JP2012004325A - 電子部品収納用容器および電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型・薄型の電子部品を貴金属を使用せずに真空封止することができ、電子部品を長期間にわたり正常に作動させることができる気密信頼性に優れた電子部品収納用容器を提供する。
【解決手段】 絶縁基体1と蓋体2とを封止材3を介して真空封止により接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器内部に電子部品4を気密に収容する電子部品収納用容器である。そして、封止材3は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成る。
【選択図】 図1
【解決手段】 絶縁基体1と蓋体2とを封止材3を介して真空封止により接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器内部に電子部品4を気密に収容する電子部品収納用容器である。そして、封止材3は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体素子および圧電振動子等の電子部品を気密に封止して収容するための電子部品収納用容器、および該電子部品収納用容器の内部に電子部品が搭載された電子装置に関し、特に封止材を用いて封止を行なう電子部品収納用容器および電子装置に関する。
従来、半導体集積回路素子をはじめとする半導体素子あるいは水晶振動子、弾性表面波素子といった圧電振動子等の電子部品を収容するための電子部品収納用容器は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成り、その上面の略中央部に電子部品を搭載するための搭載部、その周辺から下面にかけて導出されたタングステンおよびモリブデン等の高融点金属から成る複数個の配線導体を有する略平板状の絶縁基体と、絶縁基体に対向する面の略中央部に電子部品を収容するための凹部を有する蓋体とから構成されている。
そして、電子部品が例えば圧電振動子の場合には、絶縁基体の搭載部に電子部品の一端を導電性エポキシ樹脂等から成る導電性樹脂を介して接着固定するとともに電子部品の各電極を配線導体に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に蓋体を低融点ガラスから成る封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とから成る電子部品収納用容器内部に電子部品を気密に収納することによって最終製品としての電子装置と成る。
また近年、電子部品の小型化が進んでおり、小型の電子部品については、空気があることによってクリスタルインピーダンス(CI)値が高くなる影響が無視できなくなるので、CI値を下げることで安定した発振を確保するために真空封止の要求が高まっている。
真空封止できる封止材としては、金錫共晶合金を用いる方法が知られているが、貴金属を含んだ封止材なので価格が高く、用途が限られる問題がある。
真空封止によって絶縁基体に蓋体を接合させる貴金属を含まない封止材としては、例えば酸化鉛50〜65質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、フッ化鉛10〜30質量%、酸化亜鉛1〜6質量%、および酸化ビスマス10〜20質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてチタン酸鉛系化合物を外添加で26〜45質量%添加した鉛系のガラスから成り、予め真空中でガラス中に含まれる気泡を取り除いたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、近時の携帯電子機器の普及に伴い電子部品収納用容器の小型化・薄型化の要求の高まりにより、ガラスを用いて封止を行なう電子部品収納用容器においても小型化・薄型化の要求が高まっており、封止幅が狭くとも強度、信頼性に支障が出ないように、ガラス成分に添加するフィラーの粒径を小さくしてガラス強度を高めた電子部品収納用容器が考案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、真空封止が可能な封止材を用い、封止厚み、封止幅の小さい小型化・薄型化された電子部品収納用容器は、いまだ提案されていない。例えば、特許文献1に開示される真空封止可能な封止材のガラス成分に、ガラス強度を高めるために、特許文献2に開示される粒径の小さいフィラーを添加した封止材は、ガラス中に含まれる気泡を取り除くために真空中で脱気した場合、ガラスが結晶化してしまい、封着性を失ってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は小型・薄型の電子部品を貴金属を使用せずに真空封止することができ、電子部品を長期間にわたり正常に作動させることができる気密信頼性に優れた電子部品収納用容器、および該電子部品収納用容器の内部に電子部品が搭載された電子装置を提供することにある。
封止材において、粒径の小さいフィラーは比表面積が大きいので、ガラス成分と反応しやすくなると考えられる。そのため、粒径の小さいフィラーが添加された封止材を真空中で脱気した場合にガラスが結晶化する原因としては、ガラスが結晶化しやすくなるフィラー中の成分がガラス成分に溶出することであると考えられたが、これだけが原因ではないことが検討を繰り返す過程でわかってきた。
ガラスが結晶化しやすくなる成分である酸化亜鉛を含むウイレマイト(2ZnO・SiO2)から成るフィラーが添加された封止材は、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)から成るフィラーが添加された封止材よりも、ガラスが結晶化しやすいと予想される。しかしながら、本発明者らは、封止材を真空中で脱気した場合にガラスが結晶化する原因について鋭意検討した結果、予想に反して、ウイレマイトから成るフィラーが添加された封止材は、コージェライトから成るフィラーが添加された封止材よりも、真空中で脱気した場合に結晶化し難いという事実を見出した。
