JP2012009320A - ワイヤハーネス及びその製造方法 - Google Patents

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亮太 安田
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Abstract

【課題】流動性を有する止水剤を使用することなくワイヤハーネスにおける末端部分の防水を実現し、これにより、ワイヤハーネスの製造における安全対策及び工程のさらなる簡素化、並びにさらなる低コスト化に寄与すること。
【解決手段】ワイヤハーネス1の末端防水部5は、電線束端部6を内包し、収縮した後の熱収縮チューブ10と、それに内包された電線束端部6以外の唯一の内包物であり、熱収縮チューブ10内において裸線部分7,8を覆って充填された単一の熱硬化性樹脂の硬化物20とを備える。単一の熱硬化性樹脂の硬化物20は、電線束端部6及び熱硬化性樹脂の固形物のみを内包する熱収縮チューブを外側から加熱することにより、熱収縮チューブを収縮させ、熱硬化性樹脂の固形物を溶融させ、溶融した熱硬化性樹脂を熱収縮チューブ内における裸線部分7,8を覆う領域に充満させた後に硬化させることにより形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線束の端部を覆う末端防水部を備えたワイヤハーネス及びそのワイヤハーネスの製造方法に関する。
一般に、自動車に代表される車両に搭載されるワイヤハーネスにおいて、複数の電線が電気的に接続される場合、電線束の端部における複数の裸線の末端が、溶接によって1つの接合部に接合される。以下、その接合部のことを、末端スプライス部と称する。また、電線束の端部における複数の裸線及び末端スプライス部からなる部分のことを接合裸線部と称する。
末端スプライス部は、例えば、複数の電装機器のグランド端子各々に接続される複数の電線の末端と、車両の金属フレーム部に接続される1本の電線の末端とが電気的に接続される場合などに採用される。また、ワイヤハーネスの接合裸線部は、防水処理が施される。以下、ワイヤハーネスの接合裸線部を含む端部における防水処理が施された部分のことを末端防水部と称する。
ワイヤハーネスにおける従来の末端防水部は、例えば、特許文献1に示されている。図9は、特許文献1に示される末端防水部に相当する従来のワイヤハーネス100の末端防水部500の断面図である。また、図10は、従来の末端防水部500の製法における加熱工程を示す図である。
特許文献1に示される従来の末端防水部500は、以下の手順により実現される。即ち、まず、図10に示されるように、流動性を有する止水剤23と複数の電線9の束の端部6とが、収縮前の熱収縮チューブ10Aとその熱収縮チューブ10Aの一端の開口を閉じる栓30とからなるキャップ内に入れられる。次に、図10に示されるように、キャップが外側から加熱され、これにより、熱収縮チューブ10Aが収縮するとともに、流動性を有する止水剤23が、収縮した熱収縮チューブ10内の隙間に充満しつつ硬化する。
その結果、図9に示されるように、絶縁被覆の端部91と複数の裸線8と末端スプライス部7とを含む電線束の端部6と、裸線8及び末端スプライス部7を覆う止水剤の硬化物22と、栓30とが、加熱されることによって収縮した後の熱収縮チューブ10内に内包された構造を有する従来の末端防水部500が実現される。特許文献1に示される技術は、熱収縮チューブ10の収縮作用により、外径が細い末端防水部500を実現することができる。
特開2006−81319号公報
しかしながら、特許文献1に示される末端防水部は、流動性を有する止水剤の使用が必要であるため、従来のワイヤハーネスの製造工程のさらなる改善に対する各種の阻害要因を含んでいる。例えば、ワイヤハーネスの製造現場において、液状の止水剤の漏出を考慮した各種の安全対策が必要となる。また、ワイヤハーネスの製造現場において、液状の止水剤を一定量ずつ供給するために高価なディスペンサが必要となる。さらに、熱収縮チューブに対し、一端の開口を栓で閉じる加工を加えるための工数及びコストが必要となる。これらの事項は、ワイヤハーネスの製造において、安全対策及び工程のさらなる簡素化、並びにさらなる低コスト化を阻害する要因となる。
本発明は、流動性を有する止水剤を使用することなくワイヤハーネスにおける末端部分の防水を実現し、これにより、ワイヤハーネスの製造における安全対策及び工程のさらなる簡素化、並びにさらなる低コスト化に寄与することを目的とする。
