JP2006274182A - 光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物 - Google Patents

光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006274182A
JP2006274182A JP2005099200A JP2005099200A JP2006274182A JP 2006274182 A JP2006274182 A JP 2006274182A JP 2005099200 A JP2005099200 A JP 2005099200A JP 2005099200 A JP2005099200 A JP 2005099200A JP 2006274182 A JP2006274182 A JP 2006274182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polylactic acid
weight
parts
optical
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005099200A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yamamoto
実 山本
Jun Yonezawa
順 米沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2005099200A priority Critical patent/JP2006274182A/ja
Publication of JP2006274182A publication Critical patent/JP2006274182A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】透明性に優れ、引張特性が改良された光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた光学材料用成形体を提供すること。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の合計量100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂(a)を99.9〜80重量部およびポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を0.1〜20重量部含有する光学材料用ポリ乳酸樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック製のレンズ、プリズム、 光ファイバー、光学フィルム、光学シート、フィルター、光ディスク基板などに用いられる光学特性に優れた光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体に関する。
光学用素材として透明樹脂が注目され、その軽量性、耐衝撃性、易成形加工性などの利点ゆえに光学レンズ、フィルム、プリズム、光ディスク基板などに利用されている。
ポリ乳酸系樹脂は、生分解性樹脂であり環境適応型材料として現在広く認知されているが、光学特性にも優れており、全光線透過率が90%以上、固有複屈折値が0.033と低く、光学用表面保護フィルムや光ディスク基板など光学材料用途への応用が期待されている(例えば特許文献1参照)。
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及び乳酸ポリマーまたはコポリマーに関して、環境分解性溶融紡糸繊維ならびにその不織布ウエブや使い捨て物品、さらには、環境分解性フィルム又は積層体の使い捨て物品への応用が記載されている(例えば特許文献2、特許文献3参照)。いずれの特許文献にも光学材料に関する言及はみられない。
特開2004−34631号公報 特表2004−532360号公報 特表2004−536897号公報
本発明は、透明性に優れ、引張特性が改良された光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた光学材料用成形体を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、ポリ乳酸系樹脂にポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを添加してなる樹脂組成物から得られる成形体が透明性を失うことなく、柔軟性を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の合計量100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂(a)を99.9〜80重量部およびポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を0.1〜20重量部含有することを特徴とする光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物、
[2] ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の合計量100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂(a)を99.9〜80重量部、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を0.1〜20重量部、末端封鎖剤であるカルボジイミド化合物0.1〜10重量部を含有することを特徴とする光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物、
[3] ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)が第一のモノマー単位と第二のモノマー単位からなる2元ランダム共重合体であって、下記構造(I)の第一のモノマー単位を95〜2モル%と、下記構造(II)の第二のモノマー単位を5〜98モル%とからなり、且つ数平均分子量が5,000〜500,000であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物、
Figure 2006274182
(式中、RはH、またはC1もしくはC2アルキルであり、nは1または2である。)
Figure 2006274182
(式中、RはC3〜C19アルキルまたはC3〜C19アルケニルである。)
[4] カルボジイミド化合物が2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの縮合物であることを特徴とする[2]記載の光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物、
