JP2011243846A - レーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光源からの光軸を所望位置に正確に調整すること。
【解決手段】レーザ光を発するレーザダイオード303と、このレーザダイオード303を固定するレーザダイオードホルダ304と、このレーザダイオードホルダ304が取り付けられる基台2とを備えたレーザ光源装置1において、レーザダイオードホルダ304の一部に直線形状部304cを設ける一方、この直線形状部304cとレーザダイオード303を挟んで反対側の一部に円弧形状部304bを設け、直線形状部304c及び円弧形状部304bをレーザダイオード303の光軸を調整する治具10による被挟持部としたことを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】レーザ光を発するレーザダイオード303と、このレーザダイオード303を固定するレーザダイオードホルダ304と、このレーザダイオードホルダ304が取り付けられる基台2とを備えたレーザ光源装置1において、レーザダイオードホルダ304の一部に直線形状部304cを設ける一方、この直線形状部304cとレーザダイオード303を挟んで反対側の一部に円弧形状部304bを設け、直線形状部304c及び円弧形状部304bをレーザダイオード303の光軸を調整する治具10による被挟持部としたことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、レーザ光源装置に関し、特に、レーザ光の光軸調整が可能なレーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法に関する。
赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光をそれぞれ出射する赤色レーザデバイス、緑色レーザデバイス、青色レーザデバイスを備え、各色のレーザ光を結合して単一の光ビームを生成し、生成された単一の光ビームを、レーザ制御系を介してスクリーンに投射するレーザディスプレイシステムがある(例えば、特許文献1参照)。このようなレーザディスプレイシステムでは、レーザ光源装置においてレーザ光の光軸を調整する光軸調整機構が必要となる。
従来、効率的に光軸を調整することを目的として、種々の光軸調整機構が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2においては、レーザ光源を固定するスリーブを光軸方向に移動させることでレーザ光源とコリメートレンズとの距離を調整する一方、このスリーブを保持するスリーブホルダを光軸と直交する方向に移動させることでレーザ光源とコリメートレンズとの相対位置を調整する光軸調整機構が開示されている。
ところで、上述したようなレーザ光源装置においては、より高精度な光軸調整を目的として、レーザ光源を固定する光源固定部材を光軸と直交する平面上で、互いに直交するX軸、Y軸方向に移動させると共に、当該光源固定部材を光軸を中心に回転移動させて光軸調整を行うことが要請されている。このような要請に対応する構造として、互いに平行な一対の側面を有し、その中央部にレーザ光源を固定する薄板部材で光源固定部材を構成し、光軸調整治具により上記一対の側面を外側から挟持した状態でX軸、Y軸方向への移動及び回転移動を行うことが考えられる。
しかしながら、この場合には、光源固定部材の一対の側面が互いに平行な直線形状に設けられることから、一対の側面の延伸方向(例えば、Y軸方向)への移動を行う際に適切に光源固定部材を挟持することができず、正確に光軸調整を行うことができない事態が発生し得る。特に、光源固定部材が取り付けられるベース部材が水平に配設され、このベース部材に対して光源固定部材が垂直に立設される場合には、光源固定部材の自重によって光軸調整治具の挟持部から脱落し、正確に光軸調整を行うことが困難となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、レーザ光源からの光軸を所望位置に正確に調整することができるレーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法を提供することを目的とする。
本発明のレーザ光源装置は、レーザ光を発するレーザ光源と、前記レーザ光源を固定するレーザ光源固定部材と、前記レーザ光源固定部材が取り付けられるベース部材とを備えたレーザ光源装置であって、前記レーザ光源固定部材の一部に直線形状部を設ける一方、当該直線形状部と前記レーザ光源を挟んで反対側の一部に突出形状部を設け、前記直線形状部及び突出形状部を前記レーザ光源の光軸を調整する治具による被挟持部としたことを特徴とする。
