JP5607443B2 - カード用基材シートおよび樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、身分を証明するIDカード、会員カード、診察券、金銭的価値を有するキャッシュカード、プリペイドカード等の情報記録媒体に用いられる樹脂組成物およびそれよりなるカード用基材シートに関するものである。
プラスチックからなるカードは、身分を証明するIDカード、会員カード、診察券、金銭的価値を有するキャッシュカード、クレジットカードなどに幅広く利用されている。これらカード用の基材としてはポリ塩化ビニル樹脂や非結晶性のポリエステル系樹脂が使用されている(特許文献1)。
これらカードは、その利用者が使い終われば、通常廃棄される。一般的にその廃棄方法は焼却または埋め立てであるが、塩化ビニル樹脂からなるカードを焼却する場合、ダイオキシンなどの有害物質発生の可能性が危惧され、非結晶性のポリエステル系樹脂からなるカードの場合、焼却による有害物質の発生はないものの、埋め立てた場合、化学的安定性が高いために半永久的に土中に残留する問題がある。また何よりもこれら樹脂は、有限資源である石油を出発原料としているため、石油資源枯渇の問題が危惧されている。
昨今、上記の問題を解決する材料としてポリ乳酸系重合体に代表される脂肪族ポリエステルが脚光を浴びており、実際多くの研究、開発がされている。しかしポリ乳酸系重合体は、その化学構造に起因し、比較的容易に加水分解が起こり、その後土中の微生物により無害な分解物となるため、土中に半永久的に残留する問題がない。またポリ乳酸系重合体はその出発原料がトウモロコシなどの植物原料であることから、資源枯渇の問題も解消される。
しかしながら、カードは耐久消費材的側面のある用途にも拘わらず、ポリ乳酸系重合体の加水分解性が逆に仇となり、長期間経過した場合や高温・高湿環境下に放置された場合に、分子量低下に起因した物性低下が起こり、実質上カードとしての機能を果たさなくなる問題があった。
一方、脂肪族ポリエステルの耐加水分解性を向上させるための技術として、カルボジイミド化合物を添加することが特開2003−003052号公報(特許文献2)に公開されている。
特許文献2において用いられているカルボジイミド化合物は、線状構造のカルボジイミド化合物であるが、この線状カルボジイミド化合物を高分子化合物の末端封止剤として用いると、カルボジイミド化合物が高分子化合物の末端に結合する反応に伴い、イソシアネート基を有する化合物が遊離し、イソシアネート化合物の独特の臭いを発生し、作業環境を悪化させることが問題となっていた。
特開2000−198288号公報 特開2003−003052号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決することにあり、耐加水分解性に優れ、かつ環境にも配慮したカード用基材シートを良好な作業環境のもとで提供することのできる樹脂組成物、およびカード用基材シートを提供することにある。
本発明は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の第1の目的は、
1.脂肪族ポリエステル(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む、カード用基材シートであって、C成分が下記式(1)で表され、かつ、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基であるカード用基材シート、によって達成される。
Figure 0005607443
Figure 0005607443
(式中、Ar およびAr は各々独立に、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基である。R およびR は各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基またはこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせである。X およびX は各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX 、あるいはX が、他のX 、あるいはX と異なっていてもよい。X は、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX はヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX の内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
また本発明には、以下も包含される。
2.C成分が、下記式(2)で表され、かつQaは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である上記1記載のカード用基材シート。
Figure 0005607443
Figure 0005607443
(式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。)
3.C成分が、下記式(3)で表され、かつQbは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基である上記1記載のカード用基材シート。
Figure 0005607443
(式中、Yは、環状構造を担持する担体である。)
Figure 0005607443
(式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。)
4.Yは、原子、原子団またはポリマーである上記3記載のカード用基材シート。
5.C成分が、下記式(4)で表され、かつQcは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基である上記1記載のカード用基材シート。
Figure 0005607443
(式中、ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。)
Figure 0005607443
(式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
6.ZおよびZは各々独立に、原子、原子団またはポリマーである上記5記載のカード用基材シート。
7.脂肪族ポリエステル(A成分)がポリ乳酸系樹脂である、上記1〜6のいずれか記載のカード用基材シート。
8.Tg80℃以上である樹脂(B成分)を含む、上記1〜7のいずれか記載のカード用基材シート。
9.Tg80℃以上である樹脂(B成分)が非結晶性である、上記8記載のカード用基材シート。
10.ポリカーボネート系樹脂を含む、上記1〜9のいずれか記載のカード用基材シート。
11.弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)を含む、上記1〜10のいずれか記載のカード用基材シート。
12.弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)が非結晶性である、上記11記載のカード用基材シート。
13.ABS樹脂を含む、上記1〜12のいずれか記載のカード用基材シート。
14.弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)がポリオレフィン系樹脂である、上記11記載のカード用基材シート。
15.ポリオレフィン系樹脂が弾性率500MPa以下である、上記14記載のカード用基材シート。
16.脂肪族ポリエステル(A成分)に由来する第一回昇温時の結晶化熱量(ΔHc)が10J/g以上である、上記1〜15のいずれかに記載のカード用基材シート。
17.120℃10分間の熱処理をした後の脂肪族ポリエステル(A成分)に由来する第一回昇温時の結晶化熱量(ΔHc)が3J/g以下である、上記1〜16のいずれかに記載のカード用基材シート。
18.上記1〜17のいずれか1項に記載のカード用基材シートを少なくとも1層含む積層体からなるカード。
19.曲げ強さ(JISX6305−1)が13〜35mmである、上記18記載のカード。
20.45°の角度で立掛けた状態で90℃5日間放置したあとのカードの反り(JISX6305−1)が3mm以下である、上記18〜19のいずれかに記載のカード。
21.45°の角度で立掛けた状態で85℃85%RH、5日間放置したあとのカードの反り(JISX6305−1)が3mm以下である、上記18〜20のいずれかに記載のカード。
22.85℃85%RH5日間放置したあとの破断強度が20MPa以上である、上記18〜21のいずれかに記載のカード。
本発明によれば、耐加水分解性に優れ、かつ環境にも配慮した樹脂組成物、およびカード用基材シートを良好な作業環境のもとで提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)>
まず、本発明において特徴的な成分である、カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)について説明する。C成分は環状構造を有する(以下、C成分を環状カルボジイミド化合物と略記することがある。)。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。
