JP2012006954A - 植物からのポリアミン組成物の調製方法 - Google Patents

植物からのポリアミン組成物の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】健康食品、化粧品、医薬品用途に有用なポリアミン又はポリアミン組成物を、安全性が高い植物素材から調製する方法を提供する。
【解決手段】(1)植物及び/又は植物抽出物を酸性条件下に処す工程と、(2)液体画分を分離する工程とを含むことを特徴とするポリアミン組成物の調製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物からポリアミン組成物を効率的に、大量に製造する方法に関する。
ポリアミンは、第1級アミノ基を2つ以上もつ脂肪族炭化水素の総称で生体内に普遍的に存在する天然物であり、20種類以上のポリアミンが見いだされている。代表的なポリアミンとしてはプトレシン、スペルミジン、スペルミンがある。ポリアミンの主な生理作用としては(1)核酸との相互作用による核酸の安定化と構造変化(2)種々の核酸合成系への促進作用(3)タンパク質合成系の活性化(4)細胞膜の安定化や物質の膜透過性の強化(5)活性酸素の消去(6)細胞増殖の促進(7)抗アレルギー作用が知られている。
ポリアミンは、動物、植物、微生物などの生物体内に遍在する天然物であり、肉類、チーズ、発酵食品にはポリアミン含量が比較的高いが、全体的には食品中に含まれるポリアミン含量は低いレベルである。特に植物中に含まれるポリアミン濃度は生体中1g当たり数10〜数100nmolのオーダーである(非特許文献1)。これらの事情から、植物ではなく、ポリアミン濃度が高い動物関連素材からのポリアミンの調製がこれまでに検討されてきた。
工業的に利用できるポリアミン又はポリアミン組成物の調製方法は、魚類の白子(特許文献1)、乳素材(特許文献2,特許文献3)、酵母(特許文献4,特許文献5)や化学合成(特許文献6)、酵素反応や微生物代謝による化学的合成(非特許文献2)に関して報告されている。しかし、植物由来以外からポリアミン組成物を調製する場合、化学合成や、酵素反応でポリアミン組成物を調製する場合には、安全性や収率に多くの問題や課題がある。例えば安全性の問題として化学合成で調製したポリアミン組成物は、合成反応に用いた物質や触媒の混入有無から食品用途に適用するのは極めて困難である。
植物からのポリアミン又はポリアミン組成物の調製方法に関する報告はない。ポリアミンは非常に不安定、かつポリアミン酸化酵素によって分解されやすく、ポリアミン又はポリアミン組成物を大量に調製することは困難であった。植物は、強固な細胞壁を持つことから細胞内に存在するポリアミン又はポリアミン組成物を回収するためには、ポリアミン又はポリアミン組成物が分解されない安定な条件下で細胞壁に損傷を与える必要があった。さらに、植物及び/又は植物抽出物中には大量の多糖類、ポリフェノール、二次代謝産物等の不純物が含まれており、これらの不純物がポリアミン又はポリアミン組成物の回収を阻害する大きな要因となっていた。
特許第3518778号公報 特開2001−8663号公報 特開2001−95483号公報 特開平10−52291号公報 特開2000−245493号公報 特開平7−277917号公報
植物の化学調節,35,56−66,2000 代謝,Vol.9,No.11,1010−1017,1972
近年、ポリアミンは、様々な生理作用が解明されることでその重要性が高まっている。ポリアミン又はポリアミン組成物は、健康、化粧品、食品、医薬品用途に利用されつつある。しかし、ポリアミン又はポリアミン組成物を調製するための十分な方法は確立されていなかった。特に、植物からのポリアミン又はポリアミン組成物の調製方法は今まで確立されていなかった。
本発明の目的は、安全性が高い植物素材から高収率でポリアミン又はポリアミン組成物を調製する方法を提供することである。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意努力した結果、植物から健康、化粧品、食品、医薬品用途に利用可能なポリアミン又はポリアミン組成物を効率的に、大量に調製する方法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
1.(1)植物及び/又は植物抽出物を酸性条件下に処す工程と、(2)液体画分を分離する工程とを含むことを特徴とするポリアミン組成物の調製方法。
2.鉱酸及び/又は有機酸を含む酸溶液を添加し酸性条件下に処すことを特徴とする1のポリアミン組成物の調製方法。
3.鉱酸及び/又は有機酸が、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、トリクロロ酢酸、過塩素酸、クエン酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、スルホサリチル酸及びギ酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の酸であることを特徴とする2のポリアミン組成物の調製方法。4.酸性条件下になるように添加する酸溶液が、塩酸及び/又は過塩素酸であることを特徴とする1〜3のいずれかのポリアミン組成物の調製方法。
5.植物及び/又は植物抽出物を酸性条件下に処すと同時又は後に、ポリフェノール吸着剤を添加し、液体画分を分離することを特徴とする1〜4のいずれかのポリアミン組成物の調製方法。