さらに、本発明者らは、真空中での脱気後に結晶化したガラス成分を分析することによって、結晶化したガラス成分では、結晶化しやすい組成が大幅に増えているのではなく、ガラス成分中のフッ素や酸素が脱気によってガラス成分から離脱して減少しているという事実を見出した。つまり、封止材を真空中で脱気した場合にガラスが結晶化する原因としては、ガラス成分中のフッ素や酸素が減少していることによってガラスの安定性が低下していることが主原因であり、フィラーがガラス成分中に溶解することが主原因ではないという事実を見出した。
かかる知見に基づき、本発明者らは、特定の組成を有するガラス成分にウイレマイト系化合物をフィラーとして添加した封止材を用いて封止を行なうことによって、気密信頼性に優れた電子部品収納用容器となることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の電子部品収納用容器は、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して真空封止により接合させ、前記絶縁基体と前記蓋体とから成る容器内部に電子部品を気密に収容する電子部品収納用容器であって、前記封止材は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成ることを特徴とするものである。
また本発明の電子装置は、電子部品と、前記電子部品収納用容器とを備え、電子部品が前記電子部品収納用容器の内部に気密に収容されて搭載されたものである。
本発明の電子部品収納用容器によれば、封止材は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成るので、封止材を構成するガラスのガラス化安定領域を広くすることができる。そのため、上記組成の封止材は、真空封止するために予め真空中で溶融してガラス中の気孔率を1%未満に低減する熱履歴が加えられ、粒径が小さく比表面積が大きいフィラーのフィラー成分がガラス中へ溶出したり、ガラス成分中のフッ素や酸素が減少しても、ガラスの結晶化が発生しにくい。
このような封止材が用いられた電子部品収納用容器では、絶縁基体と蓋体との封止材を介する真空封止による接合部分は、封止厚み、封止幅が小さくても強固に接合されたものとなり、気密信頼性に優れ、小型化・薄型化された電子部品収納用容器とすることができる。したがって、本発明の電子部品収納用容器は、金錫共晶合金などの貴金属を含んだ封止材を使用せずに、小型・薄型の圧電振動子などの電子部品を真空封止することができ、電子部品を長期間にわたり正常に作動させることができる。
また本発明の電子装置によれば、電子部品が、気密信頼性に優れる本発明に係る電子部品収納用容器の内部に気密に収容されて搭載されている。そのため、電子装置では、電子部品が長期間にわたり正常に作動することができる。
次に、本発明の電子部品収納用容器を添付の図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の一形態である電子部品収納用容器10の構成を示す図である。図1(a)は、電子部品収納用容器10の構成を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)における切断面線A−Aで切断したときの断面図である。図2は、電子部品収納用容器10の要部を拡大して示す断面図であり、図1(b)における二点鎖線で囲まれた領域Bを拡大して示す。なお、これらの図1,2においては、電子部品4が水晶振動子等の圧電振動子であり、電子部品収納用容器10が圧電振動子収納用容器である場合の例を示している。
図1は、本発明の実施の一形態である電子部品収納用容器10の構成を示す図である。図1(a)は、電子部品収納用容器10の構成を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)における切断面線A−Aで切断したときの断面図である。図2は、電子部品収納用容器10の要部を拡大して示す断面図であり、図1(b)における二点鎖線で囲まれた領域Bを拡大して示す。なお、これらの図1,2においては、電子部品4が水晶振動子等の圧電振動子であり、電子部品収納用容器10が圧電振動子収納用容器である場合の例を示している。
電子部品収納用容器10は、絶縁基体1と、蓋体2と、封止材3と、絶縁基体1に形成された電子部品4を外部配線と電気的に接続するための配線導体5と、電子部品4を配線導体5に電気的に接続すると共に電子部品4を保持するための導電性樹脂6と、を含んで構成される。この電子部品収納用容器10は、絶縁基体1と蓋体2とを封止材3を介して真空封止により接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器内部に電子部品4を気密に収容する。
絶縁基体1は、上面に凹部1aを有する略直方体で、その凹部1aの底面に電子部品4を搭載するために配線導体5が露出した搭載部が設けてあり、この搭載部には、電子部品4が導電性樹脂6を介して接着固定される。なお、絶縁基体1は、例えば、その縦方向の寸法が1.5〜7.0mm、横方向の寸法が0.5〜5.0mm、高さが0.3〜1.5mm程度であり、また、絶縁基体1の上面の凹部1a周囲の、後述する蓋体2との接合面の幅が0.15〜0.7mm程度となっている。
