JP2005086032A - 圧電振動子収納用容器 - Google Patents

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【課題】 圧電振動子を接着固定する導電性の接着材を真空中で加熱処理する際にガラス封止材のガラス成分が揮発し、真空封止が困難となる。
【解決手段】 圧電振動子収納用容器は、上面に圧電振動子3を収容し搭載する凹部1aを有する絶縁基体1と、絶縁基体1の上面に凹部1aを塞ぐようにガラス封止材10を介して接合された、上下面間を貫通する貫通孔6が設けられた平板状の蓋体2とを具備する圧電振動子収納用容器であって、ガラス封止材10は、酸化ビスマスを65〜80質量%、酸化ナトリウムを5〜15質量%、酸化硼素を2〜10質量%、酸化バリウムを1〜5質量%、酸化銅を1〜5質量%、酸化アルミニウムを0.5〜2質量%、酸化珪素を0.5〜2質量%および酸化亜鉛を0.5〜2質量%含むガラス成分と、このガラス成分を100質量部としたときに20〜40質量部のフィラーとしてのウイレマイト系化合物とを含んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は圧電振動子を収容するための圧電振動子収納用容器に関し、特に封止材にガラスを用いて封止を行なう圧電振動子収納用容器に関する。
従来、圧電振動子は、圧電振動子収納用容器内(以下、単に容器ともいう)に圧電振動子を気密に収容することによって製作されている。
このような圧電振動子を気密に収容する圧電振動子収納用容器は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスから成り、上面のほぼ中央部に圧電振動子を収容し搭載するための凹部を有する絶縁基体と、同じく酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスから成り、絶縁基体の上面に凹部を塞ぐように低融点ガラス等の封止材を介して接合された蓋体とで構成されている。
また、容器内部に収容される圧電振動子が、例えば周波数特性上1.3×10−2Pa程度の真空封止を必要とする圧電振動子の場合、絶縁基体には、絶縁基体と蓋体との間の内部空間を真空に排気するための貫通孔がその上面から下面にかけて形成されている。そして、これら絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部に圧電振動子を導電性の接着材で接着固定し、真空中で加熱処理して絶縁基体と蓋体とをガラス封止材を介して接合した後、絶縁基体に形成された貫通孔を介して圧電振動子を収容する空間を真空に排気し、しかる後、この貫通孔内に金−錫合金等のろう材から成る封止部材を充填してこの貫通孔を封止することにより、圧電振動子収納用容器の内部に圧電振動子が気密に収容された圧電装置が完成される。
なお、絶縁基体と蓋体とを接合するガラス封止材は、通常、圧電振動子を絶縁基体に導電性の接着材で接着固定する前にあらかじめ絶縁基体に被着されている。また、このようなガラス封止材としては、例えば酸化鉛30〜50質量%、酸化硼素1〜5質量%、酸化亜鉛1〜5質量%、フッ化鉛10〜20質量%、酸化ビスマス3〜13質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてチタン酸鉛化合物を25〜45質量%添加した鉛系のガラスが使用されている。
特開平9−83286号公報
しかしながら、従来の圧電振動子は、絶縁基体と蓋体とを接合するガラス封止材として、酸化鉛30〜50質量%、酸化硼素1〜5質量%、酸化亜鉛1〜5質量%、フッ化鉛10〜20質量%、酸化ビスマス3〜13質量%を含むガラス成分に、フィラーとしてチタン酸鉛化合物を25〜45質量%添加した鉛系のガラスが使用されていることから、圧電振動子を導電性の接着材で接着固定した後に真空中で加熱処理する際に、あらかじめ絶縁基体に被着させたガラス封止材中のフッ素成分が揮発してガラス封止材のガラスが結晶化してしまい、その結果、絶縁基体と蓋体との強固な接合が困難となり、真空封止した容器内部の真空度の低下を招き、圧電振動子のQ値を低下させたりその表面電極を酸化腐食させてしまうという問題点を有していた。
また、近年携帯電話等の移動体通信機器の小型,薄型化にともない圧電振動子に関しても小型,薄型化のさらなる要求があり、従来の絶縁基体の上面から下面にかけて形成された貫通孔で容器内の空間を真空に排気する容器構造では、圧電装置と成して移動体通信機器に実装した後の機械的強度が低下し移動体通信機器に加わる機械的応力や衝撃力に耐えることができず、その結果、絶縁基体もしくはガラス封止材にクラックが発生し、真空封止した容器内部の真空度の低下を招き、圧電振動子のQ値を低下させたりその表面電極を酸化腐食させてしまうという場合もあった。