本発明に係るワイヤハーネスは、電線束と、末端防水部とを備える。末端防水部は、電線束の端部における複数の裸線及びその複数の裸線の末端が接合された接合部からなる接合裸線部を含む電線束端部を覆う部分である。さらに、本発明に係るワイヤハーネスにおける末端防水部は、以下に示す各構成要素を備える。
(1)第1の構成要素は、電線束端部を内包し、加熱されることによって収縮した後の熱収縮チューブである。
(2)第2の構成要素は、熱収縮チューブに内包された電線束端部以外の唯一の内包物であり、熱収縮チューブ内において接合裸線部を覆って充填された単一の熱硬化性樹脂の硬化物である。
また、本発明に係るワイヤハーネスにおいて、熱収縮チューブは、電線束端部の周囲を覆う大径筒部と電線束端部よりも末端側に位置して大径筒部よりも内径が小さい部分である小径筒部とが形成されていることが考えられる。この場合、単一の熱硬化性樹脂の硬化物は、熱収縮チューブ内における少なくとも大径筒部の接合裸線部の周囲から小径筒部の一部までに渡る領域に充填されている。
また、本発明に係るワイヤハーネスは、以下に示される各工程により製造される。
(1)第1の工程は、第1の端から所定の範囲を占める大径筒部と第2の端から所定の範囲を占め前記大径筒部よりも内径が小さい小径筒部とが形成された収縮前の熱収縮チューブにおける大径筒部内に、電線束端部と熱硬化性樹脂の固形物とを挿入する挿入工程である。
(2)第2の工程は、電線束端部及び熱硬化性樹脂の固形物のみを内包する熱収縮チューブを外側から加熱することにより、熱収縮チューブを収縮させるとともに、熱硬化性樹脂の固形物を溶融させ、溶融した熱硬化性樹脂を熱収縮チューブ内における接合裸線部を覆う領域に充満させた後に、溶融した熱硬化性樹脂を硬化させる加熱工程である。
本発明によれば、熱硬化性樹脂の固形物を使用し、流動性を有する止水剤を使用することなく、さらに、熱収縮チューブに対して開口を栓で閉じる加工を加えることなく、ワイヤハーネスにおける端部の裸線部分の防水を実現することができる。その結果、流動性を有する止水剤を取り扱うために必要となる各種の安全対策及び工程が簡素化される。さらに、ディスペンサ及び熱収縮チューブの開口を閉じる加工が不要となり、ワイヤハーネスの製造コストを低減できる。
本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1における末端防水部の断面図である。 ワイヤハーネス1の末端防水部の第1の製法における固形止水剤の投入工程を示す図である。 ワイヤハーネス1の末端防水部の第1の製法における電線束の挿入工程を示す図である。 ワイヤハーネス1の末端防水部の第1の製法における加熱工程を示す図である。 筒状の固形止水剤の斜視図である。 ワイヤハーネス1の末端防水部の第2の製法における固形止水剤の取付工程を示す図である。 ワイヤハーネス1の末端防水部の第2の製法における電線束の挿入工程を示す図である。 ワイヤハーネス1の末端防水部の第2の製法における加熱工程を示す図である。 従来のワイヤハーネス100の末端防水部の断面図である。 従来のワイヤハーネス100の末端防水部の製法における加熱工程を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1における末端防水部5の構成について説明する。図1に示されるように、ワイヤハーネス1は、複数の電線9からなる電線束と、その電線束の端部における末端防水部5とを備える。末端防水部5は、電線束の端部における複数の裸線8と、それら複数の裸線8の末端が接合された末端スプライス部7と、絶縁被覆の端部91とを含む電線束端部6を覆う構成を備えている。以下、電線束の端部における複数の裸線8と、それら複数の裸線8の末端が接合された末端スプライス部7とを合わせて接合裸線部7,8と称する。
より具体的には、末端防水部5は、収縮後の熱収縮チューブ10と硬化後止水剤20とを備える。収縮後の熱収縮チューブ10は、電線束端部6を内包し、加熱されることによって収縮した後の熱収縮チューブである。また、硬化後止水剤20は、収縮後の熱収縮チューブ10内において、接合裸線部7,8を覆って充填された単一の熱硬化性樹脂の硬化物である。単一の熱硬化性樹脂の硬化物とは、成分の異なる2種類以上の熱硬化性樹脂の硬化物が混在しておらず、同種の成分の熱硬化性樹脂の硬化物のみにより構成された物であることを意味する。また、硬化後止水剤20は、収縮後の熱収縮チューブ10に内包された電線束端部6以外の唯一の内包物である。即ち、末端防水部5は、図9に示される従来の末端防水部500と比較し、収縮後の熱収縮チューブ10内に電線束端部6及び硬化後止水剤20以外の栓などの物質が存在しない点において異なっている。
