JP2012006488A - エアバッグカバー体 - Google Patents
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Abstract
【課題】艶ムラや転写不足により意匠面にテアラインが現出することを防止し、塗装を施すことなく外観品質に対する要求を満足することができ、かつ、所定の破断予定線(テアライン)に確実に沿って展開するエアバッグカバーを提供する。
【解決手段】破断予定溝が、射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びる線状部を備え、当該線状部の材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置したことを特徴とする、エアバッグカバー体。
【選択図】図4
【解決手段】破断予定溝が、射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びる線状部を備え、当該線状部の材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置したことを特徴とする、エアバッグカバー体。
【選択図】図4
Description
本発明は、熱可塑性エラストマー材料を射出成形して得られるエアバッグカバー体であって、特にその裏面側に設けたテアラインが乗員により意匠面側において認識されることがない外観に優れたエアバッグカバー体に関する。
射出成形したエアバッグカバーには、従来より一体に成形する薄肉部によって、破断予定線(テアライン)を形成することが行われてきた。薄肉部を形成する深溝をカバーの意匠面の裏面に形成し、意匠面は、ことさらエアバッグの膨出扉の存在を認識させることのないよう、周囲と調和した一体感ある外観となるように配慮されてきている。すなわち、すでにエアバッグは広く普及した安全装置であって、緊急時の備えであるエアバッグ装置も車室の調和的デザインにとけ込ませることが好まれている。
エアバッグカバーも他のインテリアトリムと同様に、成形収縮によるヒケ(シンクマーク)やジェッティング、ウエルドラインなどの成形に伴い発生することのある各種問題を解消しまたは極小にすることが求められる。
薄肉部をテアラインとして金型で形成する場合には、キャビティ内では該薄肉部に対応する部位に凸部を設けることとなるため、溶融樹脂の流動方向に対して流動断面が急激に狭小に変化することとなって、テアラインが意匠面から認識されることが多い。これはヒケ(シンクマーク)の場合もある。また、薄肉部で流路が絞られた直後に流路が急拡大するので、金型の転写が十分でない傾向をもつ。つまり、テア部通過時の圧力変動による転写不足により、テアラインがぼんやり意匠面に現れることとなる(図8に示す射出成形時金型内で溶融樹脂がテア部を形成するため凸部を超えて流動していく状態を模式的に説明する図を参照)。
薄肉部をテアラインとして金型で形成する場合には、キャビティ内では該薄肉部に対応する部位に凸部を設けることとなるため、溶融樹脂の流動方向に対して流動断面が急激に狭小に変化することとなって、テアラインが意匠面から認識されることが多い。これはヒケ(シンクマーク)の場合もある。また、薄肉部で流路が絞られた直後に流路が急拡大するので、金型の転写が十分でない傾向をもつ。つまり、テア部通過時の圧力変動による転写不足により、テアラインがぼんやり意匠面に現れることとなる(図8に示す射出成形時金型内で溶融樹脂がテア部を形成するため凸部を超えて流動していく状態を模式的に説明する図を参照)。
また、外観的な差異が材料の局所的な整列により発生する場合もある。
エアバッグカバーは、超低温(例えばマイナス30℃)から高温(例えばプラス90℃)の広い範囲で所定の開裂が行われるように要求される。使用される樹脂材料には、低温における衝撃強度を得るためにゴム分を多く含ませることが行われている。ゴム分がテアラインの箇所で整列(配向)し、その周辺を含む他の箇所ではランダムになると、これらの間では外観上の区別ができてしまい、光沢(艶)ムラと認められることとなる(図9に示す、テア部のゴム分配向状態を偏光顕微鏡による観察の結果に基づきその状態を模式的に説明する図を参照)。全体としてはやや艶がある外観に成形されるが、テアラインに沿っては艶が強くなるという現象が材料の配向により発生することがある。
エアバッグカバーは、超低温(例えばマイナス30℃)から高温(例えばプラス90℃)の広い範囲で所定の開裂が行われるように要求される。使用される樹脂材料には、低温における衝撃強度を得るためにゴム分を多く含ませることが行われている。ゴム分がテアラインの箇所で整列(配向)し、その周辺を含む他の箇所ではランダムになると、これらの間では外観上の区別ができてしまい、光沢(艶)ムラと認められることとなる(図9に示す、テア部のゴム分配向状態を偏光顕微鏡による観察の結果に基づきその状態を模式的に説明する図を参照)。全体としてはやや艶がある外観に成形されるが、テアラインに沿っては艶が強くなるという現象が材料の配向により発生することがある。