6.植物及び/又は植物抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする1〜5のいずれかのポリアミン組成物の調製方法。
7.ポリアミン組成物が、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含むことを特徴とする1〜6のいずれかのポリアミン組成物の調製方法。
8.ポリアミン組成物が、プトレシン、カダベリン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含むことを特徴とする1〜7のいずれかのポリアミン組成物の調製方法。
9.液体画分を分離する工程が、遠心分離及び/又は濾過分離であることを特徴とする1〜8のいずれかのポリアミン組成物の調製方法。
10.1〜9のいずれかの調製方法によって回収されたポリアミン組成物を、さらにイオン交換法、ゲル濾過法、膜分画法及び電気透析法よりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の処理により精製することを特徴とするポリアミン組成物の調製方法。
本発明により、植物素材から高収率でポリアミン又はポリアミン組成物を大量に調製する方法を提供することが可能になった。
ダイズ種子から調製したポリアミン組成物(左)と精製ポリアミン組成物(右)の純度確認 ダイズ胚芽から調製したポリアミン組成物の純度確認 コムギ胚芽から調製したポリアミン組成物の純度確認 豆乳から調製したポリアミン組成物の純度確認
本発明において「植物及び/又は植物抽出物」とは、種々の植物、植物抽出物であり、特に限定されるものではないが、例えば双子葉植物、単子葉植物、草本性植物、木本性植物、ウリ科植物、ナス科植物、イネ科植物、アブラナ科植物、マメ科植物、アオイ科植物、キク科植物、アカザ科植物、マメ科の植物、該植物抽出物、該植物エキスなどが挙げられる。例えば、サツマイモ、トマト、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ、タバコ、シロイヌナズナ、ピーマン、ナス、マメ、サトイモ、ホウレンソウ、ニンジン、イチゴ、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、オオムギ、ダイズ、ナタネ、ソルガム、ユーカリ、ポプラ、ケナフ、杜仲、サトウキビ、シュガービート、キャッサバ、サゴヤシ、アカザ、ユリ、ラン、カーネーション、バラ、キク、ペチュニア、トレニア、キンギョソウ、シクラメン、カスミソウ、ゼラニウム、ヒマワリ、シバ、ワタ、エノキダケ、ホンシメジ、マツタケ、シイタケ、キノコ類、チョウセンニンジン、アガリクス、ウコン、オタネニンジン、柑橘類、緑茶、紅茶、ウーロン茶、バナナ、キウイ、納豆、豆乳、ダイズエキス、コムギエキス、胚芽エキス、胚エキス、果汁、オカラ、コメ胚芽、コムギ胚芽、オオムギ胚芽、ダイズ胚芽、トウモロコシ胚芽、マイロ胚芽、ヒマワリ胚芽などが挙げられる。
好ましくは、単子葉植物や双子葉植物がよく、さらに好ましくはイネ科植物やマメ科植物がよく、特に好ましくは、トウモロコシ、キノコ類、ダイズ、コムギ、納豆、豆乳、オカラ、コムギ胚芽、ダイズ胚芽、トウモロコシ胚芽、ダイズエキス、コムギエキス、胚芽エキス、胚エキスがよい。特に国民一人・1年当たり供給純食料が多い植物、例えば、平成15年度で年間6.7kgのダイズ、平成15年度で年間32.6kgのコムギなどからポリアミン又はポリアミン組成物を回収してもよい。
ポリアミン組成物を回収する植物組織としては、特に限定はされない。好ましくは、種子形態、生育過程にあるものである。生育過程にある植物は全体、あるいは部分的な組織から回収することができる。回収できる部位としては、特に限定されないが全樹、花、蕾、子房、果実、葉、子葉、茎、芽、根、種子、乾燥種子、胚、胚芽、根などである。好ましくは、果実、葉、茎、芽、種子、乾燥種子、胚芽、胚であり、特に好ましくは、種子、乾燥種子、胚芽、胚などである。
本発明において重要な開示の一つは、精製工程において、植物及び/又は植物抽出物に、酸性条件下になるように酸溶液を添加することにある。発明者らは、この工程によりポリアミンが高度に安定に精製できることを見いだした。
本発明において「酸性条件下」とは、pHが6以下の条件をいう。精製時に、pHを酸性条件下にすることにより、植物組織から効率的かつ安定的なポリアミン組成物回収の効果が得られる。この効果は、pHが6以下であれば一様に得られるが、好ましくはpHが4以下であり、特に好ましくはpHが2以下などである。下限については、使用する酸溶液の原液のpHで構わないので、特に制限されないが、好ましくは、pH0〜2である。
本願発明の「植物抽出物」とは植物から得られる物又はその加工物をいう。その調製方法とは、植物を水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物などを用いて、低温、室温、加温条件下での含浸法、蒸留法、圧搾法、超音波法、超臨界流体法、亜臨界流体法などで抽出物を回収する。さらに植物や植物から回収した抽出物を発酵させるなどの加工処理した加工物なども含まれる。例えば植物エキス、豆乳、オカラ、小麦粉、発酵エキス、納豆などが挙げられる。
酸性条件下になるように添加する酸溶液としては、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸などの有機酸および酸性水が挙げられるが、0.01N〜6Nの塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、トリクロロ酢酸、スルホサリチル酸、ギ酸、クエン酸、乳酸や0.1〜10%の過塩素酸などの無機酸や有機酸などである。好ましくは、0.0625〜1Nの塩酸、0.25〜5%の過塩素酸などである。
