JP2012004764A - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】SSCG変調によるオフセット変動がデバイス毎にばらついた場合においても補正することができる画像読取装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 SSCG機能部107のSSCG変調を変調周波数のピーク値とボトム値でそれぞれ一定期間保持して読取信号のオフセット変動のピーク値とボトム値を算出し、そのピーク値とボトム値との差分に基づいて、SSCG補正信号生成回路108にてSSCG変調の影響を除去するための補正信号HS1〜HSnを生成し、AFE102の各アナログ処理ユニット103_1〜103_nのクランプ電位入力端に入力することで、読取アナログ画信号AV1〜AVnに現われるSSCG変調によるオフセット変動を補正し、SSCG変調の影響により読取画像に現われるスジの発生を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原稿からの反射光を光電変換素子によりアナログ画像信号に変換し、得られたアナログ画像信号に対しアナログ信号処理を施した後にアナログ/デジタル変換器でデジタル画像信号に変換して出力する画像読取装置、および、その画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、画像データの読取速度は高速化が図られており、これに伴い読取動作クロックの周波数も上がり、電磁波強度規制(FCC、VCCI等)に対してのEMI(Electromagnetic Interference)対策が必須となっている。
このEMI対策として有効な手段として一般的にSSCG(Spread Spectrum Clock Generator)が用いられている。これは動作クロック周波数に対して微小な範囲でゆっくりした周期で周波数変調をおこなうことでEMIスペクトラムを積分的に平坦化する手法である。
このSSCGを画像読取装置に適用した場合に、問題となっているのが、SSCGの変調の影響が画像上にあらわれてしまう問題である。これは、光電変換素子として用いられるCCD(電荷結合素子)デバイスの駆動及びA/D変換(アナログ/デジタル変換)の動作クロックに対してSSCGの変調がかかることにより、僅かではあるが読取画像信号のオフセットレベルがSSCGの変調周期と同期して変動してしまい、この影響が画像上で横スジや斜めスジなどといったスジPPとなって見えてしまう問題である(図16参照)。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1のように、画像信号中の変動成分を除去し、横スジが表れないようにするものが提案されている。
この特許文献1では、入射光を光電変換素子105によりアナログ画像信号に変換し、アナログ画像信号をアナログ・デジタル変換器でデジタル化して出力する機能を有する画像読取装置において、前記光電変換素子105を周波数変調されたクロックにより駆動し、前記クロックの周波数変化に応じて前記アナログ画像信号の変動と逆位相で同じ変動量の信号を画像信号に重畳する変動除去回路112を備えている(図17参照)。
上記の画像信号に重畳させる補正信号の振幅、位相はあらかじめ設定した状態の信号を生成し画像信号へ重畳するものであり、その実施例としてエミッタフォロワ接続されたトランジスタのバイアス電流を変化させる構成を備えている。
しかしながら、このような従来技術では、画像信号に重畳させる補正信号の振幅、位相はあらかじめ設定されているため、SSCGの影響によるオフセット変動がデバイス毎にばらついた場合には、対応できないという事態を生じるおそれがあった。
なお、特許文献2には、画像読取装置にてSSCGデバイスを用いてクロックの周波数変調を行い、画像へ影響するA/D変換の駆動に関してはSSCGデバイスによる周波数変調をかけず、その前段のCDS回路部分ではSSCGデバイスによる周波数変調をかけるという構成が開示されているが、このような構成は、本願発明が対象としている画像読取装置及び画像形成装置には適用することができない。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、SSCGの影響によるオフセット変動がデバイス毎にばらついた場合においても、小規模の回路で、読取画信号に現れるSSCGの影響を適切に補正することができる画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
この画像読取装置は、原稿からの反射光を光電変換素子によりアナログ画像信号に変換し、得られたアナログ画像信号に対しアナログ信号処理を施した後にアナログ/デジタル変換器でデジタル画像信号に変換して出力する画像読取装置において、基準クロックに対し、任意の変調周期で周波数変調したクロックを生成する周波数変調手段と、上記変調周期を設定する変調周期設定手段と、上記周波数変調手段の周波数変調を停止させ又は停止させた周波数変調を再開させる周波数変調停止再開手段と、上記光電変換素子を上記周波数変調したクロックにより駆動する駆動手段と、上記周波数変調したクロックの周波数変化に応じたアナログ信号を生成する信号生成手段と、上記アナログ信号の交流成分を、外部から設定される設定値に対応した増幅率で増幅すると共に反転・非反転を切り換えることが可能な増幅反転手段と、上記アナログ画像信号と、上記増幅反転手段から出力されるアナログ信号とを重畳させる信号重畳手段と、上記周波数変調停止再開手段により上記周波数変調手段の周波数変調を一定期間停止させた後に再開させ、その一定期間において、上記信号重畳手段により上記アナログ信号が重畳された上記アナログ画像信号を、上記アナログ/デジタル変換器によりデジタル画像信号に変換し、そのデジタル画像信号に現れる特徴量を算出し、上記一定期間後は、その算出結果に基づいて、上記増幅反転手段の増幅率及び反転・非反転を制御する制御手段とを備えたものである。
上記周波数変調手段は、上記基準クロックのタイミングに従いカウント値を増加又は減少させるカウント手段を有し、そのカウント手段のカウント値に応じて上記基準クロックを周波数変調する手段であってよく、上記変調周期設定手段は、上記カウント手段が上記基準クロックのタイミングに従いカウント値の増加を行うか減少を行うかを切り換える基準のカウント値を設定することにより、上記変調周期を設定する手段であってよく、上記周波数変調停止再開手段は、任意のタイミングで上記カウント手段のカウント値の増加又は減少を停止させてその停止時点でのカウント値を維持させ、任意のタイミングで上記カウント手段のカウント値の増加又は減少を再開させる手段であってよい。
上記変調周期設定手段が設定する基準のカウント値は、上限の基準のカウント値と、下限の基準のカウント値であり、上記制御手段は、上記カウント手段のカウント値が上記上限の基準のカウント値に一致した状態で、上記周波数変調停止再開手段により、上記周波数変調手段の周波数変調を一定期間停止させ、この期間の上記デジタル画像信号に基づき第1の値を算出すると共に、上記カウント手段のカウント値が上記下限の基準のカウント値に一致した状態で、上記周波数変調停止再開手段により、上記上記周波数変調手段の周波数変調を一定期間停止させ、この期間の上記デジタル画像信号に基づき第2の値を算出し、同じ主走査位置で算出した上記第1の値と第2の値の差分を上記特徴量として算出するものであってよい。
上記増幅反転手段は、外部から設定される上記増幅率の設定値と、入力信号の増幅率との関係が線形な関係を有するものであってよい。
上記増幅反転手段は、上記アナログ信号から振幅が同じで位相が逆相となる2つのアナログ信号を生成する基準信号生成手段と、上記基準信号生成手段が生成した2つのアナログ信号がおのおの基準電圧として供給されるデジタル/アナログ変換器とを有し、そのデジタル/アナログ変換器に設定するデジタル値を切り換えることで増幅率及び反転・非反転を切り換えるものであってよい。
上記基準信号生成手段は、上記アナログ信号の高周波成分をより増幅させる周波数特性を持った回路要素を備えるものであってよい。
上記光電変換素子は、複数チャネルに分割され、上記増幅反転手段の上記デジタル/アナログ変換器は、複数出力チャネルを備え、上記デジタル/アナログ変換器は、シリアル通信により各チャネルへのデジタル値を設定可能な汎用の変換器であってよい。
上記信号生成手段は、上記基準クロックを入力するPLL回路のVCOへの入力信号を用いて、上記周波数変調したクロックの周波数変化に応じたアナログ信号を生成するものであってよい。