こうした転写不足と配向については解決手段が知られている。例えば特許文献1では、所定のアスペクト比のゴム成分を配合することにより、艶ムラの解決を図ろうとしている。アスペクト比が3を超えなければ、テアラインの箇所におけるゴム分の扁平化が緩和されるので、艶ムラが改善される旨開示されている。また、特許文献2では、肉厚変化部を有する樹脂成形品において、使用樹脂組成物の溶融粘度とダイスウェル比を所定のものとすることで、艶ムラなどの外観不良を防止するとしている。樹脂成形品としては、エアバッグカバーやインストルメントパネル、ドアトリムなどの自動車部品や、エアコンカバー、パソコン筐体などへの適用に言及している。また、艶ムラの発生の原因として、流路しぼり部の残留応力による離型時のシボずれや、流路拡大部における負圧発生による転写不足と推定している(段落0007)。
特許文献3では、エアバッグドアの一般肉厚部から破断部に至る急激な肉厚変化のために、従来より射出成形時の収縮によってヒケが発生してドア表面が陥没し意匠性の高いフラットなドア表面が得られないという課題に対して、エアバッグドア裏面に形成する溝を一般肉厚部から破断部に向かって漸進的に肉厚が薄くなる所定の数値範囲の寸法の傾斜部を設けている。これによって成形時の樹脂の流れを乱れさせることができ、破断部付近での樹脂の配向が変わるため、冷却時の収縮によるヒケが発生しなくなるとしている。
特許文献3では、エアバッグドアの一般肉厚部から破断部に至る急激な肉厚変化のために、従来より射出成形時の収縮によってヒケが発生してドア表面が陥没し意匠性の高いフラットなドア表面が得られないという課題に対して、エアバッグドア裏面に形成する溝を一般肉厚部から破断部に向かって漸進的に肉厚が薄くなる所定の数値範囲の寸法の傾斜部を設けている。これによって成形時の樹脂の流れを乱れさせることができ、破断部付近での樹脂の配向が変わるため、冷却時の収縮によるヒケが発生しなくなるとしている。
しかしながら、特許文献1の発明については、使用できるゴム分の形状が限定され、広い温度範囲で必要な機械的強度を得るための材料開発に対する厳しい足かせになるとの懸念がある。また、転写不足の課題に対する改善策にはなっていない。
特許文献2の発明においては、艶ムラの主な発生原因として上記段落0007記載のものを把握しているものと考えられる。しかし、見る角度によって顕著となる艶ムラの原因となるゴム分の配向については解決策を提示していない。
特許文献3の発明が提案するヒケ防止形状についても、見る角度によって顕著となる艶ムラの原因となるゴム分の配向については解決策を提示していない。
本発明は、こうした状況の下で、前記のゴム分の配向による艶ムラや転写不足により意匠面にテアラインが現出することを防止し、塗装を施すことなく、外観品質に対する要求を十分に満足することができ、かつ、エアバッグ作動時には所定の破断予定線(テアライン)に確実に沿って展開する安全装置としての信頼性の高いエアバッグカバーを提供することを目的とするものである。
特許文献2の発明においては、艶ムラの主な発生原因として上記段落0007記載のものを把握しているものと考えられる。しかし、見る角度によって顕著となる艶ムラの原因となるゴム分の配向については解決策を提示していない。
特許文献3の発明が提案するヒケ防止形状についても、見る角度によって顕著となる艶ムラの原因となるゴム分の配向については解決策を提示していない。
本発明は、こうした状況の下で、前記のゴム分の配向による艶ムラや転写不足により意匠面にテアラインが現出することを防止し、塗装を施すことなく、外観品質に対する要求を十分に満足することができ、かつ、エアバッグ作動時には所定の破断予定線(テアライン)に確実に沿って展開する安全装置としての信頼性の高いエアバッグカバーを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の問題の発生にはエアバッグカバーのテアラインの形状が深く関わっていると考え、この形状の改良について鋭意検討した結果、特定の形状を選択することにより前記の艶ムラや転写不足による意匠面へのテアラインの現出の問題を解決することができることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性エラストマー材料で射出成形された単層構成でエアバッグの膨張により開裂して展開扉を形成するカバー体であって、カバー本体部は、表面の意匠面と、裏面の前記展開扉を形成する破断予定溝を有し、
当該破断予定溝が、射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びる線状部を備え、
当該線状部の材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置したことを特徴とするエアバッグカバー体。