ここで環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されて形成している。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有するが、例えば、スピロ環など、分子中に複数の環状構造を有する場合にはスピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有していれば、化合物として複数のカルボジイミド基を有していてよいことはいうまでもない。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に、10〜15が好ましい。
ここで、環状構造中の原子数とは、環状構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より環状構造中の原子数は好ましくは、10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15の範囲が選択される。
環状構造は、下記式(1)で表される構造である。
Figure 0005607443
式中、Qは、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基である。ヘテロ原子とはこの場合、O、N、S、Pを指す。この結合基の価のうち2つの価は環状構造を形成するために使用される。Qが3価あるいは4価の結合基である場合、単結合、二重結合、原子、原子団を介して、ポリマーあるいは他の環状構造と結合している。
結合基は、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基またはこれらの組み合わせであり、上記で規定される環状構造を形成するための必要炭素数を有する結合基が選択される。組み合わせの例としては、アルキレン基とアリーレン基が結合した、アルキレン−アリーレン基のような構造などが挙げられる。
結合基(Q)は、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価
の結合基である。
Figure 0005607443
式中、ArおよびArは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基である。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
およびRは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプ
タントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これら芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
上記式(1−1)、(1−2)においてXおよびXは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、
メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
上記式(1−1)、(1−2)においてs、kは0〜10の整数、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜1の整数である。s及びkが10を超えると、環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より整数は好ましくは0〜3の範囲が選択される。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。
上記式(1−3)においてXは、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基な
どが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂肪族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂環族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリーレン基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
また、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として、以下(a)〜(c)で表される化合物が挙げられる。
[環状カルボジイミド化合物(a)]
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(2)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(a)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005607443
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(2)の化合物においては、脂肪族基、脂環族基、芳香族基は全て2価である。Qは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005607443
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらは全て2価である。
かかる環状カルボジイミド化合物(a)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
[環状カルボジイミド化合物(b)]
さらに、本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(3)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(b)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005607443
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせである3価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。Yは、環状構造を担持する担体である。脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(3)の化合物においては、Qを構成する基の内一つは3価である。
は、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005607443
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。
Yは、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(b)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
[環状カルボジイミド化合物(c)]
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(4)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(c)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005607443
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである4価の結合基であり、ヘテロ原子を保有していてもよい。ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。ZおよびZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(4)の化合物において、Qは4価である。従って、これらの基の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
は、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005607443
Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。ZおよびZは各々独立に、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい
。ZおよびZは結合部であり、複数の環状構造がZおよびZを介して結合し、式(4)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(c)としては、下記化合物を挙げることができる。
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
[環状カルボジイミド化合物の製造方法]
本発明において、環状カルボジイミド化合物の製造方法は特に限定無く、従来公知の方法により製造することができる。例として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からトリフェニルホスフィン体を経由して製造する方法、アミン体から尿素体を経由して製造する方法、アミン体からチオ尿素体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法、ラクタム体を誘導して製造する方法などが挙げられる。
また、本発明の環状カルボジイミド化合物は、以下の文献に記載された方法を組み合わせ、あるいは目的とする化合物に応じて適切に改変、組み合わせすることにより製造することができる。
Tetrahedron Letters,Vol.34,No.32,515−5158,1993.
