、牛脂などの動物油、トリイソオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸イソオクチルなどのエステル類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、4−t−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、エチルヘキシルトリアゾンなどの有機性の紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明の(A)〜(C)を含有する油中水型乳化剤組成物を用いれば、従来、環状シリコーン油を使用しても乳化が困難であった液状油分としてシリコーン油のみを用いた油中水型乳化組成物並びに化粧料や、シリコーン油に対し炭化水素油やエステル油を100/0〜20/80の比率(質量比)で配合した油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することができる。具体的には、液状の油性成分として、シリコーン油とそれ以外の油分が100/0〜20/80、より好ましくは100/0〜30/70、更に好ましくは100/0〜50/50の比率(質量比)で配合した油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することができる。
本発明の油中水型乳化剤組成物は、(A)〜(C)成分や油性原料を予め融解混合して均一な混合物とし、それを攪拌しながら室温まで冷却することで固体状あるいはペースト状の組成物として得ることができる。また、(A)〜(C)成分や油性原料の配合比率を調節して化粧料等の乳化状態や剤形を調製しようとするならば、化粧料等にそれぞれ単独で配合することもできる。
本発明の油中水型乳化剤組成物を含有する油中水型乳化組成物並びに化粧料は、乳化安定性に優れるだけでなく、保湿性が高い。また、油中水型乳化剤組成物を用いて製造される油中水型乳化組成物並びに化粧料は、バラエティー豊かな剤形の皮膚外用剤を提供できる。
本発明の油中水型乳化剤組成物およびそれを含有する油中水型乳化組成物並びに化粧料は、前記本発明の効果を損なわない範囲において、一般に化粧品に使用される界面活性剤、高級アルコール、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸、油性原料、活性成分、保湿成分、抗菌成分、粘度調整剤、色素、香料などを併用することができる。
これらを例示すると、界面活性剤としては、POEソルビタンモノオレート、POEソルビタンモノステアレートなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレートなどのPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレート、POEモノイソステアレートなどのPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEステアリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステルなどのノニオン界面活性剤、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸セッケン類、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル類、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウリルグルタミン酸ナトリウムなどのアシル化アミノ酸塩類、モノラウリルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤などである。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコールなど。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキラルコール及びそれらの脂肪酸エステルなど。
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸など。
液状の油性原料としては、上述したものなど。
活性成分としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、3−O−セチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、エラグ酸、ルシノールなどの美白剤、アミノ酸などのNMF成分、水溶性コラーゲン、エラスチン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、セラミドなどの肌荒れ防止剤、レチノール、ビタミンA酸などの抗老化剤や各種ビタミン類やその誘導体など。
保湿成分としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明の油中水型乳化剤組成物を使用した油中水型乳化組成物並びに化粧料を調製する際は、パドルミキサー、ホモミキサーなどの通常の乳化装置が使用できる。調製法は、予め、油性原料と本発明の油中水型乳化剤組成物を、50〜120℃で融解混合しておき、ホモミキサーなどで攪拌下、50〜80℃の温水を投入する方法油性原料、又は、本発明の油中水型乳化剤組成物を、50〜120℃で融解混合しておいたものを、ホモミキサーなどで攪拌下、50〜80℃の温水中に投入する方法などが挙げられる。
(A)〜(C)成分と、シリコーン油(ただし、環状シリコーン油を除く)を含有する油中水型乳化組成物並びに化粧料を調製する際は、パドルミキサー、ホモミキサーなどの通常の乳化装置が使用できる。調製法は、予め、油性原料と(A)〜(C)成分を、50〜120℃で融解混合しておき、ホモミキサーなどで攪拌下、50〜80℃の温水を投入する方法油性原料、又は、(A)〜(C)成分を、50〜120℃で融解混合しておいたものを、ホモミキサーなどで攪拌下、50〜80℃の温水中に投入する方法などが挙げられる。
本発明の油中水型乳化剤組成物を使用した油中水型乳化組成物並びに化粧料は、保湿クリーム、エモリエントクリーム、マッサージクリーム、保湿美容液、保湿ローション、エモリエント乳液などのスキンケア化粧料、又は、軟膏などの皮膚治療薬などに好適に使用できる。特に、本発明の油中水型乳化剤組成物を用いれば、各種油性成分の相溶剤としての環状シリコーン油を使用せずに、シリコーン油とそれ以外の液状の油性成分を100/0〜20/80の比率で配合できる安定な油中水型乳化組成物並びに化粧料を提供することができるので、種々の割合で有機性の紫外線吸収剤とシリコーン油を併用したサンスクリーン剤などの製造にも応用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の「%」は「質量%」を意味する。
(1)油中水型乳化剤組成物の調製
下記表1に示す油中水型乳化剤組成物を調製した。すなわち、ステンレス製混合容器中で、表1に記載の成分を攪拌しながら混合することで油中水型乳化剤組成物を得た。