(2)第1傾斜部(S1)が、上流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増するとともに、第1傾斜部(S1)と第1基底部(B1)の間に、第1基底部(B1)で極小にされた流動断面を段状に拡大する第3基底部(B3)を備えた(1)記載のエアバッグカバー体に関する。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性エラストマー材料で射出成形された単層構成でエアバッグの膨張により開裂して展開扉を形成するカバー体であって、カバー本体部は、表面の意匠面と、裏面の前記展開扉を形成する破断予定溝を有し、
当該破断予定溝が、射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びる線状部を備え、
当該線状部の材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置したことを特徴とするエアバッグカバー体。
(2)第1傾斜部(S1)が、上流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増するとともに、第1傾斜部(S1)と第1基底部(B1)の間に、第1基底部(B1)で極小にされた流動断面を段状に拡大する第3基底部(B3)を備えた(1)記載のエアバッグカバー体に関する。
本発明によれば、エアバッグカバーの裏面に設けたテア部に特定の形状を選択したことにより、テア部が表面部(意匠面)に現出してその外観品質を低下させることがないため、塗装を要することなく外観品質に対する要求を満たすことができ、生産性の向上の大いに寄与することができる。しかも、緊急時にはエアバッグカバーは前記テアライン部において設計どおり確実に破断・展開して安全装置としての信頼性も高いエアバッグカバーを得ることができる。
以下本発明について具体的に説明する。
本発明は、エラストマー樹脂に配合されるゴム分を、射出成形時のテアライン形成用型構造を通過するときに、視角によって著しい艶ムラを生ずる原因となるゴム配向を、テアライン形状の選択により緩和し、かつ溶融樹脂が前記テアライン形成用型構造を通過後の部位での転写不足現象を解消するものである。
図1は、本願発明のエアバッグカバーの意匠面側を説明する斜視図であり、図2は同裏面側を説明する斜視図である。図中、1はエアバッグカバー体、2はテアラインで、符号3を付して示すような溝がエアバッグカバー本体の裏面側に設けられている。この例ではH字型の観音開きのタイプを示しているが、その他コの字型の片開きでもよいし、前記H字型の一対の扉の一方をさらに左右2分割して合計3枚扉にする形態、ホームベース型(五角形、ダイヤモンド型)とし外周の5辺全てをヒンジとし各角から中心に向かってテアラインを設けて破断時に三角形状をなす5枚の扉を形成させる(蕾、花弁型)などの種々の形態をとることもできる。符号5は扉部を示す。なお、図中、黒丸は好ましいゲート位置を示す。
本発明は、エラストマー樹脂に配合されるゴム分を、射出成形時のテアライン形成用型構造を通過するときに、視角によって著しい艶ムラを生ずる原因となるゴム配向を、テアライン形状の選択により緩和し、かつ溶融樹脂が前記テアライン形成用型構造を通過後の部位での転写不足現象を解消するものである。
図1は、本願発明のエアバッグカバーの意匠面側を説明する斜視図であり、図2は同裏面側を説明する斜視図である。図中、1はエアバッグカバー体、2はテアラインで、符号3を付して示すような溝がエアバッグカバー本体の裏面側に設けられている。この例ではH字型の観音開きのタイプを示しているが、その他コの字型の片開きでもよいし、前記H字型の一対の扉の一方をさらに左右2分割して合計3枚扉にする形態、ホームベース型(五角形、ダイヤモンド型)とし外周の5辺全てをヒンジとし各角から中心に向かってテアラインを設けて破断時に三角形状をなす5枚の扉を形成させる(蕾、花弁型)などの種々の形態をとることもできる。符号5は扉部を示す。なお、図中、黒丸は好ましいゲート位置を示す。
図3は、図1A−A線断面での本発明のテアライン溝部断面構造を示す説明図である。図4は、同別の実施例を示すものである。
このように本発明は、このテアライン(破断予定溝)の形状に特徴を有する。
すなわち、溶融樹脂の流動方向がテアラインと交差するようにゲート位置を定め、テアラインの射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びるテアラインの線状部を、溶融樹脂材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部(B1)で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置する(図3)。
第1傾斜部(S1)は、第1基底部(B1)に対して滑らかに連続するほぼ平坦な傾斜部であってもよいし、第1基底部(B1)の直前で段を形成して流動断面を変化(減少)させてもよい。