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から成る。このような絶縁基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、次のような工程を経て製造される。まず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、および酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤等を添加し、これを混合して泥漿物を作製する。次に、この泥漿物をシート状となすことによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得る。このシート状となす方法としては、例えばドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。次に、これらセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成して絶縁基体1を得る。
また、絶縁基体1には搭載部から底面にかけて複数個の配線導体5が被着形成されている。そして、この配線導体5の搭載部に位置する部位には電子部品4の各電極が導電性エポキシ樹脂等から成る導電性樹脂6を介して電気的に接続され、また絶縁基体1の底面に導出された外部端子には外部電気回路の配線導体(図示せず)が半田等のろう材を介して取着される。
なお、配線導体5は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン等の高融点金属粉末に適当な有機溶剤、溶媒、可塑剤等を添加混合して得た金属ペーストを、従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶縁基体1の上面から底面にかけて所定パターンに被着形成される。
また、配線導体5は、その表面にニッケル、金等の良導電性で耐蝕性およびろう材との濡れ性が良好な金属をめっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくことによって、配線導体5の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともに配線導体5と電子部品4との導電性樹脂6による接続および配線導体5と外部電極とのろう付けを極めて強固となすことができる。従って、配線導体5の酸化腐蝕を防止し、配線導体5と導電性樹脂6との接続および配線導体5と外部端子とのろう付けを強固となすには、配線導体5の表面にニッケル、金等をメッキ法により1〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
導電性樹脂6は、例えば導電性エポキシ樹脂等から成り、絶縁基体1の搭載部に導電性樹脂6を介して電子部品4を載置させ、しかる後、導電性樹脂6に熱硬化処理を施し熱硬化させることによって、電子部品4を絶縁基体1に接着固定させる役目をはたす。
さらに、絶縁基体1の上面には蓋体2が封止材3を介して接合され、これによって絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用容器の内部に電子部品4が気密に収容される。
なお、絶縁基体1および蓋体2は、絶縁基体1の上面に電子部品4を収納するための凹部1aを形成しておき、この凹部1aを塞ぐように平板状あるいは下面に凹部1aを有する蓋体2を接合するような構成とし得る。または、絶縁基体1を平板状とし、下面に電子部品4を収納するための凹部1aを有する蓋体2を絶縁基体1の上面に接合するような構成としてもよい。
蓋体2の外側面から絶縁基体1の上面にかけて封止材3のフィレットを形成させるために、絶縁基体1の上面の外周部が蓋体2の下面の外周部よりも外側に位置するようにしておく必要がある。蓋体2の下面の外形寸法は、絶縁基体1の上面の外形寸法よりも0.05〜0.20mm小さいことが好ましい。これにより、蓋体2の角部においても十分大きな封止材3のフィレットを形成できる。
また、蓋体2は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体、ムライト質焼結体等の電気絶縁材料から成る。蓋体2は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末を所定のプレス金型内に充填するとともに一定圧力でプレスして成形し、しかる後、この成形品を約1500℃の温度で焼成することによって作製される。
また、絶縁基体1の底面に導出された外部端子は、その表面にニッケル、金等の良導電性で、かつ耐蝕性に優れた金属をメッキ法により1〜20μmの厚みに被着させておくことによって、外部端子の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともに外部端子と外部電気回路との電気的接続を良好となすことができる。従って、外部端子は、その表面にニッケル、金等をメッキ法により1〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
蓋体2の下面または絶縁基体1の上面に予め溶融被着された封止材3の厚さは、0.03〜0.10mmの範囲としておくことが好ましい。封止材3の厚さが0.03mm未満では封止後に蓋体2の全周にわたり蓋体2の外側面に封止材3のフィレットを形成することが困難となる傾向がある。他方、封止材3の厚さが0.10mmを超えると封止材3が過多となり、内部に搭載された電子部品4に封止材3が付着する不具合が発生する傾向がある。従って、蓋体2の下面または絶縁基体1の上面に予め溶融被着された封止材3の厚さは、0.03〜0.10mmの範囲としておくことが好ましい。
本発明においては、封止材3の気孔率を1%未満とすることが重要である。ここで気孔率は、封止材3のある断面を観察したときにその断面積に占める気孔7の面積の比率である。
封止材3の気孔率が1%以上であると、絶縁基体1と蓋体2との真空封止の際に封止材3内部で気孔7中のガスが膨張して大きくなり、気孔7同士が結合して大きな気孔7を形成し、絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用容器10の気密封止の信頼性を低下させてしまい、その結果、電子部品4を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができなくなる。