本発明において重要な開示の別の一つは、精製工程において、「ポリフェノール吸着剤」を添加することにある。ポリフェノール吸着剤の添加により、ポリアミン又はポリアミン組成物の回収を容易ならしめることを見いだした。
本発明において「ポリフェノール吸着剤」とは、ポリフェノール類を吸着出来る物質であれば、特に限定はされないが、PVPP(ポリビニルポリピロリドン)、PVP(ポリビニルピロリドン)、PEG(ポリエチレングリコール)等が好ましく使用される。特に好ましくは、PVPP(ポリビニルポリピロリドン)である。これらのポリフェノール吸着剤は市販の物質を使用してもよい。たとえば、ポリクラール(登録商標)、POLYCLAR(登録商標)(アイエスピー社製)、Dowex(登録商標)−1、PVP−40等を使用しても良い。植物及び/又は植物抽出物に酸溶液を添加した後にポリフェノール吸着剤を添加することで、ポリアミン組成物の回収量、収率、純度が高まることが期待できる。
ポリフェノール吸着剤の添加量は、好ましくは0.1〜30%(w/v)、より好ましくは0.5〜20%(w/v)、さらに好ましくは、1〜10%(w/v)である。
植物及び/又は植物抽出物に、酸性条件下になるように酸溶液を添加又は酸性条件下になるように酸溶液を添加した後にポリフェノール吸着剤を添加した後に破砕、粉砕、混合をおこなうことでポリアミン組成物の回収量を高めることができる。特に植物組織の場合は細胞壁を有することから細胞壁に損傷を与えることが望ましい。植物抽出液や植物エキスの場合は細胞壁を含まないことから特に細胞壁に損傷を与えるような破砕や粉砕を行う必要はない。破砕や粉砕を行う方法としては、例えば、ミキサー、ブレンダー、ホモジナイザー、乳鉢、超音波破砕機などを利用することができる。
植物及び/又は植物抽出物に含まれていたポリアミンを酸溶液中(液体画分)に十分に抽出した後に遠心分離や濾過分離によって液体画分を残査や沈殿と分離する。回収された液体画分にはポリアミンが多く含まれており「ポリアミン組成物」として得た。
本発明において「ポリアミン」とは、第1級アミノ基を2つ以上もつ脂肪族炭化水素の総称で生体内に普遍的に存在する天然物であり、20種類以上のポリアミンが見いだされている。例えば、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン、ホモカルドヘキサミンなどが挙げられる。代表的なポリアミンとしてはプトレシン、スペルミジン、スペルミンがある。
本発明で言うところの「プトレシン」は代表的なポリアミンの一つで生物体内に普遍的に存在する一般的な天然物であり、第一級アミノ基を2つもつ脂肪族炭化水素化合物である。「カダベリン」は代表的なポリアミンの一つで生物体内に普遍的に存在する一般的な天然物であり、第一級アミノ基を2つもつ脂肪族炭化水素化合物である。「スペルミジン」は代表的なポリアミンの一つで生物体内に普遍的に存在する一般的な天然物であり、第一級アミノ基を3つもつ脂肪族炭化水素化合物である。「スペルミン」は代表的なポリアミンの一つで生物体内に普遍的に存在する一般的な天然物であり、第一級アミノ基を4つもつ脂肪族炭化水素化合物である。
必要に応じてポリアミン組成物は、イオン交換法、膜分画法、ゲル濾過法、電気透析法で脱塩処理や精製処理を行っても良く、これらの方法を少なくとも1つ以上実施することで、より高純度なポリアミン組成物を得ることができる。例えば、イオン交換法としては、ポリアミン溶液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通し、ポリアミンとアミノ酸、ペプチド、蛋白質、糖類等の夾雑物とを分離する。使用するイオン交換樹脂としては、イオン交換基がスルホン酸基、スルホプロピル基、リン酸基、カルボキシルメチル基、アミノエチル基、ジエチルアミノ基、4級アミノエチル基、4級アンモニウム基等であればよく、陽イオン交換樹脂でも陰イオン交換樹脂でもいずれも使用することができる。陽イオン交換樹脂を使用した場合には、ポリアミンは陽イオン交換樹脂に吸着されるので、非吸着物質を十分に分離した後、硫酸、塩酸等の酸性溶液や塩化ナトリウム等の塩溶液でポリアミンを溶出する。陰イオン交換樹脂を使用した場合には、ポリアミンは陰イオン交換樹脂に吸着されないので、ポリアミンを含む非吸着画分を回収する。例えば、膜分画法としては、セルロース系、酢酸セルロース系、ポリスルホン系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリ四フッ化エチレン系、ポリエステル系、ポリプロピレン系等で分画分子量が1000〜100000の範囲の限外濾過(UF)膜を使用してポリアミン組成物のUFを行い、ポリアミンを含む透過液を回収する。また、食塩阻止率30〜80%のナノフィルトレーション (NF) 膜を使用してポリアミン溶液のNFを行い、脱塩する。例えば、ゲル濾過法は、ポリアミン組成物を中和し、ゲル濾過担体を充填したカラムに通して分子量分画によりポリアミンを回収する。使用するゲル濾過担体は、デキストラン系、アクリルアミド系、アガロース系、セルロース系、ポリビニル系、ガラス系、ポリスチレン系などで分画分子量が100〜100000の範囲である。例えば、電気透析法は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とによって仕切られた各膜間にポリアミン組成物と食塩水とを交互に供給して電気透析を行う。電気透析の条件は、初期電流密度が0.5〜15A/dm2、電圧が0.1〜1.5V/槽などが挙げられる。
