JP2012012152A - 昇降装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マスト20A,20B間にケージ40を配置し、モータ24とチューン23によってケージ40を昇降させる。各マスト20A,20Bにはガイドレール26A,26Bを設ける。ケージ40は、物品を載置する台座ブロック27と、台座ブロック27の両端部に配置されるサイドブロック28A,28Bを備えた構成とする。サイドブロック28A,28Bの下端は台座ブロック27の端部に球面軸受35を介して連結する。各ガイドレール26A,26Bに係合される直動ガイド42を設け、直動ガイド42と各サイドブロック28A,28Bを球面軸受43,43Sを介して連結する。球面軸受43Sには、マスト20A,20B間方向の伸縮を許容するスライド機構を設ける。
【選択図】図2
Description
この昇降装置は、昇降台の両端部がワイヤやチェーンによって両側のマストに支持され、ワイヤやチェーンをモータによって牽引することで昇降台を上下に昇降させる。また、この種の昇降装置の多くは、昇降台の両端部に各マストの側面を転動する複数のガイドローラが設けられ、これらのガイドローラによるガイド機能によって昇降台の振れを規制している。
この昇降装置は、昇降台のガイドローラ保持部と昇降台の本体部の間に、両者のマスト間方向のスライド変位を許容するスライド機構が設けられている。これにより、両マストの離間距離に若干のばらつきがあっても、ガイドローラ保持部がスライド機構を介して本体部に対して変位することで昇降台の円滑な昇降作動が可能になる。
現在、このような要望もあり、発塵や振動騒音のより少ない直動ガイドを、昇降台のガイド手段に採用することが検討されている。
直動ガイドは、ブロック内に複数のローラや球等の転動要素が収納され、これらの複数の転動要素が、ガイドレールの複数のガイド面に常時密に接触するようになっている。直動ガイドは、これによりガイドレールによって同レールの延出方向と直交する全方向の変位を拘束され、ガイドレールの延出方向に沿って円滑に作動する。
そして、大型の昇降装置においては、両マストの各種の誤差を完全に無くすことは不可能であることから、直動ガイドの採用がむずかしいというのが実情である。
これにより、昇降台が昇降駆動手段から駆動力を受けると、昇降台の両サイドブロックに連結された各直動ガイドが各マストのガイドレール沿って転動しつつ、昇降台が昇降することになる。このとき、両側のガイドレールの平行度や真直度等の誤差によって両ガイドレール間に局部的な反りや倒れがあると、ガイドレールに拘束されて変位する各直動ガイドが対応するサイドブロックに対して球面軸受を介して相対的に首振りするとともに、昇降台の台座ブロックに対する両側のサイドブロックの連結角度が自動的に調整されるようになる。
これにより、直動ガイドが各マストのガイドレールに沿って昇降するときに、両ガイドレールのマスト間方向の距離が変動しても、ガイドレール間の距離の変動がスライド機構によって吸収される。また、マスト間方向の昇降台の位置は、スライド機構を有する直動ガイドと逆側のマストを基準にして一定に維持されることになる。
これにより、昇降台の各サイドブロックが上下の直動ガイドを介してガイドレールに追従し、このとき、各サイドブロックと台座ブロックの連結角度が自動的に調整されるようになる。
特に、この発明の場合、昇降台が、台座ブロックの両端部にサイドブロックの下端を回動自在に連結した構造であることから、両ガイドレールの平行度や真直度等の誤差によってガイドレール間に局部的な反りや倒れのある状況で昇降台を昇降させた場合にも、サイドブロックが台座ブロックの両端部で回動することで、昇降台自体に弾性変形が生じるのを防止することができる。このため、昇降台の弾性変形の反動による大きな荷重が、直動ガイドとガイドレールに急激に作用するのを未然に防止することができる。
したがって、昇降台のガイド手段として不具合なく直動ガイドを採用することができ、直動ガイドによって発塵や振動騒音の発生を抑制することができる。
この実施形態は、昇降装置をスタッカクレーンSCに適用したものである。スタッカクレーンSCは、例えば、クリーンルーム等に用いられ、床面上に敷設された軌道上を走行するようになっている。なお、以下の説明においては、スタッカクレーンSCの軌道に沿った移動方向をX軸方向とし、水平方向のX軸方向と直交する方向をY軸方向、X−Y面と直交する鉛直方向をZ軸方向として説明するものとする。