本発明のレーザ光源装置によれば、レーザ光源固定部材の一部に設けた直線形状部と、この直線形状部とレーザ光源を挟んで反対側の一部に設けた突出形状部とを光軸を調整する治具(光軸調整治具)による被挟持部としたことから、光軸調整治具による被挟持部が平行な一対の直線形状部で構成される場合に比べてレーザ光源固定部材を適切に挟持し易くすることができるので、光軸調整時におけるレーザ光源固定部材の脱落等を防止して所望位置に正確に光軸調整を行うことが可能となる。
上記レーザ光源装置においては、前記突出形状部を円弧形状とすることが好ましい。この場合には、例えば、突出形状部に対応する光軸調整治具の支持部に、所定角度を有して突出形状部側に開口した2つの平面を有する当接部(すなわち、V字形状を有する当接部)を設けることにより、当該支持部との当接に応じてレーザ光源固定部材の位置を微調整することができるので、レーザ光源固定部材を一定位置で挟持することが可能となる。
上記レーザ光源装置においては、前記レーザ光源固定部材を銅又は銅合金で構成することが好ましい。このようにレーザ光源固定部材を銅又は銅合金で構成することにより、レーザ光源固定部材自体からの放熱効果を確保することができる。また、熱伝導率に優れた銅又は銅合金でレーザ光源固定部材を構成することから、これが取り付けられるベース部材を経由した放熱効果も期待できる。
本発明のレーザ光源固定部材の取付け方法は、レーザ光源を固定するレーザ光源固定部材を治具で挟持した状態で位置調整してベース部材に取り付けるレーザ光源固定部材の取付け方法であって、前記レーザ光源固定部材の一部に設けられた直線形状部に前記治具の一方の支持部を当接させる一方、前記レーザ固定部材の前記直線形状部と前記レーザ光源を挟んで反対側の一部に設けられた突出形状部に前記治具の他方の支持部を複数点で当接させて挟持する工程と、前記治具を移動させて前記レーザ光源固定部材を位置調整する工程と、位置調整後の位置で前記レーザ光源固定部材を前記ベース部材に固定する工程とを具備することを特徴とする。
本発明のレーザ光源固定部材の取付け方法によれば、レーザ光源固定部材の一部に設けられた直線形状部に治具の一方の支持部を当接させる一方、上記直線形状部とレーザ光源を挟んで反対側の一部に設けられた突出形状部に治具の他方の支持部を複数点で当接させて挟持することから、治具による被挟持部が平行な一対の直線形状部で構成される場合に比べて適切に挟持し易くすることができるので、光軸調整時におけるレーザ光源固定部材の脱落等を防止して所望位置に正確に光軸調整を行うことが可能となる。
上記レーザ光源固定部材の取付け方法において、前記治具の他方の支持部は、所定角度を有して前記突出形状部側に開口した2つの平面を有する当接部を有し、当該当接部で前記突出形状部に当接することが好ましい。この場合には、所定角度を有して突出形状部側に開口した2つの平面を有する当接部を突出形状部に当接させてレーザ光源固定部材を挟持することができるので、突出形状部に対して確実に複数点で当接させることができ、適切にレーザ光源固定部材を挟持することが可能となる。
上記レーザ光源固定部材の取付け方法において、前記治具の一方の支持部は、前記直線形状部に平行な平面を有する当接部を有し、当該当接部で前記直線形状部に当接することが好ましい。この場合には、直線形状部に平行な平面を有する当接部を直線形状部に当接させてレーザ光源固定部材を挟持することができるので、治具からの回転力を確実にレーザ光源固定部材に伝達することができ、正確にレーザ光源固定部材を回動させて光軸調整を行うことが可能となる。
上記レーザ光源固定部材の取付け方法において、前記突出形状部を円弧形状とすることが好ましい。この場合には、所定角度を有して突出形状部側に開口した2つの平面を有する当接部との当接に応じて、レーザ光源固定部材の位置を微調整することができるので、レーザ光源固定部材を一定位置で挟持することが可能となる。
本発明によれば、レーザ光源からの光軸を所望位置に正確に調整することができるレーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係るレーザ光源装置は、例えば、複数のレーザ光を結合して単一の光ビームをスクリーンに投射するレーザディスプレイシステムのレーザ光源装置として適用されるものである。
図1は、本実施の形態に係るレーザ光源装置の分解斜視図である。図2及び図3は、本実施の形態に係るレーザ光源装置の組み立て状態の斜視図及び側面図である。図1から図3に示すように、レーザ光源装置1は、ベース部材としての基台2と、この基台2に取り付けられる光源ユニット3及び光源照射ユニット4と、光源ユニット3を固定するブラケット5と、光源照射ユニット4を固定するブラケット6と、ブラケット6に取り付けられる光軸調整ユニット7と、光源照射ユニット4を駆動する駆動ユニット8とを備えている。なお、以下では、説明の便宜上、光源照射ユニット4側をレーザ光源装置1の前方側と呼び、光源ユニット3側をレーザ光源装置1の後方側と呼ぶものとする。