(2)油中水型乳化組成物の調製
下記表1に示す油中水型乳化剤を用いて、下記表2と表3に示す油中水型乳化組成物を調製した。すなわち、10リッターかき取り攪拌付きステンレス製ホモミキサー中で、水以外の成分を混合、分散し、必要に応じて加温し、攪拌しながら(攪拌速度5000rpm)、これに水を徐々に添加した。さらに、同条件で30分間攪拌し、室温まで冷却し油油中水型乳化組成物を得た。油中水型乳化組成物の調製スケールは、5Kgとした。
(3)油中水型乳化組成物の保存安定性評価
調製直後、45℃における2週間後及び4週間後の相状態を目視観察し、下記の基準にて安定性評価を行った。
◎:45℃保存3ヵ月後に相分離は認めらない。
○+:室温保存3ヵ月後では相分離は認めらないが、45℃保存3ヵ月後に相分離が認められる。
○−:室温保存2ヵ月後では相分離は認めらないが、45℃保存2ヵ月後に相分離が認められる。
△:45℃保存4週間以内に相分離が認められた。
×:25℃保存24時間以内に相分離が認められた。
Figure 2012012351
Figure 2012012351
Figure 2012012351
Figure 2012012351
Figure 2012012351
油中水分散型化粧料(サンスクリーンローション)
A シリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物(注1)
0.45(%)
シリコーン化合物(注2) 1.05
有機変性粘土鉱物(注3) 0.5
ジメチコン(10mm/s) 15.0
トリエチルヘキサン酸グリセリル 10.0
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
サリチル酸エチルヘキシル 0.25
t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.25
ホホバ油 2.0
B 微粒子酸化亜鉛(シリカ、メチルポリシロキサン処理品)
8.0
微粒子酸化チタン(メチコン、アルミナ処理品)
7.0
シリカ 3.0
C 1,3−ブチレングリコール 10.0
クエン酸ナトリウム 0.15
エデト酸三ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
注1:KF−6038(信越化学工業社製)
注2:KF−6017(信越化学工業社製)
注3:ベントン38VCG(エレメンティスジャパン社製)
(調製方法)
Cを70℃まで加温し、A、Bの混合相にCを徐々に加えながらホモミキサーで乳化を行う。パドル攪拌しながら冷却し、30℃付近で調製を終了する。
油中水分散型化粧料(ノンケミカルサンスクリーンローション)
A 本発明品5の油中水型乳化剤組成物 8.0(%)
デカメチルテトラシロキサン 20.0
ジメチコン(6mm/s) 5.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 3.0
オクチルドデカノール 3.0
ククイナッツ油 1.0
オリーブスクワラン 1.0
(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー 1.5
酢酸dl−α−トコフェロール 0.2
BHT 0.02
B 微粒子酸化亜鉛(ステアリン酸アルミニウム処理品)
6.0
微粒子酸化チタン(ステアリン酸アルミニウム処理品)
15.0
C 1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 2.0
ジプロピレングリコール 2.0
クエン酸ナトリウム 0.15
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
エデト酸三ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
Aを50℃まで加熱し、Bを加えて均一に混合する。A、Bの混合相とCをそれぞれ70℃まで加温し、Cを徐々に加えながらホモミキサーで乳化を行なう。パドル攪拌をしながら冷却し、30℃付近で調製を終了する。
油中水分散型化粧料(サンスクリーンクリーム)
A 本発明品4の油中水型乳化剤組成物 5.0(%)
パルミチン酸エチルヘキシル 2.0
サリチル酸ブチルオクチル 3.0
オリーブ油 2.0
ジメチコン(6mm/s) 15.0
t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 5.0
エチルヘキシルトリアゾン 0.5
オクトクリレン 0.1
超微粒子酸化亜鉛(含水シリカ、(ジメチコン/メチコン)コポリマー処理)
10.0
微粒子酸化チタン(ステアリン酸アルミニウム処理品)
5.0
水素添加レチノール 0.1
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1
トリスヘキシルデカン酸ピリドキシン 0.1
d−δ−トコフェロール 0.1
B 1,3−ブチレングリコール 7.0
ペンチレングリコール 3.0
エルゴチオネイン 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
Aを80℃に加温して均一分散させ、ホモミキサー又はディスパーミキサーでゆっくりと攪拌しながらAにBを徐々に加えた後、強く攪拌し乳化を行う。パドル攪拌をしながら冷却し、30℃付近で調製を終了する。
油中水分散型化粧料(エモリエントクリーム)
A シリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物(注1)
0.5(%)
シリコーン化合物(注2) 1.5
有機変性粘土鉱物(注3) 0.3
ジメチコン(30mm/s) 2.0
オクタメチルトリシロキサン 6.0
パーフルオロポリエーテル 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 9.0
マカダミアナッツ油 0.5
ホホバ油 0.5
ベヘニルアルコール 1.0
バチルアルコール 0.3
B 防腐剤 適量
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 6.0
C エタノール 3.0
ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 1.5
クエン酸三ナトリウム 0.2
L−ヒドロキシプロリン 0.2
エデト酸三ナトリウム 0.05
精製水 残部
注1:KF−6038(信越化学工業社製)
注2:SH3775(東レ・ダウコーニング社製)
注3:ベントン38VCG(エレメンティスジャパン社製)
(調製方法)
A、Bを70℃まで加温して均一溶解させる。CにBを徐々に加え、B、Cの混合相をAに徐々に加えながらホモミキサーで乳化を行う。パドル攪拌しながら冷却し、30℃付近で調製を終了する。
油中水分散型化粧料(ミルキーローション)
A 本発明品10の油中水型乳化剤組成物 3.5(%)
流動パラフィン 3.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 4.0