また、収縮後の熱収縮チューブ10は、その末端側の一方の端11から数ミリメートル程度の範囲を占める部分である小径筒部13と、他方の端12から数十ミリメートル程度の範囲を占める部分である大径筒部14とが形成されている。大径筒部14は、電線束端部6の周囲を覆う部分である。一方、小径筒部13は、電線束端部6よりも末端側に位置して大径筒部14よりも内径が小さい部分である。そして、単一の熱硬化性樹脂の硬化物である硬化後止水剤20は、収縮後の熱収縮チューブ10内における少なくとも大径筒部14の接合裸線部7,8の周囲から小径筒部13の一部までに渡る領域に充填されている。図1に示される例では、硬化後止水剤20は、収縮後の熱収縮チューブ10内における絶縁被覆の端部91の一部から小径筒部13の一部までに渡る領域に充填されている。
図1に示される末端防水部5は、収縮後の熱収縮チューブ10内に充填された硬化後止水剤20によって接合裸線部7,8が密封されているため、接合裸線部7,8は、雨滴及び結露などによる水分との接触が防がれる。また、収縮後の熱収縮チューブ10は、電線束端部6における絶縁被覆の端部91にほぼ密着した状態まで収縮しているため、外径が細い末端防水部5を実現することができる。その結果、末端防水部5を狭いスペースに配置することが可能となる。
<<末端防水部5の第1の製法>>
次に、図2〜図4を参照しつつ、ワイヤハーネス1の末端防水部5の第1の製法について説明する。なお、図2〜図4は、第1の製法における固形止水剤の投入工程、電線束の挿入工程及び加熱工程が模式的に示された図である。末端防水部5の第1の製法は、以下の手順により実現される。
<固形止水剤の投入工程>
まず、図2に示されるように、収縮前の熱収縮チューブ10A内に固形止水剤21を投入する工程が実行される。収縮前の熱収縮チューブ10Aは、一方の端11から数ミリメートル程度の範囲を占める部分である小径筒部13と、他方の端12から数十ミリメートル程度の範囲を占める部分である大径筒部14とが形成されている。
熱収縮チューブ10Aは、例えば、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、塩素系樹脂又は熱可塑性エラストマーなどの熱収縮性の筒状部材である。特に、熱収縮チューブ10Aとして、電子線架橋の処理が施されたポリオレフィンからなるチューブが採用されれば好適である。図2に示されるように、末端防水部5に採用される収縮前の熱収縮チューブ10Aは、両端11,12のいずれについても、栓などによって開口を閉鎖する加工は施されていない。
また、固形止水剤21は、熱硬化性樹脂の固形物であり、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又はユリア樹脂などの熱硬化性樹脂の粉末が押し固められることによって成形された固形物である。固形止水剤21を構成する熱硬化性樹脂としては、加工性及び加熱により溶融したときの流動性に優れたエポキシ樹脂が採用されることが好適である。
また、固形止水剤21の外形は、小径筒部13の内径よりも大きな幅、かつ、大径筒部14の内径よりも小さな幅で形成されている。固形止水剤の投入工程では、収縮前の熱収縮チューブ10Aが、大径筒部14側の端12が上方となるように保持され、固形止水剤21は、大径筒部14側の端12の開口から収縮前の熱収縮チューブ10Aの大径筒部14内へ投入される。これにより、固形止水剤21は大径筒部14内に留まる。固形止水剤21の外形は、円柱状又は四角柱状など、各種の形状であることが考えられる。図2に示される固形止水剤21は、円柱における底面の角部が面取りされた形状を有している。
<電線束の挿入工程>
次に、図3に示されるように、固形止水剤21が投入された大径筒部14内に、電線束端部6を挿入する工程が実行される。これにより、収縮前の熱収縮チューブ10Aは、電線束端部6と単一の組成の熱硬化性樹脂からなる固形止水剤21とのみを内包する状態となる。なお、固形止水剤の投入工程及び電線束の挿入工程は、収縮前の熱収縮チューブ10Aの大径筒部14内に、電線束端部6と固形止水剤21(熱硬化性樹脂の固形物)とを挿入する挿入工程の一例である。