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物を成形して得られる光学材料用成形体、
[6] 成形体がフィルム、シート又はファイバーである[5]記載の光学材料用成形体、
である。
本発明により、透明性に優れ、引張特性が改良された光学材料用のポリ乳酸系樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた光学材料用成形体の提供が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
本発明に使用するポリ乳酸系樹脂(a)としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体であるが、本発明の目的である光学特性を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよく、0.1〜30重量%を含むことが好ましい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。これらの共重合成分は、単独ないし2種以上を用いることができる。
ポリ乳酸系樹脂の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを採用することができる。本発明におけるポリ乳酸は乳酸、すなわちL−乳酸、D−乳酸を主とする重合体である。ポリ乳酸系樹脂において、L−乳酸単位と、D−乳酸単位の構成モル比は、L−体とD−体あわせて100%に対し、L体ないしD体いずれかが85%以上が好ましく、更に好ましくは一方が90%以上であり、更に好ましくは一方が94%以上の重合体である。本発明においてはL−乳酸を主体とするポリL乳酸とD−乳酸を主体とするポリD乳酸を同時に用いることもできる。
ポリ乳酸系樹脂は、直接脱水縮合、ラクチドの開環重合等公知の重合法で重合することが出来る。また必要に応じてポリイソシアネートや等の結合剤を用いて、高分子量化することも出来る。
ポリ乳酸系樹脂に含まれる低分子微量成分である乳酸やその他の酸などは、残存することにより黄変着色の原因となるため、含量は5000重量ppm以下が好ましく、より好ましくは1000重量ppm以下、最も好ましくは500重量ppm以下である。
ポリ乳酸系樹脂の好ましい重量平均分子量範囲は、機械的性質の観点から重量平均分子量が30,000以上であることが好ましく、加工性の観点から1000,000以下であることが好ましい。更に好ましくは50,000〜500,000、最も好ましくは100,000〜280,000である。
本発明におけるポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)は、下記構造(I)で表される第一のモノマー単位と下記構造(II)で表される第二のモノマー単位の2つのランダムに反復するモノマー単位から構成されるものが好ましい。
第一のモノマー単位は下記構造(I)で表され、
Figure 2006274182
[式中、R1はH、又はC1若しくはC2アルキルであり、nは1又は2である。]
第一のモノマー単位としては、Rが、C1アルキル、即ちメチル基(CH3)であるモノマー単位が好ましく、Rがメチル基で、nが1であるモノマー単位がより好ましい。即ち、第一のモノマー単位が3−ヒドロキシブチレート単位であるポリヒドロキシアルカノエートコポリマーがより好ましい。
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーに包含される第二のモノマー単位としては、以下の構造(II)で表され、
Figure 2006274182
[式中、RはC3〜C19アルキル又はC3〜C19アルケニルである。]
第二のモノマーとしては、柔軟性および延性の向上の観点からRはC3〜C13アルキルまたはC3〜C13アルケニルであることが好ましく、さらに好ましくは、RはC3〜C9アルキルまたはC3〜C9アルケニル基である。具体的には、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシ−5−シス−ドデケニルレート単位が挙げられる。
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー中の第一のモノマー単位と第二のモノマー単位のモル比(第一のモノマー単位:第二のモノマー単位)は、約95:5〜約2:98の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、モル比が約50:50〜約2:98の範囲にあり、特に好ましくは、モル比が約20:80〜約2:98の範囲である。脆性の点から第一のモノマー単位の含有量は95モル%以下が好ましく、製造の困難性の点から第二のモノマー単位の含有量は98モル%以下が好ましい。柔軟性付与の効果の一つである引張伸度の向上を図るには、該コポリマー中に長い側鎖を含む第二のモノマー単位をより多く含むことであり、さらには該コポリマー中に含まれる第二のモノマー単位がより長い側鎖を有することである。引張伸度の向上を図ることができる。
第二のモノマー単位は、具体的に挙げた3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシ−5−シス−ドデケニルレート単位の中から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましく、複数個のモノマー単位を含んでいても構わない。
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、数平均分子量で5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは50,000〜500,000、特に好ましくは100,000〜500,000の範囲である。
本発明においては、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの使用は必須であり、第一のモノマー単位と第二のモノマー単位からなるポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの使用が好ましい。この第一のモノマー単位と第二のモノマー単位からなるポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは1種で用いても2種以上組み合わせて用いても良く、他の構造を有しているモノマー単位からなるポリヒドロキシアルカノエートコポリマーと組合せて用いても良く、例えば、第一のモノマー単位からのみなる3−ヒドロキシブチレートのホモポリマーを含んでいても構わない。
生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、例えば、ノダ(Noda)によって米国特許第5,618,855号明細書に、及びノダ(Noda)らによって米国特許第5,942,597号明細書に開示されているように化学的又は生物学的方法により合成することができる。
