JP2011527682A - 腸毒性大腸菌によって引き起こされるブタの離乳後下痢症用のワクチン - Google Patents
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Abstract
ワクチン、及びワクチンを生成及び使用するための方法。例示的なワクチンは腸毒性大腸菌に対するワクチンであってもよい。ワクチンは大腸菌の菌株を含んでもよい。大腸菌の菌株は:K88線毛と;STbエンテロトキシンと結合した変異体のLTエンテロトキシンを含む融合タンパク質と;を産生できる。ブタの離乳後下痢症用のワクチンを産生するための例示的な方法は、第1の大腸菌の菌株を提供するステップを具えることができる。菌株はeltAB遺伝子とestB遺伝子とを含むことができる。本方法は更に、eltAB遺伝子を増幅するステップと、eltAB遺伝子を変異するステップと、変異体のeltAB遺伝子の、estB遺伝子との遺伝子融合物を産生するステップと、第2の大腸菌の菌株を遺伝子融合物で形質転換するステップと、を具えることができる。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
[関連出願の相互参照]
本出願は、2008年7月8日出願の先願である米国特許出願第12/169,259号の利益を主張し、引用によって本明細書中に組み込まれている。
本出願は、2008年7月8日出願の先願である米国特許出願第12/169,259号の利益を主張し、引用によって本明細書中に組み込まれている。
[発明の分野]
本発明はワクチンに関する。特に、本発明はブタにおいて、腸毒性大腸菌(ETEC)によって引き起こされる離乳後下痢症用のワクチンに関する。
本発明はワクチンに関する。特に、本発明はブタにおいて、腸毒性大腸菌(ETEC)によって引き起こされる離乳後下痢症用のワクチンに関する。
大腸菌(E.coli)は特に下痢症を含む腸内の問題を引き起こすことで悪名高い通常の細菌種である。腸内疾患及び/又は下痢症と関連する、1の大腸菌の種類はいわゆる腸毒性大腸菌(ETEC)である。ETECは恐らくは、旅行者の下痢症を引き起こすことで最も良く知られている。食事及び/又は水の供給源の汚染が一般的にはETECの根源である。
ETECによって引き起こされる疾患は、腸内壁への細菌の接着と毒素(例えば、エンテロトキシン)の宿主系内への放出との双方による。腸内壁への接着は細菌の外部に配列し、接着を可能にする1以上の「線毛(fimbriae)」(すなわち、付属物)を通して実現される。特定のETEC菌株の線毛は宿主特異性である傾向にある。例えば、ブタに感染するETECはK−88線毛を有するが、ヒトに感染する菌株はCFA I及びCFA IIの線毛を有する。
ETECは2の毒素:易熱性(LT)毒素と;耐熱性(ST)毒素と;を産生する。LT毒素は活性又は「A」サブユニットと、5の結合又は「B」サブユニットとを含む。LTは腸内細胞においてcAMPを増加させる点でコレラ毒素と同様の方法で作用し、電解質及び水の排出の増加(下痢症)を引き起こす。ST毒素は「a型(type a)」(すなわち、STa)又は「b型(type b)」(すなわち、STb)となりうる。STはcGMPの産生を刺激し、更に体液排出及び下痢症の増加を導く。腸毒性大腸菌の菌株は非侵襲性であるため、炎症、血性下痢症、あるいは発熱といった全身兆候を引き起こさない。
北アメリカ(及び世界中)の豚産業における、ETECによって引き起こされる新生仔及び離乳後の下痢症は、最も経済上重要なブタの疾患のうちの1つである。例えば、ETEC菌株は総ての離乳前のブタの10.8%及び総ての離乳したブタの最大3%を超える死因と考えられている(Tubbら,1993,“Preweaning morbidity and mortality in the United States swine heed”,Swine Health Prod.1:21−28;CL.Gyle編,“Escherichia coli in domestic animals and humans”,CAB International,Oxon,UKのHampson,1994,“Postweaning Escherichia coli diarrhea in pigs”,pp171−191;Deweyら,2000,“The impact of disease on nursery pig production”,Amer.Assoc.Swine Practictionsers,P 3−11,Indianapolis。その開示全体は引用によって本明細書中に総て組み込まれる)。ブタにおける新生仔及び離乳後の下痢症を治療及び/又は予防する方法に対するニーズは進行中である。
本発明はワクチン用の代替物の設計、材料、製造方法、及び使用を提供する。例示的なワクチンは腸毒性大腸菌に対するワクチンにできる。ワクチンは大腸菌の菌株を含みうる。大腸菌の菌株は、K88線毛と、STbエンテロトキシンと結合した変異体のLTエンテロトキシンを含む融合タンパク質とを産生できる。
ブタの離乳後下痢症用のワクチンを産生するための例示的な方法は、第1の大腸菌の菌株を提供するステップを具えることができる。菌株はeltAB遺伝子とestB遺伝子とを含みうる。この方法は更に、eltAB遺伝子を増幅するステップと、eltAB遺伝子を変異するステップと、変異体のeltAB遺伝子の、estB遺伝子との遺伝子融合物を産生するステップと、第2の大腸菌の菌株を前記遺伝子融合物で形質転換するステップとを具えうる。
別の例示的なワクチンは、ブタの離乳後下痢症用の生ワクチンでありうる。ワクチンは大腸菌の菌株を含みうる。大腸菌の菌株は、K88線毛と、STbエンテロトキシンと結合した変異体のLTエンテロトキシンを含む融合タンパク質とを産生できる。
上のいくつかの実施形態の概要は、本発明の各々の開示した実施形態又は各々の実装について記載することを意図していない。図面及び詳細な説明が後に続き、これらの実施形態を更に詳しく例示する。
以下に定義される用語については、異なる定義が特許請求の範囲において、あるいは他の場合に明細書において与えられない限り、これらの定義が適用される。
総ての数値は本明細書中では、明確に示されていようとなかろうと用語「約(about)」によって修飾されると推定される。用語「約」は一般的には、当該技術分野の当業者が列挙した数値と等価である(すなわち、同一の機能又は結果を有する)と見なす数値範囲のことである。多数の例において、用語「約」は最隣接する有効数字に四捨五入された数値を含むことができる。
端点によって列挙した数値範囲は、その範囲内の総ての数を含む(例えば、1ないし5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「ある(a、an)」及び「その(the)」は、内容がそうではないと明確に示していない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、用語「又は(or)」は一般的には、内容がそうではないと明確に示していない限り「及び/又は(and/or)」を含む意味で用いられる。
以下の詳細な説明は、異なる図面の同様の要素が同一の番号を付された図面を参照して解釈されるべきである。図面は縮尺通りである必要はなく、例示的な実施形態を示し、本発明の範囲を限定することを意図しない。