また、真空封止の際に気孔7中のガスが電子部品収納用容器10内部に侵入し電子部品収納用容器10内部の真空度を低下させ、電子部品4にその表面電極を酸化腐蝕させてしまうという悪影響を与え、その結果、電子部品4を常に安定に作動させることができなくなる。従って、封止材3の気孔率を1%未満とすることが重要である。
絶縁基体1と蓋体2との接合封止は、まず、少なくとも絶縁基体1と蓋体2の接合領域の一方に封止材3を従来周知のスクリーン印刷法等を採用して予め被着させておき、次に絶縁基体1と蓋体2との接合封止条件よりも高い温度かつ真空度で封止材3の真空脱泡処理を行ない封止材3中の気孔率を1%未満とする。
次に、絶縁基体1内部の凹部1aに電子部品4を接着材を介して接着固定する。その後、絶縁基体1と蓋体2の接合面を貼り合わせて封止材3の軟化点で真空封止することにより、絶縁基体1と蓋体2とを気密に接合封止するとともに、封止材3中の気孔率を1%未満とすることができる。
封止材3の真空脱泡処理の条件としては、その温度は封止材3の軟化点より10〜50℃高い温度であることが好ましく、また真空度は絶縁基体1と蓋体2との真空封止条件より高い真空度であればよい。
真空脱泡処理の温度は、封止材3の軟化点より10℃高い温度よりも低い温度であると、後述する封止材3のガラス成分の流動性が低下し、封止材3の脱気に時間を要するとともに気孔率を1%未満とすることが困難となる傾向がある。他方、封止材3の軟化点より50℃高い温度を超えると、封止材3中のガラス成分とフィラーとが反応し結合してその軟化点を高いものとしてしまい、電子部品収納用容器10を気密封止する際の熱によって電子部品4の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。従って、真空脱泡処理の温度は封止材3の軟化点より10〜50℃高い温度が好ましい。
また、真空脱泡処理の真空度は、絶縁基体1と蓋体2との真空封止条件以下の真空度であると、封止材3の気孔率を真空脱泡処理で1%未満としたとしても、気孔7中のガスが真空封止時の、より高い真空条件により膨張してその気孔率を1%以上にしてしまう傾向がある。他方、真空脱泡処理の真空度は、絶縁基体1と蓋体2との真空封止条件より高い真空度であればよいが、真空封止条件よりも2桁以上高い真空度であると所定の真空度を得るのに長時間を要してしまう傾向がある。従って、真空脱泡処理の真空度は、絶縁基体1と蓋体2との真空封止条件より高い真空度から2桁高い真空度の間の条件が好ましい。
次に、絶縁基体1と蓋体2とを接合する封止材3について、詳細に説明する。
本実施形態の電子部品収納用容器10において、封止材3は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成る。このような構成の封止材3の熱膨張係数は、絶縁基体1および蓋体2の熱膨張係数に近似させることができ、これによって封止材3と絶縁基体1および蓋体2とを強固に接合して電子部品収納用容器10の気密封止をほぼ完全とすることができる。したがって、電子部品収納用容器10内部に収容する電子部品4を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
本実施形態の電子部品収納用容器10において、封止材3は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成る。このような構成の封止材3の熱膨張係数は、絶縁基体1および蓋体2の熱膨張係数に近似させることができ、これによって封止材3と絶縁基体1および蓋体2とを強固に接合して電子部品収納用容器10の気密封止をほぼ完全とすることができる。したがって、電子部品収納用容器10内部に収容する電子部品4を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
さらに、上記構成の封止材3は、ガラス成分のガラス化安定領域が広くなる。そのため、上記構成の封止材3は、真空封止するために予め真空中で溶融してガラス中の気孔率を1%未満に低減する熱履歴が加えられ、粒径が小さく比表面積が大きいフィラーのフィラー成分がガラス中へ溶出したり、ガラス成分中のフッ素や酸素が減少しても、ガラスの結晶化が発生しにくい。
このような封止材3が用いられた電子部品収納用容器10では、絶縁基体1と蓋体2との封止材3を介する真空封止による接合部分は、封止厚み、封止幅が小さくても強固に接合されたものとなり、気密信頼性に優れ、小型化・薄型化された電子部品収納用容器10とすることができる。したがって、本実施形態の電子部品収納用容器10は、金錫共晶合金などの貴金属を含んだ封止材を使用せずに、小型・薄型の圧電振動子などの電子部品4を真空封止することができ、電子部品4を長期間にわたり正常に作動させることができる。
封止材3のガラス成分は、酸化鉛の含有量が65質量%未満であるとガラス化安定領域が狭くなるために、フィラーが微細化してガラスに溶解しやすくなることで、ガラスが結晶化しやすくなり、流動性が大きく低下し、電子部品収納用容器10の気密封止が困難となってしまう傾向がある。他方、酸化鉛の含有量が75質量%を超えるとガラスの耐薬品性が大幅に低下し、電子部品収納用容器10の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。従って、封止材3のガラス成分において酸化鉛の含有量は、65〜75質量%の範囲に特定される。
また、封止材3のガラス成分において、フッ化鉛の含有量が5質量%未満であるとガラスの軟化点が大幅に高くなって、電子部品収納用容器10を気密封止する際の熱によって電子部品4の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。他方、フッ化鉛の含有量が10質量%を超えるとガラス化安定領域が狭くなるために、フィラーが微細化してガラスに溶解しやすくなることで、ガラスが結晶化しやすくなり、流動性が大きく低下し、電子部品収納用容器10の気密封止が困難となってしまう傾向がある。従って、封止材3のガラス成分においてフッ化鉛の含有量は、5〜10質量%の範囲に特定される。