さらに、近年地球環境保護運動の高まりの中で、鉛は環境負荷物質に指定されており、例えば鉛を含む電子装置が廃棄され、屋外に放置されて風雨に曝された場合、環境中に鉛が溶けだして環境を汚染する可能性があるため、人体に対して有害である酸化鉛を用いないガラス封止材の開発が要求されるようになってきた。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部に圧電振動子を真空中で気密に封止し、その特性に劣化を招来することがなく、圧電振動子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる圧電振動子収納用容器を提供することにある。
本発明の圧電振動子収納用容器は、上面に圧電振動子を収容し搭載するための凹部を有する絶縁基体と、この絶縁基体の上面に前記凹部を塞ぐようにガラス封止材を介して接合された、上下面間を貫通する貫通孔が設けられた平板状の蓋体とを具備する圧電振動子収納用容器であって、前記ガラス封止材は、酸化ビスマスを65乃至80質量%、酸化ナトリウムを5乃至15質量%、酸化硼素を2乃至10質量%、酸化バリウムを1乃至5質量%、酸化銅を1乃至5質量%、酸化アルミニウムを0.5乃至2質量%、酸化珪素を0.5乃至2質量%および酸化亜鉛を0.5乃至2質量%含むガラス成分と、このガラス成分を100質量部としたときに20乃至40質量部のフィラーとしてのウイレマイト系化合物とを含んでいることを特徴とするものである。
本発明の圧電振動子収納用容器によれば、絶縁基体と蓋体とを封止するガラス封止材が酸化ビスマスを65〜80質量%、酸化ナトリウムを5〜15質量%、酸化硼素を2〜10質量%、酸化バリウムを1〜5質量%、酸化銅を1〜5質量%、酸化アルミニウムを0.5〜2質量%、酸化珪素を0.5〜2質量%および酸化亜鉛を0.5〜2質量%含むガラス成分と、このガラス成分を100質量部としたときに20〜40質量部のフィラーとしてのウイレマイト系化合物とを含んでいることから、圧電振動子の特性を向上させるために圧電振動子を絶縁基体に導電性の接着材で接着固定した後に真空中で加熱処理しても、絶縁基体側にあらかじめ被着させたガラス封止材のガラス成分が揮発してガラスの結晶化が進むことはなく、絶縁基体と蓋体との極めて強固な封着が可能となる。その結果、容器内部の真空度の低下を抑えることが可能になり、容器内部の圧電振動子のQ値が低下したりその表面電極が酸化腐食してしまうことがなくなり、圧電振動子をその特性が劣化しないようにして気密に封止するとともに長期間にわたり安定に作動させることが可能となる。
また、本発明の圧電振動子収納用容器によれば、上面に圧電振動子を収容し搭載する凹部を有する絶縁基体と、絶縁基体の上面に凹部を塞ぐようにガラス封止材を介して接合された、上下面間を貫通する貫通孔が設けられた平板状の蓋体とを具備することから、携帯電話等の移動体通信機器の小型化,薄型化にともない圧電振動子収納用容器を薄型化したとしても、移動体通信機器に実装した後に応力の集中する絶縁基体側に真空排気用の貫通孔が存在しないため、機械的応力に十分堪えることができる。そのため、容器内部の真空度の低下を抑えることが可能になり、容器内部の圧電振動子のQ値が低下したりその表面電極が酸化腐食してしまうことがなくなり、その結果、圧電振動子を特性が劣化しないようにして気密に封止するとともに長期間にわたり安定に作動させることが可能な圧電振動子収納用容器となる。
さらに、本発明の圧電振動子収納用容器によれば、絶縁基体と蓋体とを接合するガラス封止材は、酸化鉛を含まないガラスから成ることから、人体に害を与えたり地球環境を汚染したりすることはない。
次に、本発明の圧電振動子収納用容器を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の圧電振動子収納用容器(以下、単に容器とも称す)の実施の形態の一例を示す断面図であり、この図において1は絶縁基体、2は蓋体、3は圧電振動子である。そして、基本的に絶縁基体1と蓋体2とから本発明の容器が構成され、容器の内部に圧電振動子3を気密に封止することによって圧電装置が構成される。
容器を構成する絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、その上面のほぼ中央部に圧電振動子3を収容し搭載するための凹部1aが形成された四角平板状であり、凹部1aの底面には圧電振動子3が導電性の接着材5を介して接着固定される。
なお、絶縁基体1は、その幅が2〜5mm程度、長さが5〜10mm程度、厚みが0.3〜0.6mm程度であり、凹部1aは、その幅が1〜4mm程度、長さが4〜9mm程度、深さが0.2〜0.5mm程度である。そして圧電振動子3の小型化,薄型化の要求に伴い、その小型化,薄型化がますます進んでいる。