本発明で回収されたポリアミン組成物は、医薬部外品類、皮膚・頭髪用化粧品類、飲食品類、医薬品類、動物飼料などに配合して用いることができる。
具体的には化粧品類、医薬部外品類としては、例えば内用・外用薬用製剤、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パックなどの基礎化粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、整髪料、パーマ剤、ヘアートニック、染毛料、育毛・養毛料などの頭髪化粧料、育毛養毛剤、ファンデーション、白粉、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、眉墨、まつ毛などのメークアップ化粧料、美爪料などの仕上げ用化粧料、香水類、浴用剤、その他、歯磨き類、口中清涼剤・含嗽剤、液臭・防臭防止剤、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュなどが挙げられる。
飲食品類としては、例えば清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料、アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓、そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類、飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類、カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物、かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品、加工乳、乳児用調製粉乳、育児用粉乳、離乳食、発酵乳等の乳製品、サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品、ソース、たれ等の調味料、カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品、種々の形態の健康・栄養補助食品、保健機能食品、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチなどが挙げられる。
本発明で回収されたポリアミン組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が期待できる限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(ポリアミン分析方法)
植物又は/及び植物抽出物として、葉、茎、根、種子、果実、胚、胚芽、豆乳、納豆、オカラなどに含まれるポリアミン含量を調べることができる。ポリアミンは遊離型ポリアミン、化合型ポリアミン、結合型ポリアミンがあり抽出方法は異なるがいずれも解析することができる(Plant Cell Physiol., 43(2), 196-206, 2002)。具体例として種子の遊離型ポリアミンの分析方法について詳細に示す。約0.1〜1.0gのダイズ種子に希釈内部標準液(1,6−hexanediamine、又は1,7−diaminoheptane、内部標準量=7.5〜48nmol)と5%過塩素酸水溶液(試料生体重1.0g当たり5〜20ml)を加え、ポリトロンミキサーを用いて室温下で十分に磨砕抽出する。磨砕液を、4℃・35,000×gで20分間遠心分離して上清液を採取し本液を遊離型ポリアミン溶液とする。スクリューキャップ付きのマイクロチューブに100〜400μlの遊離型ポリアミン溶液(ポリアミン組成物,精製ポリアミン組成物)、200μlの飽和炭酸ナトリウム水溶液、200μlのダンシルクロライド/アセトン溶液(10mg/ml)を加えて軽く混和する。チューブの栓をしっかりと閉めたのちアルミ箔で覆い、60℃のウォーターバスで1時間加温してダンシル化を行う。チューブを放冷した後、プロリン水溶液(100mg/ml)を200μl加えて混和する。アルミ箔で覆ってウォーターバスで30分間再加温する。放冷後、窒素ガスを吹き付けてアセトンを除いた後に、600μlのトルエンを加えて激しく混和する。チューブを静置して2相に分かれた後に、上層のトルエン層を300μlマイクロチューブに分取する。分取したトルエンに窒素ガスを吹き付けてトルエンを完全除去する。チューブに200μlのメタノールを加えてダンシル化遊離型ポリアミンを溶解させる。プトレシン、スペルミジン、スペルミンの遊離型ポリアミン量の定量は蛍光検出器(励起波長:365nm・発光波長:510nm)を接続した高速液体クロマトグラフィーを用いて内部標準法で分析する。HPLCカラムはμBondapak C18(Waters社製:027324、3.9×300mm、粒子径10μm)を使用する。試料中のポリアミン含量は標準液と試料のHPLCチャートから、それぞれ各ポリアミンと内部標準のピーク面積を求めて算出する。
(実施例1)ダイズ種子からのポリアミン組成物の調製
