JP2012009601A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタブ配線の形成による信号波形の劣化を改善可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の信号経路Fが第1の入力端Faに対応して分岐を有さない1本の経路として形成され、複数の第1の入力端Faとこれに対応する複数の半導体パッケージD1の複数の第1の端子T1とが各々複数の第1の信号経路Fのうちの対応する1つによってフライバイ形式にて接続される。半導体パッケージパターン等の構成に限定されるものではなく、分岐を有さない1本の経路としてフライバイトポロジ(Fly−by Topology)が実現可能なものであれば、他の構成とすることも可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、BGA(ball grid array)パッケージを有する半導体装置に用いて好適な技術に関する。
高速半導体装置を用いたシステム設計を行う際、例えばメモリコントローラ半導体装置と複数のメモリ半導体装置を接続する揚合、波形品質確保のため、コマンドやアドレス、クロック信号は各半導体装置を基板上同一配線で繋ぐフライバイトポロジ(Fly-by Topology)が一般的に用いられている。
特許文献1には、その図19に、メモリコントローラとメモリモジュール(DIMM)との接続にフライバイトポロジを採用したメモリインタフェースが開示されている。具体的には、クロック信号CK、アドレス信号Addおよびコマンド信号CMDの信号線については、メモリコントローラ90とDIMMモジュール91上の複数のSDRAM92−1〜92−nとがデイジーチェーンで配線され、データ信号DQおよびデータストローブ信号DQSの信号線については、メモリコントローラ90からDIMM91条の複数のSDRAM92−1〜92―nに夫々配線されているメモリインタフェースが開示されている。
特開2009−75682号公報
図26は、複数のメモリ装置などとされる半導体装置DがフライバイトポロジにてメモリコントローラCに対してデイジーチェーンで接続、つまり直列に接続をおこなう状態を説明するための模式図である。このようなフライバイトポロジにおいては、個々の半導体装置Dにおいて、例えば一面に設けられた複数の端子(ボール)のうち対応する端子Tに対してそれぞれの半導体装置Dが直列になるように複数種の信号配線を接続することが必要である。
しかし、この図26に示すフライバイトポロジを複数のコマンドやアドレス信号等に対して適応する場合、複数のメモリ装置などとされる半導体装置Dが実装されている基板表層にてこの半導体装置DとメモリコントローラCなどとを接続する信号配線を行おうとすると、同一面内にある半導体装置Dの複数の端子Tに対して接続する複数の信号配線Fどうしが同一面上となり交差してしまうことになる。その一例を図27に示す。図27は、基板表層のみに設けられた配線F,W0に接続される半導体装置Dの一面における端子配置と配線接続状態とを示すものであり、左右に伸延する配線Fに接続された端子Tと、右のみに伸延した配線W0に接続される端子T’の位置関係を説明するものである。
図27では単一の半導体装置Dのみを示しているが、この配線Fが図示左側および右側に延長されてそれぞれ隣接する半導体装置D等に接続されることになる。つまり、図27においては、半導体装置Dの一面のうち図示右側に位置する端子(ボール)Tに接続されるフライバイ配線Fは、それぞれ図示しないが隣接する同様の半導体装置の端子(ボール)または図26のメモリコントローラCか終端抵抗Rtに接続される。また、図27においては、半導体装置Dの一面のうち図示左側に位置する複数の端子(ボール)T’に接続される配線W0も図示しないが右側にある他の構成に接続されている。しかし、図示するように、上述した右側に位置する端子Tに接続されたフライバイ配線Fは、図の左右両側へ伸延して接続可能な状態とされているが、左側に位置する端子T’に接続された配線W0は図の左側へは伸延しているが、右側へは符号Xで示す破線のように、伸延できずに、フライバイ配線Fと基板表面上で交差してしまう。
さらに、右側に位置するボールのうち複数のT”と左側に位置するボールのうち複数のT”とは、現状ではボール間とボールとの間には、限られた本数の配線しか通せないため半導体装置Dが実装されている基板の表層のみの配線を用いてフライバイ系信号をそれぞれ1本の配線で接続することが困難であり、基板表層でのフライバイ配線はできない。そのため、図28〜図30に示すように、フライバイトポロジを実現するには、多層基板Bの内層にメインの配線を設け、半導体装置の信号端子付近にビアVを配置して接続することになる。
図28は、多層基板において表層以外の配線によってフライバイ信号を接続するものであり、多層基板の内層または裏面側層に設けたメイン配線と接続したフライバイトポロジを示す模式平面図であり、図29は、図28の模式図における多層基板内層に設けた配線を示す模式断面図であり、図30は、図28および図29の接続状態とされたモジュールの表面を示す図である。
これらの図からも明らかなように、多層基板Bの内層にフライバイ配線を設け半導体装置の信号端子付近にビアVを配置して接続した場合には、半導体装置D00,D01…Dの信号端子TからビアVまでの表層配線F01とビアVとがスタブ配線Sになっている。信号端子TからビアVまでの表層配線F01がスタブ(枝分かれ部分)となっている状態は図28に表されており、ビアVがスタブ(枝分かれ部分)となっている状態は図29から解る。このスタブ配線の一部になっているビアVまでの表層配線F01の配線長は、多層基板を用いているシステムでは極力短くすることができる。
しかし、デジタル・コンシューマ機器のように低コストが要求されるようなシステムでは4層基板が使用されるため、スタブ配線の一部になっているビアVまでの表層配線F01の長さを短くすることが困難である。
4層基板においてはディジタル信号を伝送する際に信号波形をいかに正しく伝送するかという信号品質(Signal Integrity;シグナルインテグリティ)を考慮し、2層目、3層目は電源/GND(グランド)プレーンを設けるのが一般的である。このため、フライバイトポロジを実現するには、半導体装置が実装されていない側(裏面側)の基板表層にて全てのフライバイトポロジ適用信号線を配線する必要がある。この状態では、クロストーク・ノイズを考慮すると、配線間隔として基板のデザイン・ルールで規定される間隔以上の配線間隔をあける必要がある。したがって、このようなデジタル・コンシューマ機器のように低コストが要求される様なシステムでは、上述したとおり、半導体装置が実装されていない側(裏面側)の基板表層にて全てのフライバイトポロジ適用信号線を配線する4層基板を用いた場合には、他の2層目、3層目にフライバイトポロジ適用信号線を配線可能な多層基板を用いた場合に比べて、半導体装置の信号端子からビアまでの配線長すなわちスタブ長が長くなってしまう。
スタブ長が長くなると、反射ノイズの影響により波形品質が悪くなるという問題があった。特に、信号のデータレートをより高速にした場合、反射により波形品質がさらに悪化するという問題があった。
