JP2012008421A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、色特性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れ、塗膜への異物発生もない、安定なカラーフィルタ用着色組成物、並びにそれを用いた色特性が良く、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れるカラーフィルタを提供することである。
【解決手段】 着色剤と、樹脂と、有機溶剤とを含むカラーフィルタ用着色組成物において、 該着色剤が、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(A)を含み、該有機溶剤が、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S)を含み、全溶剤量を基準としたときの有機溶剤(S)の含有量が、5〜100重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となった。そのため液晶表示装置は、テレビやパソコンモニタ用途への展開が進んでいる。
その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
一般的にカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に形成された、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)からなる微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメント(画素)を平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、コントラスト比と明度が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。
さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化とともに、広い色再現領域や高い信頼性の要求も高くなっている。
またC−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などに代表されるカラー撮像管素子は、その受光素子上に赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)の加法混合の原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタをそれぞれ配設して色分解するのが一般的である。また、原色のカラーフィルタに比べ高感度が得られるため、赤色、緑色、青色の補色に相当する、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタもよく用いられている。補色のカラーフィルタは、フラッシュなどの補助光源を利用しにくいビデオカメラ等で採用される場合が多い。
近年においては、カラー撮像管素子に用いられるカラーフィルタにおいても高透過率すなわち明度や、高い信頼性といった要求が高まっている。
カラーフィルタの製造方法には、着色剤として染料、造塩染料を使った染色法、染料分散法や、着色剤として顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染色法、あるいは染色分散法は着色剤が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る欠点がある。よってカラーフィルタの着色剤としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いられ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多い。
顔料分散法は、樹脂中に着色剤である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
一般に顔料粒子に微細化処理を行い、その微細化された顔料を極限まで一次粒子に近づけた顔料分散体を作成することによって、顔料による光の散乱が抑制され、高コントラスト化が達成できる。また分散体の透明度も向上するため、分散体の分光スペクトルが高透過率を持ち、高明度化が実現する。この分散体をカラーレジストに用いることにより、高コントラスト、高明度をもつカラーフィルタが得られる。
例えば、従来青色フィルタセグメント(画素)やシアン色フィルタセグメント(画素)の形成に用いられる着色剤としては、一般に耐性および色調に優れたフタロシアニン顔料が用いられることが多い。フタロシアニン顔料は、α型、β型、δ型、ε型等の異なる結晶型を持っており、それぞれが鮮明で着色力も高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用の着色剤として適したものである。このフタロシアニン顔料には、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも銅フタロシアニン顔料は、最も色調が鮮明であることから広く用いられている。その他にもメタルフリーフタロシアニン顔料や、亜鉛フタロシアニン顔料、アルミフタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔料等の異種金属フタロシアニン顔料も実用化されている。
従来の冷陰極管タイプのバックライトを用いた液晶表示装置などの表示装置においては、青色フィルタセグメントやシアン色フィルタセグメントに、銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料等を組み合わせることで、高い明度と広い色表示領域を達成することができていた。しかしながら前述のように、カラーフィルタに対して更なる高明度化や広い色再現領域が要求されている。
上記の課題を解決するために、着色剤として顔料ではなく染料を樹脂等に溶解させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
またフタロシアニン系染料とキサンテン系染料とを含有するカラーフィルタ用インクも検討されている。特に直接染料、酸性染料を組み合わせたものであったが、発色性は良好であったものの耐熱性、耐光性に劣り、満足の行くものとはいえなかった。(例えば特許文献2参照)
さらにカラーフィルタ用の青色画素として、トリフェニルメタン系染料とキサンテン系染料とを併用することが提案されている。しかしながら前述のように染料は顔料に比較して、耐候性が劣っているため、染料同士をただ混合するだけでは、十分な耐候性が得ることが出来ず、改善の余地を残すものであった。(例えば特許文献3参照)
また銅フタロシアニン系酸性染料等のアミン塩、銅フタロシアニン系酸性染料のスルホンアミド化合物をカラーフィルタ用着色剤に用いることも提案されている。しかしながらここで開示される造塩化合物は、溶剤溶解性が劣り、また十分な耐熱性、耐光性を有するものではなかった。(例えば特許文献4、5参照)
特開平6−75375号公報 特開平8−327811号公報 特開平11−223720号公報 特開平6−194828号公報 特開平6−51115号公報
本発明の目的は、色特性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れ、塗膜への異物発生もない、安定なカラーフィルタ用着色組成物、並びにそれを用いた色特性が良く、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れるカラーフィルタを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を使用することによって、高い明度と広い色再現領域が可能となり、また塗膜への異物発生もなく、耐性においても優れていることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
本発明は、着色剤と、樹脂と、有機溶剤とを含むカラーフィルタ用着色組成物において、