実施例のワクチンは本明細書中に記載されており、腸毒性大腸菌(ETEC)によって引き起こされる下痢症の予防に有効であるように設計できる。ワクチンはブタにおいて、ETECによって引き起こされる離乳後下痢症の予防に有効になりうる。他のワクチンが考察されており、同一又は同様の設計の考えで設計でき、ヒトを含む他の哺乳類において、ETECによって引き起こされる下痢症の予防に有効になりうる。更に、ワクチンは:産生するのが容易で安全であるように;かつ実質的に、ブタを飼育し、処理し、輸送し、繁殖させ、あるいは別の方法でブタを扱う者が、ワクチンを用いて、ブタの離乳後下痢症から保護できるように;設計できる。
ワクチンは従来の方法でブタに送達できるように設計してもよい。例えば、ワクチンは給餌(例えば、食物、乳、若しくは代用乳、及び/又は水)を通して経口でブタに投与してもよい。この投与経路は、ブタが供される処理量を最小化しうるために所望されうる。代替的に、ワクチンは非経口的、静脈内、筋肉内、局所的、又は皮下を含む他の好適な方法で投与してもよい。当然ながら、投与経路は指示されてもよく、その他の場合においてはワクチンの形態によって判断してもよい。
ワクチンの設計はブタの下痢症における主要なETECの病原性因子を考慮でき:
1)細菌の宿主腸細胞の表面への接着を介在し、コロニー形成を惹起する細菌接着と;
2)体液分泌の原因となるエンテロトキシンと;を含みうる。
例えば、近年の研究は、離乳後下痢症に関連する50ないし70%を超える大腸菌の菌株が、K88型の線毛を産生することが示している。K88線毛のうち、K88acが北アメリカで発見された唯一のK88の変異体であり、世界中で最も一般的である。K88ac線毛は更に、ブタのETECの大腸菌症において必須の病原性決定基として確立されてきた(例えば:Francisら,1998,“Expression of muncin−type glycoprotein K88 receptors strongly correlates with piglet susceptibility to K88+ enterotoxigenic Escherichia coli,but adhesions of this bacterium to brush borders does not”,Infect.Immun.66,4050−4055参照。その開示全体は引用によって本明細書中に組み込まれる)。従って、抗原としてK88線毛及び/又はK88ac線毛を標的にするワクチンが所望されうる。
1)細菌の宿主腸細胞の表面への接着を介在し、コロニー形成を惹起する細菌接着と;
2)体液分泌の原因となるエンテロトキシンと;を含みうる。
例えば、近年の研究は、離乳後下痢症に関連する50ないし70%を超える大腸菌の菌株が、K88型の線毛を産生することが示している。K88線毛のうち、K88acが北アメリカで発見された唯一のK88の変異体であり、世界中で最も一般的である。K88ac線毛は更に、ブタのETECの大腸菌症において必須の病原性決定基として確立されてきた(例えば:Francisら,1998,“Expression of muncin−type glycoprotein K88 receptors strongly correlates with piglet susceptibility to K88+ enterotoxigenic Escherichia coli,but adhesions of this bacterium to brush borders does not”,Infect.Immun.66,4050−4055参照。その開示全体は引用によって本明細書中に組み込まれる)。従って、抗原としてK88線毛及び/又はK88ac線毛を標的にするワクチンが所望されうる。
総てのK88+菌株はLT及びSTbを産生する(例えば:Francis,D.H.,2002,“Enterotoxigenic Escherichia coli infection in pigs and its diagnosis”,J.Swine Health Prod.10,171−175;Frydendahl,K.,2002,“Prevalence of serogroups and virulence genes in Escherichia coli associated with postweaning diarrhea and edema disease in pigs and a comparison of diagnostic approaches”,Vet.Microbiol.85,169−182;及び、Zhangら,2007,“Prevalence of virulence genes in Escherichia coli strains isolated from young pigs with diarrhea in North Central U.S.”,Vet.Microbiol.123,145−152;参照。その開示全体は総て、引用によって本明細書中に組み込まれる)。離乳後下痢症に関与する実質的に総ての大腸菌の菌株はSTbを産生する。いくつかの研究は更に、LTエンテロトキシン及びSTbエンテロトキシンがETEC感染と関連する下痢症に関与することを実証している(例えば:Berberovら,2004,“Relative importance of heat−labile enterotoxin in the causation of severe diarrheal disease in the gnotobiotic piglet model by a strain of entertoxigenic Escherichia coli that produces multiple enterotoxins”,Infect.Immun.72,3914−3924;及び、Zhangら,2006,“Significance of heat−stabile and heat−labile enterotoxins in porcine colibacillosis in an additive model for pathogenicity studies”,Infect.Immun.74,3107−3114;参照。その開示全体は総て、引用によって本明細書中に組み込まれる)。従って、抗原としてLT及び/又はSTbを標的にするワクチンが所望される。更に、K88ac、LT、及びSTbに対する抗原を含むワクチンは、ブタの主要な病原体の実質的に総ての病原性決定基をカバーするため所望されうる。この設計ストラテジーを用いるワクチンの独自性は、ワクチンが産生でき、ETECの総ての主要な病原性因子の抗原を発現することである。これらのワクチンの少なくとも一部は子ブタにおいて実質的に非病原性であるように見える。
本明細書中に記載のワクチンの更なる固有の態様は、ワクチンが競争的排除性の生菌ならびにワクチンとして機能しうることである(例えば、少なくともいくつかの実施形態においては、本明細書中に記載のワクチンは生菌の効果を有する)。微生物における競争的排除性の生菌は、疾患を引き起こすのに病原体によって要求される、宿主内の生物学的ニッチで、病原体と競合する。二重目的の生菌/ワクチンの菌株の大きな利点は、ブタが離乳時に所有権が変更し、ETECの疾患に対する脆弱性がその後すぐに生じる場合に、豚産業で重大となる、疾患からの保護が即時に起こしうることである。更に、有機体は生ワクチンであってもよいため、養豚場の水システムに送達でき、豚産業での懸案事項である、個々の動物処理を要求しない。
[ワクチン]