上記アナログ画像信号に対し上記アナログ信号処理を施す手段と、上記アナログ/デジタル変換器は、同一のアナログ処理ASICにて構成されるものであってよい。
上記信号重畳手段は、上記増幅反転手段から出力されるアナログ信号を、上記アナログ処理ASICのクランプ電位に重畳させる手段であってよい。
上記制御手段が、上記増幅反転手段に設定する、増幅率及び反転・非反転を指定する設定値を任意のタイミングで調整可能とするものであってよい。
また、この発明は、上記の画像読取装置を画像読取手段として備えた画像形成装置も提供する。
以上のようなこの発明の画像読取装置及び画像形成装置によれば、SSCGの影響によるオフセット変動がデバイス毎にばらついた場合においても、読取画信号に現れるSSCGの影響を適切に補正できるという効果を得る。
本発明の一実施例にかかる画像読取装置の画信号処理系の要部の一例を示したブロック図である。 SSCG機能部の構成の一例を示したブロック図である。 アップダウンカウンタ107aの動作を説明するための波形図である。 周波数変調の停止と再開を伴う場合のSSCG機能部107の動作について説明するための波形図である。 PLL回路の構成の一例を示したブロック図である。 SSCG補正信号生成回路の一例を示したブロック図である。 AFEの内部動作基準電位への補正信号の重畳動作について説明するためのタイミングチャートである。 基準電位VrefT(t)と基準電位VrefB(t)の交流成分の関係を例示したグラフ図である。 基準電圧生成部の構成を例示した回路図である。 DACの周波数特性の改善について説明するためのグラフ図である。 読取アナログ画信号AV1〜AVnに含まれるランダムノイズ成分の性質について説明するための波形図である。 ピークボトム差検出に際してランダムノイズ成分の低減方法の一例を説明するための波形図である。 ピークボトム差検出に際してランダムノイズ成分の低減方法の他の例を説明するための波形図である。 DAC設定値を求めるアルゴリズムを説明するための概略図である。 DAC設定値の調整処理の一例を示したフローチャートである。 SSCGが読取画像に及ぼす影響について説明するための概略図である。 SSCGが読取画像に及ぼす影響を改善する方法について説明するための概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかる画像読取装置の画信号処理系の要部の一例を示したブロック図である。
図1に示す画像読取装置は、読取原稿をコンタクトガラスに載置し、画像面を走査光学系で操作して、センサボードユニット(SBU)100に設けられたCCDラインイメージセンサ101に収束する、いわゆる縮小光学系を用いるものであり、CCDラインイメージセンサ101は、高速読み取り等を目的として、複数(n個)のブロックに分割されており、おのおののブロックからの読取画信号は、独立した出力チャネルから出力される。
CCDラインイメージセンサ101から出力されるnチャネルの読取アナログ画信号AV1〜AVnは、アナログフロントエンド(AFE)102に設けられているn個のアナログ処理ユニット103_1〜103_nにそれぞれ入力される。
ここに、アナログフロントエンド102は、アナログ処理及びA/D(アナログ/デジタル)変換処理及びデジタル信号処理を行なうASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け大規模集積回路)である。
アナログフロントエンド102の各アナログ処理ユニット103_1〜103_nに入力された読取アナログ画信号AV1〜AVnは、おのおの内部動作基準電位(後述)との差分が形成され、その差分信号が、アナログ画像信号AR1〜ARn(図示略)として、それぞれ可変ゲイン増幅器(AGC)により所定のゲインで増幅された後に、アナログ/デジタル変換器(ADC)により対応するデジタル信号に変換され、そのデジタル信号はデジタル信号処理部により所定のデジタル処理が適用され、その処理結果が、デジタル画像信号DV1〜DVnとして信号送信部104に出力される。
信号送信部104は、入力したnチャネルのデジタル画像信号DV1〜DVnを連結し、1ライン分の連続したデジタル画像信号DVとして、後段の基板制御部(BICU)200の信号受信部201へ送信する。
ここで、各アナログ処理ユニット103_1〜103_nの可変ゲイン増幅器のゲインは、上述した縮小光学系のランプの部品ばらつき、CCDラインイメージセンサ101の感度ばらつきなどを吸収するためにプログラマブルに設定できるものであり、基準白レベルを読み取った場合に一定のデジタル出力となるように電源ON時、もしくは画像データの読取毎にゲインの調整を行い設定値を決定する(いわゆる、シェーディング補正処理)。
また、デジタル信号処理部は、所定のデジタル信号処理(例えば、ガンマ補正処理など)を適用するものである。また、信号送信部104としては、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)トランスミッタが適用され、信号受信部201としては、例えば、LVDSレシーバが適用される。
信号受信部201が受信したデジタル画像信号DVは、画像処理部(IPU)202のピーク検出部202_1に出力されるとともに、図示しない後段の画像処理部へと出力されている。
また、センサボードユニット100において、タイミングジェネレータ105は、CCDラインイメージセンサ101およびアナログフロントエンド102を駆動するための種々のタイミング信号や制御信号等を生成するためのものであり、基本的なクロック信号等を生成するPLL(Phase Locked Loop)回路105a、および、PLL回路105aが生成したクロック信号等(後述)に基づいて、CCDラインイメージセンサ101およびアナログフロントエンド102を駆動するための制御信号等を生成するタイミング発生回路105bを備えている。
また、水晶発振器106は、所定の基準クロック信号CKを発生するものであり、その基準クロック信号CKは、タイミングジェネレータ105のPLL回路105a及びSSCG機能部107に加えられている。SSCG機能部107は、基準クロック信号CKに基づいて、タイミングジェネレータ105のPLL回路105aが発生する基準のクロック信号をSSCGの周波数変調(以下、「SSCG変調」という)するためのSSCG変調信号GGを形成するものであり、そのSSCG変調信号GGを、タイミングジェネレータ105のPLL回路105aに出力する。
次に、SSCG機能部107について説明する。
図2は、SSCG機能部107の概略構成をあらわすブロック図である。このSSCG機能部107は、SSCGの変調周期を任意に設定できるとともに、CPU203からの指令により、SSCGの変調動作を停止するとともに停止した変調動作を再開するものである。
SSCG機能部107は、水晶発振器106から入力した基準クロック信号CKを計数するアップダウンカウンタ107aと、このアップダウンカウンタ107aの出力カウンタ値を対応するアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器(DAC)107bと、アップダウンカウンタ107aの出力カウンタ値を入力し、CPU203からの指令によりアップダウンカウンタ107aの計数動作を停止させたり停止した計数動作を再開させる周波数変調停止再開手段としてのカウンタ停止再開部107cとからなり、デジタル/アナログ変換器107bから出力されるアナログ信号が、SSCG変調信号GGとして、タイミングジェネレータ105のPLL回路105aに出力される。
ここで、アップダウンカウンタ107aは、最上位bitを極性を示すbitとして正負両方のカウントを行えるものであり、予め変調周期として、SSCG機能部分に入力される基準クロック信号CKのカウント数:N_ssが、例えば、CPU203により設定されているものとする。このカウント数:N_ssは、SSCG変調周期の1周期を示す変数T_1の値であり、基準クロック信号CKの周期にカウント数:N_ssを乗じると、SSCG変調周期の1周期の時間を算出することができる。そして、アップダウンカウンタ107aに、カウント数:N_ssの値を保持する外部からアクセス可能なレジスタを設けることで、例えば、CPU203がSSCG変調周期を任意の時間に設定することができる。
次に、SSCG機能部107の動作を説明する。