また、封止材3のガラス成分において、酸化ビスマスの含有量が5質量%未満であるとガラスの軟化点が大幅に高くなって、電子部品収納用容器10を気密封止する際の熱によって電子部品4の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。他方、酸化ビスマスの含有量が10質量%を超えるとガラス化安定領域が狭まるために、フィラーが微細化してガラスに溶解することで、ガラスが結晶化しやすくなり、流動性が大きく低下し、電子部品収納用容器10の気密封止が困難となってしまう傾向がある。従って、封止材3のガラス成分において酸化ビスマスの含有量は、5〜10質量%の範囲に特定される。
また、封止材3のガラス成分において、酸化ホウ素の含有量が2質量%未満であるとガラスの結晶化が進んで流動性が低下し、電子部品収納用容器10の気密封止が困難となってしまう傾向がある。他方、酸化ホウ素の含有量が10質量%を超えるとガラスの軟化点が高くなって、電子部品収納用容器10を気密に封止する際の熱によって電子部品4の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。従って、封止材3のガラス成分において酸化ホウ素の含有量は、2〜10質量%の範囲に特定される。
また、封止材3のガラス成分において、酸化亜鉛の含有量が1質量%未満であるとガラスの耐薬品性が低下し、電子部品収納用容器10の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。他方、酸化亜鉛の含有量が6質量%を超えるとガラスの結晶化が進んで流動性が大きく低下し、電子部品収納用容器10の気密封止が困難となってしまう傾向がある。従って、封止材3のガラス成分において酸化亜鉛の含有量は、1〜6質量%の範囲に特定される。
また、ウイレマイト系化合物から成るフィラーは、封止材3の熱膨張係数を調整し、絶縁基体1および蓋体2に封止材3を強固に接合させ、電子部品収納用容器10の気密封止の信頼性を大きく向上させるとともに、封止材3の機械的強度を向上させる作用をなす。
このフィラーの外添加量が20質量%未満であると、封止材3の機械的強度が低下するとともに封止材3の熱膨張係数が絶縁基体1および蓋体2の熱膨張係数に対し大きく相違して封止材3を絶縁基体1および蓋体2に強固に接合させることができなくなる傾向がある。他方、フィラーの外添加量が40質量%を超えると、封止材3の軟化点が高くなって流動性が大きく低下し、電子部品収納用容器10の気密封止が困難となってしまう傾向がある。従って、封止材3におけるフィラーの添加量は、20〜40質量%の範囲に特定される。
また、封止材3においてガラス成分に添加されるフィラーは、平均粒径が1〜3μmで、かつ最大粒径が10〜20μmであることが好ましい。これによって、絶縁基体1と蓋体2との封止材3を介する真空封止による接合部分は、封止厚み、封止幅が小さくても強固に接合されたものとなり、気密信頼性に優れた電子部品収納用容器10とすることができる。
なお、フィラーの平均粒径Dm(μm)は、粉体比表面積測定装置(島津製作所製、タイプSS−100空気透過式)を用いて、比表面積Sw(cm2/g)を測定し、次式(1)により求めることができる。
Dm(μm)=6×104/Sw(cm2/g)・ρ …(1)
[式中、ρ(g/cm3)はフィラーの密度である。]
Dm(μm)=6×104/Sw(cm2/g)・ρ …(1)
[式中、ρ(g/cm3)はフィラーの密度である。]
また、フィラーの最大粒径は、φ200mm JIS−Z8801の標準ふるいを使用し、湿式ふるい上残渣法により行って求めることができる。
また、封止材3においてガラス成分は、軟化点が300〜350℃であることが好ましい。このように、封止材3のガラス成分が比較的低い軟化点を有することによって、絶縁基体1と蓋体2とを封止材3を介して接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用容器10の内部に電子部品4を気密に収容する際、封止材3を溶融させる熱が内部に収容する電子部品4に作用しても電子部品4の特性に劣化を招来することはなく、その結果、電子部品4を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
なお、ガラス成分の軟化点は、示差熱分析装置マクロ型を使用し、試料を昇温速度10℃/minで加熱し、測定曲線DTA曲線の屈曲点の温度を読み取ることによって求めることができる。
また、本実施形態の電子部品収納用容器10では、絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用容器10の内部における真空度は、10〜1000Paの圧力範囲である。例えば、電子部品収納用容器10の内部の真空度を100Paとする場合であれば、真空脱泡処理を1Paより大きく100Pa未満の真空度の範囲で行なえばよい。
次に、本発明の電子装置について説明する。
電子装置は、上述の本実施形態に係る電子部品収納用容器10の内部に、電子部品4が気密に収容されて搭載されたものである。具体的には、電子装置は、電子部品収納用容器10における絶縁基体1の凹部1a内の搭載部に、電子部品4の各電極が導電性樹脂6から成る接着材を介して電気的に接続され、しかる後、絶縁基体1の上面に凹部1aを覆うように蓋体2が封止材3を介して接合され、絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用容器10の内部に電子部品4が気密に収容されて搭載されたものである。
電子装置は、上述の本実施形態に係る電子部品収納用容器10の内部に、電子部品4が気密に収容されて搭載されたものである。具体的には、電子装置は、電子部品収納用容器10における絶縁基体1の凹部1a内の搭載部に、電子部品4の各電極が導電性樹脂6から成る接着材を介して電気的に接続され、しかる後、絶縁基体1の上面に凹部1aを覆うように蓋体2が封止材3を介して接合され、絶縁基体1と蓋体2とから成る電子部品収納用容器10の内部に電子部品4が気密に収容されて搭載されたものである。