少なくとも一部の実施形態においては、本明細書中に記載のワクチンは、腸毒性大腸菌の菌株によって生じる下痢症の疾患から若齢の豚を保護するように設計される生ワクチンである。ワクチンはK88ac線毛由来の抗原と、遺伝子操作された融合タンパク質とを発現する、生存型の大腸菌の菌株を含むことができる。融合タンパク質は変異体及び/又は非毒性の易熱性(LT)エンテロトキシンと耐熱性B型(STb)エンテロトキシンとを含んでもよい。
少なくとも一部の実施形態においては、本明細書中に記載のワクチンは、腸毒性大腸菌の菌株によって生じる下痢症の疾患から若齢の豚を保護するように設計される生ワクチンである。ワクチンはK88ac線毛由来の抗原と、遺伝子操作された融合タンパク質とを発現する、生存型の大腸菌の菌株を含むことができる。融合タンパク質は変異体及び/又は非毒性の易熱性(LT)エンテロトキシンと耐熱性B型(STb)エンテロトキシンとを含んでもよい。
別の実施形態においては、ワクチンはK88ac線毛由来の抗原と、変異体及び/又は非毒性の易熱性(LT)エンテロトキシンとを発現する生存型の大腸菌の菌株を含んでもよい。
更に別の実施形態においては、ワクチンはK88ac線毛由来の抗原と、変異体及び/又は非毒性の耐熱性B型(STb)エンテロトキシンとを発現する生存型の大腸菌の菌株を含んでもよい。
更に別の実施形態においては、ワクチンは変異体及び/又は非毒性の易熱性(LT)エンテロトキシン、非毒性の耐熱性B型(STb)エンテロトキシン、又は例えば融合タンパク質として結合した双方を産生する生存型の大腸菌の菌株を含んでもよい。
更に別の実施形態においては、ワクチンはK88ac以外の線毛、例えばETECと関連する他の線毛に対する抗原を発現する生存型の大腸菌の菌株を含んでもよい。これらのワクチンは更に、変異体及び/又は非毒性の易熱性(LT)エンテロトキシン、変異体及び/又は非毒性の耐熱性B型(STb)エンテロトキシン、又はその双方を発現してもよい。
本明細書中に記載のワクチンはブタ用の給餌に植菌することによってブタに送達してもよい。例えば、ワクチンはブタ用の食物、乳(若しくは代用乳)、水又は双方に添加してもよい。
本明細書中に記載のワクチンは:eltAB遺伝子とestB遺伝子とを含む第1の大腸菌の菌株を提供すること;eltAB遺伝子を増幅すること;eltAB遺伝子を変異すること;変異体のeltAB遺伝子の、estB遺伝子との遺伝子融合物を産生すること;及び、第2の大腸菌の菌株を遺伝子融合物で形質転換すること;によって生産及び/又は産生できる。
本発明は以下の実施例によって更に明確になり、好適な実施形態の一部を例示するのに用いられるが、決して本発明を限定するのに用いられない。
[実施例1]
〈eltAB遺伝子の分離及びクローン化〉
eltAB遺伝子(LTエンテロトキシンをコード)及びestB遺伝子(STbエンテロトキシンをコード)のために用いられる原料は、「野生分離株(field isolate)3030−2」と称されるブタの腸毒性大腸菌(ETEC)の野生分離株由来のゲノムDNA全体であった。野生分離株3030−2は、米国ヴァージニア州マナッサス20110−2209 ユニバーシティ大通り10801にあるアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection:ATCC(登録商標))で、ブダペスト条約の条件の下で2008年6月6日に寄託され、既知のATCC特許寄託番号(ATCC Patent Deposit Designation)PTA−9262である。寄託された材料の公衆に対する利用可能性の総ての制限は、米国特許法施行規則§1.808(b)に特定された要求を除き、特許の付与で変更不可能に除去され、寄託の条件は米国特許法施行規則§1.806に従う。
〈eltAB遺伝子の分離及びクローン化〉
eltAB遺伝子(LTエンテロトキシンをコード)及びestB遺伝子(STbエンテロトキシンをコード)のために用いられる原料は、「野生分離株(field isolate)3030−2」と称されるブタの腸毒性大腸菌(ETEC)の野生分離株由来のゲノムDNA全体であった。野生分離株3030−2は、米国ヴァージニア州マナッサス20110−2209 ユニバーシティ大通り10801にあるアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection:ATCC(登録商標))で、ブダペスト条約の条件の下で2008年6月6日に寄託され、既知のATCC特許寄託番号(ATCC Patent Deposit Designation)PTA−9262である。寄託された材料の公衆に対する利用可能性の総ての制限は、米国特許法施行規則§1.808(b)に特定された要求を除き、特許の付与で変更不可能に除去され、寄託の条件は米国特許法施行規則§1.806に従う。
ゲノムDNAはDNeasy(登録商標)Tissueキット(カリフォルニア州のQIAGEN社から商業上入手可能)を用いて野生分離株3030−2から単離された。得られた分離したゲノムDNAは、0.1μg/μlの保存液に保存/希釈された。この保存液はeltAB遺伝子(LTエンテロトキシンをコード)と、estB遺伝子(STbエンテロトキシンをコード)とを増幅するためのDNAの供給源及び/又は鋳型として用いられた。eltAB遺伝子は、配列番号2によって表わされるアミノ酸配列をコードする、配列番号1として表わされたヌクレオチド配列からなる。estB遺伝子は、配列番号4によって表わされるアミノ酸配列をコードする、配列番号3として表わされたヌクレオチド配列からなる。
eltAB遺伝子はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅された。2のプライマー:
「LT−F」と称され、配列番号5によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「LT−R」と称され、配列番号6によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAプライマーと;
はこの反応で合成された。
PCRは、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのLT−F及びLT−Rと、1μlの野生分離株3030−2由来のゲノムDNAの保存液と、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
「LT−F」と称され、配列番号5によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「LT−R」と称され、配列番号6によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAプライマーと;
はこの反応で合成された。
PCRは、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのLT−F及びLT−Rと、1μlの野生分離株3030−2由来のゲノムDNAの保存液と、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
増幅されたeltAB遺伝子(すなわち、PCRによる反応産物)はアガロースゲル電気泳動を用いて適合する大きさであることを確認され、その後ゲルから切除され、QIAquick Gel Extraction Kit(カリフォルニア州のQIAGEN社から商業上入手可能)を用いて精製された。精製されたeltAB遺伝子のPCR産物はその後、35μlのddH2Oで溶出された。
