JP2012012271A - 黒鉛ルツボ - Google Patents

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Abstract

【課題】黒鉛ルツボのSiC化、減肉(消耗)を抑制することで、長時間使用出来る黒鉛ルツボを提供することを目的とする。
【解決手段】CZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いられるシリコン融液を収容する石英ルツボを支持する黒鉛ルツボであって、少なくとも、円周方向に2つ以上に分割された黒鉛ルツボ本体と、該黒鉛ルツボ本体の底部を一体的に保持する受け皿とを有し、
更に、前記黒鉛ルツボ本体の少なくとも分割面の上端部に、分割面へのガスの流入を防止するための保護カバーを具備するものであることを特徴とする黒鉛ルツボ。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)によりシリコン単結晶を製造する際に用いる黒鉛ルツボ、詳しくは、2つ以上に分割された黒鉛ルツボの減肉、SiC化を抑制することができ、ライフを延長することが可能な黒鉛ルツボを提供するものである。
従来、半導体デバイスの基板材料として用いられるシリコン単結晶等の半導体単結晶は、主にCZ法等により製造されており、図7に示すような単結晶製造装置を用いて単結晶の製造が行われる。
この単結晶製造装置101は、チャンバー102内に、原料融液103を収容する石英ルツボ104と、この石英ルツボ104を支持する黒鉛ルツボ105とが支持軸106で支持されており、黒鉛ルツボ105はルツボ駆動機構(不図示)により上下動及び回転動が自在に行えるようになっている。
黒鉛ルツボ105の外側には抵抗加熱式のヒーター107が配設され、ヒーター107の外側には保温筒108が配設されており、これらはそれぞれ黒鉛ルツボ105と同心円状に配設されている。また、石英ルツボ104の中心軸上にはワイヤ109の下端部にシードチャック110を介して種結晶111が取り付けられている。
このような単結晶製造装置101を用いて、CZ法により半導体単結晶を製造する場合、先ずシードチャック110に固定された種結晶111を石英ルツボ104中の原料融液103に浸漬した後、回転させながら上方に所定の引上げ速度で引き上げることにより半導体単結晶112を成長させることができる。
このように、CZ法によりシリコン単結晶を成長させる間、シリコン融液103と石英ルツボ104が反応しSiOが揮発する(下記反応式(1))。このSiOガスは、チャンバー内に導入されるArガス等のパージガスと共に真空ポンプでチャンバーから排気されるが、排気される際に、SiOガスと黒鉛ルツボとが接触する構造になっている。このため、SiOガスと黒鉛ルツボが反応し、黒鉛ルツボ内外面のSiC化が進行する(下記反応式(2))。
さらに、この黒鉛ルツボのSiC化層とSiO(石英ルツボ)が反応し、SiCが消耗しながら、SiOとCOガスが発生する(下記反応式(3))。これにより黒鉛ルツボの減肉(消耗)が進行して行く。特には、黒鉛ルツボが分割されたものである場合(例えば特許文献2、3等参照)、その分割面でガスの流入・流出が起こり、他の部分に比べ著しく減肉が進行する。
上記反応を以下にまとめる。
(1)原料融液(シリコン融液)と石英ルツボとの反応
SiO + Si → 2SiO↑
(2)上記(1)の反応で発生したSiOガスによる黒鉛ルツボの珪化反応
2C + SiO → SiC + CO↑
(3)石英ルツボと黒鉛ルツボの珪化部分での消耗反応
SiC + 2SiO → 3SiO↑ + CO↑
そして、これらの反応により著しくSiC化、減肉が進行した黒鉛ルツボを使用すると、耐破断応力が低下し、黒鉛ルツボが割れてしまう。このため、SiC化、減肉量がある一定量を超えると、黒鉛ルツボを新品に交換する必要がある。
特開2008−222455号公報 特開2008−169096号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、分割面における黒鉛ルツボのSiC化、減肉(消耗)を抑制することで、長時間使用できる黒鉛ルツボを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、CZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いられるシリコン融液を収容する石英ルツボを支持する黒鉛ルツボであって、少なくとも、円周方向に2つ以上に分割された黒鉛ルツボ本体と、該黒鉛ルツボ本体の底部を一体的に保持する受け皿とを有し、
