JP2012002836A - 光学装置及び光学装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ保持部等の被固定部材の装置本体への挿入に伴う接着剤の漏れを防止する共に、被固定部材を装置本体に対して確実に接着固定すること。
【解決手段】光学装置1は、レンズ301を保持するレンズホルダ302と、レンズホルダ302が挿入される挿入孔211を有する垂直支持体202とを備え、レンズ301の光軸周りにおけるレンズホルダ302の外周面302aに熱硬化型接着剤が塗布されるスパイラル状の溝部302bが形成され、レンズホルダ302は、スパイラル状の溝部302bに熱硬化型接着剤を塗布されると共にレンズホルダ302を回転させながら挿入孔211に挿入される。
【選択図】図6

Description

本発明は、光学装置及び光学装置の製造方法に関する。
従来、コリメートレンズを内部に保持するコリメートレンズ鏡筒を、接着剤を用いて保持体に固定した光源装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この光源装置の保持体は、円筒形状の鏡筒保持部と、鏡筒保持部の後端部から外方に延在した板状の基板固定部とから構成され、鏡筒保持部及び基板固定部には貫通孔が形成されている。鏡筒保持部の前方側の外周縁部の上部には、接着剤注入口が切り欠き形成され、下部には貫通孔側に突出した弾性部材が設けられている。このように構成された光源装置において、コリメートレンズ鏡筒が貫通孔に挿入されると、弾性部材に上方に付勢された状態で接着剤注入口から接着剤が注入され、コリメートレンズ鏡筒と保持体とが接着固定される。そして、光源が固定された基板が基板固定部に取り付けられ、コリメートレンズと光源とが位置調整される。
特開平07−168109号公報
しかしながら、従来の光源装置において、コリメートレンズ鏡筒(レンズ保持部)の外周面全体に熱硬化型接着剤を塗布して保持体(保持部)に接着固定しようとした場合、レンズ保持部の挿入孔への挿入に伴ってレンズ保持部と挿入孔の隙間から熱硬化型接着剤が挿入方向と反対方向に押し出され、レンズ保持部の外周面と接着剤注入口との境界部分等に熱硬化型接着剤がフィレット状に形成される。その結果、この状態で装置全体を加熱した場合には、熱硬化型接着剤の硬化によりレンズ保持部材に位置ずれが生じ、光源とレンズとに位置ずれが生じる虞があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ保持部等の被固定部材の装置本体への挿入に伴う接着剤の漏れを防止すると共に、被固定部材を装置本体に対して確実に接着固定することができる光学装置及び光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学装置は、レンズを保持するレンズ保持部と、前記レンズ保持部が挿入される挿入孔を有するメイン保持部と、を備え、前記レンズの光軸周りにおける当該レンズ保持部の外周面に、熱硬化型接着剤が塗布されるスパイラル状の溝部が形成され、当該レンズ保持部は、前記スパイラル状の溝部に前記熱硬化型接着剤を塗布されると共に当該レンズ保持部を回転させながら前記挿入孔に挿入されることを特徴とする。
この構成によれば、スパイラル状の溝部に熱硬化型接着剤が塗布されると共に当該レンズ保持部が挿入孔に回転されながら挿入されるので、レンズ保持部の保持部の挿入孔への挿入に伴う接着剤の漏れを防止することができる。また、レンズ保持部の外周面にスパイラル状の溝部を形成するので、従来の光学装置と比べて、接着剤の塗布エリアを十分確保することができ、レンズ保持部をメイン保持部に対して確実に接着固定することができる。
上記光学装置において、前記溝部の幅は、前記熱硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布具のノズル径よりも大きいことが好ましい。
この場合には、レンズ保持部への熱硬化型接着剤の塗布の際に、回転挿入されるレンズ保持部の溝部に接着剤塗布具のノズルがガイドされるので、確実に溝部に熱硬化型接着剤を塗布することができる。