本発明の光学材料用樹脂組成物において、ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の配合割合は、ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の合計量100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂(a)を99.9〜80重量部、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を0.1〜20重量部配合することが必要であり、ポリ乳酸系樹脂(a)を98.0〜85重量部、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を2.0〜15重量部配合することが好ましく、ポリ乳酸系樹脂(a)を95.0〜90重量部、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を5.0〜10重量部配合することがより好ましい。ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の配合量は柔軟性の付与の点から0.1重量部以上であり、透明性の観点から20重量部以下であることが必要である。
また光学特性を損なわない範囲であれば、ポリ乳酸系樹脂に、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステルまたはその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの芳香族ポリエステルまたはそれらの共重合体、またはメタクリル酸メチル単独重合体と他のアクリル酸エステル類との共重合体などのアクリル系樹脂の混合物を添加したものも使用でき、光学材料用樹脂組成物として適用できる。
本発明で使用するカルボジイミド化合物は、少なくとも分子中に1個以上のカルボジイミド基を有しており、一般的に良く知られた方法で合成されたものを使用することができ、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネートを約70度以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応に付することより合成することができるものを挙げることができる。
上記カルボジイミド化合物に含まれるモノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を例示することができる。
上記カルボジイミド化合物に含まれるポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には従来のポリカルボジイミドの製造方法(米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review l981,Vol.81 No.4、p619−621)により製造したものを用いることができる。
合成原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、等を挙げることができる。さらにはウレタンフォーム用原料として利用されているポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等を例示することができる。
これらのカルボジイミド化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択してポリ乳酸系樹脂のカルボキシル末端基を封鎖すればよいが、黄変を低減する透明性の観点で本発明に適しているのは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートから選ばれる1種又は2種との縮合物であり、最も適しているのは、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの縮合物である。
末端封鎖剤であるカルボジイミド化合物は、ポリ乳酸系樹脂とポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部配合することが好ましく、より好ましくは0.2〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部を配合する。カルボジイミド化合物の配合量が0.1重量部以上であれば、ポリ乳酸系樹脂の末端を充分に封鎖することができ、熱が加えられることによるポリ乳酸系樹脂の加水分解を阻止することが可能となり、黄変着色の原因となる低分子微量成分である乳酸やその他の酸などの発生を阻止することができる。また、10重量部以下であれば、未反応のカルボジイミドが原因となって生じる、樹脂成型時における未反応のカルボジイミドの分解および/または気化による成形品の耐熱性の低下や成形品の表面にシルバーが走ることによる黄変着色等の問題もない。
また、ポリカルボジイミド化合物を使用した場合、上記の末端封鎖剤としての効果の他に、ポリ乳酸系樹脂とポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの末端同士をカップリングして繋げることにより、引張伸度がさらに向上する効果が見られる。
光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物には、光学性能に影響を与えない範囲で必要に応じて、熱可塑性樹脂および硬化性オリゴマー、各種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、防カビ剤、可塑剤、粘性付与剤、抗酸化剤等の添加剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、さらにはインジュウムチタン酸化物や酸化亜鉛などの金属酸化物等その他の無機、有機充填材を添加することができる。抗酸化剤としては、例えばビタミンE,ビタミンC,ポリフェノール類、タンニン、没食子酸などが挙げられる。
本発明の成形体の製造方法としては、特に制限を受けないが、ポリ乳酸系樹脂とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、さらにはカルボジイミド化合物を前記組成比率で配合し、溶融混練してこれをプラスチック製のレンズ、プリズム、光ファイバー、光学フィルム・シート、フィルター、ディスク基板等の各種成形体を成形することにより光学材料用成形体を得ることができる。
使用する溶融混練機または成形機については、公知のものが問題なく使用できる。例えば溶融混練機としては押出機、ニーダー、ロール、スタティックスミキサー等が成形機としては、押出成形機、圧縮成形機、真空成形機、ブロー成形機、Tダイ型成形機、射出成形機、インフレーション成形機等が挙げられる。
フィルム、シートは、厚さの違いのみであり、フィルムは300μm以下の厚さのものを言い、シートは300μmを超えるものである。また、本発明において、フィルムは望ましくは1μm以上、より望ましくは5μm以上であり、シートは、望ましくは10mm以下、より望ましくは5mm以下の厚さである。