該着色剤が、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(A)を含み、
該有機溶剤が、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S)を含み、
全溶剤量を基準としたときの有機溶剤(S)の含有量が、5〜100重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
有機溶剤(S)が、溶解度パラメータ(=SP値)8.8(cal/cm31/2以上9.7(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S1)を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物。
有機溶剤(S)が、溶解度パラメータ(=SP値)9.7(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S2)を含み、
全溶剤量を基準としたときの有機溶剤(S2)の含有量が、5〜50重量%であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物。
また、本発明は、カチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2012008421
[一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R1、R2、R3、R4の少なくとも2つ以上がCの数が5〜20個である。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
また、本発明は、樹脂が、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤が、さらにフタロシアニン系顔料および/またはトリアリールメタン系レーキ顔料を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は基版上に、前記カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明においては、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物(のカウンタ成分)とからなる造塩化合物(A)を含む着色剤と樹脂、および特定の溶剤を用いたカラーフィルタ用着色組成物により形成されるカラーフィルタを用いることで、高い明度と広い色再現領域をもち、造塩化合物とすることで耐性にも優れ、かつ特定の溶剤を用いることで、異物の発生も無いカラーフィルタを得ることが出来る。
例えば青色着色組成物として用いる場合、従来の銅フタロシアニンブルー顔料とジオキサジン系顔料等を組み合わせたカラーフィルタ用着色組成物の透過率スペクトルは、ピーク位置が450nm付近に存在し、450nm以下の短波長側では透過率が急激に低下している。これに対し本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、着色剤として酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の四級アンモニウム塩化合物(のカウンタ成分)とからなる造塩化合物(A)を含有することで、450nm以下の短波長側でも銅フタロシアニンブルー顔料と比較して、高い透過率を維持している。そのため冷陰極管等の多くのバックライトが持つ425〜500nm付近にあるピークに有効に作用し、高い明度を得ることが出来るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(A)を含む着色剤と、樹脂と、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤とを含むことを特徴とする。
<着色剤>
着色剤としては、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物(A)を含み、例えば青色着色組成物として使用する場合は、造塩化合物(A)と青色顔料とを併用、混合して用いることができる。これにより、前述のように多くのバックライトがもつ特徴的なピークをもつ425〜500nm付近において、高い透過率を有することが可能になり、従来の銅フタロシアニン系顔料とジオキサジン系顔料を組み合わせたカラーフィルタより、高い明度と広い色再現性を得ることが出来る。さらに酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物を造塩化することで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を併せて持つことが出来る。
(造塩化合物(A))
造塩化合物(A)は、酸性染料(直接染料も含む)とカウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分であるカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物とで造塩、変性した造塩染料に属するものである。
[酸性染料]
酸性染料とは、色素の分子中にスルホン酸基・カルボキシル基などの酸性の基、あるいはその塩の構造を有する水溶性染料であり、羊毛・絹・ナイロンなどのたんぱく質系の繊維や皮革・紙・インク・食用色素として広く使用されるものである。
酸性染料の中には直接染料と分類されるものがあり、直接染料は、特にセルロース系繊維の染色性において優れたものの総称である。
直接染料としては、アゾ系染料、チアゾール系染料、アントラキノン系染料、オキサジン系染料、フタロシアニン系染料等を用いることができる。以下に、使用可能な染料をカラーインデックス(C.I.)番号で例示する。
アゾ系染料としては、例えば、C.I. ダイレクトイエロー2,33,34,35,39,50,69,70,71,86,93,94,95,98,102,109,129,136,141;
C.I. ダイレクトオレンジ41,46,56,61,64,70,96,97,106,107;
C.I. ダイレクトレッド79,82,83,84,97,98,99,106,107,172,173,176,177,179,181,182,204,207,211,213,218,221,222,232,233,243,246,250;
C.I. ダイレクトバイオレット47,52,54,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
C.I. ダイレクトブルー51,57,71,81,84,85,90,93,94,95,98,100,101,113,149,150,153,160,162,163,164,166,167,170,172,188,192,193,194,196,198,200,207,209,210,212,213,214,222,228,229,237,238,242,243,244,245,247,248,250,251,252,256,257,259,260,268,274,275;
C.I. ダイレクトグリーン27,34,37,65,67,68,69,72,77,79,82などが挙げられる。チアゾール系染料としては、C.I. ダイレクトイエロー54が挙げられる。
ジオキサジン系染料としては、C.I. ダイレクトブルー97,99,106,107,108,109,190,293などが挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. ダイレクトブルー77が挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、C.I. ダイレクトブルー86,87, 189,199などが挙げられる。
その他の直接染料としては、C.I. ダイレクトイエロー38,43,47,58,68,108,138;C.I. ダイレクトオレンジ34,39,50,52,57,65,68;C.I. ダイレクトレッド91,92,96,105,184,220,234,241;C.I. ダイレクトバイオレット59;C.I. ダイレクトブルー80,114,115,117,119,137,155,156,158,159,161,171,173;C.I. ダイレクトグリーン25,31,32,63,66などが挙げられる。