このような絶縁基体1は、例えば絶縁基体1が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤等を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形法を採用しシート状に成形してセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
また、絶縁基体1の凹部1aの底面から下面にかけて複数個のメタライズ配線層4が被着形成されている。このメタライズ配線層4の凹部1aの底面に位置する部位には圧電振動子3の各電極が導電性の接着材5を介して電気的に接続され、また絶縁基体1の下面に導出された部位には外部電気回路の配線導体(図示せず)が金−錫合金等のろう材を介して取着される。
メタライズ配線層4はタングステンやモリブデン,マンガン等の高融点金属粉末に適当な有機溶剤,溶媒,可塑剤等を添加混合して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して絶縁基体1となるセラミックグリーンシートにあらかじめ印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶縁基体1の凹部1aの底面から下面にかけて所定パターンに被着形成される。
なお、メタライズ配線層4は、その露出する表面にニッケル,金等の良導電性で耐蝕性およびろう材との濡れ性が良好な金属をめっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくと、メタライズ配線層4の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともにメタライズ配線層4と圧電振動子3との導電性の接着材5を介しての接続およびメタライズ配線層4と外部電気回路の配線導体とのろう付けを極めて強固となすことができる。
接着材5は、例えば銀を含有するポリイミド樹脂等から成り、絶縁基体1の凹部1aの底面に露出するメタライズ配線層4の一端に接着材5を介して圧電振動子3を載置し、しかる後、接着材5を約300℃の温度に加熱して熱硬化処理を施し、熱硬化させることによって圧電振動子3を絶縁基体1に接着固定させる。この際、接着材5を真空中で熱硬化処理することによって、樹脂性の接着材5のガス化成分が揮散した安定した状態に接着材5が硬化するのでその後の加熱過程においてガス成分を発生せず、樹脂製の接着材5の耐熱性を向上させることができ、圧電振動子が外部回路基板への実装時に受ける熱履歴による圧電振動子3の周波数特性の変動を極小に抑えることが可能となる。
また、絶縁基体1には、蓋体2がガラス封止材10を介して接合される。蓋体2は、容器内部に圧電振動子3を気密に収容する機能を有し、例えば酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスから形成されている。そして、蓋体2にはその中央部付近に上面から下面にかけて貫通孔6が形成されている。
貫通孔6は、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器の内部に圧電振動子3を収容した後、この圧電振動子3を収容する空間を真空に排気するための排気孔として機能する。この貫通孔6は、蓋体2の上面側の第1の孔6aと、この第1の孔6aよりも開口が小さな下面側の第2の孔6bとから成るとともに、第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺、具体的には第1の孔6aと第2の孔6bとの間に形成された段部の表面に後述する封止用金属部材7を取着するための金属層8が被着されている。
なお、第1の孔6aおよび第2の孔6bは、好ましくは開口が円形の孔であり、第1の孔6aが0.5mm〜0.9mm程度の直径を、第2の孔6bが第1の孔6aの直径より0.1mm〜0.4mm程度小さな直径を有している。ただし、第1の孔6aおよび第2の孔6bは、必ずしも開口が円形である必要はなく、開口が三角形や四角形あるいはその他の形状であってもよい。また、第1の孔6aの第2の孔6b側の開口部の周辺に被着させた金属層8は、蓋体2の上面に達しない範囲であれば、その一部が第1の孔6a内に多少入り込んでいても差し支えない。
そして、貫通孔6の金属層8には、絶縁基体1と蓋体2との間の空間に圧電振動子3を収容し、この圧電振動子3を収容する空間を真空に排気した後に、封止用金属部材7がろう材9を介して取着される。これにより貫通孔6が封止され、容器が気密に封止される。
なお、貫通孔6を封止するための封止用金属部材7が取着される金属層8は、タングステンやモリブデン,銀,銅等の金属粉末を用いたメタライズ金属層から成り、ろう材9との塗れ性を良好なものとするためにその表面に必要に応じて図示しないニッケルや金等から成るめっき金属層を被着させている。