本発明の光学装置の製造方法は、レンズを保持するレンズ保持部と、前記レンズ保持部が挿入される挿入孔を有するメイン保持部とを備える光学装置の製造方法であって、前記レンズの光軸周りにおける当該レンズ保持部の外周面に形成されたスパイラル状の溝部に熱硬化型接着剤を塗布すると共に当該レンズ保持部を回転させながら前記挿入孔に挿入する工程と、光源に対する前記レンズの位置調整後に前記光学装置を加熱して熱硬化型接着剤を硬化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、スパイラル状の溝部に熱硬化型接着剤が塗布されると共に当該レンズ保持部が挿入孔に回転されながら挿入されるので、レンズ保持部のメイン保持部の挿入孔への挿入に伴う接着剤の漏れを防止することができる。また、レンズ保持部の外周面にスパイラル状の溝部が形成されているので、従来の光学装置と比べて、接着剤の塗布エリアを十分確保することができ、レンズ保持部をメイン保持部に対して確実に接着固定することができる。
上記光学装置において、前記溝部の幅は、前記熱硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布具のノズル径よりも大きいことが好ましい。
この場合には、レンズ保持部への熱硬化型接着剤の塗布の際に、回転挿入されるレンズ保持部の溝部に接着剤塗布具のノズルがガイドされるので、確実に溝部に熱硬化型接着剤を塗布することができる。
本発明によれば、レンズ保持部等の被固定部材の装置本体への挿入に伴う接着剤の漏れを防止する共に、被固定部材を装置本体に対して確実に接着固定することができる。
本発明の実施の形態に係るレーザー光源装置の分解斜視図である。 本実施の形態に係るレーザー光源装置の組み立て状態の斜視図である。 本実施の形態に係るレーザー光源装置の組み立て状態の側面図である。 本実施の形態に係るレーザー光源装置にシリンジを配置した状態の光源ユニット近傍の部分断面図である。 本実施の形態に係るレーザー光源装置のレンズホルダ(レンズ保持部)の側面図である。 本実施の形態に係るレーザー光源装置の製造方法を説明するための部分断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る光学装置は、例えば、複数のレーザー光を結合して単一の光ビームをスクリーンに投射するレーザーディスプレイシステムのレーザー光源装置として適用されるものである。以下では、光学装置としてレーザー光源装置を例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態に係るレーザー光源装置の分解斜視図である。図2及び図3は、本実施の形態に係るレーザー光源装置の組み立て状態の斜視図及び側面図である。図1から図3に示すように、レーザー光源装置1は、ベース部材としての基台2と、この基台2に取り付けられる光源ユニット3及び光源照射ユニット4と、光源ユニット3を固定するブラケット(取付部材)5と、光源照射ユニット4を固定するブラケット(取付部材)6と、ブラケット6に取り付けられる光軸調整ユニット7と、光源照射ユニット4を駆動する駆動ユニット8とを備えている。なお、以下では、説明の便宜上、光源照射ユニット4側をレーザー光源装置1の前方側と呼び、光源ユニット3側をレーザー光源装置1の後方側と呼ぶものとする。
基台2は、例えば、アルミダイキャストで成形され、底面部201と、底面部201の後方側端部から上方に立設した垂直支持体202とから構成されている。底面部201の前方側には、後述する光源照射ユニット4の固定軸405が挿入される筒状部203が設けられ、この筒状部203の近傍には、組み立て時に筒状部203の周囲に巻回されるトーションばね9の一端を係止する係止片204が設けられている。筒状部203の後方側には、後述する駆動ユニット8の駆動モータ801を保持するモータ保持部205が設けられ、このモータ保持部205の近傍には、駆動ユニット8の駆動ギア802を回転可能に支持する軸部206が設けられている。モータ保持部205は、概略U字状に形成された、前後一対の保持片205a,205bで構成されている。モータ保持部205の左右両側には、ブラケット6を固定するための固定孔207が設けられている。また、底面部201の後端面には、後述する光源ユニット3の回路基板305を固定するための左右一対の固定孔208が形成されている。