電子装置では、電子部品が、気密信頼性に優れる本実施形態の電子部品収納用容器10の内部に気密に収容されて搭載されているので、電子部品が長期間にわたり正常に作動することができる。
<電子部品収納用容器の作製>
絶縁基体は、酸化アルミニウム質焼結体で形成し、その縦方向の寸法が3.2mm、横方向の寸法が2.5mm、高さが0.8mmであり、また、絶縁基体の上面の凹部周囲の、後述する蓋体との接合面の幅が0.4mmとなるようにした。また、絶縁基体の凹部の底面に電子部品を搭載するためにタングステンを主成分とする配線導体が露出した搭載部を設け、下面には配線導体が露出した外部端子を設けた。配線導体の各露出部には、電解めっき法にてニッケルめっき、金めっきを、各々約6μm、0.3μmの厚みで形成した。
絶縁基体は、酸化アルミニウム質焼結体で形成し、その縦方向の寸法が3.2mm、横方向の寸法が2.5mm、高さが0.8mmであり、また、絶縁基体の上面の凹部周囲の、後述する蓋体との接合面の幅が0.4mmとなるようにした。また、絶縁基体の凹部の底面に電子部品を搭載するためにタングステンを主成分とする配線導体が露出した搭載部を設け、下面には配線導体が露出した外部端子を設けた。配線導体の各露出部には、電解めっき法にてニッケルめっき、金めっきを、各々約6μm、0.3μmの厚みで形成した。
蓋体は、酸化アルミニウム質焼結体で平板形状に形成し、その縦方向の寸法が3.0mm、横方向の寸法が2.3mm、厚みが0.25mmとなるようにした。
封止材は、ガラス成分における各構成成分の含有量(質量%)を変化させた低融点ガラスとして作製した。そして、蓋体の接合領域に封止材を従来周知のスクリーン印刷法等を採用して予め0.04〜0.07mmの厚みに被着させておき、次に封止材中の気孔率が0.3〜0.8%となるように、絶縁基体と蓋体との接合封止温度よりも高い370℃、真空度10Paで封止材の真空脱泡処理を30分間行なった。
そして、絶縁基体の上面開口枠に蓋体の封止材が接するように配置した後に、封止加重が各サンプル当り5g加わるようにして、接合封止温度360℃で20Paの真空中で封着することで、電子部品収納用容器の評価用サンプル(封止材の構成が異なる複数の評価用サンプル)を作製した。
<評価方法>
[リークテスト(気密性)]
電子部品収納用容器の各評価用サンプルについて、気密信頼性を評価するために、熱衝撃試験1000サイクル後の各評価用サンプルのヘリウムガスによるリークテストを実施した。リークテストは、各10個の評価用サンプルについて実施し、リークレートが1×10−9Pa・m3/sec以下を気密性が良好であるとし、リークレートが1×10−9Pa・m3/secを超える不良個数を求めた。
[リークテスト(気密性)]
電子部品収納用容器の各評価用サンプルについて、気密信頼性を評価するために、熱衝撃試験1000サイクル後の各評価用サンプルのヘリウムガスによるリークテストを実施した。リークテストは、各10個の評価用サンプルについて実施し、リークレートが1×10−9Pa・m3/sec以下を気密性が良好であるとし、リークレートが1×10−9Pa・m3/secを超える不良個数を求めた。
[せん断強度]
蓋体の封着強度を評価するために、せん断強度を測定した。せん断強度の測定方法は、電子部品収納用容器の各評価用サンプルを平板上に固定し、蓋体の側面部を側方に押しジグを用いて1mm/sの速度で蓋体が外れるまで押し、得られた10個のせん断強度を接合面積で割り、単位面積当たりのせん断強度の平均をその評価用サンプルのせん断強度とした。
蓋体の封着強度を評価するために、せん断強度を測定した。せん断強度の測定方法は、電子部品収納用容器の各評価用サンプルを平板上に固定し、蓋体の側面部を側方に押しジグを用いて1mm/sの速度で蓋体が外れるまで押し、得られた10個のせん断強度を接合面積で割り、単位面積当たりのせん断強度の平均をその評価用サンプルのせん断強度とした。
[ベンディングテスト]
実装する回路基板の変形に対する蓋体の気密信頼性を評価するためにベンディングテストを行った。ベンディングテストのテスト方法は、基本的にはJIS C 60068−1に従って行った。具体的には厚みが1.6mmのガラス布基材エポキシ樹脂銅貼り積層板を用い、中央に形成した3mmの間隔を持つ4mm角のランドにスクリーン印刷でクリーム半田を形成し、各評価用サンプルを載せ、リフローにより端子を半田付けすることで、ベンディングテスト用の評価サンプルを作製した。このベンディングテスト用の評価サンプルをピッチ90mmで曲率半径2.5mmの支持具の中央に、評価用容器が下になるように配置し、曲率半径5mmの押しジグを1mm/sの速度で曲げ深さが10mmに達するまで押し込んだ。曲げ深さが10mmになっても蓋体が外れなかった場合には、「10mm」をベンディングテストのデータとし、曲げ深さが10mmに達する前に蓋体が外れた場合には、外れた時の曲げ深さをデータとして、10個のデータの平均をその評価用サンプルのベンディングテストデータとした。
実装する回路基板の変形に対する蓋体の気密信頼性を評価するためにベンディングテストを行った。ベンディングテストのテスト方法は、基本的にはJIS C 60068−1に従って行った。具体的には厚みが1.6mmのガラス布基材エポキシ樹脂銅貼り積層板を用い、中央に形成した3mmの間隔を持つ4mm角のランドにスクリーン印刷でクリーム半田を形成し、各評価用サンプルを載せ、リフローにより端子を半田付けすることで、ベンディングテスト用の評価サンプルを作製した。このベンディングテスト用の評価サンプルをピッチ90mmで曲率半径2.5mmの支持具の中央に、評価用容器が下になるように配置し、曲率半径5mmの押しジグを1mm/sの速度で曲げ深さが10mmに達するまで押し込んだ。曲げ深さが10mmになっても蓋体が外れなかった場合には、「10mm」をベンディングテストのデータとし、曲げ深さが10mmに達する前に蓋体が外れた場合には、外れた時の曲げ深さをデータとして、10個のデータの平均をその評価用サンプルのベンディングテストデータとした。