トリエチルヘキサン酸グリセリル 4.0
メドウホーム油 1.0
水素添加ホホバ油 1.0
ジメチコン(6mm/s) 7.0
酢酸トコフェロール 0.2
B 1,3−ブチレングリコール 7.0
ソルビトール(70%水溶液) 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 1.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
室温でA、Bそれぞれを均一分散させ、ホモミキサー、ディスパーミキサー又はパドルでゆっくりと攪拌しながらAにBを徐々に加えた後、強く攪拌し乳化を行う。
油中水分散型化粧料(アイエッセンス)
A 本発明品1の油中水型乳化剤組成物 5.0(%)
ジメチコン(6mm/s) 15.0
オクタメチルトリシロキサン 10.0
セトステアリルアルコール 0.2
B 1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 15.0
クエン酸 0.1
アスパラギン酸 0.1
グリシン亜鉛錯体 0.2
ツボクサエキス 0.1
スギナエキス 0.1
α−グルカンオリゴサッカライド 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.02
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
A、Bを70℃まで加温しそれぞれ均一にするBを徐々に加えながらホモミキサーで乳化を行なう。パドル攪拌をしながら冷却し、30℃付近で調製を終了する。
油中水分散型化粧料(薬用美白クリーム)
A シリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物(注1)
0.8(%)
シリコーン化合物(注2) 1.0
有機変性粘土鉱物(注3) 0.4
ジメチコン(2mm/s) 10.0
トリエチルヘキサン酸グリセリル 10.0
オリーブスクワラン 3.0
ローズヒップ油 0.1
セラミド2 0.2
天然ビタミンE 0.1
B リン酸L−アスコルビルマグネシウム 3.0
グリセリン 10.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 1.0
グルタミン酸ナトリウム 0.3
防腐剤 適量
精製水 残部
注1:KF−6038(信越化学工業社製)
注2:BY25−337(東レ・ダウコーニング社製)
注3:ベントン38VCG(エレメンティスジャパン社製)
(調製方法)
室温でA、Bそれぞれを均一分散させ、ホモミキサー又はディスパーミキサーでゆっくりと攪拌しながらAにBを徐々に加えた後、強く攪拌して乳化を行う。
外用剤(軟膏製剤)
本発明品7の油中水型乳化剤組成物 35.0(%)
POE(30)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリル 9.0
流動パラフィン 9.0
ジメチコン(10mm/s) 5.0
白色ワセリン 5.0
セタノール 6.0
プロピレングリコール 10.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
軟膏組成物の製造方法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
実施例2〜9の化粧料又は外用剤は実施例1に記載の保存安定性評価において、45℃保存4週間以上で相分離は認めらないことを確認した。

Claims (7)

  1. シリコーン油(環状シリコーン油を除く)を含有する油中水型乳化組成物に利用する油中水型乳化剤組成物において、次の(A)〜(C)を必須成分として含有する油中水型乳化剤組成物。
    (A)下記一般式(1)で示される重量平均分子量が500〜200,000であるシリコーン化合物
    SiO(4−a−b−c)/2 (1)
    [式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
    −C2m−O−(CO)(CO) (2)
    で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Rは下記一般式(3)
    −C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
    で表されるポリオキシアルキレン基、Rは下記一般式(4)
    Figure 2012012351
    で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子もしくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、前記一般式(4)中のRは前記一般式(1)中のRと同じである。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦200、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の整数である。]
    (B)下記一般式(5)で示されるシリコーン化合物
    Figure 2012012351
    [式中、Aは炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基であり、Bは下記一般式(6)
    −CO(CO)i(CO)j−R'
    (式中、R'は水素原子、アシル基、あるいは炭素数1〜6のアルキル基であり、i,jはそれぞれ、0≦i≦50、0≦j≦200、ただしiとjが同時に0となることはない。)であり、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基あるいはフェニル基であり、p,qはそれぞれ、50≦p≦1000、0≦q≦50である。ただし、分子中に少なくとも1個はポリオキシアルキレン基を有する。]
    (C)有機変性粘土鉱物
  2. 上記(A)〜(C)成分の比率(質量比)が、
    (A)/(B)=1/99〜50/50
    かつ
    [(A)+(B)]/(C)=50/50〜97/3
    である請求項1に記載の油中水型乳化剤組成物。
  3. シリコーン油とそれ以外の液状の油性成分を、100/0〜20/80の比率(質量比)で含有する請求項1又は2に記載の油中水型乳化剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の油中水型乳化剤組成物を含有する油中水型乳化組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の油中水型乳化剤組成物を含有する化粧料。
  6. 上記(A)〜(C)と、シリコーン油(環状シリコーン油を除く)を含有する油中水型乳化組成物。
  7. 上記(A)〜(C)と、シリコーン油(環状シリコーン油を除く)を含有する化粧料。
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