また、図4に示すように、第2基底部(B2)および第2傾斜部(S2)は、第1基底部(B1)を挟んで溶融樹脂の流動方向の前後に対称に第3基底部及び第1傾斜部として配置してもよい。すなわち、上流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増するようにしてもよい。この場合、前記第3基底部(B3)は、第2基底部(B2)と、また、第1傾斜部(S1)は、第2傾斜部(S2)と同じであってもよい。
また、前記第2基底部(B2)および第3基底部(B3)は平坦な底部である。
このように本発明は、このテアライン(破断予定溝)の形状に特徴を有する。
すなわち、溶融樹脂の流動方向がテアラインと交差するようにゲート位置を定め、テアラインの射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びるテアラインの線状部を、溶融樹脂材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部(B1)で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置する(図3)。
第1傾斜部(S1)は、第1基底部(B1)に対して滑らかに連続するほぼ平坦な傾斜部であってもよいし、第1基底部(B1)の直前で段を形成して流動断面を変化(減少)させてもよい。
また、図4に示すように、第2基底部(B2)および第2傾斜部(S2)は、第1基底部(B1)を挟んで溶融樹脂の流動方向の前後に対称に第3基底部及び第1傾斜部として配置してもよい。すなわち、上流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増するようにしてもよい。この場合、前記第3基底部(B3)は、第2基底部(B2)と、また、第1傾斜部(S1)は、第2傾斜部(S2)と同じであってもよい。
また、前記第2基底部(B2)および第3基底部(B3)は平坦な底部である。
本発明においては、流動断面が第1基底部(B1)の直後に流動断面を増加させるとともに、その増加した流動断面をほぼ維持する平坦領域(第2基底部(B2))を設けるのが重要である。第1基底部(B1)の後方を傾斜状に流動断面を拡大すると、艶の差(光沢差)が第1基底部(B1)とそれより下流の箇所とで顕著になる。第1基底部(B1)の後方を前記平坦領域部を設けることなく、傾斜状に流動断面を緩やかに増加させるのは、光沢差を広いエリアに分散させる点では有効である。
しかしながら、樹脂の流動が流動方向に対して長距離に亘り規制されるので、流動抵抗が増加し、射出成形が難しい。流動抵抗のために円滑に高速で流動していくことが難しくなり、その結果成形時間がかかり樹脂温度の低下を招来する。そして溶融樹脂の粘度上昇を生じ、一層流動端末への樹脂到達も遅くなる。中速・中圧で射出していては、前述のとおり樹脂の温度低下や粘度上昇を生じ、それにより、ショートショットや容易に視認可能なウエルドラインが増加発生し、成形品質の向上が容易でなくなる。一方、より高圧・高速の樹脂充填を図ろうとすれば、テアラインの破断予定部分で剪断発熱を生じ樹脂温度が上昇するので、樹脂の劣化やガスの発生を伴い、発生ガスが圧縮されてヤニ化や炭化を発生し金型の汚れ(いわゆるガス焼け)や艶ムラの原因となるので、高圧・高速の充填も避けなければならない。
しかしながら、樹脂の流動が流動方向に対して長距離に亘り規制されるので、流動抵抗が増加し、射出成形が難しい。流動抵抗のために円滑に高速で流動していくことが難しくなり、その結果成形時間がかかり樹脂温度の低下を招来する。そして溶融樹脂の粘度上昇を生じ、一層流動端末への樹脂到達も遅くなる。中速・中圧で射出していては、前述のとおり樹脂の温度低下や粘度上昇を生じ、それにより、ショートショットや容易に視認可能なウエルドラインが増加発生し、成形品質の向上が容易でなくなる。一方、より高圧・高速の樹脂充填を図ろうとすれば、テアラインの破断予定部分で剪断発熱を生じ樹脂温度が上昇するので、樹脂の劣化やガスの発生を伴い、発生ガスが圧縮されてヤニ化や炭化を発生し金型の汚れ(いわゆるガス焼け)や艶ムラの原因となるので、高圧・高速の充填も避けなければならない。
また、前記平坦領域を設けることなく、傾斜状に流動断面を緩やかに増加させるのは、テアラインの破断予定線を破断させるとの目的に対して、破断箇所がズレることも懸念される。すなわち、厚肉部から緩やかに変化する薄肉部が、薄肉部の領域内の所定の破断予定部から外れた箇所の破断を生ずる懸念もある。形成される扉の形状にバラツキを生ずるおそれがある。したがって、流動断面が第1基底部(B1)の直後に流動断面を増加させた後も、一般肉厚に短い距離で接続させるのが好ましい。この点、直線的に連結させると、所望破断予定線の破断には好適であっても、艶ムラの発生防止上の観点からは採用できない。本発明では、前記平坦領域に接して下流側に第2傾斜部(S2)として裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する領域を設けている。この第2傾斜部(S2)によって、一般肉厚部に短い距離で接続できるとともに、有意に光沢差を認識されないようにすることができる。