100gのダイズ種子(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)と480mlの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で一晩放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ種子を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが8.2mg、スペルミジンが12.4mg、スペルミンが6.1mg含まれており、合計で26.7mgであった。さらに回収したポリアミン組成物を陽イオン交換樹脂(AG50W‐X4, 200‐400mesh, H+型, バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、ポリアミンを樹脂に吸着させた。0.7NNaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸でポリアミンを溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製ポリアミン粗成物とした。精製ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが6.4mg、スペルミジンが10.4mg、スペルミンが5.1mg含まれており、合計で21.9mgであった。ポリアミン組成物と精製ポリアミン組成物のHPLC分析のチャート図を図1に示した。プトレシン(検出時間:10.173分・10.175分)、カダベリン(検出時間:10.903分・10.890分)、スペルミジン(検出時間:16.050分・16.137分)、スペルミン(検出時間:20.100分・20.225分)のシャープな単一ピークがいずれの組成物においても検出された。ポリアミン以外の不純物ピークはほとんど検出されず、明らかにポリアミン組成物は高純度であり、ポリアミンが主成分であることが確認された。ポリアミン純度をHPLC分析のピーク面積から算出したところ、ポリアミン組成物は80〜86%、精製ポリアミン組成物は88〜93%であった。ポリアミン組成物が高純度である理由は、ポリフェノール吸着剤を添加し、酸条件下で抽出することで種子タンパク質などの不純物を変性及び吸着除去していることが大きく影響している。精製ポリアミン組成物は電気透析装置(アシライザーS3, アストム社製)により脱塩して濃縮した。
100gのダイズ種子(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)と500mlの1N塩酸溶液を加えて低温(4℃)下で一晩放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ種子を十分に破砕後、低温(4℃)下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが4.1mg、スペルミジンが9.1mg、スペルミンが2.9mg含まれており、合計で16.1mgであった。
以上の結果から、ダイズ種子から工業的又は実用的に利用できるポリアミン又はポリアミン組成物を回収することができた。特に、植物から1N塩酸でポリアミン又はポリアミン組成物が回収できることが確認できたことから、安全性に優れたポリアミン又はポリアミン組成物を提供することができる。塩酸でポリアミン又はポリアミン組成物を回収し、30%の水酸化ナトリウムで中和すれば、ごく一般的なイオンによる中和反応となり、トリクロロ酢酸に比べて安全性が高と考えられる。
(実施例2)ダイズ芽からのポリアミン組成物の調製
ダイズ種子(品種‘フクユタカ’)を吸水させて、光条件下又は暗黒条件下、26℃で2日間培養して発芽させた。光条件下又は暗黒条件下で培養した発芽ダイズの芽部分をそれぞれ約50gサンプリングした。50gのダイズ芽に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=600nmol)、250mlの5%過塩素酸水溶液、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を8g添加し、ホモジナイザーでダイズ芽を十分に破砕した。次に室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。光条件下で発芽させたダイズ芽からポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンとカダベリンが26.2mg、スペルミジンが1.8mg、スペルミンが0.2mg含まれており、合計で28.2mgであった。暗黒条件下で発芽させたダイズ芽からポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンとカダベリンが17.1mg、スペルミジンが1.6mg、スペルミンが0.2mg含まれており、合計で18.9mgであった。
以上の結果から、ダイズの芽には特にプトレシンとカダベリンが多く含まれていることが明らかとなった。ポリアミンの中でもプトレシンやカダベリンを特に有効成分として利用する際には、ダイズの芽を抽出材料として利用することが望ましい。ダイズ芽から工業的又は実用的に利用できるポリアミン又はポリアミン組成物を回収することができた。
(実施例3)ダイズ胚芽(ダイズ胚)からのポリアミン組成物の調製