Medium−and Large−Membered Rings from Bis(iminophosphoranes):An Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.61,No.13,4289−4299,1996.
New Models for the Study of the Racemization Mechanism of Carbodiimides.Synthesis and Structure(X−ray Crystallography and 1H NMR) of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.43,No8,1944−1946,1978.
Macrocyclic Ureas as Masked Isocyanates, Henri Ulrich etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.48,No.10,1694−1700,1983.
Synthesis and Reactions of Cyclic Carbodiimides,R.Richteretal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.59,No.24,7306−7315,1994.
A New and Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides from Bis(iminophosphoranea)and the System Boc2O/DMAP,Pedro Molina etal.
製造する化合物に応じて、適切な製法を採用すればよいが、例えば、(1)下記式(a−1)で表されるニトロフェノール類、下記式(a−2)で表されるニトロフェノール類および下記式(b)で表される化合物を反応させ、下記式(c)で表されるニトロ体を得る工程、
Figure 0005607443
Figure 0005607443
(2)得られたニトロ体を還元して下記式(d)で表わされるアミン体を得る工程、
Figure 0005607443
(3)得られたアミン体とトリフェニルホスフィンジブロミドを反応させ下記式(e)で表されるトリフェニルホスフィン体を得る工程、および
Figure 0005607443
(4)得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させることによって製造したものは、本願発明に用いる環状カルボジイミド化合物として好適に用いることができる。
(上記式中、ArおよびArは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい芳香族基である。EおよびEは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基およびメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。Arは、フェニル基である。Xは、下記式(i−1)から(i−3)の結合基である。)
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443
なお、環状カルボジイミド化合物は、高分子化合物の酸性基を有効に封止することができるが、本発明の主旨に反しない範囲において、所望により、例えば、従来公知のポリマーのカルボキシル基封止剤を併用することができる。かかる従来公知のカルボキシル基封止剤としては、特開2005−2174号公報記載の剤、例えば、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、などが例示される。
<脂肪族ポリエステル(A成分)>
本発明において、脂肪族ポリエステル(A成分)としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族多価アルコールを主成分として重縮合してなる重合体やそれらの共重合体が例示される。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸などの重縮合体、もしくは共重合体などを例示することができ、なかでもポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシカルボン酪酸、ポリ4−ポリヒドロキシ酪酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトン、ならびにこれらの共重合体などが好ましく挙げられ、特にポリ乳酸が好ましく、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸および、ステレオコンプレックス結晶を形成しうるステレオコンプレックスポリ乳酸、ラセミポリ乳酸が好適である。
本発明に好適に用いられるポリ乳酸に代表される脂肪族ポリエステルは、他樹脂とのブレンドなどによりカードとして使用する場合に必要な耐熱性を有していれば特に結晶化している必要はなく、クレジットカードなどに必要とされるエンボス加工性などの観点においては非晶状態であることが好ましい場合もある。
ポリL一乳酸およびポリD−乳酸は、従来公知の方法で製造することができる。例えば、L−またはD−ラクチドを金属含有触媒の存在下加熱し、開環重合により製造することができる。また、金属含有触媒を含有する低分子量のポリ乳酸を結晶化させた後、減圧下または加圧化、不活性ガス気流下の存在下、あるいは非存在下、加熱・固相重合させ製造することもできる。さらに、有機溶媒の存在/非存在下で、乳酸を脱水縮合させる直接重合法で製造することができる。
重合反応は、従来公知の反応容器で実施可能であり、例えばヘリカルリボン翼等、高粘度用撹拝翼を備えた縦型反応器あるいは横型反応器を単独、または並列して使用することができる。また、回分式あるいは連続式あるいは半回分式のいずれでも良いし、これらを組み合わせてもよい。
重合開始剤としてアルコールを用いてもよい。かかるアルコールとしては、ポリ乳酸の重合を阻害せず不揮発性であることが好ましく、例えばデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等を好適に用いることができる。
固相重合法では、前述した開環重合法や乳酸の直接重合法によって得られた比較的低分子量(おおよそ15〜200程度)のポリ乳酸をプレポリマーとして使用する。プレポリマーは、そのガラス転移温度以上融点未満の温度範囲で予め結晶化させることが、樹脂ペレット融着防止の面から好ましい。結晶化させたプレポリマーは固定された縦型あるいは横型反応容器、またはタンブラーやキルンの様に容器自身が回転する反応容器(ロータリーキルン等)中に充填され、プレポリマーのガラス転移温度以上融点未満の温度範囲に加熱される。重合温度は、重合の進行に伴い段階的に昇湿させても何ら問題はない。また、固相重合中に生成する水を効率的に除去する目的で前記反応容器類の内部を減圧することや、加熱された不活性ガス気流を流通する方法も好適に併用される。
ポリ乳酸の重合時に使用された金属含有触媒は、使用に先立ち従来公知の失活剤で不活性化しておくことが、ポリ乳酸、およびフィルムを形成するための樹脂組成物の熱、水分に対する安定性を向上できるため好ましい。
かかる失活剤としてはイミノ基を有し且つ重合金属触媒に配位し得るキレート配位子の群からなる有機リガンドが挙げられる。
またジヒドリドオキソリン(I)酸、ジヒドリドテトラオキソ二リン(II,II)酸、ヒドリドトリオキソリン(III)酸、ジヒドリドペンタオキソ二リン(III)酸、ヒドリドペンタオキソ二(II,IV)酸、ドデカオキソ六リン(III)酸、ヒドリドオクタオキソ三リン(III,IV,IV)酸、オクタオキソ三リン(IV,III,IV)酸、ヒドリドヘキサオキソ二リン(III,V)酸、ヘキサオキソ二リン(IV)酸、デカオキソ四リン(IV)酸、へンデカオキソ四リン(IV)酸、エネアオキソ三リン(V,IV,IV)酸等の酸価数5以下の低酸化数リン酸が挙げられる。
また、式xHO・yPで表され、x/y=3のオルトリン酸、2>x/y>1であり、縮合度より二リン酸、三リン酸、四リン酸、五リン酸等と称せられるポリリン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
また、x/y=1で表されるメタリン酸、なかでもトリメタリン酸、テトラメタリン酸、1>x/y>0で表され、五酸化リン構造の一部を残した網目構造を有するウルトラリン酸(これらを総称してメタリン酸系化合物と呼ぶことがある。)が挙げられる。
またこれらの酸の酸性塩、一価、多価のアルコール類、あるいはポリアルキレングリコール類の部分エステル、完全エステル、ホスホノ置換低級脂肪族カルボン酸誘導体等が挙げられる。
メタリン酸系化合物は、3〜200程度のリン酸単位が縮合した環状のメタリン酸あるいは立体網目状構造を有するウルトラ領域メタリン酸あるいはそれらの(アルカル金属塩、アルカリ土類金属塩、オニウム塩)を包含する。なかでも環状メタリン酸ナトリウムやウルトラ領域メタリン酸ナトリウム、ホスホノ置換低級脂肪族カルボン酸誘導体のジへキシルホスホノエチルアセテート(以下DHPAと略称することがある)等が好適に使用される。
また、ステレオコンプレックス相結晶を形成しうるステレオコンプレックスポリ乳酸は、下記式によりステレオコンプレックス結晶化度(S)が表される。
[数1]
S=[ΔHms/(ΔHmh+ΔHms)] × 100
(但し、ΔHmsはステレオコンプレックス相結晶の融解エンタルピー、ΔHmhはホモ相ポリ乳酸結晶の融解エンタルピー。)