始めに、周波数変調の停止と再開を伴わない場合の動作について説明する。この場合、CPU203は、カウンタ停止再開部107cに対して、周波数変調の停止と再開を指令しない(すなわち、通常モードを指令する)ので、カウンタ停止再開部107cは、アップダウンカウンタ107aに対してそのカウント動作を継続させるように作用する。
この場合、SSCG機能部107は、SSCG機能の使用が開始されると、その動作がオンされる。まず、基準クロック信号CKに同期して、アップダウンカウンタ107aが初期値:“0”から1ステップずつカウントアップを行う。カウンタ値がN_ss/4となった時点で、アップダウンカウンタ107aは、基準クロック信号CKのカウントアップを停止して次に基準クロック信号CKに同期してカウントダウンを行う。そして、カウンタ値が-N_ss/4までカウントダウンすると、アップダウンカウンタ107aのカウント動作は、カウントダウンからカウントアップに切り替わる。それ以降、アップダウンカウンタ107aは、以上のカウント動作を繰り返し行う。
このように、アップダウンカウンタ107aのカウンタ値は、0から始まりアップカウントされてN_ss/4まで上昇し、そこからダウンカウントされて-N_ss/4まで下降し、そこからアップカウントされてN_ss/4まで上昇し、それ以降は、その変化を繰り返す。
したがって、アップダウンカウンタ107aのカウント値は、図3に示すように、基準クロック信号CKの入力に従ってN_ss/4〜-N_ss/4の間で周期的に変化し、その変化の周期は、SSCG変調の1周期に相当する。これにより、デジタルアナログ変換器107bから出力されるSSCG変調信号GGの波形は、SSCG変調の1周期で周期的に変化する三角波の波形となる。
次に、周波数変調の停止と再開を伴う場合のSSCG機能部107の動作について説明する。
この場合、CPU203が、カウンタ停止再開部107cに対して、周波数変調の停止と再開を行わせる調整モードを指令する。
調整モードが指令されたカウンタ停止再開部107cは、アップダウンカウンタ107aのカウント値を0に初期設定した後にアップダウンカウンタ107aをアップカウントさせ、アップダウンカウンタ107aがアップカウントすることによりその出力カウント値の値がN_ss/4に達したことを検出すると、図4(a)に示すように、アップダウンカウンタ107aの計数動作を一定の期間TAだけ停止させ、その期間TAを経過するとアップダウンカウンタ107aの計数動作を再開させる。
それにより、アップダウンカウンタ107aはカウント動作を再開し、この場合にはそのカウント値がN_ss/4の状態からダウンカウントする。その状態で、カウンタ停止再開部107cは、アップダウンカウンタ107aの出力カウント値の値が-N_ss/4に達したことを検出すると、図4(a)に示すように、アップダウンカウンタ107aの計数動作を一定の期間TBだけ停止させ、その期間TBを経過するとアップダウンカウンタ107aの計数動作を再開させる。
このように、カウンタ停止再開部107cが行う調整モードでは、アップダウンカウンタ107aのカウント値を0に初期設定してから、アップダウンカウンタ107aのカウント値がN_ss/4になるまでアップカウントを行わせ、その状態で期間TAが経過するまで待ち、その後、アップダウンカウンタ107aのカウント値が-N_ss/4になるまでダウンカウントを行わせ、その状態で期間TBを経過するまで待つという一連の動作が行われる。
ここで、期間TAでは、アップダウンカウンタ107aの出力カウント値が最大値であるN_ss/4に固定されるのでデジタル/アナログ変換器107bから出力されるSSCG変調信号GGの値はN_ss/4に対応した値を維持し、このとき、SSCG変調の影響によるオフセット変動のピーク値が画像信号に表れる。したがって、この期間TAを、SSCG変調の影響でのオフセット変動のピーク値を検出する期間として用いることができる(後述)。
また、期間TBでは、アップダウンカウンタ107aの出力カウント値が最小値である-N_ss/4に固定されるのでデジタル/アナログ変換器107bから出力されるSSCG変調信号GGの値は-N_ss/4に対応した値を維持し、このとき、SSCG変調の影響によるオフセット変動のボトム値(下側のピーク値)が画像信号に表れる。したがって、この期間TBを、SSCG変調の影響でのオフセット変動のボトム値を検出する期間として用いることができる(後述)。
なお、SSCG機能部107としては、上記したアップダウンカウンタ107aを用いたもの以外にも、SSCG変調信号GGとして、図3に示すような三角波の波形のアナログ信号を出力するとともに、図4(a)に示すように一定時間出力値を保持することができるものであれば、それ以外の構成を採用することができる。
さて、本実施例では、PLL回路105aは、SSCG機能部107から出力されるSSCG変調信号GGに基づき、EMI対策としてSSCG変調により周波数変調を施したクロックを出力する構成(後述)であり、したがって、タイミングジェネレータ105で生成される全ての駆動信号はSSCGによる変調がかかったものとなる。このSSCGによる変調の影響が、上述したように画像データ(画像信号)のオフセット変動となってしまう。
そこで、本実施例では上述のSSCG変調の影響による画像信号でのオフセット変動に対して、逆相の信号を画像信号に重畳させることで変動を低減する(図17参照)。
なお、特許文献1に記載されている方法は、上述したように、あらかじめ逆相の補正信号の振幅を設定しておく方法であり、オフセット変動量の個体バラツキを調整できない。
そこで、本実施例では補正信号を生成する部分においてDACを用いた構成とすることで、個体バラツキを吸収するための調整と補正信号の極性を切替えることを可能とする(後述)。
また、図1に示すように、CCDラインイメージセンサ101の出力は多チャネル(一般的にカラーCCDラインイメージセンサでは6チャネルまたは12チャネル)であり、各チャネルでSSCG変調の影響による変動量はばらつくため、各チャネル毎に補正が必要となる。そこで、DACとして汎用の多チャネル出力を持つDACを用いる構成とすることで各チャネルのSSCG変調の影響による変動を個別に補正できるようにした(後述)。
ただし、一般的に汎用DACは低コストで入手性は高いが入出力応答特性が遅い。これに対し、本実施例ではDACを動作させるための周辺回路部分に周波数特性をもたせることで上述した汎用DACの入出力特性が遅い点を補い、高コストな高速動作DACを用いることなくSSCG変調の影響による変動を補正することとした(後述)。
また、汎用DACの特性の一つとして設定値と出力電圧の関係は線形関係となる点がある。本実施例ではこの線形性を利用したアルゴリズムによりSSCGの影響によるスジ補正のための設定値を求めるようにしている(後述)。
図1に戻り、SSCG補正信号生成回路108は、読取アナログ画信号AV1〜AVnからSSCG変調の影響を除去するために、タイミングジェネレータ105が出力する信号に基づいて読取アナログ画信号AV1〜AVnを補正する補正信号HS1〜HSnを生成するものであり、それらの補正信号HS1〜HSnを、アナログフロントエンド102の各アナログ処理ユニット103_1〜103_nに出力する。
また、基板制御部200において、ピーク検出部202_1は、入力するデジタル画像信号DVのピーク値とボトム値の差を表すピークボトム差信号を、読取アナログ画信号AV1〜AVnのチャネル毎に検出するものであり、その検出値を、基板制御部200のCPU(中央処理装置)203に出力する。
CPU203は、基板制御部200の動作およびセンサボードユニット100の各要素の動作を制御するものであり、より具体的には、タイミングジェネレータ105およびアナログフロントエンド102の動作を制御するとともに、SSCG補正信号の生成に関しては、ピーク検出部202_1から入力したチャネル毎のピークボトム差信号に基づいて、SSCG補正信号生成部108の動作を制御する。また、上述のように、SSCG機能部107の動作を制御したり、カウント数:N_ssの設定を行う。また、ピーク検出部202_1が行うピークボトム差検出動作について必要な設定も行う。
ここで、タイミングジェネレータ105に含まれるPLL回路105aは、図5に示したブロック図のように構成される。
すなわち、図5に示すように、本実施例でのPLL回路105aは、外部からの設定により分周率と逓倍率とを設定できるものである。
PLL回路105aでは、水晶発振器106から入力するクロック信号CKを分周器105aaで分周した信号BCaと、後述のVCO105afが出力する内部クロック信号CKbを分周器105abで分周した信号BCbとを位相比較器105acに入力させる。この位相比較器105acは、信号BCaと信号BCbとを位相比較し、その位相比較結果に応じて、その出力するパルスPHのデューティを変化させる。