本発明の光学材料用成形体は、他の光学性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂(PMMA),ポリスチレン(PS)、環状オレフィン樹脂(COP)などと構造部品として組み立てたり、シート状もしくフィルム状で積層したりして使用することもできる。
発明の成形体は光学材料として、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板等の位相差板、視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、レンズ等、また、太陽電池に用いられる透明基盤等に好適に用いることができる。その他にも、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバーなどにも用いることができる。本発明の成形体による光学材料は、例えば反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理をすることもできる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
なお、実施例中における「%」および「重量部」は、特に断りのない限り重量基準を示す。
本願発明および実施例で用いた評価法をまず説明する。
評価法
(I)全光線透過率
ヘーズメーター NDH2000(日本電色工業(株)社製)を用いて測定した。
(II)YIの測定
スガ試験機器(株)社製の多光源分光測色系を用いて測定を行った。
(III)フィルムの引張試験
JIS K 7113に準拠して評価した。
[実施例1および2]
ポリ乳酸系樹脂:カーギル・ダウ(株)社製NatureWorks 4040D(重量平均分子量 約18万)を用い、ホッパードライヤーで60℃、1時間乾燥した後、さらに真空乾燥機で60℃、24時間乾燥し、微量不純物を除去した。
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー:ザ プロテクター アンド ギャンブル(株)社製Nodax(3−ヒドロキシブチレート単位 87.21モル%、3−ヒドロキシヘキサノエート単位 12.79モル%)を粉砕して用い、真空乾燥機で60℃で24時間乾燥した。
東洋精機製ラボプラストミルミキサー成形機に表1に記載の量を投入した。混錬温度は170℃、混錬時間は3分間行い、樹脂組成物を取り出した。熱プレス機で180℃で溶融し、水冷プレスにて急冷しフィルム(厚み100μmに調整)を得た。
[実施例3]
ポリ乳酸系樹脂とポリヒドロキシアルカノエートコポリマーにカルボジイミド化合物として2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの縮合物(日清紡績(株)社製 カルボジライト LA−1)をポリ乳酸系樹脂とポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの合計量100重量部に対して1重量部を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
[比較例]
あらかじめ乾燥したポリ乳酸系樹脂のペレットのみを実施例1と同様の操作を行った。
Figure 2006274182
本発明の光学材料用成形体は、透明でかつ柔軟性の改良された成形体であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板等の位相差板、視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、レンズ等、また、太陽電池に用いられる透明基盤等に好適に用いることができる。その他にも、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバーなどにも用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の合計量100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂(a)を99.9〜80重量部およびポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を0.1〜20重量部含有することを特徴とする光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物。
  2. ポリ乳酸系樹脂(a)とポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)の合計量100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂(a)を99.9〜80重量部、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)を0.1〜20重量部、末端封鎖剤であるカルボジイミド化合物0.1〜10重量部を含有することを特徴とする光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物。
  3. ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(b)が第一のモノマー単位と第二のモノマー単位からなる2元ランダム共重合体であって、下記構造(I)の第一のモノマー単位を95〜2モル%と、下記構造(II)の第二のモノマー単位を5〜98モル%とからなり、且つ数平均分子量が5,000〜500,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物。
    Figure 2006274182
    (式中、RはH、またはC1もしくはC2アルキルであり、nは1または2である。)
    Figure 2006274182
    (式中、RはC3〜C19アルキルまたはC3〜C19アルケニルである。)
  4. カルボジイミド化合物が2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの縮合物であることを特徴とする請求項2記載の光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物を成形して得られる光学材料用成形体。
  6. 成形体がフィルム、シート又はファイバーである請求項5記載の光学材料用成形体。
JP2005099200A 2005-03-30 2005-03-30 光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物 Pending JP2006274182A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005099200A JP2006274182A (ja) 2005-03-30 2005-03-30 光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005099200A JP2006274182A (ja) 2005-03-30 2005-03-30 光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006274182A true JP2006274182A (ja) 2006-10-12