直接染料以外の酸性染料としては、アゾ系染料、キサンテン系染料、フタロシアニン系染料、アントラキノン系染料、キノリン系染料、アジン系染料、インジゴイド系染料等を用いることができる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、C.I. アシッドブルー249が挙げられる。
キノリン系染料としては、C.I. アシッドイエロー3が挙げられる。
アジン系染料としては、C.I. アシッドブルー59,102などが挙げられる。
インジゴイド系染料としては、C.I. アシッドブルー74が挙げられる。
その他の染料としては、C.I. アシッドバイオレット49;C.I. アシッドブラウン 19;C.I. アシッドブルー7、9、74、112、126、167;C.I. アシッドグリーン9;C.I.フードグリーン3等が挙げられる。
キサンテン系染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9、C.I.アシッドバイオレット9、C.I.アシッドバイオレット30等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. アシッドレッド82、92;C.I. アシッドバイオレット41、42、43;C.I. アシッドブルー14、22、25、40、45、78、80、127:1、129、145、167、230;C.I. アシッドグリーン25、27等が挙げられる。
なかでも好ましい例として、発色性の観点から、キサンテン系酸性染料、アントラキノン系酸性染料が挙げられる。
キサンテン系酸性染料は、赤色、紫色、を呈するものであり、染料の形態を有するものである。
本発明に用いるキサンテン系酸性染料は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、550nmの透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、550nmの透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。
上述した中でも、C.I.アシッドレッド52、87、92、289、388を用いることが好ましい。
またキサンテン系酸性染料としては、発色性の優れる点でローダミン系酸性染料を用いることが好ましい。
アントラキノン系酸性染料としては、ジアミノアントラキノンスルホン酸であるアントラキノン系酸性染料が、耐熱性、耐光性を有しながら、発色性、色再現性、高明度を呈する点において好ましいものである。これらが耐熱性、耐光性に優れる理由は、アントラキノン骨格のカルボニル基の部分と、アミノ基の部分とが水素結合で結合することで構造が安定することと推測される。
なかでも、下記一般式(2)で表されるアントラキノン系酸性染料が、カラーフィルタ用着色組成物の耐熱性、耐光性に優れるために好ましい。
一般式(2)
Figure 2012008421
[一般式(2)中、
5、R6はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい脂環基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、または置換基を有してもよいアルコキシル基のいずれかである。
7〜R12はそれぞれ独立に水素原子またはSO3M基である。
また、R5〜R12の少なくとも1つはSO3M基であるか、SO3M基で置換されている、アルキル基、アリール基、脂環基、アルケニル基、アルキニル基、またはアルコキシル基のいずれかである。
Mは水素イオンまたはナトリウムイオンを表す。]
一般式(2)におけるR6、R8として、具体的には、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、ニトロメチル基、メトキシメチル基、アミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、アセトニル基、エトキシカルボニルメチル基、ジエチルアミノカルボキシメチル基、p−ヒドロキシフェニルメチル基、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、ブチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、メチルスルフィニルメチル基、メチルスルホニルメチル基、エチルスルホニルメチル基、ベンゼンスルホニルメチル基、p−トルエンスルホニルメチル基、サリチル基、アニシル基等があげられ、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等があげられ、置換基を有してもよい脂環基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキセニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、ピナニル基、アダマンチル基等があげられ、置換基を有してもよいアルケニル基としては、ビニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル、スチリル基、シンナミル基等があげられ、置換基を有してもよいアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基等があげられ、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等があげられ、置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、p−フルオロフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基等があげられる。
置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、スルホン酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基等が挙げられる。
また、本発明においては、スルホン酸塩基もスルホン酸基と同義である。
また、R5〜R12の少なくとも1つはSO3M基であるか、SO3M基で置換されているアルキル基、SO3M基で置換されているアリール基、SO3M基で置換されている脂環基、SO3M基で置換されているアルケニル基、SO3M基で置換されているアルキニル基、またはSO3M基で置換されているアルコキシル基のいずれかである。
好ましいアントラキノン系酸性染料の具体的な構造式を以下に示すが、これらに限定されるわけではない。
C.I.アシッド ブルー 112
Figure 2012008421
C.I.アシッド ブルー 62
Figure 2012008421
C.I.アシッド ブルー 138
Figure 2012008421
本発明に用いるアントラキノン系酸性染料は、透過スペクトルにおいて440nmの領域で80%を超えており、450nmの領域で透過率が75%以上であり、550nmの領域で透過率が10%以下であることが好ましい。
[カチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物]
次いで、酸性染料のカウンタ成分としての四級アンモニウム塩化合物について説明する。本発明における四級アンモニウム塩化合物は、カチオン部分の分子量が190〜900の範囲である。
造塩化合物(A)のカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。
ここで無色、または白色とはいわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
ここでカチオン部分とは、下記一般式(1)中の(NR1234+の部分に相当する。本発明のカウンタ部分の分子量は、190〜900の範囲であり、好ましくは240〜850の範囲であり、特に好ましいのは、350〜800の範囲である。分子量が190よりも小さいと溶剤への溶解性が低下し、その結果異物が発生するため好ましくない。また分子量が900よりも大きくすると分子中の発色成分の割合が少なくなり、色材としての機能を十分発揮出来ず、また、レジストのパターニング工程で、微細パターンの剥離が起こり好ましくない。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