このパルスPHは、平滑化フィルタ回路105adに入力され、この平滑化フィルタ回路105adで積分され、パルスPHのデューティに依存した電圧信号CVに変換される。すなわち、この平滑化フィルタ回路105adは、パルスPHを電圧信号CVへ変換する周波数−電圧変換手段として作用する。
また、位相比較器105acの入力にフィードバックされる信号BCbはSSCG変調が施された内部クロック信号CKb(後述)を分周器105abで分周して形成した信号であるから、この信号BCbにもSSCG変調が施されており、そのため、位相比較器105acの出力パルスPHのデューティはSSCG変調の位相に同期して変化する。そして、平滑化フィルタ回路105adの応答時定数をSSCG変調の変調周波数よりも大きな周波数に設定しておくことで、平滑化フィルタ回路105adから出力される電圧信号CVはその平均レベルの電圧となる。
この電圧信号CVは、加算器105aeの一方の入力端に加えられる。加算器105aeの他方の入力端には、SSCG機能部107から出力されるSSCG変調信号GGが加えられており、加算器105aeにより、電圧信号CVにSSCG変調信号GGが重畳された電圧信号CVaが形成され、その電圧信号CVaは、VCO(電圧制御発振器)105afに入力される。VCO105afは、入力した電圧CVaに応じた周波数のパルスを出力するものであり、このVCO105afの出力パルスは、内部クロック信号CKbとして外部の機器へ出力されるとともに、分周器105abへフィードバックされる。
ここで、VCO105afに入力される電圧信号CVaは、SSCG変調信号GGが重畳されているので、VCO105afから出力される内部クロック信号CKbは、SSCG変調を施したクロック信号となる。
なお、分周器105aa,105abの分周率および逓倍率は、CPU203により制御される分周率/逓倍率設定部105agにより設定されている。
また、VCO105afに入力される電圧信号CVaは、交流結合用のコンデンサCC1を介し、その交流成分のみがアナログ信号SSとして、SSCG補正信号生成回路108へと出力されている。
このPLL回路105aの構成において、VCO105afへ入力される電圧信号CVaは、SSCG変調の変調周期に同期して変動する電圧信号となる。そこで、この電圧信号を交流結合用のコンデンサCC1を介して取り出すことで直流成分を取り除いた交流成分のみの信号とし、コンデンサCC1を通過後の交流成分のみの信号を、SSCG変調周期に同期したアナログ信号SSとして用いる。
次に、補正信号HS1〜HSnを生成するSSCG補正信号生成回路108について説明する。図6は、SSCG補正信号生成回路108の一例を示したブロック図である。
このSSCG補正信号生成回路108は、上述したアナログ信号SSに基づいて、複数チャネルの出力を備えたDAC(デジタル/アナログ変換器)108bの基準電位VrefT(t),VrefB(t)を形成する基準電圧生成部108aと、基準電位VrefT(t),VrefB(t)、及びCPU203より入力する各チャネルのDAC設定値とに対応したアナログ信号を各チャネルについて出力する複数チャネル出力のDAC108bと、DAC108bの各チャネルの出力信号を次段装置へ出力する出力回路108cから構成されている。なお、DAC108bとしては、汎用のDAC装置を用いることができる。
DAC108bは、入力する基準電位VrefT(t),VrefB(t)に基いて、各チャネルに入力するデジタル信号に対応して、各チャネルより出力するアナログ信号の信号レベルを設定する。基準電位VrefT(t)は、DAC設定値が最大値(8ビットの場合には、255)に対応したアナログ信号レベルの基準値を示し、基準電位VrefB(t)は、DAC設定値が最小値(8ビットの場合には、0)に対応したアナログ信号レベルの基準値を示す。
本実施例では、SSCG補正信号生成回路108において、補正信号の生成手段としてCCDラインイメージセンサ101と同じチャネル数のDAC108bを用いる。これにより、CCDラインイメージセンサ101の各チャネルに対応して生成する補正信号を任意の増幅率で増幅できるようにすると共に、補正信号の反転・非反転の切り替えを可能としている(詳細は後述)。
そして、DAC108bの各チャネルの出力信号は、出力回路108cを介して、アナログフロントエンド102の対応するチャネルのアナログ処理ユニット103_1〜103_nの内部動作基準電位を設定するクランプ電位入力端に、補正信号HS1として入力している。
したがって、SSCGの影響により発生する読取アナログ画信号AV1〜AVnのオフセット変動と振幅が同じで位相が逆相となるようにDAC108bに入力するDAC設定値を設定することで、読取アナログ画信号AV1〜AVnのオフセット変動を打ち消し、SSCGの影響による発生する読取アナログ画信号AV1〜AVnのオフセット変動を補正することが可能となる(詳細は後述)。
ここで、アナログ処理ユニット103_1〜103_nには、内部的に、クランプ電位を設定する分圧抵抗RA1,RA2が設けられており、この分圧抵抗RA1,RA2の分圧値が、内部動作基準電位としてアナログ処理ユニット103_1〜103_nの内部回路に供給される。
そして、上述したDAC108bの各チャネルの出力信号(補正信号HS1〜HSn)のように、外部からアナログ処理ユニット103_1〜103_nのクランプ電位入力端に供給される電圧は、この内部動作基準電位を変位させる重畳電位成分として作用することになる。
一方、アナログ処理ユニット103_1においては、交流結合コンデンサCC2を介して、対応する1つのチャネルの読取アナログ画信号AV1が入力されており、その入力信号は、バッファアンプBBを介して、内部に取り込まれている。また、バッファアンプBBの入力端は、クランプスイッチSWを介して、クランプ電位入力端にも接続されている。
そして、このクランプスイッチSWは、クランプ信号により、図6(a),(b)に示すように、主走査1ライン期間において、黒レベル基準値を検出するための所定期間、オンされる。それにより、バッファアンプBBの入力端の電圧が、黒レベル基準値としてアナログ処理ユニット103_1に保持される。
そして、クランプスイッチSWがオフした後の主走査1ライン期間では、黒レベル基準値検出手段に検出された黒レベル基準値が、読取アナログ画信号AV1の黒レベルの基準値としてアナログ処理ユニット103_1で使用される。
すなわち、アナログ処理ユニット103_1〜103_nにおいては、クランプ電位入力端に補正信号(DAC108bの各チャネルの出力信号)が重畳されることで、内部動作基準電位にその補正信号が重畳される。ここで、アナログ処理ユニット103_1〜103_nでは、内部動作基準電位と入力する読取アナログ画信号AVとの差分信号をアナログ画像信号AR1〜ARn(図示略)として形成し、そのアナログ画像信号AR1〜ARnをAGCでアナログゲインで増幅した後に、ADCでデジタル画像信号DVに変換している。
このように、アナログ処理ユニット103_1〜103_nで処理されるアナログ画像信号AR1〜ARnは、内部動作基準電位と読取アナログ画信号AVとの差分信号であるから、上記のように、内部動作基準電位に補正信号を重畳すると、その重畳された補正信号の信号成分に従って内部動作基準電位と読取アナログ画信号AVとの差分が変動し、結果的に、読取アナログ画信号AVに補正信号を重畳したと同様の作用をアナログ画像信号AR(AR1〜ARn)に対して及ぼす。それにより、アナログ画像信号ARは、読取アナログ画信号AVのオフセット変動を補正したものとなり、SSCG変調の影響を除去することができる。
図6に戻り、基準電圧生成部108aは、タイミングジェネレータ105のPLL回路105aから出力されるアナログ信号SSからDAC108bの基準電位(VrefT(t)とVrefB(t))を生成してDAC108bに供給する。この際に、図8に示したように、基準電位VrefT(t)と基準電位VrefB(t)の交流成分は、振幅は同じで位相を反転させた信号として生成する。
図9は、基準電圧生成部108aの一例を示す回路図である。
すなわち、この基準電圧生成部108aでは、PLL回路105aから取り出したアナログ信号SSは微小振幅であるため、非反転増幅回路108aaおよび反転増幅回路108abで増幅を行いDAC108bの基準電位(VrefT(t)、VrefB(t))として供給する。