ステレオコンプレックスポリ乳酸結晶の形成を安定的且つ高度に進めるために特定の添加物を配合する手法が好ましく適用される。すなわち、例えば、ステレオコンプレックス結晶化促進剤として下記式で表されるリン酸金属塩を添加する手法が挙げられる。
Figure 0005607443
式中、R11は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R12、R13はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子またはアルミニウム原子を表し、pは1または2を表し、qはMがアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子のときは0を、アルミニウム原子の時は1または2を表す。
Figure 0005607443
式中R14、R15およびR16は各々独立に、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子またはアルミニウム原子を表し、pは1または2を表し、qはMがアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子のときは0を、アルミニウム原子の時は1または2を表す。
上記二つの式において表されるリン酸金属塩のM、Mは、Na、K、Al、Mg、Ca、Liが好ましく、特に、K、Na、Al、LiなかでもLi、Alが最も好適に用いることができる。
これらのリン酸金属塩は、(株)ADEKA製の商品名、「アデカスタブ」NA−11、NA−71等が好適な剤として例示される。
ポリ乳酸に対して、リン酸金属塩は0.001〜2wt%、好ましくは0.005〜1wt%、より好ましくは0.01〜0.5wt%さらに好ましくは0.02〜0.3wt%用いることが好ましい。少なすぎる場合には、ステレオコンプレックス結晶化度(S)を向上する効果が小さく、多すぎるとステレオコンプレックス結晶融点を低下させるので好ましくない。
さらに所望により、リン酸金属塩の作用を強化するため、公知の結晶化核剤を併用することができる。なかでも珪酸カルシウム、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、アミド系有機化合物が好ましくは選択される。
結晶化核剤の使用量は、ポリ乳酸に対し0.03〜5wt%、より好ましくは0.04〜2wt%、さらに好ましくは0.05〜1wt%の範囲が選択される。
ポリ乳酸にはその製造上、カルボン酸基が含まれてくることがあるが、その含まれるカルボン酸基の量は少ないほどよい。そのような理由から、たとえばラクチドから水以外の開始剤を用いて開環重合したものや、重合後に化学的に処理をしてカルボン酸基を低減したポリマーを用いることは好ましい。
ポリ乳酸の重量平均分子量は、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10万、好ましくは10〜30万である。平均分子量が5万よりも低い場合にはフィルムの強度物性が低下するため好ましくない。30万を越える場合には溶融粘度が高くなりすぎ、溶融製膜が困難になる場合がある。
また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸の他にエステル形成能を有するその他の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
<Tgが80℃以上である樹脂(B成分)>
本発明で用いるTgが80℃以上である樹脂(B成分)は、カード基材用シートをカードとして使用する際に十分な耐熱性を付与することが目的であり、その材料は特に限定されることなく、例えば、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、セルロース系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂などが挙げられる。なかでもポリカーボネートは耐熱性、機械特性の観点で特に好適である。また、ポリカーボネートは一般的に透明性を要求されるオーバーシートに好適であるため、コアシートにポリカーボネートを含むことによりこれらのシートを熱圧着して積層した際に接着性に優れるという利点もある。これら樹脂は必ずしも1種類で使用する必要は無く、複数種併用して使用することもできる。
これらの樹脂は非結晶性であることがエンボス加工性やカードの柔軟性の観点から好ま
しい。また結晶性樹脂を用いる場合であっても脂肪族ポリエステル(A成分)とブレンドして用いて成形されたカード基材あるいは積層されたカード状態で非結晶性であることが好ましい。例えばA成分としてポリ乳酸を用いる場合には、カード基材シートを非結晶性とするために光学純度の低いポリ乳酸を用いることも効果的である。その場合のポリ乳酸の光学純度は99%以下、より好ましくは98%以下、さらに好ましくは97%以下、最も好ましくは96%以下であるが、一般に高価なポリD−乳酸の使用比率が高くなるため80%以上としておくことが好ましい。ここでいう光学純度とは例えばポリL−乳酸の場合にはL体の比率であり、例えばHPLC(高速液体クロマトグラフィー)やせん光度などの公知の手法で測定できる。ただし、エンボス加工性や柔軟性に問題ない場合やそのような特性が重視されない用途であれば結晶状態であってもなんら問題はない。なお、本発明において、”非結晶性”とは、DSC(示差走査熱量計)によって測定される第一回昇温時の結晶融解に起因するピーク熱量が10J/g以下、より好ましくは5J/g以下、さらに好ましくは3J/g以下、最も好ましくは1J/g以下であることを意味する。
また、Tgは、DSC(示差走査熱量計)によって測定される値であり、耐熱性の観点から、さらに好ましくは100℃以上、特に好ましくは120℃以上である。
なお、押出成型加工性や積層時の熱融着性の観点から、Tgは200℃以下としておくことが好ましい。
<弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)>
本発明で用いる弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)はカードと使用するに十分な柔軟性を付与することが目的であり、その材料は特に限定されることなく、例えば、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。特にスチレン系樹脂とは、スチレン構造単位、すなわち芳香族ビニル単位を含有する重合体であれば任意であり、例えば、スチレン樹脂、α−メチルスチレン樹脂、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体などの共役ジエン系ゴムに、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルおよびアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル、必要に応じてメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびブチルメタクリレートなどの他の重合性単量体をグラフト重合して得られるABS樹脂、上記に例示した芳香族ビニルとシアン化ビニルとが共重合されたAS樹脂、上記に例示した共役ジエン系ゴムと芳香族ビニルとが共重合されたハイインパクトポリスチレン樹脂、上記の芳香族ビニルとジエンとのブロック共重合体などが挙げられる。なかでも特にポリオレフィン系樹脂およびABS樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂とは、炭素数2〜20のオレフィンから選ばれるオレフィンの単独重合体または共重合体である。例えば、エチレン構造、プロピレン構造からなる直鎖状もしくは分岐状のα−オレフィンなどが挙げられ、スチレン基を導入したものなども用いることが出来る。
他にもブタジエン系ゴム、ニトリル系ゴム、クロロピレン系ゴム、アクリル系ゴム、ウレタン系ゴムを用いることもできる。
また、弾性率は、JIS−K7171に準拠した手法によって測定される値であり、カードの柔軟性、具体的にはJIS−X6305−1で定義されるような曲げ強さの観点から、さらに好ましくは2500MPa以下、特に好ましくは2000MPa以下、さらに好ましくは1500MPa以下、さらに好ましくは1000MPa以下、さらに好ましくは500MPa以下、さらに好ましくは300MPa以下である。カードとしての曲げ強さが目的とする範囲にはいることが重要であるため、用いられる樹脂の弾性率はその添加量により適宜調整される。
なお、前述のB成分としての要求特性(Tg80℃以上)と、D成分としての要求特性(弾性率3000MPa以下)を満たす樹脂を用いれば、一種の樹脂でB成分とD成分との両者として機能させることもできる。
<充填剤>
本発明のカード用基材シートは、特にコアシートにおいて隠蔽性を向上させる目的で充填剤を含有してもよい。かかる充填剤としては、有機質微粉体、無機質微粉体等が挙げられる。有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも1種が用いられることが好ましい。また、無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも1種が用いられることが好ましい。
もちろん、無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて使用してもよい。また、充填剤は複数種類を併用することができる。