基台2は、例えば、アルミダイキャストや絶縁性の樹脂材料で成形され、底面部201と、底面部201の後方側端部から上方に立設した垂直支持体202とから構成されている。底面部201の前方側には、後述する光源照射ユニット4の固定軸405が挿入される筒状部203が設けられ、この筒状部203の近傍には、組み立て時に筒状部203の周囲に巻回されるトーションばね9の一端を係止する係止片204が設けられている。筒状部203の後方側には、後述する駆動ユニット8の駆動モータ801を保持するモータ保持部205が設けられ、このモータ保持部205の近傍には、駆動ユニット8の駆動ギア802を回転可能に支持する軸部206が設けられている。モータ保持部205は、概略U字状に形成された、前後一対の保持片205a,205bで構成されている。モータ保持部205の左右両側には、ブラケット6を固定するための固定孔207が設けられている。また、底面部201の後端面には、後述する光源ユニット3の回路基板305を固定するための左右一対の固定孔208が形成されている。
垂直支持体202は、概略矩形の板状に形成された支持体基部209と、支持体基部209の後面から突出した環状部210とから形成されている。支持体基部209の中央には、光源ユニット3のレンズホルダ302が挿入される挿入孔211が、板厚方向に貫通形成されており、この挿入孔211は、環状部210に形成された開口部212に連通されている(図4参照)。支持体基部209に形成される挿入孔211は、コリメートレンズ301の光軸周りにおけるレンズホルダ302の外周面302aとの間に僅かに隙間を形成する径で形成され、環状部210に形成された開口部212は、挿入孔211の径よりも大径に形成されている。また、支持体基部209の上部には、ブラケット5が取り付けられる一対の取付孔213と、ネジ止め用の固定孔214とが形成されている。環状部210の後面側には、開口部212の外周縁部近傍に、光源ユニット3のレーザダイオードホルダ304を固定するための一対の固定孔215が形成されている。
図4は、光源ユニット3近傍を示す部分断面図である。図4に示すように、光源ユニット3は、基台2の垂直支持体202近傍にまとめて配設されており、コリメートレンズ301を保持するレンズホルダ302と、レーザダイオード303を保持するレーザダイオードホルダ304と、プリント回路基板(以下、「回路基板」という)305とから構成されている。なお、レーザダイオード303は、レーザ光源を構成するものであり、レーザダイオードホルダ304は、レーザ光源固定部材を構成するものである。
レンズホルダ302は、概略円筒状に形成され、コリメートレンズ301が内部に保持されている。レンズホルダ302の前端部には、位置調整用に用いられる鍔部306が形成されている。レンズホルダ302は、レンズの光軸周りにおける外周面302aに熱硬化型接着剤を塗布した状態で、支持体基部209の挿入孔211に後方側から挿入される。このとき、レンズホルダ302の先端部が、挿入孔211の前端部側から突出すると共に、レンズホルダ302の後端部が、挿入孔211の後端部側から突出して、環状部210の開口部212内の空間に入り込んだ状態となる。そして、レンズホルダ302の先端部側の外周面302aと挿入孔211の前端部との境界部分に紫外線硬化型接着剤が塗布され、鍔部306を冶具で把持してレーザダイオード303に対するコリメートレンズ301の位置調整が行われた後に、紫外線が照射される。そして、レーザ光源装置1を加熱して熱硬化型接着剤を硬化させて、レンズホルダ302と垂直支持体202とが接着固定される。
レーザダイオードホルダ304は、概略板状に形成され、熱伝導性の良い金属材料である銅又は銅合金で構成されている。このようにレーザダイオードホルダ304を銅又は銅合金で構成することにより、レーザダイオードホルダ304自体からの放熱効果を確保することができる。また、熱伝導率に優れた銅又は銅合金でレーザダイオードホルダ304を構成していることから、これが取り付けられる基台2を経由した放熱効果も期待できる。レーザダイオードホルダ304の中央部にはレーザ光出射口307が形成され、レーザ光出射口307から前面側に突出するように、レーザダイオード303が圧入固定される。レーザ光出射口307の上方及び下方には、垂直支持体202に固定するための一対の貫通孔308が形成されている。ネジ309を貫通孔308を介して環状部210の固定孔215に固定させることにより、レーザダイオードホルダ304が垂直支持体202に固定される(図4参照)。