本発明においては、上記事情を考慮してなされたものであって、今後動作速度の高速化が進んだ場合に、フライバイトポロジにおける基板配線の「スタブレス」すなわちスタブを極力短くし好ましくはスタブをなくした状態を実現し、同一信号を持つ各半導体装置の接続端子である半田ボールが完全な数珠繋ぎでつながる様、ビアやスタブ配線を一切なくしたフライバイ構造の配線可能な半導体装置を提供することにある。
本発明の半導体装置は、第1の面を有する配線基板と、該第1の面上に設けられる複数の第1の入力端と、該第1の入力端にそれぞれ接続される複数の第1の信号経路と、この第1の入力端から供給される第1の信号を第1の端子を介して受ける複数の半導体パッケージと、を具備し、
前記複数の半導体パッケージが前記第1の端子を介して前記第1の信号を受けるように前記第1の面上に実装されるとともに、
前記第1の信号経路が前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成され、前記複数の第1の入力端とこれに対応する前記複数の半導体パッケージの前記複数の第1の端子とが各々前記複数の第1の信号経路のうちの対応する1つによってフライバイ形式にて接続されることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記複数の第1の信号が、クロック信号、アドレス信号、コマンド信号のいずれか1以上を含むことがより好ましい。
この構成によれば、前記第1の信号経路が複数の半導体パッケージに対して分岐を有さないように接続されているので、この第1の信号経路をスタブレスな構造として、フライバイトポロジを実現することが可能となる。
ここで、分岐を有さないとは、例えばメモリコントローラなどのフライバイ信号の発信側に接続される第1の入力端からたとえば終端抵抗とされるその終端まで、複数の半導体パッケージのそれぞれの第1の端子に対して、フライバイ信号における反射ノイズの影響で波形品質が悪くならない形状とされていることを意味する。具体的には、スタブレス、すなわち、スタブ配線が形成されておらず、信号波形の劣化が生じないものとされる。
本発明の半導体装置には、前記複数の第1の信号経路が、前記配線基板の内部を介さずに配置されることが可能である。
また、本発明において、前記複数の半導体パッケージには、前記第1の信号経路に接続されない複数の第2の端子を有するとともに、 前記複数の半導体パッケージの前記第1の面に対向する面には、前記複数の第1の端子が形成される第1の領域と前記複数の第2の端子が形成される第2の領域と前記第1の領域と前記第2の領域とに挟まれた第3の領域とを備え、
前記複数の第1の信号経路が、前記第3の領域を通過して形成される手段を採用することもできる。
また、前記複数の半導体パッケージには、前記第1の信号経路に接続されない複数の第2の端子を有するとともに、前記複数の半導体パッケージの前記第1の面に対向する面には、前記複数の第1の端子が形成される第1の領域と前記複数の第2の端子が形成される第2の領域とを備え、
前記第1の領域における前記第1の端子の配置間隔が前記複数の第2の領域における前記第2の端子の配置間隔よりも大きく設定されるとともに、前記第1の信号経路が、前記第1の端子間を通過して形成されることができる。
本発明においては、前記複数の半導体パッケージには、前記第1の端子に接続される導通経路と、この導通経路に接続されて前記第1の端子にそれぞれ対応する第3の端子とが設けられ、
前記第1の面上において前記第1の信号経路が断続的に形成されるとともに、該断続的な第1の信号経路の各端部がそれぞれ前記第1の端子と前記第3の端子とに接続されることで前記第1の信号経路が複数の前記導通経路により接続されて前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成されることが望ましい。
さらに、前記導通経路が、前記半導体パッケージの内部または外部に設けられることが可能である。
また、前記配線基板には前記第1の面と異なる階層における第2の信号経路が設けられ、
を有し、前記第1の信号経路以外の
前記第1の面上において前記第1の信号経路が断続的に形成されるとともに、該断続的な第1の信号経路の各端部がそれぞれビアによって前記第2の信号経路に接続され、前記第1の信号経路が前記第2の信号経路により接続されて前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成されることがある。
本発明によれば、複数の半導体装置を"スタブレス"にフライバイ構造で接続可能としたので、反射による信号波形品質悪化を防止することができ、さらなるデータレートの高速化にも対応することが可能となるという効果を奏することができる。
本発明に係る半導体装置の第1実施形態を示すもので、内部配線Wに接続されない基板表層のみでフライバイ配線Fを説明する模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第1実施形態の一例として、図1の半導体装置の具体例であるモジュール表面におけるを示す模式平面図である。 本発明に係る半導体装置の第1実施形態における半導体パッケージの底面端子配置を示すもので、フライバイ領域(第1の領域)R1と、フライバイ領域R1から距離Xだけ離間した他の信号領域(第2の領域)R2と、これらフライバイ領域R1と他の領域R2とに挟まれた中央部分でボールTが形成されていない配線接続用領域(第3の領域)R3とを示す平面図である。 本発明に係る半導体装置の第1実施形態における半導体装置の配線構造として、半導体装置の基板表層におけるフライバイ配線を含む配線状態および基板表層における半導体パッケージ裏面の端子(ボール)配置およびその接続状態を示す模式平面図である。 本発明に係る半導体装置の第2実施形態における半導体装置の配線構造として、半導体装置の基板表層におけるフライバイ配線を含む配線構造および半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置およびその接続状態を示す模式平面図である。 図5における半導体パッケージの底面端子及び配線配置の拡大図である。 半導体パッケージの底面における同一ピッチとされる端子配置を示す図である。 本発明に係る半導体装置の第2実施形態における半導体パッケージの底面端子配置の他の例として(a)縦ピッチボールTを一行おきまたは一列おきに半ピッチ分ずらして配置する市松模様型とする、(b)行方向と列方向のピッチを基本的に等しい状態に設定して配線用領域R3を設けた状態を示す模式図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態に係り、導通経路の半導体パッケージ内部での接続状態の一例を示すために半導体パッケージ及びその周辺付近を示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態に係り、導通経路の半導体パッケージ内部での接続状態の他の例を示すために半導体パッケージ及びその周辺付近を示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態に係り、導通経路の半導体パッケージ内部での接続状態の他の例を示すために半導体パッケージ付近を示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態における複数の半導体パッケージ付近を示すもので、図11に示した半導体パッケージD3cを複数有する構成の場合においてフライバイ配線の接続状態を示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