JP2012000807A - 透明導電性積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明高分子基板の少なくとも一方の面に透明導電層が形成されてなる透明導電性積層体において、前記透明高分子基板が脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む。
【選択図】なし
Description
しかし、これら樹脂は、有限資源である石油を出発原料としているため、石油資源枯渇の問題が危惧されている。
即ち、本発明の目的は、
1.透明高分子基板の少なくとも一方の面に透明導電層が形成されてなる透明導電性積層体において、前記透明高分子基板が脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)と、カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)とを含むことを特徴とする透明導電性積層体によって達成される。
2.C成分が下記式(1)で表される前記1記載の透明導電性積層体。
3.Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である前記2記載の透明導電性積層体。
4.C成分が、下記式(2)で表される前記2記載の透明導電性積層体。
5.Qaは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である前記4記載の透明導電性積層体。
6.C成分が、下記式(3)で表される前記2記載の透明導電性積層体。
7.Qbは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基である前記6記載の透明導電性積層体。
8.Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである前記6または7記載の透明導電性積層体。
9.C成分が、下記式(4)で表される前記2記載の透明導電性積層体。
10.Qcは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基である前記9記載の透明導電性積層体。
11.Z1およびZ2は各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである前記9または10記載の透明導電性積層体。
12.脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)がポリ乳酸系樹脂である、前記1〜11のいずれか記載の透明導電性積層体。
13.脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)がステレオコンプレックスポリ乳酸系樹脂である、前記1〜12のいずれか記載の透明導電性積層体。
14.前記透明高分子基板と前記透明導電層との間にコート層が形成されている、前記1〜13のいずれか記載の透明導電性積層体。
15.前記透明高分子基板の前記透明導電層が形成された面と他方の面にコート層が形成されている、前記1〜14のいずれか記載の透明導電性積層体。
16.前記透明高分子基板の面内位相差Reが20nm以下である、前記1〜15のいずれか記載の透明導電性積層体。
前記1〜15のいずれかに記載の透明導電性積層体を有するタッチパネル、
また、脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む、導電性積層体用透明高分子基板も包含される。
<透明導電性積層体>
本発明の透明導電性積層体は、透明高分子基板の少なくとも一方の面に透明導電層が形成されて、前記透明高分子基板が脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む。
また、本発明の透明導電性積層体は、透明高分子基板(第1の基板)上の透明導電層が形成された面と他方の面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層していてもよい。
本発明の透明導電性積層体に用いられる透明高分子基板は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む。
中でも、脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)がポリ乳酸である場合には、相溶性が良く、また屈折率が近いという観点からアクリル系樹脂、とりわけ、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)以外にも目的とする光学特性、機械特性を損なわない範囲で、公知の有機材料、無機材料が添加されてもよい。
本発明において、脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族多価アルコールを主成分として重縮合してなる重合体やそれらの共重合体が例示される。
ステレオコンプレックスポリ乳酸のステレオコンプレックス結晶化度(S)は示差走査熱量計(DSC)測定で、190℃未満に観測されるポリ乳酸ホモ結晶融解熱(ΔHmh)、190℃以上に観測されるポリ乳酸ステレオコンプレックス結晶融解熱(ΔHmsc)より下記式により求められる値である。
(S)=〔ΔHmsc / (ΔHmh + ΔHmsc)〕×100
ステレオコンプレックス結晶化度(S)が90%以上である透明高分子基板を用いることにより、透明性を高く保つことができる。また、耐熱性も高いものとなる。
例えば、L‐ラクチドまたはD‐ラクチドを金属含有触媒の存在下、開環重合することにより製造することができる。また金属含有触媒を含有する低分子量のポリ乳酸を、所望により結晶化させた後、あるいは結晶化させることなく、減圧下または常圧から加圧下、不活性ガス気流の存在下、あるいは非存在下、固相重合させ製造することもできる。さらに有機溶媒の存在または非存在下、乳酸を脱水縮合させる直接重合法により製造することができる。