非反転増幅回路108aaは、オペアンプを用いた固定ゲインの増幅回路で構成されているとともに、ゲインの増幅率を決定する抵抗に、抵抗RとコンデンサCの直列回路により形成された位相補償回路PP(後述)を並列接続している。この非反転増幅回路108aaの出力信号は、トランジスタエミッタフォロワ回路Q1を介し、所定のオフセット電圧(固定値)が重畳された状態で、基準電位VrefT(t)として、DAC108bに出力されている。
また、非反転増幅回路108aaの出力電圧は、ゲインが(−1)倍に設定された反転増幅回路108abにより反転増幅され、この反転増幅回路108abの出力信号は、トランジスタエミッタフォロワ回路Q2を介し、所定のオフセット電圧(固定値)が重畳された状態で、基準電位VrefB(t)として、DAC108bに出力されている。なお、この反転増幅回路108abも、オペアンプを用いた固定ゲイン(ゲイン:−1倍)の増幅回路で構成されている。
すなわち、この基準電圧生成部108aは、タイミングジェネレータ105から取り出したアナログ信号SSをある固定ゲインでの非反転増幅回路108aaで増幅し、その非反転増幅回路108aaで増幅したアナログ信号にオフセット電圧を重畳させた信号を基準電位(基準電圧)VrefT(t)としてDAC108bへ供給する。
また、この基準電位VrefT(t)の信号の位相を反転増幅回路108abで位相反転させた信号に、オフセット電圧を重畳させた信号を、基準電位VrefB(t)としてDAC108bへ供給する。ここで、位相反転は、オペアンプを用いて構成したゲインが(−1)倍の反転増幅回路にて実現する。
このようにして、DAC108bの基準電圧であるVrefT(t)、VrefB(t)のそれぞれに、SSCG変調の周期に同期して変動する交流信号(アナログ信号SS)と同位相及び逆位相となる信号を入力し、CPU203がDAC設定(DAC108bに与えるデジタル入力値をセットすること)を行なうことで、SSCGの変調周期に同期した任意の振幅の補正信号を得ることが可能となる。
この補正信号について、次に説明する。
まず、DAC108bからの出力電圧は以下の式(I)で示される。
Vdac_out(t)=(VrefT(t)−VrefB(t))×Dac_set/FullScale+VrefB(t) ・・・(I)
Dac_set:DACへの設定値(8bitの場合、0〜255)
FullScale:DACのフルスケール値(8bitの場合、255)
VrefT(t):DACの上側基準電位
VrefB(t):DACの下側基準電位
α(t):増幅後のPLL部分で取り出したアナログ信号(交流信号)SS
Vdac_out(t):DAC出力
ここで、2つの基準電位の交流成分は、振幅が同じで逆相であるので、
VrefT(t)=VrefT_dc+α(t)
VrefB(t)=VrefB_dc−α(t)
VrefT_dc、VrefB_dcは各直流成分
したがって、式(I)は、
Vdac_out(t)=(α(t)+α(t))×Dac_set/FullScale−α(t)
+(VrefT_dc−VrefB_dc)×Dac_set/FullScale+VrefB_dc
となり、この式の右辺の最初の2項で表される信号Vdac_out(t)の交流成分(Vdac_out(t)_AC)は、DAC108bのDAC設定値により振幅及び極性を設定できることを表している。
また、
Vdac_out(t)_AC=
2α(t)×Dac_set/FullScale−α(t)=(2×Dac_set/FullScale−1)×α(t)
例えばDAC108bが8bitの設定の場合で考えると
Dac_set:255のとき、Vdac_out(t)_AC=α(t)
Dac_set:128のとき、Vdac_out(t)_AC≒0
Dac_set: 0 のとき、Vdac_out(t)_AC=−α(t)
となり、任意の設定、反転・非反転を切り換えることができる。
またこのときのDAC108bの1ステップあたりの変化量:Δの大きさは、|Δ|=α(t)/128となり、入力信号のα(t)に対して、DAC設定値に対して比例的に変化する線形的な特性をもつことがわかる。
ところで、DAC108bとして、シリアル通信にてDAC設定値を設定する多チャネルの汎用的なDAC装置を用いた場合は、基準電位VrefT(t),VrefB(t)の変化に対する出力変化の応答特性が悪いために、DAC108bの出力信号として得られる補正信号の位相が遅れてしまう。
そこで、DAC108bへの基準電位VrefT(t),VrefB(t)を生成する基準電圧生成部108a部分において、高周波成分の増幅率を上げ、位相を進ませるような周波数特性を持たせ、DAC108bの応答特性が悪い点を補うようにする。
本実施例の場合には、図9の構成での非反転増幅回路108aaにおいて、ゲインの増幅率を決定する抵抗部分に、前述の位相補償回路PPを並列接続させることで高周波成分での増幅率を上げ、位相を進ませる特性を持たせるようにしている。
次に、この位相補償について説明する。図10(a)には、DAC108bの周波数特性の一例を示し、同図(b)に位相補償回路PPを並列接続した場合のVref供給回路(基準電圧生成部108a)の周波数特性を示し、同図(c)には、DAC108bとVref供給回路(基準電圧生成部108a)を組み合わせたときの周波数特性の一例を示す。
図10(c)に示すように、高周波成分では位相補償回路PPのコンデンサ成分の影響で、増幅率があがり、位相が進むことになる。ここで、この周波数特性はDAC108bの応答特性を基に、あらかじめ位相補償回路PPの抵抗R及びコンデンサCの定数を設定しておく。
このように、基準電位VrefT(t),VrefB(t)の供給回路部分(基準電圧生成部108a)に周波数特性を持たせることで、応答特性が遅いDACを用いた場合でもDACの位相遅れを補償することが可能となる(図10(c)参照)
次に、本実施例でのDAC設定値を求めるアルゴリズムについて説明する。
まず、SSCGの影響による画像上でのスジの検出について、検討する。
SSCGの影響によるスジは、上述したように、EMI対策でSSCGを用いた場合に画像のオフセットレベルが僅かな量だが、SSCGの変調周期に同期した周期で変動してしまうために発生するものである。
これは、汎用のSSCG変調機能ユニットを用いてSSCG機能を実現した場合、その変調周波数は不明である場合が多く、一般的に画像読取装置における1ライン周期とSSCG変調の周期とは非同期となることが原因の一つであると考えられる。
ここで、SSCGの影響によるスジ画像の特徴量として、読取アナログ画信号AV1〜AVnのオフセットレベルの主走査方向の分布のピーク値とボトム値の差分量を採用することで、SSCGの影響度合いを表せる。これは、SSCGの影響による変動がない場合は、ピークボトム差は0となり、SSCGの影響による変動が大きくなるにつれピークボトム差も大きくなるからである。
ただし、本実施例で処理対象としている読取アナログ画信号AV1〜AVnは、CCDラインイメージセンサ101からの出力であり、ランダムノイズが含まれるので、ピークボトム差はランダムノイズ成分も含んだ特徴量となり、SSCGの影響による変動が無い場合でもピークボトム差としてはランダムノイズ成分σが検出されることになる。図11(a)にSSCGの影響によるピークボトム差の値が0の場合について示し、同図(b)にSSCGの影響によるピークボトム差の値が0でない場合について示す。
すなわち、SSCGの影響による変動がない場合であっても、読取アナログ画信号AV1〜AVnには、ランダムノイズ成分に対応した信号レベルの変動が現われるので、そのランダムノイズ成分を低減できなければ、適切にSSCGの影響によるスジ画像の特徴量としてのピークボトム差を検出することができない。
ランダムノイズ成分を低減させたピークボトム差検出方法としては、図12に示すように、主走査方向の1ライン周期をSSCGの変調周期の整数倍とし、読取信号の各画素毎に複数ライン分の平均処理を行った後にピークボトム差検出を行う方法が考えられる。また、ランダムノイズ成分を低減させたピークボトム差検出方法の別の検出方法としては、図13に示すように、読取信号の各画素毎に、主走査方向に移動平均を施した後にピークボトム差検出を行う方法も考えられる。
しかしながら、図12のように読取信号の各画素毎に副走査方向に平均処理を施す場合は、ノイズを低減させるのに多くのライン数が必要となり処理時間が長くなってしまうという問題がある。また、図13のように主走査方向に移動平均を施したデータに対して“ピーク値−ボトム値”を検出する場合は、読取信号にSSCGの影響による変動自身も含まれるため、ランダムノイズ低減の効果が小さく、期待したほどの効果を得られないという問題がある。