また、四級アンモニウム塩化合物として以下一般式(1)で表されるものが用いられる。
一般式(1)
Figure 2012008421
[一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R1、R2、R3、R4の少なくとも2つ以上がCの数が5〜20個である。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
1〜R4 の少なくとも2つ以上のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。Cの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。またCの数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物(A)の発色性が損なわれてしまうことと、レジストのパターニング工程で、微細パターンの剥離が起こり好ましくない。
具体的には、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
アニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、通常は塩素である。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が好ましいものである。
[造塩化処理]
酸性染料と四級アンモニウム塩化合物との造塩化合物は、従来知られている方法により合成することができる。特開平11−72969号公報などに具体的な手法が開示されている。
一例をあげると、キサンテン系酸性染料を水に溶解した後、四級アンモニウム塩化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでキサンテン系酸性染料中のスルホン酸基(−SO3H)の部分と四級アンモニウム塩化合物のアンモニウム基(NH4+)の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶媒である。
造塩化合物(A)は、特にC.I.アシッドレッド289またはC.I.アシッドブルー112と、四級アンモニウム塩化合物のカチオン成分であるカウンタの分子量を350〜800とすることで、溶剤溶解性に優れた組成物となり、さらに、青色顔料と併用した場合に、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れたものとなる。また造塩化合物(A)が青色顔料と併用することで良好なものとなるのは、溶剤中に溶解、分散しながら青色顔料に吸着することによるものである。
(その他の着色剤)
また本発明の着色組成物には、効果に支障を来たさない範囲で有機顔料を添加することができる。
赤色着色組成物に用いる着色剤は、例えばC.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、166、168、169、176、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用いられる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を使用することもできる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。また橙色及び/または黄色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を使用することもできる。
緑色着色組成物に用いる着色剤は、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等が挙げられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を併用することもできる。
青色着色組成物に用いる着色剤は、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、又は64等を用いることができる。青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、又は50等の紫色顔料を併用することができる。
なかでも青色顔料としては、フタロシアニン系顔料および/またはトリアリールメタン系レーキ顔料等が好ましく、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー顔料を用いることが好ましいものである。
青色着色組成物として用いる場合、青色顔料と造塩化合物(A)との使用割合は、青色顔料100重量部に対し造塩化合物(A)が1〜80重量部が好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。造塩化合物(A)の添加量が1重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また80重量部を越えると色相が変化してしまうため好ましくない。混合する比率に関しては、所望の色相を達成するため、任意にその配合比率を変更することができる。
緑色着色組成物として用いる場合、緑色顔料と造塩化合物(A)との使用割合は、緑色顔料100重量部に対し造塩化合物(A)が1〜80重量部が好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。造塩化合物(A)の添加量が1重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また80重量部を越えると色相が大きく変化してしまうため好ましくない。
赤色着色組成物として用いる場合、赤色顔料と造塩化合物(A)との使用割合は、赤色顔料100重量部に対し造塩化合物(A)が1〜80重量部が好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。造塩化合物(A)の添加量が1重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また80重量部を越えると色相が大きく変化してしまうため好ましくない。
[顔料の微細化]
本発明の着色組成物に併用する顔料は、ソルトミリング処理を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、
2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<樹脂>
樹脂は、着色剤、特に造塩化合物を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤100重量部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂をカラーフィルタ用アルカリ現像型レジストに用いることで、造塩化合物(A)を塗布した後の塗膜異物が発生せず、レジスト中の造塩化合物(A)の安定性が改善され好ましい。側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有さない直鎖状の樹脂を用いた場合は、樹脂と染料の混在する液中で染料が樹脂にトラップされにくく自由度を持っていることで染料成分が凝集・析出しやすいが、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を用いることで、樹脂と染料の混在する液中で染料が樹脂にトラップされ易いため、染料成分が凝集・析出しにくく、また、さらに紫外線などにより硬化して膜を形成する際に樹脂が3次元架橋されることで染料分子が固定され、その後の現像工程で溶剤が除去されても染料成分が凝集・析出しにくくなると推定される。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。
本発明における有機溶剤は、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S)を含むことを特徴とする。