図5は、レーザダイオードホルダ304の後面図である。図5に示すように、レーザダイオードホルダ304は、円形状を有するレーザ光出射口307の中心点Oから第1の径R1を有する一対の円弧形状部304aと、中心点Oから第2の径R2(<R1)を有する円弧形状部304bと、この円弧形状部304bと対向する部分(すなわち、円弧形状部304bとレーザ光出射口307を挟んで反対側に配置される部分)に設けられた直線形状部304cとを有している。一対の円弧形状部304aと円弧形状部304bとの間には、一対の肩部304dが設けられている。円弧形状部304bは、これらの肩部304dを結んだ直線L1から突出した形状に設けられている。なお、円弧形状部304bは、突出形状部を構成する。
本実施の形態に係るレーザ光源装置1においては、レーザダイオードホルダ304の一部に設けた直線形状部304cと、この直線形状部304cとレーザダイオード303を挟んで反対側の一部に設けた円弧形状部304bとを後述する光軸調整治具による被挟持部としている。これにより、光軸調整治具による被挟持部が平行な一対の直線形状部で構成される場合に比べてレーザダイオードホルダ304を適切に挟持し易くすることができるので、光軸調整時におけるレーザダイオードホルダ304の脱落等を防止して所望位置に正確に光軸調整を行うことができるものとなっている。
回路基板305は、少なくともレーザダイオード303に電源を供給するための電源ボードとして機能するものである。回路基板305の下方には、基台2に固定するための左右一対の貫通孔310が形成されている。ネジ311を貫通孔310を介して底面部201の固定孔208に固定させることにより、回路基板305が基台2に固定される。
ブラケット5は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、支持体基部209の上面に固定される固定部501と、固定部501の後方で回路基板305の上端部を保持する基板保持部502とから構成されている。固定部501には、支持体基部209の固定孔214に固定するための貫通孔503と、下方に突出した一対の突出片504とが形成されている。基板保持部502が回路基板305の上端部を保持した状態で、突出片504を支持体基部209の取付孔213に係止させると共に、ネジ505を貫通孔503を介して固定孔214に固定させることにより、ブラケット5が基台2に固定される。
光源照射ユニット4は、回動可能なプリズム401と、プリズム401の下端部を保持するケース402と、プリズム401の上方側から被せられ、ケース402に取り付けられる保持部材403と、ケース402の中央に形成された貫通孔404を貫通して筒状部203に固定される固定軸405とを有している。保持部材403は、例えば、薄い金属板材を折り曲げて形成され、プリズム401の上面を押さえる上面部403aと、上面部403aの左右両端部から垂下する側面部403bとから構成されている。上面部403aは、ブラケット6の押圧突起604から押圧可能に構成され、両側面部403bは、ケース402に取り付けられる。ケース402下面には、トーションばね9の他端が係止される係止部406と、後述する駆動ユニット8の駆動ギアと噛合するギア部(不図示)が設けられている。光源照射ユニット4においては、駆動ユニット8からの駆動力がギア部を介して伝達されると、プリズム401が回動され、光源ユニット3から出射されるレーザ光の出射方向が規定される。
駆動ユニット8は、光源照射ユニット4を回動させる駆動力を供給する駆動モータ801と、駆動モータ801からの駆動力をケース402に伝達する駆動ギア802とを備えている。
駆動モータ801は、モータ本体803と、モータ本体803の前方側に突出した駆動軸804と、モータ本体803の前方側に設けられたフランジ部805と、モータ本体803に電気信号を供給するためのフラットケーブル806とを有している。この駆動モータ801は、保持片205a,205b間にフランジ部805が配置されると共に、駆動軸804が回転可能に保持された状態で基台2に取り付けられる。駆動軸804には、後述する駆動ギア802の第1ギア部807に噛合する溝部が形成されている。フラットケーブル806は、後方側に引き出され、後述する光源ユニット3の回路基板305の後面に設けられた端子部に接続される。
駆動ギア802は、第1ギア部807と、この第1ギア部807よりも小径の第2ギア部808とから構成され、軸部206に挿通された状態で基台2に取り付けられる。この場合において、駆動ギア802は、第1ギア部807が駆動軸804に噛合すると共に、第2ギア部808がケース402のギア部に噛合する位置に取り付けられている。フラットケーブル806を介して駆動モータ801に電気信号が供給されて駆動軸804が回転すると、第1ギア部807が回転し、これに伴って回転する第2ギア部808の回転に応じてケース402が回転してプリズム401が回動する。