本発明において、前記第1傾斜部(S1)は、表面層との傾斜角度を20〜45度と小さく設定する。好ましくは、25〜35度でより好ましくは30度程度である。傾斜角度が20度より小さいと展開性能に悪影響を及ぼすおそれがある。45度を超えると樹脂粘度低下時のゴム配向が強くなり、表面外観を低下させるおそれがある。
また、溶融樹脂がテア部形成用型構造を越えた直後の圧力変動を抑制するため、前記平坦領域は0.5〜2.0mm程度が良く、より好ましくは1.0〜1.5mmである。この平坦領域により溶融樹脂の流れの整流効果もあり、艶ムラを視認できない程度に低減できる。また、艶ムラの防止とともに所定のテア部位で確実に破断するように一般肉厚部に円弧状の短い距離で接続する前記第2傾斜部(S2)の円弧はφ10〜30が好ましく、より好ましくはφ20程度である。図4に示すように、第1傾斜部(S1)を円弧状曲面に形成する場合も同様である。また、前記極小部(B1)における表面部までの肉厚は、0.5〜1.0mm程度にするのが好ましく、その深さも0.5〜1.0mmが好ましい。
本発明において、表面層は、意匠面であり、平滑面とするのが好ましいが、梨地シボ面、革シボ面などとしてもよい。
また、溶融樹脂がテア部形成用型構造を越えた直後の圧力変動を抑制するため、前記平坦領域は0.5〜2.0mm程度が良く、より好ましくは1.0〜1.5mmである。この平坦領域により溶融樹脂の流れの整流効果もあり、艶ムラを視認できない程度に低減できる。また、艶ムラの防止とともに所定のテア部位で確実に破断するように一般肉厚部に円弧状の短い距離で接続する前記第2傾斜部(S2)の円弧はφ10〜30が好ましく、より好ましくはφ20程度である。図4に示すように、第1傾斜部(S1)を円弧状曲面に形成する場合も同様である。また、前記極小部(B1)における表面部までの肉厚は、0.5〜1.0mm程度にするのが好ましく、その深さも0.5〜1.0mmが好ましい。
本発明において、表面層は、意匠面であり、平滑面とするのが好ましいが、梨地シボ面、革シボ面などとしてもよい。
以上のように、本発明のエアバッグカバー体においては、そのテアラインの溝部断面形状が重要であり、その他の事項は特に制限されるものではない。使用する樹脂材料についても従来から使用されている熱可塑性エラストマー材料を使用することができる。その好ましいものとして、例えば特開平11−2109536号公報に記載の熱可塑性エラストマーを例示することができる。
すなわち、(A)プロピレン重合体20〜50重量%、(B)ムーニー粘度(ML1+4、121℃)が10〜100であるエチレン−プロピレン共重合体ゴム50〜70重量%、これら(A)+(B)100重量部に対して(C)高級脂肪酸アミドである滑剤0.05〜0.5重量部を混練した熱可塑性エラストマーを使用することができる。
前記ポリプロピレン重合体としては、ポリプロピレン、エチレンを1〜5重量%含むプロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましく、メルトフローレートは0.1〜100g/10minであり、好ましくは0.5〜100g/10minの範囲のものである。メルトフローレートが0.1g/10minより小さくても100g/10minより大きくても成形加工性に問題が生じてくる。この共重合体の融点は130℃〜165℃である。
前記エチレン−プロピレン共重合体ゴムは、ムーニー粘度(ML1+4、121℃)が10〜100、より好ましくは20〜70であり、プロピレン含有量が10〜60重量%、好ましくは30〜60重量%である。ムーニー粘度が100を超えると流動性が低下して成形性を悪化させたり、線膨張率が大きくなったりする。10未満になると光沢が強くなって外観を悪化させたり、ウエルド接着性を低下させたりする。プロピレン含量が10重量%より小さくても55重量%より大きくても低温衝撃性に問題が生じてくる。また、高級脂肪酸アミドとしては、滑剤としての高級脂肪酸アミドにはオレイン酸アミドなどが利用可能である。以上の熱可塑性エラストマーは、いわゆる非架橋タイプのゴム分を配合したものである。例えば住化TPE WT−412などとして住友化学株式会社より上市されている。
また、熱可塑性エラストマー材料として、架橋タイプのゴム分を配合したものを好ましく使用することもでき、例えば特開2007−284669号公報に記載の熱可塑性エラストマーを例示することができる。