そして、金属層8は貫通孔6内で第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺に被着されていることから、封止用金属部材7を取着するろう材9は金属層8が被着された第1の孔6aの第2の孔6bの開口の周辺にのみ塗れ広がるので、この金属層8に封止用金属部材7をろう材9を介して取着することによって貫通孔6を封止する際にろう材9が蓋体2の上下面に達するようなことはない。
また、溶融したろう材9の表面張力により封止用金属部材7は第1の孔6aの第2の孔6bの開口の周辺に保持されるので、ろう材9や封止用金属部材7が蓋体2の下面から突出して圧電振動子3の振動を妨げたり、あるいは蓋体2の上面から突出して、圧電振動子を外部回路基板に実装する際にその実装を妨げたりすることはない。
なお、貫通孔6は、蓋体2となるセラミックグリーンシートに貫通孔6となる孔をあらかじめ所定の大きさ,形状に穿孔しておくことによって、蓋体2の上面から下面にかけて、上面側の第1の孔6aとこの第1の孔6aの開口より小さな下面側の第2の孔6bとから成るように形成される。
また、金属層8は、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダおよび溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを蓋体2となるセラミックグリーンシートとともに焼成することによって、蓋体2に形成された貫通孔6において第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺、具体的には第1の孔6aと第2の孔6bとの間に形成された段部の上面に被着される。
なお、貫通孔6を封止する封止用金属部材7は、例えば銅等の金属から成る球体であり、また、封止用金属部材7を金属層8に取着しているろう材9は、例えば金−錫合金等の合金から成るろう材である。
そして、貫通孔6の金属層8には、絶縁基体1と蓋体2との間の空間に圧電振動子3を収容し、この圧電振動子3を収容する空間を真空に排気した後に、封止用金属部材7がろう材9を介して取着される。これにより貫通孔6が封止され、容器が気密に封止される。
蓋体2の絶縁基体1へのガラス封止材10を介した接合は、例えば、まず絶縁基体1の上面外周部にガラス封止材10をあらかじめ被着させておき、次に圧電振動子3を導電性の接着材5で絶縁基体1に接着固定した後に圧電振動子3を接着する導電性の接着材5を真空中で加熱し、さらにこのガラス封止材10を間に挟んで絶縁基体1の上面に蓋体2を載置し、最後にこのガラス封止材10を加熱して軟化させた後、冷却固化することによって行われる。
なお、絶縁基体1の上面の外周部にガラス封止材10をあらかじめ被着させるには、絶縁基体1の上面外周部にガラス封止材10となるガラスペーストをスクリーン印刷法で印刷塗布し、次にこのガラスペーストを加熱し軟化させた後、冷却固化させることにより絶縁基体1の上面にガラス封止材10を被着させる方法が採用される。
また、本発明の容器においては、ガラス封止材10は酸化ビスマスを65〜80質量%、酸化ナトリウムを5〜15質量%、酸化硼素を2〜10質量%、酸化バリウムを1〜5質量%、酸化銅を1〜5質量%、酸化アルミニウムを0.5〜2質量%、酸化珪素を0.5〜2質量%および酸化亜鉛を0.5〜2質量%含むガラス成分と、このガラス成分を100質量部としたときに20〜40質量部のフィラーとしてのウイレマイト系化合物とを含んでいるものが用いられる。
本発明の容器によれば、上記の構成としたことから、ガラス封止材10がフッ素成分を含んでおらず、真空中で軟化点以上の温度に保持した場合でもガラス封止材10のガラス成分が揮発することがなく、圧電振動子の周波数特性を向上させるために、圧電振動子3を導電性の接着材5で絶縁基体1のメタライズ配線層4に接着固定した後に真空中で加熱処理しても、絶縁基体1にあらかじめ被着させたガラス封止材10中の成分が揮発することはないために、真空中での加熱によるガラス封止材10の結晶化は進行せず、絶縁基体1と蓋体2との極めて強固な封着が可能となる。そのため、容器内部の真空度の低下を抑えることが可能になり、容器内部の圧電振動子3のQ値が低下したりその表面電極が酸化腐食してしまうことがなくなり、その結果、圧電振動子3を特性が劣化しないようにして気密に封止するとともに長期間にわたり安定に作動させることが可能となる。
また、本発明の容器において、ろう材9およびガラス封止材10はいずれも酸化鉛を含有していないことから、本発明の容器を含む電子装置が廃棄され、屋外に放置されて風雨に曝された場合にも人体に害を与えたり地球環境を汚染することはない。
なお、ガラス封止材10のガラス成分は、酸化ビスマスの量が65質量%未満であると、ガラスの軟化温度が高くなって、低温での容器の気密封止が困難となる傾向があり、他方、80質量%を超えると、ガラスの耐薬品性が低下し、容器の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。