ここで溶解度パラメータ(=SP値)とは、非電解質の有機溶剤に対する解けやすさを示す指標であり、ダイセル化学工業株式会社 「溶剤取扱製品一覧表」(2009.7.30改訂版)カタログ等に記載されている値を使用した。
(有機溶剤(S))
本発明で用いる有機溶剤は、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S)を含み、全溶剤量に対する有機溶剤(S)の含有量が5〜100重量%であることを特徴とする。この特定の沸点およびSP値の有機溶剤を用いることで、着色剤の中に含まれる染料との相溶性が良くなり、樹脂との相溶性も高いために異物の発生を抑えることができ、着色組成物として高い明度と広い色再現領域を発揮することが可能となる。また顔料を併用する場合においても、顔料の分散安定性が高くなるために好ましい。
また、沸点が120℃未満の有機溶剤を用いた場合乾燥性が高くなり過ぎ、製造時、保管時、使用時に溶剤組成比や不揮発分の変化が起こり、好ましくない。
沸点が210℃より高い有機溶剤を用いると着色組成物の薄膜を形成する際に、乾燥しにくい。そのため、スピンコート方式で塗布液を塗布する場合、基板の端部に液の盛り上がりが形成され、スピン終了時から乾燥工程において、液の盛り上がった部分が基板の端部から中心方向に向かって平滑化が進み、その結果として額縁状の色ムラ( 膜厚ムラ) が形成される。また、ダイコート方式においても、塗布境界部に液の盛り上がった部分が形成され、境界部から中心方向に向かって平滑化が進み、その結果として額縁状の色ムラ( 膜厚ムラ)が形成される。
本発明における有機溶剤(S)の含有量は、全溶剤量を基準(100重量%)として、5〜100重量%である。有機溶剤(S)の含有量が5%未満の場合は、異物の発生を抑えることができなくなる。
有機溶剤(S)を、〈沸点(℃)/SP値(cal/cm31/2〉と併記し例示すると、
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート〈188/8.9〉、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート〈145/9.0〉、シクロヘキサノールアセテート〈173/9.2〉、シクロへキサノン〈155/9.4〉、プロピレングリコールジアセテート〈190/9.6〉、プロピレングリコールモノメチルエーテル〈121/10.2〉、3−メトキシブタノール〈161/10.9〉、ジエチレングリコールモノエチルエーテル〈202/10.9〉、γ−ブチロラクトン〈204/12.9〉等が挙げられる。
[有機溶剤(S1)]
なかでも、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上9.7(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S1)を用いた場合、有機溶剤の極性が高くなり、本発明に使用される染料をより好ましく溶解させることができるため異物の発生を抑え、さらに、それをフィルタセグメントとした場合の光学性能をより好ましく発揮出来る。
有機溶剤(S1)としては、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、シクロへキサノン、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。
[有機溶剤(S2)]
また、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が9.7(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の特にSP値が高い有機溶剤(S2)を用いた場合、さらに有機溶剤の極性が高くなり、本発明に使用される染料をより好ましく溶解させることができるため異物の発生を抑え、さらに、それをフィルタセグメントとした場合の光学性能をより好ましく発揮出来る。
有機溶剤(S2)を用いる場合には、着色組成物の全量を基準として、5〜50重量%であることが好ましい。有機溶剤(S2)は、有機溶剤(S1)にくらべ、SP値が高いものであり、沸点も有機溶剤(S1)に比べ高いものが多いため、乾燥性が悪くなり、前述したとおり、工程にて問題が生じる場合が考えられるが、上記のSP値の範囲内である場合、着色組成物の全量を基準として、5〜50重量%が好ましい。
有機溶剤(S2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
(その他の有機溶剤)
本発明において、有機溶剤(S)および有機溶剤(S)以外の有機溶剤としては、下記のものを使用できる。
例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〈146/8.7〉、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等の有機溶剤を用いることもできる。
これらの有機溶剤は、着色組成物の全量を基準として、60〜95重量%であることが好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の四級アンモニウム塩化合物(のカウンタ成分)とからなる造塩化合物(A)とを含む着色剤を、前記樹脂と、必要に応じて溶剤とからなる着色剤担体中に、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、酸性染料の造塩化合物(A)の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、本発明の着色組成物は、顔料、造塩化合物(A)、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物(A)は、顔料の分散助剤としての役割を果たすこともでき好ましい組み合わせである。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。
本発明においては、中でも顔料誘導体が好ましく、その構造は、下記一般式(3)で示される化合物である。
P−Ln 一般式(3)
(ただし、
P:有機顔料残基、アントラキノン残基、アクリドン残基またはトリアジン残基
L:塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基
n:1〜4の整数である)
Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;金属錯体系顔料等が挙げられる。
色素誘導体としては、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、最も好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することが出来る。
<光重合性単量体>
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<光重合開始剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−330などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の合計100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備し、前記少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成される。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
まず、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液、微細化顔料、造塩化合物(A)、その他の造塩化合物、キサンテン系化合物、顔料分散体、顔料レジストの製造方法から説明する。
また、アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