eltAB遺伝子はpBR322プラスミドベクター(ウィスコンシン州Promega社から商業上入手可能)にクローン化された。pBR322ベクターは最初に、制限酵素EcoRV(マサチューセッツ州のNew England Biolab社から商業上入手可能)で37℃で1時間、等倍緩衝液(EcoRV用の緩衝液3)と、等倍のBSAと、20ユニットの酵素とを有する25μlの反応容量において消化された。消化後、消化されたpBR322プラスミドは、QIAquick Gel Extraction Kit(カリフォルニア州のQIAGEN社)を用いてアガロースゲル電気泳動によって精製された。消化されたpBR322プラスミドはその後、35μlのddH2Oに溶出された。
eltAB遺伝子のベクターpBR322へのクローニングは、T4 DNA Ligase(マサチューセッツ州のNew England Biolab社から商業上入手可能)で16℃で一晩、2μlの10倍緩衝液と、1μlのT4リガーゼと、7μlの消化されたpBR322保存液と、10μlのeltAB保存液とを含む20μlの反応容量において行われる連結反応を含んだ。
2マイクロリットルのT4連結された産物は、0.1cm間隙の電気穿孔キュベット(ミズーリ州のSigma社)において2.5kV、25uFの静電容量、及び200Ωの抵抗値に設定したECM630(カリフォルニア州のBTX(登録商標)社)の電気穿孔器(electroporator)を用いて、「野生分離株1836−2」と称されたブタの野生分離株由来の100μlの大腸菌のコンピテント細胞に導入された。野生分離株1836−2は、eltAB遺伝子とestB遺伝子とを欠く非病原性のブタの大腸菌の野生分離株である。
野生分離株1836−2は、米国ヴァージニア州マナッサス20110−2209 ユニバーシティ大通り10801にあるアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC(登録商標))で、ブダペスト条約の条件の下で2008年6月6日に寄託され、既知のATCC特許寄託番号PTA−9260である。寄託された材料の公衆に対する利用可能性の総ての制限は、米国特許法施行規則§1.808(b)に特定された要求を除き、特許の付与で変更不可能に除去され、寄託の条件は米国特許法施行規則§1.806に従う。
菌株1836−2はK88ac線毛を発現し、K88受容体陽性のブタの腸上皮をコロニー形成する。1836−2菌株のみが若齢のブタで病気を惹起しない(Zhangら,2006,“Significance of heat−stable and heat−labile enterotoxins in porcine colibacillosis in an additive model for pathogenicity studies”,Infect.Immun.74:3107−3114。その開示全体は引用によって本明細書中に組み込まれる)。
50μlの形質転換された1836−2細胞は、50μg/mlのアンピシリンを含む寒天プレート上に延展された。プレートは37℃で一晩インキュベートされた。
陽性コロニー(アンピシリン耐性で選択)はプレート上で観察された。プラスミドDNAはQIAprep Spin Miniprep kit(カリフォルニア州のQIAGEN社)を用いて陽性コロニーから抽出され、最初にPCRによってスクリーニングされ、その後BigDye Terminator Kit(カリフォルニア州のApplied Biosystem社から商業上入手可能)で配列決定され、eltAB遺伝子がpBR322に挿入され、正しい読み枠にあることを確認した。
eltAB遺伝子を含む、得られたプラスミドベクターはpLTと称され、精製され(カリフォルニア州のQIAGEN社のQIAprep Spin Miniprep kit)、0.1μg/μlの保存液に希釈された。
[実施例2]
〈eltAB遺伝子の変異体〉
pLTにおけるeltAB遺伝子は、eltAB遺伝子のアミノ酸残基番号192に対応するヌクレオチドを「AGA」から「GGA」に変えるために部位特異的変異誘発を用いて変異された。プラスミドpLTはこの変異のための配列を含むプラスミドを産生するための鋳型として用いられ、pLT192と称した。pLT192変異体を産生するために、2の内部のPCRプライマー:
「LT192−F」と称され、配列番号7によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「LT192−R」と称され、配列番号8によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
はPCR反応で用いられた。
PCRは、1μlのpLTの保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのLT192−F及びLT192−Rと、1ulのpBR322保存液(100ng/ul)と、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
〈eltAB遺伝子の変異体〉
pLTにおけるeltAB遺伝子は、eltAB遺伝子のアミノ酸残基番号192に対応するヌクレオチドを「AGA」から「GGA」に変えるために部位特異的変異誘発を用いて変異された。プラスミドpLTはこの変異のための配列を含むプラスミドを産生するための鋳型として用いられ、pLT192と称した。pLT192変異体を産生するために、2の内部のPCRプライマー:
「LT192−F」と称され、配列番号7によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「LT192−R」と称され、配列番号8によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
はPCR反応で用いられた。
PCRは、1μlのpLTの保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのLT192−F及びLT192−Rと、1ulのpBR322保存液(100ng/ul)と、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
増幅された変異型のeltAB遺伝子(すなわち、PCRによる反応産物)はアガロースゲル電気泳動を用いて適合する大きさであることを確認され、その後ゲルから切除され、QIAquick Gel Extraction Kit(カリフォルニア州のQIAGEN社から商業上入手可能)を用いて精製された。精製された変異型のeltAB遺伝子のPCR産物はその後、35μlのddH2Oで溶出された。
[実施例3]
〈変異型のeltAB遺伝子のクローン化〉
DNA鋳型としてのpLTプラスミドの場合、プラスミドpBR322の一部及びeltAB遺伝子の5’末端は、PCRプライマーを用いて増幅され、SfcI制限部位を含む過剰重複する5’末端を追加した。この反応のプライマーは:
「pBREcoRI−F」と称され、配列番号9によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
LT192−Rと;
を含んだ。