ブラケット6は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、駆動モータ801を覆うようにして基台2に固定されている。ブラケット6は、下方側に開口して駆動モータ801を収容保持する収容部601と、収容部601の下端から側方側に延出した固定部602と、収容部601の後端側に設けられた壁部603と、収容部601の前端部中央から下方に突出した押圧突起604とを有している。
収容部601の両側面には、駆動モータ801のフランジ部805を押圧する一対の押圧片605が設けられている。固定部602には、基台2に設けられた複数の固定孔207に対向する位置にネジ孔606が形成されている。ネジ607をネジ孔606を介して基台2の固定孔207に固定させることにより、固定部602が基台2に固定される。壁部603の後面上端部及び下端部には、後述する光軸調整ユニット7のX軸移動部702をX軸方向にスライド可能に案内する上下一対のガイド部608,609が形成されている(図3参照)。
光軸調整ユニット7は、レーザダイオード303から出射されるレーザ光のXY軸方向における光軸調整を行なう凹レンズ701と、凹レンズ701をX軸方向に移動可能なX軸移動部702と、X軸移動部702と一体的に移動すると共に凹レンズ701をY軸方向に移動可能なY軸移動部703とを有している。
X軸移動部702は、例えば、絶縁性の樹脂材料で概略平板形状に成形され、その中央に正面視矩形状の開口部704が形成されている。X軸移動部702の前面側において、開口部704の上方には、ブラケット6のガイド部608に係合する一対の係合部705が設けられ、開口部704の下方には、ブラケット6のガイド部609に係合する一対の係合部706が設けられている。係合部705をガイド部608に係合させると共に係合部706をガイド部609に係合させた状態でX軸移動部702をスライドさせることにより、X軸方向におけるレーザ光の光軸調整が行われる。また、X軸移動部702の後面側には、Y軸移動部703をY軸方向にスライド可能に案内する左右一対のガイド部707が形成されている。
Y軸移動部703は、例えば、絶縁性の樹脂材料で概略平板状に成形され、その中央に正面視円形状の開口部708が形成されている。凹レンズ701は、開口部708から前面側に露出するように、Y軸移動部703の後面側で保持されている。Y軸移動部703の前面側の上端部両側方には、X軸移動部702の一対のガイド部707に係合する一対の係合部709が設けられている。また、Y軸移動部703の前面側の下端部両側方には、X軸移動部702の一対のガイド部707に係合する一対の係合部710が設けられている。これら係合部709,710をガイド部707に係合させた状態でY軸移動部703をスライドさせることにより、Y軸方向におけるレーザ光の光軸調整が行われる。
次に、上記構成を有するレーザ光源装置1を組み立てる際の工程の一例について説明する。レーザ光源装置1を組み立てる場合、まず、コリメートレンズ301が内部に保持したレンズホルダ302を環状部210の後方側から支持体基部209の挿入孔211に挿入する。そして、レンズホルダ302を挿入孔211に挿入した状態の環状部210の後方に、レーザダイオード303を保持したレーザダイオードホルダ304を支持体基部209の後面にネジ止め固定すると共に、回路基板305を底面部201にネジ止め固定する。そして、レーザダイオード303に対してコリメートレンズ301を位置決めした状態で、レンズホルダ302を支持体基部209に接着固定する。そして、回路基板305の上端部を保持した状態で、ブラケット5を支持体基部209の上面に固定する。
次に、フランジ部805を保持片205a,205bの間に配置すると共に駆動軸804を回転可能に保持させた状態で駆動モータ801を基台2のモータ保持部205に配設し、モータ本体803に接続されたフラットケーブル806を回路基板305の端子部に接続する。そして、第1ギア部807が駆動軸804と噛合するように駆動ギア802を軸部206に取り付ける。次に、基台2の筒状部203の周囲にトーションばね9を配置し、その上から固定軸405を筒状部203に挿通するように光源照射ユニット4を取り付ける。次に、レーザ光源装置1の上方から、収容部601で駆動モータ801を収容するようにして、光軸調整ユニット7が取り付けられたブラケット6を基台2に取り付ける。そして、光軸調整ユニット7のX軸移動部702及びY軸移動部703をスライド移動させて凹レンズ701の位置調整を行うと共に、駆動ユニット8で光源照射ユニット4を回動させることによってプリズム401の角度調整を行う。