態における半導体パッケージでショートさせる端子の例を示す模式図であり、半導体パッケージにおいてスタブレスに接続するために別に設けたパッケージに設けられる導通経路とこの導通経路によりショートさせるボールの配置関係及び導これらの接続状態を示すための平面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態における半導体パッケージ付近を示すもので、図13に示す別パッケージおよびこの別パッケージを載置した半導体パッケージにおける接続状態を示すための半導体パッケージ及びその近傍を示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態における半導体パッケージ付近を示すもので、半導体パッケージにおいてスタブレスに接続するために導通経路として、半導体パッケージD3d内部とは接続されていない少なくとも一組の端子を半導体パッケージ裏面においてショートさせる回路Ffbが設けられた状態を示すための模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態を示す模式断面図であり、第1実施形態における図1に対応して半導体装置30を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態における半導体装置のフライバイ配線を含む配線構造および半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置を示すとともに、半導体パッケージに設けられた導通経路と端子としてのボールとの接続状態とを示す模式平面図である。 本発明に係る半導体装置の第3実施形態における基板上の配線を示す模式図であり、図17における半導体装置の基板表層におけるフライバイ配線を含む配線構造および基板表層における半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置を示す模式平面図である。 本発明に係る半導体装置の第4実施形態を示すもので、スタブレスに内部配線を用いてフライバイ配線を接続した状態を説明する模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第4実施形態における半導体パッケージの底面端子配置および端子と基板表面配線との関係を示すもので、フライバイ領域(第1の領域)R1と、フライバイ領域R1に隣接した他の信号領域(第2の領域)R2と、フライバイ領域R1の端子と、内部階層に設けられたフライバイ配線と接続されるビアVとの基板表面における接続状態を示す模式平面図である。 本発明に係る半導体装置の第4実施形態における半導体装置の基板表層における配線と基板内部に位置する配線層と厚み方向配線との接続状態を含む配線構造および基板表層における半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置およびその接続状態を示す模式平面図である。 本発明に係る半導体装置の第4実施形態の他の例とされる半導体パッケージの底面端子配置および端子と基板表面配線との関係を示すもので、内部フライバイ配線Fgから基板表面の端子T1への接続をpad-on-viaとはせずに、内部フライバイ配線Fgへ接続するビアV1とビアV2とを平面視して別の位置に設けるものを示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の第4実施形態の他の例とされる半導体パッケージの底面端子配置および端子と基板表面配線との関係を示すもので、ボールT1への接続と、内部フライバイ配線Fgの一端部へ接続するビアV1とを別に設けるとともに、ボールTを一行おきまたは一列おきに半ピッチ分ずらして配置する市松模様型とした状態を示す模式平面図である。 スタブ長と信号波形との関係を示すグラフであり、(a)図4に示すスタブ長のないスタブレス構成における信号のシミュレーション波形、(b)(a)の構成よりスタブ長が長い構成における信号のシミュレーション波形、(c)(b)の構成よりさらにスタブ長が長い構成における信号のシミュレーション波形である。 図24に対応して高速データの場合のスタブ長と信号波形との関係を示すグラフである。 複数のメモリ装置などとされる半導体装置DがフライバイトポロジにてメモリコントローラCに対してデイジーチェーンで接続、つまり直列に接続をおこなう状態を説明するための模式平面図である。 基板表層のみに設けられた配線F,W0に接続される半導体パッケージDの一面における端子配置と配線接続状態との関係を示すものであり、左右に伸延する配線Fに接続された端子Tと、右のみに伸延した配線W0に接続される端子T’の位置関係を説明する模式平面図である。 多層基板において表層以外の配線によってフライバイ信号を接続するものであり、多層基板の内層または裏面側層に設けたメイン配線と接続したスタブを有するフライバイトポロジにおける模式平面図である。 図28の模式図におけるスタブを有するフライバイトポロジにおける多層基板内層に設けた配線を示す模式断面図である。 図28および図29の接続状態のスタブを有する半導体装置とされたモジュールの表面を示す模式平面図である。
以下、本発明に係る半導体装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における半導体装置10を示す模式断面図であり、図2は、図1に示す半導体装置10の一例であるモジュールの表面における半導体パッケージのフライバイ配線による接続状態を模式的に示す平面図であり、図3は、本実施形態における半導体パッケージの底面端子配置を示す平面図である。
本実施形態における半導体装置10は、図1〜図3に示すように、基板(配線基板)Bと、前記基板B上に搭載された複数の半導体パッケージD1と、を備えて構成される。前記基板Bは絶縁性の板部材で構成されており、図2に示すように、基板Bの上面(第1の面)には多数の配線ライン(第1の信号経路)Fが形成され、図1に示すように、基板Bの内部にはこれ以外の配線Wが高さの異なるように複数層積層されて配置されている。
基板B上面においては、図1に示すように、複数の半導体パッケージD1が、たとえば、メモリD10、メモリD11、メモリD12、…、とされて設けられ、配線ラインFの一端(第1の入力端)Faが、メモリコントローラCに接続されることや、基板Bがモジュールとされて、図2に示すように、複数の半導体パッケージD1に対して接続される配線ラインFの一端が入力端Faとして基板B端部に形成される構成とすることができる。
配線ライン(第1の信号経路)Fは、クロック信号、アドレス信号、コマンド信号のいずれか1以上を含む信号を伝達するフライバイ配線とされ、このフライバイ配線Fは、図3に示すように、半導体パッケージDの裏面に金属のボールとして形成された端子(ボール)Tをアレイ状に配設したBGA方式によって半導体パッケージD1と接続される。ボールTの配設位置は、例えば標準のボール間隔(ピッチ)が0.8mmとされることができる。
図1,図2においてメモリD10、メモリD11、メモリD12、…、とされた半導体パッケージD1の裏面(基板Bの第1の面に対向する半導体パッケージD1の面)におけるボールTは、図3に示すように、図2と図1のフライバイ配線Fに接続する複数のボール(第1の端子)T1と、それ以外の配線WにビアVを介して接続される複数のボール(第2の端子)T2とを少なくとも有し、これ以外に、図示しないが強度上の観点から配置され半導体パッケージD1を基板B上に支持固定するために設けられ信号配線に接続されないサポートボールを有することもできる。