かかる失活剤としては例えばイミノ基を有し且つ重合金属触媒に配位し得るキレート配位子の群からなる有機リガンド及びジヒドリドオキソリン(I)酸、ジヒドリドテトラオキソ二リン(II,II)酸、ヒドリドトリオキソリン(III)酸、ジヒドリドペンタオキソ二リン(III)酸、ヒドリドペンタオキソ二(II,IV)酸、ドデカオキソ六リン(III)酸、ヒドリドオクタオキソ三リン(III,IV,IV)酸、オクタオキソ三リン(IV,III,IV)酸、ヒドリドヘキサオキソ二リン(III,V)酸、ヘキサオキソ二リン(IV)酸、デカオキソ四リン(IV)酸、ヘンデカオキソ四リン(IV)酸、エネアオキソ三リン(V,IV,IV)酸等の酸価数5以下の低酸化数リン酸、式 xH2O・yP2O5で表され、x/y=3のオルトリン酸、2>x/y>1であり、縮合度より二リン酸、三リン酸、四リン酸、五リン酸等と称せられるポリリン酸及びこれらの混合物、x/y=1で表されるメタリン酸、なかでもトリメタリン酸、テトラメタリン酸、1>x/y>0で表され、五酸化リン構造の一部をのこした網目構造を有するウルトラリン酸(これらを総称してメタリン酸系化合物と呼ぶことがある。)、及びこれらの酸の酸性塩、一価、多価のアルコール類、あるいはポリアルキレングリコール類の部分エステル、完全エスエテル、ホスホノ置換低級脂肪族カルボン酸誘導体などが例示される。
具体的には、ポリ乳酸は、300℃を超える温度で成形を行うと樹脂の熱分解のためフィルム品が着色し、商品としての価値が低いものとなってしまう可能性が高い。
従ってポリ乳酸の重量平均分子量は、好ましくは8万から50万、より好ましくは10万から40万、さらに好ましくは13万から30万である。
すなわち、例えば、ステレオコンプレックス結晶化促進剤として下記式で表されるリン酸金属塩を添加する手法が挙げられる。
これらのリン酸金属塩は、(株)ADEKA製の商品名、「アデカスタブ」NA−11、NA−71等が好適な剤として例示される。
結晶化核剤の使用量は、ポリ乳酸に対し0.03〜5wt%、より好ましくは0.04〜2wt%、さらに好ましくは0.05〜1wt%の範囲が選択される。
まず、本発明において特徴的な成分である、カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)について説明する。C成分は環状構造を有する(以下、C成分を環状カルボジイミド化合物と略記することがある。)。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。
結合基(Q)は、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基であることが好ましい。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(2)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(a)」ということがある。)を挙げることができる。
かかる環状カルボジイミド化合物(a)としては、以下の化合物が挙げられる。
さらに、本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(3)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(b)」ということがある。)を挙げることができる。
Qbは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であることが好ましい。
Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(b)としては、下記化合物が挙げられる。
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(4)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(c)」ということがある。)を挙げることができる。
脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(4)の化合物において、Qcは4価である。従って、これらの基の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
Qcは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であることが好ましい。
かかる環状カルボジイミド化合物(c)としては、下記化合物を挙げることができる。
本発明において、環状カルボジイミド化合物の製造方法は特に限定無く、従来公知の方法により製造することができる。例として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からトリフェニルホスフィン体を経由して製造する方法、アミン体から尿素体を経由して製造する方法、アミン体からチオ尿素体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法、ラクタム体を誘導して製造する方法などが挙げられる。
Medium−and Large−Membered Rings from Bis(iminophosphoranes):An Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.61,No.13,4289−4299,1996.
New Models for the Study of the Racemization Mechanism of Carbodiimides.Synthesis and Structure(X−ray Crystallography and 1H NMR) of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.43,No8,1944−1946,1978.
Macrocyclic Ureas as Masked Isocyanates, Henri Ulrich etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.48,No.10,1694−1700,1983.
Synthesis and Reactions of Cyclic Carbodiimides,R.Richteretal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.59,No.24,7306−7315,1994.
A New and Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides from Bis(iminophosphoranea)and the System Boc2O/DMAP,Pedro Molina etal.