すなわち、(D)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が30〜90重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、(E)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が(D)の0.50〜0.95倍であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、(F)ポリプロピレン樹脂(好ましくは、プロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体またはエチレン−プロピレンブロック共重合体)、これらの内、(D)と(E)は架橋剤の存在下で動的に熱処理する。架橋剤の添加量は、(D)+(E)+(F)100重量部に対して0.01〜10重量部である。また、成形加工時の金型からの成形品の離型性、耐受傷性改善のため、(D)+(E)+(F)100重量部に0.01〜10重量%の滑剤を添加する。滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどのほか、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等が使用できる。架橋タイプと非架橋タイプのゴム分の違いは、ゴム配向によるテアライン外観に関していえば、一般的により非架橋タイプのほうがより外観への影響を少なくする上での難度が高いということができる。すなわち、非架橋タイプのゴム分のほうが鎖状(線状)の分子であって二次元的傾向が強い。架橋タイプであれば鎖状の分子と分子同士が中間で結合して粒状の分子となり三次元的な構造を持つ。そのため、テア部を越えた箇所で配向の外観への影響が緩和される。
すなわち、(A)プロピレン重合体20〜50重量%、(B)ムーニー粘度(ML1+4、121℃)が10〜100であるエチレン−プロピレン共重合体ゴム50〜70重量%、これら(A)+(B)100重量部に対して(C)高級脂肪酸アミドである滑剤0.05〜0.5重量部を混練した熱可塑性エラストマーを使用することができる。
前記ポリプロピレン重合体としては、ポリプロピレン、エチレンを1〜5重量%含むプロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましく、メルトフローレートは0.1〜100g/10minであり、好ましくは0.5〜100g/10minの範囲のものである。メルトフローレートが0.1g/10minより小さくても100g/10minより大きくても成形加工性に問題が生じてくる。この共重合体の融点は130℃〜165℃である。
前記エチレン−プロピレン共重合体ゴムは、ムーニー粘度(ML1+4、121℃)が10〜100、より好ましくは20〜70であり、プロピレン含有量が10〜60重量%、好ましくは30〜60重量%である。ムーニー粘度が100を超えると流動性が低下して成形性を悪化させたり、線膨張率が大きくなったりする。10未満になると光沢が強くなって外観を悪化させたり、ウエルド接着性を低下させたりする。プロピレン含量が10重量%より小さくても55重量%より大きくても低温衝撃性に問題が生じてくる。また、高級脂肪酸アミドとしては、滑剤としての高級脂肪酸アミドにはオレイン酸アミドなどが利用可能である。以上の熱可塑性エラストマーは、いわゆる非架橋タイプのゴム分を配合したものである。例えば住化TPE WT−412などとして住友化学株式会社より上市されている。
また、熱可塑性エラストマー材料として、架橋タイプのゴム分を配合したものを好ましく使用することもでき、例えば特開2007−284669号公報に記載の熱可塑性エラストマーを例示することができる。
すなわち、(D)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が30〜90重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、(E)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が(D)の0.50〜0.95倍であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、(F)ポリプロピレン樹脂(好ましくは、プロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体またはエチレン−プロピレンブロック共重合体)、これらの内、(D)と(E)は架橋剤の存在下で動的に熱処理する。架橋剤の添加量は、(D)+(E)+(F)100重量部に対して0.01〜10重量部である。また、成形加工時の金型からの成形品の離型性、耐受傷性改善のため、(D)+(E)+(F)100重量部に0.01〜10重量%の滑剤を添加する。滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどのほか、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等が使用できる。架橋タイプと非架橋タイプのゴム分の違いは、ゴム配向によるテアライン外観に関していえば、一般的により非架橋タイプのほうがより外観への影響を少なくする上での難度が高いということができる。すなわち、非架橋タイプのゴム分のほうが鎖状(線状)の分子であって二次元的傾向が強い。架橋タイプであれば鎖状の分子と分子同士が中間で結合して粒状の分子となり三次元的な構造を持つ。そのため、テア部を越えた箇所で配向の外観への影響が緩和される。