半導体パッケージD1の裏面においては、これらボールT1とボールT2とが、図3に示すように、この半導体パッケージD1の裏面の片側にボール(第1の端子)T1が複数形成されるフライバイ領域(第1の領域)R1と、このフライバイ領域R1の反対側となる裏面にフライバイ領域R1から距離Xだけ離間して複数のボール(第2の端子)T2がまとめて形成される他の信号領域(第2の領域)R2と、これらフライバイ領域R1と他の領域R2とに挟まれた中央部分でボールTが形成されていない配線接続用領域(第3の領域)R3とを備える。
図4は、本実施形態における半導体装置の基板表層におけるフライバイ配線を含む配線構造および基板表層における半導体パッケージ裏面の端子(ボール)配置およびその接続状態を示す模式平面図である。
この図4に示す例では、複数の半導体パッケージD1として隣接して整列するように設けられたメモリD10、メモリD11、メモリD12と、メモリコントローラCの入力端Faから図1または図2に示す基板Bの表面に設けられた終端Rtに至る複数のフライバイ配線Fが設けられる。
メモリD10、メモリD11、メモリD12は、図の左右方向とされる接続方向に隣接して整列して基板表面に配置されるとともに、この接続方向に対してそれぞれフライバイ領域R1と他の領域R2とが平面視して同じ位置となるように基板B表面に配置されている。また、これらメモリD10、メモリD11、メモリD12における複数のボールT1の用途配置順列はいずれもほぼ同じであり、それぞれの総ボール数に依らないものとする。
フライバイ配線Fは、図4に示すように、例えばメモリコントローラCの端子Tにその一端Faが接続されるとともに基板B表面を引き回されてメモリ半導体D10のフライバイ端子T1に接続され、配線接続用領域R3を通過して他の領域R2のボールT2を回避して次のメモリ装置D11のフライバイ領域R1のボールT1に接続され、配線接続用領域R3を通過して他の領域R2のボールT2を回避して終端Rtに至るように設けられる。このようにフライバイ配線Fは、信号波形が悪化する反射ノイズを発生するスタブとなる分岐を有さずに構成されている。
図24に図4に示す構成における信号のシミュレーション波形を示す。図24(a)は本実施形態のようにスタブ長がない場合で、(b)、(c)になるにつれてそれぞれスタブ長が長くなった場合の波形を示している。この図からも明らかなように、スタブ長が長くなると、反射ノイズの影響により波形品質が悪くなり、本実施形態のようにスタブがない場合のトポロジの波形品質が最も良好であることがわかる。
図25は、信号のデータレートを図24に示したシミュレーションよりもさらに高速の信号の場合のシミュレーション波形である。図25(a)は図24(a)に対応したスタブ長なしの波形、図25(b)は図24(b)に対応したスタブ長の場合における波形を示している。
これら図24、図25に示すように、多層基板を用いた時の極力短く配線されたスタブ長であっても、データレートが高速になってくると反射により波形品質が悪化していることがわかる。
今後、動作速度の高速化が進んだ場合、フライバイトポロジにおける基板配線の「スタブレス」すなわちスタブを極力短くし好ましくはスタブをなくした状態の必要性がより一層大きくなることが予想される。
本実施形態においては、同一信号を持つ各半導体パッケージD1の接続端子であるボールT1が完全な数珠繋ぎでつながるように、ビアやスタブ配線を一切なくしたフライバイ構造の配線を実現することが可能となり、これにより、複数の半導体パッケージD1を「スタブレス」なフライバイトポロジで接続して、高速度が要求される半導体装置において波形品質の悪化を防止することが可能となる。
本第1実施形態においては、各半導体パッケージD1において、フライバイ領域R1におけるボールT1の配置間隔(ピッチ)と他の領域R2におけるボールT2のピッチとを等しくし、配線接続用領域R3の幅寸法Xがこれら両方の領域R1,R2におけるピッチよりも大きいように設定して、複数のフライバイ配線Fを複数の半導体パッケージD1の間で同一面内において接続可能としたが、これ以外にも、第2実施形態として、図5、図6に示すように、各半導体パッケージD2において、配線接続用領域R3を設けることなく、フライバイ領域R1と他の領域R2とを隣接するように設けるとともに、フライバイ領域R1において、ボールT1のピッチを拡げるようにすることも可能である。
図5は、本発明の第2実施形態における半導体装置の基板表層におけるフライバイ配線を含む配線構造および半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置およびその接続状態を示す模式平面図であり、図6は、本実施形態における半導体パッケージの底面端子配置を示す平面図である。
この場合、図5、図6に示すように、第1実施形態と同様に接続方向となる図の左右方向に隣接するように半導体パッケージD20、半導体パッケージD21、半導体パッケージD22画は位置されている。これら半導体パッケージD20、半導体パッケージD21、半導体パッケージD22においては、接続方向と直行する端部側である図の上側となる部分がフライバイ領域R1とされ、フライバイ領域R1に隣接して図の下側となる部分が他の領域とされている。
半導体パッケージD20、半導体パッケージD21、半導体パッケージD22のフライバイ領域R1においては、上から一列目と2列目のボールT1の接続方向と直行する上下の間隔である縦方向のピッチP1と、上から2列目と3列目のボールT1の間隔である縦方向のピッチP2が、それぞれ、略均等とされる他の領域R2におけるボールT2の列間のピッチP0よりも大きくなり、フライバイ配線Fを図の左右方向(行方向)に引き回せるようになっている。
このピッチP1とされる部分における配線本数は、一列目のボール数と2列目のボール数の和から2を減じたものとなる。同様に、ピッチP2とされる部分における配線本数は、2列目のボール数と3列目のボール数の和から2を減じたものとなる。ピッチP1,P2はこれらの配線本数を引き回し可能な寸法に設定されればよい。つまり、配線間隔は当該配線部分の両脇にある端子数の和から2を減じた配線本数を配置可能に設定することができる。
第2実施形態によれば、半導体パッケージD2におけるボールT1、T2を配置することで、図7に示すように、フライバイ領域R1と他の領域R2との間隔を開けずに全てのボールピッチを同一にする従来の配置ではできなかったフライバイトポロジをスタブレスに実現することが可能となる。
また、第1および第2実施形態においては、フライバイ領域R1のボールT配置を基板縞型として、図8(b)に示すように、基本的に行方向と列方向のピッチを等しい状態に設定し、ここから配線接続用領域R3を形成するか、または、列ピッチP1,P2を拡げるように配置をしたが、図8(a)に示すように、ボールTを一行おきまたは一列おきに半ピッチ分ずらして配置する市松模様型とすることも可能である。このように各行又は各列でずらしたボール配置パターンとした場合、フライバイ配線Fの引き出しをより効率的におこなうことができる。
このように、第1実施形態および第2実施形態においては、半導体パッケージのパッケージボールの並び(配置)とその信号割り当てを設定することにより、スタブレスなフライバイ構造配線を可能にする。また、ボール配置に加えてパッケージ構造を工夫することでもフライバイ構造をスタブレスにすることが可能である。