100gのダイズ胚芽(フォーユー社製)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)、500mlの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが23.5mg、スペルミジンが24.0mg、スペルミンが9.6mg含まれており、合計で57.1mgであった。さらに回収したポリアミン組成物を陽イオン交換樹脂(AG50W‐X4, 200‐400mesh, H+型, バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、ポリアミンを樹脂に吸着させた。0.7NNaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸でポリアミンを溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製ポリアミン粗成物とした。精製ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが20.4mg、スペルミジンが22.3mg、スペルミンが7.7mg含まれており、合計で50.4mgであった。精製ポリアミン組成物は電気透析装置(アシライザーS3, アストム社製)により脱塩して濃縮した。
1kgのダイズ胚芽(フォーユー社製)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=10μmol)、5Lの1N塩酸溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を80g添加し、ホモジナイザーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で1時間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで30分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが235.1mg、スペルミジンが241.8mg、スペルミンが80.1mg含まれており、合計で557.0mgであった。ポリアミン組成物のHPLC分析のチャート図を図2に示した。プトレシン(検出時間:10.925分)、スペルミジン(検出時間:15.898分)、スペルミン(検出時間:20.025分)のシャープな単一ピークが検出された。13.002分の単一ピークは希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane)である。ポリアミンと希釈内部標準以外の不純物ピークはほとんど検出されず、明らかにポリアミン組成物は高純度であり、ポリアミンが主成分であることが確認された。ポリアミン組成物が高純度である理由は、胚芽(胚)部分のみを用いることで種子タンパク質等の混入が低いことと、ポリフェノール吸着剤を添加し、酸条件下で抽出することで種子タンパク質などの不純物を変性及び吸着除去していることが大きく影響している。ポリアミン組成物は電気透析装置(アシライザーS3, アストム社製)により脱塩して濃縮した。
以上の結果から、ダイズ胚芽(ダイズ胚)から極めて高含量なポリアミン又はポリアミン組成物が回収できることが明らかとなった。特にダイズ胚芽から、これ程の量のポリアミン又はポリアミン組成物が回収された報告は全くなく、ダイズ胚芽中にポリアミン含量が著しく高いことについても始めての知見であった。これまでにポリアミン又はポリアミン組成物を植物から抽出して工業的に利用する場合、植物中に含まれるポリアミン含量が極めて低く、さらに抽出効率が低いことが大きな問題であったが、1kgのダイズ胚芽(ダイズ芽)から約0.5gのポリアミン又はポリアミン組成物が回収できたことから、生産コストの面でも大きな改善がなされた。植物から1N塩酸でポリアミン又はポリアミン組成物が回収できることが確認できたことから、安全性に優れたポリアミン又はポリアミン組成物を提供することができる。
(実施例4)コムギ胚芽(コムギ胚)からのポリアミン組成物の調製
100gのコムギ胚芽(培焼・ローストタイプ,日清ファルマ社製)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)、500mlの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが6.4mg、スペルミジンが23.9mg、スペルミンが14.3mg含まれており、合計で44.6mgであった。さらに回収したポリアミン組成物を陽イオン交換樹脂(AG 50W-X4, 200-400mesh, H+型, バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、ポリアミンを樹脂に吸着させた。0.7NNaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸でポリアミンを溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製ポリアミン粗成物とした。精製ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが5.7mg、スペルミジンが21.5mg、スペルミンが12.9mg含まれており、合計で40.1mgであった。精製ポリアミン組成物は電気透析装置(アシライザーS3,アストム社製)により脱塩して濃縮した。