Family

ID=37209233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005099200A Pending JP2006274182A (ja) 2005-03-30 2005-03-30 光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006274182A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2272886A1 (en) 2009-07-06 2011-01-12 Ricoh Company, Ltd. Copolymer resin composition, molded product, and method of manufacturing a copolymer resin composition
EP3190134A1 (de) * 2016-01-11 2017-07-12 GKT Gräfenthaler Kunststofftechnik GmbH Reaktionsspritzgussmasse, deren verwendung sowie verfahren zu ihrer verarbeitung
WO2020066679A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 株式会社カネカ 樹脂組成物およびその成形体
WO2023008959A1 (ko) * 2021-07-30 2023-02-02 씨제이제일제당(주) 폴리하이드록시알카노에이트(pha) 분산액 및 이의 제조 방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2272886A1 (en) 2009-07-06 2011-01-12 Ricoh Company, Ltd. Copolymer resin composition, molded product, and method of manufacturing a copolymer resin composition
US8445628B2 (en) 2009-07-06 2013-05-21 Ricoh Company, Ltd. Copolymer resin composition, molded product, and method of manufacturing a copolymer resin composition
EP3190134A1 (de) * 2016-01-11 2017-07-12 GKT Gräfenthaler Kunststofftechnik GmbH Reaktionsspritzgussmasse, deren verwendung sowie verfahren zu ihrer verarbeitung
WO2020066679A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 株式会社カネカ 樹脂組成物およびその成形体
CN112703227A (zh) * 2018-09-28 2021-04-23 株式会社钟化 树脂组合物及其成形体
JPWO2020066679A1 (ja) * 2018-09-28 2021-08-30 株式会社カネカ 樹脂組成物およびその成形体
JP7383264B2 (ja) 2018-09-28 2023-11-20 株式会社カネカ 樹脂組成物およびその成形体
CN112703227B (zh) * 2018-09-28 2024-07-05 株式会社钟化 树脂组合物及其成形体
WO2023008959A1 (ko) * 2021-07-30 2023-02-02 씨제이제일제당(주) 폴리하이드록시알카노에이트(pha) 분산액 및 이의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8586658B2 (en) Polylactic acid resin composition and molded item
EP1795561B1 (en) Resin composition and molding thereof
EP1544250B1 (en) Flame-retardant resin composition and flame-retardant injection molding
KR101546978B1 (ko) 필름
US20060142505A1 (en) Aliphatic polyester composition and its molded article
JP4303993B2 (ja) 射出成形体
JPWO2006077776A1 (ja) 光学材料用樹脂組成物
JP4320219B2 (ja) 繊維強化成形体
KR101225944B1 (ko) 천연 보강제 강화 폴리유산 복합 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
JP2009209233A (ja) 生分解性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形体
JP2007308660A (ja) 樹脂組成物および射出成形体
WO2011043187A1 (ja) 眼鏡成形体、その製造方法、及び眼鏡
JP2006274182A (ja) 光学材料用ポリ乳酸系樹脂組成物
JP2006259313A (ja) 光学材料用成形体
JP2004143203A (ja) 射出成形体
JP2008088226A (ja) 難燃性樹脂組成物および射出成形体
JP2008274224A (ja) 樹脂組成物および射出成形体
JP2003238788A (ja) ポリ乳酸含有樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2006143829A (ja) ポリ乳酸系樹脂成形品及びその製造方法
JP2010126643A (ja) 耐衝撃性ポリ乳酸系樹脂組成物
JP2006276235A (ja) 光学材料用の架橋ポリ乳酸系樹脂組成物
JP2005139441A (ja) 射出成形体
JP2008045045A (ja) 難燃性乳酸系樹脂組成物
JP2006199788A (ja) 延伸成形体
US11236229B2 (en) Production method of thermoplastic aromatic polyester resin composition