更に、前記黒鉛ルツボ本体の少なくとも分割面の上端部に、分割面へのガスの流入を防止するための保護カバーを具備するものであることを特徴とする黒鉛ルツボを提供する。
このような本発明の黒鉛ルツボであれば、分割面へのSiOガスの流入・流出を抑制することができるため、局所的なSiC化、減肉の進行を抑制することができ、これにより、黒鉛ルツボの使用ライフのアップが可能となる。
この場合、前記保護カバーは、前記黒鉛ルツボ本体の上端部と側面部とを覆うものであることが好ましい。
更に、前記保護カバーは、前記黒鉛ルツボ本体の上端部を100%、側面部を黒鉛ルツボ本体の高さの30〜120%の範囲で覆うものであることが好ましい。
このように、保護カバーが黒鉛ルツボ本体の上端部と側面部、特には、黒鉛ルツボ本体の上端部を100%、側面部を黒鉛ルツボ本体の高さの30〜120%の範囲で覆うものであれば、分割面からのSiCガスの流入を、より効果的に防ぐことができる。
また、前記保護カバーの材質が、黒鉛、炭化珪素、窒化珪素、及び黒鉛の表層にSiCコート又はPCコートを施したもののいずれかであることが好ましい。
このように、黒鉛からなるカバーであれば、低コストで作製できるので、経済的である。
また、炭化珪素、窒化珪素、及び黒鉛の表層にSiCコート又はPCコートを施したもののいずれかからなる保護カバーであれば、SiOガスによる影響を受けにくく、保護カバーが老朽化し難いため、より経済的である。
また、前記黒鉛ルツボ本体の分割面における肉厚を、両分割端面間の円周の中心位置の肉厚に比較して1倍より大きく2倍以下に厚くしたものであることが好ましい。
このように、黒鉛ルツボ本体の分割面における肉厚を、両分割端面間の円周の中心位置の肉厚に比較して1倍より大きく2倍以下に厚くしたものであれば、減肉による影響を極力抑えることができるので、黒鉛ルツボの使用ライフをより一層延長させることができる。
以上説明したように、本発明の黒鉛ルツボを用いれば、分割面へのSiOガスの流入・流出を抑制することができるため、局所的なSiC化、減肉の進行を抑制することができ、これにより、黒鉛ルツボの使用ライフの延長が可能となる。
本発明の黒鉛ルツボを備えたシリコン単結晶製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の黒鉛ルツボの一例を示す概略図である。(a)は、黒鉛ルツボ本体の上面の概略図、(b)は、(a)のA−A’断面における断面図である。 本発明の黒鉛ルツボの好ましい肉厚の一例を示す概略図である。 実施例1−2及び比較例における測定位置を示す概略図である。 実施例1−2及び比較例の黒鉛ルツボの減肉量及び使用指数を示すグラフである。 実施例1−2及び比較例の黒鉛ルツボのSiC化層の厚さ及び使用指数を示すグラフである。 従来の黒鉛ルツボを備えたシリコン単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
シリコン単結晶を引き上げた後にルツボを冷却する際のルツボの破損を防止するため、2つ以上に分割された黒鉛ルツボが用いられることがあるが、このような黒鉛ルツボでは、その分割面にSiOガスの流入・流出がし易く、分割面において著しくSiC化や減肉が進行するという問題があった。
そこで本発明者が鋭意検討を行った結果、分割面へのガスの流入を防止するための保護カバーを設けることにより、局所的なSiC化、減肉による応力耐久性の低下を容易に抑制できることを知見し、本発明をなすに至った。
以下、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の黒鉛ルツボを備えたシリコン単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