そこで、本実施例では、基本的には、主走査方向に移動平均を算出して“ピーク値−ボトム値(ピークボトム差)”を検出する方法を採用すると共に、読取信号にSSCGの影響による変動自身を含まなくすることで、より短い処理時間で“ピーク値−ボトム値”を検出するとともに、“ピーク値−ボトム値”を検出する際のランダムノイズの影響を小さくできるようにしている。
すなわち、本実施例におけるピークボトム差検出動作は、上記したように、SSCG機能部107で、アップダウンカウンタ107aの計数値をN_ss/4で固定させた期間TAにおいて、読取信号の各画素毎に、主走査方向に移動平均を施した値を算出して、ランダムノイズ成分を低減させたピーク値を測定すると共に(図4(a),(b)参照)、アップダウンカウンタ107aの計数値を-N_ss/4で固定させた期間TBにおいて、読取信号の各画素毎に、主走査方向に移動平均を施した値を算出して、ランダムノイズ成分を低減させたボトム値(下側のピーク値)を測定するというものである。
この場合、アップダウンカウンタ107aの計数値をN_ss/4に固定している期間TAでは、計数値N_ss/4に対応したSSCG変調の影響が読取信号の値に現れている状態、すなわち、SSCG変調の影響のピーク値が読み取り信号に現れている状態に固定される。従って、その期間TAにおいて、読取信号の各画素毎に、主走査方向に移動平均を施した値を算出して、読取アナログ画信号AV1〜AVnのオフセットレベルの主走査方向の分布のピーク値を測定することができる。
また、アップダウンカウンタ107aの計数値を-N_ss/4に固定している期間TBでは、計数値-N_ss/4に対応したSSCG変調の影響が読取信号の値に現れている状態、すなわち、SSCG変調の影響のボトム値が読取信号に現れている状態に固定される。従って、その期間TBにおいて、読取信号の各画素毎に、主走査方向に移動平均を施した値を算出して、読取アナログ画信号AV1〜AVnのオフセットレベルの主走査方向の分布のボトム値を測定することができる。
次に、期間TAにおけるピーク値の算出方法、及び、期間TBにおけるボトム値の算出方法について説明する。
期間TAにおけるピーク値の算出方法、及び、期間TBにおけるボトム値の算出方法は、上記のように、いずれも読取信号の各画素毎に、主走査方向に移動平均を施した値を算出するという方法であり、その算出は、例えば、次の式(II)を適用して行う。
Data_ave(n+1)={Data(n)+(α−1)×Data_ave(n)}/α・・・(II)
n:SSCG変調一時停止期間における読取信号の主走査方向の画素位置(0〜N)
Data_ave(n):n画素目での移動平均量
Data(n):n画素目のレベル
係数α:ランダムノイズ量に応じて適当に定める係数
上記の演算をSSCGの周波数変調を一時停止している期間TAにおいて実施することで、最終的に得られた結果がSSCG周波数変調のピーク周波数の時の変動レベル(ピーク値)であるピークレベルSS_peakとなる。
SS_peak=Data_ave(N)
同様に上記の演算をSSCGの周波数変調を一時停止した期間TBにおいて実施することで、最終的に得られた結果がSSCG周波数変調のピーク周波数の時の変動レベル(ボトム値)であるボトムレベルSS_bottomとなる。
SS_bottom=Data_ave’(N)
そして、得られたピークレベルSS_peakとボトムレベルSS_bottomの差がSSCG変調の影響による変動量:Δとなる。
Δ=|SS_peak−SS_bottom|
そして、この検出した結果を用いて、補正信号HS1〜HSnを決定するためのDAC108bのDAC設定値を求める。
ここで、SSCG変調周期の値は、上記のようにシステムが適宜に設定することができるので、この実施例にかかる画像読取装置に最適な値とすることができる。
なお、ピークボトム差検出は、画像処理部(IPU)202のピーク検出部202_1が行う。
ところで、移動平均を求める方法には、式(II)で示した演算式を用いるもの以外にも、例えば3点移動平均法などの演算方法がある。また、移動平均以外にも、期間TA,TBで得られるサンプル値の平均値を算出して、それぞれをピーク値とボトム値とするという方法を採用することもできる。ただし、期間TA,TBで得られるサンプル値の平均値を算出する場合には、画素データの総和分を保持できるメモリ容量が必要であるのに対して、移動平均を求める方法を採用した場合には、演算のために必要なメモリ容量を減らすことができ、特に式(II)で示した演算を用いた場合には、注目画素のデータと、1つ前の画素についての演算結果とを保持しておくことで各画素について順次演算を処理することができるので、必要なメモリ容量をより削減することができ、回路規模をより小さくすることができる。
本発明のように読取信号からSSCG変調の影響を除去する場合、読取アナログ画信号AVについて、ピークボトム差の絶対値よりも相対的な大小関係の検出が重要である。また、デジタル画像信号DVは、基本的には読取アナログ画信号AVをアナログ/デジタル変換して形成したものであるから、デジタル画像信号DVの値は、読取アナログ画信号AVに含まれるオフセット成分及びランダムノイズ成分のアナログ値に対応したデジタル値を含むものである。したがって、上記のようにデジタル画像信号DVについてピークボトム差を算出することは、読取アナログ画信号AVのピークボトム差の相対的値を検出することと同等である。そこで、本実施例では、デジタル画像信号DVに基づいてピークボトム差を検出し、この結果に基づきSSCGの影響を除去する構成とした。具体的な構成については後述する。
次にDAC設定値を求めるアルゴリズムについて説明する。
DAC設定値を求めるアルゴリズムとしては、例えば、DAC108bのDAC設定値を少しずつ更新しながら、ピークボトム差を検出し、最終的にピークボトム差が極小となるようなDAC設定値、または、ピークボトム差が一定のスレッシュレベル以下となるDAC設定値を、補正信号としてのDAC設定値とするものも考えられる。
しかしながら、このようなアルゴリズムを適用した場合、ピークボトム差の検出とDAC108bのDAC設定値の更新を繰り返す必要があるため処理時間がかかってしまう。またDAC108bのDAC設定値が最適値に近づくほどピークボトム差が小さくなっていくので、ランダムノイズ成分の影響度が大きくなり、なかなか最適値に収束できないといった事態を生じる。
そこで、本実施例のDAC設定値を求めるアルゴリズムとしては、少ない検出回数とランダムノイズの影響を低減した、次のようなアルゴリズムを用いる。
まず、本実施例の構成において、SSCGの影響による変動がある画像データに対して補正信号を重畳させた状態での、各DAC設定値とその時のピークボトム差との関係を示したグラフを図14(a)に示す。なお、説明のために図14(a)では8bitの設定範囲を持つDACの場合でのグラフを示す。
このグラフを見ると、設定値Aにおいてピークボトム差が極小となり、SSCGの影響による変動を打ち消すためのDAC設定値としては、設定値Aが最適な値であることがわかる。
すなわち、上述したように、DAC108bのDAC設定値と出力との関係が線形であることから、DAC108bのDAC設定値を0から増加させていくと、ピークボトム差は傾き:−βで直線的に減少し、設定値Aを境に傾きβで増加する特性となる。ピークボトム差を検出しているので、設定値Aの前後で減少と増加が切り替わった特性となっているが、その変化量の大きさはβで一定である。
ここで、図14(a)のグラフを図形的にみると、同図(b)に示すように、設定値Aの左側にできる三角形TAと右側にできる三角形TBとは傾きの大きさがいずれもβであることから相似の関係となる。
相似であることにより設定値Aの値は、設定値0でのピークボトム差DF(0)(=Δ_0)と設定値255でのピークボトム差DF(255)(=Δ_255)の比から、次の式(III)のように計算により算出できる。
設定値A=255×Δ_0/(Δ_0+Δ_255) ・・・(III)
この場合、DAC設定値の最適値となる設定値Aは、式(III)を計算することで得られるので、DAC108bのDAC設定値の更新を繰り返しながらピークボトム差を検出する必要がなく、DAC108bのDAC設定値を変えた状態でのピークボトム差検出を2回実施するだけで設定値Aを算出でき、非常に短時間でDAC設定値の最適値を得ることができる。