顔料粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液(RA−1)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液(RA−1)を得た。
(アクリル樹脂溶液(RA−2)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキシルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキシルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液(RA−2)を得た。
(アクリル樹脂溶液(RA−3)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたシクロヘキサノールアセテート207部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、グリセロールモノメタクリレート8.5部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイオキシルエチルイソシアネート6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノールアセテートを添加してアクリル樹脂溶液(RA−3)を得た。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
(アクリル樹脂溶液(RA−4)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたシクロヘキサノールアセテート370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノールアセテートを添加してアクリル樹脂溶液(RA−4)を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細顔料1の作製)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細顔料1を得た。青色微細顔料1の比表面積は80m2/gであった。
(赤色微細顔料1の作製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料1を得た。赤色微細顔料1の比表面積は70m2/gであった。
(黄色微細顔料1の作製)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色微細顔料1を得た。黄色微細顔料1の比表面積は70m2/gであった。
(緑色微細顔料1の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色微細顔料1を得た。緑色微細顔料1の比表面積は75m2/gであった。
(黄色微細顔料2の作製)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の黄色微細顔料2を得た。黄色微細顔料2の比表面積は65m2/gであった。
<造塩化合物(A)の製造方法>
(造塩化合物(A−1))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P)(カチオン部分の分子量が550)とからなる造塩化合物(A−1)を作製した。
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、C.I.アシッド レッド 289を溶解させ十分に混合・攪拌を行い、70〜90℃に加熱した後、コータミンD86Pを少しずつ滴下していく。またコータミンD86Pは水に溶解し水溶液として用いても良い。コータミンD86Pを滴下した後、70〜90℃で60分攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド レッド 289とジステアリルジメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(A−1)を得た。
(造塩化合物(A−2))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52とジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P)(カチオン部分の分子量が550)とからなる造塩化合物(A−2)を作製した。
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、C.I.アシッド レッド 52を溶解させ十分に混合・攪拌を行い、70〜90℃に加熱した後、コータミンD86Pを少しずつ滴下していく。またコータミンD86Pは水に溶解し水溶液として用いても良い。コータミンD86Pを滴下した後、70〜90℃で60分攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド レッド 52とジステアリルジメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(A−2)を得た。
(造塩化合物(A−3))
下記の手順でC.I.アシッド ブルー 112とジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P)(カチオン部分の分子量が550)とからなる造塩化合物(A−3)を作製した。
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、C.I.アシッド ブルー 112を溶解させ十分に混合・攪拌を行い、70〜90℃に加熱した後、コータミンD86Pを少しずつ滴下していく。またコータミンD86Pは水に溶解し水溶液として用いても良い。コータミンD86Pを滴下した後、70〜90℃で60分攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド ブルー 112とジステアリルジメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(A−3)を得た。
(造塩化合物(A−4))
下記の手順でC.I.アシッド ブルー 140とジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P)(カチオン部分の分子量が550)とからなる造塩化合物(A−4)を作製した。
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、C.I.アシッド ブルー 140を溶解させ十分に混合・攪拌を行い、70〜90℃に加熱した後、コータミンD86Pを少しずつ滴下していく。またコータミンD86Pは水に溶解し水溶液として用いても良い。コータミンD86Pを滴下した後、70〜90℃で60分攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド ブルー 140とジステアリルジメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(A−4)を得た。
<その他の造塩化合物の製造方法>
(造塩化合物(AC−1))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とテトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)とからなる造塩化合物(AC−1)を作製した。
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、C.I.アシッド レッド 289を溶解させ十分に混合・攪拌を行い、70〜90℃に加熱した後、テトラエチルアンモニウムクロライドを少しずつ滴下していく。またテトラエチルアンモニウムクロライドは水に溶解し水溶液として用いても良い。テトラエチルアンモニウムクロライドを滴下した後、70〜90℃で60分攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド レッド 289とテトラエチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(AC−1)を得た。