以下、本発明に係る半導体装置の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
上述した図1から図8に示す第1および第2実施形態で対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、図9〜図18に示すように、フライバイ配線Fがスタブレス基板B表面上で複数部分F01,F02…のように断続的に分割されつつ配置され、かつ、スタブレスを実現した構成とされる。
図16は、第1実施形態における図1に対応する本実施形態における半導体装置30を示す断面図であり、本実施形態の半導体装置30においては、図16に示すように、メモリコントローラCのボールTと入力端Faで接続されたフライバイ配線Fは、複数の半導体パッケージD3のうち、最初に接続されるメモリ(半導体パッケージ)D30のボール(第1の端子)T1の位置から、このボールT1と半導体パッケージD30の内部又はその表面で接続されるボール(第3の端子)T3の位置までが分断されて、入力端Faから半導体パッケージD30のボールT1までがフライバイ配線F00とされ、半導体パッケージD30のボールT3の位置から次の半導体パッケージD31のボールT1までがフライバイ配線F01とされ、同様に、半導体パッケージD31のボールT3の位置から次の半導体パッケージD32のボールT1までがフライバイ配線F02…とされて分岐を有さない1本の経路として形成されている。
図17は、本発明の第3実施形態における半導体装置のフライバイ配線を含む配線構造および半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置を示すとともに、半導体パッケージに設けられた導通経路と端子としてのボールとの接続状態とを示す模式平面図であり、図18は、図17における半導体装置の基板表層におけるフライバイ配線を含む配線構造および基板表層における半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置を示す模式平面図である。
メモリ(半導体パッケージ)D30,D31,D32,…には、図16、図17、図18に示すように、それぞれ、その内部に導通経路Fbが設けられてパッケージ裏面となる同一のパッケージ配置面に配置されたボールT1とボールT3とを接続するようになっている。
なお、図18においては、図16、図17に示す構成の基板B上面における配線を示している。このように本実施形態では、それぞれの半導体パッケージD3において、それぞれフライバイ配線Fに対して対応するボールT1とボールT3との一組が必須となり、これらのボールT1,T3の組がフライバイ配線Fの本数分設けられる。
図9〜図11は、本実施形態における導通経路の半導体パッケージ内部での接続状態を示すための半導体パッケージ及びその近傍における各例を示す模式断面図である。なお、図9以降の断面時において、基板B内部に設けられた他の配線Wは適宜省略することがある。
具体的には、図16、図17、図18に示した半導体パッケージD30,D31,D32,…の内部に設けられてボールT1とボールT3とを接続する導通経路の構成例として、図9に示すように、半導体パッケージD3aの内部で、LSI等のチップDtが載せられたパッケージ基板Db内部に設けた配線(導通経路)Fbを有する構成とすることや、図10に示すように、半導体パッケージD3bの内部で、パッケージ基板Dbに搭載するLSIチップDt内部配線(導通経路)FtbとボールT1,T3までの貫通電極(導通経路)DVでショートさせる構成とすることや、図11に示すように、半導体パッケージD3cの内部で、パッケージ基板Dbに搭載され貫通電極DtVによって接続される複数のLSIチップDtの最上段にフライバイ信号用の配線(導通経路)Fcbを設ける構成とすることができ、図9、図10、図11に示した構成により、フライバイ配線Fに対して対応する一組のボールT1とボールT3とを導通経路によりショートさせる構成とすることができる。
図12は、図11に示した半導体パッケージD3cを複数有する構成の場合においてフライバイ配線の接続状態を示す模式断面図であり、この構成の場合、図16、図17、図18に示した入力端Faから入力されたフライバイ信号は、図12に示すように、フライバイ配線F00、フライバイ配線F00に接続されたメモリD3c0のボールT1、このボールT1からパッケージD3c0内部を、ボールT1に接続されたパッケージ基板Dbの貫通電極DV、複数のチップDtを貫通する貫通電極DtVを介して、最上部に積層されたチップDtに設けられた導通経路Fcb、貫通電極DtV、貫通電極DV、ボールT1とは別のボールT3までパッケージD3c0内部を巡って伝達される。次いで、基板B表面上でボールT3に接続されたフライバイ配線F01、フライバイ配線F01に接続されたメモリD3c1のボールT1、このボールT1からパッケージD3c1内部を、ボールT1に接続されたパッケージ基板Dbの貫通電極DV、複数のチップDtを貫通する貫通電極DtVを介して、最上部に積層されたチップDtに設けられた導通経路Fcb、貫通電極DtV、貫通電極DV、ボールT1とは異なるボールT3までを伝達される。
そして、基板B上面でこのボールT3に接続されたフライバイ配線F02、フライバイ配線F02に接続されたメモリD3c2のボールT1から、パッケージD3c2内部をこのT1に接続されたパッケージ基板Dbの貫通電極DV、複数のチップDtを貫通する貫通電極DtVを介して、最上部に積層されたチップDtに設けられた導通経路Fcb、貫通電極DtV、貫通電極DV、ボールT1とは別のボールT3、このボールT3に接続されたフライバイ配線F03、…を伝達されることになる。これにより、分岐がなくスタブレスなフライバイトポロジを有するフライバイ配線Fが形成されている。
ここで、貫通電極DtVを用いてかつスタブレスとするためには、最上部のチップDt上に配線(導通経路)Fcbを設け、パッケージ厚さ方向の貫通電極DV,DtVはそれぞれその全長を用いることが必要となる。
さらに、本実施形態においては、図14に示すように、パッケージD3dのさらに上側に図13に示すように各ボール(端子)Tをショートさせる回路Febを有するパッケージD3eを設けることができる。
図13は、本実施形態における半導体パッケージにおいてスタブレスに接続するために別に設けたパッケージに設けられる導通経路とこの導通経路によりショートさせるボールの配置関係及び導これらの接続状態を示すための平面図であり、図14は、図13に示す別パッケージおよびこの別パッケージを載置した半導体パッケージにおける接続状態を示すための半導体パッケージ及びその近傍を示す模式断面図である。
本実施形態においては、パッケージD3dの上側に接続され導通経路となるパッケージD3eを設けることで、このパッケージD3eとボールT1,T3とを接続させることができる。この場合、パッケージD3dにおけるパッケージ厚さ方向の貫通電極DVはその全長を用い、また、パッケージD3dのチップDt上からパッケージD3eにおいては経路が分岐しないように接続され、パッケージD3d内部の回路構成には大幅な変更を行うことなくスタブレスなフライバイ構造が実現できる。
図15は、本実施形態における半導体パッケージにおいてスタブレスに接続するために導通経路として、半導体パッケージD3d内部とは接続されていない少なくとも一組の端子を半導体パッケージ裏面においてショートさせる回路Ffbが設けられた状態を示すための模式断面図である。