このように組み立てられたレーザ光源装置1において、光源ユニット3のレーザダイオードホルダ304に保持されたレーザダイオード303からのレーザ光は、レーザ光出射口307から出射されて、レンズホルダ302に保持されたコリメートレンズ301を通過した後、光軸調整ユニット7の凹レンズ701を通過し、光源照射ユニット4のプリズム401によって規定される方向へと進行して、例えば、レーザディスプレイシステムのディスプレイスクリーンへと導かれる。
また、このように組み立てられる過程において、レーザダイオード303からのレーザ光の光軸が調整される。光軸の調整は、レーザダイオードホルダ304を垂直支持体202に固定する際に行われると共に、レンズホルダ302を垂直支持体202に固定する際に行われる。レーザダイオードホルダ304を垂直支持体202に固定する際にレーザダイオード303とコリメートレンズ301との相対位置が調整される。これにより、コリメートレンズ301におけるレーザ光の入射位置が調整され、レーザ光の照射角度が調整される。また、レンズホルダ302を垂直支持体202に固定する際にレーザダイオード303とコリメートレンズ301との距離が調整される。このようにレーザダイオード303とコリメートレンズ301との距離を調整することでレーザ光の焦点が調整される。
本実施の形態に係るレーザ光源装置1においては、レーザダイオードホルダ304を垂直支持体202に固定する際、光軸と直交する方向にレーザダイオードホルダ304を移動させると共に、レーザ光出射口307の中心点Oを回転軸心として回動させることで、レーザダイオード303とコリメートレンズ301との相対位置を調整可能に構成されている。以下、レーザダイオードホルダ304を垂直支持体202に取り付ける際の方法(レーザ光源固定部材の取付け方法)について説明する。
レーザダイオードホルダ304を垂直支持体202に取り付ける際には、レーザダイオードホルダ304に設けられた直線形状部304c及び円弧形状部304bを、光軸を調整する治具(以下、「光軸調整治具」という)で挟持する。そして、この光軸調整治具を光軸方向と直交する方向に移動すると共に、レーザ光出射口307の中心点Oを回転軸心として回動してレーザダイオードホルダ304を位置調整する。次に、位置調整後の位置でレーザダイオードホルダ304を垂直支持体202に固定する。
図6は、レーザダイオードホルダ304を光軸調整治具で挟持した状態の後面図である。なお、図6においては、説明の便宜上、回路基板305及びこれに接続されるフラットケーブル806等の構成部品を省略している。図6に示すように、光軸調整治具10は、直線形状部304c及び円弧形状部304bをそれぞれ支持する一対の支持部101、102を有している。これらの支持部101、102は、図示しない駆動機構に連結されており、図6に示すX軸、Y軸方向にレーザダイオードホルダ304を移動させると共に、レーザ光出射口307の中心点Oを回転軸心としてレーザダイオードホルダ304を回動させることができるように構成されている。
支持部101は、レーザダイオードホルダ304の直線形状部304cに平面で接触可能に構成された当接部101aを有している。当接部101aは、直線形状部304cと平行な平面を有している。例えば、当接部101aは、直線形状部304cのおよそ1/3の長さの平面部で構成され、直線形状部304cの中央部分に当接可能に構成されている。一方、支持部102は、円弧形状部304bに複数点(本実施の形態では2点)で接触可能な当接部102aを有している。当接部102aは、所定角度を有して円弧形状部304b側に開口した2つの平面(すなわち、円弧形状部304b側に開口したV字形状の平面)で構成され、当該2つの平面の一部で円弧形状部304bの外周面に複数点で接触可能に構成されている。また、レーザダイオードホルダ304の直線形状部304c及び円弧形状部304bに当接した状態において、当接部101aと当接部102aとは、レーザ光出射口307を挟んで対向する位置(より具体的には、当接部101aの中央部と、当接部102aの中央部とを結ぶ直線L2がレーザ光出射口307の中心点Oを通過する位置)に配置されている。
レーザダイオードホルダ304の位置調整(すなわち、X軸、Y軸方向への移動及び回動による位置調整)は、これらの支持部101、102をそれぞれ直線形状部304c及び円弧形状部304bに当接させて挟持した状態で行われる。支持部101、102をそれぞれ直線形状部304c及び円弧形状部304bに当接させて挟持すると、レーザダイオードホルダ304は、図6に示すように、直線形状部304cが支持部101の当接部101aによって平面で支持される一方、円弧形状部304bが支持部102の当接部102aによって直線L2を挟んだ2点で支持される。この場合、レーザダイオードホルダ304は、支持部102の当接部102a内(V字形状の凹部内)に円弧形状部304bの一部が収容された状態で挟持されることから、脱落等を防止して確実に位置調整を行うことが可能となっている。また、V字形状を有する当接部102aを円弧形状部304bに当接させていることから、僅かにレーザダイオードホルダ304がずれていた場合(例えば、レーザ光出射口307の中心点Oを回転軸心に僅かに回動している場合)であっても、レーザダイオードホルダ304の位置を微調整することができるので、レーザダイオードホルダ304を一定位置で挟持することが可能となっている。