シートの隠蔽効果を高くするという観点からは、シートを構成する脂肪族ポリエステル(A成分)との屈折率差が大きいものが好ましく、すなわち、無機質微粉体としては屈折率が大きいものが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが更に好ましく、これらの中でも酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンを用いることにより、より少ない充填量でフィルムに高い隠蔽性を付与することができる。また、充填剤の、脂肪族ポリエステル(A成分)への分散性を向上させるために、充填剤の表面に、シリコーン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用してもよい。
表面処理剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等からなる群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物、シロキサン化合物、シランカップリング剤、ポリオール及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の有機化合物等を用いることができる。また、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる充填剤は、その平均粒径に制限はないが、0.05μm以上15μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。
また、その添加量は樹脂組成物全体に対して1〜20%が好ましく、より好ましくは3〜18%、さらに好ましくは5〜16%である。添加量が少ない場合は隠蔽性が悪くなり、多い場合には柔軟性が悪くなってしまう。
<その他の添加剤等>
さらに本発明のカード基材用シートには、副次的添加剤を加えて色々な改質を行うことが出来る。副次的添加剤の例としては安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、静電剤、導電剤、離型剤、可塑剤、滑剤、抗菌剤、核形成剤、充填剤、相溶化剤等その他類似のものが挙げられる。
<樹脂組成物>
本発明において樹脂組成物中の環状カルボジイミド化合物(C成分)の含有割合は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A成分)の重量を基準にして、0.001〜5重量%であることが好ましい。C成分の量がこの範囲にあれば、樹脂組成物およびこれより得られるシートの、水分に対する安定性、耐加水分解安定性を好適に高めることができる。かかる観点より環状カルボジイミド化合物(C成分)の含有割合は、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜4重量%の範囲が選択される。この範囲より少量であると環状カルボジイミド化合物(C成分)の効果が有効に認められないことがあり、また、この範囲を超えて多量に適用しても、耐加水分解安定性の更なる向上は期待されない。
脂肪族ポリエステル(A成分)がポリ乳酸を含む場合には、そのラクチド含有量は、脂肪族ポリエステル(A成分)の重量を基準にして、好ましくは0〜1000ppm、より好ましくは0〜200ppm、さらに好ましくは0〜100ppmの範囲である。ラクチドの含有量は少ないほうが樹脂組成物の色相、安定性等の物性の観点より好ましいが、過剰に減少操作を適用しても、更なる物性の向上は期待されずまたコスト面よりも好ましくない場合が発生する。
また、樹脂組成物のカルボキシル基濃度は、脂肪族ポリエステル(A成分)の重量を基準にして、好ましくは0〜30当量/ton、より好ましくは0〜10当量/ton,さらに好ましくは0〜5当量/tonの範囲、特に好ましくは0〜1当量/tonの範囲である。カルボキシル基濃度の低減は環状カルボジイミド化合物(C成分)を使用することにより、容易に達成できる。
本発明においてTgが80℃以上である樹脂(B成分)を含む場合があるが、樹脂組成物全体に対して0〜80重量%であることが好ましい。80重量%を超える場合には、脂肪族ポリエステルの比率が低くなり資源枯渇の問題解決という観点での植物由来の材料を用いる意味が薄れてしまう。さらに好ましくは、1〜70重量%、特に好ましくは2〜6
0重量%、最も好ましくは3〜50重量%である。
同様の理由で弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)を含む場合においても樹脂組成物全体に対して0〜80重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、1〜70重量%、特に好ましくは2〜60重量%、最も好ましくは3〜50重量%である。
本願の樹脂組成物における発明において、樹脂組成物中の環状カルボジイミド化合物(C成分)、脂肪族ポリエステル(A成分)、Tgが80℃以上である樹脂(B成分)、弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)およびその他の充填剤などの添加剤の比率はカードに必要とされる、耐熱性、柔軟性、エンボス加工性や基材シートの熱圧着性などの観点から決定される。
<カード用基材シート>
本発明のカード用基材シートは身分を証明するIDカード、会員カード、診察券、金銭的価値を有するキャッシュカード、プリペイドカード等の情報記録媒体に用いられる。
一般に上記カードは、コアシートやオーバーシートなどのカード用基材シートを複数枚重ねた積層体を熱圧着して構成される場合が多い。もちろん、コアシートのみの単層構成でカードと使用することも可能である。さらに、コアシートおよびオーバーシートはそれぞれ単層体であっても多層体であってもよい。本発明のカード用基材シートはコアシートとしてもオーバーシートとしても用いることができる。
本発明に係るカードの構成は以下(1)〜(4)の何れかの構成が好ましい。
(1):(I)
(2):(O)/(I)/(O)
(3):(O)/(I)/(I)/(O)
(4):(O)/(I)/(I)/(I)/(I)/(O)
(ここで、(I):コアシート、(O):オーバーシートであり、上記構成はカード層構成を簡易的に示したものであって、例えば、(1)はコアシート一層構成、(2)はコアシートの両面にオーバーシートが積層されていることを示す。)
オーバーシートはコアシートに印刷したインキの保護や印刷物の視認性を確保するため、両最外層に配置する。またオーバーシートに挟まれるコアシートは、基本的に何層にしても問題ないが、片面印刷する際には上記(2)の構成が好ましく、両面に印刷する場合は、上記(2)の構成では1枚のシートに両面印刷を行う煩雑性を考えると上記(3)の構成が好ましい。なお、コアシートを複数枚積層する際は、目的にあわせて適宜配合比を変えてもよい。
またコアシートに流動性の異なるような機能が必要な場合(例えばカードの中央にICチップを搭載した基盤を配するようなカード)は上記(4)の構成が好ましい。上記(4)以上の多層構成は作業性や生産効率の点を考慮して適宜選択可能である。なお、本発明のカード用基材シートがコアシート及びオーバーシートの両方に使用される場合には、これらのカード用基材シートは同一でも異なっていてもよい。また、コアシートやオーバーシートに使用される本発明のカード用基材シート以外のシートとしては、公知のあらゆるシートを用いることができる。
カード用基材シートの厚みは、特に限定はないが、例えば30〜900μmの範囲で選択されることができる。
なお、カードの最表面にはハードコートや帯電防止の機能を有する層があってもよい。
また、本願のカード用基材シートは従来の塩ビカードの熱圧着条件で融着可能でありつつ、カードとした後は90℃および85℃85%RHでの耐久性に優れていることが特徴である。
例えば120℃5MPa10分の条件で熱圧着可能とするにはカード基材シートは実質的に非晶状態である必要がある。実質的に非晶状態であるとは、例えば脂肪族ポリエステル樹脂(A成分)がポリ乳酸である場合には、DSC測定で(示差走査熱量計)、昇温速度20℃/分で求めた、第一回昇温時のポリ乳酸結晶の結晶化熱量(ΔHc)が10J/g以上、好ましくは15J/g以上、さらに好ましくは20J/g以上であることである。
上記式を満足しない場合には、熱圧着性が悪くなる。
また、熱圧着により形成されたカードにおいて優れた耐久性を得るには熱圧着処理により結晶化することが好ましく、脂肪族ポリエステル樹脂(A成分)がポリ乳酸である場合には、120℃10分の熱処理をした後でのDSC測定で(示差走査熱量計)、昇温速度20℃/分で求めた、第一回昇温時のポリ乳酸結晶のピーク熱量(ΔHc)が3J/g以下、好ましくは2J/g以下、さらに好ましくは1J/g以下であり、結晶融解熱量(ΔHm)が10J/g以上、好ましくは15J/g以上、さらに好ましくは18J/g以上、最も好ましくは20J/g以上であることである。上記条件を満足しない場合には、結晶化が不十分であり、耐久性が悪くなる。
<コアシート>
コアシートの厚みは、特に限定はないが、例えば50〜900μmの範囲で選択されることができる。カードがコアシート1枚から構成される場合、300〜900μm、2枚
から構成される場合、150〜450μmが好ましい。
<オーバーシート>
オーバーシートの厚みは、特に限定はないが、例えば50〜200μmの範囲で選択されることができる。
オーバーシートは透明であってもよく、透明の場合には、コアシートに印刷した図柄等をカード表面から透かして見ることができる。その場合にはヘイズ値は30%以下であることが好ましく、さらに好ましくは20%以下であり最も好ましくは10%以下である。
<シートの積層>