これらの図に示すように、スタッカクレーンSCは、Z軸方向に沿って延出する角柱状の一対のマスト20A,20Bを備え、これらの各マスト20A,20Bの下端が矩形枠状のベースフレーム10に取り付けられるとともに、上端部同士がX方向に沿って延出する上部フレーム30によって連結されている。ベースフレーム10には、軌道走行用の車輪を回転自在に支持する車輪取り付け部11が設けられている。X軸方向に離間したマスト20A,20Bの間には、ケージ40(昇降台)が昇降自在に配置され、ケージ40上には移載装置100(例えば、フォーク装置)が設置されている。
なお、この実施形態においては、各マスト20A,20Bに設置されるモータ24、駆動スプロケット21、従動スプロケット22、チェーン23等がケージ40(昇降台)に昇降駆動力を付与する昇降駆動手段を構成している。また、この実施形態の場合、各マスト20A,20Bに設置された2つのモータ24は図示しないコントローラによって同期作動するように制御される。
ケージ40は、上部に移載装置100が設定される台座ブロック27と、台座ブロック27のX軸方向の両端部に連結された一対のサイドブロック28A,28Bと、を備えている。
各支軸41に支持される球面軸受43は、マスト20B側の下辺31に配置されるもののみ若干構造が異なり、他の球面軸受43は同様の構造とされている。マスト20B側の下辺31に配置される球面軸受43は、他の球面軸受43と区別して43Sの符号を付すものとする。
これに対し、各直動ガイド42は、略方形状のブロック48内に複数のローラ(図示せず)が循環移動可能に設けられるとともに、そのブロック48が対応するガイドレール26A,26Bの外面に係合されている。ブロック48内の複数のローラは、ガイドレール26A,26Bの傾斜角の異なる各ガイド面46a,46bに転動可能に当接している。直動ガイド42は、ガイドレール26A,26BによってZ軸方向と直交する全方向の変位を拘束されるとともに、ガイドレール26A,26Bに沿う方向(Z軸方向)に円滑に作動する。
ただし、マスト20B側の下辺31に配置される球面軸受43Sは、図6に示すように、球面ブッシュ53の内周面に略円筒状の滑りブッシュ54が取り付けられ、滑りブッシュ54が支軸41上を軸方向にスライド変位できるようになっている。この実施形態においては、この滑りブッシュ54と支軸41が、ケージ40(サイドブロック28B)とマスト20BのX軸方向の相対変位を許容するスライド機構を構成している。
図7は、メインフレーム27aとサイドブロック28Aの連結部を拡大して示した断面図である。
同図に示すように、サイドブロック28A(図3参照)に延設されたブラケット33には軸34が取り付けられ、その軸34の外面に球面ブッシュ57が取り付けられている。そして、メインフレーム27a(図3参照)の端部には上方に延出するフランジ部58が設けられ、そのフランジ部58に球面状の内周面を有する外輪59がリテーナ60を介して取り付けられている。外輪59の内周面には軸34上の球面ブッシュ57が摺動自在に保持されている。
例えば、最下降位置にあるケージ40を上昇させる場合には、両マスト20A,20Bの下端のモータ24を一方向に回転駆動させ、チェーン23によって両サイドブロック28A,28Bの上部の直動ガイド42を上方に引き上げる。これにより、ケージ40は、両ガイドレール26A,26Bに直動ガイド42で案内されつつ所定高さまで上昇する。また、ケージ40を下降させる場合には、モータ24を逆向きに回転駆動させることにより、ケージ40の直動ガイド42が同様にガイドレール26A,26Bに案内されつつ所定高さまで下降する。
図9は、両側のガイドレール26A,26Bが、上下方向の中央領域で最も離間するように弧状に撓んでいる(反っている)ときの、ケージ40や直動ガイド42の動きを模式的に示した図である。
同図中の実線で示すように、ケージ40がガイドレール26A,26Bの中央領域よりも下方にある場合には、サイドブロック28A,28Bの上部側の直動ガイド42がガイドレール26A,26Bの外向きの撓みに追従して外側方向に変位し、その結果、各サイドブロック28A,28Bが台座ブロック27に対して球面軸受35を中心として外向きに傾斜する。また、同図中の仮想線で示すように、ケージ40がガイドレール26A,26Bの中央領域よりも上方にある場合には、サイドブロック28A,28Bの上部側の直動ガイド42がガイドレール26A,26Bの内向きの撓みに追従して内側方向に変位し、その結果、各サイドブロック28A,28Bが台座ブロック27に対して球面軸受35を中心として内向きに傾斜する。したがって、ケージ40がガイドレール26A,26Bに沿って昇降する場合には、ガイドレール26A,26Bの撓み分を吸収するようにサイドブロック28A,28Bが柔軟に傾動し、ケージ40の各部に不要な応力が生じなくなる。