このように当接部102a内に円弧形状部304bの一部が収容された状態でレーザダイオードホルダ304が挟持されることから、レーザダイオードホルダ304を保持した状態で図6に示すX軸方向への位置調整を確実に行うことが可能となる。同様に、図6に示すY軸方向への位置調整を行う場合であっても、当接部102a内に円弧形状部304bの一部が収容された状態でレーザダイオードホルダ304が挟持されることから、レーザダイオードホルダ304を保持した状態で図6に示すX軸方向への位置調整を確実に行うことが可能となる。
また、支持部101の当接部101aが直線形状部304cに対して平面で接触した状態でレーザダイオードホルダ304が挟持されることから、光軸調整治具10からの回転力を確実にレーザダイオードホルダ304に伝達することができるので、正確にレーザダイオードホルダ304を回動させることができる。この結果、レーザダイオード303からのレーザ光の光軸を正確に調整することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係るレーザダイオードホルダ304の取付け方法によれば、レーザダイオードホルダ304の一部に設けられた直線形状部304cに光軸調整治具10の支持部101を当接させる一方、直線形状部304cとレーザダイオード303を挟んで反対側の一部に設けられた突出形状部(円弧形状部304b)に光軸調整治具10の支持部102を複数点で当接させて挟持することから、光軸調整治具による被挟持部が平行な一対の直線形状部で構成される場合に比べて適切に挟持し易くすることができるので、光軸調整時におけるレーザダイオードホルダ304の脱落等を防止して所望位置に正確に光軸調整を行うことが可能となる。
特に、本実施の形態に係るレーザダイオードホルダ304の取付け方法においては、光軸調整治具10の支持部102に、所定角度を有して円弧形状部304b側に開口した2つの平面を有する当接部102aを設け、当該当接部102aで円弧形状部304bに当接させている。これにより、所定角度を有して円弧形状部304b側に開口した2つの平面を有する当接部102aを円弧形状部304bに当接させてレーザダイオードホルダ304を挟持することができるので、円弧形状部304bに対して確実に複数点で当接させることができ、適切にレーザダイオードホルダ304を挟持することが可能となる。
また、本実施の形態に係るレーザダイオードホルダ304の取付け方法においては、光軸調整治具10の支持部101に、直線形状部304cに平行な平面を有する当接部101aを設け、当該当接部101aで直線形状部304cに当接させている。これにより、直線形状部304cに平行な平面を有する当接部101aを直線形状部304cに当接させてレーザダイオードホルダ304を挟持することができるので、光軸調整治具101aからの回転力を確実にレーザダイオードホルダ304に伝達することができ、正確にレーザダイオードホルダ304を回動させて光軸調整を行うことが可能となる。
さらに、本実施の形態に係るレーザダイオードホルダ304の取付け方法においては、レーザダイオードホルダ304に円弧形状部304bを設けていることから、所定角度を有して円弧形状部304b側に開口した2つの平面を有する当接部102aとの当接に応じて、レーザダイオードホルダ304の位置を微調整することができるので、レーザダイオードホルダ304を一定位置で挟持することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、光軸調整治具10の支持部101に直線形状部304cに平行な平面を有する当接部101aを設ける場合について説明しているが、支持部101の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、直線形状部304cに1点で当接する当接部を設けるようにしても良い。このように変更した場合においても、上記実施の形態と同様に、図6に示すX軸、Y軸方向に適切にレーザダイオードホルダ304の位置調整を行うことが可能である。但し、光軸調整治具10の回転力を伝達する観点からは、上記実施の形態のように、直線形状部304cに平行な平面を有する当接部101aを設けることが好ましい。
1 レーザ光源装置
2 基台
201 底面部
202 垂直支持体
209 支持体基部
210 環状部
211 挿入孔
211a 外周縁面
212 貫通孔
3 光源ユニット
301 コリメートレンズ