1kgのコムギ胚芽(培焼・ローストタイプ,日清ファルマ社製)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=10μmol)、5Lの1N塩酸溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を80g添加し、ホモジナイザーでコムギ胚芽を十分に破砕後、室温下で1時間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで30分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが75.1mg、スペルミジンが294.0mg、スペルミンが119.4mg含まれており、合計で488.5mgであった。ポリアミン組成物のHPLC分析のチャート図を図3に示した。プトレシン(検出時間:10.110分)、スペルミジン(検出時間:15.892分)、スペルミン(検出時間:20.019分)のシャープな単一ピークがそれぞれ検出された。12.994分の単一ピークは希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane)である。ポリアミンと希釈内部標準以外の不純物ピークはほとんど検出されず、明らかにポリアミン組成物は高純度であることが確認された。ポリアミン組成物が高純度である理由は、胚芽(胚)部分を用いることで種子タンパク質等の混入が低いことと、ポリフェノール吸着剤を添加し、酸条件下で抽出することでタンパク質などの不純物を変性又は吸着除去していることが大きく影響している。ポリアミン組成物は電気透析装置(アシライザーS3,アストム社製)により脱塩して濃縮した。
以上の結果から、コムギ胚芽(コムギ胚)から工業的又は実用的に利用できるポリアミン又はポリアミン組成物を回収することができた。コムギ胚芽中にはポリアミン以外にも有効な成分が多く含まれていることから、回収したポリアミン組成物中には主成分であるポリアミン以外にも有効成分が含まれている可能性がある。ポリアミン以外の有効成分の効果と作用がポリアミンの効果と作用に混合されることによって、より優れた効果と作用がさらに期待できる。植物から1N塩酸でポリアミン又はポリアミン組成物が回収できることが確認できたことから、安全性に優れたポリアミン又はポリアミン組成物を提供することができる。
(実施例5)豆乳からのポリアミン組成物の調製
100mlの豆乳(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)、100mlの5%過塩素酸水溶液を加えた。その後、ミキサーで十分に混合後、室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。混合物を4℃・27,700×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが0.7mg、スペルミジンが1.9mg、スペルミンが0.7mg含まれており、合計で3.3mgであった。回収したポリアミン組成物を30%の水酸化ナトリウムで中和し、電気透析装置(アシライザーS3,アストム社製)により脱塩して濃縮した。
100mlの豆乳(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=960nmol)、10%過塩素酸水溶液を2.5ml(終濃度0.25%)、5ml(終濃度0.5%)、10ml(終濃度1%)、20ml(終濃度2%)、40ml(終濃度4%)それぞれ加えた。その後、ミキサーで十分に混合後、室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。混合物を2℃・27,700×gで20分間遠心分離して液体画分を採取した。0.25%の過塩素酸濃度では液体画分が白色を呈した。過塩素酸濃度が低いことで、pH低下によるダイズタンパク質の変性が不十分になり液体画分に混入したと考えられる。0.5%と1%の過塩素酸濃度でも僅かに白色を呈した。ポリアミンの回収量は0.25%の過塩素酸濃度のポリアミン組成物ではポリアミン以外のピークが見られ他の成分の混入が見られた、他の過塩素酸濃度に比べてポリアミン回収量が低下した。一方、0.5%以上の過塩素酸濃度のポリアミン組成物では、回収量は同じレベルでポリアミンとしてプトレシンが1.8mg、スペルミジンが2.8mg、スペルミンが1.0mg含まれており、合計で5.6mgであった。0.5%の過塩素酸濃度でもポリアミン又はポリアミン組成物が回収できることが確認でき、安全性の面でも優れた調製方法が見出された。
100mlの豆乳(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=800nmol)を加え、6N塩酸を用いて終濃度が0.0625N、0.125N、0.25N、0.5N、1Nになるように添加した。その後、ミキサーで十分に混合後、室温下で30分間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。混合物を2℃・27,700×gで20分間遠心分離して液体画分を採取した。0.0625N、0.125N、0.25N、0.5Nの塩酸濃度では液体画分が少し白色を呈した。塩酸濃度が低いことで、pH低下によるダイズタンパク質の変性が不十分になり液体画分に混入したと考えられる。ポリアミンの回収量は全ての塩酸濃度でほぼ同じレベルでポリアミンとしてプトレシンが1.1mg、スペルミジンが2.3mg、スペルミンが0.6mg含まれており、合計で4.0mgであった。1N以下の塩酸でもポリアミン又はポリアミン組成物が回収できることが確認でき、安全性の面でも優れた調製方法が見出された。1Nの塩酸で回収したポリアミン組成物のHPLC分析のチャート図を図4に示した。プトレシン(検出時間:10.124分)、スペルミジン(検出時間:15.929分)、スペルミン(検出時間:20.040分)のシャープな単一ピークがそれぞれ検出された。ポリアミン以外の不純物ピークはほとんど検出されず、明らかにポリアミン組成物は高純度であることが確認された。ポリアミン組成物が高純度である理由は、酸条件下で抽出することで豆乳中に混入している種子タンパク質のほとんどが変性し、遠心分離によって沈殿除去されたためである。