PCRは、1μlのpLTの保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、200nMのdNTPと、各0.5μMのpBREcoRI−F及びLT192−Rと、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
〈変異型のeltAB遺伝子のクローン化〉
DNA鋳型としてのpLTプラスミドの場合、プラスミドpBR322の一部及びeltAB遺伝子の5’末端は、PCRプライマーを用いて増幅され、SfcI制限部位を含む過剰重複する5’末端を追加した。この反応のプライマーは:
「pBREcoRI−F」と称され、配列番号9によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
LT192−Rと;
を含んだ。
PCRは、1μlのpLTの保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、200nMのdNTPと、各0.5μMのpBREcoRI−F及びLT192−Rと、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
eltAB遺伝子の3’末端及びプラスミドpBR322の一部は更に、PCRプライマーを用いて増幅され、EagI制限部位を有する過剰重複する3’末端を追加した。この反応のプライマーは:
「pBREagI−R」と称され、配列番号10によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
LT192−Fと;
を含んだ。
PCRは、1μlのpLTの保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのLT192−F及びpBREagI−Rと、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
「pBREagI−R」と称され、配列番号10によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
LT192−Fと;
を含んだ。
PCRは、1μlのpLTの保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのLT192−F及びpBREagI−Rと、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
変異型のeltAB遺伝子の増幅した5’末端及び3’末端のフラグメントは生成され(QIAGEN社のキットQIAquick Gel Extractionを用いて)、その後変異型のブタのeltAB遺伝子(LT192タンパク質をコード化)用のSOE(スプライスオーバラップ伸長)PCRで連結された。SOE PCRは、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各20μlの精製された5’末端及び3’末端のPCR産物と、1ユニットのプラーク形成単位のポリメラーゼと、0.5ユニットのtaqDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において行われた(カリフォルニア州のApplied Biosystem社)。SOE PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、45℃で30秒、72℃で3分の10サイクルと;その後の72℃で10分の延長と;を含んだ。
この変異型のeltAB遺伝子(LT192)は、制限酵素SfcI及びEagIで消化され、ベクターpBR322となった。SfcI及びEagI制限酵素(マサチューセッツ州のNew England Biolab社)での制限酵素の消化は37℃で1時間、等倍緩衝液(EagI用の緩衝液3及びSfcI用の緩衝液4)と、等倍のBSAと、20ユニットの酵素とを有する25μlの反応容量において行われた。消化された産物はQIAquick Gel Extraction Kit(カリフォルニア州のQIAGEN社)を用いてアガロースゲル電気泳動によって精製され、T4 DNA Ligase(マサチューセッツ州のNew England Biolab社)で16℃で一晩、2μlの10倍緩衝液と、1μlのT4リガーゼと、7μlのベクターと、10μlの挿入物とを含む20μlの反応容量において連結された。
2マイクロリットルのT4連結された産物は、2.5kV、25uFの静電容量、及び200Ωの抵抗を用いた電気穿孔法で、100μlの大腸菌のコンピテント細胞1836−2に導入された。
50μlの形質転換された1836−2細胞は、50μg/mlのアンピシリンを含む寒天プレート上に延展された。プレートは37℃で一晩インキュベートされた。
陽性コロニー(アンピシリン耐性で選択)はプレート上で観察された。プラスミドDNAはQIAprep Spin Miniprep kit(カリフォルニア州のQIAGEN社)を用いて陽性コロニーから抽出され、最初にPCRによってスクリーニングされ、その後BigDye Terminator Kit(カリフォルニア州のApplied Biosystem社から商業上入手可能)で配列決定された。変異型のeltAB遺伝子を含む、得られたプラスミドベクターはpLT192と称され、精製され(カリフォルニア州のQIAGEN社のQIAprep Spin Miniprep kit)、0.1μg/μlの保存液に希釈された。
[実施例4]
〈変異型のeltAB遺伝子のestB遺伝子との遺伝子融合物の産生〉
変異型のeltAB遺伝子のestB遺伝子との遺伝子融合物を産生するために、2のPCR反応が行われた。最初に、我々は2の更なるPCRプライマー:
「STb:LT−F5」と称され、配列番号11によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「LT:STb−R4」と称され、配列番号12によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
を設計した。
「STb:LT−F5」順方向プライマーは、変異型のeltAB遺伝子の3’末端のヌクレオチドと、Gly−Pro−Gly−Proリンカーと、estB遺伝子の5’末端のヌクレオチドとを含む。「LT:STb−R4」逆方向プライマーは、estB遺伝子の5’末端と、リンカーと、変異型のeltAB遺伝子の3’末端とを含む。プラスミドpLT192由来のDNA鋳型と、プライマーpBREcoRI−F及びLT:STb−R4とを用いるPCRは、pBR322ベクターの一部と、変異型のeltAB遺伝子全体(停止コドンは欠失)と、Gly−Proリンカーと、estB遺伝子の5’末端の一部を増幅した。
〈変異型のeltAB遺伝子のestB遺伝子との遺伝子融合物の産生〉
変異型のeltAB遺伝子のestB遺伝子との遺伝子融合物を産生するために、2のPCR反応が行われた。最初に、我々は2の更なるPCRプライマー:
「STb:LT−F5」と称され、配列番号11によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「LT:STb−R4」と称され、配列番号12によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
を設計した。