また、電線束の挿入工程において、電線束端部6の先端、即ち、末端スプライス部7の先端が、固形止水剤21に当接する位置まで挿入されることが考えられる。また、固形止水剤21の中央部に、収縮前の熱収縮チューブ10A内に挿入された電線束端部6の先端が嵌り込む窪みが形成されることも考えられる。これらにより、収縮前の熱収縮チューブ10A内における固形止水剤21及び電線束端部6の位置が安定し、末端防水部5の品質が安定する。
<加熱工程>
最後に、電線束端部6及び固形止水剤21のみを内包する収縮前の熱収縮チューブ10Aを外側からヒータ50によって加熱する工程が実行される。この加熱工程は、加熱により、熱収縮チューブ10Aを収縮させるとともに、固形止水剤21を溶融させ、溶融した止水剤(熱硬化性樹脂)を熱収縮チューブ10A内における接合裸線部7,8を覆う領域に充満させた後に、溶融した止水剤を硬化させる工程である。
ヒータ50は、熱収縮チューブ10Aの収縮温度以上、かつ、固形止水剤21の溶融温度以上の温度での加熱を行う。また、加熱のパワーを位置ごとに調節可能なヒータ50を用いることにより、熱収縮チューブ10Aにおける固形止水剤21の周囲の位置を、それ以外の位置よりも高い温度で加熱することも考えられる。このような加熱は、固形止水剤21の溶融温度が、熱収縮チューブ10Aの収縮温度よりも高い場合に有効である。
上記の加熱工程により、溶融した液状の止水剤は、毛細管現象により、収縮した熱収縮チューブ10内の狭い隙間を満たしつつ上昇する。また、溶融した液状の止水剤は、毛細管現象による上方への吸引力により、熱収縮チューブ10の下部の小径筒部13の開口から漏れ出さず、液位は小径筒部13内で保持される。その結果、溶融した液状の止水剤は、図1に示されるように、収縮後の熱収縮チューブ10内における絶縁被覆の端部91の一部から小径筒部13の一部までに渡る領域に充填された硬化後止水剤20へ変化する。
以上に示された第1の製法においては、熱硬化性樹脂の固形物である固形止水剤21が使用され、流動性を有する止水剤を使用することなく、さらに、収縮前の熱収縮チューブ10Aに対して開口を栓で閉じる加工を加えることなく、ワイヤハーネス1における接合裸線部7,8の防水を実現することができる。その結果、流動性を有する止水剤を取り扱うために必要となる各種の安全対策及び工程が簡素化される。
例えば、液状の止水剤の保管場所及び搬送器具などにおいて、止水剤の漏出防止機構を設けるなどの特別な安全対策は不要である。また、ワイヤハーネス1の製造現場において、液状の止水剤を一定量ずつ供給するディスペンサ及びそのディスペンサによる止水剤の供給工程は不要である。さらに、収縮前の熱収縮チューブ10Aの開口を閉じる加工も不要である。そのため、ワイヤハーネス1の製造コストを低減できる。
<<末端防水部5の第2の製法>>
次に、図5〜図8を参照しつつ、ワイヤハーネス1の末端防水部5の第2の製法について説明する。なお、図5は、第2の製法に用いられる固形止水剤21の一例の斜視図である。また、図6〜図8は、第2の製法における固形止水剤の取付工程、電線束の挿入工程及び加熱工程が模式的に示された図である。
末端防水部5の第2の製法においては、図5に示されるような孔211が形成された熱硬化性樹脂の固形物である筒状の固形止水剤21が用いられる。固形止水剤21に形成された孔211は、電線束端部6が通される孔である。末端防水部5の第2の製法は、以下の手順により実現される。
<固形止水剤の取付工程>
まず、図6に示されるように、筒状の固形止水剤21の孔211に電線束端部6を通すことにより電線束端部6に固形止水剤21を取り付ける工程が実行される。固形止水剤の取付工程により、固形止水剤21は、電線束端部6における予め定められた位置に保持される。なお、第1の製法及び第2の製法各々において、固形止水剤21の材質は同じである。
<電線束の挿入工程>
次に、図7に示されるように、固形止水剤21が取り付けられた電線束端部6を、収縮前の熱収縮チューブ10Aの大径筒部14内に挿入する工程が実行される。これにより、収縮前の熱収縮チューブ10Aは、電線束端部6と単一の組成の熱硬化性樹脂からなる固形止水剤21とのみを内包する状態となる。また、第2の製法においては、固形止水剤21が、電線束端部6における予め定められた位置に取り付けられた状態で、電線束端部6が収縮前の熱収縮チューブ10A内に挿入される。そのため、固形止水剤21と電線束端部6との位置が安定し、末端防水部5の品質が安定する。