実施例1
熱可塑性エラストマー(住友化学株式会社製TPE WT−412)を使用して、図10に示すテストピース金型(200×150×2.5mm)を用いて射出樹脂温度200℃、射出圧153.6MPaで射出成形してエアバッグカバーのテアライン部を含む表面が平滑なテストピース(テア部の肉厚は0.6mm)を成形した。
この実施例では、図4に示すテアライン断面形状で、
S1、S2の円弧部:φ20、平坦領域B2、B3部:0.5mm、B1部:φ1.0、深さ0.5mmのテアラインを有するテストピースを得た。
その平滑表面状態の写真を図5b)に示す。
熱可塑性エラストマー(住友化学株式会社製TPE WT−412)を使用して、図10に示すテストピース金型(200×150×2.5mm)を用いて射出樹脂温度200℃、射出圧153.6MPaで射出成形してエアバッグカバーのテアライン部を含む表面が平滑なテストピース(テア部の肉厚は0.6mm)を成形した。
この実施例では、図4に示すテアライン断面形状で、
S1、S2の円弧部:φ20、平坦領域B2、B3部:0.5mm、B1部:φ1.0、深さ0.5mmのテアラインを有するテストピースを得た。
その平滑表面状態の写真を図5b)に示す。
実施例2
実施例1において、前記テストピース金型のテア部形状成形用コマを代える以外は実施例1と同様にして、図3に示す形状のテアライン断面を有するテストピースを成形した。このテストピースは図3中、S1の表面との傾斜角度30度、平坦領域B2:2mm、B2からB1の深さ0.5mm、S2の円弧部:φ20であった。
その平滑表面状態の写真を図5a)に示す。
比較例
実施例1、2において使用した図3、4のテアラインの断面形状を成形する金型コマに代えて、図6a)〜e)に示す断面形状を形成する金型コマを使用した以外は実施例1、2と同様にしてテストピースを成形した。なお、e)においてXは2mm、Yは1mm、Zは14mmである。
表に実施例1、2、及び比較例を示す各成形されたテストピースの表面状態を目視で観察して、裏面のテア形状の影響を評価した。また、その表面状態の写真を図7a)〜e)に示す。
実施例1、2では、テストピースの中央部裏面側に設けたテアラインの影はなく、また艶ムラもなく極めて優れた外観を示す。しかし、比較例の各テストピースはいずれもテアラインの影が表面側に視認される。
実施例1において、前記テストピース金型のテア部形状成形用コマを代える以外は実施例1と同様にして、図3に示す形状のテアライン断面を有するテストピースを成形した。このテストピースは図3中、S1の表面との傾斜角度30度、平坦領域B2:2mm、B2からB1の深さ0.5mm、S2の円弧部:φ20であった。
その平滑表面状態の写真を図5a)に示す。
比較例
実施例1、2において使用した図3、4のテアラインの断面形状を成形する金型コマに代えて、図6a)〜e)に示す断面形状を形成する金型コマを使用した以外は実施例1、2と同様にしてテストピースを成形した。なお、e)においてXは2mm、Yは1mm、Zは14mmである。
表に実施例1、2、及び比較例を示す各成形されたテストピースの表面状態を目視で観察して、裏面のテア形状の影響を評価した。また、その表面状態の写真を図7a)〜e)に示す。
実施例1の2
架橋タイプのゴム分を配合した熱可塑性エラストマー(住友化学株式会社製TPE WT−532)を使用して、図10に示すテストピース金型(200×150×2.5mm)を用いて実施例1と同様のエアバッグカバーのテアライン部を含む表面が平滑なテストピース(テア部の肉厚は0.6mm)を成形した。
この実施例では、図4に示すテアライン断面形状で、その平滑表面状態の写真を図11b)に示す。
実施例2の2
実施例2において、架橋タイプのゴム分を配合した熱可塑性エラストマー(住友化学株式会社製TPE WT−532)を使用して、図3に示す形状のテアライン断面を有するテストピースを成形した。その平滑表面状態の写真を図11a)に示す。
比較例の2
図6a)〜e)に示す断面形状を形成する金型コマを使用した以外は実施例1の2、実施例2の2と同様にしてテストピースを成形した。その表面状態の写真を図12a)〜e)に示す。
図12a)〜d)に示すものは、いずれもテア部が視認でき、e)に示すものはやや改善がみられるものの、殆どテア部が視認できない図11(a)、(b)に示すものに比べて表面外観は劣る。
架橋タイプのゴム分を配合した熱可塑性エラストマー(住友化学株式会社製TPE WT−532)を使用して、図10に示すテストピース金型(200×150×2.5mm)を用いて実施例1と同様のエアバッグカバーのテアライン部を含む表面が平滑なテストピース(テア部の肉厚は0.6mm)を成形した。