本発明において、コアシートとオーバーシートとを一体化する方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱融着、接着剤等を用いる方法等が挙げられる。本発明においては、熱融着により一体化することが好ましい。なお、オーバーシートに、予め磁気テープを貼っておいてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これにより何ら限定を受けるものではない。
<評価方法>
(1)ポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn):
ポリマーの重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、標準ポリスチレンに換算した。GPC測定機器は、検出器;示差屈折計((株)島津製作所製)RID−6Aカラム;東ソ−(株)TSKgelG3000HXL、TSKgelG4000HXL,TSKgelG5000HXLとTSKguardcolumnHXL−Lを直列に接続したもの、あるいは東ソ−(株)TSKgelG2000HXL、TSKgelG3000HXLとTSKguardcolumnHXL−Lを直列に接続したものを使用した。
クロロホルムを溶離液とし温度40℃、流速1.0ml/minにて、濃度1mg/ml(1%ヘキサフルオロイソプロパノールを含むクロロホルム)の試料を10μl注入し測定した。
(2)ガラス転移点温度(Tg)、融点(Tm)、結晶化熱量(ΔHc)、結晶融解熱量(ΔHm):
DSC2920 Modulated DSC(TA Instruments社製)を用いて、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
(3)弾性率:
JIS K7171に準拠して2mm/minの速度で測定した。
(4)厚み測定:
アンリツ社製の電子マイクロで測定した。
(5)環状カルボジイミド構造の核磁気共鳴法(NMR)による同定および組成物中の環状カルボジイミドの定量:
合成した環状カルボジイミド化合物はH−NMR、13C−NMRによって確認した。NMRは日本電子(株)製の商品名『JNR−EX270』を使用した。溶媒は重クロロホルムを用いた。
(6)環状カルボジイミドのカルボジイミド骨格の赤外分光法(IR)による同定:
合成した環状カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格の有無は、FT−IRにより
カルボジイミドに特徴的な2100〜2200cm−1の確認を行った。FT−IRはサーモニコレー(株)製の商品名『Magna−750』を使用した。
(7)イソシアネートガス発生テスト:
試料を、160℃で5分間加熱し、熱分解GC/MS分析によりイソシアネートガスの発生有無を確認した。GC/MSは日本電子(株)製GC/MS Jms Q1000GC K9を使用した。
(8)耐加水分解性:
カードを温度85℃、湿度85%RHの環境下に24時間放置し、外観不良や端面からの剥離などの異常がないものは○、問題があるものは×とした。
(9)総合評価:
イソシアネートガスの発生テストにおいて、イソシアネートガス発生がなく、耐加水分解性の評価結果が○のものを○とし、それ以外のものは×とした。
<脂肪族ポリエステル(A成分)>
(1)脂肪族ポリエステル(A1(ポリL−乳酸)の製造:
L−ラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、撹拌翼のついた反応機にて180℃で2時間反応させ、オクチル酸スズに対し1.2倍当量のリン酸を添加しその後、13.3Paで残存するラクチドを減圧除去し、チップ化し、ポリL−乳酸(A1)を得た。得られたポリL−乳酸の重量平均分子量は15.2万、ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は175℃であった。
(2)脂肪族ポリエステル(A2(ポリD−乳酸))の製造:
PLLA1の製造において、L−ラクチドをD−ラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)に変更したこと以外は同じ条件で重合を行い、ポリD−乳酸(A2)を得た。得られたポリD−乳酸の重量平均分子量(Mw)は15.1万、ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は175℃であった。
(3)脂肪族ポリエステル(A3(ステレオコンプレックスポリ乳酸))の製造:
上記操作で得られたA1とA2とを各50重量部およびリン酸金属塩((株)ADEKA製「アデカスタブ」NA−71:0.1重量部)を、2軸混練装置の第一供給口より供給、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ステレオコンプレックスポリ乳酸(A3)を得た。ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は216℃であった。
<カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)>
(1)C成分(C1)の製造:
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを撹拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物L(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物L(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(2g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)400mlを、撹拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減
少がなくなったら反応を終了した。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物M(アミン体)が得られた。
次に撹拌装置及び加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み撹拌させた。そこに中間生成物M(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物N(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、撹拌装置及び滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み撹拌させる。そこに、25℃で中間生成物N(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、下記に示す構造を有するC成分(C1)を得た。C1の構造はNMR、IRにより確認した。
Figure 0005607443
<樹脂組成物>
(1)樹脂組成物(E1)の製造:
A成分としてNATURE WORKS製PLA樹脂4042D(A4)を100重量部、C1を1重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E1)を得た。
(2)樹脂組成物(E2)の製造:
A成分としてNATURE WORKS製PLA樹脂4042D(A4)を60重量部、C1を0.8重量部、B成分としてTg150℃である帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂「パンライト」AD−5503(PC1)を40重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E2)を得た。
(3)樹脂組成物(E3)の製造:
A2を40重量部、C1を0.6重量部、B成分としてTg104℃である日本ゼオン(株)製シクロオレフィンポリマー樹脂「ZEONOR」1020R(APO1)を60重量部をブレンダーで混合、100℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E3)を得た。
(4)樹脂組成物(E4)の製造:
A3を100重量部、C1を1重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E4)を得た。
(5)樹脂組成物(E5)の製造:
A成分としてNATURE WORKS製PLA樹脂4042D(A4)を55重量部、C1を0.7重量部、B成分としてTg150℃である帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂「パンライト」AD−5503(PC1)を35重量部、D成分として弾性率2000MPaであるダイセルポリマー(株)製ABS樹脂「セビアン」V300(ABS1)を10重量部をブレンダーで混合、100℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E5)を得た。
(6)樹脂組成物(E6)の製造:
A成分としてNATURE WORKS製PLA樹脂4042D(A4)を60重量部、B成分としてTg150℃である帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂「パンライト」AD−5503(PC1)を40重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E6)を得た。
(7)樹脂組成物(E7)の製造:
A1を100重量部、日清紡ケミカル(株)製「カルボジライト」LA−1(LA1)を1重量部をブレンダーで混合、110℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E7)を得た。