また、酸化ナトリウムの量が5質量%未満であると、ガラスの軟化温度が高くなり、低温での容器の気密封止が困難となる傾向があり、他方、15質量%を超えると、ガラス封止材10の耐薬品性が低下し、容器の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。
さらに、酸化硼素の量が2質量%未満であると、ガラスの軟化温度が高くなり、低温での容器の気密封止が困難となる傾向があり、他方、10質量%を超えると、ガラスの耐薬品性が低下し、容器の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。
酸化バリウムの量が1質量%未満であると、ガラスの耐薬品性が低下し、容器の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向があり、他方、5質量%を超えると、ガラスの結晶化が進み低温での容器の気密封止が困難となる傾向がある。
酸化銅の量が1質量%未満であると、ガラスの軟化温度が高くなり、低温での容器の気密封止が困難となる傾向があり、他方、5質量%を超えると、ガラスの耐薬品性が低下し、容器の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。
酸化アルミニウムの量が0.5質量%未満であると、ガラスの耐湿性が低下し、ガラス封止材10を介して蓋体が接合された容器の気密封止の信頼性が低下する傾向にあり、他方、2質量%を超えると、ガラスの軟化温度が高くなり、低温での容器の気密封止が困難となる傾向にある。
酸化珪素の量が0.5質量%未満であると、ガラス封止材10の熱膨張係数が大きくなって絶縁基体1および蓋体2の熱膨張係数と合わなくなり、容器の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向がある。他方、2質量%を超えると、ガラスの軟化温度が高くなり、低温での容器の気密封止が困難となる傾向がある。
酸化亜鉛の量が0.5質量%未満であると、ガラスの耐薬品性が低下し、容器の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向があり、他方、2質量%を超えると、ガラスの結晶化が進み低温での容器の気密封止が困難となる傾向にある。
また、ウイレマイト系化合物の量がガラス成分100質量部に対して20質量部未満であると、ガラス封止材10の強度が低下し容器の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向があり、他方、40質量部を超えると、ガラス封止材10の低温での流動性が低下し、容器の気密封止の信頼性が低下する傾向がある。
また、ウイレマイト系化合物の平均粒径は2.5〜4μmで、最大粒径が35μmであることが好ましい。平均粒径が2.5μm未満であると、フィラーの表面積が大きくなってガラス成分との反応性が高くなり、ガラスの結晶化が生じてガラスの流動性が低下する傾向があり、平均粒径が4μmを超えると、ガラスの強度が低下して気密封止の不良が発生する傾向がある。また、最大粒径が35μmより大きいと、封止後のガラス厚みが大きくなり、さらなる小型化や薄型化への対応が困難となる傾向がある。
なお、ウイレマイト系化合物とは2ZnO・SiOから成る化合物であり、低温封止ガラスのフィラーとして広く使用されている材料である。
かくして、本発明の圧電振動子収納用容器によれば、絶縁基体1のメタライズ配線層4が搭載部に位置する部位に圧電振動子3の一端を銀を含有するポリイミド等から成る接着材5を介して接着固定するとともに圧電振動子3の各電極をメタライズ配線層4に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体1の凹部1aを塞ぐように蓋体2をガラス封止材10を介して接合することにより、絶縁基体1と蓋体2との間の空間に圧電振動子3が収容される。また、圧電振動子3が収容された絶縁基体1と蓋体2との間の内部空間は、その中のガスが圧電振動子3の振動を妨げないようにするために真空に排気されており、真空に排気された後に蓋体2に形成された貫通孔6内の金属層8に封止用金属部材7をろう材9を介して取着することにより気密に封止される。このとき、圧電装置は圧電振動子3を収容している容器の内部空間が真空に排気されていることから高いQ値を得ることができる。