(上記式中、Ar1およびAr2は各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい芳香族基である。E1およびE2は各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基およびメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。Araは、フェニル基である。Xは、下記式(i−1)から(i−3)の結合基である。)
本発明の透明導電性積層体では、透明高分子基板の少なくとも一方の面上に透明導電層が配置されている。
本発明において、導電層を構成する材料としては、特に制限は無いが、例えば金属層、結晶質や非晶質の金属化合物、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン,ポリチオフェン,ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロール,ポリアニリン,ポリアセン、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子等を用いたうち、透明導電層を形成できる導電材料を挙げることができるが、中でも例えば結晶質の金属層あるいは結晶質の金属化合物を挙げることができる。透明導電層を構成する具体的な成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物が挙げられる。これらのうち酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であることが好ましく、特に結晶質のITO(Indium Tin Oxide)からなる層が好ましく用いられる。
透明導電層が結晶質の膜でない場合には、タッチパネルに要求される摺動耐久性や環境信頼性が低下することがある。
本発明の透明導電性積層体では、透明高分子基板と透明導電層との間にコート層が形成されていてもよい。 本発明に用いられるコート層を構成する材料としては無機材料や硬化性樹脂等の有機材料が挙げられる。硬化性樹脂としては、例えば、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート系放射線硬化性樹脂、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のケイ素アルコキシドの重合体やエーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化性樹脂、フェノキシ系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂等がある。これらの中でも、多官能アクリレート系樹脂等の放射線硬化性樹脂は、放射線の照射により比較的短時間に架橋度の高い層がコート層として得られることから、製造プロセスへの負荷が少なくまた層の強度が強い特徴があり、最も好ましく用いられる。
さらに本発明のコート層にはアンチグレア性、アンチニュートンリング性、易滑性、帯電防止性の付与などを目的として無機系、有機系を問わず公知の粒子を添加してもよい。
もちろん、これらのコート層は透明高分子基板と透明導電層との間のみならず、透明導電層が形成された他方の面に形成されて、ハードコート性、アンチグレア性、易滑性などを透明導電性積層体に付与させてもよい。
(1)ポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn):
ポリマーの重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、標準ポリスチレンに換算した。GPC測定機器は、検出器;示差屈折計((株)島津製作所製)RID−6Aカラム;東ソ−(株)TSKgelG3000HXL、TSKgelG4000HXL,TSKgelG5000HXLとTSKguardcolumnHXL−Lを直列に接続したもの、あるいは東ソ−(株)TSKgelG2000HXL、TSKgelG3000HXLとTSKguardcolumnHXL−Lを直列に接続したものを使用した。
クロロホルムを溶離液とし温度40℃、流速1.0ml/minにて、濃度1mg/ml(1%ヘキサフルオロイソプロパノールを含むクロロホルム)の試料を10μl注入し測定した。
DSC2920 Modulated DSC(TA Instruments社製)を用いて、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
日本電色(株)製ヘーズメーター(MDH2000)を用いて測定した。
アンリツ社製の電子マイクロで測定した。
合成した環状カルボジイミド化合物は1H−NMR、13C−NMRによって確認した。NMRは日本電子(株)製の商品名『JNR−EX270』を使用した。溶媒は重クロロホルムを用いた。
合成した環状カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格の有無は、FT−IRによりカルボジイミドに特徴的な2100〜2200cm−1の確認を行った。FT−IRはサーモニコレー(株)製の商品名『Magna−750』を使用した。
試料を、160℃で5分間加熱し、熱分解GC/MS分析によりイソシアネートガスの発生有無を確認した。GC/MSは日本電子(株)製GC/MS Jms Q1000GC K9を使用した。
試料を、温度85℃、湿度85%RHの環境下に24時間放置し、外観不良や端面からの剥離などの異常がないものは○、問題があるものは×とした。
イソシアネートガスの発生テストにおいて、イソシアネートガス発生がなく、耐加水分解性の評価結果が○のものを○とし、それ以外のものは×とした。
L−ラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、撹拌翼のついた反応機にて180℃で2時間反応させ、オクチル酸スズに対し1.2倍当量のリン酸を添加しその後、13.3Paで残存するラクチドを減圧除去し、チップ化し、ポリL−乳酸を得た。得られたポリL−乳酸の重量平均分子量は15.2万、ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は175℃であった。
ポリL−乳酸の製造において、L−ラクチドをD−ラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)に変更したこと以外は同じ条件で重合を行い、ポリD−乳酸を得た。得られたポリD−乳酸の重量平均分子量(Mw)は15.1万、ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は175℃であった。
上記操作で得られたポリL−乳酸とポリD−乳酸とを各50重量部およびリン酸金属塩((株)ADEKA製「アデカスタブ」NA−71:0.1重量部)を、2軸混練装置の第一供給口より供給、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ステレオコンプレックスポリ乳酸(A1)を得た。ステレオコンプレックス結晶化度(S)は100%、ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は216℃であった。
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを撹拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物L(ニトロ体)を得た。
(1)透明高分子基板用材料(E1)
ステレオコンプレックスポリ乳酸(A1)を100重量部、環状カルボジイミド化合物(C1)を1重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して透明高分子基板用材料(E1)を得た。
ステレオコンプレックスポリ乳酸(A1)を80重量部、三菱レイヨン(株)製のポリメチルメタクリレートである商品名「アクリペットVH001」を20重量部、環状カルボジイミド化合物(C1)を1重量部をブレンダーで混合、100℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して透明高分子基板用材料(E2)を得た。