[総合評価]
上記のリークテスト、せん断強度およびベンディングテストの結果に基づいて、以下の判定基準で各評価用サンプルの総合評価を行った。
○:リークテストにおける不良数が「0(ゼロ)」、せん断強度が70kgf/mm2以上、かつベンディングテストにおける曲げ深さが10mmである。
△:リークテストにおける不良数が「0(ゼロ)」、せん断強度が55kgf/mm2以上70kgf/mm2未満、かつベンディングテストにおける曲げ深さが5mm以上10mm未満である。
×:リークテストにおいて不良が発生する、せん断強度が55kgf/mm2未満、およびベンディングテストにおける曲げ深さが5mm未満、の少なくともいずれか1つの条件を満たす。
上記のリークテスト、せん断強度およびベンディングテストの結果に基づいて、以下の判定基準で各評価用サンプルの総合評価を行った。
○:リークテストにおける不良数が「0(ゼロ)」、せん断強度が70kgf/mm2以上、かつベンディングテストにおける曲げ深さが10mmである。
△:リークテストにおける不良数が「0(ゼロ)」、せん断強度が55kgf/mm2以上70kgf/mm2未満、かつベンディングテストにおける曲げ深さが5mm以上10mm未満である。
×:リークテストにおいて不良が発生する、せん断強度が55kgf/mm2未満、およびベンディングテストにおける曲げ深さが5mm未満、の少なくともいずれか1つの条件を満たす。
<実験>
ここでは、封止材におけるガラス成分を構成する酸化鉛、フッ化鉛、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化亜鉛の組成比、および、外添加のウイレマイト系化合物から成るフィラーの粒径、添加量について決定した実験例を示す。
ここでは、封止材におけるガラス成分を構成する酸化鉛、フッ化鉛、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化亜鉛の組成比、および、外添加のウイレマイト系化合物から成るフィラーの粒径、添加量について決定した実験例を示す。
[封止材のガラス成分における構成要素の含有量について]
(実験1)
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を64〜76質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表1に示す。
(実験1)
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を64〜76質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表1に示す。
実験結果より、酸化鉛については、ガラス成分における含有量が65〜75質量%の範囲で良好な気密信頼性を示すとともに、高いせん断強度、高いベンディング特性が得られることがわかった。
(実験2)
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%の範囲とし、フッ化鉛の含有量を4〜12質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表2に示す。
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%の範囲とし、フッ化鉛の含有量を4〜12質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表2に示す。
実験結果より、ガラス成分においてフッ化鉛の含有量が5〜10質量%の範囲で良好な気密信頼性を示すとともに、高いせん断強度、高いベンディング特性が得られることがわかった。
(実験3)
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%、フッ化鉛の含有量を5〜10質量%の範囲とし、酸化ビスマスの含有量を4〜12質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表3に示す。
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%、フッ化鉛の含有量を5〜10質量%の範囲とし、酸化ビスマスの含有量を4〜12質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表3に示す。
実験結果より、ガラス成分において酸化ビスマスの含有量が5〜10質量%の範囲で良好な気密信頼性を示すとともに、高いせん断強度、高いベンディング特性が得られることがわかった。
(実験4)
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%、フッ化鉛の含有量を5〜10質量%、酸化ビスマスの含有量を5〜10質量%の範囲とし、酸化ホウ素の含有量を1〜12質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表4に示す。
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%、フッ化鉛の含有量を5〜10質量%、酸化ビスマスの含有量を5〜10質量%の範囲とし、酸化ホウ素の含有量を1〜12質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表4に示す。
実験結果より、ガラス成分において酸化ホウ素の含有量が2〜10質量%の範囲で良好な気密信頼性を示すとともに、高いせん断強度、高いベンディング特性が得られることがわかった。
(実験5)
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%、フッ化鉛の含有量を5〜10質量%、酸化ビスマスの含有量を5〜10質量%、酸化ホウ素の含有量を2〜10質量%の範囲とし、酸化亜鉛の含有量を0.5〜7質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表5に示す。