302 レンズホルダ
302a 外周面
303 レーザダイオード
304 レーザダイオードホルダ
304a、304b 円弧形状部
304c 直線形状部
304d 肩部
305 回路基板
306 鍔部
307 レーザ光出射口
308 貫通孔
10 冶具(光軸調整治具)
101、102 支持部
101a、102a 当接部
2 基台
201 底面部
202 垂直支持体
209 支持体基部
210 環状部
211 挿入孔
211a 外周縁面
212 貫通孔
3 光源ユニット
301 コリメートレンズ
302 レンズホルダ
302a 外周面
303 レーザダイオード
304 レーザダイオードホルダ
304a、304b 円弧形状部
304c 直線形状部
304d 肩部
305 回路基板
306 鍔部
307 レーザ光出射口
308 貫通孔
10 冶具(光軸調整治具)
101、102 支持部
101a、102a 当接部
Claims (7)
- レーザ光を発するレーザ光源と、前記レーザ光源を固定するレーザ光源固定部材と、前記レーザ光源固定部材が取り付けられるベース部材とを備えたレーザ光源装置であって、
前記レーザ光源固定部材の一部に直線形状部を設ける一方、当該直線形状部と前記レーザ光源を挟んで反対側の一部に突出形状部を設け、前記直線形状部及び突出形状部を前記レーザ光源の光軸を調整する治具による被挟持部としたことを特徴とするレーザ光源装置。 - 前記突出形状部を円弧形状としたことを特徴とする請求項1記載のレーザ光源装置。
- 前記レーザ光源固定部材を銅又は銅合金で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザ光源装置。
- レーザ光源を固定するレーザ光源固定部材を治具で挟持した状態で位置調整してベース部材に取り付けるレーザ光源固定部材の取付け方法であって、
前記レーザ光源固定部材の一部に設けられた直線形状部に前記治具の一方の支持部を当接させる一方、前記レーザ固定部材の前記直線形状部と前記レーザ光源を挟んで反対側の一部に設けられた突出形状部に前記治具の他方の支持部を複数点で当接させて挟持する工程と、前記治具を移動させて前記レーザ光源固定部材を位置調整する工程と、位置調整後の位置で前記レーザ光源固定部材を前記ベース部材に固定する工程とを具備することを特徴とするレーザ光源固定部材の取付け方法。 - 前記治具の他方の支持部は、所定角度を有して前記突出形状部側に開口した2つの平面を有する当接部を有し、当該当接部で前記突出形状部に当接することを特徴とする請求項4記載のレーザ光源固定部材の取付け方法。
- 前記治具の一方の支持部は、前記直線形状部に平行な平面を有する当接部を有し、当該当接部で前記直線形状部に当接することを特徴とする請求項5記載のレーザ光源固定部材の取付け方法。
- 前記突出形状部を円弧形状としたことを特徴とする請求項5又は請求項6記載のレーザ光源固定部材の取付け方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010116214A JP2011243846A (ja) | 2010-05-20 | 2010-05-20 | レーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010116214A JP2011243846A (ja) | 2010-05-20 | 2010-05-20 | レーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法 |
Publications (1)
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JP2011243846A true JP2011243846A (ja) | 2011-12-01 |
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Family Applications (1)
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JP2010116214A Withdrawn JP2011243846A (ja) | 2010-05-20 | 2010-05-20 | レーザ光源装置及びレーザ光源固定部材の取付け方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011243846A (ja) |
-
2010
- 2010-05-20 JP JP2010116214A patent/JP2011243846A/ja not_active Withdrawn
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