さらに、本実施形態においては、図15に示すように、パッケージD3dの下側に図13に示したように各ボール(端子)Tのうち、フライバイ配線に接続するボールT1とボールT3とだけをショートさせる回路Ffbを設け、パッケージD3dの下側で基板Bに対向する面において、このパッケージD3d内部とは接続されていないボールT1とボールT3とを接続させることができる。この場合、ボールT1とボールT3とをスタブレスに接続可能なように、ボールT1とボールT3およびこれらの間のボールの配置は、そのピッチを拡げるようにすることもできる。
本実施形態においては、いずれも、フライバイ系信号に対して、基板表面から半導体パッケージへの入力、半導体パッケージ(チップ)から基板への出力となる各々2つで一組のボールを対応させ、多層基板中の基板内配線層ではなく、チップとボールとの間に配置されたパッケージ基板等を通し、複数の半導体パッケージのコマンド及びアドレス信号対応するボールを1本の配線で枝分かれなく接続する。つまり、フライバイ系信号が、DRAMチップ等である半導体パッケージ内を入力側のボールから出力側のボールへスタブなしの状態、もしくは信号波形に影響が出ない程度に非常に短いスタブしかない状態で通過することを可能とする。これにより、マザーボード等とされる基板内の配線を用いた場合よりも、スタブの影響を小さくする。
つまり、本実施形態においては、半導体パッケージD3のボール配置面にある2つ1組の同一信号用ボールT1,T3が、パッケージD3の内部又は外部でショートされ電気的に繋がることになる。半導体パッケージに到達したフライバイ信号は、一度基板B表面から離れ、パッケージD3内部又は外面に用意された一定の信号経路Fを進み、スタブを発生させることなく、再度別の配線を通って基板B表面のフライバイ配線Fに戻っていく。その基板B面上のフライバイ配線Fを異なる半導体パッケージD3へ接続するように、それぞれのフライバイ配線Fを構成することで、スタブレスなフライバイトポロジの配線が実現可能になる。これにより、パッケージを実装する基板領域でのボール間配線や、複雑な配線の引き回しを回避でき、容易に基板配線と半導体パッケージのボールを繋げることができ、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る半導体装置の第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
上述した図1から図18に示す第1〜第3実施形態で対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の半導体装置40においては、図19〜図23に示すように、第3実施形態で示す分断されたフライバイ配線Fの複数部分F30,F31,F32…が、その途中でさらに分割されるとともに他の階層の配線へと分岐しないように接続され、かつ、スタブレスを実現した構成とされる。
図19は、本実施形態における半導体装置40を示すもので、スタブレスに内部配線を用いてフライバイ配線を接続した状態を説明する模式断面図であり、図20は、本実施形態における半導体パッケージの底面端子配置および端子と基板表面配線との関係を示すもので、フライバイ領域(第1の領域)R1と、フライバイ領域R1に隣接した他の信号領域(第2の領域)R2と、フライバイ領域R1の端子と、内部階層に設けられたフライバイ配線と接続されるビアVとの基板表面における接続状態を示す平面図である。
図21は、本実施形態における半導体装置の基板表層における配線と基板内部に位置する配線層と厚み方向配線との接続状態を含む配線構造および基板表層における半導体パッケージ裏面の端子としてのボール配置およびその接続状態を示す模式平面図である。
この図19に示す例では、複数の半導体パッケージD4として隣接して整列するようにメモリD40、メモリD41、メモリD42と、これに接続されるメモリコントローラCが設けられ、基板B1表面に位置するメモリコントローラCの入力端Faから図21に示す基板B1の表面に設けられた終端Rtに至る分岐しないフライバイ配線として、図19に示すように、基板B1の表面に設けられたフライバイ配線F40、フライバイ配線F41、フライバイ配線F42、および、基板B1の厚み方向内側位置となる階層に第2の信号経路として内部フライバイ配線Fg0、内部フライバイ配線Fg1、内部フライバイ配線Fg2、内部フライバイ配線Fg3、が設けられる。これら基板B1の表面のフライバイ配線F40、フライバイ配線F41、フライバイ配線F42、および、基板B1の厚み方向内側位置となる階層の内部フライバイ配線Fg0、内部フライバイ配線Fg1、内部フライバイ配線Fg2、内部フライバイ配線Fg3、は、ビアVによって接続されて分岐のないフライバイ配線を形成している。
具体的には、図19に示すように、基板B1表面の入力端Faに基板B1の表面のフライバイ配線F40の一端が接続される。フライバイ配線F40の他端はビアV0により内部フライバイ配線Fg0の一端が接続される。内部フライバイ配線Fg0の他端はビアV2により基板B1表面のフライバイ配線F40の一端に接続される。フライバイ配線F40の他端はメモリD40のボールT1に接続されるとともに、このフライバイ配線F40の他端およびメモリD40のボールT1はビアV1を介して内部フライバイ配線Fg0の一端に接続されている。
内部フライバイ配線Fg1の他端はビアV2により基板B1表面のフライバイ配線F41の一端に接続される。フライバイ配線F41の他端はメモリD41のボールT1に接続されるとともに、このフライバイ配線F41の他端およびメモリD41のボールT1はビアV1を介して内部フライバイ配線Fg2の一端に接続されている。
内部フライバイ配線Fg2の他端はビアV2により基板B1表面のフライバイ配線F42の一端に接続される。フライバイ配線F42の他端はメモリD42のボールT1に接続されるとともに、このフライバイ配線F42の他端およびメモリD42のボールT1はビアV1を介して内部フライバイ配線Fg3の一端に接続されている。以下、メモリD43以降が同様に接続される。
内部フライバイ配線Fg0、内部フライバイ配線Fg1、内部フライバイ配線Fg2、内部フライバイ配線Fg3、は、図19に示すように、基板B1の厚み方向内側の同じ深さ位置となる同階層に設けられる。
メモリD40、メモリD41、メモリD42は、図19また図21に示すように、図の左右方向とされる接続方向に隣接して整列して基板表面に配置される。これらのメモリD4の裏面(基板B1の第1の面に対向する半導体パッケージD4の面)には、図20に示すように、多数のボールTが設けられ、ボールTは、図19に示すように、図19と図21におけるフライバイ配線F4に接続する複数のボール(第1の端子)T1と、図示しないそれ以外の配線にビアVを介して接続される複数のボール(第2の端子)T2とを少なくとも有し、これ以外に、図示しないが強度上の観点から配置され半導体パッケージD1を基板B上に支持固定するために設けられ信号配線に接続されないサポートボールを有する。
メモリD40、メモリD41、メモリD42においては、図20に示すように、これらボールT1とボールT2とが、図20、図21における上側とされる半導体パッケージD4の裏面の片側において、ボール(第1の端子)T1が複数形成されるフライバイ領域(第1の領域)R1が設けられ、図20、図21における下側とされる半導体パッケージD4の裏面の片側において、ボール(第2の端子)T2が複数形成される他の信号領域(第2の領域)R2が設けられる。