この第2の製法に用いられる収縮前の熱収縮チューブ10Aは、第1製法において用いられる収縮前の熱収縮チューブ10Aと同じものである。また、この第2の製法においても、固形止水剤21が取り付けられた電線束端部6は、大径筒部14側の端12の開口から収縮前の熱収縮チューブ10Aの大径筒部14内へ挿入される。また、第2の製法においては、収縮前の熱収縮チューブ10Aは、大径筒部14側の端12が上方となるように保持される場合と、大径筒部14側の端12が下方となるように保持される場合とが考えられる。なお、第2の製法において、固形止水剤の取付工程及び電線束の挿入工程は、収縮前の熱収縮チューブ10Aの大径筒部14内に、電線束端部6と固形止水剤21(熱硬化性樹脂の固形物)とを挿入する挿入工程の一例である。
<加熱工程>
最後に、電線束端部6及び固形止水剤21のみを内包する収縮前の熱収縮チューブ10Aを外側からヒータ50によって加熱する工程が実行される。この第2の製法における加熱工程は、第1の製法における加熱工程(図4)と比較して、加熱開始時点での熱収縮チューブ10A内における電線束端部6と固形止水剤21との位置関係が異なるのみである。従って、図8に示される加熱工程により、熱収縮チューブ10Aが収縮し、固形止水剤21が溶融し、溶融した止水剤(熱硬化性樹脂)が熱収縮チューブ10A内における接合裸線部7,8を覆う領域に充満し、その後、溶融した止水剤が硬化する。
以上に示した第2の製法によっても、第1の製法が採用された場合と同様に、図1に示されるワイヤハーネス1の末端防水部5が製造される。また、第2の製法によっても、第1の製法と同様の作用及び効果が得られる。
1 ワイヤハーネス
5 末端防水部
6 電線束端部
7 末端スプライス部(接合裸線部)
8 裸線(接合裸線部)
9 電線
10 収縮後の熱収縮チューブ
10A 収縮前の熱収縮チューブ
13 小径筒部
14 大径筒部
20 硬化後止水剤
21 固形止水剤
50 ヒータ
91 絶縁被覆の端部
211 孔

Claims (3)

  1. 電線束と、該電線束の端部における複数の裸線及び該複数の裸線の末端が接合された接合部からなる接合裸線部を含む電線束端部を覆う末端防水部と、を備えたワイヤハーネスであって、
    前記末端防水部は、
    前記電線束端部を内包し、加熱されることによって収縮した後の熱収縮チューブと、
    前記熱収縮チューブに内包された前記電線束端部以外の唯一の内包物であり、前記熱収縮チューブ内において前記接合裸線部を覆って充填された単一の熱硬化性樹脂の硬化物と、を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記熱収縮チューブは、前記電線束端部の周囲を覆う大径筒部と前記電線束端部よりも末端側に位置して前記大径筒部よりも内径が小さい部分である小径筒部とが形成されており、
    前記単一の熱硬化性樹脂の硬化物は、前記熱収縮チューブ内における少なくとも前記大径筒部の前記接合裸線部の周囲から前記小径筒部の一部までに渡る領域に充填されている、請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 電線束と、該電線束の端部における複数の裸線及び該複数の裸線の末端が接合された接合部からなる接合裸線部を含む電線束端部を覆う末端防水部と、を備えたワイヤハーネスの製造方法であって、
    第1の端から所定の範囲を占める大径筒部と第2の端から所定の範囲を占め前記大径筒部よりも内径が小さい小径筒部とが形成された収縮前の熱収縮チューブにおける前記大径筒部内に、前記電線束端部と熱硬化性樹脂の固形物とを挿入する挿入工程と、
    前記電線束端部及び熱硬化性樹脂の固形物のみを内包する前記熱収縮チューブを外側から加熱することにより、前記熱収縮チューブを収縮させるとともに、前記熱硬化性樹脂の固形物を溶融させ、溶融した前記熱硬化性樹脂を前記熱収縮チューブ内における前記接合裸線部を覆う領域に充満させた後に、溶融した熱硬化性樹脂を硬化させる加熱工程と、を有することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
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