本実施例では、主成分の酸化ビスマス、酸化ナトリウム、およびフィラー添加量について有効な範囲を決定したものを示す。各成分の質量%を変化させたガラス封止材10を製作し、本発明の圧電振動子収納用容器の気密信頼性を評価するために1000サイクルの熱衝撃試験(MIL-STD-883、METHOD1011.6、COND.C)後の封止された容器のヘリウムガスリークテスト(MIL-STD-883、METHOD1014.7)を実施した。また、蓋体2の封着強度を比較するために容器における蓋体2のせん断強度を測定した。なお、評価用の容器には、絶縁基体1の下面の縦方向の寸法が5.0mm、下面の横方向の寸法が3.2mm、高さが0.7mmであり、蓋体2との接合面の幅が絶縁基体1の上面の外周に沿って0.5mm幅に形成された容器を用いた。
(実施例1)
酸化ビスマスを60〜85質量%の間で変化させ、その他の成分を加えて合計が100質量%となるようにガラス封止材10の各成分を調合した。結果を表1に示す。
Figure 2005086032
表1の結果より、酸化ビスマスが65〜80質量%の範囲で、良好な気密性信頼性および高いせん断応力が得られることがわかった。
(実施例2)
次に、酸化ビスマスを75〜73質量%の範囲とし、酸化ナトリウムを3〜17質量%の間で変化させ、その他の成分を加えて合計が100質量%となるようにガラス封止材10の各成分を調合した。結果を表2に示す。
Figure 2005086032
表2の結果より、酸化ナトリウムが5〜15質量%の範囲で、良好な気密性信頼性および高いせん断応力が得られることがわかった。
また、その他のガラス成分においても同種の実験を行ない、ガラス封止材10が酸化ビスマス65〜80質量%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化硼素2〜10質量%、酸化バリウム1〜5質量%、酸化銅1〜5質量%、酸化アルミニウム0.5〜2質量%、酸化珪素0.5〜2質量%および酸化亜鉛0.5〜2質量%を含む場合において、本発明の圧電振動子収納用容器の良好な気密封止性と高いせん断応力とが得られることを確認することができた。
(実施例3)
次に、組成比を一定にしたガラス成分100質量部に対してウイレマイト系化合物のフィラーの添加量が15〜45質量部の範囲、フィラーの平均粒径が1.8〜4.8μmの範囲、フィラーの最大粒径が55μm以下の範囲の場合について実験を行なった。結果を表3〜表5に示す。
Figure 2005086032
Figure 2005086032
Figure 2005086032
フィラーとしては、平均粒径が2.5〜4μmで最大粒径が35μm以下のウイレマイト系化合物をガラス成分100質量部に対して20〜40質量部添加した場合において良好な気密信頼性および高いせん断強度が得られることがわかった。
なお、本発明は上述の実施の形態の例および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や改良を施すことは何ら差し支えない。例えば、貫通孔6は本実施の形態の例では2段としているが1段でもよい。
本発明の圧電振動子収納用容器の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・絶縁基体
1a・・・凹部
2・・・蓋体
3・・・圧電振動子
4・・・メタライズ配線層
6・・・貫通孔
10・・・ガラス封止材

Claims (1)

  1. 上面に圧電振動子を収容し搭載するための凹部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の上面に前記凹部を塞ぐようにガラス封止材を介して接合された、上下面間を貫通する貫通孔が設けられた平板状の蓋体とを具備する圧電振動子収納用容器であって、前記ガラス封止材は、酸化ビスマスを65乃至80質量%、酸化ナトリウムを5乃至15質量%、酸化硼素を2乃至10質量%、酸化バリウムを1乃至5質量%、酸化銅を1乃至5質量%、酸化アルミニウムを0.5乃至2質量%、酸化珪素を0.5乃至2質量%および酸化亜鉛を0.5乃至2質量%含むガラス成分と、該ガラス成分を100質量部としたときに20乃至40質量部のフィラーとしてのウイレマイト系化合物とを含んでいることを特徴とする圧電振動子収納用容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007516611A (ja) * 2003-11-12 2007-06-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 電子デバイス用の封入アセンブリ

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JP2007516611A (ja) * 2003-11-12 2007-06-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 電子デバイス用の封入アセンブリ

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