図1に示すように、シリコン単結晶製造装置14は、チャンバー1内に、原料となるシリコン融液2を収容する石英ルツボ3と、この石英ルツボ3を支持する本発明の黒鉛ルツボ4とが支持軸5で支持されており、ルツボ駆動機構(不図示)により上下動及び回転動が自在に行えるようになっている。
黒鉛ルツボ4の外側には抵抗加熱式のヒーター6が配設され、ヒーター6の外側には保温筒7が配設されており、これらはそれぞれ黒鉛ルツボ4と同心円状に配設されている。また、石英ルツボ3の中心軸上にはワイヤ8の下端部にシードチャック9を介して種結晶10が取り付けられている。
すなわち、このようなシリコン単結晶製造装置14を用いてCZ法によりシリコン単結晶を製造する場合、黒鉛ルツボ4を回転させるとともに、シードチャック9に固定された種結晶10を石英ルツボ3中のシリコン融液2に浸漬した後、回転させながら上方に所定の引き上げ速度で引き上げることによりシリコン単結晶11を成長させることができるようになっている。
さらに、単結晶成長時にパージガスとしてアルゴンガス等の不活性ガスが、ガス導入口12から導入され、引き上げ中の単結晶11とガス整流筒(不図示)との間を通過した後、シリコン融液2の融液面に到達し、融液面から蒸発するSiOをパージし、該SiOを含んだガスが黒鉛ルツボ4と保温筒7との間を通過し、ガス排出口13から流出される。導入するガスの流量と、ポンプや弁によるガスの排出量を制御することにより、引き上げ中のチャンバー内の圧力が制御される。
上記シリコン単結晶製造装置14においては、本発明の黒鉛ルツボ4を除く他の各部は特に限定されず、例えば従来と同様のものとすることができる。これらの各部は製造するシリコン単結晶11や製造条件等に応じて適切なものを用意すれば良い。
以下、上記シリコン単結晶製造装置14において用いられる本発明の黒鉛ルツボ4について、図2に黒鉛ルツボ4の一例を挙げて説明する。
この黒鉛ルツボ4は、まず、全体の構成として、石英ルツボを囲んで支持するための黒鉛ルツボ本体41と、この黒鉛ルツボ本体41の底部を嵌合して一体的に保持する受け皿42から成る。この受け皿42は支持軸5の上端に取り付けられるようになっており、操業中は、これを回転させることによって石英ルツボ及び黒鉛ルツボを回転させることができる。
黒鉛ルツボ本体41は、円周方向に2分割された、すなわち図2aに示すように、回転中心軸を通って、分割面41cに沿って縦に(鉛直方向に)2つに分割された黒鉛ルツボ本体41a及び41bから成る。
石英ルツボの熱膨張係数は黒鉛ルツボの熱膨張係数よりも小さいため、シリコン単結晶を引き上げた後にこれらのルツボを冷却する際に、黒鉛ルツボの収縮が石英ルツボにより妨げられ、黒鉛ルツボを押し広げようとする応力が発生するが、黒鉛ルツボ本体は、このように2つ以上に分割されたものであるので、冷却時に黒鉛ルツボ本体の各部間にある程度の隙間を形成することができ、そのため石英ルツボを拘束せず、黒鉛ルツボに発生する応力を逃がすことが可能であり、黒鉛ルツボの破損を防止することができる。
尚、図2に示す例では、分割の数は2つであるが、これに限定されず、3分割あるいはそれ以上とすることもできる。このように、本発明においては、黒鉛ルツボ本体の分割数を、黒鉛ルツボの大きさ等に応じて適宜設定することができる。
そして、本発明では、黒鉛ルツボ本体41は、分割面41cへのガスの流入を防止するための保護カバー43を、黒鉛ルツボ本体の少なくとも分割面41cの上端部に具備している(図2b:保護カバーは、分割面41cの90°回転位置で表示してある)。
この保護カバー43により、上部よりSiOを含んだガスが分割面41cに流入し、分割面を浸食することを防止することができる。
この場合、SiOガスと反応し発生するCOガスのシリコン融液への混入防止、黒鉛ルツボ上端部のSiC化、揮発シリコンの蒸着による応力耐久性の低下を抑制するために、保護カバー43は、ガスの流入・流出し易い黒鉛ルツボの分割面のみでなく、黒鉛ルツボ本体の周囲全ての上端面を覆うものであることが好ましい。
また、側面部については、図2に示すように、黒鉛ルツボ本体41の高さhの30〜120%の範囲で覆うものであることが好ましい。
上端から30%以上の高さで側面部を覆うものであれば、上から下に流れるガスが最も入り込み易い上端面をカバーできるとともに、上部側面からの流入も効果的に防止できる。もちろん、側面部の覆う範囲はできるだけ広い方がよいが、120%も覆えば十分で、ガスの逆流による黒鉛ルツボの浸食もほとんどないものとなる。