ここで、設定値0でのピークボトム差:Δ_0と及び設定値255でのピークボトム差:Δ_255は、いずれもランダムノイズ成分σ(図14(a)参照)に対して十分に大きい量であるため、DAC設定値の最適値に対してランダムノイズ成分σが及ぼす影響は少ない。
なお、前述の説明ではDAC設定値として、設定値0と設定値255で検出した各ピークボトム差:Δ_0とピークボトム差:Δ_255を用いたが、ピークボトム差の検出値に対するランダムノイズσの影響が少ない設定値であれば任意の設定値で構わない。
図15は、上述したアルゴリズムに基づいて、基板制御部200のCPU203がDAC設定値を計算する際の処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この図15を用いて行う処理の説明においては、DAC108bは8bit階調とし、計算の際の設定値として0と255を採用し、ランダムノイズ低減方法は、図4(a),(b)及び式(II)を参照して説明した演算方法により実施する場合で説明をする。
まず、初期設定を実施し、各変数、及び条件を設定する(ステップS1)。
カウンタ停止再開部107cを調整モードにセットする
ランプ ← OFF
AFEゲイン ← 10倍
1ライン周期 ← 通常設定値に設定
DAC設定値_nch ← 0
※変数及び定数の説明
ランプ:SSCGの影響によるオフセット変動を検出するためランプはOFFの状態に設定し、暗状態で読み取りを行う。
AFEゲイン:読取アナログ画信号AVの増幅率を10倍として検出感度を上げた状態に設定する。
DAC設定_nch:DAC108bのnchへのDAC設定値。補正信号設定として、まず0の状態で調整を開始する。
初期設定を行なった後に、DAC設定値を0として、ピーク検出部202_1によるピークボトム差検出を行なう(ステップS2)。ピークボトム差検出は、上述のように、SSCG機能部107において、アップダウンカウンタ107aの計数値をN_ss/4で固定させた期間TAにおいて、式(II)に従って、ランダムノイズ成分を低減させたピーク値を測定(算出)し、アップダウンカウンタ107aの計数値を-N_ss/4で固定させた期間TBにおいて、式(II)に従って、ランダムノイズ成分を低減させたボトム値(下側のピーク値)を測定(算出)し、それぞれ算出したピーク値とボトム値の差の絶対値をピークボトム差の検出値とする。
このとき、CPU203がカウンタ停止再開部107cを調整モードにセットしてから、カウンタ停止再開部107cがアップダウンカウンタ107aのカウント値を0に初期設定した後に、アップダウンカウンタ107aがアップカウントすることによりその出力カウント値の値がN_ss/4に達するまでの時間は、一定時間であり、従って、CPU203が、カウンタ停止再開部107cを調整モードにセットしてから期間TAが開始するまでのタイミングは一定時間である。
また、期間TAの経過後、アップダウンカウンタ107aがダウンカウントすることによりその出力カウントの値が-N_ss/4に達するまでの時間は一定時間であり、従って、期間TAが経過した後、期間TBが開始するまでのタイミングは一定時間である。
このように、CPU203がカウンタ停止再開部107cを調整モードにセットしてから、ピーク値を測定する期間TAが開始するまでの時間、ピーク値を測定するための期間TA、期間TAの終了後ボトム値を測定する期間TBが開始するまでの時間、及びボトム値を測定するための期間TBは、それぞれ特定のタイミングで到来する。
そこで、ピーク検出部202_1は、CPU203がカウンタ停止再開部107cに調整モードをセットしてから、期間TAが開始するまでの時間を待機した後、期間TAが開始される時点から式(II)の演算処理に基づいてピーク値の検出動作を開始し、期間TAが終了するとピーク値の検出動作を終了し、次に、期間TBが開始するまでの時間を待機し、期間TBが開始される時点から式(II)の演算処理に基づいてボトム値の検出動作を行い、期間TBが終了するとボトム値の検出動作を終了し、期間TAで得たピーク値と期間TBで得たボトム値に基づいてピークボトム差を検出し、その検出したピークボトム差の値を変数Δ_0_nchに保持する。
次にDAC設定値を255にして、ピークボトム差検出を行う(ステップS3,S4)。
DAC設定値_nch ← 255
DAC108bのDAC設定値を255とした場合もステップS2と同様のピークボトム差検出処理を行い、変数Δ_255_nchに保持する。
検出したピークボトム差:Δ_0_nchとΔ_255_nchとから補正信号のDAC設定値を算出する(ステップS5)。
DAC設定値 = 255×Δ_0_nch/(Δ_0_nch+Δ_255_nch)
算出したDAC設定値をDAC108bのnchに設定した後に、カウンタ停止再開部107cを通常モードに戻し、初期設定で変更したAFEゲインを通常設定値に戻すとともに、1ライン周期を通常周期に戻して終了となる(ステップS6)。
以上のDAC設定値計算フローに基づき計算を行なうことで、SSCGの影響による読取アナログ画信号AVのオフセット変動を低減するのに適した設定値Aを得る事が可能となり、その結果、画像に現われるスジを低減できることになる。
ところで、SSCGの影響によるオフセット変動はCCDラインイメージセンサ101のデバイス特性の影響度が大きく、温度特性等に依存してオフセット変動量が変化する場合が考えられるので、このようなCCDラインイメージセンサ101を用いた場合の画像読取装置では、上述のDAC設定値計算フローにより、DAC設定値の最適値を設定し、画像上のスジを低減した場合でも、SSCGの影響によるオフセット変動量が経時で変化することにより、再度、画像においてSSCGの影響によるスジが発生する場合がある。
このような場合においても、上述したDAC設定値の計算処理を任意の時間間隔で実施する処理を、システム処理において備えておくことでSSCGの影響によるオフセット変動量の経時変化にも対応することが可能となる。
例えば、本実施例の機能を備えた画像読取装置において連続通電時間をモニタしておき一定時間毎に上述のDACの設定値の計算処理を実施するモードを備えることで、SSCGの影響によるオフセット変動の経時変化にも本実施例は対応できる。
さらに、本実施例にかかる画像読取装置を画像形成装置に備えることで、その画像形成装置においてはSSCGの影響によるスジを低減した画像情報に基づいた画像を形成することが可能となる。
以上説明したように、この画像読取装置によれば、SSCGを用いた読取装置における画像へのスジ画像の問題に対してスジ画像を低減することが可能となる。
また、設定値を算出する処理をフィードバックにより設定を行う増幅手段の特性を利用した処理とすることで、簡単な処理で適切な設定値を得ることが可能となる。
また、補正信号生成の際に通常の画像読取動作と同じ画像処理パスで得られる特徴量を用いることで、特徴量抽出のための仕組を追加することなく補正信号を生成することが可能となる。
また、補正信号を生成する際に、補正信号を任意の増幅率及びその位相の反転、非反転を任意に設定できる仕組みを持つことで、SSCGの影響によるオフセット変動がデバイス毎にばらついた場合においても補正できることを目的とする。またこの仕組みを汎用のDACを用いることで低コストで実現することが可能となる。
また、SSCGの変調周期に同期したアナログ信号をCCD駆動信号を生成するタイミングジェネレータに内蔵されているPLLブロックから取り出すことで、新たに複雑な回路を設けることなくSSCGの変調周期に同期したアナログ信号を取り出すことが可能となる。
また、画像信号に対するアナログ処理及びA/D変換処理とが集積回路化されたアナログASICを用いた画像読取装置において、SSCGの影響によるスジ画像を低減することが可能となる。
また、SSCGの影響によるスジを低減するために生成した補正信号を画像信号に重畳する際に、アナログ処理ASICのクランプ電位にAC結合を介して重畳させることで、新たに複雑な回路を設けることなくSSCGの影響によるスジを低減することが可能となる。
また、画像読取装置において他の制御とは独立して行なえる調整処理とすることで、SSCGの影響によるスジ画像が経時変化する場合であっても補正をすることが可能となる。
また、SSCGの影響を低減した画像読取装置をもつ画像形成装置を提供することが可能となる。
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成、操作手段の構成、具体的な処理内容、操作方法等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