よって、このスタッカクレーンSCにおいて、ケージ40の昇降作動に伴ってケージ40に応力による弾性変形が生じることがなく、弾性変形の反動による大きな荷重が直動ガイド42とガイドレール26A,26Bに急激に作用するのを未然に防止することができる。なお、この実施形態の例の場合、ケージ40の昇降作動時に、サイドブロック28A,28Bがガイドレール26A,26Bの反りや倒れに追従して傾動する際には、ケージ40の下端の滑りブッシュ54(スライド機構)による両サイドブロック28A,28Bの離間幅の自動調整機能も円滑な作動を得るのに寄与している。
すなわち、このスタッカクレーンSCの場合、スタッカクレーンSCの移動開始時や停止時に発生するX軸方向の荷重や、移載装置100の作動時に発生するY軸方向の荷重は、モーメントを伴わずに球面軸受43,43S部分に作用することになるため、直動ガイド42に作用する負荷を容易、かつ正確に算出することができる。したがって、直動ガイド42やガイドレール26A,26Bの強度等を適切に設定することができる。
また、上記の実施形態においては、台座ブロック27のX軸方向の両端部にサイドブロック28A,28Bの下端が球面軸受35を介して連結されているが、この連結部は必ずしも球面軸受35である必要はなく、Y軸方向に沿う支持ピンによって台座ブロック27とサイドブロック28A,28Bを連結するようにしても良い。
21…駆動スプロケット(昇降駆動手段)
22…従動スプロケット(昇降駆動手段)
23…チェーン(昇降駆動手段)
24…モータ(昇降駆動手段)
26A,26B…ガイドレール
27…台座ブロック
28A,28B…サイドブロック
35…球面軸受
40…ケージ(昇降台)
41…支軸(スライド機構)
42…直動ガイド(ガイド手段)
43,43S…球面軸受
46a,46b…ガイド面
54…滑りブッシュ(スライド機構)
SC…スタッカクレーン(昇降装置)
また、上記の実施形態においては、台座ブロック27のX軸方向の両端部にサイドブロック28A,28Bの下端が球面軸受35を介して連結されているが、この連結部は必ずしも球面軸受35である必要はなく、Y軸方向に沿う支軸ピンによって台座ブロック27とサイドブロック28A,28Bを連結するようにしても良い。
Claims (5)
- 鉛直方向に延出するガイドレールを有する一対のマストと、
前記一対のマスト間に配置されて昇降する昇降台と、
前記昇降台に取り付けられ、前記各マストの対応するガイドレールに転動可能に係合されるガイド手段と、
前記昇降台に昇降駆動力を付与する昇降駆動手段と、
を備えた昇降装置において、
前記昇降台は、
前記マスト間方向に延出して上部に物品を載置する台座ブロックと、
この台座ブロックの前記マスト間の延出方向の両端部に配置される一対のサイドブロックと、を備え、
この各サイドブロックの下端が、前記台座ブロックの前記マスト間の延出方向の端部に回動自在に連結されており、
前記各ガイド手段は、複数の転動要素が対応するガイドレールの複数のガイド面に接触して、前記ガイドレールの延出方向と直交する全方向の変位を拘束される直動ガイドによって構成され、
この直動ガイドが前記各サイドブロックに球面軸受を介して連結されていることを特徴とする昇降装置。 - 前記各サイドブロックの下端が、前記台座ブロックの前記マスト間の延出方向の端部に、球面軸受を介して回動自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
- 前記各サイドブロックの下端が、前記台座ブロックの前記マスト間の延出方向の端部に、支軸ピンを介して回動自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
- 前記一方のマスト側の直動ガイドに、前記昇降台と前記一方のマストとのマスト間方向の相対変位を許容するスライド機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の昇降装置。
- 前記各サイドブロックの上下に離間した二ヶ所にそれぞれ前記球面軸受を介して前記直動ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の昇降装置。
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