保護カバーの材質としては、特に限定されないが、黒鉛、炭化珪素、窒化珪素、及び黒鉛の表層にSiCコート又はPCコートを施したもののいずれかであることが好ましい。
このように、黒鉛からなるカバーであれば、低コストで作製できるし、炭化珪素、窒化珪素、及び黒鉛の表層にSiCコート又はPCコートを施したもののいずれかからなる保護カバーであれば、SiOガスによる影響を受けにくく、耐久性に優れ、保護カバーが老朽化し難いものとなる。
本発明の黒鉛ルツボが具備するこのような保護カバーは、黒鉛ルツボ本体の上から覆うことのできるものであるため、保護カバーの設置や老朽化した際等の取り替えが容易である。そして、SiC化層と黒鉛基材との熱膨張差を起因とする割れが生じることも防ぐことができる。つまり、黒鉛ルツボのライフを延ばすことができる。その結果、黒鉛ルツボの交換頻度を低減することができ、コストの低減につなげることができる。
さらに、黒鉛ルツボ本体41の分割面における肉厚を、両分割端面間の円周の中心位置の肉厚に比較して、1倍より大きく2倍以下に厚くしたものであることが好ましい。
特には、両分割端面間の中心角をθとした場合、両分割端面間の円周の中心位置(1/2θの位置)の肉厚に比較して、分割端面から1/4θ以内(θ’)の領域の肉厚を、1倍より大きく2倍以下に厚くしたものが好ましい。
これを、黒鉛ルツボ本体41が2分割のもの(両分割端面間の中心角が180°)である場合を例に挙げて説明すると、図3に示すように、分割端面から45°以内の領域の肉厚d’を、分割端面に対し90°に位置する肉厚dに比較して1倍より大きく2倍以下に厚くしたものであることが好ましいとの意味である。
本発明の保護カバーを用いれば、分割面からのガスの流入は防止できる。従って、SiC層の形成を大幅に抑制することができる。しかし、石英ルツボと黒鉛ルツボの間には、わずかながら隙間があり、ここから少量のガスが流入することになる。従って、完璧にSiC層の形成を防止できるわけではない。
SiC層が形成されてしまった場合には、SiC化層と黒鉛基材との熱膨張差による応力が発生し、黒鉛ルツボが割れてしまい、すなわち、減肉量が少なくても、SiC化層の厚み(SiC化層)がある量を超えると、黒鉛ルツボを新品に交換する必要がある。そのため、コスト面と厚みを持たせることによる効果の両方を考慮した結果、上述の1倍より大きく2倍以下の範囲が望ましいといえる。
このように、黒鉛ルツボ本体を保護カバーで覆った上に、黒鉛ルツボ本体の分割面における肉厚を厚くしておけば、減肉が黒鉛ルツボに与える影響、すなわち、耐破断応力の低下を極力抑えることができる。これにより、黒鉛ルツボの使用ライフをより一層アップさせることができる。
そして、このような本発明の黒鉛ルツボ4を備えたCZ法によるシリコン単結晶製造装置14の場合、上記のように、保護カバーにより操業中にSiOガスが分割面の隙間に入り込むのを防止することができ、更に、分割面における肉厚を厚くすることで減肉の影響を抑えることができる。したがって、分割面の局所的なSiC化、減肉による応力耐久性の低下を抑制することができ、黒鉛ルツボ4の減肉を原因とする石英ルツボ3の変形が発生するのを効果的に防止できる。そして、その結果、2つ以上に分割した黒鉛ルツボ4のライフアップが可能となる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
シリコン単結晶をCZ法により製造するにあたって、図1のシリコン単結晶製造装置を用意し、通常の方法によりシリコン単結晶を製造した。尚、黒鉛ルツボは本発明のものとした。
すなわち、使用した黒鉛ルツボは、口径867mm、肉厚27mm、高さ500mmで、2つに分割された黒鉛ルツボ本体と、前記黒鉛ルツボ本体の上端部と側面部を覆う円筒部の内径が877mm、厚さ5mm、高さ250mm(黒鉛ルツボ本体の高さの50%の範囲を覆うもの)の保護カバー(SiOガスとの反応を抑制するために、黒鉛の表層にSiCコートを施したもの)、及び受け皿を具備するものである。
[実施例2]