<キサンテン系化合物(C)の製造方法>
(キサンテン系化合物(C−1))
C.I.アシッド レッド 289 を常法によりスルホニルクロリド化後、ジオキサン中で理論当量のドデシルアミンと反応させてC.I.アシッド レッド 289のスルホンアミド化合物、キサンテン系化合物(C−1)を得た。(特開平6−194828の記載に基づく。)
以下の実施例に記載されてる溶剤については以下のように略記する。
〈沸点(℃)/SP値(cal/cm31/2
有機溶剤(S)〈120〜210/8.8以上13.0未満〉
有機溶剤(S1)〈120〜210/8.8以上9.7未満〉
CHXA:シクロヘキサノールアセテート〈173/9.2〉
ANO:シクロヘキサノン〈155/9.4〉
有機溶剤(S2)〈120〜210/9.7以上13.0未満〉
MB:3−メトキシブタノール〈161/10.9〉
γ−B:γ−ブチロラクトン〈204/12.9〉
その他の溶剤
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〈146/8.7〉
EDGAC:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート〈217/9.0〉
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(DP−1〜7)の作製)
表1に示した組み合わせにより、下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DP−1〜7)を作製した。
着色剤(顔料) :11.0部
アクリル樹脂溶液 :40.0部
顔料分散希釈溶剤 :48.0部
樹脂型分散剤(日本ルーブリゾール社製「ソルスパーズ20000」): 1.0部
Figure 2012008421
<顔料レジストの製造方法>
(赤色レジストの調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色レジストを得た。
顔料分散体(DP−4) :50.0部
顔料分散体(DP−5) :10.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
(緑色レジストの調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色レジストを得た。
顔料分散体(DP−6) :45.0部
顔料分散体(DP−7) :15.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :23.2部
[実施例1]
(染料溶液(DA−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し染料溶液(DA−1)を作製した。
造塩化合物(A−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液(RA−1) :40.0部
染料希釈溶剤(CHXA) :49.0部
[実施例2〜8、比較例1〜4]
(染料溶液(DA−2〜11)の作製)
表2に示す組成、配合比に変えた以外は、実施例1(染料溶液(DA−1))と同様に染料溶液(DA−2〜11)を作製した。
染料溶液(DA−2〜12)について、以下の評価を行った。
(塗膜異物試験方法)
評価は試験基板を作製し粒子の数をカウントして行った。透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃20分加熱し試験基板を得た。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。下記の評価結果において、◎、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
◎:5個未満
○:5個以上、20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表2にその結果を示す。
Figure 2012008421
[実施例9〜21、比較例5〜8]
(染料顔料混合ペースト(DB−1〜17)の作製)
表3に示した組み合わせにより、下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し染料顔料混合ペースト(DB−1〜17)を作製した。
染料溶液 :2.2部
顔料分散体 :8.8部
アクリル樹脂溶液 :40.0部
ペースト希釈溶剤 :49.0部
尚、ペースト希釈溶剤は、表3の溶剤比率になる様に必要に応じて2種類の溶剤
を混合した。
染料顔料混合ペースト(DB−1〜17)について、以下の評価を行った。
(塗膜異物試験方法)
評価は試験基板を作製し粒子の数をカウントして行った。透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃20分加熱し試験基板を得た。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。下記の評価結果において、◎、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
◎:5個未満
○:5個以上、20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表3にその結果を示す。
Figure 2012008421
比較例5のように、カチオン部分の分子量が小さい造塩染料を用いた染料顔料着色ペーストは、SP値が8.8以上の溶剤を5%以上含んでいても、それを用いた塗膜には異物が発生した。
比較例6のように、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物を使用しない場合は、SP値が8.8以上の溶剤を5%以上含んでいても、それを用いた塗膜には異物が発生した。
比較例7、8の染料顔料着色ペーストは、SP値が8.8以上の溶剤を5%以上含まないため、それを用いた塗膜には異物が発生した。
実施例9〜21について、異物評価は◎、もしくは○であり、塗膜評価は良好、使用に差し支えないレベルであった。
[実施例22〜36、比較例9〜12]
表4に示した組み合わせにより、DC−4、5については処方2で、それ以外は処方1の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、染料顔料レジスト(DC−1〜DC−19)を得た。
(処方1)
染料溶液 :12.0部
顔料分散体 :48.0部
アクリル樹脂溶液 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」): 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
レジスト希釈溶剤 :23.2部
(処方2)
染料溶液 :30.0部
顔料分散体 :30.0部
アクリル樹脂溶液 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」): 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
レジスト希釈溶剤 :23.2部
尚、レジスト希釈溶剤は、表4の溶剤比率になる様に必要に応じて2種類の溶剤
を混合した。
Figure 2012008421
(染料顔料レジスト(DC−1〜DC−19)の評価)
得られた染料顔料レジスト(DC−1〜DC−19)の塗膜の色度、異物、耐熱性、耐光性、耐溶剤性の各試験を下記の方法で行った。試験の結果を表5に示す。
(塗膜異物試験方法)
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるようにレジストを塗布し、全面紫外線露光を行った後、オーブンで230℃20分加熱、放冷し評価基板を得た。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で確認可能な粒子の数をカウントする。下記の評価結果において、◎、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラが発生してしまう。
◎:〜5個未満
○:5個以上、20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