以上の結果から、豆乳から工業的又は実用的に利用できるポリアミン又はポリアミン組成物を回収することができた。豆乳からポリアミン又はポリアミン組成物を回収する場合には、破砕や粉砕処理が不要であり、調製行程が少なくメリットが大きい。豆乳中にはポリアミン以外にも有効な成分が多く含まれていることから、回収したポリアミン組成物中には主成分であるポリアミン以外にも有効成分が含まれている可能性がある。ポリアミン以外の有効成分の効果と作用がポリアミンの効果と作用に混合されることによって、より優れた効果と作用がさらに期待できる。特に、過塩素酸や塩酸の濃度を下げることで、ポリアミン組成物中のダイズタンパク質の混入量が高めること確認されたので、用途に応じて過塩素酸や塩酸の濃度を低くして調製すればよい。豆乳はごく一般的に飲食されていることから豆乳から調製したポリアミン又はポリアミン組成物の安全性は極めて高い。
(実施例6)オカラからのポリアミン組成物の調製
1kgのオカラに希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=10μmol)、5Lの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ホモジナイザーでオカラを十分に破砕後、室温下で1時間放置して酸性条件下でポリアミン組成物を抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで30分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液をポリアミン組成物とした。ポリアミン組成物中にはポリアミンとしてプトレシンが5.4mg、スペルミジンが17.8mg、スペルミンが6.5mg含まれており、合計で29.7mgであった。ポリアミン組成物は電気透析装置(アシライザーS3,アストム社製)により脱塩して濃縮した。
以上の結果から、オカラから工業的又は実用的に利用できるポリアミン又はポリアミン組成物を回収することができた。オカラは豆乳採取後の残査であり、ポリアミン又はポリアミン組成物がほとんど含まれていないと考えられていたが、豆乳よりは少ないがポリアミンが多く含まれていることが確認された。オカラは豆乳採取後の残査であることから、ダイズタンパク質等の含量が低く、ポリアミン組成物中のポリアミン純度は高く、陽イオン交換樹脂での精製が不要であることも明らかとなった。オカラはそのほとんどが廃棄されていることから、オカラを生産材料としてポリアミン又はポリアミン組成物を回収すれば、産業上大きなメリットが期待される。
本発明によって、安全性が高いポリアミン又はポリアミン組成物を高収率でポリアミン又はポリアミン組成物を大量に調製する方法を提供することが可能になった。従って、健康、化粧品、食品、医薬品用途に利用可能な安全なポリアミン又はポリアミン組成物を提供できるようになり、産業の発展に大いに寄与できることが期待される。

Claims (8)

  1. (1)植物及び/又は植物抽出物を、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、クエン酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、スルホサリチル酸及びギ酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸溶液を添加して酸性条件下に処す工程と、(2)液体画分を分離する工程とを含むことを特徴とするポリアミン組成物の調製方法。
  2. 植物及び/又は植物抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚及びこれらの抽出物からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミン組成物の調製方法。
  3. 酸溶液が、塩酸及び/又はクエン酸の酸溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミン組成物の調製方法。
  4. 植物及び/又は植物抽出物を酸性条件下に処すと同時又は後に、ポリフェノール吸着剤を添加し、液体画分を分離することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミン組成物の調製方法。
  5. ポリアミン組成物が、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミン組成物の調製方法。
  6. ポリアミン組成物が、プトレシン、カダベリン、スペルミジン及びスペルミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミン組成物の調製方法。
  7. 液体画分を分離する工程が、遠心分離及び/又は濾過分離であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミン組成物の調製方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の調製方法によって回収されたポリアミン組成物を、さらにイオン交換法、ゲル濾過法、膜分画法及び電気透析法からなる群より選ばれた少なくとも1種の処理により精製することを特徴とするポリアミン組成物の調製方法。
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