この実施例では、図4に示すテアライン断面形状で、その平滑表面状態の写真を図11b)に示す。
実施例2の2
実施例2において、架橋タイプのゴム分を配合した熱可塑性エラストマー(住友化学株式会社製TPE WT−532)を使用して、図3に示す形状のテアライン断面を有するテストピースを成形した。その平滑表面状態の写真を図11a)に示す。
比較例の2
図6a)〜e)に示す断面形状を形成する金型コマを使用した以外は実施例1の2、実施例2の2と同様にしてテストピースを成形した。その表面状態の写真を図12a)〜e)に示す。
図12a)〜d)に示すものは、いずれもテア部が視認でき、e)に示すものはやや改善がみられるものの、殆どテア部が視認できない図11(a)、(b)に示すものに比べて表面外観は劣る。
Claims (2)
- 熱可塑性エラストマー材料で射出成形された単層構成でエアバッグの膨張により開裂して展開扉を形成するカバー体であって、カバー本体部は、表面の意匠面と、裏面の前記展開扉を形成する破断予定溝を有し、
当該破断予定溝が、射出成形時の材料流れ方向に対して交差して延びる線状部を備え、
当該線状部の材料流れ方向に対して、上流側に表面側に向けて流動断面が漸減する第1傾斜部(S1)と、下流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増する第2傾斜部(S2)と、第1傾斜部(S1)と第2傾斜部(S2)の間に、前記第1傾斜部(S1)に隣接してまたはその端部に前記材料流れ方向に流動断面が極小の第1基底部(B1)と、前記第2傾斜部(S2)に隣接してまたはその端部に第1基底部で極小にされた流動断面を段状に拡大する第2基底部(B2)とを配置したことを特徴とする、エアバッグカバー体。 - 第1傾斜部(S1)が、上流側に裏面側に向けて流動断面が円弧状曲面に沿って漸増するとともに、第1傾斜部(S1)と第1基底部(B1)の間に、第1基底部(B1)で極小にされた流動断面を段状に拡大する第3基底部(B3)を備えた請求項1記載のエアバッグカバー体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010144442A JP2012006488A (ja) | 2010-06-25 | 2010-06-25 | エアバッグカバー体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010144442A JP2012006488A (ja) | 2010-06-25 | 2010-06-25 | エアバッグカバー体 |
Publications (1)
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ID=45537557
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JP2010144442A Pending JP2012006488A (ja) | 2010-06-25 | 2010-06-25 | エアバッグカバー体 |
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JP (1) | JP2012006488A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020238330A1 (zh) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | 奥托立夫开发公司 | 安全气囊和方向盘 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1178751A (ja) * | 1997-09-10 | 1999-03-23 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | エアバッグ装置のエアバッグドア |
JPH11208399A (ja) * | 1998-01-21 | 1999-08-03 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | エアバッグカバー |
JPH11321518A (ja) * | 1998-05-12 | 1999-11-24 | Denso Corp | 車両用エアバッグ装置のエアバッグドア及びその成形方法 |
-
2010
- 2010-06-25 JP JP2010144442A patent/JP2012006488A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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