なお、この発明によるDAC設定値計算フローのプログラムは、はじめから基板制御部200がCPU203と共に備えるROM,HDDあるいはSSD等の記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROMあるいはフレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAMや、SRAM,NOV−RAM,EEPROM,メモリカード等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。そのメモリに記録されたプログラムをコンピュータにインストールしてCPU203に実行させるか、CPU203にそのメモリからこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
また、以上述べてきた各実施形態の構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
本発明は、SSCGをEMI対策として用いている画像読取装置であれば、原稿以外を読み取る任意の構成の装置についても適用することができる。また、そのような画像読取装置を画像読取手段として備える画像形成装置であれば、電子写真式記録装置やインクジェット式記録装置等の任意の記録手段を備えたもの、ネットワーク対応の画像形成装置などに適用することができる。また、画像読取装置や画像形成装置以外の電子装置であって、SSCGをEMI対策として用いているアナログ処理系を備えた電子装置であれば、適用することができる。
101:CCDラインイメージセンサ、102:AFE(アナログフロントエンド)、103_1〜103_n:アナログ処理ユニット、104:信号送信部、105:タイミングジェネレータ、105a:PLL回路、105ae:加算器、105b:タイミング発生回路、106:水晶発振器、107:SSCG機能部、107a:アップダウンカウンタ、107b,108b:DAC、107c:カウンタ停止再開部、108:SSCG補正信号生成回路、108a:基準電圧生成部、108aa:非反転増幅回路、108ab:反転増幅回路、108c:出力回路、200:基板制御部、201:信号受信部、202:画像処理部(IPU)、202_1:ピーク検出部、203:CPU(中央処理装置)、Q1,Q2:トランジスタエミッタフォロワ回路。
特開2008−118366号公報 特開2006−222688号公報

Claims (12)

  1. 原稿からの反射光を光電変換素子によりアナログ画像信号に変換し、得られたアナログ画像信号に対しアナログ信号処理を施した後にアナログ/デジタル変換器でデジタル画像信号に変換して出力する画像読取装置において、
    基準クロックに対し、任意の変調周期で周波数変調したクロックを生成する周波数変調手段と、
    前記変調周期を設定する変調周期設定手段と、
    前記周波数変調手段の周波数変調を停止させ又は停止させた周波数変調を再開させる周波数変調停止再開手段と、
    前記光電変換素子を前記周波数変調したクロックにより駆動する駆動手段と、
    前記周波数変調したクロックの周波数変化に応じたアナログ信号を生成する信号生成手段と、
    前記アナログ信号の交流成分を、外部から設定される設定値に対応した増幅率で増幅すると共に反転・非反転を切り換えることが可能な増幅反転手段と、
    前記アナログ画像信号と、前記増幅反転手段から出力されるアナログ信号とを重畳させる信号重畳手段と、
    前記周波数変調停止再開手段により前記周波数変調手段の周波数変調を一定期間停止させた後に再開させ、その一定期間において、前記信号重畳手段により前記アナログ信号が重畳された前記アナログ画像信号を、前記アナログ/デジタル変換器によりデジタル画像信号に変換し、該デジタル画像信号に現れる特徴量を算出し、前記一定期間後は、その算出結果に基づいて、前記増幅反転手段の増幅率及び反転・非反転を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記周波数変調手段は、前記基準クロックのタイミングに従いカウント値を増加又は減少させるカウント手段を有し、該カウント手段のカウント値に応じて前記基準クロックを周波数変調する手段であり、
    前記変調周期設定手段は、前記カウント手段が前記基準クロックのタイミングに従いカウント値の増加を行うか減少を行うかを切り換える基準のカウント値を設定することにより、前記変調周期を設定する手段であり、
    前記周波数変調停止再開手段は、任意のタイミングで前記カウント手段のカウント値の増加又は減少を停止させてその停止時点でのカウント値を維持させ、任意のタイミングで前記カウント手段のカウント値の増加又は減少を再開させる手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記変調周期設定手段が設定する基準のカウント値は、上限の基準のカウント値と、下限の基準のカウント値であり、
    前記制御手段は、前記カウント手段のカウント値が前記上限の基準のカウント値に一致した状態で、前記周波数変調停止再開手段により、前記周波数変調手段の周波数変調を一定期間停止させ、この期間の前記デジタル画像信号に基づき第1の値を算出すると共に、前記カウント手段のカウント値が前記下限の基準のカウント値に一致した状態で、前記周波数変調停止再開手段により、前記前記周波数変調手段の周波数変調を一定期間停止させ、この期間の前記デジタル画像信号に基づき第2の値を算出し、同じ主走査位置で算出した前記第1の値と第2の値の差分を前記特徴量として算出することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記増幅反転手段は、外部から設定される前記増幅率の設定値と、入力信号の増幅率との関係が線形な関係を有するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像読取装置。
  5. 前記増幅反転手段は、前記アナログ信号から振幅が同じで位相が逆相となる2つのアナログ信号を生成する基準信号生成手段と、
    前記基準信号生成手段が生成した2つのアナログ信号がおのおの基準電圧として供給されるデジタル/アナログ変換器とを有し、
    該デジタル/アナログ変換器に設定するデジタル値を切り換えることで増幅率及び反転・非反転を切り換えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像読取装置。
  6. 前記基準信号生成手段は、前記アナログ信号の高周波成分をより増幅させる周波数特性を持った回路要素を備えることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
  7. 前記光電変換素子は、複数チャネルに分割され、
    前記増幅反転手段の前記デジタル/アナログ変換器は、複数出力チャネルを備え、
    前記デジタル/アナログ変換器は、シリアル通信により各チャネルへのデジタル値を設定可能な汎用の変換器であることを特徴とする請求項5または6に記載の画像読取装置。
  8. 前記信号生成手段は、前記基準クロックを入力するPLL回路のVCOへの入力信号を用いて、前記周波数変調したクロックの周波数変化に応じたアナログ信号を生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  9. 前記アナログ画像信号に対し前記アナログ信号処理を施す手段と、前記アナログ/デジタル変換器は、同一のアナログ処理ASICにて構成されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像読取装置。
  10. 前記信号重畳手段は、前記増幅反転手段から出力されるアナログ信号を、前記アナログ処理ASICのクランプ電位に重畳させる手段であることを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。
  11. 前記制御手段が、前記増幅反転手段に設定する、増幅率及び反転・非反転を指定する設定値を任意のタイミングで調整可能であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の画像読取装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の画像読取装置を画像読取手段として備えたことを特徴とする画像形成装置。
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