また、メモリD40、メモリD41、メモリD42は、図21に示すように、図示横方向となる接続方向に対してそれぞれフライバイ領域R1と他の領域R2とが平面視して同じ縦位置となるように基板B1表面に配置されている。
また、図19〜図21に示すように、基板B1の内部には、内部フライバイ配線(第2の信号経路)Fgが設けられて、ビアVによりフライバイ配線F40,F41,F42、…を接続している。
図19〜図21に示すように、入力端Faを有する基板B1表面上のフライバイ配線F40aは、半導体パッケージD40に接続される前に他端部をビアV1に接続され、このビアV1よってより深い階層の内部フライバイ配線Fg0の一端部へと接続される。内部フライバイ配線Fg0の他端部は、ビアV2によって基板B1表面上のフライバイ配線F40の一端部に接続され、フライバイ配線F40の他端部は半導体パッケージD40のボールT1に接続される。
このボール(パッケージボール)T1は、pad-on-viaとされて、ビアV1によって、深い階層の内部フライバイ配線Fg1の一端部へと接続される。内部フライバイ配線Fg1の他端部は、ビアV2によって基板B1表面上のフライバイ配線F41の一端部に接続され、フライバイ配線F41の他端部は半導体パッケージD41のボールT1に接続される。このボールT1は、pad-on-viaとされて、ビアV1によって、深い階層の内部フライバイ配線Fg2の一端部へと接続される。内部フライバイ配線Fg2の他端部は、ビアV2によって基板B1表面上のフライバイ配線F42の一端部に接続され、フライバイ配線F42の他端部は半導体パッケージD42のボールT1に接続される。このボールT1は、pad-on-viaとされて、ビアV1によって、深い階層の内部フライバイ配線Fg3の一端部へと接続される。このビアV1は平面視してメモリD4近傍に設けられる。ここで、近傍とは、平面視した状態でボールT1と略等しい間隔でビアV1,V2を基板B1に設けることを意味する。
ここで、ビアV1,V2は、図19〜図21に示すようにその上端で基板B1上のフライバイ配線F4に接続するとともに、その下端で基板B1内部の内部フライバイ配線Fgに接続する。
このように、本実施形態の半導体パッケージD4においては、第1実施形態のパッケージD1、第2実施形態のパッケージD2と同様に、フライバイ配線Fに対応するボールT1をパッケージの配置面(底面)に1つだけ設ければよい。
図22は、本実施形態における他の例とされる半導体パッケージの底面端子配置および端子と基板表面配線との関係を示すもので、内部フライバイ配線Fgから基板表面の端子T1への接続をpad-on-viaとはせずに、内部フライバイ配線Fgへ接続するビアV1とビアV2とを平面視して別の位置に設けるものを示す模式断面図である。
本実施形態においては、上述したように、パッケージD4へ信号入力するボールT1は、pad-on-viaとされ、かつ、ビアV1によって、深い階層の内部フライバイ配線Fgの一端部へと接続されていたが、図22〜図23に示すように、pad-on-viaとはせずに、ボールT1への接続と、内部フライバイ配線Fgの一端部へ接続するビアV1とを別に設ける半導体装置41とすることもできる。この場合、基板B2表面において、フライバイ配線F4の両端部はビアV1,V2によって、内部フライバイ配線Fgの端部へと接続されるとともに、このフライバイ配線F4の途中で、ボールT1に接続することになる。
本実施形態においては、ビアV1,V2によって、フライバイ配線Fを異なる階層にもうけた内部フライバイ配線Fgに接続してスタブレスな構造としているので、ボールピッチの変更をおこなわずに、パッケージ配置、および、フライバイ配線の配置にさらなる自由度を持たせることが可能となる。
図23は、本実施形態における他の例とされる半導体パッケージの底面端子配置および端子と基板表面配線との関係を示すもので、ボールT1への接続と、内部フライバイ配線Fgの一端部へ接続するビアV1とを別に設けるとともに、ボールTを一行おきまたは一列おきに半ピッチ分ずらして配置する市松模様型とした状態を示す模式平面図である。
なお、図23に示すように、本実施形態においては、図8(a)に示したものと同様に、ボールTを一行おきまたは一列おきに半ピッチ分ずらして配置する市松模様型としたがこれ以外の配置も可能である。
本発明は、上述した実施形態における半導体パッケージパターン等の構成に限定されるものではなく、分岐を有さない1本の経路としてフライバイトポロジが実現可能なものであれば、他の構成とすることも可能である。
10,30,40…半導体装置、B…基板(配線基板)、D1、D2,D3,D4…半導体パッケージ、DV…貫通電極(導通経路)、F,F00,F01,F02,F03,F4…フライバイ配線(第1の信号経路)、Fa…一端(第1の入力端)、Fb…配線(導通経路)、Fcb…配線(導通経路)、Fg…内部フライバイ配線(第2の信号経路)、Ftb…内部配線(導通経路)、T…ボール(端子)、T1…ボール(第1の端子)、T2…ボール(第2の端子)、T3…ボール(第3の端子)、R1…フライバイ領域(第1の領域)、R2…他の信号領域(第2の領域)、R3…配線接続用領域(第3の領域)、V1,V2…ビア
本発明の半導体装置は、第1の面を有する配線基板と、前記配線基板の前記第1の面に対面する第2の面を有する第1の半導体パッケージと、前記配線基板の前記第1の面に対面する第3の面を有する第2の半導体パッケージと、前記配線基板の前記第1の面に配置され、制御装置から供給される複数の第1の信号のそれぞれを受け取る複数の端子を含む第1の端子群と、前記第1の半導体パッケージの前記第2の面と前記配線基板の前記第1の面との間を接続する複数の端子を含む第2の端子群と、前記第2の半導体パッケージの前記第3の面と前記配線基板の前記第1の面との間を接続する複数の端子を含む第3の端子群と、各々が、前記第1の端子群の前記複数の端子のうちの対応する1つと、前記第2の端子群の前記複数の端子のうちの対応する1つと、前記第3の端子群の前記複数の端子のうちの対応する1つとに共通に接続される複数の第1の信号経路であって、当該複数の信号線のそれぞれは、分岐を有さずに前記第1の端子群の前記複数の端子のうちの前記対応する1つと、前記第2の端子群の前記複数の端子のうちの前記対応する1つと、前記第3の端子群の前記複数の端子のうちの前記対応する1つとを接続する、前記複数の第1の信号経路と、を備えることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記複数の第1の信号経路は、前記配線基板の前記第1の面と平行な平面内で互いに交差しないことがより好ましい。
本発明において、前記複数の第1の信号経路は、前記配線基板の内部を介することなく前記配線基板の前記第1の面上を延伸することができる。
本発明において、前記第1の半導体パッケージの前記第2の面と前記配線基板の前記第1の面との間を接続し、かつ、前記複数の第1の信号経路と絶縁されている複数の端子を含む第4の端子群と、
前記第2の半導体パッケージの前記第3の面と前記配線基板の前記第1の面との間を接続し、かつ、前記複数の第1の信号経路と絶縁されている複数の端子を含む第5の端子群と、をさらに含み、