垂直支持体202は、概略矩形の板状に形成され、その中央部には、光源ユニット3のレンズホルダ302が挿入される挿入孔211が、板厚方向に貫通形成されている。挿入孔211は、コリメートレンズ301の光軸周りにおけるレンズホルダ302の外周面302aとの間に僅かに隙間を形成する径で形成されている。垂直支持体202の前面側の挿入孔211の上部には、挿入孔211に連通する接着剤注入用の注入孔212と、注入孔212の後方側には後述するシリンジ11を保持するガイド面215とが形成されている。このガイド面215は、シリンジ11の外周部の形状と相補形状に形成されており、本実施の形態では、円筒形状のシリンジ11のノズル11bの外周面と相補形状に形成されている。接着剤の塗布作業は、シリンジ11のノズル先端11cを注入孔212に挿入してノズル先端11cを挿入孔211内部に露出させ、シリンジ本体をガイド面215にガイドさせた状態で行われる。また、垂直支持体202の上部には、ブラケット5が取り付けられる一対の取付孔213と、ネジ止め用の固定孔214とが形成されている。垂直支持体202の後面側には、光源ユニット3のレーザーダイオードホルダ304を固定するための一対の固定孔216が形成されている(図4参照)。
図4は、光源ユニット3近傍を示す部分断面図である。図3及び図4に示すように、光源ユニット3は、基台2の垂直支持体202近傍にまとめて配設されており、コリメートレンズ301を保持するレンズホルダ(レンズ保持部)302と、レーザーダイオード(光源)303を保持するレーザーダイオードホルダ304と、プリント回路基板(以下、「回路基板」という)305とから構成されている。
レンズホルダ302は、概略円筒状に形成され、コリメートレンズ301が内部に保持されている。レンズホルダ302の前端部には、位置調整用に用いられる鍔部306が形成されている。レンズホルダ302の外周面302a全体には、熱硬化型接着剤が塗布されるスパイラル状の溝部302bが形成されている(図5参照)。この溝部302bの溝幅wは、熱硬化型接着剤を塗布するシリンジ11のノズル径よりも大きく形成されると共に、溝部302bの深さは、熱硬化型接着剤の塗布時にシリンジ11のノズル先端11cがガイドされる程度の深さに形成されていることが好ましい。このように構成されたレンズホルダ302は、レンズの光軸周りにおける外周面302aの溝部302bに、上記注入孔212から熱硬化型接着剤が塗布されながら、垂直支持体202の挿入孔211に前方側から回転しながら挿入される。そして、鍔部306を冶具(図示省略)で把持してレーザーダイオード303に対するコリメートレンズ301の位置調整が行われた後に、レーザー光源装置1を加熱して熱硬化型接着剤を硬化させて、レンズホルダ302と垂直支持体202とが接着固定される。これにより、スパイラル状の溝部302bに熱硬化型接着剤が塗布されると共にレンズホルダ302が挿入孔211に回転されながら挿入されるので、レンズホルダ302の挿入孔211への挿入に伴う接着剤の漏れを防止することができる。また、レンズホルダ302の外周面302aを有効利用して接着剤の塗布エリアを十分確保することができ、レンズホルダ302を垂直支持体202に対して確実に接着固定することができる。さらに、レンズホルダ302への熱硬化型接着剤の塗布の際に、回転挿入されるレンズホルダ302の溝部302bにシリンジ11のノズル先端11cがガイドされるので、確実に溝部302bに熱硬化型接着剤を塗布することができる。
レーザーダイオードホルダ304は、概略板状に形成され、放熱機能を有するように熱伝導性の良い金属材料で構成されている。レーザーダイオードホルダ304の中央部にはレーザー光出射口307が形成され、レーザー光出射口307から前面側に突出するように、レーザーダイオード303が保持される。レーザー光出射口307の上方及び下方には、垂直支持体202に固定するための一対の貫通孔308が形成されている。ネジ309を貫通孔308を介して環状部210の固定孔216に固定させることにより、レーザーダイオードホルダ304が垂直支持体202に固定される。
回路基板305は、少なくともレーザーダイオード303に電源を供給するための電源ボードとして機能するものである。回路基板305の下方には、基台2に固定するための左右一対の貫通孔310が形成されている。ネジ311を貫通孔310を介して底面部201の固定孔208に固定させることにより、回路基板305が基台2に固定される。