「STb:LT−F5」順方向プライマーは、変異型のeltAB遺伝子の3’末端のヌクレオチドと、Gly−Pro−Gly−Proリンカーと、estB遺伝子の5’末端のヌクレオチドとを含む。「LT:STb−R4」逆方向プライマーは、estB遺伝子の5’末端と、リンカーと、変異型のeltAB遺伝子の3’末端とを含む。プラスミドpLT192由来のDNA鋳型と、プライマーpBREcoRI−F及びLT:STb−R4とを用いるPCRは、pBR322ベクターの一部と、変異型のeltAB遺伝子全体(停止コドンは欠失)と、Gly−Proリンカーと、estB遺伝子の5’末端の一部を増幅した。
第1のPCRは、1μlのpLT192の保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのSTb:LT−F5及びLT:STb−R4と、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
野生分離株3030−2及びPCRプライマーSTb:LT−F5由来のゲノムDNAと、「STbEagI−R」と称され、配列番号13によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドとを用いた第2のPCRは、変異型のeltAB遺伝子の3’末端の一部と、リンカーと、estB遺伝子とを増幅した。そのPCRは、1μlの野生分離株3030−2のDNA保存液と、等倍のプラーク形成単位の(Mg++を有する)DNAポリメラーゼ緩衝液と、0.2mMのdNTPと、各0.5μMのSTb:LT−F5及びSTbEagI−Rと、1ユニットのプラーク形成単位のDNAポリメラーゼとを含む50μlの反応容量において、BIORAD PTC−100サーマルサイクラー(カリフォルニア州のBIORAD社)で行われた(カリフォルニア州のStrategene社)。PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の30サイクルと;その後の72℃で6分の延長と;を含んだ。
増幅した産物はSOE PCRで連結され、LT192−Gly−Pro−リンカー−estBの融合産物を得た。SOE PCRプログラムは、94℃で2分の1サイクルと;94℃で30秒、45℃で30秒、72℃で3分の10サイクルと;その後の72℃で10分の延長と;を含んだ。
増幅した産物は、制限酵素SfcI及びEagIで消化された。SfcI及びEagI制限酵素(マサチューセッツ州のNew England Biolab社)での制限酵素の消化は37℃で1時間、等倍緩衝液(EagI用の緩衝液3及びSfcI用の緩衝液4)と、等倍のBSAと、20ユニットの酵素とを有する25μlの反応容量において行われた。消化された産物はQIAquick Gel Extraction Kit(カリフォルニア州のQIAGEN社)を用いてアガロースゲル電気泳動によって精製され、T4 DNA Ligase(マサチューセッツ州のNew England Biolab社から商業上入手可能)で16℃で一晩、2μlの10倍緩衝液と、1μlのT4リガーゼと、7μlの消化されたベクター(pBR322)と、10μlの消化された挿入物(増幅した産物)とを含む20μlの反応容量において連結された。
2マイクロリットルのT4連結された産物は、2.5kV、25uFの静電容量、及び200Ωの抵抗を用いた電気穿孔法で、100μlの大腸菌のコンピテント細胞1836−2に導入された。
50μlの形質転換された1836−2細胞は、50μg/mlのアンピシリンを含む寒天プレート上に延展された。プレートは37℃で一晩インキュベートされた。
陽性コロニー(アンピシリン耐性で選択)はプレート上で観察された。プラスミドDNAはQIAprep Spin Miniprep kit(カリフォルニア州のQIAGEN社)を用いて陽性コロニーから抽出され、最初にPCRによってスクリーニングされ、その後BigDye Terminator Kit(カリフォルニア州のApplied Biosystem社から商業上入手可能)で配列決定された。変異型のeltAB遺伝子を含む、得られたプラスミドベクターは「pLT192:STb」と称され、精製され(カリフォルニア州のQIAGEN社のQIAprep Spin Miniprep kit)、0.1μg/μlの保存液に希釈された。
プラスミドLT192STbで形質転換された菌株1836−2(例えば、陽性コロニーの培養物)は30%のグリセリン溶液中に保持された。この菌株1836−2は、ワクチン菌株「8488」と称された。ワクチン菌株8488は、米国ヴァージニア州マナッサス20110−2209 ユニバーシティ大通り10801にあるアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC(登録商標))で、ブダペスト条約の条件の下で2008年6月6日に寄託され、既知のATCC特許寄託番号PTA−9261である。寄託された材料の公衆に対する利用可能性の総ての制限は、米国特許法施行規則§1.808(b)に特定された要求を除き、特許の付与で変更不可能に除去され、寄託の条件は米国特許法施行規則§1.806に従う。
[実施例5]
代替的に、第1のPCR反応は「L−リンカー(L−linker)」を変えるために、以下に示すものと置換された。この実施例においては、「L−リンカー」(5’−cgagetcggtacccggggatc−‘3,Clements及びCardenas,1990,“Vaccines against enterotoxigenic bacterial pathogens based on hybrid Salmonella that express heterologous antigens”,Res.Microbiol.141:981−993。その開示全体は引用によって本明細書中に組み込まれる)を含む2の更なるPCRプライマー:
「LT:STb−R5」と称され、配列番号14によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「STb:LTB−F」と称され、配列番号15によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
は、2のタンパク質の間の可動性を増加させることを意図すべく設計された。
実施例4に記載のものと同様の反応においては、pBREcoRI−F及びLT:STb−R5と、pLT192:STbプラスミドDNAとを用いたPCRは、変異型のeltAB遺伝子と、L−リンカーと、estB遺伝子の5’末端とを増幅し、STb:LTB−F及びSTbEagI−Rを用いた第2のPCR(実施例4における切片PCRと同様)は、変異型のeltAB遺伝子の3’末端と、L−リンカーと、estB遺伝子とを増幅した。2のフラグメントはSOE PCRで連結され、SfcI及びEagI酵素で消化され、その後ベクターpBR322に連結された。
代替的に、第1のPCR反応は「L−リンカー(L−linker)」を変えるために、以下に示すものと置換された。この実施例においては、「L−リンカー」(5’−cgagetcggtacccggggatc−‘3,Clements及びCardenas,1990,“Vaccines against enterotoxigenic bacterial pathogens based on hybrid Salmonella that express heterologous antigens”,Res.Microbiol.141:981−993。その開示全体は引用によって本明細書中に組み込まれる)を含む2の更なるPCRプライマー:
「LT:STb−R5」と称され、配列番号14によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
「STb:LTB−F」と称され、配列番号15によって表わされるヌクレオチド配列からなる合成DNAオリゴヌクレオチドと;
は、2のタンパク質の間の可動性を増加させることを意図すべく設計された。
実施例4に記載のものと同様の反応においては、pBREcoRI−F及びLT:STb−R5と、pLT192:STbプラスミドDNAとを用いたPCRは、変異型のeltAB遺伝子と、L−リンカーと、estB遺伝子の5’末端とを増幅し、STb:LTB−F及びSTbEagI−Rを用いた第2のPCR(実施例4における切片PCRと同様)は、変異型のeltAB遺伝子の3’末端と、L−リンカーと、estB遺伝子とを増幅した。2のフラグメントはSOE PCRで連結され、SfcI及びEagI酵素で消化され、その後ベクターpBR322に連結された。
[実施例6]
〈ワクチンの産生及び投与〉
ワクチンは50μg/mlのアンピシリン(ampilicilin)を含む10mlのLB(Luria−Bertani)培地において、25μlの菌株8488の菌株を37℃で一晩インキュベートすることによって産生された。
〈ワクチンの産生及び投与〉
ワクチンは50μg/mlのアンピシリン(ampilicilin)を含む10mlのLB(Luria−Bertani)培地において、25μlの菌株8488の菌株を37℃で一晩インキュベートすることによって産生された。
3ミリリットル(3×109のコロニー形成単位又はCFU)の一晩成長させた菌株8488の培養物は、ブタへの経口投与用に219mlのEsbilac代用乳(アイオワ州のPet Ag社)に混合された。
ワクチンの研究に用いられる子ブタは帝王切開によって分娩され、3の群に無作為に分割され、純粋隔離群の設備(無菌環境)において成長させた。7日齢で、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteriodes thetaiotaaomicron)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Chlostridium clostridioforme)、ラクトバチルス・ブレビス、及び大腸菌の菌株G58−1を含む標準の植物性細菌とともに経口接種されて、これらの純粋隔離群の子ブタの未処理の免疫系を活性化した。これらの非病原性の細菌は通常は、ブタの腸管及び標準的な植物の一部に存在する。14日齢で、ブタは3群:ワクチン群と2の負のコントロールと;に配置された。第1の群の4のブタ(以降の本実施例及び他の実施例においては「ワクチン菌株」群として認知される)はワクチン菌株8488(代用乳中に)を摂取し、第2の群の4のブタ(以降の本実施例及び他の実施例においては「1836−2(−)」群として認知される)は菌株1836−2(219ミリリットルの代用乳中に3ミリリットル又は3×109のCFUの菌株1836−2)を摂取し、第3の群の4のブタ(以降の本実施例及び他の実施例においては「負のコントロール」群として認知される)は代用乳のみを摂取した。
1週後、ワクチン菌株群におけるブタは、387ミリリットルの代用乳中の3mlの一晩成長させた8488の培養物の経口消化で、更なる免疫化で追加免役された。
更に1週後に、総ての3群のブタが387ミリリットルの代用乳に混合された、3mlの野生型のETEC菌株3030−2の一晩成長させた培養物で曝露された。ブタは下痢症及び脱水症を含む臨床症状の発生の緻密な観察下にあった。48時間後に、総てのブタは組織学的検討のため検死に供された。血液サンプルは各々の免疫化前後、曝露の前後に各々のブタから収集されて、免疫応答をモニタリングした(結果の実施例11参照)。総てのブタは接種材料を消費するのを観察され、嘔吐、下痢症、脱水症、及び嗜眠を含む、後の臨床上の兆候をモニタリングした。検死時に、小さな腸内サンプルが細菌のコロニー形成の研究のために各々のブタから検死時に収集された。
子ブタは安楽死後の接種後48時間で検死に供され、回腸(I)(回盲弁の近傍の3ないし5cm)、空腸下部(LJ)(幽門弁と回盲弁との間の3分の1ないし2分の1)、空腸上部(UJ)(幽門弁と回盲弁との間の2分の1ないし3分の2)、及び十二指腸(D)(幽門弁の遠位の3ないし5cm)のサンプルが細菌学的及び組織学的研究のために収集された。
[実施例8]
〈子ブタの脱水症の評価〉
曝露に続く脱水症のレベルは、血液の血中血球容積(PCV)及び血漿の総タンパク質量(TP)の変化を測定することによって決定された。血液サンプルは接種前及び接種後18時間で各々のブタから引き出された、他に記載のように、血液の血中血球容積及び血漿の総タンパク質量について試験した。簡潔に言うと、血液サンプルは75mmの毛管に配置され、TP及びPCVの分析のために遠心分離された。PCVは標準的なヘマトクリット値の全体の割合のカルテを用いて判断された。血漿TP成分は標準的な医療用屈折計を用いて判断された。接種前の収集サンプルから接種後の収集サンプルへのPCV及び血漿TPの増加は、脱水症の指標の役割をした。
〈子ブタの脱水症の評価〉
曝露に続く脱水症のレベルは、血液の血中血球容積(PCV)及び血漿の総タンパク質量(TP)の変化を測定することによって決定された。血液サンプルは接種前及び接種後18時間で各々のブタから引き出された、他に記載のように、血液の血中血球容積及び血漿の総タンパク質量について試験した。簡潔に言うと、血液サンプルは75mmの毛管に配置され、TP及びPCVの分析のために遠心分離された。PCVは標準的なヘマトクリット値の全体の割合のカルテを用いて判断された。血漿TP成分は標準的な医療用屈折計を用いて判断された。接種前の収集サンプルから接種後の収集サンプルへのPCV及び血漿TPの増加は、脱水症の指標の役割をした。
[実施例9]
〈細菌の腸内コロニー形成の評価〉
小腸の細菌のコロニー形成の大きさ及び位置の判定は、定量培養及び免疫組織化学的に染色された子ブタの小腸部分の画像分析によって実現された。回腸組織の1グラムに対するCFU単位での細菌の濃度が決定された。簡潔に言うと、回腸組織が秤量され、PBS中で(9×NmlのPBSにNグラムの組織の比率で)洗浄及び粉砕され、連続的に溶出され、血液寒天培地(ブレインハートベース)又はLB寒天プレートに播種され、細菌コロニーが計数された後に、37℃で一晩インキュベートされた。
〈細菌の腸内コロニー形成の評価〉
小腸の細菌のコロニー形成の大きさ及び位置の判定は、定量培養及び免疫組織化学的に染色された子ブタの小腸部分の画像分析によって実現された。回腸組織の1グラムに対するCFU単位での細菌の濃度が決定された。簡潔に言うと、回腸組織が秤量され、PBS中で(9×NmlのPBSにNグラムの組織の比率で)洗浄及び粉砕され、連続的に溶出され、血液寒天培地(ブレインハートベース)又はLB寒天プレートに播種され、細菌コロニーが計数された後に、37℃で一晩インキュベートされた。
[実施例10]
〈K88受容体発現の評価のための子ブタの刷子縁の接着アッセイ〉