封止材のガラス成分において、酸化鉛の含有量を65〜75質量%、フッ化鉛の含有量を5〜10質量%、酸化ビスマスの含有量を5〜10質量%、酸化ホウ素の含有量を2〜10質量%の範囲とし、酸化亜鉛の含有量を0.5〜7質量%の間で変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表5に示す。
実験結果より、ガラス成分において酸化亜鉛の含有量が1〜6質量%の範囲で良好な気密信頼性を示すとともに、高いせん断強度、高いベンディング特性が得られることがわかった。
以上の実験1〜5により、封止材が酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラスの場合において、本発明の効果が発現することを確認することができた。
[封止材におけるフィラーの添加量、粒径について]
(実験6)
封止材におけるガラス成分の組成を一定にし、ウイレマイト系化合物から成るフィラーの添加量を15〜45質量%の範囲、フィラーの平均粒径を1〜3.5μmの範囲、最大粒径を15〜30μmの範囲として、実験を行なった。結果を表6に示す。
(実験6)
封止材におけるガラス成分の組成を一定にし、ウイレマイト系化合物から成るフィラーの添加量を15〜45質量%の範囲、フィラーの平均粒径を1〜3.5μmの範囲、最大粒径を15〜30μmの範囲として、実験を行なった。結果を表6に示す。
実験結果より、フィラーとしてウイレマイト系化合物を20〜40質量%添加した場合において良好な気密信頼性を示すとともに、高いせん断強度、高いベンディング特性が得られることがわかった。また、フィラーとしては、その平均粒径が1〜3μmで、かつ最大粒径が10〜20μmであるのが好ましい結果が得られた。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
例えば上述の例では半導体素子や圧電振動子を収容するための電子部品収納用容器を示したが、本発明は圧電磁器振動子や弾性表面波素子等を収容するための電子部品収納用容器にも適用し得るものである。
1 絶縁基体
2 蓋体
3 封止材
4 電子部品
5 配線導体
6 導電性樹脂
7 気孔
10 電子部品収納用容器
2 蓋体
3 封止材
4 電子部品
5 配線導体
6 導電性樹脂
7 気孔
10 電子部品収納用容器
Claims (5)
- 絶縁基体と蓋体とを封止材を介して真空封止により接合させ、前記絶縁基体と前記蓋体とから成る容器内部に電子部品を気密に収容する電子部品収納用容器であって、
前記封止材は、酸化鉛65〜75質量%、フッ化鉛5〜10質量%、酸化ビスマス5〜10質量%、酸化ホウ素2〜10質量%、および酸化亜鉛1〜6質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてウイレマイト系化合物を外添加で20〜40質量%添加したものから成ることを特徴とする電子部品収納用容器。 - 前記フィラーは、平均粒径が1〜3μmで、かつ最大粒径が10〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納用容器。
- 前記ガラス成分は、軟化点が300〜350℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品収納用容器。
- 前記容器内部における真空度は、10〜1000Paの圧力範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子部品収納用容器。
- 電子部品と、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子部品収納用容器とを備え、
前記電子部品が、前記電子部品収納用容器の内部に気密に収容されて搭載された電子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010137753A JP2012004325A (ja) | 2010-06-16 | 2010-06-16 | 電子部品収納用容器および電子装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104009726A (zh) * | 2013-02-25 | 2014-08-27 | 京瓷晶体元件有限公司 | 电子装置及其玻璃封接方法 |
CN105553439A (zh) * | 2014-10-24 | 2016-05-04 | 精工爱普生株式会社 | 封装件及其制造方法、电子装置、电子设备以及移动体 |
-
2010
- 2010-06-16 JP JP2010137753A patent/JP2012004325A/ja active Pending
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JP2014187341A (ja) * | 2013-02-25 | 2014-10-02 | Kyocera Crystal Device Corp | 電子デバイス及びそのガラス封止方法 |
CN104009726B (zh) * | 2013-02-25 | 2018-08-14 | 京瓷株式会社 | 电子装置及其玻璃封接方法 |
CN105553439A (zh) * | 2014-10-24 | 2016-05-04 | 精工爱普生株式会社 | 封装件及其制造方法、电子装置、电子设备以及移动体 |
JP2016086049A (ja) * | 2014-10-24 | 2016-05-19 | セイコーエプソン株式会社 | パッケージ、パッケージの製造方法、電子デバイス、電子機器及び移動体 |
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