ブラケット5は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、垂直支持体202の上面に固定される固定部501と、固定部501の後方で回路基板305の上端部を保持する基板保持部502とから構成されている。固定部501には、垂直支持体202の固定孔214に固定するための貫通孔503と、下方に突出した一対の突出片504とが形成されている。基板保持部502が回路基板305の上端部を保持した状態で、突出片504を垂直支持体202の取付孔213に係止させると共にネジ505を貫通孔503を介して固定孔214に固定させることにより、ブラケット5が基台2に固定される。
光源照射ユニット4は、回動可能なプリズム401と、プリズム401の下端部を保持するケース402と、プリズム401の上方側から被せられ、ケース402に取り付けられる保持部材403と、ケース402の中央に形成された貫通孔404を貫通して筒状部203に固定される固定軸405とを有している。保持部材403は、例えば、薄い金属板材を折り曲げて形成され、プリズム401の上面を押さえる上面部403aと、上面部403aの左右両端部から垂下する側面部403bとから構成されている。上面部403aは、ブラケット6の押圧突起604から押圧可能に構成され、両側面部403bは、ケース402に取り付けられる。ケース402下面には、トーションばね9の他端が係止される係止部406と、後述する駆動ユニット8の駆動ギアと噛合するギア部(不図示)が設けられている。光源照射ユニット4は、駆動ユニット8からの駆動力がギア部を介して伝達されると、プリズム401が回動され、光源ユニット3から出射されるレーザー光の出射方向が規定される。
駆動ユニット8は、光源照射ユニット4を回動させる駆動力を供給する駆動モータ801と、駆動モータ801からの駆動力をケース402に伝達する駆動ギア802とを備えている。
駆動モータ801は、モータ本体803と、モータ本体803の前方側に突出した駆動軸804と、モータ本体803の前方側に設けられたフランジ部805と、モータ本体803に電気信号を供給するためのフラットケーブル806とを有している。この駆動モータ801は、保持片205a,205b間にフランジ部805が配置されると共に、駆動軸804が回転可能に保持された状態で基台2に取り付けられる。駆動軸804には、後述する駆動ギア802の第1ギア部807に噛合する溝部が形成されている。フラットケーブル806は、後方側に引き出され、後述する光源ユニット3の回路基板305の後面に設けられた端子部に接続される。
駆動ギア802は、第1ギア部807と、この第1ギア部807よりも小径の第2ア部808とから構成され、軸部206に挿通された状態で基台2に取り付けられる。この場合において、駆動ギア802は、第1ギア部807が駆動軸804に噛合すると共に第2ギア部808がケース402のギア部に噛合する位置に取り付けられている。フラットケーブル806を介して駆動モータ801に電気信号が供給されて駆動軸804が回転すると、第1ギア部807が回転し、これに伴って回転する第2ギア部808の回転に応じてケース402が回転してプリズム401が回動する。
ブラケット6は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、駆動モータ801を覆うようにして基台2に固定されている。ブラケット6は、下方側に開口して駆動モータ801を収容保持する収容部601と、収容部601の下端から側方側に延出した固定部602と、収容部601の後端側に設けられた壁部603と、収容部601の前端部中央から下方に突出した押圧突起604とを有している。
収容部601の両側面には、駆動モータ801のフランジ部805を押圧する一対の押圧片605が設けられている。固定部602には、基台2に設けられた複数の固定孔207に対向する位置にネジ孔606が形成されている。ネジ607をネジ孔606を介して基台2の固定孔207に固定させることにより、固定部602が基台2に固定される。壁部603の後面上端部及び下端部には、後述する光軸調整ユニット7のX軸移動部702をX軸方向にスライド可能に案内する上下一対のガイド部608,609が形成されている(図3参照)。
光軸調整ユニット7は、レーザーダイオード303から出射されるレーザー光のXY軸方向における光軸調整を行なう凹レンズ701と、凹レンズ701をX軸方向に移動可能なX軸移動部702と、X軸移動部702と一体的に移動すると共に凹レンズ701をY軸方向に移動可能なY軸移動部703とを有している。