検死で各々の子ブタから収集された空腸のサンプルは以下の標準的な方法で刷子縁の小胞を調製するのに用いることができる。各々の子ブタからの小腸内の刷子縁の小胞は、K88ab、K88ac、及びK88adの線毛を発現する大腸菌の接着のために試験された。刷子縁と混合した細菌の懸濁液は細菌の刷子縁への接着について位相差顕微鏡の下で試験された。個々の刷子縁の小胞に接着した細菌の数は計数され、各々の刷子縁のサンプルからの10の小胞は細菌の算出用に含まれた。個々の刷子縁は、2以上の細菌が刷子縁の小胞に接着する場合に接着性であると見なされた。接着性のないブタはデータ分析から除外された。
〈K88受容体発現の評価のための子ブタの刷子縁の接着アッセイ〉
検死で各々の子ブタから収集された空腸のサンプルは以下の標準的な方法で刷子縁の小胞を調製するのに用いることができる。各々の子ブタからの小腸内の刷子縁の小胞は、K88ab、K88ac、及びK88adの線毛を発現する大腸菌の接着のために試験された。刷子縁と混合した細菌の懸濁液は細菌の刷子縁への接着について位相差顕微鏡の下で試験された。個々の刷子縁の小胞に接着した細菌の数は計数され、各々の刷子縁のサンプルからの10の小胞は細菌の算出用に含まれた。個々の刷子縁は、2以上の細菌が刷子縁の小胞に接着する場合に接着性であると見なされた。接着性のないブタはデータ分析から除外された。
[実施例11]
〈結果〉
ワクチン菌株8488(ワクチン菌株群)で免疫化された総てのブタが健常のままであり、ブタの下痢性のETEC菌株3030−2で曝露後にいかなる下痢症又は脱水症の発生しなかった。小腸における糞中の水分層は平均35.5%(固形の糞便、標準、健常)であった。100%の保護が観察された。
〈結果〉
ワクチン菌株8488(ワクチン菌株群)で免疫化された総てのブタが健常のままであり、ブタの下痢性のETEC菌株3030−2で曝露後にいかなる下痢症又は脱水症の発生しなかった。小腸における糞中の水分層は平均35.5%(固形の糞便、標準、健常)であった。100%の保護が観察された。
負のコントロール群におけるブタ(1832−3(−)群及び負のコントロール群の双方)はブタの下痢性のETEC菌株3030−2で曝露後に、下痢症を発生した。小腸における糞中の水分層は90%を超えた(小腸に蓄積した水、下痢症)。
ワクチン群(ワクチン菌株群)におけるブタは抗K88抗体及び抗LT抗体が多いことが観察される一方、コントロール群(1832−3(−)群及び負のコントロール群の双方)においては、検出された抗体は無いか有意に低かった(以下の表1ないし6参照)。
ワクチン群由来のブタの小腸はワクチン菌株(6.7×108CFU/g)で大きくコロニー形成され、3030−2によるコロニー形成を予防する(0ないし6×104CFU/g)一方、負のコントロール群(1832−3(−)群及び負のコントロール群の双方)由来のブタの小腸は菌株3030−2(1.03×108CFU/gの3030−2)の曝露で優位にコロニー形成され、下痢症の疾患を発生するのに必須条件となる。
抗K88抗体及び抗LT抗体の存在はウエスタンブロット分析を用いて測定された。各々の群のブタについて血清中で検出された抗K88抗体の滴定量は、表1ないし3に示される。
血清中で検出された抗LT抗体の滴定量は、表4ないし6に示されている。
この開示は多数の点において単なる例示であると理解すべきである。本発明の範囲を超えることなく、細部にわたって、特に形状、大きさ、及びステップの配列において変更がなされうる。本発明の範囲は当然ながら、添付の請求項が表現される言葉において規定される。
Claims (17)
- 腸毒性大腸菌に対するワクチンであって:
K88線毛と;
STbエンテロトキシンと結合した変異体のLTエンテロトキシンを含む融合タンパク質と;
を産生する大腸菌の菌株を含むことを特徴とするワクチン。 - 請求項1に記載のワクチンにおいて、当該ワクチンが大腸菌生ワクチンであることを特徴とするワクチン。
- 請求項1又は2のいずれか1項に記載のワクチンにおいて、当該ワクチンがブタの離乳後下痢症に対するワクチンであることを特徴とするワクチン。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のワクチンにおいて、前記大腸菌の菌株がATCC特許寄託番号PTA−9261の下で、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託される菌株であることを特徴とするワクチン。
- ブタの離乳後下痢症用のワクチンを産生するための方法であって、当該方法が:
第1の大腸菌の菌株を提供するステップであって、前記菌株がeltAB遺伝子とestB遺伝子とを含むステップと;
前記eltAB遺伝子を増幅するステップと;
前記eltAB遺伝子を変異するステップと;
変異体の前記eltAB遺伝子の、前記estB遺伝子との遺伝子融合物を産生するステップと;
第2の大腸菌の菌株を前記遺伝子融合物で形質転換するステップと;
を具えることを特徴とする方法。 - 請求項5に記載の方法において、前記第1の大腸菌の菌株がK88線毛を発現することを特徴とする方法。
- 請求項5又は6のいずれか1項に記載の方法において、前記第1の大腸菌の菌株がK88ac線毛を発現することを特徴とする方法。
- 請求項5ないし7のいずれか1項に記載の方法において、前記第1の大腸菌の菌株がATCC特許寄託番号PTA−9262の下で、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託される菌株であることを特徴とする方法。
- 請求項5ないし8のいずれか1項に記載の方法において、前記変異体のeltAB遺伝子の、前記estB遺伝子との遺伝子融合物を産生するステップが、前記eltAB遺伝子と前記estB遺伝子との間のリンカーを処分するステップを具えることを特徴とする方法。
- 請求項5ないし9のいずれか1項に記載の方法において、前記第2の大腸菌の菌株が前記eltAB遺伝子を欠くことを特徴とする方法。
- 請求項5ないし10のいずれか1項に記載の方法において、前記第2の大腸菌の菌株が前記estB遺伝子を欠くことを特徴とする方法。
- 請求項5ないし11のいずれか1項に記載の方法において、前記第2の大腸菌の菌株がATCC特許寄託番号PTA−9260の下で、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託される菌株であることを特徴とする方法。
- 請求項5ないし12のいずれか1項に記載の方法が:
前記遺伝子融合物で形質転換される前記第2の大腸菌の菌株を水、乳、代用乳又は食品に添加するステップと;
前記水、乳、代用乳又は食品を哺乳類に投与するステップと;
を具えることを特徴とする方法。 - 請求項13に記載の方法において、前記哺乳類がブタであることを特徴とする方法。
- ブタの離乳後下痢症用の生ワクチンであって、
K88線毛と;
STbエンテロトキシンと結合した変異体のLTエンテロトキシンを含む融合タンパク質と;
を産生する大腸菌の菌株を含むことを特徴とするワクチン。 - 請求項15に記載のワクチンにおいて、前記大腸菌の菌株がATCC特許寄託番号PTA−9261の下で、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託される菌株であることを特徴とするワクチン。
- 腸毒性大腸菌に対するワクチンであって、ATCC特許寄託番号PTA−9261の下で、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関に寄託される大腸菌の菌株を含むことを特徴とするワクチン。
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