(8)樹脂組成物(E8)の製造:
A成分としてNATURE WORKS製PLA樹脂4042D(A4)を60重量部、C1を0.7重量部、B成分並びにD成分の二成分を兼用する成分として、Tg108℃、弾性率2500MPaであるダイセルポリマー(株)製ABS樹脂「セビアン」V500(ABS2)40重量部をブレンダーで混合、100℃、5時間真空乾燥した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E8)を得た。
(9)樹脂組成物(E9)の製造:
A成分として110℃、5時間真空乾燥した(A1)を78重量部、D成分としてポリオレフィン系樹脂である日本ポリエチレン(株)製「カーネル」KF360T(OR1)を10重量部、C成分として(C1)を2重量部、その他の添加剤としてテイカ(株)製酸化チタンJR−405(P1)を10重量部、をブレンダーで混合した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度200℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E9)を得た。
(10)樹脂組成物(E10)の製造:
A成分として110℃、5時間真空乾燥した(A1)を83.2重量部、D成分としてポリオレフィン系樹脂である日本ポリプロ(株)製「WELNEX」RFX4V(OR2)を5重量部、C成分として(C1)を1.8重量部、その他の添加剤としてテイカ(株)製酸化チタンJR−405(P1)を10重量部、をブレンダーで混合した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度200℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E10)を得た。
(11)樹脂組成物(E11)の製造:
A成分として110℃、5時間真空乾燥した(A4)を96重量部、D成分としてポリオレフィン系樹脂である日本ポリエチレン(株)製「カーネル」KF360T(OR1)を2.5重量部、C成分として(C1)を1.5重量部、をブレンダーで混合した後、混練機の第一供給口より供給し、シリンダー温度230℃、ベント圧13.3Paで真空排気しながら溶融混練し、水槽中にストランド押し出し、チップカッターにてチップ化して樹脂組成物(E11)を得た。
<カード基材用シートの作製>
(コアシート)
(1)コアシート(I1)の製造:
樹脂組成物(E1)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度195℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、40℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I1)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(2)コアシート(I2)の製造:
樹脂組成物(E2)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度220℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、100℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I2)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(3)コアシート(I3)の製造:
樹脂組成物(E3)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度220℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、100℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I3)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(4)コアシート(I4)の製造:
樹脂組成物(E5)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度220℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、80℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I4)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(5)コアシート(I5)の製造:
樹脂組成物(E6)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度220℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、100℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I5)を得た。膜厚は280μmであった。
(6)コアシート(I6)の製造:
樹脂組成物(E7)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度220℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、100℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I6)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭が認められた。
(7)コアシート(I7)の製造:
膜厚を380μmにした以外はコアシート(I2)と同様の方法でコアシート(I7)を得た。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(8)コアシート(I8)の製造:
膜厚を380μmにした以外はコアシート(I4)と同様の方法でコアシート(I8)を得た。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(9)コアシート(I9)の製造:
樹脂組成物(E8)を90℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度220℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、70℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I9)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。
(10)コアシート(I10)の製造:
樹脂組成物(E9)を100℃で5時間乾燥させた後、200℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度195℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、50℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I10)を得た。膜厚は280μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。なお、結晶化熱量(ΔHc)は19J/gであり、120℃10分間熱処理をした後の結晶化熱量(ΔHc)は0J/gであり、結晶融解熱量(ΔHm)は24J/gであった。
(11)コアシート(I11)の製造:
樹脂組成物(E10)を100℃で5時間乾燥させた後、200℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度195℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、50℃の冷却ドラム表面に密着、固化させコアシート(I11)を得た。膜厚は380μmであった。当該シートの製膜時にイソシアネート臭の発生は認められず、良好な作業環境のもとで製膜実施可能であった。なお、結晶化熱量(ΔHc)は21J/gであり、120℃10分間熱処理をした後の結晶化熱量(ΔHc)は0J/gであり、結晶融解熱量(ΔHm)は26J/gであった。
(オーバーシート)
(1)オーバーシート(O1)の製造:
帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂「パンライト」AD−5503(PC1)を100℃で5時間乾燥させた後、240℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度240℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、130℃の冷却ドラム表面に密着、固化させオーバーシート(O1)を得た。膜厚は100μmであった。
(2)オーバーシート(O2)の製造:
樹脂組成物(E4)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、ダイ温度230℃でTダイよりフィルム状に溶融押し出し、40℃の冷却ドラム表面に密着、固化させオーバーシート(O2)を得た。膜厚は100μmであった。
(3)オーバーシート(O3)の製造:
樹脂組成物(E11)を100℃で5時間乾燥させた後、230℃で押出機にて溶融混練し、Tダイよりフィルム状に溶融押し出し、50℃の冷却ドラム表面に密着、固化させオーバーシート(O3)を得た。膜厚は100μmであった。なお、結晶化熱量(ΔHc)は23J/gであり、120℃10分間熱処理をした後の結晶化熱量(ΔHc)は0J/gであり、、結晶融解熱量(ΔHm)は47J/gであった。
(カードの成形)
100mm×300mmに断裁したコアシート、及びオーバーシートを(オーバーシート/コアシート/コアシート/オーバーシート)の層構成になるように重ね合わせ、温度:120℃、圧力1MPaで10分間加熱プレスを行い、その後室温まで冷却しカード用の積層体を得た。また、オーバーシートを用いない場合は(コアシート/コアシート)の層構成になるように重ね合わせ、温度:120℃、圧力1MPaで10分間加熱プレスを行い、その後室温まで冷却しカード用の積層体を得た。
該積層体を約85.6×54.0mmのサイズで打ち抜いてカードを得た。
[実施例1]
コアシートI1とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例2]
コアシートI2とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例3]
コアシートI3とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例4]
コアシートI2とオーバーシートO2を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例5]
コアシートI7のみを用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例6]
コアシートI4とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例7]
コアシートI8のみを用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例8]
コアシートI9とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例9]
コアシートI10とオーバーシートO3を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[実施例10]
コアシートI11のみを用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[比較例1]
コアシートI5とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
[比較例2]
コアシートI6とオーバーシートO1を用い、(カードの成形)の項で説明した方法でカードを作成した。
実施例および比較例に用いたコアシート、オーバーシートの組成および作製したカードの構成およびその評価結果を表1、表2、表3に示す。表から脂肪族ポリエステル(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含むカード基材シートを用いたカードにおいては、イソシアネートガスの発生がなく耐加水分解性に優れるカードが得られることが分かった。
なお、実施例7記載のシートにおいてはJIS−X6305−1に規定された静的曲げ強さの試験における変形量が20mmであり、従来公知の塩化ビニル樹脂により作製されたカードとほぼ同等の曲げ強さを有し、かつ90℃のオーブン内に45°に立掛けて24時間経過させた後であっても変形がなく、基材シートのみからなる一層構成であっても優れた特性を有するカードを得ることができた。
さらに、実施例9〜10においては、45°の角度で立掛けた状態で90℃および85℃85%に5日間放置したあとのカードの反りをJISX6305−1のカードの反りの試験方法に準拠して測定したところ、いずれも3mm以下でり、特に耐久性に優れたカードを得ることが出来た。
Figure 0005607443
Figure 0005607443
Figure 0005607443

Claims (22)

  1. 脂肪族ポリエステル(A成分)とカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を少なくとも含む化合物(C成分)を含む、カード用基材シートであって、C成分が下記式(1)で表され、かつ、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基であるカード用基材シート。
    Figure 0005607443
    Figure 0005607443
    (式中、ArおよびArは各々独立に、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基である。RおよびRは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基またはこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせである。XおよびXは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。Xは、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  2. C成分が、下記式(2)で表され、かつQaは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である請求項1記載のカード用基材シート。
    Figure 0005607443
    Figure 0005607443
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。)
  3. C成分が、下記式(3)で表され、かつQbは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基である請求項1記載のカード用基材シート。
    Figure 0005607443
    (式中、Yは、環状構造を担持する担体である。)
    Figure 0005607443
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。)
  4. Yは、原子、原子団またはポリマーである請求項3記載のカード用基材シート。
  5. C成分が、下記式(4)で表され、かつQcは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基である請求項1記載のカード用基材シート。
    Figure 0005607443
    (式中、ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。)
    Figure 0005607443
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  6. およびZは各々独立に、原子、原子団またはポリマーである請求項5記載のカード用基材シート。
  7. 脂肪族ポリエステル(A成分)がポリ乳酸系樹脂である、請求項1〜6のいずれか記載のカード用基材シート。
  8. Tg80℃以上である樹脂(B成分)を含む、請求項1〜7のいずれか記載のカード用基材シート。
  9. Tg80℃以上である樹脂(B成分)が非結晶性である、請求項8記載のカード用基材シート。
  10. ポリカーボネート系樹脂を含む、請求項1〜9のいずれか記載のカード用基材シート。
  11. 弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)を含む、請求項1〜10のいずれか記載のカード用基材シート。
  12. 弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)が非結晶性である、請求項11記載のカード用基材シート。
  13. ABS樹脂を含む、請求項1〜12のいずれか記載のカード用基材シート。
  14. 弾性率3000MPa以下である樹脂(D成分)がポリオレフィン系樹脂である、請求項11記載のカード用基材シート。
  15. ポリオレフィン系樹脂が弾性率500MPa以下である、請求項14記載のカード用基材シート。
  16. 脂肪族ポリエステル(A成分)に由来する第一回昇温時の結晶化熱量(ΔHc)が10J/g以上である、請求項1〜15のいずれかに記載のカード用基材シート。
  17. 120℃10分間の熱処理をした後の脂肪族ポリエステル(A成分)に由来する第一回昇温時の結晶化熱量(ΔHc)が3J/g以下である、請求項1〜16のいずれかに記載のカード用基材シート。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載のカード用基材シートを少なくとも1層含む積層体からなるカード。
  19. 曲げ強さ(JISX6305−1)が13〜35mmである、請求項18記載のカード。
  20. 45°の角度で立掛けた状態で90℃5日間放置したあとのカードの反り(JISX6305−1)が3mm以下である、請求項18〜19のいずれかに記載のカード。
  21. 45°の角度で立掛けた状態で85℃85%RH、5日間放置したあとのカードの反り(JISX6305−1)が3mm以下である、請求項18〜20のいずれかに記載のカード。
  22. 85℃85%RH5日間放置したあとの破断強度が20MPa以上である、請求項18〜21のいずれかに記載のカード。
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