X軸移動部702は、例えば、絶縁性の樹脂材料で概略平板形状に成形され、その中央に正面視矩形状の開口部704が形成されている。X軸移動部702の前面側において、開口部704の上方には、ブラケット6のガイド部608に係合する一対の係合部705が設けられ、開口部704の下方には、ブラケット6のガイド部609に係合する一対の係合部706が設けられている。係合部705をガイド部608に係合させると共に係合部706をガイド部609に係合させた状態でX軸移動部702をスライドさせることにより、X軸方向におけるレーザー光の光軸調整が行われる。また、X軸移動部702の後面側には、Y軸移動部703をY軸方向にスライド可能に案内する左右一対のガイド部707が形成されている。
Y軸移動部703は、例えば、絶縁性の樹脂材料で概略平板状に成形され、その中央に正面視円形状の開口部708が形成されている。凹レンズ701は、開口部708から前面側に露出するように、Y軸移動部703の後面側で保持されている。Y軸移動部703の前面側の上端部両側方には、X軸移動部702の一対のガイド部707に係合する一対の係合部709が設けられている。また、Y軸移動部703の前面側の下端部両側方には、X軸移動部702の一対のガイド部707に係合する一対の係合部710が設けられている。これら係合部709,710をガイド部707に係合させた状態でY軸移動部703をスライドさせることにより、Y軸方向におけるレーザー光の光軸調整が行われる。
シリンジ11は、熱硬化型接着剤を塗布するための接着剤塗布用具であり、熱硬化型接着剤Bを充填する円筒形状のシリンジ本体11aと、シリンジ本体11aの先端から突出したノズル11bとから形成されている。熱硬化型接着剤Bの塗布する場合には、ノズル11bの外周面の一部をガイド面215にガイドさせた状態で、ノズル11bのノズル先端11cを注入孔212に挿入し、ノズル先端11cを溝部302b内に位置するまで挿入孔211内部に露出させる。そして、ノズル先端11cを、回転挿入されるレンズホルダ302の溝部302bにガイドさせながら、熱硬化型接着剤Bが塗布される。
次に、上記構成を有するレーザー光源装置1の製造方法の一例について説明する。図6は、本実施の形態に係るレーザー光源装置1の製造方法の一例を説明するための部分断面模式図である。図6では、垂直支持体202の挿入孔211へのレンズホルダ302の挿入から接着固定までを示している。
レーザー光源装置1を製造する場合、まず、垂直支持体202の後面に、レーザーダイオード303を保持したレーザーダイオードホルダ304をネジ止め固定すると共に、回路基板305を底面部201にネジ止め固定する。
次に、シリンジ11のノズル11bをガイド面215にガイドさせた状態で、ノズル11bを注入孔212に挿入させ、ノズル先端11cを挿入孔211内部にわずかに露出させる(図6(a))。そして、ノズル先端11cが溝部302bの内部に位置するまで、レンズホルダ302を、垂直支持体202の前面側から挿入孔211に回転させながら挿入させる(図6(b))。挿入孔211を回転挿入されるレンズホルダ302の溝部302bにシリンジ11のノズル先端11cがガイドされた態で、溝部302bに熱硬化型接着剤Bが塗布される(図6(c))。レンズホルダ302を回転挿入させ、溝部302b全体に熱硬化型接着剤Bが塗布されると、シリンジ11が垂直支持体202から取り外される(図6(d))。そして、回路基板305の上端部を保持した状態で、ブラケット5を垂直支持体202の上面に固定する。
次に、鍔部306を冶具(図示省略)で把持してレーザーダイオード303に対するコリメートレンズ301の位置調整を行う。レーザーダイオード303に対するコリメートレンズ301の位置調整後に、レーザー光源装置1を加熱して熱硬化型接着剤Bを硬化させ、レンズホルダ302と垂直支持体202とが接着固定される。