ステレオコンプレックスポリ乳酸(A1)を100重量部、日清紡ケミカル(株)製「カルボジライト」LA−1(LA1)を1重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して透明高分子基板用材料(E3)を得た。
(1)透明高分子基板(B1)の製造:
透明高分子基板用材料(E1)を110℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度230℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、40℃の冷却ドラム表面に密着、固化させた後、未延伸フィルム(F1)を得た。厚みは110μmであった。その後、この未延伸フィルム(F1)を温度70℃で横1.1倍に延伸した後、同設備にて115℃にて熱固定を実施することにより、厚み100μm、ヘイズ0.18%の透明高分子基板(B1)を得た。ステレオコンプレックス結晶化度(S)は100%、ポリ乳酸ステレオコンプレックス結晶のピーク熱量(ΔHcsc)は確認されず、ステレオコンプレックスポリ乳酸からなることを確認した。Re値は8nmであった。当該基板の製造時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
透明高分子基板用材料(E2)を105℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度230℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、40℃の冷却ドラム表面に密着、固化させた後、未延伸フィルム(F2)を得た。厚みは250μmであった。その後、この未延伸フィルム(F2)を温度75℃で縦2.0倍、横1.8倍に延伸した後、同設備にて115℃にて熱固定を実施することにより、厚み100μm、ヘイズ0.11%の透明高分子基板(B2)を得た。ステレオコンプレックス結晶化度(S)は100%、ポリ乳酸ステレオコンプレックス結晶のピーク熱量(ΔHcsc)は確認されず、ステレオコンプレックスポリ乳酸からなることを確認した。Re値は3nmであった。当該基板の製造時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
ステレオコンプレックスポリ乳酸(A1)を110℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度230℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、40℃の冷却ドラム表面に密着、固化させた後、未延伸フィルム(F3)を得た。膜厚は190μmであった。その後、この未延伸フィルム(F1)を温度70℃で縦1.6倍、横1.5倍に延伸した後、同設備にて115℃にて熱固定を実施することにより、厚み100μm、ヘイズ0.10%の透明高分子基板(B1)を得た。Re値は12nmであった。当該基板の製造時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
透明高分子基板用材料(E3)を110℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度230℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、40℃の冷却ドラム表面に密着、固化させた後、未延伸フィルム(F4)を得た。厚みは190μmであった。その後、この未延伸フィルム(F1)を温度70℃で縦1.6倍、横1.5倍に延伸した後、同設備にて115℃にて熱固定を実施することにより、厚み100μm、ヘイズ0.19%の透明高分子基板(B4)を得た。当該基板の製造時にイソシアネート臭が認められた。
透明高分子基板(B1)上に東亞合成(株)社製「アロニックス」M−215を100重量部、平均一次粒子径が約30nmであるシーアイ化成(株)社製SiO2超微粒子の10重量%イソプロピルアルコール分散液を15重量部(固形分換算)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製イルガキュア184を5重量部をイソブチルアルコールで適宜粘度調整した塗液をワイヤーバーで塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した後、紫外線ランプで120mW/cm2、400mJ/cm2の紫外線を照射し、厚み約3μmのコート層を形成した。
このコート層の上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム− 酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法により透明導電層を形成した。形成された透明導電層の厚さは約20nmであった。さらに120℃60分間の熱処理を行い、透明導電層を結晶化させ、透明導電性積層体を得た。
透明高分子基板(B1)のかわりに透明高分子基板(B2)を用い、両面にコート層を形成した以外は実施例1と同様の方法にて透明導電性積層体を得た。
透明高分子基板(B1)のかわりに透明高分子基板(B3)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて透明導電性積層体を得た。
透明高分子基板(B1)のかわりに透明高分子基板(B4)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて透明導電性積層体を得た。
Claims (18)
- 透明高分子基板の少なくとも一方の面に透明導電層が形成されてなる透明導電性積層体において、前記透明高分子基板が脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)と、カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)とを含むことを特徴とする透明導電性積層体。
- Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である請求項2記載の透明導電性積層体。
- Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである請求項6または7記載の透明導電性積層体。
- Z1およびZ2は各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである請求項9または10記載の透明導電性積層体。
- 脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)がポリ乳酸系樹脂である、請求項1〜11のいずれか記載の透明導電性積層体。
- 脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)がステレオコンプレックスポリ乳酸系樹脂である、請求項1〜12のいずれか記載の透明導電性積層体。
- 前記透明高分子基板と前記透明導電層との間にコート層が形成されている請求項1〜13のいずれか記載の透明導電性積層体。
- 前記透明高分子基板の前記透明導電層が形成された面と他方の面にコート層が形成されている請求項1〜14のいずれか記載の透明導電性積層体。
- 前記透明高分子基板の面内位相差Reが20nm以下である請求項1〜15のいずれか記載の透明導電性積層体。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の透明導電性積層体を有するタッチパネル。
- 脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む、導電性積層体用透明高分子基板。
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