口径の894mm、高さ500mm、肉厚は、分割面から90°の位置を27mm、分割面から45°の位置より分割面にかけて32.4〜40.5mmと肉厚にした、2つに分割された黒鉛ルツボ本体と、前記黒鉛ルツボ本体の上端部と側面部を覆う円筒部の内径が904mm、厚さ5mm、高さ250mmの保護カバー(SiOガスとの反応を抑制するために、黒鉛の表層にSiCコートを施したもの)、及び受け皿を具備する黒鉛ルツボを用いた以外は、実施例1と同様にシリコン単結晶を製造した。
[比較例]
比較例として、黒鉛ルツボの口径867mm、肉厚27mm、高さ500mmで2つに分割された、保護カバーを具備しない黒鉛ルツボを用いて、その他は実施例1と同様にしてシリコン単結晶を製造した。
上記実施例1−2及び比較例の黒鉛ルツボ本体の状態についての結果を図5、図6に示す。
図5は、縦軸に黒鉛ルツボの減肉量(mm)をとったグラフである。一方、図6は、縦軸に黒鉛ルツボのSiC化量(mm)をとったグラフである。尚、図5、図6共に横軸は、黒鉛ルツボの使用指数である。使用指数とは、使用時間(hrs)/目標の使用時間(hrs)であり、例えば使用指数1.0は目標の時間まで使用出来たことを示す。
尚、測定位置は、図4に示すように、端面の減肉量及び端面から中心角30°の領域の減肉量とSiC化層とした。
本実施例において、この使用指数は、従来の黒鉛ルツボの使用ライフの実績を1.0として比較したものであり、使用指数1.5は、従来の実績に対し、50%を超えて使用出来たことを意味する。
保護カバーを具備する、本発明の黒鉛ルツボを用いた実施例では、減肉量とSiC化が抑制することができ、黒鉛ルツボの減肉、SiC化による黒鉛ルツボの破損は生じなかった。少なくとも使用指数を1.2まで延ばすことができた。特に、肉厚を厚くした実施例2では、使用指数を1.5以上と更に延ばすことができた。
以上の結果から、シリコン単結晶を製造する際に用いるシリコン単結晶製造装置が、本発明の黒鉛ルツボを備えるものであれば、分割面へのSiOガスの流入・流出を抑制することができるため、局所的なSiC化、減肉の進行を抑制することができ、これにより、黒鉛ルツボの使用ライフの延長が可能となることが実証されたといえる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…チャンバー、 2…シリコン融液、 3…石英ルツボ、 4…黒鉛ルツボ、
41、41a、41b…黒鉛ルツボ本体、 41c…分割面、 42…受け皿、
43…保護カバー、5…支持軸、 6…ヒーター、 7…保温筒、 8…ワイヤ、
9…シードチャック、 10…種結晶、 11…シリコン単結晶、 12…ガス導入口、
13…ガス排出口 14…シリコン単結晶製造装置。

Claims (5)

  1. CZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いられるシリコン融液を収容する石英ルツボを支持する黒鉛ルツボであって、少なくとも、円周方向に2つ以上に分割された黒鉛ルツボ本体と、該黒鉛ルツボ本体の底部を一体的に保持する受け皿とを有し、
    更に、前記黒鉛ルツボ本体の少なくとも分割面の上端部に、分割面へのガスの流入を防止するための保護カバーを具備するものであることを特徴とする黒鉛ルツボ。
  2. 前記保護カバーは、前記黒鉛ルツボ本体の上端部と側面部とを覆うものであることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛ルツボ。
  3. 前記保護カバーは、前記黒鉛ルツボ本体の上端部を100%、側面部を黒鉛ルツボ本体の高さの30〜120%の範囲で覆うものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の黒鉛ルツボ。
  4. 前記保護カバーの材質が、黒鉛、炭化珪素、窒化珪素、及び黒鉛の表層にSiCコート又はPCコートを施したもののいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の黒鉛ルツボ。
  5. 前記黒鉛ルツボ本体の分割面における肉厚を、両分割端面間の円周の中心位置の肉厚に比較して1倍より大きく2倍以下に厚くしたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の黒鉛ルツボ。
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