次に、フランジ部805を保持片205a,205bの間に配置すると共に駆動軸804を回転可能に保持させた状態で駆動モータ801を基台2のモータ保持部205に配設し、モータ本体803に接続されたフラットケーブル806を回路基板305の端子部に接続する。そして、第1ギア部807が駆動軸804と噛合するように駆動ギア802を軸部206に取り付ける。次に、基台2の筒状部203の周囲にトーションばね9を配置し、その上から固定軸405を筒状部203に挿通するように光源照射ユニット4を取り付ける。次に、レーザー光源装置1の上方から、収容部601で駆動モータ801を収容するようにして、光軸調整ユニット7が取り付けられたブラケット6を基台2に取り付ける。そして、光軸調整ユニット7のX軸移動部702及びY軸移動部703をスライド移動させて凹レンズ701の位置調整を行うと共に、駆動ユニット8で光源照射ユニット4を回動させることによってプリズム401の角度調整を行う。
このように組み立てられたレーザー光源装置1において、光源ユニット3のレーザーダイオードホルダ304に保持されたレーザーダイオード303からのレーザー光は、レーザー光出射口307から出射されて、レンズホルダ302に保持されたコリメートレンズ301を通過した後、光軸調整ユニット7の凹レンズ701を通過し、光源照射ユニット4のプリズム401によって規定される方向へと進行して、例えば、レーザーディスプレイシステムのディスプレイスクリーンへと導かれる。
以上のように、本実施の形態によれば、レンズホルダ302に形成されたスパイラル状の溝部302bに熱硬化型接着剤Bが塗布されると共にレンズホルダ302が挿入孔211に回転されながら挿入されるので、レンズホルダ302の垂直支持体202の挿入孔211への挿入に伴う接着剤Bの漏れを防止することができる。また、レンズホルダ302の外周面302aにスパイラル状の溝部302bを形成するので、従来の光学装置と比べて、接着剤の塗布エリアを十分確保することができ、レンズホルダ302を垂直支持体202に対して確実に接着固定することができる。さらに、レンズホルダへの熱硬化型接着剤Bの塗布の際に、回転挿入されるレンズホルダ302の溝部302bにシリンジ11のノズル11b(ノズル先端11c)がガイドされるので、溝部302b以外のエリアに熱硬化型接着剤Bが塗布されることなく、確実に溝部302bに熱硬化型接着剤Bを塗布することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
1 レーザー光源装置(光学装置)
2 基台
201 底面部
202 垂直支持体(メイン保持部)
211 挿入孔
211a 外周縁面
212 注入孔
3 光源ユニット
301 コリメートレンズ(レンズ)
302 レンズホルダ(レンズ保持部)
302a 外周面
302b 溝部
303 レーザーダイオード(光源)
304 レーザーダイオードホルダ(光源保持部)
11 シリンジ(接着剤塗布具)
11a シリンジ本体
11b ノズル
11c ノズル先端
B 熱硬化型接着剤

Claims (4)

  1. レンズを保持するレンズ保持部と、
    前記レンズ保持部が挿入される挿入孔を有するメイン保持部と、を備え、
    前記レンズの光軸周りにおける当該レンズ保持部の外周面に熱硬化型接着剤が塗布されるスパイラル状の溝部が形成され、
    当該レンズ保持部は、前記スパイラル状の溝部に前記熱硬化型接着剤を塗布されると共に当該レンズ保持部を回転させながら前記挿入孔に挿入されることを特徴とする光学装置。
  2. 前記溝部の幅は、前記熱硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布具のノズル径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. レンズを保持するレンズ保持部と、前記レンズ保持部が挿入される挿入孔を有するメイン保持部とを備える光学装置の製造方法であって、
    前記レンズの光軸周りにおける当該レンズ保持部の外周面に形成されたスパイラル状の溝部に熱硬化型接着剤を塗布すると共に当該レンズ保持部を回転させながら前記挿入孔に挿入する工程と、
    前記光源に対する前記レンズの位置調整後に前記光学装置を加熱して熱硬化型接着剤を硬化させる工程と、を備えたことを特徴とする光学装置の製造方法。
  4. 前記溝部の幅は、前記熱硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布具のノズル径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の光学装置の製造方法。
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