(色特性の評価)
ガラス基板上にC光源においてx=0.150、y=0.060になるような膜厚にレジストを塗布し、この基板を230℃で20分加熱した。その後、得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(塗膜耐熱性試験の方法)
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるようにレジストを塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行った後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した。その後、オーブンで230℃20分加熱、放冷後、得られた塗膜のC光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱試験としてオーブンで250℃1時間加熱し、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
測定した色差値を用いて、下記計算式により、色差ΔEab*を算出し、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、2.5未満
△:ΔEab*が2.5以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
(塗膜耐光性試験の方法)
塗膜耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板を耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、500時間放置した。基板を取り出した後、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、塗膜耐熱性試験と同様にして色差ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐光性を評価した。
(塗膜耐溶剤性試験の方法)
耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、C光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板をN−メチルピロリドンに30分間浸漬した。基板を取り出した後、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、塗膜耐熱性試験と同様にして色差ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐溶剤性を評価した。
Figure 2012008421
比較例9のように、カチオン部分の分子量が小さい造塩染料を用いた染料顔料着色ペーストは、SP値が8.8以上の溶剤を5%以上含んでいても、それを用いた塗膜には異物が発生した。また、明度も劣る結果となった。
比較例10のように、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物を使用しない場合は、SP値が8.8以上の溶剤を5%以上含んでいても、それを用いた塗膜には異物が発生した。また、明度も劣る結果となり、耐熱性、耐光性、耐溶剤性についても若干劣る結果となった。
比較例11や比較例12の染料顔料着色ペーストは、SP値が8.8以上の溶剤を5%以上含まないため、それを用いた塗膜には異物が発生した。
実施例22〜36については、異物評価は◎もしくは○であり、使用に差し支えないレベルであった。
[実施例37〜51、比較例13〜16]
表6に示した組み合わせにより以下の様にカラーフィルタを作成し、評価を行った。ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色レジストをx=0.640、y=0.330になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、緑色レジストをx=0.300、y=0.600になるような膜厚に、青色レジスト(R―1)を用いてx=0.150、y=0.060になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタ(CF−1〜17)を得た。
(液晶表示装置の作製)
得られたRGBのカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイ及び画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。このようにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させて配置し、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入した後、開口部を封止した。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットの3波長CCFL光源と組み合わせてカラー表示装置を作製した。
その後、得られたカラー表示装置において、光源を発光させカラー画像を表示し、各色フィルタセグメント部分の明度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。結果を表6に示す。
Figure 2012008421
白色表示において、比較例13〜16について、前述のとおり塗工性に問題があり、実用的に使用することは困難である。

Claims (8)

  1. 着色剤と、樹脂と、有機溶剤とを含むカラーフィルタ用着色組成物において、
    該着色剤が、酸性染料とカチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(A)を含み、
    該有機溶剤が、760mmHgにおける沸点が120〜210℃でありかつ溶解度パラメータ(=SP値)が8.8(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S)を含み、
    全溶剤量を基準としたときの有機溶剤(S)の含有量が、5〜100重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 有機溶剤(S)が、溶解度パラメータ(=SP値)8.8(cal/cm31/2以上9.7(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S1)を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 有機溶剤(S)が、溶解度パラメータ(=SP値)9.7(cal/cm31/2以上13.0(cal/cm31/2未満の有機溶剤(S2)を含み、
    全溶剤量を基準としたときの有機溶剤(S2)の含有量が、5〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. カチオン部分の分子量が190〜900の範囲である四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(1)
    Figure 2012008421
    [一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R1、R2、R3、R4の少なくとも2つ以上がCの数が5〜20個である。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
  5. 樹脂が、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 着色剤が、さらにフタロシアニン系顔料および/またはトリアリールメタン系レーキ顔料を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 基板上に、請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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