前記第1の半導体パッケージの前記第2の面は、前記第2の端子群が配置される第1の領域と前記第4の端子群が配置される第2の領域と当該第1及び当該第2の領域に挟まれた第3の領域とを含み、前記第2の半導体パッケージの前記第3の面は、前記第3の端子群が配置される第4の領域と前記第5の端子群が配置される第5の領域と当該第4及び当該第5の領域に挟まれた第6の領域とを含み、前記複数の第1の信号経路のそれぞれは、前記第1の半導体パッケージの前記第2の領域を通過せずに前記第1及び前記第3の領域を通過し、前記第2の半導体パッケージの前記第5の領域を通過せずに前記第4及び第6の領域を通過することができる。
本発明において、複数の半導体パッケージと、
第1の面と当該第1の面に配置された複数の端子とを有し、当該第1の面に前記複数の半導体パッケージが実装された配線基板であって、
前記複数の端子のうちで、制御装置から供給される複数の第1の信号のそれぞれを受け取る複数の端子を含む第1の端子群と
各々が、前記複数の端子のうちで、対応する1つの半導体パッケージに接続された複数の端子を含む複数の第2の端子群と、
各々が、前記第1の端子群の前記複数の端子のうちの対応する1つと前記第2の端子群の各々の前記複数の端子のうちの対応する1つに共通に接続される複数の第1の信号経路であって、当該複数の第1の信号経路は前記配線基板の内部を介さずに前記第1の面に配置される前記複数の第1の信号経路と、を含む前記配線基板と、
を備えることができる。
本発明において、前記複数の第1の信号経路の各々が、分岐を含まないことができる。
本発明において、前記複数の第1の信号の各々が、クロック信号、アドレス信号、又は、コマンド信号であることができる。
本発明において、前記配線基板が、各々が、前記複数の端子のうちで、対応する1つの半導体パッケージに接続され、かつ、前記配線基板上において前記複数の第1の信号線のいずれからも絶縁された複数の端子を含む複数の第3の端子群を含み、前記複数の半導体パッケージの各々は、前記複数の第2の端子群のうちの対応する1つに接続される第1の領域と前記複数の第3の端子群のうちの対応する1つに接続される第2の領域と当該第1の領域と当該第2の領域とに挟まれた第3の領域とを備え、前記複数の第1の信号経路は、前記複数の半導体パッケージの前記第3の領域に対面する前記配線基板上の領域を通過することができる。
本発明の半導体装置は、第1の面を有する配線基板と、該第1の面上に設けられる複数の第1の入力端と、該第1の入力端にそれぞれ接続される複数の第1の信号経路と、この第1の入力端から供給される第1の信号を第1の端子を介して受ける複数の半導体パッケージと、を具備し、
前記複数の半導体パッケージが前記第1の端子を介して前記第1の信号を受けるように前記第1の面上に実装されるとともに、
前記第1の信号経路が前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成され、前記複数の第1の入力端とこれに対応する前記複数の半導体パッケージの前記複数の第1の端子とが各々前記複数の第1の信号経路のうちの対応する1つによってフライバイ形式にて接続されることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記複数の第1の信号が、クロック信号、アドレス信号、コマンド信号のいずれか1以上を含むことがより好ましい。

Claims (8)

  1. 第1の面を有する配線基板と、該第1の面上に設けられる複数の第1の入力端と、該第1の入力端にそれぞれ接続される複数の第1の信号経路と、この第1の入力端から供給される第1の信号を第1の端子を介して受ける複数の半導体パッケージと、を具備し、
    前記複数の半導体パッケージが前記第1の端子を介して前記第1の信号を受けるように前記第1の面上に実装されるとともに、
    前記第1の信号経路が前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成され、前記複数の第1の入力端とこれに対応する前記複数の半導体パッケージの前記複数の第1の端子とが各々前記複数の第1の信号経路のうちの対応する1つによってフライバイ形式にて接続されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記複数の第1の信号が、クロック信号、アドレス信号、コマンド信号のいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 実施形態1−図1〜18
    前記複数の第1の信号経路が、前記配線基板の内部を介さずに配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 実施形態1――図3.4,8
    前記複数の半導体パッケージには、前記第1の信号経路に接続されない複数の第2の端子を有するとともに、 前記複数の半導体パッケージの前記第1の面に対向する面には、前記複数の第1の端子が形成される第1の領域と前記複数の第2の端子が形成される第2の領域と前記第1の領域と前記第2の領域とに挟まれた第3の領域とを備え、
    前記複数の第1の信号経路が、前記第3の領域を通過して形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 実施形態1‘――図5、6
    前記複数の半導体パッケージには、前記第1の信号経路に接続されない複数の第2の端子を有するとともに、前記複数の半導体パッケージの前記第1の面に対向する面には、前記複数の第1の端子が形成される第1の領域と前記複数の第2の端子が形成される第2の領域とを備え、
    前記第1の領域における前記第1の端子の配置間隔が前記複数の第2の領域における前記第2の端子の配置間隔よりも大きく設定されるとともに、前記第1の信号経路が、前記第1の端子間を通過して形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  6. 実施形態2――図9−18
    前記複数の半導体パッケージには、前記第1の端子に接続される導通経路と、この導通経路に接続されて前記第1の端子にそれぞれ対応する第3の端子とが設けられ、
    前記第1の面上において前記第1の信号経路が断続的に形成されるとともに、該断続的な第1の信号経路の各端部がそれぞれ前記第1の端子と前記第3の端子とに接続されることで前記第1の信号経路が複数の前記導通経路により接続されて前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  7. 実施形態2――図9−18
    前記導通経路が、前記半導体パッケージの内部または外部に設けられることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 実施形態3――図19−23
    前記配線基板には前記第1の面と異なる階層における第2の信号経路が設けられ、
    を有し、前記第1の信号経路以外の
    前記第1の面上において前記第1の信号経路が断続的に形成されるとともに、該断続的な第1の信号経路の各端部がそれぞれビアによって前記第2の信号経路に接続され、前記第1の信号経路が前記第2の信号経路により接続されて前記第1の入力端に対応して分岐を有さない1本の経路として形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
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